新小児科医のつぶやき

2006-11-25 思いつきですが・・・

医療危機の問題の中に医療訴訟があります。危機は医療訴訟だけが問題なのではありませんが、医療訴訟も大きな問題の一つである事は間違いありません。医師の頭上に垂れ込める暗雲のように広がり、ヒシヒシと重圧をかけています。医療訴訟対策はモトケンさんのところで熱心に論じられています。私もROMして流れについていくのがやっとですが、論議の質は知る限りもっとも高いと思います。ここで話されている内容は正論として非常に重要なものだと考えています。

私が後追いしてこのブログで2番煎じをするのは、パワーの分散になるので出来るだけ避け様としているのはご存知の通りです。とは言え医療訴訟問題のすべてをパスしては、うちのブログもネタに困りますから、微妙にスタンスを変えながら話を紡いでいるところです。

医療訴訟で医者が何が困るかと言えば、

  1. 訴訟を起されただけで精神的ショックが多大である。
  2. 業務を中断して訴訟に関わらないといけない。
  3. マスコミ報道になれば、訴訟が起されただけで実質的な社会的制裁が行なわれる。
  4. 勝訴しても人間に不信感が募り、敗訴すれば医師生命自体が危ぶまれる。

ざっとこれぐらいかと思います。他にもあるでしょうが、今朝書きながら思いついたのがこれぐらいです。簡単に言えば訴訟なんかには絶対関わりたくないのが一番の本音です。そうは言っても訴訟は誰でも自由に起こせるのが民主国家の権利です。これは手厚く保障されています。医療はその高度の専門性から少し枠外におくべきだの議論は貴重ですが、それが実現される日はまだまだのようです。

誰でも不満を感じれば自由に訴訟を起せるのが揺るがせないルールであるなら、訴訟に関わりたくない人間はどうしたらよいか。訴訟に関わる可能性がある行為を極力避ける事です。そのためネットの医師の間にEBMならぬJBMなる言葉が流布しています。うちのブログでも何回か使いましたが、改めて説明しておきます。

    EBMとはEvidence-based Medicineの略で、Evidence即ち医学的根拠に基づいた医療の意味です。医療の基本的な考えで、カンや根拠のない経験に基づく医療を行なうのではなく、出来る限り証明された医学的根拠に基づいて医療をすると言うぐらいに考えてもらえれば良いかと思います。
    JBMとはJudgement based Medicineの略で、Judgement即ち判例に基づいた医療の意味です。訴訟対策から生まれた隠語で、医学的根拠はともかく、ある診療行為が訴訟で違反と判決されたなら、その医療行為は避ける医療をすると言うぐらいに考えてもらえれば良いかと思います。それは医学的に正しくないかどうかの議論を超越したものになります。

ネットの医者ではもう隠語の段階を越えた常用語に近いものです。常用語なんですが、少しググッてみましたがこれをある程度まとめたサイトが見つからないのです。できればこれをまとめたものを作りたいと考えています。

作る目的なんですが、こんな事まで訴訟沙汰になり、なおかつ医療側が敗訴になっている事を医者も知っておき、医療訴訟から身を守る術の一つとする事があります。非常に後ろ向きの対応ですが、医療訴訟は医師にとって対岸の火事どころか、近所の火事状態で、いつ自分のところへ延焼してくるかわからない現況なので、悲しいですが必要な知識かと思います。

もう一つはJBMの元になる判決を行なう司法への対抗策です。TOM様から頂いたコメントにこんな一説がありました。

    やっぱり裁判官もマスコミも、「誤審」「誤報」に対してペナルティ負わせないとダメなんでしょうね。Yosyan先生始め、多くの医師が必死で検証作業を続けていても、向こうは言いっぱなし、垂れ流しっぱなしであとからあとから沸いて出るのではキリがない。

そもそもこれを読みながら思いついたのですが、「向こうは言いっぱなし、垂れ流しっぱなし」であるのが問題なんです。もちろん司法では裁判官の判断は原則不可侵であり、判決に不満があれば上級審で争う権利はあっても、その判決を下した裁判官を直接どうこうする事はできません。直接は無理でも間接的には可能でないかと考えます。

うちに頂いた法曹関係者のコメントにもありましたし、モトケンさんのところの論議にもあったかと思いますが、とくに民事訴訟では法廷にいる当事者の利害関係の調節が第一の主眼に置かれるそうです。もちろん判決による社会的影響を無視するわけではありませんが、これはどちらかというと二義的な扱いになる事が多いそうです。

二義的といわれても判決がでると医者は縮み上がります。影響は多大です。ただしその影響を裁判官も患者も知りません。判決の影響が患者の治療に直接影響を及ぼしている事、医療崩壊に拍車をかけている事を知りません。そうならばJBMになる医療訴訟判決が出れば、裁判官の名前入りの判決文のコピーを手にして、即座にJBM該当の治療行為を拒否する行動を起したらどうだろうかと思います。

判決文は公開される物でしょうし、司法によって公式に裁定された行動を行なうのですから、公序良俗に反するわけではありません。むしろ判決内容に反する行為を行う方が反社会的行為と言えます。全国である一定の規模で同時期に行なわれれば、嫌でも混乱は起こるでしょうし、混乱が起こればマスコミネタになります。

医者叩きが身上であるマスコミも、そう簡単には医者が叩ける根拠が見出せないと考えます。回りまわってですが、JBMのタネになる判決を下した裁判官の耳にもはいる事になり、自分の行なった判決がどれほどの社会的影響があった事を知る事になると考えます。当該裁判官だけではなく、他の裁判官にも心情的に影響を及ぼす事は十分考えられます。

このやり方で残念なのは患者に影響が出ることです。戦術的なものを考慮に入れると、患者に極力影響が少ないものを選択するのが望ましいと考えます。見た目の混乱は大きくとも患者への影響が少ないJBMが入手できれば、医療訴訟への医師側の対抗策のひとつになるんじゃないかと思います。

もっともこれは単なる思いつきですし、私がここで笛を吹いたぐらいで誰も踊るわけでもなしです。一つの与太話とお笑いください。

四半世紀勤務医四半世紀勤務医 2006/11/25 13:22 ウ〜〜〜ムッ、JBM。私はたった今まで、jurist based medicineの略と思っていましたが、違うんですか?これ、冗談じゃないですよ(笑

takeyantakeyan 2006/11/25 14:01 裁判官、ジャーナリストは基本的に裁かれませんから、やはり自然な流れとして彼らに関するチェックは限りなく甘くなります。裁判官は最高裁の判事を国民が審判し、ジャーナリストは売れ行きで制裁されるという建前はありますが、これが建前に過ぎないことはご案内のとおりです。つまり、両者は行動の責任を取るかどうかは任意なわけです。ここについて任意では律しきれないものだから、しっかり担保して行こうというのが普通の流れかと思います。
ただ、それは事実上、実行が限りなく困難です。
そういうなかで、「裁判官の名前入りの判決文のコピーを手にして、即座にJBM該当の治療行為を拒否する行動」いうのは小説として有能な作家が世の中に提起するための作品にするなら「大いにアリ」ですが、やはり人様を救おうとして医師におなりになった人々ですから、実現性はほとんど見えませんね(筒井康隆が小説にしたら面白そうです)。
やはり、裁判における医療に関する前提知識の充実をはかることと、マスコミの正当な評価をしうる公平な独立機関の設立をはかることかな、と月並みなことを思いつつ、しばし逡巡してしまいました。

774774 2006/11/25 14:01
 藤山判事の判決集なら、Wikipediaで「藤山雅行」とキーワードを入れると、極々一部ですが、代表的な判決文が出ますし、ググっても大量に出てきますね。ただ、全判決集のHPは見つからなかったです。一部それに近いHPはありますが、財務や行政訴訟のみで、医療分野の事は書いてありませんでした。

 実は東京地裁医療部に異動になられてから、部下に臨床経験6年の医師免をお持ちの判事がおられ、暴走を止めておられたようで、それでここ2年ほどおとなしかったそうです。その方が異動になられたのでしょうか? 最近また全力疾走されています。

YosyanYosyan 2006/11/25 14:14 フィクションのネタとしてはなかなかの素材とは思っています。筒井康隆辺りが、ブラックユーモアを散りばめながら作品にしたら結構面白そうなのはご指摘の通りかと思います。演劇にも出来そうな気がします。

ただ小説にするにはオチが必要なんですが、落としどころが案外難しそうな気がします。パターンはいくつか考えられますが、ありきたりの線から脱するには相当なヒネリが要りますからね。

ZENKEIZENKEI 2006/11/25 14:31 いつも拝見しております。先生のアイデアは医師ひとりひとりが行うのは難しいと思いますが、日本医師会またはしかるべき団体が、JBMの部署を設置し、その是非を世間に問うということを行い続ければかなりの効果が得られるのではないでしょうか?

774774 2006/11/25 14:33 四半世紀勤務医 様

 「JBM」は今年の医療用語流行語大賞だんとつの候補ですよ。にちゃんねるで誰かが初めに使って爆発的に流行したと思います。福島事件のときです。手術をする科の医師として、自分も縮み上がりました。

 Yosyan様は今日は民事訴訟について触れられていますが、今年は刑事罰が医師を震え上がらせた1年でもありました。いつもブログ更新大変だとは思いますが、また刑事の方でもご提示お願い致します。にちゃんねるの医療板、ニュー速+で医療関係の記事は片っ端から保存していますので、時間をかければ私にもJBM全集が作れそうですが、膨大な時間がかかってしまいます。ここを見ているネラー医師はとても多いですので、誰かがまとめを作ってくれているかもしれません。

 逆に、Yosyan様のブログが全国の医師に与えた影響は計り知れないですので、決してマスターベーションではありません。実際、医師以外の方の書き込みが増えてきているのも、それを裏付けるものと思います。旧共産圏の崩壊は、西側のテレビラジオ電波が入ってきて、本来資本主義より豊かなはずの共産主義国が実は貧しい、これはおかしいという事で、一般大衆から始まりました(本当は正しい命題ではないのですが)。いまはメディアより、掲示板やブログの影響の方が大きいかもしれません。最近「ブログに書いているだけで意味があるのだろうか」、「気が乗らない日は」、というお言葉が散見され、少々気になっていましたので、あつかましくも自分の感想を書かせていただきました。

YosyanYosyan 2006/11/25 15:10

>774様

実はうちの暇な診療所でもさすがに季節柄、少々忙しくなってきているのです。いつもは暇なもので忙しくなると骨身に応えて、ブログの更新を続けるのが相当な負担になっていると御理解ください。

書くことは基本的に好きなんですが、書くためにはネタが必要で、良いネタさえあれば1時間もあれば書けるのですが、ネタを探してそれを練る余裕がやや乏しいのです。それでもなんとか、かんとか営業日は更新しているのですが、相当苦しい日も正直なところあります。

そうまでして無理に更新する事は無いだろうと言われそうですが、読んでくれる人がおり、コメントを寄せてくれる人がいるんだから、それを励みに書いているのですが、あまりに辛い日は「こんな事をして意味があるのだろうか」と思う気持ちがどうしても滲んでしまいます。

ちなみに短めでよくまとまっているのは出来の良い日で、長い割りに出来が悪い日が悪戦苦闘した日です。長くても出来の良い奴は大ネタに燃え上がった日です。

愚痴っても仕方が無いのですが、週末リフレッシュしてまた書いていきます。

元内科医元内科医 2006/11/25 15:50 司法に対する憎しみがこれほど燃え上がったことはかつて無かったことと思います。
これは医療の世界に限ったことではありません。「司法不信」が漁火のように全国に広がることも時間の問題かと思います。「ネガティブキャンペーンだ」「法律に無知すぎる」といった法曹側の反論は十分お聞きしましたが、不信は個人の感情ですので、ぬぐいきれないものは仕方ありません。深い不信と憎しみを感じていることは事実です。

法曹の方は過剰に保護されているという自覚もないのか無邪気に過ぎます。言いっぱなしでも「それが制度」と開き直り、「原告の責め方と被告側の防御の仕方」に全てを帰し、裁判官の判断に対しての批判を「仕方がないからあきらめろ」という態度をこのまま続けていては自助努力が足りないと攻撃されるのは自然の摂理でしょう。

東京の地裁の裁判官など、形骸化している国民審査を受けるわけですらありません。リピーター医師が問題にされる一方、リピーター裁判官は独自の世界を突き進んでも可ということは納得できません。

これからは司法不信の時代です。既にネットでは司法に対する攻撃が日に日に強くなり、「許せない」という声が増すことこそあれ手綱をゆるめる気配はありません。そしてこれは医療に限らず、あらゆる業種に広がっていると感じています。

私は非常に良い傾向だと思います。過剰に保護された状態に安穏としている者を許す必要はありません。今後も更に追い詰めていくべきだと思います。

774774 2006/11/25 15:57 Yosyan 様

 これから小児科が大変忙しい季節になるのはわかっていますので、毎日更新ではなく数日おきの更新でも全く問題ないと私は思います。少なくとも医療関係者は事情はわかると思います。むしろ以前、しゃれ頭 様が提案されたように、あえてブログ更新を停止して、書き込み者どうしの意見交流を活発にするのも良いのではないかと思います。特に最近は医師以外の方々の書き込みが増えていますので、書き込みを分散させないためにも有効かと存じ上げます。

 草の根BBS時代からパソ通・ネット掲示板を経てブログ全盛を迎えても、どうもシスオペ側は毎日更新しなければならない、書き手は毎日書かなければならないという、一種の強迫観念が続いているのではと思います。本業の負担にならない範囲でのご継続をされてはいかがでしょうか。ここは、更新が減る事ですたれるような薄いブログではないと思います。

 ところで、またウイルス腸炎にかかったような感じです。当院の小児科に聞くと、ノロとかロタはウイルスが数種類もあるから、何回でもかかるよと言われました。今回は症状が楽なので、ぼーっと寝ているだけです(時間外業務禁止中ですから)。それにしても小児科の先生は、伝染病には信じられないぐらい抵抗力が強いですね。

ex_inakaDrex_inakaDr 2006/11/25 16:05
>>管理人さん
皆様のおっしゃる通り、更新はぼちぼちでけっこうです。

>>774さん
一病去ってまた一病、ですね。
早く治られますように。

>それにしても小児科の先生は、伝染病には信じられないぐらい抵抗力が強いですね。

小児科医由来のグロブリン製剤は最強かもしれませんねw

ポリクリポリクリ 2006/11/25 16:23 初めて書き込みさせていただきます。
管理人の先生の書かれた事は大いに意味があると思います。私も大学の後輩、先輩に試験勉強をする以上に大切なHPがあると日々先生のブログの啓蒙活動をしております。
これからも拝見させていただきます。
今回の「全力疾走」と「小児科医由来のグロブリン製剤」に吹いてしました
特に日本全国の小児科医の血を集めてようやく何本か作ることのできる最強のアイテムですねwww

YosyanYosyan 2006/11/25 16:24 更新への強迫観念は三日坊主の日記でのトラウマかもしれません。どうも一旦休むと二度と更新できないような気がしてしまのが貧乏性です。

小児科医だって胃腸炎は罹ります。インフルエンザだって罹ります。胃腸炎なんて前の勤務病院で二回も入院しました。小児科外来が感染症の巣窟なのは言うまでもありませんが、忙しい時ほど感染予防の基本であるうがい、手洗いが出来ない矛盾があります。

現在うちのスタッフもバタバタ倒れています。私が生き残っているのは「おかしい」と揶揄されていますが、来週倒れてもおかしくりません。それでも開業医が休むのは即収入減ですから、気合でかわしたいと願っているのですが・・・。

そうそう流行中のノロは変異型で病原性が強いそうです。外来でも2日、3日と続けて点滴をせざるを得ない患者が多くてテンテコ舞いです。皆様もご自愛ください。

magmag 2006/11/25 16:41 マスターベーションや二番煎じ、大変結構です。
匿名性の高いインターネットとはいえ、調べれば足が付きます。
それなりのリスクは負っていると思います。
(下のblog内容へのコメントでもありますが。)
あえて具体的な方法を挙げれば、医療市民講座に参加するとき、前座に医学常識や医療現場について話す、という方法があります。
初めのうちは風当たりも強いでしょうが、我々に出来ること出来ないことを知ってもらうことは大切です。
もちろんその時は、どういった施設なら出来る治療、とか、日本では認められていない、とか、正確な情報であることも重要と思います。

いい加減マスコミに対する『誤報罪』を認めて欲しいと思います。
いたずらで身近にいたおじさんの手を取って「この人痴漢です」って言われるのよりもひどいじゃないですか。
自由に責任が付くのであれば、『報道の自由』に『誤報に対する責任』を伴わせたいものです。

と 2006/11/25 16:49 最近の最高裁判例より
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=33792&hanreiKbn=01
平成18年11月14日 平成16(受)2226  最高裁判所第三小法廷
専門的なことはわかりませんが、出血性ショックで死亡したのは輸血の不足または何らかの止血をしなかったためと言う話であるようです。専門的である上に、鑑定の採用がどうのと論旨がややこしくていまいち理解できません。
ただ印象的なのは、「被告は,Hb値が7.0を切った時点で家族に対して,輸血の申し入れをしているが,拒否されている。輸血の危険性が一般人にも喧伝されていたためであろう。」と言う一節。輸血をするなと言っておきながら、輸血をしなかったからと訴訟を起こすのは素人の私が見ても筋が悪そうです。下級審で遺族側敗訴となったのもそのせいかも知れないと思いました。ただ、最高裁で過失があるとされた以上、差し戻し審では病院側が敗訴するでしょう。

と 2006/11/25 17:03 http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=33715&hanreiKbn=01
平成18年10月27日 平成17(受)1612 最高裁判所第二小法廷
急がない手術であり、手術の内容が変わったときにもう一度熟慮の期間をおかなかったことが説明義務違反となったようです。ただ、変更後の手術内容も以前に一通りについては説明されていたようです…これも下級審で遺族側敗訴となったものを破棄差し戻し。東京地裁の某裁判官の独走というのは楽観しすぎかもしれません。

と 2006/11/25 17:08 そういえば、私は今年の5月ごろ、熱出して猛烈な下痢で2,3日寝込みましたけど、あれがノロウイルスだったのかな…近くのお医者さんに出してもらった整腸剤とアクエリアスで乗り切りましたが、熱と下痢が同時に来るのは正直つらかったです。

元内科医元内科医 2006/11/25 17:11 >と 様
非医療者の方かと存じますが、と様のような、情報の収集に目覚めた一般の方々だけが私のような医療者の頼りです。より多くの方々に情報が行き渡ることを願います。今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。

と 2006/11/25 18:25 >元内科医 様
正直なところ、三日坊主でなかったためしがないのが私ですので、本当に微力ですが何かの足しになれば幸いです。患者としても現状は先行きが見えず不安な状態です。JBMが具体的に示されれば、この方向は嫌だと思う人が増えるのではないかと期待しています。

magmag 2006/11/25 19:00
”と”さんの、『最近の最高裁判例より…のようなケースには、「当方は0.1%未満の合併症・治療上の副作用に対し、一切の責任を負いません。」「当院の治療に関して一切訴訟等の法的責任追及を致しません。」「同意は本人の意志に基づき、いかなる結果が起きようとも、家族や関係者共々異論反論はございません。」とか書いてる同意書でも作ってやるのはどうでしょう。
(日本では、かなり無茶なようですが。)
その前に、「善きサマリア人の法律」を通すべきなのでしょう。

いしげいしげ 2006/11/25 19:59 と様ご紹介の裁判は下記報道のものと思います。この裁判では、高裁の審理が1回のみで、病院側の証言のみが行われ、原告側は反論の機会無く結審したようですから、この差し戻しは、モトケンブログでは評価されていました。場合によっては原告側証言だけで結審する可能性もあるということです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
遺族敗訴の2審破棄 「証拠検討が不十分」 手術後死亡で最高裁
06/11/14 記事:共同通信社
千葉県市川市の「日下部病院」で2000年、大腸ポリープの手術後に出血性ショックで死亡した元市職員の男性=当時(56)=の遺族が病院側に約9400万円の損害賠償を 求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷は14日、遺族側敗訴の2審東京高裁判決を破棄、審理を同高裁に差し戻した。
藤田宙靖(ふじた・ときやす)裁判長は「遺族側、病院側双方が専門医の意見書を提出し、遺族側の内容にも相当の合理性があるのに、2つを十分に比較検討せず、病院側の意見 書を主な根拠に医師の過失を否定した2審の判断は誤り」と判決理由を述べた。
04年9月の2審判決によると、男性は2000年4月、同病院で大腸ポリープの摘出手術を受けたが出血が止まらず、8日後に亡くなった。病理解剖の結果、死因は急性胃かい ようによる出血性ショックと判明した。
訴訟は手術後の輸血が最大の争点で、04年3月の1審東京地裁判決は「出血が続いたのに輸血を十分しなかった」として過失を認め、約8000万円の支払いを命じた。
しかし2審判決は病院側が控訴審で提出した意見書を主な根拠として「大量輸血が必要な兆候はなく、死亡当日の大出血で容体が急変した」と判断。1回の口頭弁論で結審し、遺 族側に反論の機会を与えないまま請求を棄却した。
日下部病院側は判決後「引き続き差し戻し審で医療行為に問題がなかったことを主張していきたい」とのコメントを発表した。

と 2006/11/25 20:56 >いしげ 様
フォローいただきありがとうございます。そんな経過があったのですね。新司法試験やら裁判員やらがたがたしているのは、司法も崩壊しつつあるからなのかと思ってしまいます。

TOMTOM 2006/11/25 22:59 私の酔っぱらいの暴言のようなコメントを取り上げていただきありがとうございます。恥ずかしながら光栄です。
JBMに基づき治療手段封鎖、というのは大変面白いアイディアです。実現できたら、そしてそれで奴ら(わかりますよね)に思い知らせてやれたらどんなにいいだろう。ただ残念なのは諸先生方のご指摘通り、善良な一般患者さんにはただのとばっちりで大迷惑な事と、マスコミ含めてターゲットにしたいような人達には多分「また医者が不当にサボっている」と思われるだけで意図が伝わらないだろうということです。私はちょっと極端なマスコミ不信論者ですが、彼らには反省というプロセスがありませんので、たとえ世界中の人に周りを囲まれ「犯人はお前だ!」と指を指されても、いつの間にか周りの人の中に紛れてさっきまで自分のいた虚空を指さし、声を合わせて「お前だ!」と怒鳴っている姿が目に浮かぶのです。
それにYosyanセンセ、目の前に病に苦しむ人がいて、自分にそれを何とかできる手段があると知っている時、やっぱりそれを使わずにはいられないでしょ。だからこんな世の中でも医者を辞められないんですよ我々は。ここに集まる多くの臨床家達もみんな同じ気持ちだからなんだかんだ言っても患者を診てるのだと思うのです。ただ、そこに「社会」がつけ込むからおかしくなるんですが。

ウチも開業医なのでこれから数ヶ月の忙しさはよくわかります。ブログの更新はお暇なときで全く無問題ですよ。医者は体力勝負です。Yosyan先生、774先生、並びに皆様、くれぐれもご自愛されますよう。

座位座位 2006/11/26 01:06
継続は力なりとは、いいますが、ここまで内容の高いブログを続けておられる
Yosyan先生の勇気と熱意には、本当に頭が下がります。
どうか、無理せず、ゆっくりやってください。僕らは、ここが週一の更新で
あっても注目し続けています。
少し、提案ですが
1指定原稿を募集する、2医療関係HPを訪問した上での感想を募集する、
3注目の書籍の紹介文を募集するとか、出来ませんかね。
といっても、Yosyanさん個人の分析が一番魅力的だからな〜
とにかく、ゆっくりしましょうよ。壊れてしまいそうで不安です(笑)

uchitamauchitama 2006/11/26 01:38 いつも読ませていただいてます。多くの医師は自分の判断ミスで(過失とは言えないまでも)患者を死亡させた経験があり、生涯そのことへの良心の呵責で苦しむことも少なくありません。マスコミや裁判官が誤審や誤報を垂れ流しにすること、例え法律上処罰されないからといって、それは道義的にはどうなのでしょう?挙句の果てには自分の主張が絶対的に正しいとまで考え本を出版する。例えば藤○雅○裁判官が悪人だとは言いません。しかし自らの言動に対して生涯責任を負うべき立場の人間であることは間違いありません。一方的な意見(下記)でのみ評価され、他方でトンデモ判決に対して批判されなければ明らかな片手落ちです。
http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/37304244.html
裁判長の名前もつけて判決を評価し、他の媒体を(URLを貼り付けるなど)通して広げ、やがては本人自身の反省を促すことは最も重要なことと思います。

774774 2006/11/26 11:40
 よく寝たら一応治りました。しかし同じ時間外の休息でも、絶対コールが無いとわかっているとずいぶん違いますね。やはり主治医制やオンコールありと病院が言っている以上、時間外待機手当てをつけてもらわないと割に合いませんね。「呼ばれたら支払う、待機時間は休息だから払わない」じゃ、にちゃんねるの急患スレみたいに、時間外に病院から電話がかかってきても無視する、という医師が増える一方でしょう。こういった面でもネットの効果が出てきているようで、やはり影響力は大きいです(医師の待機時間や残業についての判決もネットで出回りました)。

 ところで、ふと思い出したのですが、かつて東京都が銀行に外形標準課税を課すと決めた時に、銀行側が不公平だと反対の提訴をして、藤山裁判官の判決で銀行側が勝ちました。当時、石原都知事は人気絶好調で、朝日や赤旗ですら銀行への外形標準課税に賛成で、石原都知事が不気味がっていたほどでした。しかし藤山裁判官はNo!と判決を出しました。石原都知事はマスコミの前で藤山裁判官を罵倒して記事やテレビでもそのまま放送され、マスコミも大バッシングしましたが、藤山裁判官は平気だったそうで、とても打たれ強いのでしょう。(ただ、これは珍しく妥当な判決(失礼)と思います。竹中平蔵 教授(当時)の本にもありましたが、外形標準課税を課すなら全業種に課すべきで、銀行だけというのは不公平です)。おそらく司法の独立性を心底徹底する性格でしょうから、何を言っても掲示板に書いても馬耳東風の判事だと思います。唯一の対抗策は、こちらも泣き落としするしか無いようです。裁判のときに「失敗の確率は高い方法ですが、緊急でこれしか助ける道は無かったんです。力及ばずでこちらも落胆しています。あれ以降は夜も眠れません(泣)・・・」とか。

774774 2006/11/26 12:12
 ベッド数減少で6万人(日本医師会の調べ)の医療難民が出る、その原因は病院ではなく、厚労省の診療報酬減らしなどのあの手この手のベッド数削減政策が原因という記事が、小さい扱いですがやっと今朝の新聞の医療欄に載っていました。「医療に強い」と自負しているあの新聞です。

ex_inakaDrex_inakaDr 2006/11/26 22:48
>>774さん
>唯一の対抗策は、こちらも泣き落としするしか無いようです。裁判のときに「失敗の確率は高い方法ですが、緊急でこれしか助ける道は無かったんです。力及ばずでこちらも落胆しています。あれ以降は夜も眠れません(泣)・・・」とか。

これ、ネタじゃなく最強の訴訟戦術のような気がしてきますた。

774774 2006/11/27 08:02 元田舎医 様

 アメリカでは「I’m sorry 運動」がはやっているようですね。医療ミスをした時に、早く謝って陪審員の心証をよくして損害賠償額を減らしてもらおうという。これは医療行為に刑事罰が無く、司法取引もあるアメリカだからこそできる事ですが、日本の医師もこうするべきだと書いた某新聞。日本でこれやったら、「罪を認めたんだから逮捕! 損害賠償増額!」。上にも書いているように、昨日は良質の医療記事が載ってると感心していたのに、新聞には幻滅です。とるの止めよかな。

 ちなみに、上の戦術は地下鉄サリン事件のときに林被告(医師)が取った戦術で、死刑間違いなし→反省して全て喋ります→情状酌量で無期懲役、になりました。いまだに他の被告との刑の差が批判されています。