効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

常温核融合

核融合は非常な高温の環境でないと起こらないというのが常識だった。だからプラズマを使って1億度といった高温を作り出す装置の開発が進められてきた。フランスや日本などは、国際協力の下で「ITER(国際熱核融合実験炉)」の建設を進めている。巨大なコイルによって、「1億℃」を磁場で閉じ込めておく手法だが、当初の目標に比べ、実用化は大幅に遅れている。ところが、仙台市に2015年4月、「東北大学電子光理学研究センター」に「凝縮系核反応共同研究部門」が新設された。「凝縮集系核反応」とは、金属内のように原子や電子が多数集積した状態で、元素が変換する現象を指す。凝縮集系核反応であれば、常温から数百℃という低温で元素が融合し、核種が変換するという。これまでは、この凝縮集系核反応では過剰熱の発生が実証されなかった。しかし、その可能性を信じる一部の研究者たちが地道に研究を続け、徐々にこの現象の再現性が高まってきたということだ。反応に使った熱よりも多い熱を発生するということは、その余分の熱を発電など何かの目的に利用できるということだ。また、放射性廃棄物を無害化する技術にもつながるそうだから、この技術の開発が進めば、いわゆる原発の世界にも新しいイメージが出るかも知れない。