効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

燃料電池自動車用水素ステーション

今日の日経新聞の新潟地方版に、新潟県燃料電池車(FCV)の県内での普及に向けた事業で、岩谷産業など2社が県内初の水素ステーションを整備することが決まったと発表したと報じられているのを見て、設置数が少ないことは知っていたが、各都道府県に一つずつ位はあるだろうと思っていたので驚かされた。7月中にも工事に着手し、2019年2月末に完成する予定だというから、設置にも結構時間がかかることも分かる。県によると整備費用は全体で5億〜6億円(ガソリンスタンドなら1億円)になる見込みだが、経済産業省新潟県補助金それぞれ約2億円、7500万円を利用する。この費用を見れば、設置数が増えないことも当然かも知れない。しかも、それを利用する燃料電池自動車自体がほとんど普及していないのだから、水素ステーションは事業として成立しないものがほとんど全てだと言える。新潟県の場合、当面は県と新潟市が1台ずつ導入する予定のFCVに活用するとのことだ。シンボル的存在でしかない。
ネットで調べてみると、2017年8月現在、設置されている水素ステーションの数は92。これは移動式水素ステーションの設置数も含めての数字だから、あらためて普及は初期段階とも言えない状況であることを再確認した。次世代エネルギーを推進する政府は、水素ステーションの目標建設数を2015年末までに100箇所としていたのだが、目標との乖離が大きい。電気自動車の普及は世界的に進み、その蓄電池を利用して電力供給の一端も担うようになることは確実だから、燃料電池は環境対応という政策手段の意味しかなくなる可能性がある。自分としては燃料電池自動車の将来性に期待したいのだが。