マルハナバチなぜ飛べる

今日は一日良い天気で、気温も28〜9度まで上がったようだ。朝遅めに起きてゆっくり新聞を見ていると、面白い科学記事にでくわした。欧米で人気が高いという、ミツバチより一回り大きくずんぐりしたマルハナバチは、太い胴体の割に羽が極端に小さく、航空工学の理論からすると飛べるはずがない。しかし、現実にこの蜂は飛んでいる。飛行機や鳥とは違う原理を使っているのだが、まだその原理は解明されていないそうだ。

飛行機の翼の上側は空気の流れが下側よりも速く、圧力が低くなる。この圧力差が翼を上に吸い寄せる揚力を生んで機体が浮かぶ。しかし、翼を小さくするとその仕組みが通用しなくなる。空気の「粘り」で翼の周りに乱流ができて圧力差がなくなるのだそうだ。「粘性の壁」という現象。ところがマルハナバチはこの粘性を利用して飛んでいることが分かったという。この蜂は1秒間に2百回ほど羽ばたく。羽を打ち下ろすとき、前と後ろの端から空気が激しく回り込んで渦ができる。引き上げるときも羽の角度を変えることで同様の渦が発生する。空気の粘性のために渦が羽にはりついて、渦の中は圧力が低くなり、羽が引き寄せられて浮かび上がる仕組みだという。この仕組みは他のハチやハエなどの小型の昆虫に共通する。ところが、小型の昆虫の多くは体重とほぼ同じおもりをつけても飛べるが、渦の効果だけではこれほど大きな揚力は出ないそうだ。現時点でなぜ飛べるのか、スーパーコンピュータを使っても効果の計算ができないらしい。

いままで、昆虫の飛び方が飛行機などと異なると考えたことがなかった。しかし、アブが一点で停止したり、前後に同じような速度で飛ぶのを見ると、気流の流れで生まれる揚力ではないことは分かるような気がする。それよりも驚いたのは、これほど技術が進歩したと思える現代にあっても、身近に生きている動物の行動原理がまだ分かっていないということだった。一秒に200回の羽ばたきでも、おそらくエネルギー効率は極めて高いはずだ。現在の技術では実現できないかもしれない。人間の傲慢さを教えられた気分だ。

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