効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

鉄道事業

日経ビジネス11月16日号に、ウオールストリートジャーナルの記事が転載されている。タイトルは、「バフェット氏、鉄道で大勝負」。
著名な米国の投資家ウオーレン・バフェット氏が、米国の鉄道最大手であるバーリントン・ノーザン・サンタフェを263億ドルで買収することに合意し、人生最大の賭けに出たとある。バフェット氏は燃料コストが高騰する時代には、トラック輸送より鉄道会社の方が強いと踏んだとその記事に書いてあるのを見て、リターンが確実なものを選んで投資してきたこの人は、米国の鉄道事業が長期的に高い収益性を持つと考えているのだなと思った。米国の鉄道事業は州間高速道路網の拡大に伴うトラック輸送の急成長のあおりで何十年も衰退が続いたが、ここ数年は復活しているという。
なるほどと思った。米国の旅客列車に何度か乗ったことがあるが、快適とは言えないし定刻通りに走るのは期待する方が無理。しかし、貨物列車は長大なもので、踏みきりでこれにぶつかると長い間待たされる。ディーゼル機関車に引っ張られているのがほとんどだ。この大気汚染が問題になったことも記憶にある。オバマ政権は鉄道事業を環境対応としても評価しているから、これから新たな発展期に入ったのかもしれない。などと考えていたら、今日の日経新聞が一面トップで、日立が英国で高速鉄道の一部区間について今年度中に契約し、総事業費約1兆円の過半を1社で受注する見通しだし、川崎重工は米国向けの路面電車を開発すると報じている。また、東芝ハイブリッド自動車の技術を応用した電気機関車を開発し、海外を中心に売り込むとも書いている。
日本の鉄道技術、特に車両技術は世界の先端を走っているはずだ。しかし、国内市場は成熟しているから、先進国だけでなく発展途上国向けにも大きな市場があるのを早く先手を打って抑えなければ宝の持ち腐れになる。もし電化されている鉄道が普及してくれば、これから世界に導入されるスマートグリッドの一部に使えるかもしれない。電車に蓄電池を積めば、電気自動車と同様に蓄電放電をさせることができるからだ。自動車とは桁が違う蓄電容量を持たせることは難しいことではない。これもからめて米国が、自動車社会から鉄道社会に徐々にシフトするのかなどと考えるようになった。