効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

オーストラリアのエネルギー政策転換

昨年9月30日に書いたオーストラリアのエネルギー政策転換が、世界最大級の風力発電事業を足止めさせているようだ。ロイターが報じているが、同国のトニー・アボット首相は、どうも風力発電を嫌悪し、「音がうるさい、健康被害が出る」と公言しているという。新政権は再生可能エネルギーの支援策を極端に後ろ向きにし、逆に石炭産業の振興策に力を入れる方向に向かっている。そのため、120万キロワット規模のウインドファームの実現が危ぶまれている。政府支援が打ち切られるために、事業リスクが高まり、民間からの資金調達に支障が出そうなのだ。オーストラリアで水力発電に次ぐ再生可能エネルギーが風力にあると見られていただけに、クイーンズランド州で計画されていたプロジェクトはどうなるか分からなくなっている。民間資金が調達できるという楽観的な見方もあるようだが、政府がそれにさらに水を差す可能性もある。アボット首相は石炭を人類のためになるエネルギーだとしている。中国企業が計画していた炭鉱の新規開発にゴーサインも出したらしい。風力事業への差し止めが、首相の権限を越えているという論もあるらしく、これからの動きを見なければならないが、人口一人当たりの炭酸ガス排出量が先進国の中では最大であるだけに、年末のCOP21とのからみもあって、最終的にどのように決着するかは分からない。