新小児科医のつぶやき

2007-08-20 素晴らしきかなアメリカ医療

8/18付Asahi.comより、

スノー報道官、任期中に辞任の意向 経済的な理由から

 スノー米大統領報道官(52)が17日、ブッシュ大統領の任期が切れる09年1月を待たずに辞任する意向を示した。複数の米メディアが伝えた。ホワイトハウスでは側近中の側近とされたカール・ローブ次席大統領補佐官が8月末の辞任を発表したばかり。

 スノー氏は3月にがんが再発、今も化学治療を受けており、健康問題の影響と見られる。治療の費用もかさんでいるのか、15日には保守系のラジオ番組で、「主に経済的な理由から、私が(大統領任期の)最後まで働くことはない。お金が尽きたら辞任しなければならない」と話していた。

 大統領報道官の年間給与は約16万8000ドル(約2000万円)あるが、スノー氏はもともと保守系のコラムニスト、コメンテーターとして活躍していたため、収入ダウンの憂き目にあっていた。

 スノー氏は「できるだけ長く続ける」と話したが、9月に辞任するとの見方も。6月にはバートレット大統領上級顧問(当時)も辞任しており、大統領の側近たちが、クシの歯が欠けるように政権を去っている。

記事の本当の趣旨はレイムダック状態のブッシュ政権の末期状態を伝えているかと思います。私が注目したいのはブッシュ政権ではなくスノー氏の辞任理由です。

    「主に経済的な理由から、私が(大統領任期の)最後まで働くことはない。お金が尽きたら辞任しなければならない」

大統領報道官の年間給与は約16万8000ドル(約2000万円)だそうです。大統領報道官にしては高いか安いかは判断が分かれるところですが、2000万円の年収自体は一般的に安いとはいえません。その2000万円の年収でも、財産が尽き果てそうになる事態にスノー氏は見舞われているようです。その経済的理由とは健康問題であり、健康問題とは、

    がんが再発、今も化学治療を受けており

がん治療にかかる費用が年収2000万円では支払いきれず、それも3月からですから、半年足らずで財産が尽き果ててしまう状態になっているようです。もちろん辞任のための遁辞の可能性も十分にありますが、全くの嘘ではないと思います。つまりそれぐらい治療費がアメリカでは必要であると言うことです。それぐらい必要な傍証はたくさんありますし、アメリカ医療の経験者はコメンターにも沢山おられるので、お願いすれば実話はゾロゾロ出てくるかと思います。

もちろん年収2000万と言ってもどうなっているかはわかりません。分かりませんと言うのは、もっと裏の収入があるという意味ではなく、高官としての交際費が必要で、手許に残る生活費は実質もっと少なくて、報道官就任中に財産をかなり食い潰してしまった状態であるかも知れないと言う事です。つまり大統領報道官をするには給与だけではとても足りない職種で、就任中は持ち出しばかりが増えるじゃないかと言う事です。

そういう事もあるかもしれませんが、少なくともアメリカでは大統領報道官でも癌の化学療法の治療費を払えないことは言えると思います。日本で強いて例えれば官房長官が癌になって、治療費が支払えないから辞任するようなものです。そういう事が起こるとは日本にいればまず想像も出来ない事ですが、アメリカでは辞任理由として普通に口に出して言えることのようです。

素晴らしきかなアメリカ医療です。しかし異国の話と思って安心していられません。この素晴らしいアメリカ医療を日本に直輸入したくて仕方が無い方々が日本にもおられます。いるどころではなくて、経済諮問会議とか言って、時に政府や国会すら凌駕する権力を持って頑張っておられます。そんな医療体制になったら彼らも困らないかですが、彼らは全く困りません。彼らは年収2000万円なんて貧乏臭い収入ではありません、少なくとも月収2000万円以上の世界の人間です。

しかし年収2000万円でも財産を擂り潰す医療体制は困りますね。医師だってそんな治療費に耐えられるのはどれだけいるか不安です。他人は治療できても自分は治療できない世界が、もうすぐやってきそうです。

774氏774氏 2007/08/20 08:42
Yosyan先生、いまや年収300万で生きるのではなく、200万円で生きるのが流行っているんです。ベッド減少政策とWEを導入されたら間違いなく年収400万円が夢の収入になります。それよりも75歳以上の医療制度が劇的に変わるため、田舎のお年寄りが「一揆」を起こしそうなんですが。医師一揆と違って、武装していますよ。耕運機で現場医師や事務が肉骨粉にされるかもしれませんし、草刈り機で介錯されるかもしませんよ。早く責任は政府にあると教えないと。彼らは基本的に政府を信用していませんし(だって、日本史上に残る悲惨な世代ですから)、選挙には必ず行くので、自民党の牙城であった田舎での見事な負けっぷりに象徴されると思われます。

774氏774氏 2007/08/20 08:48 アメリカでは近年、家庭医レジデンシーを選択する医学部卒業生が大幅に減少している。(1997年→2003年で約50%減少)

1995年:定員2,941人--採用2,081人(Filled 71%)〜2005年:定員2,782人--採用1,132人(Filled 41%)

大きな原因は低年収。日本の総合医もアメリカの轍を踏まないように。
整形外科−−−−−−$426,951(約5167万円)
循環器(非侵襲的)−−$381,070(約4611万円)
皮膚科−−−−−−−$358,363(約4336万円)
眼科−−−−−−−−$347,495(約4205万円)
麻酔−−−−−−−−$334,402(約4046万円)
一般外科−−−−−−$307,751(約3724万円)
産婦人科−−−−−−$274,367(約3320万円)
内科−−−−−−−−$179,729(約2175万円)
家庭医(産科あり)−−$178,086(約2155万円)
家庭医(産科なし)−−$170,059(約2058万円)

774氏774氏 2007/08/20 08:54
アメリカはホームドクター制

 つまり保険屋が医者の首根っこをがっちり掴んでいる(そりゃ医者は不満でしょう)。そして行われることは保険屋と患者の間でのパワーゲーム(医者は保険屋の手駒に過ぎない)

保険屋の判断として
1.契約破棄した際の訴訟の可能性を判断する→持ち込まれないと判断したら契約破棄
2.訴訟されると判断→勝てるかどうか判断する→勝てると踏めば契約破棄
3.上記条件で契約破棄できない場合に契約を履行
簡潔に書けばこれだけ。一般用の保険と金持ち用の保険は違う。ホームドクター制だから緊急を要する治療でも保険屋の同意が得られないと治療してくれない。ここが問題の一つで一般用だと数日待たされるなんてザラだ、そして金がかかる治療は医者がしたがらない、加えてヤブ医者ばかり(腕の良い金取れる医者は金持ち用の保険にしかいない)。そこでみんなホームドクターを介さず保険が適用される救急病院に行くことになる(手段が一つしかない)。ここが長蛇の列&また問題山積み。

 アメリカって保険屋は書類不備のため保険請求できないと言い出す。そして医者は請求書とまったく同じ体裁の書類を患者に送ってくる、これには隅や裏に小さな文字で「これは請求書ではありません、保険会社の支払い待ちです」と書いてある。かといって解決は大変で体が不調なのに病院、保険屋に電話しまくってなんとか担当者を掴まえて交渉しないといけない(担当者が掴まりにくい&伝言は伝わらない)。それで何とか解決したかと思っても数週間後に二度目の催促状モドキが来たりする。

 基本的にアメリカの医師も患者の側に立ちたいのですよ。しかし保険が通らなかった場合、病院の持ち出しになるので、医師としての評価が下がります。その結果どんなに「医学的に」優秀な医師でもクビになります。患者と保険会社の間で医師は苦悩しているのですよ。

YosyanYosyan 2007/08/20 08:56 774氏様

75歳以上の後期高齢者医療制度はパンドラの箱を開けることになるかもしれません。おそらく制度が変わり自らが体験するまで動かないでしょうが、「痛み」を感じたらブログで吠えるみたいなチャチな行動ではなく、政権に鉄槌を落とす行動を取ると考えています。

さすがに耕運機の突撃や、草刈り機で乱入する事は無いかもしれませんが、民主主義国家の最大の意思表示手段である「投票」で行動を起すと思います。これまで高齢者層は浮動層ではありませんでしたが、後期高齢者医療制度は浮動層どころか、反政府層に向けさせる可能性が非常に強いと考えます。

現首相は参議院選挙で負けたのは「自分の責任でない年金問題」であり、その他の政策は正しく、支持されていると確信されています。確信していないと続投なんて判断はどこにも出てきません。現首相が支持されていると考えているうちに「医療政策」も入れているのなら、痛みに耐えかねる人々の一揆の直撃を食らうでしょう。

まあ医療一揆が起こっても現首相や政府は理解できないかもしれませんけどね。それぐらい医療政策は政府の中では重要度の低い問題ですしね。

774氏774氏 2007/08/20 08:59
 アメリカでは、老人向けなどに政府が運営する国民健康保険「メディケア」の
保険適用が、今年から処方薬(医師の診断にもとづいて出す薬)にも拡大された。

 その影響で、政府によるメディケアへの赤字補填の支出は急増し、それでもメディケアの赤字拡大は止まらないため、今後10年程度で破綻すると会計検査院
(GAO)などが予測している。

 メディケアの赤字は、最終的には米国民の税金でまかなわれねばならないが、米政府発表の財政赤字(昨年度は2500億ドル)には、その赤字の一部しか計
上されていない。赤字を全部計上すると、財政赤字は2倍近い4500億ドルに
なるのに、米政府は会計制度を悪用して赤字を隠しているとAP通信が報じてる。

 一度拡大した健康保険の適用範囲を再縮小すれば危機を回避できるが、それは
政治家にとって中高年の有権者を激怒させる自殺行為なので、実現の可能性は低
い。メディケアの赤字が今後さらに増えることはほぼ確実だ。将来発生すること
が確実な赤字を全部加算すると、昨年度のアメリカの財政は、政府発表の20倍
の4兆6000億ドルの赤字になる。この赤字額は前年度より1兆1000億ドル多かったと指摘されている。
http://tanakanews.com/g1226dollar.htm

それでも日本の医療費総額を上回る・・・

774氏774氏 2007/08/20 09:08

Yosyan先生

 自民党部会で、「これ以上医療締め付けを行うと、もっとも良質な自民党支持層がいなくなる」という発言がありました。医師や医療従事者もそうですが、常住〜中産階級の上までの知的階級がすべて反自民になってしまう懸念の表明と考えています。おまけにお年よりは自らに降りかかる問題ですから、絶対次の選挙で何らかの行動を起こすと思います。今回の選挙も、マスゴミは年金選挙といっていますが、実際にはお年よりはベッド削減計画による介護問題や、H20年以後の75歳以上撲滅計画をよくご存知のようで、今回の選挙結果に影響したと考えた方がよいと思われます。地方が基盤の政治家もその当たりはよく心得ていたため、あのような発言があったと思います。安部総理の内政音痴は官房長官就任時からよく知られていましたので、次の選挙までに辞任する可能性も考えられます。

774氏774氏 2007/08/20 09:17 アメリカ医療保険の実例

 俺の個人的な医療体験では、いくぶん些細な問題だった。左手のイボだ。かかりつけの皮膚科の医師は、そのイボを液体窒素で切除して、150ドル(約1万7,502円(注意:日本だと自己負担800円以下らしい))請求してきた。保険適用を請求すると、保険会社は支払いを拒否して簡潔に言った。「非必須処置でした。」
 それから1時間半待たされて、手紙を3通書かかされ、ようやく血の通った保険担当者と当該の問題について電話で話し合うという特典にありついた。俺は聞いた。「イボを処分しちゃいけないってのは、お宅のポリシーなのか?」
 保険会社の担当者は、ベッキーと名乗る女性で、丁寧だが頑固だった。なにしろ、会社は彼女が無神経になるように金を払っているのだ。「このような処置は必須ではありません。」彼女はそのように答えた。
「俺の理解したことを確認すると」俺は説明した。
「お宅の主張は、客がイボを抱えたら、イボと共存すべきってことか?」
「そういう意味じゃありません。」
「じゃ、どういう意味だい?」
「その支払い要求は非必須として拒否されたのです。」
「あんたの会社の保険が適用されるイボの切除法ってのは一体存在してるのか?」
 まわりくどい議論の後、彼女はついに折れて、どのようなイボであろうと、切除には患者の費用負担しかないことを白状した。
「イボで死にそうだったと言ったらどうなる?」本当の話だ。大学時代、胸にイボが出来た。それから20時間後、俺は緊急治療室で、好奇心一杯の医者達がボンヤリと超殺人イボを見守る中で輸血を受けた。そのイボは動脈に穴を開けて、ガールフレンドの部屋の壁に血を撒き散らした。幸いにも、そして共和党にとっては不幸なことに、俺は起き上がって助けを呼べたわけだ。
 ようやく彼女に居場所を尋ねることができた。「私はバンガロール(インド)に居ます」と彼女は言った。
「とにかくね、ベッキー、イボが出来ないようにしてみろっての。」

774氏774氏 2007/08/20 09:35 おまけ:日本医療の実態
1.
「諸君、当直医は、院長命に背き夜間救急を放棄した。受け入れ態勢がないから医療は出来んと言って救急搬送を勝手に断りよった。これが病院か。病院は空床がなくても受け入れをしなければならないのだ。検査機器がない、やれ薬剤がない、機材がないなどは救急を放棄する理由にならぬ。MRIがなかったらCTがあるじゃないか。CTがなくなれば、XPでいくんじゃ。XPもなくなったら足で蹴って反応を見い。足もやられたら口で噛みついてJCSを確かめい。当直医には応召義務があるということを忘れちゃいかん。病院は公立である。市長が守って下さる・・・」。以下、訓示は一時間以上も続いたため、当直明け通常勤務後の残業の連続で、立っていることができない医師たちは次々と倒れた。
2.
最近話題の某中部の公立病院
 院長が、「最近の若い医者には過労死するくらいの覚悟でやるやつはおらんのか!」と基地外発言。偶然かもしれんが、同じ兵庫県中部の別の公立病院でも総務部長が「医者は適当に過労で死んでくれる方が好都合」とまたまた基地外発言。そこの県立病院の副院長が医局会で病院の医師が訴訟に巻き込まれても県立病院は一切面倒を見られないし責任持てないっていう発言したことがあって、うちから派遣されていた中堅が激怒して複数退職したことがあってね。それ以来、思いっきり医局での評価が下がってるんだ。
3.
僻地住民とマスゴミの求める医者は
 年中無休72時間以上連続稼動、寝ない食べないミスしない。0歳児から90超の耳の遠い老人まで正確に問診でき、顔色を見ただけで病気・怪我・割り箸がどこに刺さっているかまでを超スピードで判断でき、DQNにも解りやすい言葉で丁寧に30分以上かけて病気・治療法・薬の説明するにもかかわらず、患者の待ち時間は3分以内で回せる時空を捻じ曲げる術を会得し、かつ見習い・半人前期間などはなく免許を貰った直後から既に患者の身体・精神をあらゆる病気・怪我に罹る前の状態に完全に戻すことができ、死人も生き返らせることができるドラクエ教会並みの腕を持つスーパードクター。これをできることならタダでこき使いたいと思っています。
4.
医者になるより刑務所に入った方がいい暮らしができるよ。医者不足ってそりゃあたりまえだろうが、基本的人権も剥奪された医者になるのはもうごめんだ。
        刑務所            産科医
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労働時間  8時間厳守         大体15時間以上
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始業時間  7時50分          6時〜9時
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終業時間  16時30分         21時〜翌日
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通勤手段  徒歩数分           病院泊り込みで0分
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昼食     食う              食えない日がある
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夕食     食う              食えない日がある
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夕食後    テレビや読書など自由       仕事
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残業     全くない           ない日がない
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残業代    残業がないから無い   残業あっても無い場合がある
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休憩     午前午後それぞれ15分    状況しだい
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土日祝    確実に休み          出勤
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年数     刑罰に応じる        2年以上
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5.
某県役人の巨大掲示板への書き込み
>医師不足については、担当の課長補佐が飛び降り自殺した事件も記憶に新しい。伊関のブログはあまりにも無神経であろう。また、伊関は公立病院の民営化を唱えている。伊関の周辺には取り巻きの医師どもが集まり、『記者ノート「病院か、 医療か」丹波新聞社 足立智和記者』のコメント「(公立病院の)職員は分限免職して」に見られるように北海道夕張市で実際に起こった悲劇を全国に広めようとしている。
>みんな協力して伊関のブログに抗議の書き込みをしようではないか。
>またまた、暴言。兵庫県立柏原病院の医師不足問題についても、既存の規則に縛られ、医師招聘のために、本気になって行動していない。
>「招聘」何が、「招聘」だ。医者はそんなにエライのか。 医師も公務員として病院に勤務すれば、一つの駒。「北播」への赴任も当然だ。 県下の公立病院・公的病院を一まとめにして医師募集を行えばどうか。県内に大きな民間病院は数えるほどしかない。まとめて募集をかければ、へき地赴任の条件があっても就職してくる医師はたくさんいるだろう。特に神戸市、西宮市にも協力を求めれば効果的だと思われる。医師におもねるような募集条件を出していびつな好条件を提示すると、近隣の自治体間で競争となり、ひいてはさらに医師の雇用コストが上昇してしまう。
>知事はこういうことが起こらないよう、全国知事会などの機会を利用して連携をとって欲しい。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/20 09:54
Tony Snow氏は、もともと数年来の潰瘍性大腸炎があって、2005年2月に大腸癌が見つかり切除、2007年3月に腹部腫瘍を試験切除したところ転移であることがわかったそうです。
・・・化学療法って何するのかな?そんなにお金かかるものなんでしょうか?
52歳で3人の子供がいるらしい。

YosyanYosyan 2007/08/20 10:04 moto-tclinic様

知識が古いことを先に白状しておいて、大腸癌にさして有効な化学療法は無かったかと思います。もちろん15年以上の前の知識ですから、あれから何か有効な化学療法が確立されたかもしれませんが、その辺はよくわかりません。

エントリー中にも書きましたが、辞任のための遁辞の可能性はあります。しかし遁辞であるなら、わざわざ治療費で破産しそうだまで言う必要は無さそうな気がします。単純に「がん治療のため」でも「がんによる体調不良」でも辞任理由としては十分かと考えます。

何らかの意を含ませている可能性はありますが、莫大な治療費に困っている事実はあるのでしょうし、そういう莫大な治療費を辞任理由に持ち出しても、アメリカ社会なら広い層で「それなら仕方が無い」と納得させる説得力はあると考えています。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/20 10:13
「がん治療のため」や「がんによる体調不良」のためだと、辞任後コメンテーターとして民間で雇ってくれるところが無いからじゃないでしょうか?「経済的に困っているため」なら、よりよい条件のオファーが来るかもしれません。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/20 11:17
大腸癌の化学療法のコストは、新薬の開発とともに高くなっているようですね。
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2005dir/n2617dir/n2617_05.htm
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大腸癌の化学療法の「値段」を,時代順に振り返ってみよう。大腸癌に対する有効性が最初に確立された化学療法は,80年代以降盛んに行われるようになった「5FU=ロイコボリン(5FU/LV)併用療法」である。現在,この治療法には,転移を伴う進行期の患者について,延命期間(中央値)を8か月から12か月に延ばす効果があるとされているが,そのコストは,初めに開発されたメイヨー・クリニックのプロトコールに従った場合,8週で60ドルあまりとなる(註1)。
 96年に「カンプト(イリノテカン)」が認可され,単独あるいは5FU/LVとの併用療法が行われるようになるのだが,カンプトを含む化学療法の8週分のコストは9500ドル程度であり,5FU/LVの約150倍となった。さらに,2002年に「エロキサチン(オキサリプラチン)」が認可されたが,エロキサチン=5FU/LV併用療法のコスト(8週分)は,現在1万2000ドルほどとなっている。
 日本では,いまだにエロキサチンが認可されていないことが,患者が新規抗癌剤の恩恵にあずかれない問題の典型例とされているが,アメリカではすでにエロキサチンの次の世代の抗癌剤が認可され,保険適用も獲得している。04年に,前述のエルビタックスに加え,VEGF(血管内皮増殖因子)に対するモノクローナル抗体「アバスチン」が認可されたのである。これら新世代の抗癌剤を既存薬剤と併用した場合のコスト(8週分)は,アバスチンで2万1000ドル,エルビタックスで3万1000ドルといわれ,メイヨー・クリニックの5FU/LV療法のコストと比べると,実に,500倍まで値段が跳ね上がった勘定である。
 新世代の抗癌剤が患者にとってどれだけ高くつくか,エルビタックスの例で見てみよう。現在,エルビタックスは,既存抗癌剤が無効となった症例でしか保険適用が認められていないのが普通である。転移がある大腸癌患者に,一次的治療としてカンプト=5FU/LV療法を施行し,これが無効となった後にカンプト=エルビタックス併用療法を施行した場合,それぞれの治療の増悪までの期間(中央値)は8か月および4か月ほどとされているので,「薬が効かなくなるまで」治療を続けると,その全コストは10万ドルほどとなる。
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moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/20 12:09
アメリカの国民の大多数は、HMOに不満を持っているから、テレビ受けが命のコメンターとしては「受け狙い」ってのもあるかもしれないですね。
Snow氏個人も、増大する支払いとHMOとの交渉に嫌気がさしていて憂さ晴らし、ってのもあっての発言じゃないかしらん。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/20 12:21
しかし、上述の化学療法うけて、期待される延命が4+8=12ヶ月で10万ドル。
だいたい、1ヵ月の命を100万円で買うわけですね・・
っていうか、100万円で一ヶ月の命を売ってくださるのだから、ありがたや、というべきか・・

BugsyBugsy 2007/08/20 12:29
何回か米国に研究留学をしました。
一回目はポスドクで年棒2万5千ドルからスタートでしたので 当初は月棒2000ドルくらいでした。部屋代が月1200ドルで残りが生活費となります。
大学から車で30分あたりの郊外でしたから結構ゆったりとしていました。
ガソリンが一昨年で1ガロン1ドル30セントだったかな。スーパーでの買出しも一回40ドルも超えません。レストランで食事をしても食べ切れません。山のような分量を女房とわけていました。一番高いのは日本食です。値段が日本国内と大差ないですもん。アメリカ人が一人当たり100ドルを越すメニューを注文しますかって。衣食住に関する生活費は東京で暮らすのと比べればべらぼうに安かったです。親子4人で月額850ドルの健康保険料の支払いは留学先の大学でカバーしてくれてました。自分の年棒から払えといわれたら生活できませんよ。自費留学なんて無謀です。家族がちょっとでも健康を損ねたら 帰りの飛行機代がなくなります(汗)。
健康でいさえすればアメリカの郊外での生活は快適です。健康でいさえすればですけどね。
ただこの健康保険はdentistはカバーしてないので 女房の虫歯が一回2400ドル取られたし、子供のアトピーで何回か小児科にかかっても 最後まで医者は出てこなかったなあ。プラクティショナーというナースが色々面倒をみてもらいました。
ただ救急車に乗っても健康保険のランクによっては診療をいとも簡単に拒絶する病院というのはオイラの留学先の病院もつとに有名でした。
アメリカの給料って正規分布してないから 平均値を論じても意味がないのでしょうが、よく聞かされたのが、大学を出て会社に就職し、年棒5万ドルになってようやく一人前の夫とみなされるということです。ただ最近は中産階級というクラスが崩壊し、二分化してきたそうです。
スノー米大統領報道官の年間給与は約16万8000ドルとあるのは 米国でも高給取りであるのは間違いないでしょう。これだったら都市にもよりますが、ボストンやニューヨークに車で小一時間で通勤できる場所に日本人の医者もうらやむような良い一軒家がローンで買えますよ。旦那の給料が6万ドルを超えたので そろそろ家を買わなくちゃとも 隣のラボの女性も言ってましたもんね。

ただ米国の場合、政府の閣僚級やスタッフはいくつかの社外重役を兼任していた連中が多いので貯蓄やストックオプションもふんだんにあるはずなので 今回の報道には目を丸くしています。

アメリカの企業にしてみりゃ 従業員の給与とは別個に馬鹿高い健康保険を企業側が支払うので製造コストに響くから、外国の企業と競争するのに不公平なんて言いやがるわけなんでしょう。一方日本の企業は従業員の社会保険を払うのは製造コストを上げるので嫌でしょうがないといったところなんでしょうね。

それと今回の場合、保険会社は大統領補佐官殿の治療費をカバーしてくれないんですかね。まずは高額の健康保険料を政府が支払っているとみるのが妥当だと思われてますが、いい根性してるよなあ。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/20 14:18
アメリカでのニュースソースと、それに対する一般市民のコメントがこちらで読めます。
http://www.knoxviews.com/node/5419
同情する一方で「政策を立てる政府の側の人間がこんなことになってしまったのは皮肉だ」という意見が多いみたいです。
Snow氏が、どんなHMOに入ってて、政府がどれだけカバーしてくれていたのか、みたいな数字探してるんですが見つからないですね〜。
潰瘍性大腸炎で癌化してるわけだから、52歳、かなり前からUCはあったはずで、するとリスク患者だから、HMOも加入を拒否するか、保険料自体がかなり高額であっただろうとは考えられますが。

YosyanYosyan 2007/08/20 15:11 moto-tclinic様

そう言えば、大統領選挙の予備選挙の真っ最中ですから、それに対する政治的思惑が入っているのかもしれません。でも、あんまり詳しくはないのですが、医療費の事を問題にしても、共和党がさして有利になるとも思えないんですけどね。むしろ民主党のヒラリー氏のほうがポイントを稼げそうな気もするんですが、よ〜わかりません。

7年目内科医7年目内科医 2007/08/20 16:48 オキサリプラチンは2年前に認可されました。アバスチンは今年の5月に認可を受けています。
現在の大腸癌の化学療法の1st lineは、オキサリプラチン/5-FU/LVが多いと思います。今後はこれにアバスチンを加える方法が標準になるのではないかと思われます。
これをとにかく効かなくなるまでやり、効かなくなった時点でカンプト/5-FU/LVに切り替えることが多いです。ただし、この順番が逆になっても平均生存期間にはっきりと有意差は出ていません。これを約48時間で行うわけですが、PSや自宅環境の問題で外来ではできないの人の場合は2泊3日の入院で行います。ちなみに2泊3日ではDPCでは完全に赤字となっています。
またアバスチンの保険のコストはなぜか、海外の標準価格と比べて25%ほど安く設定されたらしく、保険点数が発表された日に日本での発売元である中外製薬の株が下がったという噂です。

いずれにせよ、高額医療費返還がありますから1か月に払うコストはせいぜい10万円足らずですので、抗がん剤のコストが高くて諦める人はまず今の日本人にはいないと言っても差し支えありません。

どうやらヒラリーは保険会社に多額の寄付金をもらうようになって、以前とは主張が変わったらしいですね。

とおりがかりとおりがかり 2007/08/20 17:32 主治医が見つかる診療所 で
今日は小児科の特集らしいです。 楽しみです。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/20 17:45
ラジオの原文見つけました。
http://www.dailykos.com/story/2007/8/16/134714/271
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HEWITT: Are there any other resignations upcoming, Tony Snow?
SNOW: I think that probably...as Josh said the other day, he thinks there are probably a couple coming up in the next month or so. [...]
HEWITT: Your intention to go the distance, Tony Snow?
SNOW: No, I’m not going to be...I’ve already made it clear I’m not going to be able to go the distance, but that’s primarily for financial reasons. I’ve told people when my money runs out, then I’ve got to go.
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わたしは、英語得意じゃないんですが、これだとどうですかね?お金が続いて治療できるうちは、仕事できるが、お金が無くなったら、I’ve got to go. =死ぬしかない、みたいな意味をかけてるようには取れないですかね?

YosyanYosyan 2007/08/20 17:49 5FU/LV療法と言うのが80年代からあったのですね。大腸癌の知見はこれも白状してしまうと父がそうだったので、その時のものだけなんですが、記憶の中に化学療法をやったものがないのです。辛うじてあるのはビシバニール(だったかな?)を静注してくれと言われて、学生だった私は手が震えながら生まれて初めての医療行為を行なった覚えがあるぐらいです。

もっとも入院中に化学療法をしていたのかもしれませんが、何にも聞いていないので、胃癌のように有効な化学療法はないものだと思い込んでいました。いや!胃癌も出てきているのかな?迂闊な事は書けませんね。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/20 17:50 >主治医が見つかる診療所
http://www.tv-tokyo.co.jp/shujii/
の写真は、五の橋キッズクリニックの水沢慵一先生だと思うんですが、かなりのメタボ体型ですね〜。
一日100人外来診療とのことですが、もう少し予約数減らして、空いた時間でジムにでも通ったほうがいいんじゃないかなあ。

7年目内科医7年目内科医 2007/08/20 18:04 大腸癌の化学療法はかなり進んできてます。1st lineのMSTが13〜4か月、2ndも組み合わせると実感では大体2年近くいけるイメージです。うまくいくと原発も転移も切除できるようになることもあります。
尤もそこまで化学療法を長期間できるようになったのは、G-CSF製剤や制吐剤の開発がかなり大きいと思いますが。
胃癌はまだ標準が確立されていませんが、日本発のTS-1/CDDP療法が標準となるかもしれません。ただしTS-1はなぜか外人が服用すると下痢がかなり強くでるようで、米国でも治験中です。胃癌に関しては選択肢はかなりあるので、若い人で4th lineくらいまでいければかなり生存期間が延びます。
胃癌の標準レジメンがなかなか確立されないのは、やはり欧米人に少ないのでなかなか治験が進まないのが大きいのではないかと思われます。

分子標的薬などの開発は本当に日進月歩なので、国がまだまだ削減するのであればそのうち頭打ちでしょうね。やればやるほど赤字になるのは、こちらもやっていて虚しいですから。

774氏774氏 2007/08/20 19:24
 メタボは運動や食事療法よりも、アメリカのサブプライム問題、東証、為替相場(すべて連動しています)で、一気に解決に向かいつつあります。空売りしたのに急反発なんて(大泣)。まだ練習段階ですので被害はないのですが、この技術では投機筋には勝てない! 赤字病院大量買収計画は止め。今の力量じゃ外資遊星爆弾に勝てない。デイトレで細々と暮らそう・・・という事で、皆保険と高額医療費補助は堅持してくださいね、厚労省様。

774氏774氏 2007/08/20 19:40
アメリカ医療といえばこれが決定版ですな。患者残酷物語(米国版)。涙なしには読めません。
http://www.asahi-net.or.jp/~rp8i-fkm/managedcare.html

774氏774氏 2007/08/20 19:52 リハビリに成果主義だって。そのうち全医療行為が成果主義になって、治る見込みがない、現状維持が精一杯の患者は放置されるな。だんだんアメに近づいてきた orz
診療報酬、リハビリに「成果方式」導入へ 改善度を初加算
http://www.sankei.co.jp/kyouiku/fukushi/070819/fks070819000.htm

774氏774氏 2007/08/20 19:53 リハビリに成果主義だって。そのうち全医療行為が成果主義になって、治る見込みがない、現状維持が精一杯の患者は放置されるな。だんだんアメに近づいてきた orz
診療報酬、リハビリに「成果方式」導入へ 改善度を初加算
http://www.sankei.co.jp/kyouiku/fukushi/070819/fks070819000.htm

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/20 19:54
アバスチン調べていて、保険適応の使い方でない場合(たとえば抗癌剤と併用しない)は、自費で月50万円くらいかかるらしいですね。それでも、単独投与のメリットもあるようで、代替療法の一環として、自由診療でやってるクリニックもあるのでしょうか。癌患者の延命ビジネスっていうか自由診療は、混合診療の認められていない日本ならではの、あだ花みたいなものなのでしょうか?

延命のために、お金をかけてもいい、という進行癌患者(お金持ちとは限らない)相手になら、いいビジネスできそうだな・・なんて思ってしまいます。
http://umezawa.blog44.fc2.com/blog-entry-305.html
http://umezawa.blog44.fc2.com/blog-entry-477.html

7年目内科医7年目内科医 2007/08/20 20:03 >moto-tclinic 様
実際認可されていない薬を輸入してやってる自由診療のクリニックはありますが、正直かなり阿漕です。ほとんど素人がやってることもありますし。入院施設もありませんから、何100万もとった挙句に状態が悪くなると近隣の基幹病院に紹介状書いて丸投げで終了です。このご時世では勝ち組ともいえますが。
後は、効果がはっきりしない免疫療法で荒稼ぎするクリニックも最近は増えてきてますね。NK細胞を活性化させて再投与する、という触れ込みですがなぜか全く熱が出ないために「実は活性化なんてさせてないんじゃないか」との疑いもちらほら・・・

混合診療になれば、まともにやってもう少しまともに収入を得られるようになるのかなあ・・・

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/20 20:04 >774氏様
患者残酷物語(米国版)読み応えありそうですね。ありがとうございます。
筆者の福見一郎氏は、医師でなく翻訳家のようですね。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/20 20:08 >7年目内科医様
そうですね、あやしげな代替医療に何百万払う人がいる=マーケット・需要がある、わけですから、進行癌治療においては、混合診療解禁したほうが、倫理にかなうし、便利になって喜ぶ人のほうが増えそうな気がしますね。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/20 20:12
(続き)ただし、そこで、エントリーに戻って、Snow氏の悲劇というか苦悩がはじまるわけだ。月に百万円かかる治療で延命するためには、月に百万円以上、収益を上げられる人間であり続けなければならない。そうでなければ、財産が減っていって、子供の学費に事欠くことになる・・
まあ、ある意味、踏ん切りがつきやすいというか、わかりやすくていいですけどね。
それで、 When my money runs out, then I’ve got to go. なのかしらん。

7年目内科医7年目内科医 2007/08/20 20:22 後アバスチンは腸管穿孔を起こしやすいんで、原発巣が切除できていないと基本的には禁忌です。出血傾向を来すこともあるので、バイアスピリンなんかを服用していると使えないし。それを考えると緊急採血やCTが撮れないところで使うのは結構リスキーだと思うんですけどね。まあ、「いざとなったら丸投げすればいい」って思ってるだけかもしれませんが。
今の病院では、すぐ近所の自由診療の癌クリニックがあまりにもターミナルを適当に丸投げしてくるもんで、そこからの紹介は原則断ることになりました。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/20 21:45
保険診療の勤務医続けながら、自由診療のアバスチン単独投与とかのクリニック開業しちゃうってのはどうでしょうか?
一施設で混合診療は違法でしょうが、これならいいんじゃないかな。
公務員医師ではできませんが。
あるいは、同僚と組んで、一人が開業して連携するとか。
いずれ何らかの形でアメリカ的にはなるわけだから、法の許す範囲でいろいろ形態を模索して準備しておくのは良いことのような気がします。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/20 22:10
そういえば、思いだした。昔、皮膚科医やってた頃に、抗癌剤感受性テストやってました。ああいうの、自由診療に向いてないかな?
わたしがやってたのは(ていうか、2〜3例やって、しんどさにバテて止めましたが)melanomaの手術材料から、ディスパーゼとかで細胞を浮遊状にして、各種抗癌剤といっしょに培地にまき、コロニー形成の阻止率をカウントするという原始的な方法でした。
純粋に、その患者の腫瘍にとって感受性のない薬剤を投与しても、患者に不利益なだけではないか?という懐疑からやってみたんですが、手術の術者が自分ですからね〜、あれは辛かった・・前の日に培地自分で調整して、手術終わったら、その足で材料持って実験室で培養開始、合間に術後回診。夜中の2時3時までかかったなあ。
しかし、統計で「このくらいの割合の人に効きます」という薬を自分の場合に本当に効くかどうかもわからない(しかも副作用の強い)で使用するより、抗生剤のように感受性確認したうえで使用したほうが納得できるんで、わたしが大金持ちの進行癌患者だったら、ラボ作って人雇ってやらせるけどなあ。

Dr. IDr. I 2007/08/20 22:28
日本が見本にしている、アメリカでこうなんですから。
医療費削減の為、ガンの患者に対する医療費は制限する、ってなったら。
近い将来、日本でもこうなるかもしれませんね。

kk 2007/08/20 22:47 大腸がんならFOLFOX/FOLFIRIで年間400万,Avastinが入ると+700万くらいは薬剤費だけで飛んでいきます。

kk 2007/08/20 22:55 その手の抗がん剤感受性テストというのは「牡羊座の人ががんになりにくいかも」というレベルでしか世の中に受け入れられていないと思いますよ。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/20 23:56 >k様
じゃあ、ヌードマウス100匹くらいに手術で摘出した腫瘍を移植しておいて、術後抗癌剤治療始める前に、マウスで各種K剤の感受性を確認してみるっていうのならどうかな?
わたしが大金持ちであるという仮定ですから、コストは問題外ということで。

しゃあかしゃあか 2007/08/21 01:13 本文を読んでひとつ疑問に思ったことがあります。
アメリカの自由診療が事実上ただ一つの形態しか許さず、その状況がついに政府高官の一人すら被害にあわせてしまったほど、今のアメリカの保険診療がミリオンダラー以下には門戸を開いてないとすれば、その煽りは社会のどこかに出てないとおかしいのではないかと。

具体的に言えば、そのような心身の傷病をまともにケアすることも出来ないまま、社会の階層の大多数がドラッグストアの低価格薬しか受けられないなら、今の平均寿命(アメリカはまだ大多数の発展途上国より上だったはず)の維持もままならなくなっているはずだし(ロシアのようにソ連以後雪崩れ打つように、特に男性の平均寿命は下がったこと)、まともな医療がその金額の高さで実質大半の階層に受け入れられないとするなら、その傷病がそのままでは防ぎきれるはずもなく、どこかで埋め合わせをしようとする行為に走るのではないでしょうか。
具体的には自殺、女性なら身売りに近い風俗への転落、男性なら強盗などの強奪型犯罪。
しかし、アメリカで自殺率が日本レベルに近づいたという話は聞きませんし、韓国のように借金が高じて売春婦にさせられることが多くなったという話は聞きません。しかもアメリカの象徴とも言えた街頭型犯罪自体も、90年代に入ってから減少傾向にあると聞きます。
アメリカが、決定的に階層間格差が開いたのは90年代だったことから考えると、このどうしようもなさを今アメリカ国民はどのようにして、解決しているのか。
医療の問題は技術の問題以上に現在では収入と支出の問題としてあらゆる国の重い問題となっています。
アメリカの医療に悲劇的な構造があるとするなら、それを日本のように黙って受け止めているとは考えにくいのです。
日本ですら、格差の問題はモラルの低下、製品およびサービスのレベル低下、何より自殺の急増という形で噴出しているのに、その意味での先進国であるアメリカで、構造的悲劇がほとんどの家庭で起きかねないのにも関わらず、そのことが社会の別側面で出ていないとは思えないのです。
保険が半ば無意味と化す社会となってしまった(昔は会社単位の保険があったはずながら、本文を読む限りではそれ自体が保険会社で無効化されてしまったようだから)アメリカで、そのひずみがどこにわだかまっているのか。気になります。

卵の名無しさん卵の名無しさん 2007/08/21 07:48 しゃあか様。
アメリカ社会は軍を持ち911以来戦時下です。そのことが日本との大きな違いではないでしょうか。

774氏774氏 2007/08/21 08:00  アメリカにはただで見てもらえる医院があります。その代わり医療レベルはとてつもなく低いらしく訴訟も不可だったはず。

ドロッポ皮膚科医ドロッポ皮膚科医 2007/08/21 09:36 >訴訟も不可だったはず。

モトケンさんとこを斜め読みしたところによると日本では訴訟免除は法学上ムリとかなんとかだったように思われるのですがアメリカで出来るんなら日本で出来ない筈はないですよね?

774氏774氏 2007/08/21 10:19
ドロッポ皮膚科医 様

 日本と司法制度が根本的に違いますから。司法取引なんて日本にはないですし。裁判だって、陪審員を選ぶときに判事と双方の弁護士がアホそうなのや偏った思想を持った奴らを排除して、残った陪審員が有罪・無罪を決定、裁判官が量刑を決めます。
 日本の裁判員制度は、アホやサヨを排除することもなく、量刑まで裁判員が決めるので、医師にとっては恐ろしい制度となりえます。今のところは刑事の重犯罪だけが対象ですが、いつ刑事の医療紛争に降りかかってくるか分かりません。

 また、アメリカは「馬鹿な訴訟をさせない法律」なんてものが成立するぐらいですから、民事裁判は1万円で誰でも起こせる日本とは大違いです。

 なお、コーヒーがかかって熱傷を負って4億円と言う裁判があり、原告がガメツイと非難されましたが、あの件は原告は初めは治療費しか請求していません(植皮ですが、なんと4000万円。日本だと数十万円でしょうか。やる気なくしません?)。何とか団体が、原告を祭り上げ、懲罰的賠償として巨額の賠償金を得たのです。その金がどうなったかまでは知りません。

 田舎に行くと何でもやらされます。特に「北播」は自治体・住民の仲が悪くて、西脇病院以外は隣町の救急車を受けませんから・・・私は総合医に成れるんじゃないかと思いましたら、昨日のニュースで一転、その案が白紙撤回されちゃいましたね。厚労省はマジで迷走していますね。本当にどこに向かうのでしょうか。

774氏774氏 2007/08/21 10:31 ごめんなさい。この人の治療費が2000ドルで、裁判では介護のため仕事を辞めざるを得なかった娘の事もあり拘縮も残ったのに、2万ドルしか請求していませんでした。和解のときに会社は3000ドルしか提示しなかったため、あの結果になったようです。植皮術って日本じゃいくらぐらいするんでしょうね。大きさにもよるとは思うのですが、いちいち点数なんて知りませんし。

ドロッポ皮膚科医ドロッポ皮膚科医 2007/08/21 14:32 774氏様、コメント有難うございます。
…そうだよな、違う国なんだから司法制度は違ってて当然ですよね。莫迦な質問でした。

>「馬鹿な訴訟をさせない法律」

日本にも是非!!!…そういや「食品風評防止法」ってのがあるんですよね。だから一般アメリカ人はBSEの事をまったく知らされてないとかなんとか…。

>植皮術って日本じゃいくらぐらいするんでしょうね。

調べてみました。最大でも3000平方センチメートル以上のデブリードマン(全層、分層植皮術から粘膜弁手術までの手術を前提に行う場合にのみ算定する、だそうです)で3700点、+200平方センチメートル以上で20600点、でした。コーヒーがかかった程度だと100平方センチメートル以上3000平方センチメートル未満のデブリードマンで2300点+100平方センチメートル以上200平方センチメートル未満で14400点ってとこでしょうか。なお、植皮術は、広範囲皮膚欠損患者の場合同一部位以外の2以上の部位について行った場合においてはそれぞれの部位ごとに取れるようですがどっちにしてもやっすいですねえ…。

>やる気なくしません?

私が重症熱傷を持ってたのは10年以上昔の話ですが、当時、皮膚科医師4人がかりで数時間かかったデブリードマンがIVH以下の点数と聞いた時点でやる気なんて失ってましたw。
…大体QOML求めて皮膚科入局したのになんで重症熱傷なんかぶつぶつ…。

774氏774氏 2007/08/21 17:56
 皮膚科は楽と言うのは幻想でしょう。私の親戚が兵庫県の北播(笑)という所で基幹病院の皮膚科をしていますが、もうすぐ倒れます。今日、辞表もって行くとか診断書がどうとか聞いたけど、どうなったのかな。早く開業させて利益を吸い上げないと(笑)。うそ、無利子融資です。

 重症を全部大学に送っても、外来が山ほど来て、それでも全診療科で最低で叱責にあうとか言っていました。私がポリクリのときも、メラノーマがいっぱいで(教授は神大の歴史を代表する、三島教授)、毎晩誰かが他界していましたよ。日本に楽な科など無いのです。相対的に楽か暇かだけで、絶対的にどの科も常人にはこなせない程の辛さなのです。体力だけじゃありません、生涯続く時間外拘束、訴訟や司法の精神的圧迫はここ数年でものすごく強いものになりました。医師で心の病んでる人は多いと推定しています。

 経営陣は科ごとの忙しさの差につけこんで、医師どおしの対立を謀ってるからなあ。経営学の勉強をしていると、逆に病院幹部連中が何を狙っているのか分かるようになります。

 はっきり言います。勤務医は奴隷です。労基法は人間を働かす最低限の道徳ですが、それすら守られていない。三六協定すら結んでくれず、残業代が出ないとかね。宿直なのに強制的に急患を診察させられて訴えられるとかもね。

暇人28号暇人28号 2007/08/22 08:20 >医師で心の病んでる人は多いと推定しています。

この前、産業医の講習に言ってきましたが、メンタルヘルスの講習で、「医師は毎年90人自殺しています。率としては非常に高いです」って言っていました。年間7000人医師が誕生しても、その1%強に該当する医師が自殺しているんですね orz