効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

白金触媒の代替

固体高分子電解質燃料電池PEFC)の中核部であるセルには、燃料である水素と酸素を結合させる役割に重要な触媒として白金触媒が使われている。このコストダウンが世界の課題だったが、日清紡がこれに代わる白金を使わない触媒を開発し、カナダの燃料電池大手バラード・パワー・システムズに供給を始めるとのことだ。代替素材に炭素を使うことで材料コストは数千分の1に減らせるというから見事なものだ。材料コストは安いが、製品として作り上げるのにはまだコストがかかるだろう。米エネルギー省によると、燃料電池車(FCV)1台当たりの触媒コストは現在、3650ドル(約40万円)。FCVの普及が見込まれる2030年ごろには触媒コストを10万円程度に引き下げる必要がある。バラードには、携帯型電子機器に使う電池用の触媒を供給する。日清紡燃料電池車(FCV)向け燃料電池にも白金を使わない触媒の採用を狙っており事業化を急ぐようだ。燃料電池車普及の一つの大きな障壁が低くなる可能性が高い。現在使われている白金触媒については、燃料電池自動車が廃車になったときに、レアメタルである白金を回収して再利用しなければならない。それも不必要になるだろう。大きな貢献になると思う。