新小児科医のつぶやき

2007-01-27 デスマーチ・プロジェクト

昨日福島事件の第1回公判が行われ、何か書こうと思っていたのですが、さすがに去年最大の歴史的大事件だけあって、あちこちに書きたいことが書き尽くされています。情報的には報道経由以上の内容は無いようでしたが、マスコミの「過失である」とのバイアスがかかった記事に強烈に咬みつかれていました。二番煎じ、三番煎じをするにも今朝の時点では出がらしもいいところなので、もう少し医師側からの情報が出てきたらエントリーしてみようと思います。それにしてもさすがにこの事件への反応は敏活ですね。

今日は昨日見つけたブログを紹介したいと思います。書かれているのはIT技術者で、これが医療関係者以外と思えないぐらいの医療危機への的確な分析がなされています。あまり簡潔明瞭さと理解の深さに驚かされたので、皆様にも是非ご一読頂きたいと思います。

1/25付ronSpaceエントリーより抜粋

医療崩壊について、以下に私自身の理解したところをまとめて置きたいと思います。

  1. 人口あたりの医師数は、1970年以降、OECD平均を下回り続けており、格差は広がり続けていた。医師不足は30年以上前からであり、最近のことではない。特に国立・公立病院に勤務する医師(勤務医)は36時間連続勤務が日常的であるような過酷な労働環境にあった。

  2. 1983年の「医療費亡国論」、つまり医療費の増大が国家財政に深刻な影響を及ぼす、という主張から、医療費は抑制され続けてきた。この結果、現在の医療費の対GDP比は先進国中最低レベルにまで落ち込んでいる。

  3. 救急医療体制の整備、夜間診療の実施など、国民の要求に応え、医療の充実を図ってきた。しかし、24時間診療(医療のコンビニ化)のように、国民の要求は増える一方であった。

  4. 国民が医療の不確実性を理解しなくなり、確実な治療を求めるようになった。これが期待を裏切られた結果としての、医療事故訴訟の増加となって現れた。また、警察に被害届を出す例も増え、懸命な治療の結果にも係わらず不幸な結果となった場合に、医師が逮捕されるという事態が起きた。

  5. 以上のことから、医療従事者、特に医師のモチベーションが低下し続け、過酷な勤務に耐え切れなくなり、病院の医療現場を辞す例が続出している。

まとめてみますと、私達国民が医療に対し、予算・人員が極めて不足しているにもかかわらず、過大な要求をし続けた、ということです。

私と同業の方、プロジェクト・マネージャー、SE、プログラマの方々であれば、これがいわゆるデスマーチ・プロジェクトと酷似した構造であることに気づかれると思います。医療現場は少なくとも20年間はデスマーチを続けていたのでしょう。メンバーの大量退職が起きるのは末期に近いとみて良いと思います。

エドワード・ヨードン著「デスマーチ」(第2版, 日経BP社, 2006)では、聖書から以下の寓話が引かれています。

    自分のラクダをどんな重い荷物でも運べると自慢していた農夫が、毎日少しずつ多く干し草を積んで町の市場に通っていたが、限界を超えて積んだ少しの藁で、ラクダが骨を折って死んでしまった。

医師の方々の関心は既に医療崩壊後に移っているようです。再建に必要なのは「要求のトリアージ」でしょうかね。

エントリー中に出てきたデスマーチ・プロジェクトが気になったので少し調べてみたのですが、大元はデスマーチすなわち死の行進からでた言葉で、第2次大戦時でナチスが強制収容所のユダヤ人を強制移動させたときの手法に端を発したものらしく、日本軍が行なったバターン死の行進もそれに該当すると言われています。これをIT業界の無謀な仕事現場にあてはめたものをデスマーチ・プロジェクトと呼ぶそうです。

詳しい解説サイトがありましたので、お時間があれば読まれれば良いかと思いますが、一部抜粋しながら説明してみます。

まず特徴として凝縮されている言葉に「もともと破綻する運命にあるプロジェクト」とされ、「開発期間がもともと必要量より少なかったり、必要な開発者がほとんどいなかったり、もともと無理な性能を要求されていたりする時に起きます。」と解説されています。典型的なシチュエーションとして、

  • 開発者は、プロジェクトの遅れの原因が突発的な事故やミスではなく、もっと根本的な所にあると感じている。
  • 現在の開発のやり方はおそろしく非効率で、傷を深めていくだけであるとわかっている。
  • しかし、現状がどうであろうととにかく開発を進める以外に手立てはない。
  • リーダーの前には問題が山積していて、それを一つ一つ解決するしかない。しかし、一つを解決している間に別の問題が二つくらい山に積まれてしまう。
  • プロジェクトは切羽つまっており、一時的な休息も許されない。
  • チーム内に、ソフト開発とはそういうものだという認識が広まっている。この状況を改善しようとも思わないし、そういう動きに抵抗する。

このデスマーチ状態が進行すると、そこに適応できない人の士気が低下し、適応できた人の士気は向上します。この差がトラブルを引き起こします。ハイになった人にとって、なぜこの期に及んでやる気をなくしている人がいるのかが理解不能なのです。一種の洗脳が行われ、人は「デスマーチから抜け出そう」という意識を持てなくなるとされます。

それでどうなるかですが、

    デスマーチが恐しいのはこの悪循環にあります。自分たちが死へ向かっていることがわかっていながら、前に進むことしか許されていないのです。そして最後に諦めがやってきます。「どうせ前にしか進めないのなら、玉砕して名誉の戦死をしよう」と。このように人格崩壊に至ると、むしろ喜んで死の沼へ突進します。とにかく前へ進むことが喜びに変わるのです。こうして狂人に導かれて隊はどんどん死へと行進していくのです。

と説明されています。またこうとも書かれています。

    「ここで頑張って仕事しても無駄だ」と思われたら、どんな説得も脅しも効を奏しません。「奴の言うことはデタラメだ」と思われたら、何を言っても本人の耳には入っていきません。精神論には論理性がありませんから、何を説いても「体育会系バカが何かわめいている」と思われるだけで、本人の耳には入っていきません。

    せめて、あまり追い詰めず「価値観が違う」で片付けてあげてください。そうすればせいぜい会社を辞めるくらいで済みます。そうでなければ、おそらく自殺にまで追い込まれるでしょう。

ronSpace様のエントリーに書かれているのですが、デスマーチ・プロジェクトの概念を広めたのはエドワード・ヨードン氏とされています。これもエントリーにあるものの再掲になりますが、引用された聖書の一節をもう一度読んでみてください。

    自分のラクダをどんな重い荷物でも運べると自慢していた農夫が、毎日少しずつ多く干し草を積んで町の市場に通っていたが、限界を超えて積んだ少しの藁で、ラクダが骨を折って死んでしまった。

そのまま医療界に当てはまる話で、限界を超えた少しの藁とは新研修医制度のような気がします。この制度の実質の是非は置いておくとして、2年間の研修医の補充が無いだけで医療は見事に崩壊に驀進することになりました。そのため新研修医制度が医療を崩壊させたとの論議がありますが、最後の引き金が新研修医制度であったかもしれませんが、実質の重みは少しの藁に過ぎなかったような気がします。ただそれまで積み上げられすぎた重荷のために少しの藁に耐えられなかったと言う事です。

だから新研修医制度をどうにかしても、骨を折ったラクダは再生しないと言う事です。折れてしまう前なら幾らでも手の打ちようもあったかもしれませんが、折れてしまうとそこからいくら重荷を取り除いてもラクダは二度と立ち上がれません。ここ1年のネット医師世論の変化は、折れてしまう前の最後の悲鳴だったような気がします。それが折れてしまったのが今では無いでしょうか。

まだ折れたことに気が付いていない医師もいるようですし、ましてや医師以外の人々は尚更気が付いていないようです。さらに怖ろしいことにまだまだ重荷は積めそうだと考えてもいます。これもまたronSpace様のエントリーの再掲ですが、

    メンバーの大量退職が起きるのは末期に近いとみて良いと思います。

逃散現象が起こること自体がデスマーチ状態の末期症状です。これぐらいの理解者が増えてくれることを切に望みますし、その方向に向かって努力しなければならないようにも思います。福島事件は公判が行なわれている事自体が、医師に更なる重荷を積み上げている事を理解して欲しいと考えています。

DrGIANNIDrGIANNI 2007/01/27 10:20
『デスマーチ・プロジェクト』

言いえて妙です、感心しました

reservoirreservoir 2007/01/27 11:29 書籍などではあまり書かれていませんが、既に炎上して死者が出ているデスマーチを収束させる方法を考えるといくつか思いつきます。顧客からの要求を整理しあるいは大胆に要求を切り捨てて大幅に規模を縮小することで延焼を抑えるか、「発展的解消」させて適当な時点でプロジェクトを殺してしまうか、というあたりが現実的な解決策になるんでしょうか。炎上してからの人員追加は無駄です。新人が戦力に育つまでには時間がかかり、寄与度がマイナスになってしまいます。また、本当に即戦力になる人材は市場にはいません。この辺は「人月の神話」という本に詳しく書かれています。
IT関係のプロジェクトの話ですから、医療において人員投入が無駄であるとか、規模を縮小しない限り炎上は抑えられない、ということにはなりませんが、しかし……それにしてもデスマーチという捉え方は面白いですね。

ex_inakaDrex_inakaDr 2007/01/27 12:20
>>reservoirさん
「人月の神話」は不勉強ゆえ存じませんでした。
有名な本なのですね。
メインテーマは↓になるのでしょうか。
・ブルックスの法則 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87

YosyanYosyan 2007/01/27 12:31 前から感じていたのですが、IT業界の方は医療現場の窮状の理解が良いように感じます。医療に較べれば最近急成長の分野ですが、急成長している分だけ医療が直面している現状に一歩早く既に到達しており、それ故に理解しやすいのかとも感じています。

今日エントリーしたデスマーチもex_inakaDr様がコメントしてくれたブルックスの法則も、もっと早く知っていたら、もっと効果的なエントリーが書けたのにと、勉強不足を恥じています。それにしてもデスマーチの概念は焼野原後の復興、再生を考えるのに重要な視点になるような気がしています。

ex_inakaDrex_inakaDr 2007/01/27 12:35
>>管理人さん、皆様
このジャンルについての本を探すなら

Engineer Life Book Review(3)開発現場で悩むエンジニアにおくる6冊
2002/12/20 阿出川真広(ゼロソフト)
http://jibun.atmarkit.co.jp/fengineer/rensai/bookreview03/book01.html

が参考になりますね。

しゃれ頭しゃれ頭 2007/01/27 14:11 ブルックスの法則ちゅうのは、年末に774氏はんが力説しとった比較優位説に似とるな。俺もちょい調べてみたから。奴は相手がSEやと分かると、どっちもおんなじ問題かかえとるから、よう苦労が分かるちゅうて、えらい熱込めて書いとったけど、コナミとかにバイトにいっとったんやろか。

あ 2007/01/27 15:22 IE業界(というかなんというか)はそもそも他業種を理解してシステムを構築する作業が多いですから、論理的に説明されれば理解は早いでしょうね。

また、他の業種と違い時間の進み方が極端に速く、その分様々な問題にぶちあたる頻度も高いようです。(犬は人間の7倍速く歳を取ることになぞらえてドッグイヤーと呼ばれたりしてます。実際1年前の最新技術がコモディティ化することも日常です)

HekichinHekichin 2007/01/27 17:03 デスマーチプロジェクトはソフトウェア関連の雑誌に前々からありましたね。
最近のプロジェクトでは今話題のWindowsVistaでしょうか。
WindowsXP後継ということで、ビルゲイツがいろいろ多機能次世代OS構想をぶちあげたものの開発難航、約2年前リセット、で、今回1/30の発売になりました。で、結果、当初の理想からはかなり外れてしまいましたが。
プロジェクトが混乱してスパゲッティ状態の時にガラガラポンできるか、リーダーシップを発揮するシンボル的な存在がいるかどうかなのでしょうが、厚生労働省には期待できませんしね。。。

choirchoir 2007/01/27 18:12 今、デスマーチの真っ最中にいるプログラマですが…此処をはじめ、医療関係のBlogを読み漁ってると他人事とは思えないんですよね。
人のやることですから、現場が崩壊するときの状況は職種に因らず似たような状況になるんでしょうか。

プロジェクトの成功もしくは損害を一番受ける立場の人(顧客・国民)が、
「出来ないじゃ困る。」「こんなはずじゃなかった。謝罪と賠(略」「それがアンタらの仕事だろ?」etc.
言ってることもやってることもそっくりですな(==;

脱福者@第2次産業脱福者@第2次産業 2007/01/27 18:19 はじめまして、Yosyan先生、お集まりの皆様。
IT業界において、「有能な者が先に潰れる」「有能な者が先に逃げる」という問題は、かつて、2000年問題の後始末の頃まで重大な問題でした。
 
潰れる機序は、以下のとおりです。
 
顧客からの要望を受けて、5人のチームがシステムを開発している。彼らの能力は、メンバーA>メンバーB>メンバーC>メンバーD の順である。
全員が、仕事量の限度の8割の仕事を負っている。したがって、能力の高い者には多くの仕事が割り当てられている。
そこに、顧客からの要望が追加で入って来たものとする。営業が安請け合いをしたせいで、納期は延びない。管理職はどのメンバーに仕事を割り振るか。
・Aには余裕があるようだし、能力も高い。追加要求の過半を安心して任せよう。
・残りはBに任せよう。多少は余裕があるようだし、この切羽詰った状況でも戦力として十分使える腕前があるからな。
・追加要求を細分化したいくつかの断片を、Cにも廻そう。断片化してやれば、Cの能力でも太刀打ちできるだろう。
・Dは初歩的なミスをたくさん作るから、あいつにやらせるとテストの手間が膨大にかかるんだよな。テストの精度は俺がチェックしないといけないし。Dにやらせるくらいなら、俺がやる。
 
このように仕事の負荷が増えた結果、Aは限度をはるかに越え、Bも限度を越え、Cは限度いっぱいまで働き、Dは無傷です。
このような過負荷プロジェクトが繰り返されれば、Aは潰れ、Bは転職し、CとDだけが残るというわけです。
 
 現在のシステム開発受注は、上記問題を起こさないために次のことを念頭において行います。
・顧客の要望は無限大である。したがって有限の「要求仕様」に成文化してから契約しなければならない。
・顧客は開発の途中で仕様変更を突きつけるものである。したがって、変更に追従できる態勢で開発なければならない。早すぎる最適化は無駄になる。
・仕様変更の際には必ず納期を延ばすか、人手を注ぎ込め。人手を増やすならコミュニケーションコストが増えることを計算に入れてスケジュールを引きなおせ。どちらにせよ、コストは増大するのでその分は客に払わせろ。
・検収時のテスト項目は、「テスト仕様書」として前もって有限個に制限して成文化せよ。「テスト仕様書」に掲載されてない方法で見つかったバグを、無償で直す責任はない。
 
医師の皆様にはあまり参考にならない商慣習かもしれません。。。

縦読みから発想縦読みから発想 2007/01/27 18:43 30年前はどこの大学にも「寄生虫学」の講座があり教授がいたと思うんですよね。
でも今持ってる大学は(多分)少ないですよね。
大学病院だから必ず産科があって産科部長がいる、という常識もいずれ時代遅れになるのかもしれない・・・とちょっとぞっとしました。

Nakada HiroshiNakada Hiroshi 2007/01/27 19:33 リンクをひとつ貼らせていただきます。
http://www.mars.dti.ne.jp/~hirok/xp/col/028.html

個人的には、IT業界が最近急成長の分野というご認識は、こと日本においてはかなり違っているような気がします。よくて停滞産業、下手すれば衰退産業ではないかと。

しゃれ頭しゃれ頭 2007/01/27 20:12  ここにはIT業界(だけやないけど)に異様に詳しい某レギュラーコメンテーターがいるんやけど、福島事件の初公判にショックを受けたんか知らんがお休み中みたいなんで、ちょびっとだけITに詳しい?、俺がコメント(お前みたいなアホは出て行けちゅう声が全国のファンから来そうやな)。
 病院でも電子化は当たり前になってきよるし、そのうちレセプト(請求書)もオンライン化されるから、どこのIT企業と組んだらトラブルが起こらんか、使いやすいか、ぼられんか、病院側も必死で調査しとる。IT企業側からみたら顧客は無限に要求してくるのはよう分かる。医者と患者の関係も一緒や。ここの某コメンテーターは、病院側やのにIT企業の代表者の意見を支持しとる(傲慢ちゅうか俺が大将な人が多い医者の中では)例外的な人や。さしで低レベルの話ができるって書いとったけど、そんな医者ってすごすぎやわ。俺は無理やった。
 IT業界が最初に壁にぶち当たったんは、日米構造協議やわな。あれでわやになってしもた。そん時の日本側の代表は、言われへんな。俺も内気で気が弱いんやで。
 次は高速ネットの整備が遅れた時かいな。海外企業やったら、アメリカから台湾の子会社に発注して、オーストラリアやニュージーランドの技師に作ってもろて、また本社に送るちゅうのが簡単にできたけど、みかかが変な方式のはじめちゃんにこだわって遅れてしもて、海外より情報伝達が不利になったわな。
 いまは、IT技術ちゅうより、労働環境が悪すぎて、どんどん人が逃げとることやろか。医療界も一緒や。
 俺もIT業界人ちゃうから、おおとるかどうか分からへんけど(いちかばちかで書き込みしてもらっては困る!やな)、医療界とIT業界はおんなじ苦労しとるちゅう、某コメンテーターの意見を支持するわ。

堕落者堕落者 2007/01/27 20:29 いやはや、現役の厚生労働大臣がこのような発言をするようでは日本の周産期医療の未来は真っ暗闇ですな・・・・・・・・・orz

女性は「産む機械、装置」 松江市で柳沢厚労相
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20070127&j=0022&k=200701271913

>産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない

ex_inakaDrex_inakaDr 2007/01/27 20:34
>>SEの皆様
ご参加下さりありがとうございます。
とくに脱福者@第2次産業さんの書き込みと、Nakada Hiroshさんご紹介の文章には考えさせられるところがとても多かったです。

例えば、脱福者@第2次産業さんのいう
>・顧客の要望は無限大である。したがって有限の「要求仕様」に成文化してから契約しなければならない。
なんてのは、精神科で境界型人格障害の治療をするときに必須とされる「限界設定」と通ずるものがあります。
「できること」と「できないこと」を初期の段階から常に明示しておくのは、これから他の医療の分野でも重要視されそうです。

横槍失礼します横槍失礼します 2007/01/27 21:18 >規模縮小・・・アクセス制限・・・イギリス型崩壊
>発展的解消・・・国民皆保険制度の消滅・・・アメリカ型崩壊
になりませんか?
いや、デスマーチの行く末は、その崩壊の2つとも現実化してしまうんでしょうけど。

しゃれ頭しゃれ頭 2007/01/27 21:25 元田舎違反やのうて元田舎医はん

 よう774氏はんが、今度の厚労大臣は金融の世界的プロで、医療は素人って書き込んどったやんか。ほんまやったんやな。それと尾鷲の2人目の産科医も辞退したらしいやん。1人目の産科の先生も、2人体制ちゅうのが前提やったわけやろ。こりゃまた、ごっつい祭りやで。祭りちゅうたら酒や。ええ酒を準備しとかんとあかんな。俺は取り立て屋に転職や。

しゃれ頭しゃれ頭 2007/01/27 21:35 「産科の医師不足は今に始まった問題ではない。放置してきた医療界の怠慢。刑事処分が萎縮医療を招くという理論は問題のすり替えだ」
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/m20070127039.html

またフジサンケイグループかいな。どないしても医者を敵にまわしたい様やな、ゴルァ!

しがないサラリーマンしがないサラリーマン 2007/01/27 21:37 >脱福者様
IT業界では仕様書作成って厳密にやってこなかったんですかね。
公共性の高いシステムの場合には、1日の納期遅れが膨大な損益を生み出しますので「要求仕様書」「購入仕様書」はもちろん「テスト仕様書」も存在します。しかも、途中で顧客との打ち合わせで変更した場合は、一字一句、てにをはの変更でさえ記録を残します。一方的な変更は許されません。
相当前からやっております。

書類は増えちゃいますが医療分野にも明文化したものが必要かもしれません。

ex_inakaDrex_inakaDr 2007/01/27 21:56
>>しゃれ頭さん
そんなに怒りながら飲むとお体に障りますし、だいいちお酒に失礼ですよ。
ここはそれ、惨刑もとい参詣もとい産經新聞に対しても
(・∀・)ニヤニヤ
で行きましょう。

脱福者@第2次産業脱福者@第2次産業 2007/01/27 22:25 >>しがないサラリーマン様
>IT業界では仕様書作成って厳密にやってこなかったんですかね。
前にいた会社では、要求定義をなあなあで済ませる会社を「日本的」、厳密化してから契約する会社を「アメリカ的」または「大企業的」と評していました。
どうも日本のソフトウェア会社は「客(官公庁を除く)がわがままを言うのは当たり前。それを叶えてこそ職人の誇りってもんよ」という気性があったようです。
昔、日本企業を顧客とする海外ソフトウェア会社と付き合ったこともあるのですが、「●●●以外の日本の会社はみんな最初は■■くらいしか決めないよ。」
と現地スタッフが言っていました。
 
もっとも、会社ごとに風土が大きく違うのかもしれませんね。人のいい営業部長や気まぐれ取締役がプロジェクト全体を振り回せるような権限を持っている会社なら、仕様書に柔軟性を残すであろうし、社内組織に任せたままでプロジェクトが完遂できる会社であれば、早いうちから「アメリカ的」になっていたでしょう。

BugsyBugsy 2007/01/27 22:42
ラクダと農夫のたとえは 言いえて妙ですね。
農夫とは国民であり、行政でもあるでしょう。この位無理させてもいいだろうと高を括って小出しに押し付けたものの 予想外に早くポッキリ行きましたね。
医師の中でも こういった農夫のような役割をする連中も多いです。
一人医長で夜間緊急オペをするのを褒めたり 「いつも患者さんに向き合う医療」とほざいて 24時間自宅待機を賞賛する医師です。当然 EBMもろくすっぽ確認せず 根性や医師の誠意とやらを他人に押し付けます。実は私もそうでした。疲れきった自分達に酔っていました。本ブログを拝見するようになり こういう考えがが実は後方から医師を銃撃し、追い詰めていたのを思い知ったわけです。気づくのが遅すぎました。
「自分の若い頃はそうだった、寝ずに働いていた。」と言われて育ち、後輩に無理を言っていたのが 限界に来ていることをまだ気づかない医師も多いなあ。

pyonkichipyonkichi 2007/01/28 00:03
なるほどなーーーー。いい得てますね。IT業界の方々のお話は勉強になりました。
Bugsyさんのおっしゃるように、私の日本のボスも「僕が若い頃はそれくらいやったけどね」というのが口癖で、ご自身も朝5時まで教授室で働いて、その時間にラボ回診し、徹夜で実験する大学院生をほめ、朝9時には外来にでるというお人でした。さすがに最近体を壊されたみたいですが。
もう一つ、重要な点は、「僕らは昔やってたけどね」という30年前の基本医療と、現在の基本医療は質量ともに全く違うという事です。regularで積むべき藁の料が年々多くなっているという事実をお偉い方は認識していない。(お偉い方よ、あんたの時代は重症は死んどったんよ!!ってことね)医療が高度になるにつれ、知るべき知識、行うべき医療の量が格段に増えている。今の医学生は勉強も大変だなあと思います。
そして、わたしの友人の元気のいいやつは、いまも産科の最前線で働いています。新聞にも取材されたりして、地域医療を支えている女医としては美談ですが、なによりわたしは彼女の体と家族を心配しています。

DrGIANNIDrGIANNI 2007/01/28 01:34
IT業界の話、まさに眼から鱗です!!!
数年前、九州の某国立大で電子カルテを導入するといって某富○通のSEと数ヶ月仕事をしましたが、あまりの使えなさ(SEもシステムも)にあきれ果てたものでした。確かに顧客(つまり現場の医師)の要求はどんどん上がるばかりでしたもんw 稼動後数ヶ月はSEが24時間オンコール体制でしたなw しかしそんな契約されてたらそもそもいいシステムなんか出来るわけないわな 富士○があまりに低脳なんで毎回会議では怒鳴り散らしてました オレDQN認定されてたはず(^^; あの頃はまだ若かったから「ウチでいいシステム組んだらめちゃめちゃ儲けることも出来るのに何故現場は全くその気がない?!」なんて本気で考えてたんですが、そんなこたあなかった訳で あんな糞システムに何億税金つぎこんだんだろう もうすぐ稼動後5年でシステム変更を再考するとかなんとか言ってるそうでorz あの時は何故かど素人のDQN婦人科医が担当教授になってしまって(院長がギネだったからだろうけど)、院内と○士通SE側との調整をことごとく壊してしまい、病院の人間関係がガタガタになりました そもそもオーダリングは電子化してたから、中途半端な電カルなんて医師の仕事が増えるばっかりで何にもならんかった そもそも材料部と会計が直結できんかったからホント無意味 結局医師がいちいち処置後レセを入力し、会計がそれを見て計算するというwww あーーーイヤなこと久しぶりに思い出しちゃった すみません、スルーして下さい皆様

BugsyBugsy 2007/01/28 01:53
DrGIANNI 様

おいらも病院のIT委員会委員とやらで電子カルテの推進という名目で駆り出された経験があります。これで病院側の収入アップというなら労を厭わざるをえませんでしたが、要は最初から富士○におまかせ、いっそのこと別の会社とのコンペティションといった現場の要望も聞く耳持たず securityはというとしどろもどろ、結局厚生労働省のお達しで奴らに予算を投げ出したとしか思えませんでした。コストももちろん病院側にかぶせましたね。
医師の業務は途端に増えて恨み節ばかり聞こえてます。

これから 保健のレセプト審査もオンラインといってますが 全て病院側の負担としか言われず、ソフト会社もあらかじめ決まってるみたいです。専属の事務員をまた雇用するみたい。医師にやれったってそんな時間ござんせん。
ただねえ。光ファイバーが飛んでこない病院はどうするんでしょ?自前で配線引くのかなあ?
ADSLも地方によってはとてつもなく遅いのよん。

DrGIANNIDrGIANNI 2007/01/28 02:22
> Bugsy様

おお!我が同士!
富○通最悪だったでしょw
何か病院業務のIT化って全く現場の人間は楽になってないんですけど(^^;
どう考えても目的(=戦略の方向)が間違ってますもの
「電子カルテを使えば病名入力一つで全患者が検索できるから、臨床研究に役立つよ!」って臨床ネタで論文書いたことない奴(もちろんダメ教授)が言うなよってw
「レセプト漏れや材料の請求漏れがなくなり、材料管理も簡単になります」って全て個別のプログラムわざわざ立ち上げて入力させられてちゃ簡単も何もないだろうがゴルァ
しかし保険レセも大変そうですね(現場を離れてるのでよく分かりませんが)
国の役人と病院上層部はもう少し現場を勉強して欲しいものです、ホント

座位座位 2007/01/28 03:17 話が少しずれますが、ITつながりってことで、
僕も、10年前のことを思い出しました。かなり悪どい行政側の要求がありましたね。これも九州の某大学病院での話。僻地でもあり、普段なかなか文教予算が付かなくて付属病院も困ってましたが、あるとき、特定案件に一億円規模の予算が付いたんですね。それで、予算を組んで申請しろということで予算を組んだんですけど、予算の9割5分が初めから衛星アンテナ設備で占められていて、どうにも予算の工夫が出来ない。当時衛星アンテナを作っていたのは、大企業二社だけでしたし、こちらの仕様希望なども全く無視、結局全国の大学病院に衛星アンテナが作られた。これなんか、政府調達ですから、政府高官は企業側から随分可愛がられたのでしょうね。要するに、他の予算は削って、要りもしない衛星アンテナを設備され、その挙句が、利用法を考えろってなわけで、大学持ち回りで、衛星放送用の講義の準備で忙殺させられました。大学間の衛星放送講義のシステム作りって、下っ端は大変なんですよ。ホントに、頭にきましたし、今記憶が蘇りました。医者は無尽蔵に頭脳労働肉体労働が出来るって思われてたようです。

座位座位 2007/01/28 03:33
このあいだ、NHKで医療費の領収書の特集やってましたね。医師会が空気の読めない理事をインタビューに対応させて、顰蹙を買った番組です。レセプト並み明細付き領収書を発行してる病院を優秀なように扱ってました。これも、情報開示の名の下に世論を誘導した開業医バッシングです。使い勝手の悪い電子カルテ、レセプト並み領収書発行のソフトウエア、お百姓さんが、ヤン○ーディーゼルの機械購入に毟り取られていたように、今じゃ、開業医は電子機器会社に毟り取られています。それで、SEの人たちが過労だってことは、儲けはどこにいっちゃってるんですかねぇ〜。
(レセプト貧乏医出現しそうです。レストランでフランス料理一式食べて7000円也は、明細はいらないけど、医院窓口で支払う3000円には明細呉れですか。終いには明細に書いてある、LDH酵素って説明してくれとかなるんじゃないのかな)

bosszaru21bosszaru21 2007/01/28 04:08 当院もF社にはやられました。導入当初あまりの不便さにずいぶんSEさんにみんなで寄ってたかって文句を言ったものです。彼らの対応もテキトーで、「仕様なのでできません」「契約に入ってません」「後日対応します」などなど。原因の一部はウチの病院(県)が金をケチったせいだと判ったのは随分後になってからのことでありました。また電カルはそもそも非効率なものであるという真理に到達するのにも割と時間がかかりました。
ちなみに、SEさんたちの、できないことをはっきりできないという態度は我々医師も見習うべきと思いました。そうじゃないと、SEも医師も顧客の増大し続ける要求の前に半殺しになってしまいますからね。

門外漢門外漢 2007/01/28 04:43 従来業務のIT化というのは、一種の治療行為と考えることもできると思います。
それで類似性が出てくるということかと。

DrGIANNIDrGIANNI 2007/01/28 04:56
> bosszaru21 様
> 電カルはそもそも非効率なものであるという真理
まったくおっしゃるとおりです
現在の電カルは従来の紙カルテをそのままワープロにしたようなものですから、いくらやっても現場の苦労が増すばかりですよね
ただ臨床経験のある優秀な医師が新しい発想でつくりこめばいいシステムが出来るような気がするんですが・・・ するとそこで儲かるしw
問題は国が「電子化だー!」と予算を投入するから、あれだけダメなシステムでも商品になっちゃうんでしょう 
何とかならないものでしょうか、ホント税金の無駄遣いだよな

いどいど 2007/01/28 07:10 トラックバックは何度かさせていただいているんですがコメントは初…だったかどうだったか…

いど と申します

>IT業界では仕様書作成って厳密にやってこなかったんですかね。

あくまでもわたしの見た範囲でのことですが…

顧客によってはIT関連に関して「簡単に安価にできるもの」と考えているところがあります。
また開発者によっては「この程度の開発だったらそこまで厳密にしなくても」と「べき論」ではやらなければいけないであろう工程をすっとばして工数や期間の短縮を行います。
これらの「安易な発想」で切り捨てられるのの筆頭は内部設計書や、本来であれば内部設計書を基に作られる単体テスト仕様書です。

また顧客にシステムに不慣れな人が居ると「設計書」と名のつくものは斜め読み。実際にものが出来上がってから「聞いてない」を連呼して立場の強さを利用して「やるのが当然だ」「顧客が満足しないシステムなんぞ意味があるか」などとごり押しし挙句は「これは当方の認識ではバグである」などと言って工数超過の作業を押し付けられることになります。
そうなってくると「設計書」はただの形式上のものになってしまうために、設計書を書く人間たちも「そんな設計書に力を入れてもねぇ」とゆるい設計書が出来上がってきます。

デスマーチという言葉が出ていますが、「人月の神話」という本では「狼男を撃つ銀の弾はない」という言葉もあります。「魔法みたいな打開策はない」という雰囲気で使われることもあります。大抵のシステム屋がすでに発生してしまったデスマーチに対して「どうせ銀の弾丸はないんだし…」と諦め気味になって行進を続けるわけですが…

”人月の神話 銀の弾丸”で検索をすると以下のページが見つかります。

http://www.hyuki.com/yukiwiki/wiki.cgi?%A5%C7%A5%B9%A5%DE%A1%BC%A5%C1%A4%AC%B5%AF%A4%AD%A4%EB%CD%FD%CD%B3

ここではとあるシステム会社の会議の様子が描かれています。
こちらで拝見させていただく文書は「あ〜IT業界も似たり寄ったりだよなぁ」とか思うこともあるのですが医療関係者の方から見てこのような内容はどういう風に映るのかなぁと気になりました。

しゃれ頭しゃれ頭 2007/01/28 08:44 ちょっとでもプログラミングをやった事があったら、小さいプログラム一つ作るんでも膨大な時間がかかるんはよう分かる。それより大変なんは、一部を変更したら、全部がわやになるか検証せなあかんけど、それが大変な作業なんやな。自動検証ツールもあるけど、あてにならんし。人間は予期せーへん操作するからな。今やったらメガとかギガの単位でユーザーはみんな考えとるけど、キロ単位でも大変なんけど、それを医者は全然知らんし、知る機会も無いわ。IT業界の皆さん、無料で修正プログラムの数メガバイトのソースw(機械語ダンプリストでもええでww)を”印刷して”わたすから(ファイルで渡したらあかんで)、これ打ち込んだら解決しますよって病院側にゆうてみてん、最初は病院は儲かった思うけど、全員討ち死にして、ありがたさを分かってくれるで。俺、こういう悪知恵ようははたらくな。
それと医療もおんなじなんや。一つの臓器を治した思もたら全身ぼろぼろになってなって返って寿命が縮むっちゅう笑えん話がなんぼでもある。そやから某コメンテーターみたいに、よう分かっとる医者は、IT企業の肩を持つんや(やつは機械語まで書けるらしいし、低レベルの会話ができるゆうとったから、半田ごてからやっとっても不思議やあらへんわ。アンプ自作の話しもしとったし)

しがないサラリーマンしがないサラリーマン 2007/01/28 08:47 システム構築って設計者側はもちろんですが、発注者・利用者側も相当勉強して作らないと良いものはでき無いと思います。
公共システムって、発注者が相当必死になって向かってきます。下手をすれば自分自身の首が飛ぶから(笑)、ものすごく勉強してるんですよね。
医療現場でも患者側・我々国民がもっと勉強する必要があるんでしょう。

今、教育再生ってTVで討論していますが学校でもっと医療や病気について教えてもいいのではと思って見てます。でも教育者の負担が増えるって怒られるんでしょうが。
保健の先生に何も習ったことがない・・・・。

しゃれ頭しゃれ頭 2007/01/28 09:44 しがないサラリーマンさまっ  ほんまは中学と高校で人体や性について保健体育で教育する事になっとる筈なんやけどなあ。ジェンダーフリーでもめとるから出切へんのやろか。
病院のシステム構築やと、使う側の医者・看護師・技師・薬剤師・医療事務はそら真剣に検討しとるんやで。納入後も何回も設計側と話しおうとるし。それで自分らの苦労が全然変わるから、必死や。ただ、顧客は一部を除いて今のIT技術の限界を知らんちゅう事や。それはしゃーないから、設計屋が教えたってーな。これ以上は技術的に無理ですわって。医療側は自分も医学の限界ちゅうのをしっとるから、これ以上は無理っちゅう意味は絶対理解できると思うで。
問題は事務や。特に公立病院の事務は無茶や。自分らが使うわけとちゃうからええ加減やし、現場が特定メーカーの特定機器が断然いいから使いたいゆうても拒否されて、あくまで入札、一番安いところを採用ちゅうてはねつけるから、使いにくい安っぽい器具しか入ってこーへん。そのくせ裏金、、、これはあんまり書いたら消されるな。俺は内気で気が弱いんや。

研究者研究者 2007/01/28 13:03 地方の病院内の研究者(非医者)です。
あまりにも自分のおかれている状況と酷似していて涙が出そうです。
プロジェクトは、お上の「評価」により、半年ごとに変ります。
そして、「若いから」という理由で、一人で3人分くらいのプロジェクトと学生を抱え込んでいます。
プロジェクト自体が荒唐無稽な思いつきで、我々下っ端には変更できません。
それを遂行するだけの器具や機械もありません。
「若さ」「アイデア」で不足分を補えば勝てる、が上の口癖です。
また、「来年度はSRの医者の希望者が少ない。どうなっとるんだ」とか言われてます。
なんで一介の研究者が医者の勧誘までしなきゃいかんのか。
最近は、いっそ病院ごと潰れることを願い始めている自分がいます。

thx-1138thx-1138 2007/01/28 20:18 はじめまして。
私は元IT業界出身(下請け・孫請け専門ですが)で、デスマーチから脱出(転職)したものです。
貴ブログやブログで紹介されておられます記事などを読んで、要求に必死の思いで応えた結果、それが空気のように所与のものとなり、その状況を維持するために払われた労力等を無視したまま、次の要求へと際限なく進んでいく様子は、「これをデスマーチ・プロジェクトと形容せずしてなんとするのか」と思っておりました。
また、次に書かせていただくもうひとつの理由から、現状では(広い意味で)日本の医療・皆保険体制の崩壊より仕方が無いと考え、絶望的な状況にあると感じ、絶望視しておりました。

実は、私の転職後の職業は、公的医療制度の支払側(保険者)の末端(保険料徴収・滞納整理専門)であります。
もっとも、医療現場に居る訳でもない私に医師の先生様の現状などわかろう筈もなく、今でもこのような場にコメントするのも素性が素性なだけにビクビクしております。
私が危機感を覚えますのは、「自己負担は下げて欲しい、保険料値上げは反対、医療の供給体制はより便利・安心・確実な方向へ」と言うこの3点セットのご要望の多さです。
また、自由診療というものに対する誤解(現状の窓口負担の約3倍・現在の3割負担を基準とした10割相当分を支払うのが自由診療なのだという解釈)する人の多さです。

現状の日本の医療体制は『小さすぎる政府』であると言うのが私の認識です。
また、医療費の原資は「税(公債)・保険料・自己負担」以外にはなく、より良い体制を望むなら負担増(直接的な値上げ・若しくは他の行政サービスの削減による費用の捻出と言う間接的な負担増)は不可避とも考えております。

しかしながら、最大の受益者である被保険者(患者・国民)の認識が現状のままであり、主体的に医療体制を維持して行くための努力を放棄し、医療機関のみなさまや行政の責任とする限り、現状の改善は不可能と考えております。

私は、(もし医師のみなさまや医療スタッフの決死の努力の結果として奇跡的に)医療の供給体制が確保されても、皆保険体制の維持は(おそらく)不可能であり、そちらの方向から現状の医療体制の維持は不可能になると考えているのです。

でしゃばった事を書いてしまいました。
管理人さま、医師のみなさま、関係行政機関の上役のみなさま、申し訳ありませんでした。

あっくん f8mGMyyZGIあっくん f8mGMyyZGI 2007/01/28 22:43 [雑記][社会]医療業界とIT業界は似ていない

コメント欄で香ばしいF社批判が巻き起こっていますが本題とは全く関係ない話をこんな大事なエントリのコメントとして書き込む人たちの気が知れません。よっぽどシステム屋に文句があるのでしょうか。いや、その気持ち自体は分からなくはないというかむしろ分かるんですが…TPOは大事だね。

さて、そのエントリ新小児科医のつぶやき - デスマーチ・プロジェクトは今の医療崩壊の本質を言い表しているようなのでぜひとも読んでいただきたいところですが、ご本人のコメントに「医療に較べれば最近急成長の分野ですが、急成長している分だけ医療が直面している現状に一歩早く既に到達しており」とありましたのでちょっと茶々いれ。

デスマーチ自体はそもそもITで起きるというものではないですが、IT業界は何しろ自分たちが作っているものが何かというのが明確になりづらいことと巻戻しをいくらでも要求されてしまうことによって体質的にデスマーチを引き起こしやすいのです。最初から。日頃からデスマーチの実態に接しているから医療のデスマーチ化が我がことのように見えます。普段からデスマーチを体験していない業界の人は能力と努力と根性で成果を達成できると思っていますのでそこはなかなか共感しがたいのかも知れませんが。

さて、そういった面で確かに似ているところはあります。相手に理解がないと自分たち側のプロセスの問題を棚にあげて結果を責めてきたりとか。ただ決定的に違うのは、IT業界には前提資格試験がありませんので兵隊の供給は無限ですが、医療はそうはいかないということですね。急成長したから先にたどり着いたのではなく、その構造上の差が初めからあります。デスマーチという考えに到ったのも最初からそうだったことを分析したからに過ぎません。

それなのに何故医療がデスマーチ化してきているのか、と言うのが最大の問題なんじゃないでしょうか。ってのは元のエントリでも挙げられている通り。要求仕様を整理しなおすのも必要ですが、いちばんバカな顧客に迎合するバカ営業であるところの報道機関も早期に何とかしないといけないですね。

あっくん f8mGMyyZGIあっくん f8mGMyyZGI 2007/01/28 23:01 >IT業界の方は医療現場の窮状の理解が良いように感じます。医療に較べれば最近急成長の分野ですが、急成長している分だけ医療が直面している現状に一歩早く既に到達しており、それ故に理解しやすいのかとも感じています。

理解はするでしょうね.

どちらも専門家でなければ務まらない仕事であること.顧客の要求の高度化(或いは単なる無理難題)で現場の仕事量が鰻登りであること.新人の数はかならずしも増えていないこと.根本的な問題は人材不足や設備不足であり,それを精神論でなんとかしろといわれ続けてきたせいで崩壊していることなど.そのおかげで,いまやまるで「竹槍でB29を落とす」ような仕事になり果てています.

異なる点は,こっちの業界ではその専門性が必ずしも認められておらず,このため待遇は決して良くはないこと.将来性がないこと.中高年は仕事を失って生活できなくなる恐れがあることなど.


あと,電子カルテを叩く人が多いけれど,

>あまりの使えなさ(SEもシステムも)にあきれ果てたものでした。確かに顧客(つまり現場の医師)の要求はどんどん上がるばかりでしたもんw いっそのこと別の会社とのコンペティションといった現場の要望も聞く耳持たず securityはというとしどろもどろ、結局厚生労働省のお達しで奴らに予算を投げ出したとしか思えませんでした。コストももちろん病院側にかぶせましたね。
>導入当初あまりの不便さにずいぶんSEさんにみんなで寄ってたかって文句を言ったものです。彼らの対応もテキトーで、「仕様なのでできません」「契約に入ってません」「後日対応します」などなど。原因の一部はウチの病院(県)が金をケチったせいだと判ったのは随分後になってからのことでありました。また電カルはそもそも非効率なものであるという真理に到達するのにも割と時間がかかりました。
>現在の電カルは従来の紙カルテをそのままワープロにしたようなものですから、いくらやっても現場の苦労が増すばかりですよね。

IT側の人間として一言言わせてもらうならば,全くその通りです.
あんなやり方では絶対に良いものができるはずがありません.

暇人28号暇人28号 2007/01/29 07:56 実は私は数年前の9月いっぱいで医局を辞めたのですが、その当時は周りの私を見る目は明らかに「変人」扱いでした。他地域に行ったので実害は無いですが、今でも医局の上層部からは白い目で見られているようです。(学会でお会いしてもまともに返答してくれないし、年賀状の返信をくれない方もいるし)

その後医局の人事のことは全く知らなかったのですが、先日久しぶりに医局の名簿を見ていたら、私が医局を去ってから半年後、つまり翌年の3月には私の前後数学年の医局員がほとんど辞めてしまったようです。

恐らく皆は今までは洗脳され、なんとなく医局に残っていたのでしょうが、私の行動で目が覚め医局を去ったのでしょう。

恐らくこの4月の医療崩壊は私の状況と全く一緒なんでしょうね。機が熟し皆がなんとなく「おかしい」と思っているところに大野事件・大淀事件・小松先生の「医療崩壊」が重なり、先に洗脳が解けた一部の人間が基幹病院から去り、それに触発されて周囲の人間も多数基幹病院から去った、ということでしょう。


このエピソードを某巨大掲示板で書き込んだら「モーゼ」のように目の前の海が割れる状況に似ている、といわれましたが、正に言いえてますね。


そういえば、しゃれ頭先生は今日辞表提出するんだろうか?

しゃれ頭しゃれ頭 2007/01/29 08:27
                 ┌─┐
                 |も.|
                 |う |
                 │来│
                 │ね│
                 │え .|
                 │よ .|
      バカ    ゴルァ  │ !!.│
                 └─┤    プンプン
    ヽ(`Д´)ノ ヽ(`Д´)ノ  (`Д´)ノ    ( `Д)
    | ̄ ̄ ̄|─| ̄ ̄ ̄|─| ̄ ̄ ̄|─□( ヽ┐U
〜 〜  ̄◎ ̄  . ̄◎ ̄   ̄◎ ̄   ◎−>┘◎

しゃれ頭しゃれ頭 2007/01/29 08:30
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  ̄ ̄( ̄ ̄//// ̄\  ∧ ∧    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      ̄(//// ̄\\( ゜Д゜) < 潰れろや、病院ども ゴルァ !!
   ”.;”:  (/(/// ̄(つ つ   \_____________
”.;”:         (/(/|  \\
 .;”.;”: ..;”.;;:  (/((/ ∧|\\       .;”.;”: ..;.;”.;
   .;”.;”: ..  ;    ∪ ∪  \\         .;”.;”: ..;.;”.
.;”.;”    .;”.;             \\
   ゴ オ ォ ォ …… ! !      \\   ;”: ..;.;”.;”:
          .;”.;”: _.;.;__       \\   ド カ ァ ン !
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.;”.;”: ..;.;”.;”: ;:’.;| ΓΓ | |;”:从へ_/|  \\.;”.;”_.;__..:
从へ从へへ从  ; ζ  | Γ从 | |;:.. |从Γ | |    \\ ∠___/|
    ( ⌒( ⌒ ) ζ | 从Γ | |.:;. |从Γζ.;”._ \\|ΓΓΓ| |
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 Σ( ⌒( ⌒ ) ζ  ( ( ) )⌒ ) ( 从へ从)_.;;:.;|Γ从Γ| |
 ( (( ( ⌒ )) )  从 Σ( ⌒(  从へ从) ∠___/|
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あっくん f8mGMyyZGIあっくん f8mGMyyZGI 2007/01/29 22:04
              _____
              ||: ̄|| ̄ ̄i|
   *   ((       / /||(0)/\        ∧_∧
ウワアァァ    \     / / /\\  \      <`∀´ >
  ∧∧  Σ  ミ  / / /▽ \\  \ ●ヽ●⊂__ .) ]]__
Σ(´Д`)   Σ  ./ /__/、〃 。  \\  \_| | //,   ハ: | |ΞΞΞ||
 ⊂⊂´ヽ、ノ   | ̄ ̄; ◎) /|   \\.  / ̄/ ̄|⌒ノ).| |ΞΞΞ||
   `ヽ⊂) Σ ||   |i`´L、フノ,,   〔Ξ二二二|三同]┌┘|___/
     し!  ヽ ||  _i|、_ .\ <   ___〕´ `,二_|三三三三〔__
  ▽⌒  ミ Σ \___二_>  (二((ト---(二(◎◎◎◎◎◎◎) ))
        / フ*゛;゛’゛;’゛;゛゛’゛’ `  ̄ ̄ ̄ ̄` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ▽    ヘ/∨∨∨\(
しゃれ頭

あっくん f8mGMyyZGIあっくん f8mGMyyZGI 2007/01/29 22:21
      ∧_∧      ∧_∧
     _( ´∀`)    (´∀` )
  三(⌒),    ノ⊃    (   )   しゃれ頭は
     ̄/ /)  )      | |  |
    . 〈_)\_)      (__(___)

         ∧_∧  .∧_∧
         (  ´∀) (´∀` )
       ≡≡三 三ニ⌒)   .)    でしゃばるなと
        /  /)  )  ̄.| |  |
        〈__)__)  (__(___)

           ∧_∧  ,__ ∧_∧
          (    ´)ノ ):;:;)∀`)
          /    ̄,ノ’’    )   言ったろうが
         C   /~ / /   /
         /   / 〉 (__(__./
         \__)\)
                      ヽ l //
            ∧_∧(⌒) ―― ★ ―――
            (    ) /|l  // | ヽ   ヴォケがーー!
           (/     ノl|ll / / |  ヽ
            (O  ノ 彡’’   /  .|
            /  ./ 〉
            \__)_)

あみぐだらあみぐだら 2007/01/31 00:41 お初にお邪魔いたします。
まず、電子カルテですが、今では不可欠の存在でしょう。
10年前はとんでもない重症が入ったと噂になると、ぞろぞろICUに人が集まった。
今では,医局のPCの前で簡易クリニカル・カンファレンスが始まっている。

確かに、入力面で洗練してほしい点は多々あります。
個人的な希望として、指示を出すとき,あまりに階層を深くしないでほしい、あと、決まりきった指示なり記載はショートカットなり簡単な動作で登録、処理可能であってほしい。
さて、全然本題からそれました。訳の分かんないAA乱発してますし涙)。
デスマーチが怖さを増してくるのは,今後数年の話と思います。
田舎病院にいれば、所詮一人で何でもしなければならないし,リソースの有効利用って言っても、ただ単に「おまえ、寝る暇あるやん」って言われるだけですから。涙)
問題は、過大な要求が瞬間的じゃなくて,永続的に押し寄せる事。
人間は機械じゃないから,データーの出入力がバッティングしなくても,ある限度を超えれば停まる。シナプス末端の小さな袋が枯渇してしまえば、どうすることもできない。
現場から3割のスタッフが消えるだけで良い。結果は目に見えていまする。八甲田山です。天は我を見放したかぁ。
問題は社会全体、医療全体として永続可能なシステムが形成されていないこと。
自分じゃなきゃ、なんていいません。替わってくれるなら,悪魔の手だって借りたいくらい。
現状の仕事を、代替可能な形にしてシェアする。そのシステム造りが必要でしょう。
ただ、漏れのような田舎病院では不可能。よそから人間を引っ張ってこなければ。
でも、いやいや僻地に来た人間が、まともに機能するはずはないんですよね。涙)

YosyanYosyan 2007/01/31 12:31 >あみだぐら様

私もPCは嫌いではないので電子カルテを毛嫌いするつもりはありません。ただまだ不完全すぎるという感触を持っています。それと貧乏診療所からすると初期費用も維持費用もバカになりません。もっと普及して先人として御苦労されて改良された成果を使わせていただこうかと考えています。

患者サイドからの要求が増大し、かつては瞬間的な過大な要求が、やがて一時的なり、さらに日常化しているとの感想は実感そのものと思います。さらに過大な要求が日常化すると、要求している方は過大なんて事はまったく感じず、それが当たり前で普通だから「もっと、もっと」の要求が出てくるような気がしています。ラクダの例え通りで、載せる方は、載せられる方のラクダの辛さを理解するのが無理だと言う事でしょう。たとえラクダが辛いと言っても聞いてくれないのが現実ですし・・・。

GreenTourismGreenTourism 2007/12/25 22:22 俺がm3で散々書き散らして来た「医療水準を下げろ」と言う事に、業界の外部から禿同をモロタ。嬉しい様な哀しい様な。