新小児科医のつぶやき

2007-03-28 療養病床削減の話題

2007年3月28日付毎日新聞より、

療養病床:削減を促進 老人ホーム経営、医療法人にも容認

 長期入院する高齢者向けの医療施設「療養病床」の削減問題で、医療機関が療養病床を介護施設に転換する際の政府の支援策の全容が27日、明らかになった。禁じていた医療法人の有料老人ホーム経営を認めたり、施設改修時の融資を上乗せすることなどが柱で、来月から順次実施する。

 政府は療養病床を11年度末までに6割削減する方針だが、計画は進んでおらず、「アメ」の提供で転換を促したい考えだ。厚生労働省は28日、支援策を自民党社会保障制度調査会に提示する。

 厚労省は「療養病床の患者の多くは、医療を提供する必要性が低い」とみており、療養病床を老人保健施設など介護施設に転換する方針を打ち出している。医師や看護師の配置が少なくて済む介護施設に切り替え、医療費を抑制する考えだ。

 しかし、医療機関は転換後の経営見通しに不安を抱いており、削減は進んでいない。そこで厚労省は、支援が必要と判断。利潤追求に一定の歯止めをかけてきた医療法人にも、療養病床の転換先となる有料老人ホームや、高齢者専用の賃貸住宅経営を認める。厚労省所管の独立行政法人「福祉医療機構」の融資率を90%(現行75%)に引き上げ、貸付金利も0.1%引き下げる。

 転換が進まない要因の一つには、地方自治体が「第3期介護保険事業計画」(06〜08年度)で、すでに介護施設の各年度ごとの定員数を定めていることがある。このため計画の総枠内なら、単年度に定員枠を超えることも認める。また、介護施設に改修すれば法人税を軽減し、医療機関と併設する場合は、診察室、階段、エレベーターなどの共用を可能にする。

 療養病床数はピーク時の38万床(06年2月)に比べ、約1万床減にとどまっている。昨年10月、療養病床を持つ施設を対象に厚労省が実施した調査でも「介護施設へ移行」と答えた医療機関は1割未満だった。【坂口裕彦】

療養病床の削減は厚生労働省が「50年前は家で死ぬのが当たり前だった」(厚生労働省審議官宮島俊彦氏)の大義を掲げて強力に推進している施策の一つです。大義をもう少し補足すれば、

  • 50年前は約8割が家で死んでいた。
  • 今でも約6割が自宅での死を望んでいる。
  • 病院で死ぬ風習は老人医療無料化政策の悪しき副作用である。
  • 団塊の世代が高齢化すると死者が100万人から170万に増え療養病床はとても足りない。
  • 療養病床では月に四十九万円くらいの医療費がかかるが、老人保健施設なら三十四万円、在宅サービスならもっと少なくすむ。
  • 介護保険と在宅支援診療所があるから受け皿になんの不安も無い。

よって療養病床38万床を15万床に減らすと言う事です。ごく単純にはここ5年ほどの間に23万人が病院から追い出される事になります。読まれて「トンデモナイ」と感じられる方は多いかもしれませんが、これはもう決定事項となっています。ただし劇変緩和措置として、療養病床を老人保健施設などに転換するとしています。つまりこの記事は療養病床から他の介護施設への転換の遅れを指摘した記事ということです。

遅れているので「アメ」政策が例のごとく行われるようですがピックアップしてみます。

  1. 療養病床の転換先となる有料老人ホームや、高齢者専用の賃貸住宅経営を認める。
  2. 「第3期介護保険事業計画」(06〜08年度)で、すでに介護施設の各年度ごとの定員数を定めていることがある。このため計画の総枠内なら、単年度に定員枠を超えることも認める。
  3. 独立行政法人「福祉医療機構」の融資率を90%(現行75%)に引き上げ、貸付金利も0.1%引き下げる。
  4. 介護施設に改修すれば法人税を軽減し、医療機関と併設する場合は、診察室、階段、エレベーターなどの共用を可能にする。

すごいアメと言うか、なんと言うかですが、アメ以前はこうだった訳です。

  1. 療養病床の転換先は老人保健施設ないし特別養護老人ホームしか認めていなかった。
  2. 療養病床に転換しようと思っても介護保険事業計画で既に定員数が決められており、病院が独力で定員枠獲得戦争に勝ち抜かなければ転換できなかった。
  3. 国の政策のための転換であるのに、施設改修費用は75%しか公的融資を受けられず、残り25%は自己資金ないしは民間金融機関の融資を独力で交渉しなければならなかった。
  4. 医療機関と併設する場合は、診察室、階段、エレベーターなどの共用は不可能であった。

どれもすごい条件ですが、とくに最後の「診察室、階段、エレベーターなどの共用は不可能」なんて建物の大改築を意味するものですから、よくこの条件で1万床も削減できたものです。この記事だけではわかりませんが、この1万床は本当に介護施設に転換できたのでしょうか。個人的には転換できずに単に削減された病床が多いような気がしています。

またよく読めば首をかしげるのですが、介護施設の定員は「第3期介護保険事業計画」(06〜08年度)で決められているそうです。それを3年内の定員枠は変えずに単年度の定員枠を越える事を認めても、だからどうなると感じるのは私だけでしょうか。06年度は終了しているので、残りは07年度と、08年度です。これを仮に07年度で2年度分の定員枠を使い果たせば、今年度は見た目上、療養病床の削減は進むでしょうが、来年の08年度になればまったく進まなくなります。

療養病床削減政策の愚かしさは既に散々書いてきましたので今日は深く触れませんが、療養病床削減の劇変緩和策として厚生労働省が力説していた老人保健施設等の介護施設への転換も既に強力に絞り上げられている事がわかります。つまり厚生労働省は、「療養病床を介護施設に転換せよ」とアクセルをかけながら、「介護施設を作りすぎてはイカン」とブレーキをかけている事になります。

そうなると一連の厚生労働省のアメ対策の主目的は、療養病床の主たる転換先を「有料老人ホームや、高齢者専用の賃貸住宅経営」にしたいと考えるのが妥当かと考えます。なおかつ「利潤追求」を公式に認めるということですから、この「有料老人ホームや、高齢者専用の賃貸住宅経営」がどんな性質のものになるかは容易に想像がつきます。

療養病床を追い出された患者は、運が良ければ老健や特養に入れますが、それ以外の患者は金があれば「有料老人ホームや、高齢者専用の賃貸住宅経営」に入居し、金が無ければ在宅療法に向かわざるを得ません。介護地獄を避けられるのは金次第という事になります。じつに美しい国の福祉政策です。

そうそう在宅支援診療所ですが、私も医師ですから概要は知っています。あの内容の負担にどこまで開業医が耐えられるかは正直疑問です。何か象徴的な事件があれば雪崩を打って逃げ去ってもなんの不思議もありません。

今日は4月を待つ小さな話題でした。

Med_LawMed_Law 2007/03/28 10:54
恐ろしい近未来は,介護施設なのに少し症状があると超高齢者も急性期病院へ押しかける可能性が非常に高いということ.
老人施設であろうと,家族は医療機関の延長と考えて過剰な期待を実現するよう要求し,過剰な期待に見合う費用は拒否.で費用に見合わない過剰な期待をやり過す責任分散のため末期まで急性期病院を便利屋として使い,医療資源は枯渇するという図式

有料老人ホームに入れない人にとって,病院ほど居心地の良いものはありません
医療費はタダに近いです

老人にムチを与えず,医療というアメだけ配り続けて,今更,病院にムチをくれて老人対策を代理でやらせるなどというのは,無策の極地ですな

YosyanYosyan 2007/03/28 11:32 Med_Law様

たしか急性期病棟も現在の90万床から半減するプランを検討中だったはずです。おそらく療養病床削減計画が済めば次に取り掛かる予定かと思います。誰が考えても「足りなくなる」と直感的に感じますが、審議会なり検討会は巧妙な統計データを基に着々と決められた結論への報告書を作成中です。

「どうなるんだ」との疑問には「在宅と介護保険でOK」しか判で押したような返答しかありませんから、「在宅と介護保険」が十分に機能しなくなる可能性は、厚生労働省の思考の中には一片たりとも建前上は無いと言う事です。

ツケは・・・すべて医療現場に丸投げという事で阿鼻叫喚が目に見えるようです。

rijinrijin 2007/03/28 11:39
 日本の将来人口推計 表1-3-7 出生,死亡および自然増加の実数ならびに率:低位推計
http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Mokuji/1_Japan/J_Detail_14.asp?fname=1_3tei/1-3-7.htm&title1=%82P%81%7C%82R%81D%90%84%8Cv%8C%8B%89%CA%95¥%81%7C%92%E1%88%CA%90%84%8Cv&title2=%95¥%82P%81%7C%82R%81%7C%82V%81D%8Fo%90%B6,%8E%80%96S%82%A8%82%E6%82%D1%8E%A9%91R%91%9D%89%C1%82%CC%8E%C0%90%94%82%C8%82%E7%82%D1%82%C9%97%A6%81F%92%E1%88%CA%90%84%8Cv

 向こう30年で、年間死亡は50%増になります。170万人の半分が自宅で死んでくれたとしても、残りの85万人は平均3ヵ月を病院で過ごしてから死んでいくことになり、20万床以上が必要です。これが6割削減の根拠ですが、在宅から行ったり来たりする人の数は入っていません。また、今現在、療養病床にいる患者さんが有料老人ホームに入れる人ばかりでもありません。

motomoto 2007/03/28 11:51
全国で、医療法人の内部留保っていうのは、総額いくらくらいになるんでしょうね・・
うちの近くにも、先代からの大きな入院設備のある病院を、そのまま空きビルのままにしているところがあります。新規に病院建て直すには、投資メリットないし、かといって医療法人資産、転用もままならない。
そういうところにとっては、高齢者用賃貸住宅なんて、渡りに船じゃないかな。
厚労省としても、新規に病院改築なんてされると、ベッド数削減政策に結びつかない。医師会の反発も少ないでしょう。ていうか、大歓迎でしょう。
建築系の医療コンサルタントにとっては特需です。いまごろ、全社あげておおわらわで、医療法人向けの賃貸住宅建て買えプランのパンフレット草稿書き始めてるんじゃないだろうか。
銀行の融資にもつながる。内需掘り起こし。
医療法人の公益性をかんがみて、配当禁止、ってなっていたのが、公益性の建前が少し崩れることになるけど、そこはいいのかな?

BugsyBugsy 2007/03/28 12:16
私にとっては大きな問題です。個人的には。
近隣の特養施設から ちょっとした尻餅や眩暈でお年寄りが救急車でいらっしゃる。結局家族の強い希望があるからです。家族は電話一本で指示するだけです。
Med Law様のおっしゃるとおりで、ささいな出来事はすべて施設のスタッフの責任、トイレで転んでも車椅子から滑り落ちてもスタッフが病院まで付き添うのが当然と思っている。なまじ施設に看護婦さんがいるので高度医療を受けて当然と思うんでしょうな。入所中に肺炎起こしたりノロウィルスに罹患することも あって当たり前とは医師の立場としては思います。それも全部施設が悪いそうです。死亡確認のため息を引き取られた後 救急車で来られる事もよくあります。 なんだか急性期病棟の待機施設と御考えの家族多いです。

実は都内では介護スタッフ とりわけ介護福祉士が足りなくて悲鳴があがってます。入職しても2年以内に辞めてしまいます。仕事がハードで家族の注文も大すぎです。勤務医と同じ事が怒ってます。彼等は専属の召し使いでもないのですが、私自身見かねて 家族に強く注意することもあります。
心も折れるでしょう。逃散もよく耳にします。
就職が氷河期といわれた時期にせめてもの資格というわけで 介護福祉士は人気があったのですが 昨今就職戦線も回復傾向にあり、介護の現場は過酷ということがそろそろ知れ渡っていますね。
老人介護も短期間に崩壊せざるを得ないと思います。

ex_inakaDrex_inakaDr 2007/03/28 12:40
一方、go.jpドメインでこんな文章も公開されていますね。

海外勤務健康管理センター
海外の医療
http://www.johac.rofuku.go.jp/med-service/index.html

2.病院: 病院は患者のわがままを許さない
http://www.johac.rofuku.go.jp/med-service/hospital.html

YosyanYosyan 2007/03/28 12:45 rijin様

 >今現在、療養病床にいる患者さんが有料老人ホームに入れる人ばかりでもありません。

前政権から引き続いての政策のキャッチコピーは「頑張った人の報われる社会」です。ここで「頑張った」とは努力したと同義語ではなく、成功した勝ち組人間の事のみを指します。つまり「頑張っても成功しなかった人には報われない社会」という事です。

老後も同じじゃないでしょうか、頑張って成功した勝ち組人間は高額の有料老人ホームで優雅に過ごせるのが「報われる」であり、成功しなかった人間は「報われない」辛苦の多い在宅医療を最低限のセーフティネットとして提供しますと考えれば理解しやすいです。

ここで現政権の新たなキャッチフレーズである「再チャレンジ」は高齢者には適用し難いですからね。

rijinrijin 2007/03/28 14:29 Yosyan 先生、こんにちは。

> 成功しなかった人間は「報われない」辛苦の多い在宅医療を最低限のセーフティネットとして提供しますと考えれば理解しやすいです。

 在宅もタダではできませんから、在宅に持ち込めるかどうかの問題もありますね。年金がないか、あっても暮らせるような金額ではない高齢者も今後は増えてきます。

 負荷が医療から福祉に移るだけのことです。

 福祉的医療から手が引けるというのであれば、あながち悪いことでもないのですが、実際にはむしろ医療(病院・診療所)と介護(介護保険事業者)と福祉(役所)が密に連携することが必要ですから、容易なことではありません。

YosyanYosyan 2007/03/28 15:12 rijin様

そうなると

 ・勝 ち 組・・・高給優良老人ホーム & 混合診療
 ・負け組上位・・・在宅医療 & 公的保険診療
 ・負け組下位・・・野垂れ死

てな構図でしょうか。野垂れ死にはひどいですから、窮民医療みたいな制度がセーフティ・ネットとして創設されると考えた方が現実的ですね。ただそこまでいくと生活保護の方が優位になりますから、制度設計としてどんなものでしょうか。

医療、介護、福祉の連携といってもつまるところは予算ですから、志と掛け声だけで何とかなるのか心配です。一つだけ言えるのは、介護保険に企業負担はありませんから、膨らんでいくのは介護部分であることだけは予測できそうです。

BugsyBugsy 2007/03/28 15:40 もうひとつ問題になるのは 介護保健の保険者たる地方自治体の財源でしょうね。人口の少なく高齢化(定年退職者の比率が多い もしくは老齢化した農村など)地方では介護保険の自己負担分を増やさざるをえず、不公平感は高まるでしょう。もちろんそういった過疎地域の場合、公的病院も医師がいなくなるか 経営困難で縮小しつつあります。訪問介護を担うスタッフも充当困難な地域が増えました。

通行人通行人 2007/03/28 16:51 3月2日のエントリ「神奈川帝王切開賠償訴訟」で取り上げられた判決が公開されました。

事件番号:平成17(ワ)3468
事件名:損害賠償請求事件
裁判年月日:平成19年02月28日
裁判所名・部:横浜地方裁判所 第5民事部
事案の概要:本件は、原告Bと原告Cの長男である原告Aが被告の設置運営するY病院で仮死状態で出生して身体障害程度等級1級に相当する痙性四肢麻痺等を負ったことにつき、原告Cの分娩を監視していた被告病院医師に、(神9年2月24日午後8時35分又は午後9時に帝王切開術を実施すべき義務を怠った過失、また、同日午後8時35分又は午後9時の段階で帝王切開術の準備をすべき注意義務を怠った過失、F影午後9時40分に帝王切開術の決定後30分以内に帝王切開術を実施して原告Aを娩出させる義務を怠った過失があるとし、被告に対し、診療契約上の債務不履行(民法415条)又は不法行為(民法715条)による損害賠償請求権に基づいて、原告Aが上記後遺症による損害、原告B及び原告Cが慰謝料の各支払を請求している事案である。
判示事項の要旨:被告病院で出生した原告Aに重い後遺障害が残ったのは、被告病院医師に,茲蠢甦に帝王切開を行う決定をしなかったこと、遅発一過性徐脈の出現時に直ちに帝王切開の準備に着手しなかったこと、D覯切開の決定後早期に胎児を娩出させなかったことに過失があったためであるとして、原告A及びその両親が損害賠償請求をした事案につき、適切な時期に帝王切開の準備に着手すべき義務及び帝王切開の決定後早期に胎児を娩出させるべき義務を怠ったとして、被告病院医師に過失を認め、原告らの損害賠償請求の一部を認めた事例。
ttp://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070328104657.pdf

ついでに、医療側勝訴事例ですが、書き込みを忘れていたような…

事件番号:平成16(ワ)11923
事件名:損害賠償請求
裁判年月日:平成19年03月09日
裁判所名・部:東京地方裁判所 民事第34部
結果:棄却
判示事項の要旨:左下腿の痺れ等を訴えて受診した患者が、その後症状の進行に伴い、胸髄腫瘍摘出手術を受けた後、右半身の神経症状を訴えるに至った場合において、同腫瘍の発見が遅滞した過失や、術前における説明義務違反、手技上の過失がいずれも認められないとして、請求を棄却した事例
ttp://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070320115546.pdf

YosyanYosyan 2007/03/28 18:30 通行人様

なんとか判決文を読み終えましたので、神奈川帝王切開賠償訴訟は明日書きます。

通行人通行人 2007/03/28 19:03 裁判例を追加します。

事件番号:平成15(あ)1033
事件名:業務上過失傷害被告事件
裁判年月日:平成19年03月26日
法廷名:最高裁判所第二小法廷
裁判種別:決定
結果:棄却
原審裁判所名:東京高等裁判所
原審事件番号:平成14(う)345
原審裁判年月日:平成15年03月25日
裁判要旨:患者を取り違えて手術をした医療事故に係る業務上過失傷害の事案において、麻酔科医師につき、麻酔導入前に患者の同一性確認の十分な手立てを採らず、麻酔導入後患者の同一性に関する疑いが生じた際に確実な確認措置を採らなかった点で過失があるとされた事例
ttp://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070328160458.pdf

「これを被告人についてみると、)秧貽各前にあっては、患者への問い掛けや容ぼう等の外見的特徴の確認等、患者の状況に応じた適切な方法で、その同一性を確認する注意義務があるものというべきであるところ、上記の問い掛けに際し、患者の姓だけを呼び、更には姓にあいさつ等を加えて呼ぶなどの方法については、患者が手術を前に極度の不安や緊張状態に陥り、あるいは病状や前投薬の影響等により意識が清明でないため、異なった姓で呼び掛けられたことに気付かず、あるいは言い間違いと考えて言及しないなどの可能性があるから、上記の呼び掛け方法が同病院における従前からの慣行であったとしても、患者の同一性の確認の手立てとして不十分であったというほかなく、患者の容ぼうその他の外見的特徴などをも併せて確認をしなかった点において、更に麻酔導入後にあっては、外見的特徴や経食道心エコー検査の所見等から患者の同一性について疑いを持つに至ったところ、他の関係者に対しても疑問を提起し、一定程度の確認のための措置は採ったものの、確実な確認措置を採らなかった点において、過失があるというべきである。
 この点に関し、他の関係者が被告人の疑問を真しに受け止めず、そのために確実な同一性確認措置が採られなかった事情が認められ、被告人としては取り違え防止のため一応の努力をしたと評価することはできる。しかしながら、患者の同一性という最も基本的な事項に関して相当の根拠をもって疑いが生じた以上、たとえ上記事情があったとしても、なお、被告人において注意義務を尽くしたということはできないといわざるを得ない。」(判決8-9頁)

774氏@感服774氏@感服 2007/03/28 19:41
 急性期病床はあくまで急性期病床です。症状が落ち着けば当然退院です。次の患者さんがたくさん控えているわけですから。しかも高齢者の増加で、入院待ちはどんどん増えますね。団塊世代の人口は凄いなあ。逆に、団塊ジュニアはどうしてこんなに繁殖力が低いんだろう? しゃーないですわな、奥様方強すぎ!。男性はいかに厳つくても、精神的にはとっても繊細なんですよ。家庭内での精神的な女尊男卑はだめですよ。というのは冗談で(もないか)、子供を育てる経済力が無いからというのが大きいですね。子育ては本当は利回り6%という、投資先としては非常にいいのです。

 で、退院させるのに苦労すると。将来は弁護士が「退院した後の症状の悪化がないか保証せよ」というビジネスが流行ると、このブログでも話題になりましたし、医療側弁護士先生からも同様の予測をしていると伺いました。

 答えは超簡単で「入退院の権限は医師にあります。医療は準委任契約なので、退院後の病状保証は法の範囲外です。悪化や再発したら外来へお越し下さい。ただしいくら救急で来られても入院は順番待ちです。どうしても入院を続けたいのでしたら、1日5万円の個室の差額ベッドがあり、自費診療になりますが、どうですか?」で返して下さい、それを頭に叩き込んで下さい、それで無理なら病院の顧問弁護士に相談して下さいと指示をもらっています。弁護士先生によって考えは変わるのでしょうし異論はあるでしょうが、私としては専門家の指示ですのでその通りにする予定です。

 北播最終戦争(ハルマゲドン)は、我が後輩のT先生=某病院某科長 様の作戦勝ちでよかった。ここには書かなかったけど、もっちゃんを撮影してyoutubeに投稿すると聞いた時は唖然としましたが、麻酔科の下の先生の希望だったのか。まあ、よくやった。北播はこれから病院ごとの機能分化と「ネットワーク(笑)」で、何とか乗り切れるでしょうし、それ以外にありえません。この前T先生に、交通事故後の顔面外傷の処置をお願いしたら、「僕は手術は嫌いだし苦手なんですよ」と言いながら、ニセ形成外科の私とは別次元の綺麗な処置で戻ってきました。傷を綺麗にするために、わざと傷を大きくするなんて度胸は私にはありません。教科書的には知っているんですけどね。さすがは皮膚科医。

座位座位 2007/03/28 23:54  ”私に一本電話を入れてくれ!” すごい平和な都知事選挙となっています。
政府転覆を公言する都知事候補 外山候補 インパクトありすぎです。
http://www.youtube.com/watch?v=ccwpbsJsWvM 
やっぱり、我々にも神が必要。早く、降臨してくれ。

motomoto 2007/03/29 00:46 >座位様
このひと、ブログ書いてるみたいですね。。
ttp://www.warewaredan.com/blog/
一応、ちゃんとした日本語書けるみたい。
動画といえば、一時consumptionjunctionにはまってました。
そのころのコレクション。↓「フィラリア症」
http://www.consumptionjunction.com/content/detail.asp?ID=1455&type=1&page=1
これはちょっと痛そう。「割礼」
http://www.consumptionjunction.com/content/detail.asp?ID=659&type=1&page=1
「水中出産」よくやるよなー。
http://www.consumptionjunction.com/content/detail.asp?ID=5111&type=1&page=1

暇人28号暇人28号 2007/03/29 06:03
加西病院のホームページを見てきましたが、医師数がとても少ないですね。ここって元々この人数でやっていた...... わけないですよね。

774屍774屍 2007/03/29 07:20 暇人28号 様

 それが僻地公立病院、とにかくどの病院も事務の仕事が遅いんです。医師とは時の流れの速さが違うんですよ。でも病院を仕切っているのは彼ら事務。たまにいる出切る事務は、確実に民間に引き抜かれます。加西は医師・研修医は30-40人はいたと思う。今、職員採用問題でゆれているようですが、のぢぎく県ではキャリア組みと上級専門職を除いて、コネ・縁故がないと公務員になれないのは一般常識です。学力と事務処理能力が必ずしも比例するとまでは言いませんが・・・

座位座位 2007/04/09 16:37
医療の未来予想図
 療養型病床の削減(35万床→15万床)の次にくる物は、急性期病床の再編と言われている。関係者の予測では、恐らく半分程度まで削減するだろうとのことである。現在9000近くある病院を3000まで減らす病院大淘汰時代(週間ダイアモンド20070407)を迎えている。 療養型病床の再編に伴い、家庭での老人介護負担により、大幅な世帯収入の減少が予想されると共に、家庭に戻れない高齢者は、大量の「医療難民」「介護難民」として棄民されることになる。一方で、療養型病床を老健施設等へ転換させる資金力を持ち合わせない医療施設では、厚労省の梯子外しによって廃業や最悪の場合倒産の憂き目にあうことになる。(厚労省のアンケートでは老健施設への転換予定病床は8.5%とのこと ) では、急性期病床(一般病床)の削減によってもたらされるものは何か?この未来予想図は全く以て、想像が付かない。ただ、上記の療養型病床再編によってもたらされる社会的混乱以上の混乱と不幸が待っていることだけは予想が付く。
病院再生ビジネスの胡散
 さて、昨今は、病院再生ビジネスというものが、取りざたされている。厚労省官僚や医学会医療界エリートの天下り団体である『日本医療機能評価機構』もその一つではあるけど、それは、ある意味まだかわいい物でコンサルティング詐欺の一形態でしかない。もっと大がかりのものがある。 医療法の改定によって、社会医療法人なるものが認められ(医政発第0330049号 平成19年3月30日「医療法人制度について」 )、僻地医療や救急医療を行うなど一定の要件があれば、社会医療法人として認められ、収益事業を行えるほか、有価証券である社会医療法人債を発行することが出来る。公益法人として、一定の縛りがあるため、投機対象としてみられないようであるが、はげたかファンドからすれば、そこには抜け穴がある。自治体病院の多くが財政赤字を背負っている(日本政策投資銀行地域政策研究センター客員研究員レポート、「自治体病院の民営化に関する一考察」 http://www.dbj.go.jp/japanese/download/pdf/local/vol_20_all.pdf )といわれるが、そもそも政策医療としてあるわけだから、赤字は当然である。この自治体病院により食われるところの福祉費用(国、地方公共団体からの負担金、補助金)は、年間6千億円であるとされる。自治体病院の公的負担を減らすために登場したのが、改正医療法で誕生した社会医療法人であろう。
 財政赤字は自治体病院だけではない、2006年の調査では、民間病院の50%自治体病院以外の公的病院の60%が、赤字病院となっている。銀行の不良債権処理に一役買った、企業再生ファンドのノウハウをもって、医療崩壊の混乱のさなかにある、これらの経営不振病院を新たにターゲットとする『病院再生ファンド』なるものがある。その本質は、もちろん買収合併M&Aといった売り抜けビジネスである。試しに『病院再生ビジネス』でググッて見ると、一目瞭然である。○○アセットだの○○キャピタルだのが競って投資家対象のセミナーを開いている。 
 曰く、『医療・介護の分野で公的保険だけでも35兆円のビジネスになっている。2025年には市場規模が保険だけでも70兆円に達するだろうと予測されている。市場がこれだけ急拡大するのに、病院経営は約8割が赤字の現状で、保険財政も悪化し、来年度の医療制度改革で、更に病院の収益環境は悪化すると見られている。ー略ー こうした病院・介護施設に再生ファンドの資金が投じられつつある。しかし、事業会社と違い、利益配当やIPOでファンドの資金回収は不可能である。ファンドの資金回収の大半はリファイナンスによることになる。金融機関の保有する病院の債権を安く買い取り、最新医療機器の購入や改築の為の資金投下を行い競争力を回復させ、新たな融資を取り付けることで回収していく。 当然、現経営者の個人資産は残らないケースが多くなるが、一方で医師として一定期間就労することで、その後の人生設計を再構築することは可能である。』
 勿論、このように公表する内容では、まだ紳士的である。紳士的でない内容は、セミナーで有料で聞かないと教えて頂けない。
 はげたかファンドは、イナゴの大群のように全国の医療施設を襲うであろう。日本の重要な社会資本である、地域の多くの大中小の病院がターゲットにされ、マネーゲームを繰り広げ、自らの利益を回収した後は、ゴミのように捨てられる。
 そこで捨てられるのは、ハコモノだけではない、多くの病院職員と関連業者が捨てられる。、そして何より、重要なインフラが破壊され、多くの患者達の不幸が残るのである。

774氏@思わず774氏@思わず 2007/04/09 23:20
 さすがは座位様! 思わず出てきました。以前、私が銀行と話していた内容とほとんど同じです。断片的に表に出てきましたが、それをついにまとめ上げられた座位様はやはり凄いです。ちなみに「もっとえげつない話」も聞きましたが、当時は絶対内緒という条件で。今は有料で聞けるんですね。

 けど、厚労省はなるべく民族資本による病院買収を願っています。管理しやすいですからね。日銀の金融政策をにらんでの実施となります。

 しかし、金融機関の不良債権処理で明らかになったように、不良債権を安く買い取る→権利関係を整理する→人間関係を整理する→価値を大幅に上げる→高値で売る という能力が日本の金融機関になかったのです。それを海外ファンドがやったわけですが、ハゲタカという表現は実は正しくなく、日本側にその能力がないことに起因する妬み・僻みの表現です。今も続いていますね。ライブドアや村上ファンドなどへのマスゴミの攻撃が。そういえば、いつの間にか毎日新聞が医療側に寝返りましたね。「埋伏の毒」かもしれませんが

 ではまた、時々訪問します(新人教育で大変で)。ときどき、巨大掲示板の「ああ播磨だな」ものぞいてみて下さい。播磨の悲惨な状況がどんどん表に出てきていますよ(泣)。買い取る方に移ろうかなー

座位座位 2007/04/10 06:54 M&Aの積極面(整理)というのは、確かにあると思います。そしてその能力差も
>新人教育
了解しました。いずれまた戻ってきて下さい。みんな楽しみにしてますので、きっとですよ。ではまた

774氏@驚愕774氏@驚愕 2007/04/10 13:57 座位様

 4月の第一次コロニー落としで、播磨の国は医師数20-30%減、新人看護師30-40%減という被害が生じ、北ほど被害は大きく(いわゆる北播)、また「病院のベッド数というのは、届出数や物理的なベッド数ではなく、看護師数と届け出た看護基準で決まるものであり、3ヶ月平均でそれを超えて入院をとる事は、違法である」と保険所からの通達もあり、いくつかの病院では入院制限をせざるをえず、せっかく空床があっても「使用不可命令」があるため、物置と化しています。看護協会の力はいつの間にか病院のベッド数まで決めるほど絶大なものになりました。おかげで播磨の救急医療はあっという間に崩壊しました。

 なお統一地方選挙の影響もあり、6−7月には第2次コロニー落しが行なわれる公算が極めて高くなり、今度の攻撃は4月の比ではなく、のぢぎく県全域に被害が及びます。医療崩壊はある程度覚悟していましたが、こんなすぐに影響が出るとは思いませんでした。今は僻地部だけですが、早くも西部大都市ベルト地帯(姫路〜加古川〜明石・西神戸)も限界を超えてきているようで、もし第二次攻撃が起これば被害は・・・

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