やしお

ふつうの会社員の日記です。

内田貴『民法改正』

http://book.akahoshitakuya.com/cmt/14122595

あ、本気でみんなに知ってほしいと思って書いてるんだな、と思わせてくれる内容でした。改正内容の羅列で終わらせず、民法の基本的な思想、各国との比較、成立過程、改正の意義、改正の具体的なテーマの紹介、といった構成でアウトラインを何となく描けるようになっているという。特に、スカスカな条文を、緻密なドイツ流理論体系と判例の蓄積で補う構造(それで民法だけを読んでも分からない)という民法の現状はへぇーという感じ。本書で散見される、改正反対派の意見を挙げてそれに反論する箇所のフェアさを留保すれば、素人目に面白い本でした。

民法改正: 契約のルールが百年ぶりに変わる (ちくま新書)

民法改正: 契約のルールが百年ぶりに変わる (ちくま新書)