手抜きと思われるのは致しかたありませんが、コメントに頂いたお話が実話とすると鳥肌が立つようなものばかりです。エントリーに再掲する価値があると思います。一部抜粋にさせて頂いております、原文は昨日のコメント欄にあります。
まずは勤務医様。chaimd様から頂いた東京の小児救急事情を読まれての感想です。
小児科の診療に関するコメントを拝見し、絶句しました。山手線を取り囲むように一部世田谷区を含んで全滅状態ですね。ここに挙がった病院は比較的設立されたのが新しく 急速に増加する周辺人口に対応した地域医療の切り札として鳴り物入りだった記憶があります。どうやら地域住民の要望に答えきれなくなってるようです。
特に東京の西部地区の病院に顕著ですが、ここに夜間小児が受診出来なかったら一体どこにかかるのでしょうか。こういったベッドタウンは昼間こそ都心へ電車で小１時間でアクセス可能で買い物や通勤に便利な点が人気なのですが、夜間の終電が終わると車で都心の病院に受診することが困難で 地元の病院をたよりにせざるをえないのです。
chaimd様から頂いたリストだけでは、東京を知らない人間では実感できないのですが、小児救急の荒廃がいかに深刻かを実感を持って語られていると思います。続いて、「とっくに、、、ね。様」から頂いた体験談です。
東京隣接県に勤務していましたが、都内の目ぼしい施設に母体搬送要請の連絡をしても、全滅したことがありました。（処置で、てんてこまいだったので何件に電話を掛けたか不明）また当方の施設にも、都内や隣接県の大学病院から受け入れ要請がくることもありびっくりしました（距離は100km超？）。
早剥が、周辺に受け入れ可能な施設が無いと1時間以上かけて運ばれてきたこともありました（もちろんDIC）。幸い、私のケースは母子共に無事でしたが、奈良事件をみて、こんなことはとっくに東京近郊でもあるよと思いました。
同様にni-ni様の体験談です。
都心の二次救急施設で機能的に一番困るのは三次救急施設への搬送です。近隣にERで有名な病院がありますが小児の受け皿は小さく、勤務していた3年間で重症患者を受けてもらったことは1件あるかないかです。重症患者1件の搬送につき多いときは他院へ10件近くの電話をかけます。都内には大学病院は多くあるはずなのに最終的に30km以上離れた成育医療センターにお願いしたことが何度あったことでしょう。
さらに都内の大学勤務医様から知人の医師から聞いた話として、
昨年の今頃、緊急帝王切開の妊婦さんが群馬か栃木（どちらだったかは残念ながら記憶にありません）からヘリで山梨の県立中央病院に搬送されるということがありました。たしか平日の午後のことだったと思いますが、胎児がNICU管理する必要がある帝王切開で、その県の施設が満床で対応できずに搬送先を探したそうです。関東地方の他の都県、埼玉・千葉・東京・神奈川などの施設をあちこちコンタクトをとったものの全て断られ、甲府まで長距離ヘリで搬送されることとなりました。
休日とか時間外ならともかく、平日の昼間に都内や神奈川の施設を全部断られるとは、とびっくりしたのを覚えています。
これらの体験談の信憑性はコメント内容のリアリティから判断するほかはありませんが、私が他のネット情報で収集した東京の周産期医療情報と照らし合わせてみても「ありそう」なお話です。創作にしては細部まで矛盾がありませんし、複数の方から似たような体験談があることからも実際に首都圏で起こっている事実と考えられると思います。寄ってたかって私に嘘の情報を流し込んでいる可能性もゼロではありませんが、このブログへのアクセス数から考えて、嘘なら通常「そんな事はない」のコメントがありそうなものですから、そういう点でも信用できるのではないかと考えます。
実話であるとすれば、首都圏では奈良事件とほぼ同様の事が既に頻発している事になります。奈良事件と異なるのはギリギリで結果オーライになったのか、被害が出ても遺族が訴えなかったか、マスコミが嗅ぎつけて記事にしなかったぐらいしか考えられません。いずれにしろ表沙汰になっていないのは幸運（見ようによっては不運？）に頼ってのものです。幸運の度合いも、断崖絶壁で命綱無しで綱渡りを行い、さらに宙返りをしているように思えます。それでも首都圏では幸運にもまだ落ちていないと表現すれば良いでしょうか。
産科パンダが東京で宙返りに失敗した瞬間に奈良事件以上の激震に見舞われるように感じています。その幸運はいつまで続くのか、綱から落ちる犠牲者は誰なのか、ロシアンルーレットの弾の数は時間の経過と共に増えているように思います。
限定された情報で考えるほかないので、東京も奈良並みに医療過疎なのか、それでも東京は他地域よりずっと恵まれているのかは判断は難しいところです。翻ってのじぎく県と揶揄されているうちの県ですが、いのしん様から体験談を頂きました。いのしん様は長年の友人であり、この情報は折り紙付で信用できます。
平日の母体搬送の話はびっくりです。時間外に和歌山から加古川ということはあったようですが
東京より少しだけマシのような気がします。
