ダイエットブームから学ぶ


最近、体力の低下が悩みの種の相方。
出産にともなって増加した体重は、母子通園をしている保育園で準職員として走りまわったり、暑さが到来したりしたのと共に減少に転じたものの、素直に喜べる状況ではないらしく、今ひとつ冴えない。
こういうときにはハウツー本をどこからか探してくる、というのが「特技:資料収集」を標榜する相方の、苦境に抗うときのパターンだが、(実践できるかどうかはともかく)、探してくるものはいつもたしかに面白い。
今回は、<不調は代謝の低下ー代謝の低下は筋力の低下ー筋力アップには体を傷めないために先立って歪みの補正が必要>という筋らしく、前二者の対策に「スロトレ」、後者のために「自力整体」という二冊を投入してきた。


スロトレ完全版 DVDレッスンつき
まずは「スロトレ」。結構なブームだったらしい。著者の石井さんは類似の本を相当にいろいろ出しているから、かなり儲かったんじゃないか、とは相方の談である。射撃の指導をするとき、主に若い選手相手には、常々「スポーツだってことを忘れてないかい?」と、技術や道具に走りがちな選手たちにフィジカルの重要性を説くことが多い。それとなく、役に立ちそうなメソッドに関心は持つようにしているが、ダイエット界の方で、食の方をあれこれいじる不健康と紙一重なものから、代謝向上を目指す健康的な「トレーニング」へと、主流が取って代わっていたのはあまりよく知らなかった。読めば、平明でしっかりした内容である。なんだ、身体を動かしたがらない選手には、これをやらせておけば十分じゃないか。
一回りして、スポーツする側がダイエット界に学ぶ時代になっている(?)。


DVDで覚える自力整体
私にはもう一冊の、自己整体(自力整体)の方が面白かった。いくつか同様なものがあるらしいのだが、この矢上先生のが抜きん出ているらしい、とはこれも相方の分析である。
典型的な左右非対称運動で、動きがほとんどない上に長時間にわたって局所負荷をかける射撃は、それ単独には体にいいスポーツとは言いにくい。一緒に採用された鍼灸を指導する先生に、初任者研修で、筋肉の付き方のあまりのアンバランスさを指摘されて、はじめて「そういう」スポーツをすることの身体への影響の大きさを知った。今は、痛みの有無にかかわらず定期的に整体に通って、アンバランスなりに体の不具合にまでは繋がらないよう調整している。ただ、そうは頻繁に通えないし、だれにでも通うことを勧めるわけにはいかないから、自分で歪みを修正できるような方法にはずっと関心があった。
アスリートのためのコアトレ―100のエクササイズ12の処方箋
これまでにも、例えばストレッチポールなどを使って行う「コアトレ」には、ふだん緩むことのない脊柱周辺の筋肉を緩めて歪みをリセットする効果があった。単純にポールの上で背中を伸ばすだけで気持ちいいので、本来の「トレーニング」の部分はすっかり忘れて、ただ寝っ転がってばかりいる。今回のは、「整える」ということについてかなり「能動的」だ。あれこれと独特のポーズがたくさんあってやや難しく、時間もかかるが、身体のあちらこちらに「効いてる」感じがあり、新鮮だ。


相方への誕生日のプレゼントをヨガのウェアにしたりなんかして、応援しているつもりなのだが、私自身も相当に興味があって、便乗して頑張ってみようと思っている。今回の2冊には、いずれもDVDがついている。うまくできるかどうか、省かずにちゃんとやるか、という点でこういうのがいかに効果的かが、よくわかった。(それでもなかなか続かないと思うけれど…)。


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