効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

南シナ海を巡る国際仲裁裁判

南シナ海に大きく領有権を主張する中国に対し、同じ地域に主権が及ぶとするフィリピンが異を唱え、オランダのハーグにある国際仲裁裁判所に訴えを起こした件について、昨日判決が出た。その内容は中国の主張をほとんど否定する結果となっていて、予想通り中国はこれを無視する態度に出ている。この海域に大きな経済的価値を持つ日本とすれば、この紛争が拡大するのは本意ではない。だが、もともと国際法というものが国家間の合意によって成立したものだということと、仲裁裁判には強制執行力がないということを考えれば、自分に不利な判決は無視しようとするのは当然かも知れない。周辺諸国や欧米諸国は、判決無視が中国にとって大きなマイナスになるという経済的・軍事的条件を作り出さなくては、中国を仲裁判決に少しでも近づく行動に向かわせることは難しいだろう。厄介な国際紛争が発生したものだ。この海域に権益を持つが、中国と国境を接する諸国は、中国からの政治的経済的圧力を受けるのを避けるために曖昧な姿勢をとるだろう。悪くすればここでの政治的紛争が軍事的紛争に変化しないとも限らない。日本としては注視することしかできない。今後どう展開するだろうか。