効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

LNGタンクからのボイルオフガス

天然ガスは約マイナス162℃という極低温まで冷却すると液体になり、気体の状態に比べて体積が約600分の1に減る。この液体を液化天然ガスLNG)と言うが、小さい体積のものを高級大型魔法瓶のようなタンクに入れて輸送したり、貯蔵したりする。LNGタンクには外気温が侵入するため、液体が少しづつ気化する。これをボイルオフガスというが、これをそのままにしておくとタンクの圧力が高くなるため、どこかに逃がしてやらなければならない。そのまま大気に放出すれば、メタンが主成分だから危険でもあるし、地球温暖化を促進することにもなる。だから、LNG輸送船の場合には、このボイルオフガスでエンジンを駆動する。貯蔵基地の場合には、それを昇圧して高圧天然ガス輸送パイプに入れてやるが、この昇圧にはかなりの電力を消費している。これに日揮が着目し、気化したガスを利用して発電するシステムを開発した。日揮が開発したシステムはこのガスをガスエンジン発電機の燃料にする。調整装置でガスの熱量や窒素の成分を調節してエンジンを安定的に稼働させ、受け入れ基地の消費電力を10〜15%削減できるという。この電力が欲しい新電力も少なくないと考えられる。意外にヒット商品になるのではないか。発電規模は数万キロワットになるから、多分ガスエンジンを複数台並列にするのだろう。電力需要変動には稼働台数を増減させ、エンジン排熱はLNGを加熱して気化させるのに使えるから、総合エネルギー効率は高くなるはずだ。