忍者と言えば

 オジャマモンやカルロスの顔を見飽きた僕は、病床にあって、封を切っていないゲームに手をつける事にした。『忍道 戒』と『SIREN』の内どっちにしようか迷ったものの、ただでさえ夢見が悪いのに『SIREN』のようなホラーゲームに手を出してしまうと、グロテスクなゾンビに食い散らかされる夢のオンパレードが待っているだろうから、ここは一つ忍びの道に足を踏み入れる事にした。

忍道 戒

忍道 戒

 僕は、PS版の『天誅』シリーズが好きだった。『メタルギアソリッド』や『ヒットマン』と同様の隠密3Dアクションゲームではあるものの、忍者という立場上、敵対勢力の人間は皆殺しにして良い。敵に視認されていなければ、一撃で相手を屠れるシステムや、刀を納めた状態だと速度が増すシステムを利用しての無茶な連続暗殺など高いゲーム性が存在していた。製作会社は『アクアイア』。だが、版権の都合かなにかで、『K2』が開発することになり、ややこしいが『フロムソフトウェア』からPS2の新作が発売されるようになる。
 PS2版で発売された『天誅 参』だが、2時間ほどで放置した。以後やっていないし、人にも貸さない。まあ、貸す価値も売る価値もないゲームだと思っている。大したバージョンアップもされていない上に、移動速度の遅い主人公。そして何より、刀を納められない。忍者の癖に、足が遅い…。説明書を何度見ても、ダッシュボタンも加速コマンドもない。【 主人公のスピードが遅い=敵のスピードも遅い&無茶な配置もされない 】。「これでも充分楽しめる」って言う人もいるだろうけど、これじゃ、ただのバージョンダウンだ。
 って『天誅』の不満を長々述べたが、『忍道 戒』は『アクアイア』と『スパイク』の合作ということで購入したゲームだ。ただ、『天誅参』のことがあって、封を開けるのが嫌になってしまっていた。
 で、やってみてだけど、面白いっす。スゲーは、『アクアイア』。いや、凄くねーは、『K2』&『フロムソフトウェア』。もう、刀を納めるとか何とかケチ臭い事は言ってないで、加速ボタンが追加。自動車より早い忍者の誕生である。加速中のジャンプ+壁跳び+鉤爪で、登れない屋根はない。見つかっても、ぶっちぎりで敵を置いていける。その分、敵が滅茶苦茶配置されていたり、まともにやったら勝てない相手なんてのがウヨウヨしている。また、見つかると評価点を下げられてしまうので、気にする人は高い技術を要求される事になる。
 さらに、忍具の購入・任務成否による勢力の増減・調合による作成・自宅に敵が襲ってきた時の為の罠配置などなど。とりあえず、考えられる要素は、追加しまくりです。「新作は当然、バージョンアップじゃなきゃね?」って製作陣の声が聞こえてきそうなぐらい、バージョンアップがされている様子。日数分ミッションをこなすわけだけど、60日ぐらいでクリアになったから、60面遊んでいる。こういうアクションモノで、途中で飽きさせないのが、何より凄い所だと感じた。
 まあ、バグも目に付いたけどね…。操作性においても、投げとしゃがみ+血祀りコマンドが同じボタンだから、周辺の敵との兼ね合いで血祀りをズラすと投げになったりして、マジでムカついたよ。溺死させようとして、仲間に斬り付けられる体験をするプレイヤーも、大勢いると思われるしさ…。その辺は、すぐに直せたんじゃないかと。
 あと、主人公の鴉のゴウって、どう見ても『天誅』の主人公『力丸』だよね?いいんだけどさ…。版権的にいいのか???それに、パッケージの裏面右下の写真、センス0です!さぞ、購買者を減らした事でしょう。