効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

オーストラリアの天然ガス

高い水圧を横に向けてかけることによって地層にひびを入れて石油やガスを採取するフラッキングという新しい掘削技術が開発されたために、米国では天然ガスや石油の産出量が急増した。それでも例えばニューヨーク州では環境リスクがあるとしてフラッキングを禁止している。欧州でもこの技術の利用を認めている国は少ないだろう。では天然ガスなどの資源大国であるオーストラリアではどうだろうか。人口の多い南部諸州では、フラッキングを認めていないところがほとんどのようだ。左寄りの政権の政策と環境保護論者や農家が反対する力の影響を受けている。同国北部は天然ガスの主たる産地であるが、最近これを禁止する政策がとられることになった。これによって天然ガスを安く生産する手段がなくなる可能性があり、国内の天然ガス価格が上がる可能性があるとされる。南部のシドニー周辺には、天然ガスを原料に使う産業が集まっていて、世界市場で競争力を落とすことになる。また、これまで推進してきたガス火力の発電コストが上がり、環境保護論者が反対している石炭火力に頼らざるを得なくなる可能性もあるという。それに代わる再生可能エネルギーはまだ十分に開発されていない。これからの政策動向を注目する必要がある。