ゆるり鑑賞 Yururi Kansho

映画や海外ドラマ、たまに本の感想を基本ネタバレで

「アメイジング・グレイス」 〜いま日本に欲しい、こんな指導者〜

公式サイト:http://www.amazing-movie.jp/音が出ます!

AMAZING GRACE

監督:マイケル・アプテッド
製作:テレンス・マリックエドワード・R・プレスマン
撮影:レミ・アデファラシン
脚本:スティーヴン・ナイト
(2006年 イギリス)

※ネタバレ含みます。

【ストーリー】
若くして政治家となったウィルバーフォース(ヨアン・グリフィズ)と、
彼と同じ志を持つ友人のピット(ベネディクト・カンバーバッチ)。
イギリスの主収入源である奴隷貿易に心を痛め、現状を打ち破るべく闘う2人だったが、
想像以上の苦戦を強いられるウィルバーフォースを支えていたのは、
師が作詞をした「アメイジング・グレイス」だった。
(シネマトゥデイより転記させていただきました)

「200年の時を越えて歌い継がれる名曲『アメイジング・グレイス』。
この曲の美しい旋律を知らぬ者はいないだろう。
しかしその一方で、この極の<誕生>を知る者は数少ない。」

私も知りませんでした。
ジョン・ニュートンが作詞した経緯をこうやって知ると、歌詞の内容が心に沁みます。
AMAZING GRACE 04
ニュートン役のアルバート・フィニー、視力を失った後の演技が素晴らしかった。
この人は個性の無いのが逆に長所という気がします。その都度演じる役そのものに思えます。

また、「英国王のスピーチ」でジョージ5世役だったマイケル・ガンボンは、
彼らしい茶目っ気のあるかわいらしい役で登場。
AMAZING GRACE 03

AMAZING GRACE 02
ウィルバーフォースの妻役はロモーラ・ガライ
今作は、彼女が主演した「エンジェル」(2007)よりも前の映画なんですね。
文部科学省選定・東京都知事推奨」とありますが、この作品が上映されるまでに
何故これほどの時間を要したのでしょうか?
一流の俳優陣と力強いストーリー、派手さは無いけれど、良い映画だと思います。

己の信念と正義に基づき、戦い続ける勇気を持つ政治家、
今の日本に最も必要なものですね。

ただ、奴隷制度を廃止した後も、イギリス(他のヨーロッパ諸国も)の植民地政策は続くわけですから、
なんだかなぁという気持ちもあります。

テアトル梅田にて鑑賞。