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こら!たまには研究しろ!! RSSフィード Twitter

2008-10-13

[]祝♪P.R.クルーグマン経済学賞受賞! 祝♪P.R.クルーグマン!経済学賞受賞!を含むブックマーク

 さて,本年度のアルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン銀行賞ですが……皆さんご存じの通り,P.R.クルーグマンが受賞しました.しかも単独.受賞理由は貿易構造と立地の理論への貢献.大方の予想ではクルーグマンはいずれ取るだろうがもう少し先.そしておそらくは共同受賞と思われていただけに意外や意外.

 クルーグマンといえば日本経済への積極的な政策提言で有名ですが,一部報道では早速

とかなんとかいいつつ,てんでピントがはずれたことを書いています.明朝になれば全国の主要紙の大半が同様のイミフな「クルーグマンの日本への提言」を書き連ねることでしょう.エッセイストとして知られる氏ですから引用元はいくらでもある.上手に切り取って引用すれば資本主義批判にでも,構造改革賛美/批判どちらにでも,はたまた金融政策無効論にすら読める記事を作ることが出来ると思います.

 そんな記事やカキコを見かけたら,是非是非是非!

の3本を読むように意見しましょう!!


 それはさておき,本blogの読者なら僕が氏の受賞を喜ぶ理由は想像がついていると思います.しかし,実は最大の「嬉しいポイント」は氏がリフレ論の最重要論文の執筆者だからではありません(いや十分嬉しいですが^^).

ノーベル賞を受賞したことが最大の喜びです.

 リベラル派の経済学者はともすると反経済学・反資本主義へと流されてしまいがちです*1.これは経済学界にとってのその人自身の人的損失にとどまらず,経済学そのものへの不信感を育てる元凶になってきた.でも,クルーグマンならかつてあそこまで罵詈雑言を浴びせ続けた方向へ流されると言うことはないでしょう.

 日本で,しかも凡百の経済学者が「リベラルの主張が経済学的にも根拠がある」という主張をするのにはかなり勇気が要ります.左からは「そんなのリベラルじゃないやい!この新古典派め!」とののしられ,右からは「介入主義者チネ」と嗤われます.そんななかで(あまりにも雲の上の人ではありますが)それを粛々と実行し続け,評価され続けている人がいるというのはなんだか嬉しいのです.

*1:ほらノーベル賞受賞者の人とか,我が国では口ひげの人とかあごひげの人とか……

チンチン 2008/10/16 16:51 受賞の講演録が楽しみです。

とおりすがりとおりすがり 2008/10/29 23:48 ※1はスティグリッツのことでしょうか?最近のクルーグマンとそこまで異なるか、と言われるとちょっとよくわかりません。どっちも純粋な経済学の範囲からははみ出て発言していると思いますけれど。
(個人的には両者とも発言内容は支持しますが

狛田狛田 2008/11/27 02:46 先生の脂肪…いや死亡説が出てるんですが…。ブログ書いて!

Yasuyuki-IidaYasuyuki-Iida 2008/11/27 23:31 げげっ!死亡説は間違いです.全面否定!(脂肪説は残念ながら棄却できません).なんかさいきん何書いて良いのかわからないくらいネタが多いんですよね……そして数日考えてるウチに旬が過ぎちゃうorz 今週来週の報告ラッシュが過ぎたら今書いてる論文についてなんかか書こうと思います.

totototo 2008/12/03 22:21 クルーグマンは、この言葉に表されるような、流動性の罠に直面した場合の金融政策の無効性を分かった上で、それでも中銀はインフレ期待に影響を与えて実質金利を下げられるのではないか、という議論を、本文で引用した論文や上記の論文で展開しました。しかし、okemosさんが訳された直近のOp-Edコラムにあるように、「日本銀行が停滞した経済を動かそうと10年の間努力して失敗してしまった」ことで、そうした状況下での中銀の影響力にはやはり限界があることを悟ったのかもしれません。その意味においては、ご指摘の通り、金融政策の有効性についての考えを変えたと言えるかもしれません。
http://d.hatena.ne.jp/himaginary/20081129#c1227985278