逆転の競争戦略

新版 逆転の競争戦略―競合企業の強みを弱みに変える

新版 逆転の競争戦略―競合企業の強みを弱みに変える

新版 逆転の競争戦略−競合企業の強みを弱みに変える
についてまとめてあるページがあった(以下)。ちなみに本書の著者の山田先生の講義を受けたことがあるが非常に面白かった。
http://www.utobrain.co.jp/review/2004/100101/

上記で記載されている以下の内容はとても重要だと思う。
「自社の事業を“物“で定義していると、特に業界破壊者が登場した時に、リーダー企業は自ら自分の首を絞めてしまう。例えば、ナガオカは自らを“レコード針の会社”と考えていたため、CDが出現したことにより、売上が急減し、企業を解散せざるを得なかった。自社の事業を“物“でなく、顧客に提供する”機能”で定義できれば、仮に技術に連続性がなかったとしても、企業は新たな展開が可能となる。」

これは「イノベーションへの解」で、
顧客が特定の「用事」を片づけるために製品を「雇う」と言っていることと同じだと思う。
http://www.future-planning.net/xp/modules/wfsection/article.php?articleid=40
うーん、このページもうなづける。
下記①に記載されている中堅幹部がいかに多いことか。こんなんだから、イノベーションを起こすことができないのだと思う。MBAもとっていないのに、グロービスをかじっただけで、なんちゃってMBAホルダー気取りでビジネスモデルだ、4Pは何だ?ターゲットは何だ?事業ドメインは何だ?など言っている中堅社員がいかに多いことか(重要だとは思うけど、分析だけ行っても何も起こらない。こんなのは机上の空論でしかなく、アクションを起こし、この机上の空論がいかに間違っているかを知ることの方が重要だと思うのだが)?
一橋大の野中先生の「イノベーションの本質」にも記載されてたが、MBAまがいの論理的思考では、世の中にある既存・顕在市場をベースにして、分析やセグメンテーションを行い、戦略を練った上で、新商品を開発していくアプローチだから、既存製品に対して相対的・同次元のレベルの製品しかうまれない。このアプローチでは、到底、あっと驚くような面白い、あるいは世の中を変えるような絶対的・非次元のレベルの製品は生まれないと思う。上記のような傾向にあるミドルには是非読んでもらいたい本である。


①上記URLの記載内容(一部)
リサーチ・分析業務に長年従事している私が特に首肯したのは、次の指摘です。

◆市場調査員は、顧客が片づけようとしている用事を的確に理解していることも多い。だが、資源配分プロセスでは好むと好まざるとに関わらず、機会の性質は主に市場規模という言語で説明されなければならない。(中略)これはむしろプロセスに関わる問題なのだ。

◆上級役員は顧客を理解するためではなく、市場機会の規模を定量化するために、市場調査を利用することが多い。

ほんとうにその通りですね。「定量化」というのが求められる調査プロジェクトが大半。リサーチ担当者としては、「洞察」を示したくても、数値が求められる以上は言うべきことがないわけです。市場規模とかシェアとかの定量データが好きな中堅幹部がいかに多いか、これは驚くほどです。(どうも、意思決定のため、というより、さらに上級の幹部向けに説明しやすい資料を作成するため、ということのようですが・・・)


イノベーションの本質

イノベーションの本質