http://book.akahoshitakuya.com/cmt/37680618
明治以来の山口組の経緯を中心に、ヤクザが社会に対してどの位置を占めてどんな役割を負わされてきたかめちゃくちゃ丁寧に見て、通念や思い込みを壊して目から鱗。例えば60年代以降は全国制覇を目指していたというより自己増殖する資本主義にコミットした結果拡大せざるを得なくなったとか、91年の暴対法が近代ヤクザから現代ヤクザへ変質する最後の一押しになったとか。ヤクザという一側面でも中まで覗けば、日本の社会構造の変遷まで見渡せる。組長の子として育ち、当事者への取材、文献の調査を欠かさない実証性の上で成り立つありがたい本。
- 作者: 宮崎学
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/10/08
- メディア: 文庫
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