新小児科医のつぶやき

2007-03-25 診療所は儲かっているか

平成17年1月26日に中央社会保険医療協議会において了承された、第14回医療経済実態調査の報告(平成15年6月調査)があります。そこで開業医は高収入であると例のごとく叩かれたのですが、収支差分布図をグラフにして見ました。

この時は診療所の平均収入が228万円もあるとして、マスコミ総出で叩かれたのですが、グラフをよくご覧ください。これで平均が228万円と直感的に感じられる人間はそうはいないんじゃないでしょうか。

全体の調査件数は1036件となっております。まず収支差が100万円以下の比率ですが、375件あり全体の36%を占めています。さらに150万円以下なら531件で51%、200万円以下となると639件で62%になります。200万から250万のグループは100件あり、平均が228万円なのでやや乱暴ですが、平均の228万円以下が50件だと仮定すると、平均以下の診療所は689件で67%を占める事になります。

もう一度表に書き直してみると、

100万円以下36%51%62%67%
100〜150万円15%
150〜200万円11%*
200〜228万円5%**
228万円以上
33%

ここで誤解が無いようにしてもらいたいのですが、この数字は収支差であって医師の給与ではありません。職員の退職金の積み立て、医療機器の更新充実、さらに診療所自体の定期的な補修やリニューアルの費用もここに含まれているからです。細かいことをいえば、調査月は6月ですから、忘年会や慰安旅行などの福利厚生費用もここから出費されます。さらにこれは平成15年度調査ですから、平成16年、平成18年とその後も2回診療報酬は削減されていますから、これより5%ぐらいは確実に減っています。

また分布で3割の平均以上の収支差を稼いでいる診療所は、保険診療以外の収入があると考えるのが妥当です。とくに1000万以上なんて怪物的な収支差を叩き出しているのは美容整形とか、当時であればせいぜいコンタクト外来の大手ぐらいしか考えられません。そうなると診療報酬削減の直撃を食らったのは、その多くが平均以下の7割の診療所であると考えるのが妥当です。また怪物的収支差が可能であったとされるコンタクト外来は前回の診療報酬改定でかなり叩かれましたから、さらに勝ち組診療所は3割から減っている可能性があります。

現在の統計がどうなっているかはわかりませんが、ほぼ確実な推測ですが、100万以下の層は平成15年の36%から40%以上になっていると考えられます。4割以上が100万以下であり、さらに50万以下は3割以上になっていると考えて良いと思います。もっと言えば1割以上は赤字という事です。

これらの数字は実感を持って眺める事が出来ます。うちもちなみに平均以下の部類です。今日は具体的な試算をやめておきますが、前に行なった時では、平均収支差を上回るためには1日平均70人から80人ぐらいの外来患者数が必要です。小児科は季節変動が激しい診療科ですから、それだけの平均を挙げるためには、繁忙期で120人以上、閑散期でも50人以上の外来数が必要です。それだけ診察してやっと平均です。ただしそれだけの数をこなすためには、それだけの体制の整備が必要で、そうなればもっと人手がかかり、その分だけ平均患者数のハードルが高くなります。

開業すればバカスカ儲かると言う神話は医師でさえ残っていますし、医師以外はなおさらのようです。しかし実体は2回の大幅診療報酬削減前でも見ての通りで、次回の平成20年改定ではさらに開業医の診療報酬は削減される予定のようですから、開業医にドロッポを考えておられる医師がおられれば、路頭に迷うか迷わないかの算段を十分行なってください。時間外診療の負担が消える分だけ精神的負担は確かに軽くなりますが、その代わりに倒産の危機で夜も眠れなくなるかもしれませんからね。

physicianphysician 2007/03/25 15:35 えっと、これは月額ですよね?

暇人28号暇人28号 2007/03/25 15:39
今場所を選ばずに開業するのは自殺行為ですね。私の聞いた話では、札幌で開業しようとしたら銀行が融資してくれなかったけど、近隣の地域で開業することになったらOKだったそうです。でも、今の時点で開業できるけど、将来にわたって収入が安定するとは限らない。今後数年間に一気に開業ラッシュがその地域で起きるかもしれない。

そういうことで、私は開業できるように準備はしていますが、無理にするつもりはありません。今後の成り行きによって色々対応できるようにしています。

YosyanYosyan 2007/03/25 15:41 もちろん月額です。一昨年のエントリーの焼き直しですから、当時はこの数字を見て眩暈がしたものです。どうやったらそんなに儲けられるのか不思議でしたし、平均まで到達するまでの患者数の現状に絶望感に浸ったものです。今でもそんなに変わりはありませんが。

774氏774氏 2007/03/25 16:08 「はるかちゃんを救う会」も親が医師であるという事だけで随分叩かれてるなあ。前のNHKの子供の時と違って、何もかも書いて滞在費は自分で出すまで書いているのに。世間の医師を見る目は厳しいようで。まあ、新自由主義と準自由診療になりますから、必ず反射するわけですが。

暇人28号様

 今は開業は止めといた方がよさげですよ。当県でも糞コンサルが暗躍し、100mごとに医療ビルが建ち、テナント(開業医)が入らないと大家が苦情を言いに行ったら、逃げた後とか。巨大掲示板も、開業にリードする糞コンサルの書き込みが目立ちますね。医療崩壊系スレでは10%位あるんじゃないですか。あまり深くは書けませんが、DPC導入以外の急性期病院が大量倒産して状況が激変する可能性が高いので・・・それより、ゆっくり休みましょ。4/1を高みの見物するぐらいの心の余裕で。今はそれが一番大事ですよ(経験者語る)

YosyanYosyan 2007/03/25 16:08 そうそう今なら老健を運営しているところも収支差は大きいかもしれません。しかしごく普通の外来のみの診療所の経営では、中央値の150万ぐらいが当時であれば妥当で、現在ならもう少し減っているでしょう。それでも勤務医より多いと言われるかもしれませんが、資金繰りや経営を常に考えるのは思いのほかに負担です。

そう言えば怪しい金融会社から融資のDMやFaxがよく舞いこみます。困っているところが多いのはそういう点からも推測されます。あんなのに手を出し始めたら破滅に一直線でしょうが、最後はすがるのでしょうね。気持ちだけはわかります。

ただの通行人ただの通行人 2007/03/25 16:23 この調査,今年の9月にまたやるようです.

ソース
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0307-3f.pdf

ただの通行人ただの通行人 2007/03/25 16:25
すいません,6月の間違いでした.

774氏@傍観者774氏@傍観者 2007/03/25 16:33
 勤務医→開業医の利点は、昔は収入が激増、救急&当直をしなくていい、と言うのがありましたが、今は期待値計算で生涯収入は勤務医の方が上、昨日までのエントリーにあるように、開業医の方が奴隷扱いされるかもしれません(勤務医は権利意識の高まりで状況が改善される可能性があるが、一部を除く開業医は雇用主でもあります)。現に在宅医は24時間拘束ですし、今内科で開業している40代医師は患者連絡用携帯を持ち、24時間対応を余儀なくされています。マイナーはもうあふれています。

 もちろん統計なので、努力すればするほど良くなるのでしょうけど、厚労省のはしご外しが・・・しかも・・・ここまでにしておきましょう。北播滅亡の日まで、あと5日(3/30昼から異動&退職&撤退の先生が残っているはずないですから)。今週末からは175号線と176号線→六甲北有料道路が救急車の音でうるさいですよ。

Yosyan様
>怪しい金融会社から融資のDMやFax
 個人では、平成の徳政令ともいわれる各種制度が急速に充実したので(これ自体は公明党の業績です)すが、借りた金は返さなくていいという、モラルハザードがおきつつあります。返済でお困りの方は近くの簡易裁判所に駆け込みましょう。

774氏@エスパー774氏@エスパー 2007/03/25 16:40 エントリーの最後の段落は、Yosyan先生の「魂の叫び」を感じる。

暇人28号暇人28号 2007/03/25 17:09
医療テナントに関しては札幌でもなかなか入らないとの事でした。ひとつしかテナント入らなくて困っている大家さんが居るなんて話を聞きましたし。これは医療ビルに限らず他のアパート経営にも言え、土地を持っている人のところに土建屋さんが「アパートを建てれば儲かりますよ」なんてインチキくさい将来の収支予測表を持って行くそうです。昨今の情勢を見ていればアパート経営なんて一部地域を除き大変なはずなんだけどなあ。結局利益を得るのは土建屋さんだけでした。


774氏様:
お心遣いありがとうございます。もちろん今のところ開業するつもりはありません。時期が悪すぎる。ただ、開業するに当たり最低限取っておく資格なんかもありますので、念のため取るつもりです。ただ今後、また救急医療に復帰するかもね。今はドロッポの身ですが、恐らく将来待遇はマシになるだろうから。なにせ、循環器内科は決して需要がなくなることはなく、むしろ将来にわたって増えるはずですから。

ただの通行人ただの通行人 2007/03/25 17:26
厚労省の資料を見ていますが,支出には借入金の元本返済と所得税・法人税,住民税の項目がありません.収支というのはあくまで事業収支のことだと考えれば開設者たる医師個人にかかる租税や借金は計算に入らないのも納得ですが,実は別表になってました.
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/01/dl/s0126-8d3d.pdf
それによれば

第32表 1施設あたりの年間税負担額>平均644万(月53.7万)
第38表 1施設あたりの月間借入金返済額>月36.9万

合わせて月90.6万.228万からこれだけ有無を言わさず持って行かれるわけです.


さらにYosyan様の仰るように

「個人立の病院の総収支差額からは、開設者の報酬となる部分以外に建物、設備について現存物の価値以上の改善を行うための内部資金に充てられることが考えられる。」
との一文が概要に書いてありました.
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/01/dl/s0126-8a1.pdf

Med_LawMed_Law 2007/03/25 17:32
大福帳会計じゃなく、バランス・シートが明らかになる報告でないと、解析不能です。

負債を抱えて診療所の土地を購入した場合、借金の返済は資産として残るので、借金が収益のなかでどう扱われているかを見ないと、資産が増えているのか、あまり増えていないのか評価しようもないですしね

いずれにしても、大企業である大病院と、中小企業である診療所等をゴッチャにして平均を出すあたりは、バイアス掛かりまくりです(笑)

日産の給与平均にカルロス・ゴーンや重役を入れるだけで、通常の従業員の感覚と全く懸け離れた数字になることでしょう

数字はウソを言わないが、数字を出すものは数字を利用しようとしているということを忘れてはならないですね

サルガッソーサルガッソー 2007/03/25 19:54 最近のマスコミは統計学も齧らずにグラフを扱うのがデフォルトのようで、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E5%9D%87
Wikipediaの項目にもありますが、単純に足して割るだけの相加平均は極度に数の大きい(小さい)要素が混じることで信頼性が低くなります。
こういった場合は中央値や最頻値を用いるべきというのが定説なのですがねえ。
他にマスコミのテクニックとしては棒グラフの上澄み部分を抽出することで
1割の変動を2倍3倍に見せるのがはやっているそうです。
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20070128.html

774氏774氏 2007/03/25 20:14
 Med_Law様の言われている事は、正式用語では、単式簿記ではなく複式簿記でないと正確な解析は不可能という事です。複式簿記を採用していなかったために発展が遅れた国が多数あった(中国もそうです)、ノーベル賞をとるような超一流の経済学者も簿記の単位がとれずにPh.Dを見込み習得になったとか、資本主義の発達の要素は近代科学・近代法・市場機構・複式簿記(マックス・ウェーバー)といわれるぐらい重要で、知らないと儲かっているはずなのに破産するとか、昔書いた記憶があります。医療は資本主義で無く統制経済ですが、複式簿記は共産主義でも必須です。

 しかし、天才経済学者でも超苦手というぐらいで、簿記の勉強を思い立った時は無理かもと思っていましたが、シミュレーションゲームにはまっていたから、考え方はそのままじゃんと思って放置しているうちに、IT技師長!や怪情報収集屋になってしまって、いろんなニュースの年度末会計話についていけなくて悲しい。親の経済学のいろんな教科書には簿記の本は無かったから、経済学部では必須ではなかったのかも。

774氏774氏 2007/03/25 20:24 サルガッソー様
 いろんなテクニックがありますね。条件が違うのに同じグラフで比較したり、軸を対数にして差を縮めてみせるとか、波線で途中を省いてちょっとした差を凄い差に見せたり、いろんな要素を足し合わせて総合では勝っているようにみせるとか。

 企業のお抱えに近い提灯ライターの記事では、嘘を嘘と見抜けないようでは、商品は買えません(笑)

BugsyBugsy 2007/03/25 21:10
収入が診療報酬で決められており、あの手この手で減額(計画経済)、支出(人件費、材料費)が自然増であるというのが最大の医療の矛盾です。
賃貸しのビルに部屋を借りても一戸建ての診療所を開設しても 家賃や建築に関わる借金も多額です。都市部では10年ー20年のスパンで見ると土地の値段は上がっています。
スタッフを雇用するにも給与水準が下がった次期があったなんて寡聞にして知りません。時間外に診療せよといわれても 医師以外にもそういったコメディのスタッフが残業、夜勤となれば応分の給与も必要です。彼らの給与水準も随分高くなりました。スタッフ一人当たりの仕事量も増え、ついスタッフを増員せねば今いるスタッフが辞めてしまいます。
昨夜友人とお酒を飲みながらこんな話をしました。

私自身は他人様の収入なんざどうでもよいのですが、他人の財布の中身を詮索し、少しでも多いとあたかもそれが不正から生じたものと思いがちな日本人の根本的な欠陥でしょうか。10倍以上多いと黙ってしまうようです。私はそういう心根をを「卑しい」と教わりました。
医師といえば高収入と言われがちですが、同世代の開業医で左団扇のを煽ってる奴は見たことないです。
私も時折「先生はxx千万円くらい年収があるんでしょう?お金持ちはいいなあ。」と言われますが 説明したってどうしようもないとあきらめています。少なくとも私の診察には関係ない。
どうも医師と言うのはお金がらみの話は卑しむべしとする風潮があるかな、自分自身お金に関した話を避けて通るか 時としてむっとしてしまいます。

勝手に医者以外の憶測をまねくのは こういった収入に関して多くの医師が恬淡としすぎ 憶測のみがマスコミに一人歩きしすぎたせいなのかもしれません。
今回のようにグラフではっきりさせるの賛成です。せめてデータの正規性の検定(SmirnovやKolomogorovなぞ)と 記述統計(平均値・標準偏差SD・中央値など)を出してマスコミは検討してくださいよ。おいらだってこの辺は論文まとめるのにきっちりと勉強しましたよ。
少なくとも収入ということで 被雇用者の勤務医と個人事業主である開業医をも一緒くたにされがちです。医師の収入ということで 月平均の保険収入から類推した数字もありました。そこから支払う給与、薬剤費なぞ見事にネグレクトです。多ければ嫉んで少なくしたい、ならば少なければ救うのか?その気がなければ ほっておいてほしい。

motomoto 2007/03/26 00:14
なんだか「つぶれかけのクリニック」スレみたいな今日のエントリーですねえ・・まあ、3月も末で、税理士さんから通信簿ならぬ確定申告書の控えもらう時期ですから、そっちに関心も行きますよね。
元データ探すのに苦労しました。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/01/s0126-8.htmlの『図解「平成15年6月医療経済実態調査(医療機関等調査)報告」』の『一般診療所』の最後の図ですね。
まずこれ、元図だと、個人とその他(ほとんど医療法人)とに分けてあって、医療法人は収支差0以下のところも多いけど、『平成15年6月医療経済実態調査(医療機関等調査)報告』の『一般診療所』みると、医業収入は軒並み「その他」のほうが多いから、法人化している勧業医が多いこと考えると、開業医全体としては、もう少し高くなりそう。
17表に、診療科別の収支差があって、美容整形は含まれているとすれば診療科「その他」になるのでしょうか?収支差403万円、コンタクトは眼科でしょうから、329万円、かならずしも1000万円以上が両科との推測は成り立ちません。
小児科はたしかにかわいそう。個人では185万円といちばん低いです。
平均値226万円に対する、みなさん御指摘の中央値は、第16表に出ていますよ。170万円です。
『図解』のほうの、「管理者年齢別収支差額」無床・個人・30〜34才のところに、診療科不明ですが、収支差1069万円の方が1人いらっしゃいます(一人と言うのは、「管理者年齢階級別施設数」を参照するとわかります)ので、こういう方が平均を引き上げていらっしゃるんでしょう。

motomoto 2007/03/26 00:40
この調査の、個人診療所からの返答率は50%ですから、うちみたいな引き篭もりプチ整形屋や、コンタクトクリニックが、どのくらい協力してるものやら・・わたしとこに調査票来ても、返答しないだろうなあ。だって医師会にすら入ってない人ですよ(^^;。以前、麻薬免許の年に一度の県への報告滞ってたら、県警から督促の電話が来ました。あれだけは、ちゃんとしなければ。
Yosyan先生、美容によほど恨みでもあるのか(笑)、まあ、隣の芝生はよほど青々と見えるだけかもしれないですが、美容って、けっこう、うまくいかなくて潰れてるとこ多いですよ。収支差1000万円以上は、なかなかいかないんじゃないかな。美容の医者同士愚痴る機会はけっこうあって、お互いライバルではあるけど、突っ込んだ情報交換も結構します。私も、収支差1000まではいかないです・・多分。(計算してないんでわかりません。この調査の「収支差」はhttp://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/01/dl/s0126-8a1.pdfから算出する、独特の数字のようなので)

774氏@危機感774氏@危機感 2007/03/26 00:46
「ああ播磨だなPart2」が西脇スレになってる(笑)。今度の麻酔科の取り合いで某病院某科長 様が必至だというのも分かる。北播はマジで変態川 様の書き込みから急速に、緊張の度合いを増しています。しかも、土日にリーク合戦。何で私が巻き込まれるの? と言いながら、サンダーボルト作戦とか嬉しそうに書いたけど(いくら軍ヲタ失格といっても、あれぐらいは知っていますよ)。原因は何度も書くけど、1.行政の介入、2.事務の体制が悪く、黒字を出そうと現場医師に口出しすぎて、心の芯を折ってしまった事、3.医師の心を折る全国的に有名な発言が相次いだ事(と、表に出てこなかった発言)。なお、眼科と消化器科の大多数は撤退済み。ホントの事言うと、西脇は中心病院として健在であって欲しいのです。送り先がなくなりますから。けど、西脇の市民は北播の他の病院など無視して、一気に西神・明石に流れ込むんだろうな。175号線をまっすぐ下るだけだから。

怪情報をまとめると、こういう事かな。
2007年
 4月 麻酔科・精神科 全撤退
 6月 循環器科2名 消化器科1名 外科2名 泌尿器科全員 撤退
2008年
 4月 耳鼻科 撤退

 経済学の分野では、政府が保護した産業は国際競争力が無くなるというのは常識で(例えば、日本の米)、厚労省は過去の事から学ばなかったのかなあ。もちろん病院を潰していきたいんでしょうけど、基幹病院まで潰しちゃったら意味ないし、後戻りできませんよ。これぞまさしく人間疎外。一旦動き出したものは止まらず、人間が制御できません。過激な事を書いているようだけど、医師にとってやる気こそが原動力である事を、すっかり忘れられている現状は嘆かわしいです。

座位座位 2007/03/26 01:58
電波の送受信が非常に悪くて、苦労してます。
開業医は零細事業のオーナーであって、その少ない事業収入から、雇用と税収を創出しているという事実をもっと、国民に伝える必要があるんじゃないかな。事業内容も、直接国民の命と健康を守るものであって、決して価値の低い業種ではないと言うことも、当たり前すぎるけど、主張しなければならない。僕の兄弟が開業医をやってるけど、有床をやっていた頃、入院患者さんの土日の食事の配膳を、彼自らがしていたのには唖然とした。彼が有床をやめて、年収が下がり民間病院の勤務医と変わらない実質収入しかないことが判って、ゾッとしている。看護師や事務の給与、医療機器のリース料金、そして税金を支払うために、働いているようなもので、勤務医とは別の悩みが深いのが良く判る。

現在の開業医が儲かってなどいないということを、国民向けに分かりやすく説明するには、事業収入から、従業員の人件費や施設整備費等を引いたとき、経験年齢別に労働強度で補正した年収偏差値を算出し、医学部入学偏差値(平均66程度)と比較するとか、そこまで、しないと判ってもらえないかも知れない。資本主義の世の中で儲かって何故悪いと言いたいところだけど、儲かってないのだから、それも言えない。
いずれにしろ、開業医の社会貢献度とか、雇用創出とか、零細企業主であるとか、そういったイメージが前面にたたないのは、何故だろう。

motomoto 2007/03/26 02:16
わたしは平成15年に開業したんですが、欝でぼーっとしてたのもあって、開業挨拶のはがきも出さなかったし、内覧会なんてもちろんしなかった。そもそもいつが開業日なのかも定かでない。
いま、懐かしくなって、3年前の青色申告決算書見てました。3月売上3000円、4月60万円、5月98万円・・・売上がですよ。
このころは、友だちの奥さんに店番してもらって、携帯もって毎日ぶらぶら散歩してたなあ・・退職半年目。退職金もなくなってたし、よく生活できてたもんだ。
開業資金は3千万円(銀行借り入れ)。半分でレーザーとか機械買って、あと半分で内装什器備品。売上は非常にゆーくり伸びて、それでも12月で230万円。この年の売上総額は1377万円で、経費引くと赤字。
経費は人件費が187万円(9か月分、電話番の子の時給のみ)、テナント家賃が335万円(同じく9ヶ月)、減価償却費303万円、とか。
すごいわ。よくやってた、ていうか、元々欝だったから、これ以上鬱になりようがなかったんでしょう、でなきゃ、絶対鬱になってそう(笑)。
いまは、収支差1000いくか、いかないか、迷う程度にまで伸びて、鬱も回復しつつありますが、ほんと、運が良かったというか、鬱のどん底ながらも、どっかで本能的に先を読んでたというか・・
いやほんと、まともな精神状態だったら、こんな開業立ち上がり方じゃやってられなかったでしょう。へんな話、私の場合は鬱だから開業できた?(笑)
開業当初の、低売上体質に耐えるような、固定費(家賃・人件費・光熱費)構造のまま(人件費は2倍の50万円くらいに増えた。受付2人制にしたんで)だから、ちょっと売上上がると収益性は高い。いわゆる軽装備開業の美容版、ってことでしょうか、今振り返って考えるに。
だけど、ちょっと人には勧め難いですよねー。>立ち上がりの悪さ。
今は、借入金も完済したし、貯金も出来てきました。
まあ、ご参考までに(^^;。

会計士X会計士X 2007/03/26 02:17 ただの通行人様の掲示されたソース↓を見る限り、http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/01/dl/s0126-8d3d.pdf
一応複式簿記になってるようですし、医療機器や診療所のリニューアル費用も償却費として含まれているようです(むろん、医療の進歩による将来の機器の高騰は織り込まれていない)。退職金の積み立ては考慮されていないようです。
ちなみにB/Sも出ているようですが、自己資本も平均6割と厚く、資産も手元流動性が高く固定資産中の償却資産割合が少ない事からも、優良企業であることがわかります。
ただ、最頻値が月の営業収益120万円ですから、ここから借金の返済を除くと、年収は1000万円程度でしょうね。低くはありませんが、経営のリスクを負っている事を考慮すると、普通の上場企業サラリーマンと比べ、そうお得とはいえないかも知れません。

ちなみに複式簿記は相性があるのと、学習に際し知識や論理というより職人芸的に叩き込まなければいけないので、必ずしも頭が良い=簿記が得意とはなりません。三大監査法人と会計士協会のトップに早稲田慶応中央の私学出身が圧倒的に多いのも、そういう簿記の性質が一因かもしれません。会計士受験生は簿記検定のところで3分の2くらいが脱落しますので。

政府が保護した産業は国際競争力が無くなる・・・政府が余計な保護をした病院は競争力が無くなるが、そもそも保護が無ければインフラとしての医療と病院は存立自体不可能(インフラでなく営利企業としてなら別ですが)。痛し痒しですね。中で働いている人間の事を忘れると、適切な保護も支援も不可能という事ですね。

motomoto 2007/03/26 02:22
>僕の兄弟が開業医をやってるけど、有床をやっていた頃、入院患者さんの土日の食事の配膳を、彼自らがしていたのには唖然とした。

私、看護婦さん雇ってないから、手術器具は毎日全部自分で洗って滅菌してパックにつめ再滅菌します。ていうか、手術終わって、次の患者が来る前にすばやく作業済ませてる。
1人コックのレストランシェフが、料理作りながら皿洗いするようなものですね。
わりと楽しいんですよ。誰にも気兼ねしなくていいし。

motomoto 2007/03/26 02:42
そうそう、初年度は、青色申告も自分でやったな。簿記2級入門の本、1000円で買って、いちばん安いソフト買って。
翌年に、昔の国立病院時代の患者が、訪ねてきて、税理士さんが決まってない話聞いて、税理士だったんで、お願いした。クリニックのHPも、昔の患者で自宅療養中の子が、ボランティアで作ってくれた。
私、退職間際のころは、ふらふらで、診察終わると患者達が「先生、おだいじに」と言って帰って行ったし、まあ、いま考えるとこちらもいろいろお世話になりました。
クリニックの内装も、ふらふらの私を見るに見かねて、ともだちのインテリアデザイナーの子がやってくれたし、その子が、友だちの友だちとか探して、今の受付スタッフ(10人くらいいてシフトで回ってる)が集まりました。だから、うちは、スタッフ公募したことがない。スタッフ同士互いに誰かのともだちだから、仲たがいもないし、開業以来だれも辞めてない。みんな時給850円+ランチ私のおごりで、主婦ばっかりだし、ご機嫌で働いてくれてます。開業して人のやりくりが一番難しいらしいですが、私はそんなことなかった。小学生のころに戻って、女の子たちのままごと遊びに混ぜてもらってる感じです。
たぶん、幸せなんです・・・>私。・・自信は無いですが。
いや、だから、人間ぼろぼろになっても、何年かすると、なんとかなってるものみたいですよ。

暇人28号暇人28号 2007/03/26 05:41
いやー、今までは漠然と「今の状態で開業するのはリスクが高そう」と思っていましたが、こうやって現実的なデータを見せ付けられると大変さが良く分かります。自分なりに計算してみて、当地では開業はまだ十分可能なレベルなのですが、以前から「都会の先生はどうやってるんだろう」と他人事ながら疑問に思っていたのでね。やっぱりそういったからくりがあったのですね。

やはり今は開業はしないほうがいいですね。もう少ししたら勤務医の待遇も少しは良くなるし。

でも、そもそもは「病院での診療はお金がかかって仕方ないから、開業医になってくれ」って言ってきたのは厚労省じゃなかったの?


そういえば、播磨スレはすごいですね。そんなに似氏沸きのトップはすごい人なのですか?ぜんぜん知らない人なんですが、興味を持って拝見しています。

774氏774氏 2007/03/26 08:07 会計士X 様

 やはり簿記には相性があるのですか。必要に迫られてとか仕事で行うとかそういう動機がないと、いつまでも「まあそのうち」で結局無縁となってしまう、とほとんどの経済学者が言っていたとある書物に書いてあるのもわかります。中には簿記が必修になっている経済学部もあるようですが、やっぱり苦手な人が多いそうで。

 暇人28号様に現時点での開業をお勧めしないのも、循環器の資格をとるのは趣味の範囲内でそう苦痛にはならないでしょうが、経営、特に簿記を習得しないといけないのは、再発しそうな悪寒がしたからです。マジで頭が空虚になりますよ、簿記の本。可能だったmoto様が信じらんない(散髪・髭剃りさえする気が起こらなかったのを経験していますので、マジです)。そういえばmoto様から教えてもらった経済産業省の論文を読むのを忘れていました・・・100ページ以上はちょっと気合がいります。

 なお、政府の保護云々は諸説ありますが、あの書き込みはGATTやWTO体制の基本理論となっている比較優位説をもとにした話で、ある程度産業が育ってきた場合に過剰な政府の保護=干渉は産業を滅ぼすという事であり、ある程度まで産業を育てるのには保護主義が非常に有効なのは間違いないです。ただしその後は保護をやめないと競争に耐えられません。もちろん社会インフラである医療を完全自由競争にすると、電気まで自由競争にして大停電が起こったアメリカみたいになりますから、ある程度の規制は厚労省が主張するとおりでょう。厚労省のシナリオにも、完全自由化、外資に開放のシナリオはありません(外資云々は次の日銀総裁次第かも)。しかし行き過ぎた規制は医療を滅ぼしつつあります。WTOでも育成中産業に関しては保護が認められていますが、最近は新自由主義が世界の主流になったのか、FTAを結ぶのが流行っていますね。

 完璧とも思われる比較優位説の唯一?の欠点で、昔はその事を知らずに新興国が自由貿易に走り、国内産業が潰れた国が続出しました。比較優位説をポルトガルのワインでググルと比較優位の元祖リカードの批判ばかり出てきてあせったと昨年書いたことがありますが、これのことです。

 播磨スレは、西脇スレどころか軍事作戦スレとなりはてました。元々医学と軍事は似通っているというのは、その性格が同じで(人を殺したり助けたりというのは違いますが、それは途中経過であって、最終的に国家・国民を守るというのは同じです)、思考方法や制度、上層部のアレさ、までそっくりです。

 さあ、今週で3/31も終わり。すばらしい春は来るか? しかしこの一ヶ月は濃かった。

PS.百聞は一見にしかず。暇人28号 様が北播磨まで来てもらえるなら、顧問様と面会できますよ、神戸から私が御案内します。ただし循環器引き上げだそうで、そのまま拘束されるかも。30分間密室で「お前は西脇でこそ役に立つ人間だ、他では病気になる!」なんて大声で何度も叩き込まれたら、先生の西脇常勤化は間違いないです。なんか某教団の洗脳みたいな話になってしまいましたが。

YosyanYosyan 2007/03/26 14:34 moto様

遅レスですが、美容整形を目の仇にしているわけではなくて、美容整形ぐらいしか1000万円以上の収支差を稼ぎ出す診療所が思いつかなかっただけです。小児科では一日平均200人診察しても、月に実働22日として4400人。一人平均3000円程度ですから、医療収入としてやっと1320万円。200人診察するための経費が320万円で済むとは思えず届きません。

それに連日200人の外来なんて想像しただけで眩暈がします。かつての大先輩の中にこなした猛者はたくさんいますが、時代は変わっています。とてもそれだけの診察は人間業ではありませんし、やれば確実に寿命を縮めます。

そう言えば200人とはいえませんが、150人程度は診察していた父は還暦まで持たなかったですからね、寿命が・・・。

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