壁の言の葉

unlucky hero your key

 Try to make a smile…


 チャップリンの名曲『Smile』を細野さんが歌い続けている。
 いまこれを歌う。
 それが彼なりのなけなしの態度なのだろう。
 教授の直接的で動的なメッセージとは対照的に。
 また、その方法だけでは補えない部分を、フォローするかのように。
 むき出しの正論というものは、ときに無用な警戒心を生むもの。
 だからこそ音楽は、音楽ならではの役割を担ってきた。
 

 Smile.


 ステージ上では笑うことのなかった、
 またそんな無機質感をウリにもしていたYMOというバンドの、
 その静かなるバンマスが、
 いまこそ笑顔を、と語りかけている。


 なけなし、だ。


 実は、
 細野さんのアルバム『Medicine Compilation』に、そのものズバリのオリジナル曲があって。
 その名も『Laughter Meditation』。
 笑う瞑想法。
 これを現在のYMOでやったらどうだろう。と妄想してしまう。
 人気曲の、それも正調の懐メロ大会なんかやってるより、よっぽど強いと思う。
 未完成感の拭いきれないFirebirdよりも、大きいし。やさしいし。
 あるいはhasymo名義で作った『Rescue』か。


 Get your mind right.
 I'm on your side.
 Progress or regress.
 Why, not go forward.


 さて、
 激動の一年でしたが。
 まだまだこれからでしょう。
 おのおのがた、
 真価は、
 来年どれだけ笑顔を作れるかですぞ。
 まずは、隗より始めよ、である。




 Try to make a smile.




 大人の作り笑顔というものが何より大嫌いだった元子供のあたしが言うのだ。
 んで、
 いまもそれを引きずっている。
 けど大切なんですよ。これ。
 ニンゲン、真のなけなしは、笑顔だけ。
 それだけ。
 無い袖は振れなくとも、
 笑顔は返せる。



 この一年、
 どのページであれ、
 最後まで読んでくれた人がいたのなら、
 いろいろとすみませんでした。
 それと、
 ありがとう。
 こんなんですがよろしければ、来年もよろしくです。





 ☾☀闇生☆☽