http://book.akahoshitakuya.com/cmt/30026181
中沢新一が面白いのは、ホントだかウソだかわかんない話をみっちり詰めて、現実に対して異様な相貌を与えてびっくりさせてくれるところだけど、この「みっちり詰める」を放棄すると途端にただ他愛ない話になる。本書は結論めいたことだけぽんぽん言うスタイルで、面白いなと思う話もあった(宗教と広告の異同とか)けど、例えばベルトルッチは流行に敏感だから仏教ブームを先取りして「リトル・ブッダ」を撮った、みたいなあまりに現象それ自体を見ない通俗的な位置付けを示されると、そんな程度の見方だったら言及しないでよと思ってイライラする。
- 作者: 中沢新一
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 1997/04/01
- メディア: 文庫
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