修士進学は他大学を第一志望にすべし

メモを捨てろ、本を捨てろ、そのでかい鞄を捨てろ。そんなものに頼るんは自分に自信がないからや - バイオ研究者見習い生活 with ITに付けたブックマークコメントに,僕にとってはじめてのスターがついていたので,浮かれてタイトルにしてみた(少し煽り文句っぽく改変して).

このエントリに便乗して自分の体験を語り,修士進学のだめな例として挙げようと思ったが,書いているうちに話が脇道に入りすぎて支離滅裂になったのでいったん寝かせることにした.ただ,今学部4年の人に向けて進学について何かを言うとしたら,すでにギリギリのタイミングだと思うのでひとまず主張だけ書く.

その研究室は,良く見て選んだ所ですか?

大学院進学者のほとんどは,卒業研究で配属された研究室にそのまま入るだろうと思う.そして卒研配属の時は,希望の研究室選びといってもそんなに真剣でないことが多いだろう.配属のシステムからして,人数調整で弾かれるとか,成績上位者を除いて抽選で決まるということもある.
学部4年の前期では,就職活動に配慮してくれたり,「研究」の第一歩なので環境が新鮮だったりということもあって,戸惑いながらも結構楽しい(のだと思う).が,そのノリで上に進むことを決めたら,いざ卒論,そして修士の研究が全然面白くないという罠が仕掛けられている.院試は大抵,この「4年前期のノリ」のおしまいにやってくる.

若者は3年で辞める.そもそも3年しかないけどね

新卒の社会人のうち,3割は3年で辞めるらしく*1,ずいぶん問題視されている.やりがいを感じる事ができず,何の為にやってるんだかよくわからない作業を3年も続けていたら,きっとやめたくなることだろう.自分の興味と合わない研究室に入るのは,3年でやめたくなるような会社に入るのと(そんな会社に入った経験がないので想像でしかないが)同じようなことだろう.「修士の3割が退学して問題視されている」なんて話は聞かないが,それは単に(卒研と合わせて)3年で出て行くのが普通で,M1の時点では「あと2年我慢したら出ていける」からだと思う.

「普通は我慢できるから大した問題ではない」としても,これから進路を決めるという時に「うちは3年でやめたくなるような会社ですが,2年で出ていけるので問題ありません」なんて言われたらきっと逃げ出す.しかもそこは,大した情報も与えられないまま,ひどいときはくじ引きで割り当てられたような所だ.冗談じゃない.

研究室を選ぼう,他大学を見れば選択肢は数十倍

進学する研究室を改めて考えるときに,学内の研究室に絞る必要はまったくない.東京勤務を自ら希望して就活することはあっても,東京勤務の企業以外を受けるの禁止とか言われないのと同じ(個々の事情はあるかもしれないが,権利を制限されてるわけじゃない).最近の大学院は「他大学からの院進学者を増やす.開かれた機関になります」とアピールしているので,「情報くれ」と言えば喜んで提供してくれるだろう(勝手な想像).学外に視野を広げると,こんな事までやってるのかと思うほど多様な研究室がある.修士卒で就職するつもりでも事情は同じ.卒研で入った研究室どころか,学内のほかの研究室に入ることさえ「妥協だ」と思えるような研究室が見つかることと思う.「お願いしてでも入りたい研究室」に入ったほうが楽しいに決まっている.そんな所は無かったら?じゃあ今からでも就活がんばれ.企業ならいくらかでも給料が入る.
ピンポイントに研究室を探すのは難しいので,自分のやりたいテーマに関係していそうな学会なんかを調べてみると良い.そのテーマを扱う人たちが集まる研究会が開催されていたりする.そうしたら聞きに行ってみると,そのテーマを扱う人/研究室を見つけられるし,そのテーマ周辺の雰囲気もわかるかもしれない.また,修士の学生が発表に来たりもしているからきっと参考になる.「テーマが近くても興味のない研究がいかにショボく見えるか」ということが!もしあなたが興味に合わない研究室に入ってしまった場合,見た目だけでなく実際もそうなるのである.近々開催予定でなくても,バックナンバーなんかがあればそれを見てみる.研究者の名前と所属が載ってるから,そこから広げて調べていこう.

学外の研究室を志望にするもう一つの理由は気持ちの問題で,そのまま残留の場合リサーチは必要条件ではないので(必要最低限の情報は上から降ってくる.最低限は)適当でもなんとかなってしまう.それはもったいない.

具体例(自分の)は後で書く

わざわざ言うまでもない一般論になってしまった(進路ガイダンスとかでも言われるよねこういう事).適当な気分で配属された研究室で修士に上がり,M1前期で研究室から逃げ出した例(つまり自分のこと)は後で書く.他山の石にでもしてください.

*1:タイトルとamazonの紹介だけ見て拝借した.中身は読んでいない