効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

農地で風力発電

これまで農地の転用には厳しい規制がかかっていて、風力発電設備の設置は事実上不可能だった。欧州などでは農業を営む住人が共同で風力発電を建設運用するケースが多いのだが、日本ではできなかった。ところが、今日受け取った自然エネルギー財団からの情報で、九州の唐津市で農地に一本の風車を建てて、1,990kW出力の風力発電がこの2月から運用を開始したと知った。この資料によると、2014年5月に施行した新たな法律により、農地でも風力発電が可能となった。新法とは「農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律」という長ったらしい名前のものだ。売電収益の地元還元率やその使途を含めて基本計画を策定する必要があり、簡単にできるというものでもない。唐津市九州電力玄海原子力発電所から30キロメートル圏内に立地していることもあり、農山漁村RE法の取組に関して積極的だったようで、地域の合意を得るのも早かったようだし、地域の積極的な支援も見られたという。発電事業者の自然電力は農山漁村RE法のスキームにのっとり、売電収益の1%を地域に還元する予定だという。設置工事の時は別として、運用が開始されると農地はそのまま農業用に利用できる。風況の良い農地が日本でどのくらいあるか確かではないが、北海道などではかなり広い地域で可能かも知れない。地域としても、風車が回る毎に利益が還元されると考えると、風車の回る音はお金が回る音となるに違いない。日本では太陽光発電偏重だったのだが、多少風力発電が増える方向に向かうとすれば嬉しいことだ。