新小児科医のつぶやき

2007-08-30 嫌だけど検証

後から言うのは卑怯ですが、8/29に合わせたように小型の奈良事件のような報道が為された事に違和感を感じています。もちろん8/29早朝に偶発的に発生した事件ですから、「計画的」なものではないでしょうが、日付と事件の類似性に嫌な感じを抱いています。嫌な感じとは、単純にはマスコミ側の奈良事件支援キャンペインですし、深読みすれば、ネット医師が飛びつきそうなネタを曝しておいて、集まったところで根こそぎ叩き潰すような二段報道の懸念です。m3事件に象徴されるように、医師のネット世論には警戒心が抱かれ、なんとか封じ込めたいの意図はヒシヒシ感じるからです。

最初から計画的ではなかったのであろうは、毎日の初期報道にあります。これはssd様のところに残っています。

奈良から救急搬送の妊婦が流産 10病院受け入れ断る

 29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、奈良県橿原市の妊娠3カ月の女性(36)を搬送中だった中和広域消防組合(橿原市)の救急車と、大阪府茨木市の宅配業の男性(51)運転の軽ワゴン車が衝突。女性は高槻市消防本部の救急車で約40分後、約4キロ離れた同市内の高槻病院に到着したが、流産が確認された。女性らにけがはなかった。事故と流産の因果関係は不明だという。

 女性は事故の約2時間半前の同日午前2時40分ごろに橿原市内で腹痛と出血を訴えて119番通報したが、受け入れ可能な病院が見つからず、そのまま救急車内で待機。10病院、延べ12番目に問い合わせに応じた高槻病院へ向けて出発するまで約1時間半かかっていた。

通報現場から病院までは直線距離で約40キロ離れていた。

 奈良県では昨年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明になった高崎実香さん=当時(32)=が19病院から転院を断られた末に死亡しており、産科医療のあり方が改めて問われそうだ。

 高槻署や中和広域消防組合などによると、女性は知人男性とともに近所のスーパーで買い物をしている最中に突然、腹痛を訴え出血。同日午前2時44分、知人男性が「過去に流産している。今も妊娠しているが、切迫流産しているかもしれない」と119番した。女性にかかりつけの医師はなく、通報を受けた同組合が県内の空きベッド情報を確認したところ、県立医大病院(橿原市)にベッドがあったものの「手術中で対応できない」と断られたという。 消防組合は大阪府内の病院に受け入れ要請を続けたが、難航。10病院、延べ12番目に問い合わせに答えた高槻病院に搬送することが決まった。その間、救急車はスーパーで待機。出発できたのは午前4時19分だった。

 高槻署によると、救急車は赤色灯をつけて直進、青信号で進入した軽ワゴン車と接触したという。救急隊員3人と軽ワゴン車の運転手にけがはなかった。

 妊婦の救急搬送をめぐっては、近畿2府4県と福井、三重、徳島の知事でつくる近畿ブロック知事会議が、各府県が協力して出産前後の妊婦の搬送や受け入れ体制を確保することで合意している。

(2007/08/29 10:33)

かなりまとまりの悪い記事で、搬送要請先の数とか搬送時間は妙に詳しいのですが、正体不明の知人の男性が出てきたり、読むほうに妊娠3ヶ月の女性がなぜ深夜スーパーで買い物をしているのかの、週刊誌的な興味を掻きたてさせる記事です。この毎日記事は短時間のうちに改変を重ねるのですが、患者女性のプライベート部分はさすがに消えていくことになります。

それと末尾に書き添えてある一文も記事全体の整合性とやや矛盾します。ほぼ中段あたりに、

    産科医療のあり方が改めて問われそうだ。

このニュアンスはその後の各社の報道に基本的に引き継がれています。ココロは単純に「もっと素早く的確な対応が出来ないのか」です。ここについての論評はもう散々行われているみたいですので省略しますが、末尾の、

    妊婦の救急搬送をめぐっては、近畿2府4県と福井、三重、徳島の知事でつくる近畿ブロック知事会議が、各府県が協力して出産前後の妊婦の搬送や受け入れ体制を確保することで合意している。

この一文は行政側が妊婦搬送の対策をどう考えているかです。読めばそれまでで、単一府県内で対応できない時の為に、近畿ブロックと言う広域で対応しようと言う考えです。しかしこの対策をよく読んで考え直すと、妊婦は緊急時に同一府県内で対応できないことがあると宣言しているのと同じ意味です。同一府県内で対応出来るなら、広域連携はそもそも不要です。

そうなると今回の妊婦は奈良で流産騒動が起こっていますが、奈良県内で対応できないことがあるのは行政レベルではっきり認めている事です。もちろん現実ははるかに先行しています。奈良で搬送先が見つからないときには、搬送先は近畿ブロックに広がります。今回は橿原から40km先の高槻に搬送先が見つかりましたが、近畿ブロックで対応した場合、搬送先が最終的に徳島や福井になってもシステム的にはOKになります。広域連携とはそういう事も意味します。

毎日記事は改変が短時間で繰り返されていますが、ほぼ最終記事と見られるものでは、

 29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、妊娠3カ月の奈良県橿原市の女性(36)を搬送中の救急車と軽乗用車が出合い頭に接触した。搬送先の高槻市の病院で、胎児の死亡が確認された。女性は119番から車中で約1時間半も受け入れ先が決まらず、橿原市から約41キロ離れた高槻市の病院へ運ばれる途中だった。昨年8月には、奈良県の妊婦が転送先が見つからずに容体を悪化させて死亡しており、周産期医療の救急体制の不備が浮き彫りになった。

 府警高槻署の調べでは、軽乗用車は大阪府茨木市の自営業の男性(51)が運転、他にけが人はなかった。同署は事故と流産の関連を捜査している。

 女性は同日午前2時44分ごろ、橿原市内のスーパーマーケットで買い物中、「下腹部が痛い」と訴え、同居の男性を介して119番通報した。奈良県の橿原消防署(中和広域消防組合)の救急隊員は同県立医科大に受け入れを要請したが、「手術中のため不可能」と回答された。このため、同消防署は大阪府内の産婦人科などに要請したがいずれも「処置中」などを理由に断られ、10施設目(連絡は延べ12回目)の高槻市の病院に決まったのは同4時19分だった。

 同消防署などによると、女性は搬送中の午前5時ごろ、救急車内で破水し、約10分後に事故に遭った。病院に搬送されたのは同5時46分だった。

 同消防署予防課は「事故による容体の変化は見られなかった。流産との関連は警察の捜査に委ねたい」と話している。

 昨年8月、大淀町立大淀病院で、分娩(ぶんべん)中に意識不明になった妊婦が転送を同県と大阪府内の19病院に断られた末、約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)に運ばれ、約1週間後に死亡した。国は今年度中に、総合周産期母子医療センターを整備するとしていたが、奈良県など4県で困難な状況に陥っている。

 奈良県では、緊急に高度な治療を要する妊婦を県外の病院に転送する比率が、04年で約37%に上り、全国最悪のレベルだった。母体・胎児の集中治療管理室(MFICU)を備えている病院も、県立医科大学付属病院(橿原市)と県立奈良病院(奈良市)の2カ所だけ。

 奈良県は未整備だった「総合周産期母子医療センター」を来年5月に設置し、母体や新生児の救急搬送に対応する予定だった。

相当手直しされたのがわかります。患者女性のプライベートはかなり伏せられ、「同居の男性」というマイルドな表現に変わっています。その代わりと言っては悪いですが、初期にあった「女性にかかりつけの医師はなく」が消し去られています。それと初期報では末尾にあった近畿ブロックの広域連携の話が消え、代わりに奈良の周産期医療の状況が加えられています。

時間をおいて練り直せるのがネットの特性ですが、ここも末尾の文章が妙です。

     奈良県は未整備だった奈良県では、緊急に高度な治療を要する妊婦を県外の病院に転送する比率が、04年で約37%に上り、全国最悪のレベルだった。母体・胎児の集中治療管理室(MFICU)を備えている病院も、県立医科大学付属病院(橿原市)と県立奈良病院(奈良市)の2カ所だけ。

     奈良県は未整備だった「総合周産期母子医療センター」を来年5月に設置し、母体や新生児の救急搬送に対応する予定だった。を来年5月に設置し、母体や新生児の救急搬送に対応する予定だった。

3ヶ月の流産騒ぎでMFICUや周産期センターは不要で、ごく普通の産科で対応は必要にして十分です。たしかに去年の奈良事件クラスであればそこまで必要ですが、今回は申し訳ありませんがはるかに軽症なのです。問題は高度医療が未整備な事ではなく、通常医療も手薄を越えた状態であることなんです。指摘点がかなりずれていると感じます。これも言ったら悪いですが、3ヶ月の流産騒ぎまで「総合周産期母子医療センター」にドンドン運び込まれたら瞬く間にパンクします。

「総合周産期母子医療センター」といえども万能の巨人ではなく、受け入れ能力には上限があり、ここも満床になれば、マスコミ用語で「受診拒否」をします。「総合周産期母子医療センター」さえできれば産科の問題はすべて解決みたいな論調は控えてもらいたいものです。

続報記事は大切なんですが、8/30付の読売新聞の記事には驚かされました。天漢日乗様のところにあったのですが、

妊婦死産、かかりつけ産科医なく搬送先決定遅れる

 出血などの症状を訴えた奈良県橿原市の妊娠中の女性(38)を受け入れる病院が見つからず、死産した問題で、女性にかかりつけの産科医がいなかったことがわかった。医師から要請のあった妊婦については受け入れ病院を探す仕組みがあるが、今回は、消防が各病院に直接受け入れを打診せざるを得ず、搬送先の決定に時間がかかったとみられる。奈良県は「かかりつけ医のいない妊婦の搬送は想定外」とし、制度上の不備がなかったかどうか検証する。

 奈良県によると、危険な状態にある妊婦らを対象にした周産期医療ネットワークがあり、県立医大病院などを窓口に受け入れ先を探す。新生児集中治療室などを備えた43病院がパソコン端末で空床状況などを共有する大阪府の「産婦人科診療相互援助システム(OGCS)」に協力を求める仕組みもある。しかし、原則として、かかりつけ医の要請に基づく病院間の転送に限られている。

 女性にはかかりつけ医がいなかったため、救急要請を受けた橿原市の中和広域消防組合は、こうしたシステムとは別に受け入れ先を探した。同県立医大病院に要請したが、多忙などを理由に断られ、大阪府内の各病院へ連絡。10か所目の高槻市内の病院がようやく応じた。この間、女性は救急車内で待機させられた。

 救急車は同市内で事故を起こし、病院到着は119番通報から約3時間後だった。女性は当初、妊娠3か月で事故直前に流産したとされていたが、病院の診断で妊娠7か月とわかったという。

 消防の受け入れ要請を受けたOGCS加盟の大阪市立総合医療センターは「OGCSを利用した転搬送であれば受けられると回答した」と説明している。

 この日、記者会見した奈良県健康安全局の米田雅博次長は「かかりつけ医のいない妊婦への対応策を検討していきたい」と述べた。

(2007年8月30日 読売新聞)

毎日新聞は改変を繰り返しながら事件記事を流していましたが、流産女性の年齢が毎日の36歳でなく、38歳であったと報じています。さらにこれは毎日の責任とは言えませんが、流産女性は3ヶ月でなく7ヶ月であったの事です。妊娠月数(週数)は産科において重要な意味を持ちます。3ヶ月と7ヶ月なら対応が天と地ぐらい違うと言っても良いとおもいます。小児科であれば3ヶ月の流産騒動は無関係ですが、7ヶ月ならフルスタンバイで緊急出動します。

あくまでも個人の問題ですから、妊娠して産科受診しようがしまいが自由です。出産の時に自力で出産しようが、助産師の手にかかろうがこれも自由です。ただし産科のfollowを受けていなければそれだけリスクが高くなるのは自己責任です。古い記録ですが、産科が出産にほとんど関与せず、産婆が主力であった明治32年のデータでは新生児死亡率は1000人当たり77.9人です。今回の事件のような周産期死亡率は最も古い昭和54年のデータで1000人当たり21.6人です。

現在の周産期死亡率は1000人当たり5.5人まで減少していますが、これは日本人女性が勝手に強くなったわけではなく、産科医が不断の努力を延々と積み重ねた努力の結晶です。産科医の手にかかっていなければリスクは当然高まります。そのうえ38歳の高齢妊娠ですから、飛躍的に危険度は高まると言っても良いでしょう。

これはDr.Pooh様のところにあった、「脳と心の謎に挑む新進気鋭の脳科学者」茂木健一郎氏によるコメントの一部ですが、

 これだけ文明化した我々の生活だが、生まれてくるときは人は裸である。そこは文明が関与できない。人工子宮なんて当分できなだろう。子供が生まれてくるというのは、もともと人間が持っている動物としての力というか、自然の力を一番問われるところだ。人間の持っている自然の力を見直すという意味で、出産について考えるというのは良いモデルケースだ。

こういう人たちの主張を信じて「自然の力」を誤認したのであれば悲劇です。「自然の力」なんて美しい字面だけ見ると、すべてはそれで救われると思えそうですが、「自然の力」は時に無慈悲で残酷です。自然淘汰に生き残れないものは容赦なく切り捨てる面があります。その自然の無慈悲な面に産科医は戦いを挑み着々と成果を上げてきたのです。

また産科医であっても「なんでも救える」わけではありません。産科医が努力を重ねているのは、今回のような流産(7ヶ月なら死産)騒動が起こらないようにすることなんです。起こってしまえば産科医と言えども手の施しようがない事は多々あります。もちろん産科医が普段から管理しても流産(死産)は防ぎきれるわけではありませんが、「自然の力」に較べて1/4以下に減らすことは出来ています。

最後に奈良県健康安全局の米田雅博次長の言葉です。記者会見なのでこう答えるしかないのはわかりますが、

    「かかりつけ医のいない妊婦への対応策を検討していきたい」

無難と言えば無難なものですが、できればこう答えて頂きたかったと思います。

    「産科医不足による産科医療の危機はもはや県レベルで対応できるものではなく、国民全体に関わるものとして対応策を検討して頂きたい」

shy1221shy1221 2007/08/30 11:00 1ゲト! 同じネタなのでトラバさせて頂きました。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/30 11:11
刑事では胎児は人と扱われるわけですが「かかりつけ医」をもたず、産科検診を怠る妊婦は、胎児を虐待しているともいえる、そういう風に世論をもっていったほうが、よほど有意義だろうにな。
避難されるべきは、かかりつけ医のない妊婦を想定しないシステムの不備ではなくて、妊婦自身であるべきです。妊婦は被害者であるかのようですが、よく考えてみるとこのケースでは加害者的色彩のほうが強いのではないでしょうか?
そこのところ、なんで、マスコミは突っ込まないのだろう・・

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/30 11:16
×避難→○非難
大衆迎合主義も、ここまでくると、新聞も堕ちたものだと、痛々しい。
ていうか、まるで、旧共産圏や中国の思想統一のごとく、「たらいまわし」の連発。ひょっとしたら、本当にアタマ悪いのか?
考える力ってのがマスコミから欠落してきているとしたら、そのことこそが由々しき問題。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/30 11:20
奈良県警も、産婦人科医じゃなくて、この妊婦を胎児虐待で取り調べくらいしろよ。7ヶ月なら立派なヒトだろ?刑事的には。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/30 11:45 細切れ連投ですみません。合間合間に書いてるもので・・。
そういえば、自然分娩の吉村医院のCPDで児死亡のときにも思ったけど、あれも被害者がいないようで、実はいる。それは胎児。
胎児の人権の扱いは国によって違いますが、日本、もうすこし、厳しくてもいいんじゃないだろうか?

YosyanYosyan 2007/08/30 11:59 moto-tclinic様

珍しくexciteしてますね。後で読み直しながら考えているのですが、毎日はこの事件の一つの鍵である妊婦健診を受けていなかった事を消しにかかっています。これが消え去れば奈良事件とほぼ類似の構図に変わります。どうもそこに向かっての記事改変が行なわれているかと考えます。「かかりつけ医」がいない事を隠蔽すれば、悪いのは医師だと誘導できます。

読売はそこまで奈良事件にこだわることは無いので、「かかりつけ医」がいなかった点をごく普通に取り上げています。重点は搬送先が無かった事に置かれてはいますが、事実として、死産妊婦が妊婦健診を受けていない事を健康安全局次長まで引っ張り出して確認しています。

もう何度も触れたことですが、医療事件記事では犯人を作ることがマスコミの命題です。もちろん「誰か」ではなく、「医者が」に全力が傾注されます。そこでどうしても医師を犯人に出来ない時には、記事にならないと理解したらよいと考えています。毎日が「かかりつけ医」を消したのは、これがあると「医者が」の焦点がボケると判断したと考えています。

本当に疲れます。

DrPoohDrPooh 2007/08/30 13:29 TBありがとうござます。
毎日新聞社は奈良県の産科医療崩壊に関しては当事者と言っていいと思います。客観的な報道は期待できないかと。

こんたこんた 2007/08/30 13:30 当の妊婦が、産科にかかりたくても、奈良では大淀の報道以後、産科が崩壊してしまいかかれなかった。と発言したら、犯人は産科を崩壊させたM日新聞となりますが..

一産科医一産科医 2007/08/30 14:17 厚生労働相がなんか張り切っていましたが、きちんと検証してほしいです。
1)救急隊の現場到着時は妊娠週数(月数)はどう評価していたのか?
 当初報道で「3ヶ月」という数字が出たのは、このときの数字だと思われます。
 推測ですが、本人または知人男性が「妊娠3ヶ月ぐらい」と救急隊に伝えたのではと思います。
2)救急隊は県立医大への一報時に、妊娠週数をなんと伝えたのか?
 「3ヶ月」と伝えたのであれば、12週未満ですので受ける側としては「初期の流産」と判断するでしょう。それなら「後にしてくれ」と考えたとしても不思議はありません。また、周産期センターで見る必要性もありませんから、忙しければ他の病院で見てもらいたいとも思うかもしれません(他に見る病院がないというのは当直医にはすぐにはわからないし)。
3)妊娠20週(あるいは24週)と判断したのはいつなのか?
 いつまで救急隊は「3ヶ月」と考えていたかです。救急隊員にUSGが出来るわけではないので、「3ヶ月」の割にはおなかが大きいな〜、とでも思わない限り、訂正するときはありません。
経過からいくと、破水したときか(事故10分前)児が娩出されたとき(事故との前後関係は良くわからない。事故後、高槻消防署の救急車が到着したときはすでに娩出されていたようですが。)かな、とは思いますが、実際はどうだったのか?

当然ですが、妊娠週数を救急隊員が正確に把握できなくても、隊員にもちろん責任はないと思います。今回は週数が正確に判定できなかったのは、患者が未受診だったところに一番責任があると思いますので(受診していれば妊娠月数がまったくわからないということはありえないでしょう)。
今回、当初から「6〜7ヶ月の妊婦の下腹部痛・出血」という情報があれば、県立医大やOGCSといったシステムが稼動して、受け入れ先がもっと早く見つかった可能性もあると思います(NICUがなくて逆になる可能性もありますが)。

で、もし、県立医大がとにかく全部受けろというのであれば、常に人員とベッドに余裕を持っていなくてはなりませんから、そのために大臣にはぜひとも予算措置をお願いしたいですな。つまり、2時間365日、ベッドが幾つか空いていても収入が保障され、また、複数の産科医が何もないときは暇そうにしていても文句言われないだけの体制と収入が病院に保証される、そのための予算措置ですよ。
新大臣、頑張ってください。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/30 15:45 >Yosyan様 774氏様
興奮しているわけではなく、再診とかレーザーとか、チマチマした患者が続いてて、書きたいのに、ちょっとしか書けない、ってストレスあったかも。
読み直してみると、確かにやや怒ってますね(笑。

ここで、産婦人科学会なんかが登場して、「メタボ検診を義務化するくらいなら、妊婦検診も義務化すべきである」と声明を出すべきだと、わたしは思うんですよ。「奈良妊婦衝突事故によせて」という題目で、記者会見を開く。すかさずやらなきゃ駄目です。
PS:「妊婦検診の義務化」でググると、メタボ検診やがん検診の義務化ばかりが引っかかりますね。

近隣医近隣医 2007/08/30 15:52 >2)救急隊は県立医大への一報時に、妊娠週数をなんと伝えたのか?
>今回、当初から「6〜7ヶ月の妊婦の下腹部痛・出血」という情報があれば、
あくまで伝え聞いた情報ですが、奈良医大には「妊娠の可能性がある」というあいまいな情報はあったものの、「妊婦」である事実すらきちんと伝えられなかったようです。「女性の下腹部痛」だけなら、そりゃ後にしてくれとか言いますよね?っていうか、そんな一般救急を周産期センターが受ける理由もないわけですし。
ただ、奈良は女性の病気の救急は妊娠に関係なくてもかなりのものを奈良医大の、それも産婦人科が押しつけられるのが常態化していたようです。それで莫迦救急も甘く考えてそういう電話の仕方をしたのでしょう。医大の産婦人科医、いつ会ってもボロボロになっています。

YosyanYosyan 2007/08/30 16:07 一産科医様

これは中間管理職様のところに入れたコメントの焼き直しになるんですが、マスコミが騒いでいる焦点は完全に外れています。マスコミの焦点は、

 1.応需できなかった病院の犯人探し
 2.救急隊のあら捜し

重点は1.でせいぜい2.ぐらいまでで思考停止しています。朝日が奈良医大に2床受け入れの余地があったと鬼の首を取ったようにはしゃいでいますが、これは奈良事件と疾患の重症度が違います。結果的に「7ヶ月らしい」の情報が流れていますが、関係者は3ヶ月の流産ですべて動いているのです。

この3ヶ月も救急隊の責任とさえ言えません。おそらく男性ばかり(女性がいても)患者が「3ヶ月」と言えば信用します。下手すると医師がいても信用します。辛うじて産婦人科医がいれば「最終月経は・・・」程度の確認をするかもしれませんが、見た目だけでは「これは7ヶ月」みたいな事はまず不可能で、救急隊員に責任は無いと考えます。

3ヶ月の流産なら一次救急クラスです。奈良医大もバリバリの三次救急の奈良事件の妊婦クラスを断ったわけではないのです。救急隊が応需の要請を行なった順番が不明ですが、奈良医大とて他に搬送先が無ければ応需します。そのためには他の奈良県内の搬送先をまず確認するのが順番です。すべて搬送が不可能と確認し、さらに他が搬送不可能である事を伝えた上で要請したかどうかが問題です。

仮に奈良医大がすんなりこの妊婦を引き受けていれば新聞沙汰にもならなかったのでしょうが、救急隊から奈良県内の搬送状況を聞かされていなかったら、それこそ奈良事件のような妊婦のために、貴重な三次救急ベッドは確保しようと判断します。

奈良事件は疾患の重症度から特異なものではあります。しかし今回の事例は情報からの応需の条件からすると、ありふれた事例です。一次救急からせいぜいニ次救急で十分対応できる事例なのです。

「かかりつけ医」がなかったという条件があったにしても、このクラスの患者でさえ、容易に受け入れる事が出来なかった事が最大の問題点のはずです。そこまで奈良の産科事情は追い詰められているという事です。ここが阿呆でも見えるはずの重要なポイントです。

次にこれが奈良県だけの特殊事情かどうかです。奈良が全国でも弱体の部類に入るのは確かですが、ダントツの弱体ではありません。他の都道府県で今や万全といえるところはありません。奈良は例の新聞社が粘着して有名ですが、首都圏であれば神奈川よりマシかどうかの比較は私には言い切れません。

阿呆でも見える奈良の事情がわかれば、水準程度の知能があれば他の都道府県の産科事情がどうなっているか思考が回るはずです。回らなければ水準以下の知能という事になります。また水準よりもう少しだけ知能があれば、こういう事は産科だけの事情か他の診療科は大丈夫なのかを考えなければ嘘です。

今回の事例は例えれば森の中の木が枯れそうかどうかだけしか見ていません。その木が枯れた原因を木だけを見て論じています。真の問題点はそこではなく、森全体が枯れかかっている事です。

マスコミは木しか見えていない阿呆です。新任の厚生労働大臣はどれほどの知能があるんでしょうか。せめて阿呆でないか、水準並みの知能が欲しいところです。あれでも一国の大臣です。

う〜ん、あきまへんな、新厚生労働大臣にそこまで期待するのは「過剰」ですね。

ssdssd 2007/08/30 16:14 この報道の動きは「シュレーディンガーの猫の入った筺」ですよ。
開けていくとどんどん死体の猫が出てくる。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/30 16:35
閑話休題。海の向こうでは、こういうほのぼのとしたニュースもあるようです。
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[ロサンジェルス 5日 ロイター] エイプリル・ブラナムさん (39) は、先月28日に健康な男の子を出産する2日前まで、自分が妊娠しているのに気がつかなかったそうだ。彼女の体重は180キロ以上ある。
ロサンジェルスの南ガーデングローブに住むブラナムさんは2月26日、胃痛を訴えて地元の救急治療室に入ったところ、おなかに生まれる寸前の胎児がいることがわかった。
ブラナムさんの腹部のレントゲン写真を撮影して赤ん坊を発見した医師たちは、胎児検診のために彼女を近くのカリフォルニア州オレンジにあるUCIメディカル・センターに回した。
診察の結果、欠陥は全く検出されず、2日後の2月28日、ブラウンさんは体重3.4キロのウォルター・スコット・エドワーズ3世くんを帝王切開で出産した。
「私は疲れていますが幸福です。しあわせは疲労を埋め合わせます」と、ブラナムさんはロイターに語った。また彼女は、体重がおよそ225キロあった7年前に受けた胃バイパス手術がうまくいかず苦しんでいたそうだ。手術を受けても期待していたほど体重は減らず、肌がたるんでしまった、と彼女は言う。
「ちょうどそこに赤ん坊がおさまっていたの。彼は皮膚の中にいたから、私は彼がいるのを感じませんでした」
ブラナムさんはガーデングローブで婚約者のウォルター・エドワーズ2世さんと同居している。彼女は何年も前に子どもを持つ望みは捨てていたそうだ。
「経閉がはやく来たんだと思っていました。つわりだとか妊娠の兆しは全然ありませんでした」
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メタボ検診も妊婦検診も義務化が吉かと。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/30 16:46
こちらに、幸せそうなApril Branumさんが写真入りで出ています。
http://media.www.dailytitan.com/media/storage/paper861/news/2007/03/08/News/Garden.Grove.Woman.Gets.7.Pound.Surprise-2764962.shtml
う〜ん、これは、たしかに気が付かなかったかも。

774氏774氏 2007/08/30 17:34
 まあ、別に病気は(企業検診での異常を除き)最期まで医師にかからなくても構わないのですから、特に出産は助産院での自然分娩が流行ですから、まともに自費で検診を初めから受けている、健康に気を使うまともな妊婦さんの邪魔をしないでくれ。

 シュレーディンガーの猫の話がでましたが、古典的(コペンハーゲン)解釈より、多元宇宙解釈が正解で我々医師がいないあっちの宇宙に行ってくれる事を希望する。

tadano-rytadano-ry 2007/08/30 17:37
お久しぶりです。たまたま今日奈良医大に行ってきて話を聞いてきました。午前2時55分に消防から連絡のあったのですが、その1分前に別の妊婦さんが搬送されたらしく、さらにその少し前に緊急帝切になった妊婦さんが病棟に上がってきた直後で、2人の当直の先生ではとても対応できる状態ではなかったようです。その後午前4時に再度要請があったのですが、このときは先の妊婦さんのオペ中で対応できなかったようです。さらに今度は高度救急救命センターに連絡があったそうなのですが、さすがに妊娠三ヶ月の切迫は3次救急である高度救急救命センターの適応ではなく、産科医もいない状態ではどうにもならないと返事したようです。

ただ産科の方に直接聞いた話ではないので、多少の誤りはあると思います。

774氏774氏 2007/08/30 17:56
Yosyan先生、産科先生方

 奈良県もですが、兵庫県も但馬・丹波・北播磨は似たような状況です。最近では阪神間という京浜地方なみ(には及ばないや)の大都市群も、京浜地方なみに産科・小児科撤退のニュースが相次ぎ、大阪はひょっとしたら奈良だけではなく旧丹波や摂津までfollowしなければならないかもしれません。場合によっては、播磨も。その大阪も南部は兵庫や奈良よりも先に崩壊していると別ブログで聞きました。

 新厚生労働大臣の下で、どの程度出生率が回復するか、周産期死亡率の上昇が防がれるか、本当に見ものですね。彼(ら)はそれらの数値が悪化すると自らの行政責任(ですよね?)を、マスコミを通じて巧妙に絶対に現場医師の責任に転嫁してきますから、まともな医療系ブログが真実を発信し続ける事こそが大事になって来ていると思われます。

(私もブログを開いてもいいのですが、あいにく作文は苦手なのでして(moto先生から、絶対に反論されそう)、また常人にはついていけないヲタ系単語が並ぶやも知れません)

 これは、アメリカを見ていて思った事です。米政府はマスコミを使って、中流階級の敵対心を貧困層に向けさせ、意図的に福祉・セーフティーネットを廃止させておいて、いざ経期・財政政策のために中流階級のほとんどが破産などで貧困層入りして、福祉・セーフティーネットが無くなっていると苦情を発しようが、米政府は「中流階級が自ら望んで各種制度を廃止させた」と言いまくっています。現場医師に責任転嫁されることだけは避けたいと思います。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/30 18:00
「シュレーディンガーの猫」は知りませんでした。Wikiで調べましたが「診断とは確率である」みたいなことかな?
猫といえば、台湾に「猫カフェ」というのがあったんですが、最近日本でも流行りだしたそうな。名古屋にもあって、一昨日行ってきました。
あれは、男の人が、おさわりバーに飲みに行くのの、ホステスが猫になったようなものですね。朝5時までやってて、深夜働くお姉さんが、癒しを求めにいくのかも。ホスト通いよりは、よほど健全そう。
台湾では「点滴バー」ってのも流行ってましたね。ウエイトレスがナース服で、テーブルの真ん中に点滴が下がってて、そこから真っ赤なカクテル(赤ワイン?)を三方活栓開いてグラスにつぎます。そのうち日本でもはやりそう。

ssdssd 2007/08/30 18:20 いや奈良の産科がうまくいってるかどうか。
マスコミがカンサツすると、収束してうまくいっていないと言うことになるのですな(w

実際は、所与のリソースで必死にやってるのでしょうに。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/30 19:02
うーん、数式がさっぱり理解できないんで、自信はないですが、「古典的(コペンハーゲン)解釈」とか「多元宇宙解釈」のWikiは読みました(^^;。
しかし、こんなん読んでると、脳に悪くないだろか?
自分としては、自分の能力で理解できる数式(ていうか算数か?)の世界までで「観測」は留めときます。

tadano-rytadano-ry 2007/08/30 19:24
シュレーディンガーの猫は論理的には矛盾なく説明できます(マクロの世界では半分生きていて半分死んでいるという状態は存在しないので、ミクロの世界の解釈をそのままマクロの世界に結びつけることは出来ない)が、量子力学で解釈しようとすると難しくなります。しかし現在の量子力学では矛盾なく説明できています(説明は果てしなく長くなるので、ファインマンの経路積分あたりで検索をかけてみて下さい)。

BugsyBugsy 2007/08/30 19:29
あれだけ厚生労働省のお役人が固執した「自分達の統計では医者は充足している。足りないと言うなら大学でろくすっぽ臨床をせずに研究している医者が出てくればいい。」という主張でしたが、奈良県立医大の実情をどう思うのでしょうね。
病床が空いていたと鬼の首を取ったように各マスコミが叩いていますが、そもそも夜間救急に全て応需できる余裕がないのは明らかです。
今回奈良県立医大を叩いたら奈良県の産科医療がどういう状況に陥るのかという理解力の無さをあきれています。そろそろ最後の砦でしょう?
そもそも奈良県でドクターバンクを作って何人応募したんでしたっけ?
時間外労働を医師が訴えでて 県当局はどういう対応をしましたっけ?
奈良県の救急車が何割ほど県外、おもに大阪府に向かわざるをえないんでしょうか?

医師側を責めて問題が解決する臨界点はとっくに超えていますよ。
夕方のテレビのニュース番組も報道していましたが、各社とも似通った内容でうんざりしています。

774氏774氏 2007/08/30 20:12 moto先生

 私も根本まではとても理解していませんよ。そもそもシュレーディンガー方程式に至るテーラー展開や複素空間の段階で止まったまま放置です。半分生きているか死んでいるか、つまり素粒子の振る舞いが正統派解釈(コペンハーゲン解釈)では、素粒子自体が確率論(シュレーディンガー方程式やハイゼンベルグ行列)に基づいて振舞っていると考えるのに対し、多元宇宙論では瞬間ごとに新しい宇宙が発生して、逆に観測者の方が素粒子がその状態である宇宙を確率的に選ぶという違いです。無論専門外なのでよく分かりませんが、ブルーバックスシリーズの「20世紀の残された宿題」という本で扱われていました。また、高校数学の範囲で(ゆとり世代除く)、マックスウェル法則やシュレーディンガー方程式の解説をしている本も同シリーズであります(テーラー展開だけは高校レベルを超えます)

 で、私はそんな深い高尚な意味では言っていません。単に、我々のいない別の宇宙に行って欲しいだけです・・・先生の週末は決まりましたね。

774氏774氏 2007/08/30 20:15 しかし最近は、医学以外の分野に自分の興味が完全に移ったのが丸分かりですね。逮捕されるための勉強なんて全くやる気が出ません。

BugsyBugsy 2007/08/30 21:30
オイラはどうも先日の医師の勤務交代制の話題が頭の隅から離れません。
今回救急の以来を断ったとされる医師は夜勤勤務とされ 別途に雇用された医師だったのでしょうか?その病院の産婦人科常勤医が交代で「当直」していたのなら、自発的に救急患者を応需するのなら構いませんが、労働基準法に照らせば診療する義務はないはずです。空床が仮にあったとしても 別の患者の容態急変に「自発的に」診療して手一杯ならば 受け取らなくても責められるいわれはありますか、労働基準法上きちんと説明してもらいたいもんです。問い詰めてやる奴はいないのか?

奈良県立医大病院にせよ 深夜に救急車を全て診察する医師を他所から別途に雇用する余裕なんてないです。断言できます。東京都内も同じ状況です。そして偶然にも死亡事故がなかったので東京都内では「たらい回し」がないんだと思ってる諸君、大きな間違いです。今から類似した事件は東京からボンボン出てきても不思議じゃない。

一方で臨床研修の一環として地方拠点病院に研修医(前期か後期か知りませんが)を文部科学省が送ろうとしているそうですが、一人ぼっちで夜間救急車の受け入れを出来るとも思ってるんでしょうかね。研修医一人で診療をするから割り箸事件があった、研修医が過労死した、或いは未熟な医師が内視鏡を練習したので死亡事故を起こしたから新研修医制度が始まったと当時仄聞しましたけどねえ。「研修医は一人で診療させずに指導医が付き添うべしとは」医学教育セミナーとやらで散々聞かされましたよーだ(笑い)。え?指導医もセットで付いていけって?もう辞めますよ。

まあこれで文部科学省のおっしゃる臨床研修を奈良県の拠点病院でやってみたら、勿論当直もねなんて研修医に言い放つ指導医とやらが万が一いたら御一報願いたいものです。

chaimdchaimd 2007/08/30 22:09 Bugsy先生、
仰せのとおり、実際にあるんだから、類似した事例がボンボン出てきても不思議じゃないですね。今まで、ニュースにならなかっただけで。

通りすがり通りすがり 2007/08/30 23:15 >再診とかレーザーとか、チマチマした患者が続いてて、
こんなことを書く医者がまともだとは誰も思わないけどね。
興奮してようといまいとね。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/30 23:49 >通りすがり様
うーん?うちは美容外科の完全自由診療クリニックですからね。書き込みからどう判断されたかわかりませんが、患者というか、お客様を粗略に扱うなんてことはありえませんよ。粗略になったとしたら、こちらへの書き込み文章のほうです、あ、それはそれで、ご免なさい(笑。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/31 00:09
×判断→○想像かな?
通りすがり様は、わたしが、どっか公立病院の勤務医で、忙しい3分診療の合間に仕事サボって書きこんでるとでも、思われたのでしょうか?
もし、そういう誤解与えたとしたら、全国の勤務医の皆様、ゴメンナサイ。m(_ _)m
いや、実際、今日の午前中は忙しかった。5人も診た(^^;。
5人診てパニクるくらい、丁寧で気を遣うってことです。そりゃそうだ、もともと、患者というかお客様には、「病気」なんて無いんだから、その気にさせなくちゃいかん。また、結果に満足してくださるからこそ医療行為なんであって、お客さん、ふと気が変わって「顔につけなくてもいい傷つけられた!」って叫びだしたっておかしくないわけです。
だけど、その綱渡り感が、とっても心地よくもある(^^;。

お弟子お弟子 2007/08/31 00:25 >Yosyan先生「毎日はこの事件の一つの鍵である妊婦健診を受けていなかった事を消しにかかっています。」
そうか。言われるまで気づかなかった。今回の件に限らず「この医療報道はこういう意図でなされている」なんて羅列してあるまとめサイトが欲しくなりますね。

>moto先生
そのうちこそっと客としてお邪魔させて頂きたくなります。義務と違って興味を持って自分と異なる分野の勉強(この場合は接客ノウハウや顧客満足テクニックなど)って面白そうでついつい表面だけ顔を突っこみたいっす。ふらっと17歳の美少女が来たら私だと思って下さい(ぉぃ)

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/31 00:37
さてと、それで・・
1)この事件において、もっとも反省すべきは誰かというと、妊婦自身である、という私の意見は変わりません。
2)次に反省すべきは、奈良県の母子保健主管部(局)長です。なぜなら、平成19年1月16日に、下記通達が出てますから。
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妊婦健康診査の公費負担の望ましいあり方について(雇児母発第0129002号)
 近年、高齢やストレス等をかかえる妊婦が増加傾向にあるとともに、就業等の理由により健康診査を受診しない妊婦もみられるところであり、母体や胎児の健康確保を図るうえで、妊婦健康診査の重要性、必要性が一層高まっているところである。
 また、少子化対策の一環として、妊娠中の健診費用の負担軽減が求められており、妊娠・出産にかかる経済的不安を軽減し、少子化の解消の一助に資するとともに、積極的な妊婦健康診査の受診をはかるため、妊婦健康診査について、自治体における公費負担の充実を図る必要性が指摘されているところである。
 このため、平成19年度地方財政措置で、妊婦健康診査も含めた少子化対策について、総額において拡充の措置がなされ、各市町村において、妊婦健康診査にかかる公費負担について相当回数の増が可能となることから、下記を踏まえて積極的な取組が図られるよう、都道府県におかれてはこの趣旨について管下市町村に周知徹底をお願いする。

1.公費負担回数の考え方について
(1)妊婦が受けるべき健康診査の回数については、「母性・乳幼児に対する健康診査及び保健指導の実施について」(平成8年11月20日児発第934号厚生省児童家庭局長通知)により次に示すとおりとすることが望ましいこととされており、これに沿って受診した場合、受診回数は13〜14回程度となると考えられること。このため、公費負担についても、14回程度行われることが望ましいと考えられること。
 ?妊娠初期より妊娠23週(第6月末)まで:4週間に1回
 ?妊娠24週(第7月)より妊娠35週(第9月末)まで:2週間に1回
 ?妊娠36週(第10月)以降分娩まで:1週間に1回
(2)財政厳しい折、(1)の公費負担が困難な場合、健康な妊娠、出産を迎える上で最低限必要な妊婦健康診査の時期及び内容については、少なくとも次の5回と考えられることから、経済的理由等により受診をあきらめる者を生じさせないため、これを基本として5回程度の公費負担を実施することが原則であると考えられること。
(中略)
2.妊婦健康診査受診の重要性にかかる周知広報について
 公費負担の実施の有無にかかわらず、妊婦健康診査の受診の重要性について、妊婦及び一般市民に対する周知・広報に積極的に取り組まれたいこと。
 なお、平成19年度母子健康手帳の任意記載様式においても、妊婦健康診査の重要性についての記述を加えることとしていること。
http://www.mcfh.or.jp/boshihoken/oldbacknumber/200703-10.html
-----
この2.の周知広報が徹底されていなかったかもしれないと、遺憾の意を、米田雅博次長は記者会見の席で強調すべきであったはずです。
なぜなら、そのことが、何よりの「周知広報」であっただろうですからさ。マスコミも、そういう建設的な報道してくださいよ。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/31 00:55
蛇足になりますが、日本助産師会のホムペ(http://www.midwife.or.jp/)のtopicsには「妊婦健康診査の公費負担の取り扱いについて、厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課より事務連絡通知(6/29)」http://www.midwife.or.jp/pdf/190629ninpuk.pdfと、会員にしっかり情報提供されてました。
ぬかりないね、ていうか「一部の自治体より、助産所における妊婦健康診査の扱いについて照会があったところである」って、例の、内診問題と同じ手法じゃね〜の?

774氏774氏 2007/08/31 01:27
 最近はネットでの言論封殺が多いですね。本来は自由に発言して、その中で最良の意見を採用するというのが、医学教育の根本であったはずですが、もはや「ゼクやCPCは禁止」の世界に入ったのか、討論する前に感情論だけで言論封鎖する人があとを断ちませんな。おまけに結果が出たらでたで警察が来て、逮捕しちゃうぞ!

 学会や勉強会ではどんな若手でも、まず発言は自由、どんな突拍子のない意見を発表しても良い、ただし厳密な理論構成と何度もの追試に耐え、反証可能性(私の実験が成功しないのは、視聴者に懐疑的な人物がいるための影響だといわれれば、反論のしようが無いですね。このあたりは私よりも研究生活を送られた先生の方がはるかに詳しい筈)が可能である事により、その意見の妥当性が認められていくのが、真の科学的思考と思っていましたが、はじめから意見を封殺する、しかも医師としてまともであるとか無いとか、全く関係ない事で言論封殺を謀る人が大いに増えましたねー、有名ブログの宿命ですか。なお、Yosyan先生のところにはIDが行きますよーん。海外匿名串はhatenaがブロックしてくれますし(対応遅いぞ)。何度カードを選んでも「GK」が出ちゃんですよ。不思議なんですよねー、バーン様。

 欧米でもwikiPediaに政府が反政府意見を消去して書き直しているという報道を見て、つい思い出しちゃっただけですから、何も変な意図はないですよん。

 moto先生も、そういった真に「非科学的」な意見は無視して、自説を主張されたらいいと思います。その代わり追試は厳しいですよーん。私にとって疑問なのは、デキサメサゾン負荷テスト(でしたっけ)で0と判定された患者のステロイドの塗り薬を抜けば、内分泌医が逃げるのは普通に考えてあり得ると思った事です。あの時のmoto先生は、泣き出されそうな雰囲気がありましたから、ごく一般的な意見に終始しました。今日はお元気どころか闘士の魂を感じましたが、スレ違いですので、又の機会に教えて下さい。ステロイドや免疫抑制剤の減量はいつも「頭痛が痛い」「腹痛が痛いよー」と感じます。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/31 02:03
>デキサメサゾン負荷テスト(でしたっけ)で0と判定された患者のステロイドの塗り薬を抜けば

いや、負荷テストは、ACTH負荷テストで、反応0は、たいてい内服ステロイドを長期間(数年)服用してる例でしたね。外用だけではなかなかそこまでいきません。
自分で止めて、悪感・震えで歩くこともできず、運ばれてきた人もいましたが、多くは、自分がステロイド内服してることもしらずに、とにかく止めると調子悪くなるんで飲み続けてた、って患者たちです。
ベタメサゾンとか、長時間作用型のステロイドから、まずは、短時間で活性が切れるハイドロコルチゾンの錠剤、それも生理的必要量である1〜2錠に置き換えて、あとは、患者のペースで、ときどき(はじめは週一回くらい)休薬させる。で、患者のペースで休薬日を徐々に増やしていきます。リウマチ・膠原病の減量と違う点は、減量のペースを、完全に患者に委ねるところです。医師不信、薬剤不信に陥ってる、もともとは、まったく健常な副腎の持ち主ですからね。皮疹の悪化がなければ、もっと早く抜けるんでしょうが、たいてい2〜3年はかかります。
その間、外来で、1〜2カ月おきに、rapidACTHテストして、副腎の回復の程度を確認し、患者の辛さの自覚的訴えとで、減量ペースを助言していきます。

サルガッソーサルガッソー 2007/08/31 02:15 なんか乗り遅れた感がありますけれど2chのニュー速板のスレッド引用です。
http://milfled.seesaa.net/article/53330972.html
この板は既存マスコミの報道に突っ込みを入れてく板なんですけれど、
住民に医療関係者もいるようですけれど、比率は低いはずです。
この突っ込み見るとやはり医療関係者以外から見てもこの報道がダメダメってのが丸わかりなんですよね。
常識レベルとしてベットが空いていても、医師の手が空いてなければ処置のしようがないってのがわかってるんですよね。
マスコミの思考能力低下はどこまで進むんでしょう。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/31 02:23
医師不信、薬剤不信に陥ってる患者たちですからね。手負いの野生動物を相手にしてるようなもので、言葉ひとつで、崩れそうな信頼関係のなか、すごく気をつかいますよ。向こうも、こちらを信じたいわけですからね。ブラックホールのように患者たちのストレスを吸収する外来で、気がついたら心身壊れてましたが、あの経験が、いまの仕事に役立ってます。極限まで追いつめられた患者を相手にすること思えば、美容のお客さんの心理介入なんて本当に気楽です。

>今日はお元気どころか闘士の魂を感じましたが
・・う〜ん、ときどき、自分は、本質的に、攻撃的なのか平和的なのか、よくわからなくなることがあります。すごーく懐深くて優しく他人に寛容なんですが、どっかで、非常に潔癖なところがあって、そこの琴線に触れると、最強攻撃モードになるみたいです・・ちなみに血液型AB型の雄羊座。二重人格っぽいのかな?

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/08/31 02:34
あ、そうだ、補足ですが、わたし、内科ストレート研修だったんですが、膠原病内科に進むはずでした。ていうか、膠原病が管理できる、ってことで、名大皮膚科入局して国立名古屋赴任してるんで、もともと副腎不全管理の心得はあるんです。
普通にストレート入局した皮膚科の先生だと、やっぱり、怖いんだろうな。

774氏774氏 2007/08/31 06:31 ステロイド内服量自己管理ですか。そんな世界があるんですね・・・

774氏774氏 2007/08/31 06:40
サルガッソー 様

 某左翼系新聞は戦前は「軍人でもないのに、わが社の従軍記者が、靖国に入れてもらえることになったのは、最高の栄誉」と書いています。こんなものです。思考力低下というより方向性や一貫性がないのです。アメリカメディアも相当アホで偏った事を書きますが、まず報道ポリシー(どちら側に立つかを含む)を公開しています。日本の場合は、中立を装いながら偏るためにたちが悪いですね。最初から当新聞・テレビは、患者側に立ちますと宣言していればまた批判は変わってきます。テレビは公共の財産の電波を独占使用していますから、一部(政府批判など)を除いて絶対に中立に立たないといけないのでしたね・・・

njamotanjamota 2007/08/31 13:23 奈良県以外に住んでいて医者にかかっている妊婦が,旅行とか仕事で奈良に来ているときに何かあったら,どうなるのでしょうか.まず,かかりつけ医に連絡をとるものなのでしょうか.あるいは妊婦は旅行とかしないものなのですか.素人なのでよくわからないのですが.

774氏774氏 2007/08/31 14:36 医療の専門家や一般人に関わらず、不安定期や出産を控えた時期の旅行や遠出なんて自己責任です。流産、死産、母体死は覚悟して出発して下さい。こんなのは妊娠出産雑誌(例えば「ひよこクラブ」誌など)にも毎号書かれていますよ。

774氏774氏 2007/08/31 14:55 あ、妊娠中のは「たまごクラブ」でした。子育てが「ひよこクラブ」ですね。済みません。ただし両雑誌とも、オカルトちっくな私が大好きな項目がありますから要注意。無論ほとんどが良い記事です。さすがに胎児は宇宙人と交信して天才的頭脳があるまでは書いていませんが、父親が胎児に話しかけると胎児が覚えているとか(実際には聞こえません)、眉唾記事もあります。ところで、全くの下世話ですが、たまごクラブ人形と厚労省の妊婦人形のどちらが普及したんだろう。むろん、電車内では妊婦やお年寄りには席を譲るようにしていますが、最近そういった人形をみても、本当に妊婦かよ?と懐疑的になる事があります。特にあからさまに席を譲れとアピールしてくる人にはね。

一半人一半人 2007/08/31 16:30 http://www.naramed-u.ac.jp/~gyne/2007.08.28.html
これを読んでも奈良医大の対応を非難するのかね某新聞は.

たまごクラブひよこクラブ面白いですよね。
安定期なら大丈夫みたいな記述を見るときもあるのでその辺は気をつけて欲しいですが・・

いのしんいのしん 2007/09/01 01:48 yosyan先生、お久しぶりです。得意そうに新聞が記事書いていますが、既に別に驚きません。キャパを超えてしまい心ならずも分娩受け入れ制限している(アメニティ最低の)当院の産科Drの健康状態が非常に心配です。俺のように不摂生しているわけでもないのに、普通に歩く姿がしんどそうで...5年後には、今回の記事のような産科に定期受診していない妊婦はもちろん、多少の合併症のある妊婦さんも難儀することが当たり前になるでしょう...人間らしい生活をしていない産科Dr...どれだけ燃え尽きずに続けられるのでしょか...?そして新聞が「燃え尽きるまでやれ」と言い続ける限り(なんか「肥後の石工」じゃないが)だれもその仕事を引き受ける者はなく、不毛の世界が続くんじゃないだろうか...出生率の増加?幻想です...それより産科Drの健康を祈りたいと思ってます。とりあえず「ネタ」かもしれませんが、「シッコ」は見に行くつもりです。とりとめのない文章で済みません。

通りすがり通りすがり 2007/09/01 10:13 ザットしか読んでいませんが、印象としては個々の問題ではないように思えますね、責任は別としてですが。それと亡くなった方が本当にかかりつけ医をもっていなかったにせよ、やむを得ない事情などもあったかもしれない、単純な批判は医師などに対する短絡な批判と同じですし、たらい回しについては、今回のような妊婦さん以外でも昔からあることです。単に医師や救急隊員のあら捜しだけで終わらないで欲しいですね、いつか自分にもふりかかるかも。

774死774死 2007/09/01 11:20
>それと亡くなった方が本当にかかりつけ医をもっていなかったにせよ、やむを得ない事情などもあったかもしれない

はあ? 違法行為ですが、なにか?
>母子保健法第15条(妊娠の届出) 妊娠した者は、厚生労働省令で定める事項につき、速やかに、保健所を設置する市又は特別区においては保健所長を経て市長又は区長に、その他の市町村においては市町村長に妊娠の届出をするようにしなければならない。

泥曰泥曰 2007/09/02 03:28 >それと亡くなった方
生きていますが?