新小児科医のつぶやき

2007-10-26 公立病院改革(??)ガイドライン

10/26付Asahi.comより、

病床利用率、70%下回れば削減も 公立病院改革

2007年10月26日06時00分

 赤字経営の多い公立病院の経営改善を促すため、総務省が自治体に求める改革のガイドライン(指針)案がわかった。08年度中に改革プランを策定し、3年以内に黒字化を達成するよう求め、特に病床利用率が過去3年間連続で70%未満の病院には病床数削減や診療所(病床数20床未満)への転換など抜本的見直しを求める。病院経営に具体的な数値目標を示し、自治体財政の悪化に歯止めをかけるのが狙いだ。過疎地医療を担う地方の公立病院も病床利用率が低迷していれば、早期の経営改善を迫られる。

 7月に総務省が発足させた有識者による公立病院改革懇談会が来週中にもこの指針案を了承した後、同省が全国の自治体に通知する。

 指針案では、自治体は08年度中に公立病院改革プランを策定し、経営効率化は3年以内、病院の再編・ネットワーク化や経営形態の見直しは5年以内に実現するよう求める。経営効率化の指標には、経常収支比率▽医療サービスの提供による医業収支比率▽職員給与費や材料費の比率▽病床利用率、などを採用する。

 経営効率化では、一般会計からの繰り入れにより病院会計に財政支援をした後、経常黒字を達成できる水準をめどとするよう求める。同一地域に民間病院がある場合は、民間病院並みの効率性を達成する、としている。

 赤字経営でも特に厳しいケースとして「おおむね過去3年間連続して病床利用率が70%未満となった病院」を挙げ、自治体の改革プランで病床数削減や診療所化など抜本的な見直しを行うよう求めた。

 このほかに経営の透明度を高めるため、病院の財政状況を示す病院会計準則に従い、貸借対照表など民間と比較可能な財務情報を開示するよう要請。人事・予算の権限などを経営責任者に一本化し、経営感覚に富んだ人材の登用や施設整備費の抑制も求めている。

 病院の再編・ネットワーク化については、経営主体の統合をはかるべきだと指摘。経営形態の見直しでは、民間への譲渡や、民間企業に管理を委託する指定管理者制度の導入、地方独立行政法人化などを選択肢とすべきだとしている。

原案が今朝の時点で見つからないので、この記事より読み取ってみます。話は公立病院の経営改善ガイドラインの案ができたというもののようです。目的は冒頭部分にありますが、

    3年以内に黒字化を達成するよう求める

公立病院といえども赤字垂れ流しでは困るという趣旨は理解できます。ただ公立病院の赤字の原因は構造的な部分が多いことは医療関係者ならよく知られている事ですが、それを含めての改革案なら積極的に取り組む必要があると考えます。記事だけなので抜けている部分も多いと思いますが、具体策として、

    一般会計からの繰り入れにより病院会計に財政支援をした後、経常黒字を達成

ここがかなり笑えます。総務省は公立病院の経営は財政支援無しでは成立しないと認めています。案として現実的なのは理解しますが、公立病院は普通に経営すれば赤字である事を満天下に公認している事になります。本当は財政支援無しでも黒字になるような診療報酬体系が必要なはずなのに、それについては放置という事のようです。

次がネットで話題になりつつある、

    「おおむね過去3年間連続して病床利用率が70%未満となった病院」を挙げ、自治体の改革プランで病床数削減や診療所化など抜本的な見直しを行うよう求める

話としてはわかります。総務省としては利用が少ない病院の縮小を求めているという事です。総務省の思考としては、たとえば100床の病院の病床利用率が60%なら、病床を60床にすれば経営効率が上がるはずだと考えます。病床数だけ見た机上の計算なら正しそうに見えますし、病床数だけでなく病棟看護師の数もそうかもしれません。

ただし医師の数も減ることをどれだけ考慮しているかが疑問です。医師の数もまた病床数に応じて減少します。病院は複数の診療科の協力の下に成立しており、医師の数が減れば消滅する診療科も出てきます。もともとの病床数が少ないところほど、診療科の医師数は少なく、削減は消滅に直結します。また医師数も3人と2人と1人では大きな違いが生じます。1人では外来を維持するだけで手一杯になり、2人ではギリギリ病棟を抱えられる人数であり、3人になるとそれなりに病棟運営が出来ます。

もう一つ、病院の医師総数が減少することにより直面する問題として、時間外救急があります。多くの公立病院では小さくとも、地域の基幹病院として救急拠点の砦を死守しています。救急業務の負担の大きさの正論を展開すれば長くなるので今日は避けますが、縮小化により医師数が減れば、医師の負担は増大します。病床数が削減し、医師の数が減っても、救急がカバーする時間が減る訳ではありません。

    病院の再編・ネットワーク化については、経営主体の統合をはかるべきだと指摘

簡単に書いていますが、経営主体の統合なんてそう簡単にはできません。経営主体の統合として念頭においているのは、自治体病院の統合です。○○市民病院と△△市民病院を一つにまとめるようなお話です。財政難の自治体の本音としては歓迎かもしれませんが、地方政治はそう簡単には事は進みません。

二つの市民病院の再編となれば、どちらかが存続病院となり、もう一方がサテライトの診療所になります。存続病院になる地域は歓迎でしょうが、縮小対象の地域では当然のように大反対運動が起こります。大反対運動は「○○市民病院を守る会」に発展し、その会の支援を受けた市長、議員が政権を握ります。再編推進の市長がいても、任期をまっとう出来るどうかは大きな疑問符がつけられます。それぐらいデリケートで尖鋭化しやすい問題であるのに「指摘」とは気楽なもんだと考えます。

    経営形態の見直しでは、民間への譲渡や、民間企業に管理を委託する指定管理者制度の導入、地方独立行政法人化などを選択肢

地方公立病院の経営は総務省も公認しているように「一般会計からの繰り入れにより病院会計に財政支援」無しでは成立しません。繰り入れがなければその分は赤字というわけです。民間譲渡により批判の強い事務職員の給与体系にメスが入るでしょうが、それだけですべてが穴埋めされるとは思えません。また民間譲渡の時の条件も目に浮かぶようで、当然のように既存職員の待遇確保が条件になります。

そんな不良債権が山積している物件を買い漁るほど余裕のある民間病院はありませんし、民間企業も収益が望めない事業に手を出したがりません。どう試算しても投資価値のある事業に見えないからです。民間に売却したいのなら、民間が購入したい物件に医療機関が変わらないと売れません。長年の医療費削減により不採算部門の塊になり、構造赤字で悶え苦しむ状態の公立病院がそうそう売れるとは信じられません。売れるのはごく一握りの条件の良い病院のみです。

また民間譲渡は赤字→倒産→病院消滅にすぐに連動します。民間企業は黒字化の目途が出なければすぐさま整理にかかります。地域医療の維持なんてお題目は彼らの念頭にありません。病院経営より、潰してショッピングセンターにした方が良いと判断されればそうしますし、マンションの方が儲かりそうとなればそうします。駐車場の方がマシとなればそうします。何もしないほうがマシなら更地にしてしまいます。

医療費長期大幅削減路線下の医療機関に精神論の「黒字化」を唱える愚かしさを笑います。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/10/26 09:50
「公立病院改革」でググると、9月の第三回の資料、7月の第二回の議事録まではすぐ出てはきましたが・・
http://203.140.31.100/c-zaisei/hospital/pdf/070921_1.pdf
しっかし、路線がわかりやす過ぎて、どこをどう深読みすればいいのかわかんないぞ。
「血の海・焼け野原」後の地方が、どんな町になっているかにでも、思いを馳せましょうか?・・

暴利医暴利医 2007/10/26 09:57 積極的に潰しにかかってきましたね。
> 民間企業は黒字化の目途が出なければすぐさま整理にかかります。地域医療の維持なんてお題目は彼らの念頭にありません。病院経営より、潰してショッピングセンターにした方が良いと判断されればそうしますし、マンションの方が儲かりそうとなればそうします。駐車場の方がマシとなればそうします。

先日ニュースになった東京北区の東十条病院は、たぶんこれに相当するでしょう。北区で最も病床数の多い、都の救急指定にもなっていた基幹病院です。かなりにぎわっていましたが、前触れもなく突然閉鎖になりました。
理由については巷間噂がいろいろ流れていますが、結局のところ黒字化の目処が立たないから早めに見切ったのだろうと私は想像しています。経営者のスタンスとしては正解でしょう。今月いっぱいですから、来週には完全に病院が消失します。マスコミはすぐに飽きて報道しなくなるでしょうから、その跡地に何ができるか、判り次第ご報告します。なんせ自宅の目の前ですから。

YosyanYosyan 2007/10/26 10:56 見様によっては病床削減のために厚労省と総務省がタッグを組んだとも考えられますが、共同戦線というより呉越同舟でしょうね実際のところは。ただ厚労省も机上の空案を次々に繰り出す傾向がありますが、総務省となると完全に銭金勘定だけの政策ですから、この方針で地方公立病院がバタバタ倒れるのは厚労省的には歓迎しないと見ています。

総務省と厚労省の鞘当になるのでしょうが、総務省の方が地方財政の首根っこを押さえていますから・・・修羅場が予想されますね。

LTLT 2007/10/26 11:07
「経営の効率化」「医療費削減」を命題として、医療機関をサービス業と同等に取扱おうとするから問題がおかしくなるのです。

自衛隊の戦闘機や戦車の実践稼働率が低いから自衛隊は縮小(or廃止)するのか?
消防車の稼働率が低いから集約化するのか?
医療も「安全保障」「社会保障」という概念で考えなければ本質を見誤る。

「経営の効率化」ではなく、医療機関に医師への補助業務としての秘書など「労働の効率化」を求めるのなら賛成ではあるが。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/10/26 11:29
やっぱりPFIかなあ。。積極的なinterventionが行われるとすれば。
僻地公立は「消極的安楽死」でしょうけどね。
-----
【三菱商事、病院PFI事業積極応札…総合管理で赤字策提案】
FujiSankei Business 2007/10/16
 三菱商事は15日、民間資金活用による社会資本整備(PFI)方式での病院整備・運営事業の獲得に積極的に乗り出す方針を明らかにした。2009年までの2年間に、全国の都道府県立病院や大学病院が計画するプロジェクト11件以上に応札する予定。病院の赤字経営に悩む国や自治体などに対して、建物の設計・建設から治療器具・薬剤の購入までを総合的に管理する手法を導入し、財政赤字縮小とサービス向上に貢献する。
 病院PFI事業には、ゼネコンや大手リース会社などが参入しているが、三菱商事は以前から手掛けてきた経営コンサルティングや先端医療機器販売、医療データベース、給食、物流管理などの医療関連事業などのノウハウを総動員し、15年程度の長期に及ぶPFI受託期間中の運営費削減を最大の売り物とする。
 同社は今年3月、都立駒込病院を改修して「がん・感染症医療センター(仮称)」へと機能向上させる総事業費1862億円のPFI事業を落札するなど病院PFI事業に力を入れている。
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200710160010a.nwc
-----

YosyanYosyan 2007/10/26 12:22 PFIと言えば高知ですが、高知の教訓は以後に生かされるのでしょうか。PFIにはお世辞にも詳しいと言えないのですが、銭の専門家のオリックスでも失敗した事業形態に、明日を見なければならないは複雑です。次の医療でのPFIがどうなるかに注目ですね〜。

BugsyBugsy 2007/10/26 12:31 moto-clinic様
PFIですか。高知医療センターではどうなったか行政も三菱も御存知でしょうかね。
財政赤字の傷口を拡げるだけなんですよ。
結局診療報酬 とりわけ医師の技術料を抜本的に上げないと どうにもならないところに来ていると思います。病院の改修をするたびに返却できる見込みの薄い借金ばかり増えるようです。
とりわけ 結核やAIDSなどの感染症は国家プロジェクトとして予算を注ぎ込まないとならない分野です。収益を望んでも仕方が無いと思います。

採算が合わないとか自治体財政の赤字の原因と 行政や国民が公立病院を指弾するのであれば閉鎖や縮小も止むなしでしょう。それを望んだのですから。少なくとも勤務する医師の責任では決してありえない。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/10/26 12:56
まー、高知は、ほんとに初期例で、治験でいうとphase1か2くらいですからねえ。
三菱は、2003年には「病院経営には参入しない」と断言してたんですけどね。
http://eri.netty.ne.jp/honmanote/comp_eco/2003/0628.htm
フタあけてみないとわかりませんが、オリックスと違って、旧財閥商社が博打感覚で参入するはずはなく、勝算ありとみたと思います。
八尾市民病院も、平成16年契約締結で三菱が入ってますね。ニチイ学院も加わってます。
http://www8.cao.go.jp/pfi/tebiki/jirei/jirei16_01.html
東京都病院経営本部のホムペはこちら。
http://www.byouin.metro.tokyo.jp/shoukai/pfi/pfi.html
がん・感染症医療センターのつぎは、精神医療センターがPFI化のようです。

YosyanYosyan 2007/10/26 12:58 Bugsy様

高知の失敗にも関わらずPFI方式への流れは相変わらずあるようです。力一杯好意的にみて、高知の失敗は特異例と考えているのでしょう。高知の失敗部分だけ部分的に改善すればバラ色事業とまだ三菱も考えているんじゃないでしょうか。

一つだけPFI方式に期待するとすれば、どこも手を出しても失敗すれば、成功するように診療報酬改善を「財界」が要求するキッカケになるかもしれません。そこだけは期待できますが、やってもPFI特別加算程度で落ち着く可能性も高いですがね・・・。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/10/26 14:18
病院というのは、非営利事業だから、収益が上がってはイカンわけですね。それで、民間病院なんかは、MS法人作って、人材派遣やら、資材納入やらで利益移転するわけです。
PFI化っていうのは、民間病院のMS法人部門を切り離して企業に売る、っていうか、それをつけるから病院を引き取ってくれみたいなことですね。

YosyanYosyan 2007/10/26 14:27 ま、三菱はグループ内に直営病院を持っていますから、かなり厳密に試算してPFI参加を決めたのでしょう。ただしこれが地方公立病院まで拡大するかと言えば「消極的安楽死」ですかね。

BugsyBugsy 2007/10/26 14:32
民間病院の経営手法、効率化を取り入れるといえば一見まともです。
しかしながら民間病院の中で収益が黒字であるのは何%ありましたっけ?
30%もなく まずは大半が赤字が多く大幅な黒字を誇る病院は微々たるもんです。

銚子電鉄が煎餅を売って収益をあげたのとは異なり、医業は他の業種に手が出せない法律になっています。これは院外薬局にしても同様で病院が経営に参加できません。ましてや不動産経営も医療法人には法的に禁止されています。せいぜい法人理事の家族が別会社をもっていることはあるでしょうが。
やはり仮に民間病院が公立病院を有償で譲渡してもらっても 確率からいくとやはり黒字化は3割にも満たないと考えても仕方がないんじゃないでしょうか?

公立病院の病床の縮小や民間への譲渡とは まさしく地方自治体の社会保障の放棄と同義語です。

moto-tclinicmoto-tclinic 2007/10/26 14:44
病院がPFI化して黒字になんて、絶対になりませんよ。上記のように、MS法人と同じ、病院の収益を移転する方向性をもったシステムですから。
病院自体は収益上がらないから、スタッフ人件費削減の名目になります。働けど働けど我が暮らし・・てやつです。

いま、医者は派遣業の対象外(僻地など除いて)ですが、徐々に緩和の傾向にあります。マグネットホスピタル・都道府県医局整備ののちには、まず、お看取り型グループ診療所への派遣が解禁されるんじゃないかしらん。これしないと、お看取り医療=後期高齢者事業成り立ちにくいし。
ついで、PFI病院への医師派遣解禁ですね。どういった法制度を形取るのかはわかりませんが。
一年後の日本はどうなっているんでしょうか?

MR.ROMMR.ROM 2007/10/26 15:51 医療も「安全保障」「社会保障」という概念で考えなければ本質を見誤る。
@LTさま ハゲドウです
  いまおきている産科小児科つぶしはチョンや支邦中狂による日本国にたいするテロ
と考えております  チョンがのっとった毎日捏造新聞 あほ木恵美(こいつは在日らしい)なんかはその典型ですね
ただ 「日本人」には安全と水は」いまだにただ、という意識で危機感がないですね
 まさに日本人の生命がいままさに危険にさらされているというのに。。。。

tadano-rytadano-ry 2007/10/26 18:45 はっておきます

asahi.com
http://www.asahi.com/life/update/1026/TKY200710260193.html

病院収支が大幅悪化 収入1割減、赤字幅倍以上に
2007年10月26日17時20分

 厚生労働省は26日、病院や診療所の経営状況を示す医療経済実態調査の速報値を中央社会保健医療協議会(中医協)に示した。2年前の前回調査と比較して、個人経営の診療所は収支がやや改善する一方で、病院は収入が1割以上減り赤字幅は倍以上に膨らんでいるという結果だ。

 過去最大の下げ幅となった06年度の診療報酬改定が響いているのは確実で、病院の勤務医不足対策を重視する方針を打ち出している次期診療報酬改定の議論にも影響を与えそうだ。

 調査は今年6月、1687の病院と2541の診療所を対象とし、それぞれ約6割、約半数から回答を得た。

 国立、公立、私立を合わせた全病院の1施設当たりの収支をみると、1カ月の収入は2億3690万円で、前回よりも2890万円の減。支出も2190万円少なくなったが、赤字額は前回の617万円から1315万円に増えた。支出の内訳を見ると、給与費が前回よりも5.3%の減となっており、人件費を切りつめて経営を少しでも改善しようとしていることがうかがえる。

 病院の経営悪化が勤務医の労働条件を一層厳しくし、勤務医をやめて開業医となる医師を増やしているとの指摘がある。年末に大枠が決まる次期08年度の改定でこれ以上病院向けの診療報酬を引き下げると、病状の重い患者を担う急性期医療の現場が崩壊しかねないとの見方が医療現場や厚労省内では強い。

 一方、個人の一般診療所は、診療報酬のマイナス改定にかかわらず収入は2.2%増の月額670万円で、医師の収入となる黒字額も233万円と2.2%増えた。

 診療科別にみると、前回改定で重点的に診療報酬を手厚くした産婦人科の黒字幅は204万円と前回より4割以上増えたが、同じく重視したはずの小児科は175万円と3割以上減っている。

僻地外科医僻地外科医 2007/10/26 18:46
>赤字経営の多い公立病院の経営改善を促すため、総務省が自治体に求める改革のガイドライン(指針)案がわかった。08年度中に改革プランを策定し、3年以内に黒字化を達成するよう求め、特に病床利用率が過去3年間連続で70%未満の病院には病床数削減や診療所(病床数20床未満)への転換など抜本的見直しを求める。

 この論理のもっとも馬鹿げた部分は
「病床数削減したって赤字は減らない」ってことをまるで分かってないことですね。
 病床数を削減して赤字を減らそうとするなら一気に無床診療所にするほかないです。

 病床数が減っても職員の数は変わらなければ支出は変わりないですし、病院であり続ければ入院患者数に応じて一定数の看護師が必要ですから支出を削減することは出来ません。また、有床診療所にすることはうちの病院でも試算してますが、救急が出来なくなる上に赤字額は大して減らないという、とんでもない結果が出てきました。実際近隣の町でも有床診療所化した公立病院がありますが、赤字額がほとんど減っていないという結果が出てきてます。

 そもそも満床じゃなきゃ経営が成り立たないように出来ている診療報酬体系そのものが変なんですよ。

tadano-rytadano-ry 2007/10/26 19:02 はります

妊婦搬送遅れ1千件超 病院探し難航などで 消防庁
2007年10月26日13時54分

 妊婦の救急搬送時、受け入れ先の病院探しが難航するなどし、救急車が現場を出発するまで30分以上かかり搬送が遅くなったケースが06年、全国で1000件を超えていることが総務省消防庁の調べでわかった。受け入れ拒否も年々増加する傾向で、妊婦の救急医療の危機が浮き彫りになった。

 奈良県の妊婦が8月末、11病院に受け入れを拒まれて死産した問題を受け、都道府県を通じて全国の消防本部に緊急実態調査した。

 救急車は現場に到着後、受け入れ先の病院が決まってから出発する。消防庁は出発まで30分以内を目標にしている。

 しかし、06年に産科や周産期の病院に救急搬送された計約3万9000人の搬送状況を調べたところ、出発まで30分以上かかったのが1012件。応急処置が長引いた場合もあるが、主には病院探しが難航したことが一因と消防庁はみている。首都圏や近畿が多く、うち奈良県のケースと同程度の90分以上は10都道府県で計21件あった。

 3回以上の受け入れ拒否は30都道府県で667件。うち10回以上は東京(30件)、千葉(6件)、大阪(4件)など7都道府県で計45件あった。

 どれくらいの割合で3回以上拒否されるかを調べたところ、04年0.9%、05年1.3%、06年1.9%と増加。拒否の理由は「人手や設備がなく処置困難」(26.6%)、「手術中」(17.2%)、「専門医が不在」(11.7%)などだった。

 厚生労働省の担当者は「妊婦は通常の救急医で対応しきれない場合が多く、特にかかりつけ医のいない場合は受け入れ先が見つかりにくい。実態をさらに調べたうえで、専門医の確保など改善策を検討していきたい」と話している。

----------------------------------------------------------------------
記事の基になった資料は

http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/191026/191026_sanka.pdf

です

BugsyBugsy 2007/10/26 19:07
「たらい回し」「医師の確保」或いは「医師剥がし」に続いて「受け入れ拒否」ですか。マスコミは嫌味な言葉を次から次へと出してくるものですなあ。
受け入れ拒否じゃなくて 受け入れ不可能でしょって。

tadano-rytadano-ry 2007/10/26 19:14
すいません。上の搬送遅れの元記事は

http://www.asahi.com/life/update/1026/TKY200710260106.html

です。ちなみに消防庁発表の資料では「受け入れ拒否」でなく

『受け入れに至らなかった』

となっています。この方が随分柔らかい印象がありますね。記事のネタになった
資料も即日公開されていることといい、総務省やるなあ、という感じです。

YosyanYosyan 2007/10/26 19:50 tadano-ry様

医療経済実態調査は明日書きます。今非常に大きな疑惑がデータを見ながら浮かんでいます。ごく単純な事実ですが、よく見れば誰でも「ちょっとおかしい」と思うようなデータです。お楽しみに。

tadano-rytadano-ry 2007/10/26 20:00 医療経済実態調査ですが、厚労省のHPではまだ見つけてませんが、日医のHPに
一部の結果とそれに対する論評が載っています。

http://www.med.or.jp/teireikaiken/20071026_2.pdf

SeisanSeisan 2007/10/27 01:07 7-8年前の話、大阪の近畿大学が国立泉北病院を譲渡された際、なかなか話が進まなかったらしいです。国立病院側は医師以外のコメディカルスタッフが買収反対運動を繰り広げ(要するに今の好待遇を維持するため)、さらにお役所サイドはそれらのスタッフの近大側への再雇用を求めました。一方大学側は、うるさい組合活動をして、しかも給料の異様に高い年寄りの米の再雇用に難色を示し、話がまとまるまで数年かかったといいます。結局もともとの職員はすべて他の国立病院に転勤という形で納得させ、近大は病院の建物設備のみを買い取るという形でまとまったそうです。
でも、自治体立となりますと、転勤させる先もなく、経営効率化には単純な首切り・給与カットしか手がないと思います。さて、これが実現できますかどうか。

いち市民いち市民 2007/10/27 03:25 医療は「社会保障」という概念で考えるべき、とのお話が上のほうでありました。
個人的には、医療に「社会保障」としての側面があり、そのような領域では必要なだけの公的支出をするべきとの考えに同意します。
ただ消防や国防、警察では職員は全て公務員であり厳しい規律や拘束のもとに必要な職務を遂行しているように思います。医療においては医療従事者の多くは公務員ではなく、国立や公立の病院の職員が公務員であるとはいっても消防や警察の場合のような厳しい職務規定のもとに勤務しているようには思われません(医師や看護師の実質労働が激務であることはもちろん承知していますが)。
「社会保障」「安全保障」としての医療を堅持するために、医療従事者にも今後そのような身分と職務規定を導入するべきでしょうか。また医師は全て公務員たるべきでしょうか。

rijinrijin 2007/10/27 07:53 自治体病院の多くで、職員の定員は病床数に対して決められています。

 病床数削減に根拠のない熱意を持つ厚労省はともかく、経営の効率化を言えば、病床数と関係なく、必要なら職員の増員を可能にし、不要なら削減できるようにするのが、総務省の仕事でしょう。

 総務省自身が所管する関連法規や指導内容を変える方が優先されるべきですし、まずコントロール容易で効果の高いことができるのですから、他人にとやかく言う前に、まずそれをやるべきです。内容としても経営の本質に適っています。話はそれからです。

 また、経営統合や廃止によって医療機関から医者がいなくなると、患者さんは隣接する医療機関にドミノ倒しのように流れはじめます。分娩医療と全く同じメカニズムで地域医療が崩壊する可能性が高いと思いますが、総務省は事前・事後のシナリオを持っているのでしょうか?

LTLT 2007/10/27 12:07 「いち市民」さんへ
公的支出をすべきという点は間違いではないのですが、ちょっとニュアンスが違うようにも感じます。
医療はまったく収入のない国防や消防とは違いますので公務員にすべき必要性はないと思います。しかし、この収入「価格」を総額論から不当に抑えてしまうと、商業で言うと原価割れした価格でも客を拒んではいけないという状況になり廃業するしかなくなります。まさに医療はその状況になりつつあります。
現在の医療制度では医療機関は「価格」を決めることが出来ず、むしろ押さえ込まれているのです。皆保険制度(誰もが低価格で等しく医療を受ける)のもとで市場原理を抑えるのであれば、必要の見合う診療費用の設定が必要です。ですから医療に対する公的負担金を多くする必要はあると思いますが、各々の医療機関に補助金を出せというのでもありません。むしろ公務員にすると弊害の方が多いと思いますよ。これまでの公的病院の状況をみれば御理解頂けると思います。

いち市民いち市民 2007/10/27 18:04 LT様、ご指摘ありがとうございます。
なるほど。言われてみれば確かに医療が完全に公営化されている国は世界でもキューバのような特別なところだけですね。公務員化の弊害とは、非効率な運営や医療レベルの停滞、士気の低下、医療がお上からの恩恵であるというような意識がはびこるというようなことでしょうか。
一定程度は市場原理で運営しつつ医療の社会保障としての性質を維持していくためには、充分な支出や、より良い制度を国が担保するという方向に国民の合意が形成される必要がありそうですね。難しいです…。
このまま医療が崩壊し機能しなくなっていくことには恐怖を感じますが、どうすればよいのか分かりません。今までが恵まれすぎていたということで今後の状況の悪化は受け入れるしかないのでしょうね…。

zundamoon07zundamoon07 2007/12/30 21:31  公立病院改革ガイドラインがまとまりました。公立病院改革懇談会のホームページアドレスを載せますので、ご参考にしてください。
 公立病院改革ガイドラインは病院経営の観点でまとめられています。営利目的の民間企業と同様、如何に生き残るかが思想の根本にあります。そこには、医師数抑制政策や低医療費政策への反省は全くありません。
 自治体の財政破綻を理由とした急速な改革は、栄養状態が悪い患者に対し緊急手術をする時に似たリスクを負います。基礎体力がある場合、多少の荒療治でも最終的な結果は良好となるかもしれません。しかし、小規模自治体にはそのような体力が全くありません。公立病院改革ガイドラインは、過疎地域における医療崩壊の最後の引き金となりかねないと危惧しています。
http://www.soumu.go.jp/c-zaisei/hospital/index