新小児科医のつぶやき

2007-08-29 交代勤務続報

本日13:30から大阪地裁1006号法廷で、奈良事件の第2回裁判が開かれます。第1回の時はマスコミ各社が断片的にでも裁判の様子を伝えてくれましたが、第2回なので某新聞社以外は記事にしないかもしれません。もし某新聞社だけなら「わからない」と同じ意味になるのですが、ある有力ブロガーが傍聴に馳せ参じます。もう気合十分で、昨日から大阪に乗り込み、世界陸上を観戦しながら、今日の日に備えています。

早ければ明日にでも実況レポート「速報分」が出ると思ってます。またある有力ブロガー氏は、やりはじめると「徹底」していますので、福島事件に匹敵するほどの詳細な傍聴記録も出してくれる期待もあります。もっとも刑事に較べて、民事は争いの泥沼さが醜悪とも言われていますので、ある有力ブロガー氏がそれに耐えられればの危惧はありますが、きっとやってくれるはずだとプレッシャーを送っておきます。

医師はいつまでも執念深く忘れない特性があります。奈良事件なんてまるで昨日の事のように鮮明に記憶していますし、関心は一向に衰えていません。そこで今日も改めて支援声明を刻んでおきます。

奈良大淀病院の元産婦人科医に何らの責任もない事をを固く信じ支援します。

第2回の裁判は始まってもいないのでこれ以上書けないので、今日のお題に移ります。


いなか小児科医様のところで見つけた記事なのですが、つい先日「交代勤務に5億円」の記事が出ましたが、基本的にこの情報の続報と考えられる記事です。8/24付YOMIURI ONLINEをまずお読みください。記事の概略は、

  1. 国の予算規模は5億ではなく4億2000万円である。
  2. その代わり、国、都道府県、病院で均等負担とし、総額は12億6000万円となる。
  3. モデルは徳島赤十字小児科の交代勤務制としているらしい。
  4. 支援は助成金と診療報酬優遇を考えている。

少しだけ徳島赤十字の勤務体制を引用すると、

  1. HPでは8人体制の様子
  2. 日勤8時間、夜勤16時間のシフト勤務
  3. 週2回の休日確保可能

8人で交代勤務を労基法に則って行なった時の算数は先日しましたので、計算過程は省略しますが、厳密にやるとこういう結果になります。算数での前提条件は7人で、1ヶ月を28日として計算していますので、その辺を含みで読んで欲しいのですが、

  1. 全夜勤及び休日日勤は1人体制である。
  2. 勤務日数は夜勤4日、平日12日となる。

つまり1週間のモデルは平日勤務3日、夜勤勤務1日、休日3日になるのが本当です。そうなると記事にある「週2回の休日」では1日労基法からオーバーして働く計算になります。オーバーする分は日勤分8時間となり、そのため週の労働時間は労働基準法の上限40時間を越え48時間となります。48時間はどこかで見覚えのある数字と思ったら、「医師の需給に関する検討会報告書」にありました。該当部分を引用すると、

なお、上記の推計は、医師が医療機関において過ごす時間のうち、診療、教育、他のスタッフ等への教育、その他会議等の時間を勤務時間と考え、これを週48 時間までに短縮するのに必要な医師数から求めたものである。また、仮に、休憩時間や自己研修、研究といった時間も含む医療施設に滞在する時間を全て勤務時間と考え、これを週48時間までに短縮するには、医療施設に従事する必要医師数は31.8万人と推計され、前述の25.7 万人との差は6.1万人(病院勤務 5.5万人、診療所勤務 0.6万人)となる。しかしながら、休憩時間や自己研修は、通常は勤務時間とは見なされない時間であり、これらを含んだ時間を全て勤務時間と考えることは適切ではない。

この部分は大変論議を呼んだ場所ですが、48時間と言う数字に不思議な一致を見る思いです。ただこの報告書の医師の労働時間の定義を適用すると8時間の超過分は見る見る消滅しそうな気がするのも確かです。

予算の話に戻りますが、国、都道府県、病院が均等に拠出して12億6000万円が出てくるのですが、来年度は、

    各都道府県2か所程度の病院を選んでモデル事業をスタートさせる。

全国の都道府県数は47ですから、おおよそ100ヶ所がモデル事業に指定されるようです。100ヶ所となると1ヶ所平均の助成金は約1200万円になります。また1200万円と言っても1/3は病院負担ですから、病院としては実質800万円となります。1ヶ所800万円で交代勤務なんか出来るのかとまず素直に疑問に思います。実質800万では、医師一人増員するのもままなりません。

たった800万で交代勤務が行なえる事業が起せるカラクリはモデル事業の件数に鍵がありそうです。モデル事業として指定されるのは「各都道府県2ヶ所程度」ですから、各都道府県に2ヶ所ぐらい

  1. 徳島日赤のように実質交代勤務を行なっている病院
  2. 交代勤務は行なっていなくとも、交代勤務に必要な医師数がそろっている病院

a.ないしb.の条件をそろえている、もしくは近い状態の病院があると観測しているかと思います。ほんの少しだけ厚生労働省が勤勉ならば、予備調査でそういう病院を確認していてもおかしくありません。そういうところなら、実質800万円の助成金で交代勤務実現は不可能ではありません。また実現率は必ずしも「100%」である必要は無く、1年目のモデル事業ですから「70%」でも「60%」でも成果として報告する事は出来ます。

ここで仮に「80%」の実現率がモデル事業であったとします。通常はモデル事業の報告を受けて「問題点を改善し、全国的に広く実施」になるのがステップです。しかし次のステップにはまず進まないと予想します。来年度のモデル指定病院は、交代勤務の実現が出来そうな条件を最初から持っている病院を全国から厳選して行なってます。実態的には厳選と言うより「根こそぎ」に近いかと考えますので、再来年に事業が継続されたとしても「たった800万」で交代勤務が出来る病院は皆無に近くなっているかと考えます。

個人的にはこの事業が本当に行なわれるかどうかも疑問ですし、行なわれてもその結果が公表される可能性は低いと考えます。再来年以降も続けようとすれば、こんな愚につかない予算では成果は限りなく「ゼロ」に近づきます。まあ、夏の夜の打ち上げ花火ですね。

三上藤花三上藤花 2007/08/29 09:32 さりげなく1ゲットです。
>ある有力ブロガーが傍聴に馳せ参じます。
それはようございました。私も行くつもりですが、傍聴券34枚の枠がありますので、1人でも多い方がいいですもの。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/29 09:46
徳島日赤は、小児科のHPに、この方式のメリットデメリットを、よく分析して載せていらっしゃいますね。必見です。
http://www.tokushima-med.jrc.or.jp/kakuka/09_shoni/index.htm
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この勤務体制での問題点と対応

「・ 当直体制に比し、給料が少なくなります。------勤務時間が短くなるため、あたりまえではありますが。
・ 勤務がかなり不規則(平均週1回夜勤)なため、少し体調維持に気を使います。それでも、当直制よりは、かなり楽と思われます。」
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「・ 医療収益について、時間外患者数や新入院患者数は、以前に比し、大幅に増加しましたが、小児科の医療収入の増加はわずかでした。時間内患者の減少や入院期間の短縮による影響もありますが、小児科は、取り扱い患者数は多いにもかかわらず、診療収入は他科に比し、非常に少ないため、24時間体制にしても、小児科の収益が大幅に改善することはありません。」
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また、グラフからみると、外来・入院とも、時間外の患者数が激増して時間内は減っていますね。
たしかに、これから、こうなっていかざるを得ないのかなあ・・

法務業の末席法務業の末席 2007/08/29 09:55 はじめまして、モトケンさんブログに時々出没する社会保険労務士です。「
さて、法定労働時間が週40時間なのに行政側の交代勤務の試算が週48時間なのはなぜなのか? これはおそらく国民の祝日(いわゆる旗日)を勘定に入れるかどうかではないかと思われます。

先生の試算のように4週ずつの勤務シフトで区分すると、1年間は52週(正確には52週と1日)ですので年間に13サイクルとなります。片や国民の祝日は年間15日ありますし、そのうち日曜日とダブった祝日は月曜日に振替えられますので、土曜日とカブった日以外は病院も休診であり休日としての勤務体制とすることができます。

本年(平成19年)の場合、土曜日とカブる祝日は5/5のこどもの日と11/3の文化の日の2日だけで、残りの13日は(月曜日に振替えられた日も含め)土日以外になります。この13日の祝日を勘定に入れると年間13サイクルの勤務シフトに1日ずつの割合になり、4週228日での休日数は土日×4週=8日に1日を加えた計9日となります。

また、この他に元旦以外の年末年始の休診日(例えば12/29,30,31,1/2,3の5日間)や、事業所(病院)ごとに独自に決めた休診日や半日で診療を打ち切る日などの「労務上の休日」として扱える日の年間計画を決めておき、それらの休日を勘定に入れて「年間を平均して4週で40時間の労働時間」とする勤務シフト(1年単位の変形労働時間制)を組むことが可能です。

このように勤務シフト体制を年間で考えることにより、祝日のない月(例えば6月)では週48時間となっても必ずしも法令違反とは言えません。

また、先生の試算では勤務時間中の食事休憩の時間(労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は60分以上)などが考慮されておりません。こうした休憩時間は法令上は労働時間ではありませんので、1日24時間=8時間労働(日勤)+16時間(夜勤)と単純に言い切ることが出来ません。それぞれの始業から終業までの時間数から休憩時間を差引いた時間数が法令上の労働時間となります。

ちなみにこの食事休憩の時間については法令上賃金支払の義務はありませんので、年間給与額などの見積り計算をする場合はこうした休憩時間を差引いた実労働時間数で積算しますので、勤務シフト上の始業から終業までの時間数を単純に積算した時間数よりかなり少なくなります。

以上ご参考までに。

いなか小児科医いなか小児科医 2007/08/29 10:15 Yosyan先生
どうもです。私の拙ブログに以前に載せたエントリーでは、患者数は増えるが、収益は上がらず、診療報酬の見直しが必要というような論調でした。(徳島日赤)
厚生労働省には、もっと腰を据えた方策を考えていただかないと...ね。という気分です。
有力産科医ブロガー先生の御報告を楽しみにしています!

YosyanYosyan 2007/08/29 10:43 moto-tclinic様

HPによると外来患者が年間で30688人です。医師が8人ですから、一人当たり年間3836人、1ヶ月にすると320人。時間内と時間外の比率は1:2となっていますから、患者の内訳は時間内107人、時間外214人となります。

H.18の小児の時間外の保険点数ですが、初診で基本の270点がまずあります。その上で時間外なら85点、休日なら250点、深夜なら480点(6歳未満なら同じく、200点、365点、695点)が加算されます。さらに指定の救急医療機関で、厚生労働大臣が定める時間であればさらに230点(6歳未満なら345点)となっています。内訳は複雑ですが、あくまでも概算で500〜600点程度の加算がつくと考えられます。そうなると時間外診療は時間内診療の3倍程度の保険報酬が期待できることになります。

先ほどの時間内107人、時間外214人ですが、あくまでも概算ですが、時間内換算で750人程度にあたると考えられます。一般の診療所では実労働日数は月20日程度ですから、1日外来換算で40人程度になります。

1日40人平均なら、開業資金の返済とか、賃貸料の負担が大きくなければ採算は合いそうな計算になりますが、問題はコメディカルの人件費も増えることでしょう。平日日勤と同じ人員配置は無いとしても、平日日勤だけの2倍は必要かと思いますので、そうなると採算はぐっと苦しくなります。

また年間約3万人で、時間外が約2万人です。時間外には365日の夜勤すべてと、休日日勤になります。年間休日はまず土日休診分が100日程度、祝日・年末年始休暇で約20日、あわせて120日程度です。そうなると時間外のべ時間は、365×16+120×8=6800(時間)。年間の時間外患者数約2万で割ると、1時間当たり3人となり、一晩50人弱程度となります。

あくまでも平均なのですが、この数字を多いと見るか、少ないと見るかは難しい問題です。

BugsyBugsy 2007/08/29 11:53
モデルになった徳島日赤では時間内と時間外の比率は1:2であるとのお話ですが、平たく言えば時間外の受診が時間内の倍近くあるわけです。この医師の交代制になる以前では如何だったのでしょうか?少し気になります。
医師の交代制が地域住民に公表されれば、受診する側としては いつ何時受診しても医師は応需してくれると理解するのは当然の流れです。おっしゃるように医師だけが外来にいれば良いわけでもなく 看護師や放射線や臨床検査技師も常駐せねばならなくなります。時間外に院外薬局での処方薬の調剤はどうしてらっしゃるんでしょうか?
以前オイラがイケイケドンドンの若手部長だった頃、救急外来を拡充しようと派遣先の病院で上申しましたが、医師の員数もさることながら そういった薬剤師やコメディカルスタッフの人数が足りないので彼等から猛反対を受けて拒絶された経験があります。
徳島日赤ではどうやってこの問題をクリアされたんでしょうか。個人的には大変興味があります。

とある病院で小児科で交代制をとって 小児医療は全額地方自治体が負担となれば津波のように時間外に押し寄せるでしょうね。容易に想像がつきますよ。おそろしや、おそろしや。

子持ちししゃも子持ちししゃも 2007/08/29 11:58
【産経新聞】受け入れ難航 妊婦搬送中の救急車が事故、死産

 29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、奈良県橿原市の女性(36)を搬送中だった救急車と、大阪府茨木市の自営業男性(51)の軽ワゴン車が衝突した。女性は妊娠3カ月で、別の救急車で午前5時50分ごろ病院へ着いたが、死産が確認された。女性らにけがはなかった。

 奈良県の中和広域消防組合によると、女性は同日午前2時45分ごろ、出血を伴う腹痛を訴え119番通報。産婦人科を探したが、奈良県では受け入れ先が見つからず、12カ所目に打診した高槻市の病院へ搬送する途中だった。

 高槻署の調べでは、救急車は赤色灯をつけて直進。青信号で交差点に進入した軽ワゴン車とぶつかった。同署は双方に落ち度のない事故で、事故と死産の関係は分からないとしている。(2007/08/29 10:33)

大淀病院の産婦人科の先生の裁判応援しています。
奈良県の妊婦さんや女性のために是非勝訴してください。

暇人28号暇人28号 2007/08/29 12:17 子供の熱なんかは(大人もそうですが)朝下がって夕方上がってくることが多いです。必然的に夜間の診療が増えるわけです。

YosyanYosyan 2007/08/29 12:35 徳島日赤をモデルケースとして見るなら、いくつか問題はあります。24時間制による津波のような時間外受診の懸念ももっともですが、何よりも収支がどうなっているかです。病院の単科の収支に関しては、非収益部門のコメディカル、事務の経費をどう割り振るかで操作が可能で、本当の収益はデータとして出難いのですが、HPを見る限り、さほど「儲かっている」とは読み取れません。

交代勤務制には人数が必要です。病院も公立でさえ義理や酔狂で「赤字問題なし」と鷹揚に構えるところは珍しく、「経営」は大きな問題として立ち塞がります。交代勤務により人員が増えれば、それに見合うだけの収益を結果として求められます。

交代勤務24時間にすれば、病院側は新しいドル箱が出来るぐらいのインパクトがあれば積極的に導入するでしょうし、働く医師も

 >当直体制に比し、給料が少なくなります。

なんてせせこましい話をせずに、交代勤務のところで働けば「給料大幅アップ」であれば、全国すべてには絶対数が足りませんが、医師募集もやりやすくなります。

それが交代勤務を行なっても収支はトントン、もしくは苦しいかもしれないでは制度の普及は難しいのではないかと考えます。なんと言っても厚生労働省の梯子外しはお家芸ですから、今回も診療報酬を一時的に上げても、あくまでも一時的ですから、どこまで「一時的」に躍る病院があるかが見ものです。根本は5年間に1.1兆円の医療費削減計画が粛々と進んでいますしね。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/29 12:44 >妊婦搬送中の救急車が事故
これが毎日新聞だと、
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<救急車事故>搬送中の妊婦流産 大阪
8月29日11時58分配信 毎日新聞
 29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、妊娠3カ月の奈良県橿原市の女性(36)を搬送中の救急車と軽乗用車が出合い頭に接触した。搬送先の高槻市の病院で、胎児の死亡が確認された。女性は119番から車中で約1時間半も受け入れ先が決まらず、橿原市から約41キロ離れた高槻市の病院へ運ばれる途中だった。昨年8月には、奈良県の妊婦が転送先が見つからずに容体を悪化させて死亡しており、周産期医療の救急体制の不備が浮き彫りになった。
 府警高槻署の調べでは、軽乗用車は大阪府茨木市の自営業の男性(51)が運転、他にけが人はなかった。同署は事故と流産の関連を捜査している。
 女性は同日午前2時44分ごろ、橿原市内のスーパーマーケットで買い物中、「下腹部が痛い」と訴え、同居の男性を介して119番通報した。奈良県の橿原消防署(中和広域消防組合)の救急隊員は同県立医科大に受け入れを要請したが、「手術中のため不可能」と回答された。このため、同消防署は大阪府内の産婦人科などに要請したがいずれも「処置中」などを理由に断られ、10施設目(連絡は延べ12回目)の高槻市の病院に決まったのは同4時19分だった。
 同消防署などによると、女性は搬送中の午前5時ごろ、救急車内で破水し、約10分後に事故に遭った。病院に搬送されたのは同5時46分だった。
 同消防署予防課は「事故による容体の変化は見られなかった。流産との関連は警察の捜査に委ねたい」と話している。
 昨年8月、大淀町立大淀病院で、分娩(ぶんべん)中に意識不明になった妊婦が転送を同県と大阪府内の19病院に断られた末、約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)に運ばれ、約1週間後に死亡した。国は今年度中に、総合周産期母子医療センターを整備するとしていたが、奈良県など4県で困難な状況に陥っている。
 奈良県では、緊急に高度な治療を要する妊婦を県外の病院に転送する比率が、04年で約37%に上り、全国最悪のレベルだった。母体・胎児の集中治療管理室(MFICU)を備えている病院も、県立医科大学付属病院(橿原市)と県立奈良病院(奈良市)の2カ所だけ。
 奈良県は未整備だった「総合周産期母子医療センター」を来年5月に設置し、母体や新生児の救急搬送に対応する予定だった。
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となるわけですね〜。
感心したので、とりあえずweb魚拓とっておきました。
http://megalodon.jp/?url=http://headlines.yahoo.co.jp/hl%3fa%3d20070829-00000041-mai-soci&date=20070829123921

opus_oneopus_one 2007/08/29 12:45 はじめまして産婦人科8年目雄のopus_oneと申します
私も奈良大淀病院の元産婦人科医に何らの責任もない事をを固く信じ支援します。
(当院も搬送を受け入れないためお断りしておりましたが、お受けしても救命できなかったことは間違いございません)

それと3つ前のコメントの子持ちししゃも様の記事で
妊娠3ヶ月で腹痛で搬送中の事故で死産とのことですが、妊娠3ヶ月は流産であって死産ではないですよね。それに12週以前の流産の多くは胎児因子(染色体異常)ですから、腹痛の前に胎児死亡になっていた可能性が高いはずです。
というか胎児死亡になったため流産にしようと母体が反応して出血と腹痛が起こったと考える方が自然です。
それを受け入れない産婦人科を悪者にしようとは。ここまで作為的に取り上げるのをみるといい加減いやになっちゃいます。
ちなみに今回はうちには電話はなかったようです。

YosyanYosyan 2007/08/29 13:13 毎日新聞記事はいくつかバージョンがあるようで、ssd様のところのはもっとも初期に近いものようで、

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奈良から救急搬送の妊婦が流産 10病院受け入れ断る

 29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、奈良県橿原市の妊娠3カ月の女性(36)を搬送中だった
中和広域消防組合(橿原市)の救急車と、大阪府茨木市の宅配業の男性(51)運転の軽ワゴン車が衝突。
女性は高槻市消防本部の救急車で約40分後、約4キロ離れた同市内の高槻病院に到着したが、流産が確認された。
女性らにけがはなかった。事故と流産の因果関係は不明だという。
 女性は事故の約2時間半前の同日午前2時40分ごろに橿原市内で腹痛と出血を訴えて119番通報したが、受け入れ可能な病院が見つからず、そのまま救急車内で待機。10病院、延べ12番目に問い合わせに応じた高槻病院へ向けて出発するまで約1時間半かかっていた。
通報現場から病院までは直線距離で約40キロ離れていた。
 奈良県では昨年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明になった高崎実香さん=当時(32)=が19病院から転院を断られた末に死亡しており、産科医療のあり方が改めて問われそうだ。
高槻署や中和広域消防組合などによると、女性は知人男性とともに近所のスーパーで買い物をしている最中に突然、腹痛を訴え出血。同日午前2時44分、知人男性が「過去に流産している。今も妊娠しているが、切迫流産しているかもしれない」と119番した。
女性にかかりつけの医師はなく、通報を受けた同組合が県内の空きベッド情報を確認したところ、県立医大病院(橿原市)にベッドがあったものの「手術中で対応できない」と断られたという。
消防組合は大阪府内の病院に受け入れ要請を続けたが、難航。
10病院、延べ12番目に問い合わせに答えた
高槻病院に搬送することが決まった。
その間、救急車はスーパーで待機。出発できたのは午前4時19分だった。
 高槻署によると、救急車は赤色灯をつけて直進、青信号で進入した軽ワゴン車と接触したという。
救急隊員3人と軽ワゴン車の運転手にけがはなかった。
 妊婦の救急搬送をめぐっては、近畿2府4県と福井、三重、徳島の知事でつくる近畿ブロック知事会議が、
各府県が協力して出産前後の妊婦の搬送や受け入れ体制を確保することで合意している。
(2007/08/29 10:33)

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これは10:33版なんですが、11:48にはタイトルが変わり

>病院たらい回し:妊婦衝突事故後に流産 救急搬送中 大阪

その直後に

>救急車事故:搬送中の妊婦流産 大阪

となっています。

サルガッソーサルガッソー 2007/08/29 13:59 記事の変遷を見ていると「誤報にならない範囲で如何に読者を煽るか」に全力を傾けてるかがわかりますね。
最近は誤報にならない範囲というのも怪しいですが。

BugsyBugsy 2007/08/29 14:44
産婦人科の先生方 御教示ください。
流産の既往のある妊娠3ヶ月の女性が夜中の2時頃スーパーでお買い物だそうですが、妊娠に何らかの影響はないのでしょうか?うーん、オイラの奥さんだったら止めさせるなあ。妊娠初期の生活指導というのもあるでしょうが、夜更かしはしてもいいんでしょうか?
>救急車事故:搬送中の妊婦流産 大阪
とありますが、救急車を呼ぶ前から腹痛、出血があったのなら その時点で流産が始まっていたと考えるべきでしょうが、タイトルと記事内容が支離滅裂に感じてしまいます。

HekichinHekichin 2007/08/29 14:53 新聞の見出しってさ、事実関係がわかるようにするべきであって、因果関係がないものがあるかのように錯覚させるのは問題かと...「妊婦搬送中の救急車が交通事故」だけで十分でしょうに。事故→流産を連想させる見出しをつけたデスクは東スポ出身?。

ssdssd 2007/08/29 15:47 これさあ。単に「女性の急性腹症です!!」って訴えだったら、拾う救急病院はあったんじゃね?
絶対に妊娠反応は調べるけど、外妊でもない流産だから、それでおそらく終了。
それを、「あの奈良県の切迫流産です!!」なんて救急隊の連絡があったら、電話にも出ないで断るのが当然ですよ(でも20週・三ヶ月なんて言われたらはぁ?だけど)。

774氏774氏 2007/08/29 15:52
>しかしながら、休憩時間や自己研修は、通常は勤務時間とは見なされない時間であり、
これを見てから、午後はカクテル飲みながら論文読んでいますが、何か?
院内規定にも飲酒時の禁止事項に、なぜか診療行為は書いていないし。いや、夜間飲酒しているときはタクシーで来るようにとは書いてあったなあ(笑)。飛行機内なら私はPCPですと言って断るけどね。

 ところで、民事裁判は言ったら悪いですが欲望のぶつけあいですので、本当に刑事よりえげつないです。いや、裁判の前段階である調停なんか・・・書いたらまた泣くほど怒られるので止めますが・・・

 でも、福島や奈良の先生は絶対に欲望なんてない、マスゴミ報道の被害者。これだけは確か。真面目に、正直に、他人に尽くすほど損をする社会にだけはしてはならない。といってもH20,22年改定で真面目にやるほど大損になるんだった。介護保険はもう実証されて破綻寸前のようだし(やはり現場の士気低下がひどいらしい)。組織の強さは統率者の能力と現場の士気の高さで評価されます。三人寄れば文殊の知恵の諺どおり、現場に求められるのは人が寄ってくること=士気の高さです。司法とマスゴミのせいで(だけではないが、非常に大きいんだろうなと、現役判事も言ってたってさ)、医療も介護も士気がズタズタ。民度が30の所で武力50,練度30%の兵で、羽柴秀吉(昔の方)に勝てるはずがないのです。いや民度の低い国では民反乱もあるな(笑)。いや、羽柴秀吉の対毛利戦の拠点が播磨だったから(笑)

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/29 16:52
「たらいまわし」と言う語は、盥(たらい)を足で回す曲芸からきているのだそうですが、この曲芸、どんなものだったのか、さっきから調べているんですが、どうもネット上にはないみたい(^^;。
英語で「たらいまわし」を何て言うのかな?と思って調べたら、それはすぐに見つかりました。
「たらいまわしにされた」→I was given the runaround.
というらしい。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/29 16:55
毎日新聞は「たらいまわし」という言葉が好きみたいだから、この際、盥回しの曲芸の絵を調べてコラムかなんかに載せて欲しいものです。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/29 17:40
この「たらいまわし」という語は、どうも「受け入れようと思えば受け入れられたのにさぼった」とか「ふざけてもてあそんだ」ような語感を伴っています。・・なんでだろう?盥回し→皿回し→曲芸→お笑いみたいな連想か?
「次々と受け入れを拒否された」のと「たらい回しにされた」では、前者なら、運が悪かった、お気の毒、と患者に同情がいきますが、後者だと、病院に反感が沸きます。
言葉ひとつで不思議なものだ・・「たらいまわし」は、変な語感を伴って、先入観を抱かせやすい語だから、放送禁止用語ならぬ、報道禁止用語に指定すべきじゃなかろうか?

蛇足ですが、「本腰を入れる」は放送禁止用語だそうです。卑猥な連想を引き起こすからだそーですが、そんなこと連想するほうが卑猥だって(^^;。「たらいまわし」のほうが罪が深いよ。

YosyanYosyan 2007/08/29 18:17 「たらいまわし」と言う言葉ですが、医療ではもともと、ある病気で受診しようとしたら、「うちでは処置できない」、「専門が違う」、「担当医が不在」とかで、玄関先で追い返されたり、受診したものの次に送り出されるような状態を指して言ったかと記憶しています。そのたびに患者は自力、もしくは救急車で点々と動かざるを得なくなり、社会問題化したはずです。主に交通事故なんかで話題になっていたように覚えています。

そういうたらい回しを防ぐために救急病院が整備され、さらに当番制ができたはずです。奈良事件のときもそうですし、今回の記事もそうですが、患者は回っていません。受け入れ余地があれば治療可能な病院を正しく選択し、そこでの受診の応需を電話で要請しているのです。これをたらい回しと表現するのは誤用ではないでしょうか。

電話問合せであっても「たらい回し」の表現は使われる事はあります。たとえば会社とか役所に問合せをして、用件を伝えても、担当部署がわからず電話を次々に転送される状態です。これなら「たらい回し」は使えるかと思います。

しかしレストランの予約をしようと思って、電話をかけても「満席」ですと、次々に断られたときに、これを「たらい回し」と表現するでしょうか。問合せ先は正しく、店も席が空いていれば受け入れるのですが、満席のためやむなく断っただけです。

「たらい回し」状態の適用範囲は広いですが、私はあくまでも正しい選択が出来ずに、余計な寄り道が増えて、正しい選択に行き着くまでに時間がかかる状態と考えます。選択としては正しい相手での、電話要請で応需できないの件数が増えることを、たらい回しと言う表現するのは違和感があります

774氏774氏 2007/08/29 19:31 こんな時にアホな話で恐縮ですが、
>もう気合十分で、昨日から大阪に乗り込み、世界陸上を観戦しながら、今日の日に備えています。

 その世界陸上ってTBS主催ですよね、天漢日乗様のブログにありました。毎日新聞の方が親会社だったかな。その大会も大変なようですね。「選手の宿泊部屋の確保ができなかった。有名選手が床で一夜」とか。自らの「選手たらい回し問題」は絶対報道しないでしょうね。
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20070829_iaaf_osaka_2007/

某勤務医某勤務医 2007/08/29 21:34 法務業の末席さん
引き継ぎにも時間がかかるので、8時間+16時間とはいかないと思います、+α 必要です。
P.S. 某ブログの傍聴日記は余り詳しくありませんでした。
食事休憩時間が相殺されるくらいは重症患者の引き継ぎに必要となります。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/29 23:15
日本小児科学会/小児医療政策室/小児医療改革・救急プロジェクトチームのホムペというのを見つけまして(http://jpsmodel.umin.jp/)、8/29 に「このままではいけない!病院小児科の現状」というのがupされていました。
その構想によると、1都道府県に約2の「中核病院」をイメージしているようで、本日のお題の「モデル事業」は、まず中核病院の整備ということかな?
また、小児科学会によれば、週労働時間の目標は60時間以内が悲願のようで、ひじょうに可哀そう。しかし一施設800万(病院持ち出し入れて1200万)で、中核病院化を前提としたマンパワー集約化のために何をするのだろう?
何かの試算に基づいているはずだと思うんですけどね。。。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/29 23:29
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/04/s0406-6a.htmlの表10「わが国の小児医療提供体制の構想」の「中核病院」ながめていて、うーん、Yosyan先生には悪いけど、へんなこと思いついてしまった。。
地域小児科センターと中核病院の差を探していて思いついてしまったんですが・・
「一次は地域小児科医との共同運営」←この実験モデルじゃないよね(^^;。
1200万というと、一日3〜4万、地域稼業医の先生への手当が一晩そのくらい、とか。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/29 23:42
エントリーのYOMIURIの記事、読みなおしてみました。
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>昼と夜の交代制勤務のほか、子育て中で都合のいい時間帯だけ働ける医師や夜間だけ働ける医師など非常勤医師も組み合わせる変則勤務の導入などにより、勤務時間短縮に知恵を絞ってもらう。
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単純に読むと、一日あたり3〜4万で、非常勤一人増やすってことでしょうね、やっぱり。
地域開業医の先生を巻き込もうとしていると読むのは穿ち過ぎか?
将来的には、その方向を狙っているのでしょうけどね。露骨にプレスリリースすると、医師会の反発招くからそうっと忍び足で、って気もする・・

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/29 23:48
うーん「夜・間・だ・け・働・け・る・医・師」ってのがとっても気になるぞ。
とりあえず、中核病院の近くに開業中の小児科の先生、要注意じゃないでしょうか?

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/30 00:00
うっかりしてましたが、YOMIURIの記事は、小児科の話とは限らないんですね・・でも、なぜか、小児科をイメージしてしまうし、モデルの徳島日赤は小児科だし。。
夜間の非常勤一人追加して、結果出しやすい、っていうと、やっぱり小児科?

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/30 00:13
仮に、夜間、地域開業医の先生が非常勤で来たとして、常勤の先生は当直→on callになるでしょう。当直料が浮く。それを病院持ち出し分の400万と見込んだ?
病院には、新たに支出する財源なんて無いはずだし。
しかし、開業医の先生はシステムに不慣れだし、しょうがないから来てやったんだ意識強いだろうから、常勤の先生がご機嫌とりながら、手取り足取り教える羽目になるんじゃないだろうか?・・研修医より厄介かも。

chaimdchaimd 2007/08/30 03:42
親類に社労士が多いので、最近趣味で社労士試験の勉強しているchaimdです(笑)

法務業の末席さま、
食事休憩時間についてはご指摘のとおりなんです。が、食事休憩時間とは、労務に明るくない他のコメンターにも分かるように言えば「これから1時間は休憩時間なので、患者が来ても呼ばないでください」という時間の事です。施設としては24時間の応需体制をとっている中、院内にいて外来・病棟に適宜速やかに対応しなければならなければ、自己研鑽していようが、ぐーぐー寝ていようが、法的には手待時間、すなわち労働時間です。休憩時間を設けないのは違法ですが、実施できない県がでてくる可能性がでてきてしうので、ここは目をつむりましょう。

それから、確かに週40時間は原則なのですが労使協定(36協定)で延長できますので、変形労働制の上限を超えれば割増賃金を支払う前提で年360時間まで延長しても免罰されます。夏休みを1週間ほどとれば、週48時間計算でもセーフです。

moto-tclinic先生、
オンコールは労動基準監督署の許可がでれば、労働時間にカウントせずに宿直として週1回、日直として月1回まで可です。が、これにも通達で制限がありまして、月に7日しか呼べません(最長の日で呼出時間が3時間以下なら制限が緩くなりますが、あり得ないでしょ?)。救急外来を非常勤、緊急入院を当直というケースでも、当直は宿直たりえないでしょう。

774氏774氏 2007/08/30 06:27
chaimd 様

 仰るとおりで、昼休みは外出も自由なはずなんですが、なぜか医師にだけは認めていない病院は数知れずあります。それどころか、事務方は休憩時間が法的に変更されたため帰宅時間の話しばかりしているのに、医師には休憩時間などないと断言している病院がほとんどで、飯も食えずに・・・泣きたくなるから止めます。このブログで散々勉強会が開かれましたが、実践している医師は殆どいないでしょうね。私の親戚は労基法を元に、このブログも参考に一人で病院幹部連中相手に戦いましたが、ついに力尽きました。彼一人権利を唱えても権利を手に入れても、返って他の医師から非難されるという事もあったようで、経営の本を見ていると常套手段ですね。五月蝿い奴にだけ権利を認めて、労働者間の対立を煽るという。医師には組合がないですからね。私も病気だから時間外の勤務は不可という事にされました。ただし親戚が勤める病院は、三六協定も結んでいないうえに、医師の就業規定書の「宿直」規定に「絶対に断ってはならない13のケース」という絶好の大ミスがあったようで、また普通は医師がいろんな公的機関に訴え出ても「医師は人間ではない」と無視されたり(泣)、病院が先に裏から手を回しているものですが、それが彼には全く通用しないと急遽気づいたようで、懐柔方法を換えてきているそうです。

moto先生

 労基法や労働安全基準法をお読みになられると、お分かりいただけると思いますが、本当に医師には労働者としての人権が認められていない酷い現実に愕然とされると思います。先生は今は雇用者側ですのであまり実感がわかれないかもしれませんが、勤務医時代を思い出されると・・・あ、先生がのめり込む性格なのと、昔を思い出されて落ち込みやすいのを忘れていました。先生、落ち込まれないようにして下さいね。とにかく現状は、医師<∞<人間です。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/30 09:52 >chaimd 様
ああ、わたしが書いたのは、正式なon callではなく、非常勤の先生から、常勤の先生に、判断がつきにくくて携帯で連絡して指示をあおぐことはあるだろうな、ってくらいの意味です・・これも、もしかしてon call?
>774氏様
わたしの場合、労働条件で鬱になったり、落ち込んだりはなかったですね・・変に先読みする癖があって、国立病院が独法化して、患者が貧乏になり、人心が荒めば、ロクなことにはならないだろう、っと考えすぎて、勝手に鬱になって逃げ出した、って感じです。
旧国立病院の労働条件は、ある意味恵まれていましたよ。ただし皮膚科に限ってのはなしですが。給与安くてもいいから、のんびり、あるいはじっくり診療をやりたい、って人が集まってました。

YosyanYosyan 2007/08/30 11:07 moto-tclinic様

話が戻りますが、一晩16時間を3〜4万で開業医に担当させるのは厳しいですね。4倍出ても自由意志なら嫌がるでしょうし、5倍でも「喜んで」なんて医師はいないと思います。致命的なのは翌日に診療に支障が出る事で、勤務医が夜勤明けの仕事が辛いのと同様に開業医も辛いからです。

もっとも強制(診療報酬削減がセット)となれば、「食う」ために出務せざるを得ないでしょうが、一旦強制となれば当直代自体を全面カットされそうな悪寒があります。タダで出務する代償が診療報酬カット無しです。

それでも問題はあって、なぜ夜間救急に出務する開業医のみがそういうペナルティを背負わなければならないかです。通常夜間救急に関係が少ないマイナー科医師はまるで関係ない話となってしまいます。少し不公平な感じがします。

それではと、全診療科の診療報酬を引き下げ、強制的な出務に応えた開業医のみに報酬を増やせばどうでしょう。これでもどこか違和感を感じてしまうのですが、その程度の違和感なら強行突破してしまうんでしょうね。

chaimdchaimd 2007/08/30 12:01 774先生、
そのやり方は得策ではないんですよ。まず労務管理の意識をつけることから始めないといけない。「本当はこうなんだけど、それじゃマンパワーとして無理だから今はこれで我慢しよう」というコンセンサスを作ることから入らないと。そして、我慢の代償として勝ち取るべきなのは賃金ではなく、安全な医療を行う為の管理者責任です。院長副院長v.s.医局長医局員の構図を作らないと負けます。何でも受けろを潰すのは簡単。特定条件で当直マンパワーを越えた業務について、管理者が手を動かして責任をとるようにさせれば良いんです。そうすれば、自然と救急車3台同時受けとかは無くなりますし、中にはわざとリスキーなケースを受けて、管理者に放り投げる不届きものもでてくるようになります。普段から、救急の負担が大きい科の先生方や、救急外来のスタッフには「大変ですね」と声をかけ、事あれば自ら手を動かして貸しを作っておくことも大事です。そうこうして徐々に医局員の労務管理に対する意識を高めれば、段階的ではあっても救急業務を縮小できます。1〜2年くらい業務縮小を見守りつつ、より良い環境の職場を同時に探して、当面の均衡点にたいする不満と次の職場や将来展望を見据えて、場合によっては華麗に逃散すればよろしいかと。その頃には、えげつない引き留め工作なんてできない状況になっていますから。綺麗に辞められますよ。一気に正面突破なんていうのは、大人のやることではありません。お気づきでしょうが、これは私が使った手です。

moto先生、
「連絡つかなかったらゴメンね!」で良いなら、好意ということで言い訳もつきますが、就業規則や労使協定に明記するなら、普通に事業所外の待機勤務で手待時間(労働時間)とするのが原則です。待機中は速やかに(電話指示による医療行為という)通常業務に就かなければならないという拘束を受けています。その中で条件をみたせば例外的に宿直が認められているとお考えください。ここでも、賃金無きところに拘束なしの原則は有効です。通達上では、月16日以上来院のある救急外来に宿直許可が認められるには、一晩に軽傷が2〜3人しかこない程度でないと無理です(医師、看護師ともに対応に要した時間が最大で1時間以下という条件をクリアしないといけないので)。

Yosyan先生、
強制労働省は、診療報酬をそのようにいじるでしょうね。ただし、開業医の早期引退や、保険医辞退者も強力に促すので、簡単にはできないはずです。とはいえ、KY(笑)な強制労働省なので、社労士と労働衛生コンサルタントを併せてとって、医療制度改悪で臨床撤退を余儀なくされたときの保険にしようと思っていたりもします。社労士務事務所経営のノウハウはありますのでプラス産業医資格で、質の高いクライアントの開拓を狙ってみようかと。

私も今は、人間的な生活を謳歌してます。昨日も子供連れてピクニックに行ってしまいました。しかし、夏の小児科診療所は本当に暇ですね。来週あたりから忙しくならないかな〜。

774氏774氏 2007/08/30 14:24
Yosyan先生
 「北播」にある日本のへそ病院では、開業医が休日当直に借り出され、なんと5万円です。同時間帯の麻酔科バイト料が10万円を超えるということで、大問題になりかけましたが、議会が内科医の宿直料を上げるのではなく、麻酔科医のバイト量を下げる方向をきめ、落ち着きそうです(木亥火暴)

moto先生:良かった、書いた後でしまったと思っていましたから。でも異様に興奮してらっしゃる様子で。

Chaimd 様
 かの地で先生のおっしゃる方法は通用しません。普通のどのような方法も通らない地域です。労組ですら七面打ちに合います。正面突破するしかありえない地域なんです。そういう土地が日本にはまだ残されているのです。私は労使交渉は絶対的に良いという方法は無く、地域に合わせて臨機応変に方針を決めるしかないと思っています。「北播 The north Harima at Hyogo prefecture」といわれる地域では、「自爆前提の特別攻撃」でしか要求を飲ませることはできません。刺した刺されたの世界というのは、新聞をよく読まれている人ならご存知と思います。かの地で研修をと思われる学生さんは、それぐらいの覚悟を持ってからマッチングに臨んで下さい。決して給与だけでは決めないように。

chaimdchaimd 2007/08/30 15:04
774先生、
日本には、もっと民度がマシなところがいくらでもあるのに、医籍に身を置きながら、そんな民度の地域で待遇改善の要求を飲ませる事が理性的な対応であるのか、やや理解に苦しむところではありますが、苦しまれている先生方には同情申し上げます。

東京のブロンクスと言われる足立荒川だって、やばければ可及的速やかに逃げることができます。贅沢言わなければ、周辺にいくらでも逃げ場があります。埼玉なんて非常勤でしけこむには申し分ないところですよ。本当に、学生さんは一生のことだから真剣に考えたほうがよさそうですね。午後診行ってきます。

774氏774氏 2007/08/30 17:17
chaimd 様

 少し疑問に感じます。労使交渉の仕方の話で、より良い方法があるとう事から、私が条件が悪いところにいるのが悪いと話が代わっている様に思われます。先生が御提示された方法が通用する地域は今後どんどん縮小していきます。政府が供給サイド重視政策を取っていますから当然なのですが、御自身の説に合わない話が出ると、その地域にいる人間が悪いという結論に至る論理的過程を御説明していただけませんでしょうか。国民全員が好きな場所に勤めてもよいという事になれば私にでも話は理解できるのですが、私は皇居に住めませんね。首相官邸中枢やイージス艦cicには勤められませんね。その辺りを御高説いただきたく、宜しくお願い申し上げます。

chaimdchaimd 2007/08/30 18:11 774先生、
ご不快に思われた部分がおありでしたら陳謝いたしたいと思います。いろいろ事情がおありなのでしょうが、刺した刺されただの、生命に関わる暴力に対面しつつ正面突破をしなければならない理由が、いまひとつすっきりと理解できないのです。組織を一人で変えることはできません。

私の例が拙いということでしたら、釈迦に説法で大変な失礼をし、ただただ平謝りするばかりです。ただ先生がおっしゃるのは、ある程度身の安全を確保しつつ、仲間を増やし、根回し交渉するという余地が無くて、孤軍奮闘対決あるのみ。他に選択肢はあり得ない土地で、余所者には分からんよ。ということでしたら、私は他にもっとマシな場所がありますよ。具体的には・・・ということです。

大変な地域で奮闘されている先生に、まったくもって余計なお世話を焼いて、不快な思いをさせてしまい。申し訳ございませんでした。

774氏774氏 2007/08/30 19:50  いえ、事情を察して下されば、何も怒る事はございません。計画逃散の準備はしていますがそんな簡単にはいきません。それまでは電撃戦を行い続けるしかありません。こちらこそ御不快なレスをしてしまい申し訳ありませんでした。

法務業の末席法務業の末席 2007/08/30 22:24
chaimd様、社労士の受験勉強をなさっているそうですが、開業社労士である当職から一言。
あなたの言われる36協定は労基法第36条に基づく労使協定であり、1年単位の変形労働時間制を採用するにあたって締結が必要な労使協定は労基法第32条の4に基づく労使協定で、全くの別物です。36協定での360時間の上限は、雇用主が労働者に時間外労働を強制出来る上限時間数であって、1年間の変形労働時間制とは全く別の規定です。

また、変形労働時間制を採用した場合においても全ての週を平均した所定労働時間は週40時間以内でなければならず、全ての期間において週40時間以上(例えば週48時間)の労働時間とすることは出来ません。その結果、1年間の変形労働時間制を採用した場合の年間労働時間の法定上限は2085.7時間とされており、この2085.7時間を52週と1/7(年365日は52週と1日)で割って得た週平均の労働時間数は40時間となります。

更に8時間を超える労働時間での場合、手待ち時間ではない労働者が原則として自由に利用できる休憩時間を1時間以上与えなければ違法となります。この休憩時間の規定は労基法 第34条に規定されており、chaimd様の言われる手待ち時間は昭33.10.11基収6286号という行政通達にて示されていますが、法第34条の休憩時間を手待ち時間に置き換えることは許されません。

その他にもchaimd様の投稿には法令を誤って理解されている部分が見受けられます。このブログは医療問題をテーマとするお医者様のブログですのでこれ以上の言及は控えますが、試験にも合格していない無資格者が誤った法律知識を開陳するのはお止め下さい。

chaimdchaimd 2007/08/31 00:03 法務業の末席さま、
もう一度よく読んでみていただけませんか?労働時間の延長は36協定を結んで、変形労働制の上限を超えた分(以上ではありませんよね?)は割増賃金を支払うということですよね。所定労働時間を何時間と書かなかったのは、おそらく1ヵ月単位の変形労働制になると予想されるからです。(その時点で、ちゃんと36協定と変形労働制の違いは分かっているということです)それでも週48時間だと、36協定を結んでも総労働時間が57時間超過してしまう(免罰されない)。で、57時間分は夏休みをとる。

休憩時間についても違法と記述しました。でも、休憩時間については1人夜勤だと無理なんですよ。最低2人夜勤にしないと、空白の1時間が生じてしまう。それだって一斉取得の原則には反し、協定を結ばなければなりません。さらに言えば、一方が休憩中だから、2人の手が必要な患者の依頼を断れと言われてもですね、無理なんですよ。モデル事業が1〜2人当直を想定しているとのことですから、この時点で「ああ、休憩時間には目をつぶっているのだな」ということです。34条を通達で弄るのは相当な無理があると思いますが、1人当直を押し通すなら通達で弄れるように法改正を立法府にお願いするかもしれませんね。いままでの労働行政からすると、現状で「違法状態を知ってて放置」ですから、そのままばっくれると思いますが。

774氏774氏 2007/08/31 00:45
 まあまあ、とにかく労基法32条も36条も満たしていなのに、宿直医に夜間奴隷無償救急(責任は自発的に応じた医師故人に負わされる)を強いたり、強制的自発的無償休日出勤や、無給の24時間365日拘束(オンコール)を要求している病院はさっさと労基署か裁判所に通報するべきと言うことでよろしいですか。

 ところで、みなさん一回で認証を通っているのでしょうか。こちらでは3回に1回ぐらいしか通りません。かなりイラつきますわ。おまけに数字は読みにくいし。

chaimdchaimd 2007/08/31 01:38 地方の労基署は、院外待機が手持時間に相当するかどうかで、結構ごねますぜ逃げますぜ。担当者の名前は必ずチェックです。で、逃げられたら労働局に直で、タイムカードと受診時間、基発第0319007号、基監発第1128001号を合わせて持っていけば、逃げ場は無くなります。こっちはまず動くんじゃないですかね。賃金不払いは結構腰が重いので、労働時間で攻めた方がはやく動いてくれます。戦略は774先生なら、ご自分で考えた方がよろしいかと。

うちの大学も東京労働局からしょっちゅうつっつかれてました。あ、私は通報していません。通達にしたがってまじめに仕事しただけだと思います。でも、それで診療体制が維持できないとかいう話になると、診療体制が優先されるのが世知辛い世の中です。それでも2〜3ヶ月に1度はまじめにネチネチつついてくれていました。うちではなく、ギネを(笑)


それから、労基法34条については「休憩時間は完全に自由。しかし来院があったため医師法19条に従い自主的に診療した」というのが労働時間に含まれないのでは、労働者保護にならない。ということで、休憩時間確保の努力規定でも入れてもらって医師法19条の勝ちということでOKなような気がしてきました。休憩時間中の医師が診療拒否しても医師法19条に抵触しないという絶対的な確約があれば話は別なんですけどね。こうなると弁護士の領域ですね。いやいや、都合の悪い判決を出す裁判官に合わせて考えないといけないから、無難に医師法19条の勝ち。素人はこれでいいです。

某勤務医某勤務医 2007/08/31 03:06 徳島日赤では、
これだけの数の時間外患者の受診と入院があり、さらに分娩立ち会いまでしていて、準夜帯は一人で本当に処理可能なのでしょうか?

774氏774氏 2007/08/31 06:26 法務業の末席 様

 ここは不規則発言ブログですから(失礼)、発言を慎むよう勧告するのではなく、間違いは間違いでプロが教えてあげますという余裕のある態度が好まれます。医療界では小さな院内勉強会でも大きな学会でも、若手で経験が浅くて専門外でも、発言は自由、ただし理論構築や反論に絶えられなかったら没、という慣行があります。どんな意見でも一度は聞こうという、理系に共通の慣行です。このあたりはご理解下さいますようお願いします。私も好き放題書いていますから、間違いは書くなと言われるとグサッと来ますんで(笑)

認証通らない問題は、cookieのレベルを下げると解決しました。

chaimdchaimd 2007/08/31 12:49 法務業の末席さまにつっこんでいただいて、医師と労働基準法の落としどころについて素人なりにせよ、解釈を新たにできたのは大きな収穫でした。願わくば、見捨てずに適宜つっこんください。お願いします。