オバマ大統領がキューバを訪問した。現職の大統領が同国を訪問するのは90年ぶりのことだとNYタイムズは報じている。だが、これまで半世紀以上にわたって交流がなかった国への訪問には、キューバ国民の中にも反対する人がいる。到着した空港は厳重な警戒がなされ、これまでにも政府主導による米国との国交回復に反対する人の逮捕などが続いているようだ。オバマ大統領としても、キューバの人権問題などへの対応に神経を使わなくてはならないだろう。キューバのナショナルチームによる野球の試合を観戦する予定になっているが、来場者は招待者のみであって、来場者は厳しくチェックされる。オバマ大統領は、キューバのカストロ議長（キューバ革命を率いたフィデル・カストロの弟）と面談する以外に、この反対グループとも面談する予定になっているようだ。警察国家であるキューバは、厳重な政府の管理の中で米国との関係修復をはかるのだが、それ自体を民主的ではないとする人も多いらしい。平穏裏に米国とキューバの関係修復が成功し、キューバ国民も民主化を納得すれば、オバマ大統領が残す大きな遺産になることは確かだろう。
