ゼミ終了

 1月最終週は、卒論の提出の週でもあります。政治学専攻では卒論は任意ですが、今年も数名のゼミ生が無事に卒論を提出しました。その後、3年生を交えていわゆる追いコンをしました。卒論が終わったばかりの4年生はもちろん、3年生もまた4日間にわたる集中講義が終わったばかりだったようで、その解放感からかいつも以上に盛り上がった飲み会となりました。

 ここの学生は卒論にも「謝辞」を書くことが恒例のようで、結構こそばゆいことを書いてくるのですが(苦笑)、目立ったのは「ゼミで多種多様な本を読んだことが、大変ためになりました」というもの。まあ、僕のゼミの特徴をちゃんと評価してくれてるということで、うれしいですね。

 秋学期もいろいろな本をゼミでやりました。秋学期は、3年生が自分のテーマとの関連で読むべき本を一人一冊ずつ(僕と相談の上で)選び、それを毎週検討していくのが恒例です。扱った本を、以下にすべて列記します(対象となるのは、その中の一部の章である場合が多いです)。

労働市場改革がテーマのMくん。

「最後の社会主義国」日本の苦闘

「最後の社会主義国」日本の苦闘

・利益誘導政治がテーマのTくん。

自民党長期政権の政治経済学―利益誘導政治の自己矛盾

自民党長期政権の政治経済学―利益誘導政治の自己矛盾

・地方政治がテーマのYくん。

地方政府の民主主義 -- 財政資源の制約と地方政府の政策選択

地方政府の民主主義 -- 財政資源の制約と地方政府の政策選択

・マスメディアと政治がテーマのJさん。

ジャーナリズムと権力 (SEKAISHISO SEMINAR)

ジャーナリズムと権力 (SEKAISHISO SEMINAR)

福祉国家がテーマのKさん。

比較福祉政治―制度転換のアクターと戦略 (比較政治叢書)

比較福祉政治―制度転換のアクターと戦略 (比較政治叢書)

・中国政治がテーマのSくん。

現代中国の政治――「開発独裁」とそのゆくえ (岩波新書)

現代中国の政治――「開発独裁」とそのゆくえ (岩波新書)

・社会的包摂がテーマのYさん。

・日本の安全保障がテーマのAくん

自衛隊―変容のゆくえ (岩波新書)

自衛隊―変容のゆくえ (岩波新書)

・ネットと政治がテーマのYさん。

・地域政策がテーマのSさん。

また、11月の一橋大学との合同ゼミでは、以下の文献を共通テキストにしたうえでディベートしました。

生活保障 排除しない社会へ (岩波新書)

生活保障 排除しない社会へ (岩波新書)

こうして並べてみると、ほんとに多種多様な本をゼミでやっていますね(苦笑)。

あと、ついでですが、院ゼミも先日終わりましたが、秋学期は次の本を丸ごと読んでいました。制度論の基本を押さえつつ、野心的にその統合・発展を目指した本で、想像以上に面白かったです。なんというか、実にイギリスの政治学者の議論っぽい感じがしました。

Why Institutions Matter: The New Institutionalism in Political Science (Political Analysis)

Why Institutions Matter: The New Institutionalism in Political Science (Political Analysis)