鈴木さんちの球日記

撞球愚痴日記。2006年から書き続けているので、昔と今とでは持論が変わっていることが多いです。1プレイヤーの成長記として、生暖かい目で見守ってください。

こんな人もいるんだ

3本立て


1本目




相手ラックが主流だった時代、コンビやキャノンなどで早めに9番が落ちた場合、残ったボールをラックを組む人のためにフット側に集めるってのがマナーだったんじゃないでしょうか。


ポケットにボールがプールされるタイプのテーブルなんかだと、落ちたボールを拾って集めるってのがマナーですし、マナー云々以前の話として、海外の試合なんかを見ていてボールを取り出して集めている姿が勝者の証っていう感じがして格好いいと私は思っていたもんでした。



マナーが悪くてボールを集めないっていう人には会ったことがないですが、そのことに頭が回らずに集めない人はしばしば見かけます。インテル入ってる?



セルフラックが主流になってそんな場面も見かけなくなったわけですけどね。交互ブレイクの試合でたまに見かけることがあるようなないような。



セルフの勝者ブレイクの場合、ボールを集めなきゃ自分が二度手間になるだけですからね。あ。二度手間になっている人はしばしば見かけるな。インテル入ってる?


たまにわざわざ席を立ってボールを集めるのを手伝ってくれる相手もいますね。良い人だなって思います。手伝ってくれたらプラス評価になりますが、やらなかったからといってマイナスになるわけではありません。やらないのが普通かなと。



さて。相手ラックだったのがセルフラックになり始めた当初、古参のプレイヤーからセルフラックに対するこんな反対意見を聞きました。


曰く、相手にラックを組ませることで前のマスを得点したという優越感に浸れるのであって、なぜ自分が得点したのに自分でラックを組まなければいけないのかと。


そんなことを考える人もいるもんなんだなーなどと思ったもんでした。



セルフラックになって変わったことはと言えば、得点の付け方も変わりましたよね。


相手ラックだった頃は、相手がラックを組んでいる間に自分で点をつけることになっていて、試合ですと付け忘れたままブレイクをしてしまうと、その得点は無効というルールな事が多かったんじゃないでしょうか。


セルフラックになってからは、自分で自分の点数をつけるとなると、キューを持ち換えたりラックを組んだり点数をつけたりとやることが多くなってしまうので、相手選手が点数をつけてあげるというのが一般的になり、段々とそれがマナーになったのではないでしょうか。



コインでつける場合なんかは、自分で点がつけられるようにフット側スタートでコインが置かれることもありますよね。



セルフラックの交互ブレイクな試合では、ブレイクをしない手が空いている方が点をつけるってのがマナーになっているかと思います。


さて。先日バグース平日トーナメント(セルフラックの交互ブレイク)へ出て、きっけー氏の試合を眺めておりましたところ、相手選手の得点をつけるそぶりがない。


当日注意するつもりが忘れてたので後日LINEで言ってみました。


マナーが悪いのではなくマナーを知らないのだろうと思ったわけです。相撞きし慣れていない人でありますので。


案の定「セルフラックになってからは相手が点をつけるのが一般的」ということを知らなかったのですが、こんなことを言われました。



「点取った!って気分にならなくない?」
「自分で線つけたり、自分でコインを移動させて、今、一点取ったって感じてる」
「リズムとか気分作るのに、今、点取った、やったー!って思うの大事じゃない?」
「自分のことは自分でやるのが当たり前と思ってた」


とな。初めて聞く意見だったので、世の中色んな人がいるもんだと思うと共に、「相手にラックを組ませることで優越感に浸る」って言ってた古参プレイヤーのことを思い出したのでありました。



セルフラックが主流になり、手の空いている方が点をつけるというのがマナーになり、それまでは「付け忘れは無効」と言われていたのが有効になった試合も多いんじゃないでしょうか。


だからと言って、相手が必ずつけてくれるとは限りませんよね。マナーが悪いのか、戦略なのか、マナーを知らないのか、単に忘れているのかは分かりませんが、しばしば付けない人はいるわけでして。


そういう時は自分で付けるしかありませんから、なんだかんだで毎度点のチェックはしなきゃいけない。


付け忘れも有効って言われたところで、無効だった頃と何か変わりありましたでしょうか?


自分でスコアをつけなくてはいけず付け忘れが無効だった時代に私は何度か付け忘れたことがありましたが、相手がつけてくれました。


私も相手が付け忘れてブレイク体勢に入ってたら「付け忘れてますよ!」って言ってました。言わずにコッソリつけておくことの方が多かったかな。



付け忘れた得点も有効ってのは、今まではブレイクをしてしまった後には付け足せなかったけれど、思い出せば付けても良いですよってことなわけですよね。


ただ、ルールが許しても相手が許さなかったらどうなんでしょう?


さすがに付け忘れに気付いていて、それでいてイチャモンをつけるような悪人はいないと思います。


けど、付け忘れに気付いておらず「付け忘れたんで、付けても良いですか?」と聞かれた時に「え?付けたでしょう?」「さらにもう1点付けようとしてんの、この人!?」みたいになったらどうしますよ。



実際1度だけそういうトラブルを見たことあります。片や付け忘れたから付けたいと言っていて、片や不正に1点追加しようとしていると疑っていて。残念なことに、誰もその試合を見ていなかったからどちらの主張が正しいのか、誰も判断出来ないっていう。


再試合になりましたからね。その対戦。



たぶんですけど、雰囲気から察するに、付け忘れたって方が事実だったと思います。けど相手は既に点数は付けていたと本気で思い込んでいた。不正を働こうとしていると本気で思い込んでいた。真剣に試合しているのに1点追加されるだなんて信じられないという気持ち。


こんなこともあるわけですので「『付け忘れも有効』って言われてもねぇ」と私は思っておりますのです。




2本目



私、対戦中には出来るだけ点数を意識しないようにしています。


JPAをやっていた時は特にそうで、リードしている時も競っている時も負けている時も、いかなるシチュエーションでも何の影響もないかマイナスになるかのどっちか。


少なくともプラスにはならないので、出来るだけ点数を意識しないようにしていたのです。


展開がどうとか考えず、一定のテンションで目の前の球を攻略することだけ考える。それが私にとってのベストなメンタルの作り方だと思っております。



普段のセットマッチでも同じです。


セットマッチの時はスコアラーがいるわけでもなく自分たちで点数をつけなきゃいけませんから、毎ラック終了後には点数を見ることになるわけですけど、意識し過ぎないようにしています。


「意識しないようにしなきゃ!」なんて思っている時は意識しちゃっているわけですけど、無意識に出来ていることが結構多い。


なので、スコアを思い出そうと思っても思い出せないことが多いんです。


そろそろ終盤って頃、相手がゲームボールを入れるにせよ私が入れるにせよ、終わったら「ありがとうございました」って言わなきゃいけないじゃないですか。


そのためにスコアを思い出そうとしても思い出せない。自分や相手がリーチをかけているのかどうか思い出せない。


スコアを記載しなくても頭で覚えている人っていますよね。「今2−2です」みたいに覚えている人。


そういう人に会うと「記憶力良いな!!」って思うんですけど、記憶力云々じゃなくて、スコアを意識しているかいないかの差なのかもしれません。


スコアを意識していないような人は勝負を舐めている!!って言われちゃったので、スコアを意識しないことでメンタル作りをするようなプレイヤーもいるのだと知っておいて欲しいなと。。。


ただ、バグースの平日トーナメントに出ている時に思ったことがあります。


バグースの平日トーナメントは交互ブレイクです。交互ブレイクはしばしばどちらのブレイクターンだか分からなくなることがあって、そういう時にはお互いの点数を見て何ラック目(奇数か偶数か)などで判断しますよね。


そういうシチュエーションでスコアを確認しても「劣勢だ」「競ってる」「優勢だ」とかいう感情が全く湧いてこなかったんです、私。


今ならもしかしたら、スコアを把握しながらでもマイナスになってしまうことなく球が撞けるのかも?


と思っている今日この頃です。





3本目



身近に地上最強B級戦を含め、B級公式戦の覇者が結構いるんですが、ほとんどの人が強い系の球を撞く。メンタル強めな人が多い印象です。


けれど1人だけ、言っちゃ悪いがめっちゃメンタルの弱い人がいる。仮称Y氏とします。


Y氏は私と相撞きしている時もそうだし、他の人と撞いている時や試合の様子を見ても、すぐにメンタル崩して球を外している。


「よくそれで優勝出来たな」って思うでしょうけど、メンタルのマイナス分を加味しても勝てるくらい上手いってことです。



他者評価でのアベレージが100な人がいたとして、調子がいい時が120、調子が悪いと80だとします。


自己評価が「俺は120だ!」って人はしばいば見かけますし、冷静に「100が自分です」っていう人も多いでしょう。


そしてストイックだとか格好つけだとかで「私は80です」っていう人もいる。


Y氏の場合は最後のパターンで、試合でメンタル崩してボロボロになっている時の球を自分の実力だと考えている様子。Y氏の場合はメンタルでのマイナス分が酷いので、アベを100だとしたら70くらいでしょうか。


そのボロボロの状態でもB級公式戦で優勝出来るくらいまで、B級を名乗っていたということ。


となると「クラス詐称」とか、普通は言われちゃうじゃないですか。


しかし、Y氏に関してはあまりそういう声を聞きませんでした。


というのも、基本的にいつでも70の球を撞いているからで、その70の力であれば「BでもAでもどっちでもいい」くらいの感じだったからです。


メンタルボロボロな状態がデフォルトになってしまっているY氏。大体いつでも70の球を撞く。MINがデフォルトになっているので70未満になることが無い。反面、70を上回る球を撞くことも滅多にないっていう。


なんかとっても面白いY氏です。


基本的にいつでも70の球であるにも関わらず、私も含めて周りのA級から怖がられたり高評価されてたりするY氏。


普通、いつでも冴えない球を撞いていたら周りの人から「それが実力でしょ?」って思われちゃいますよね。




けどY氏の場合、メンタルが弱いのは誰が見ても分かることで、そしてミスのほとんどが「メンタルが弱くてのミス」というのが分かるこそ「もしメンタルが強かったら」と多くの人がイメージしてしまうのです。


もしメンタルが噛みあったら。メンタルというのは一体いつスイッチが入るか分かったもんじゃありません。


そしてY氏は、ほんと極稀に100や120の球を撞いてくる。


その時の球が本当に上手いもんだから、周りの人たちが怖がるっていう。


眠れる獅子。私は勝手にそう呼んでいます(笑)