新小児科医のつぶやき

2008-01-30 朝日の社説

2008年01月28日(月曜日)付朝日新聞社説より、

希望社会への提言(14)―医療の平等を守り抜く知恵を

・ドラフト制をヒントに、医師を公的に配置

・運営を県単位にして、診療報酬を決める権限も

   ◇

 社会保障の各論として、まず崩壊が心配されている医療から考えたい。

 「薬指だけなら1.2万ドル、中指は6万ドル。どっちにします?」。事故で指を2本切断した無保険者は手術に入る前、医者からこうたずねられる……

 昨夏、米国の医療の実態を描いたマイケル・ムーア監督の「シッコ」は、日本でも大きな衝撃を与えた。

 公的な医療保険は高齢者と低所得者に限られ、民間保険に入れないと無保険者になる。米国ならではの光景だ。

 日本では、すべての人が職場や地域の公的医療保険に入る。いつでも、どこでも、だれでも医者に診てもらえる。「皆保険」は安心の基盤である。シッコの世界にしないよう、まず医療保険の財政を確かなものにする必要がある。

 患者負担を除いた医療費は、高齢化で06年度の約28兆円から25年度には48兆円へ跳ね上がる、と試算されている。それをまかなうため、保険料と税金がともに10兆円前後増える計算だ。

 試算では、サラリーマンの月給にかかる保険料率は平均して約1ポイント上がる程度だが、自営業者や高齢者が入る国民健康保険は、いまでも保険料を払えない人が多く、限界に近い。患者負担を引き上げるのはもう難しかろう。皆保険を守るためには、保険料と患者負担の増加を極力抑え、そのぶん税金の投入を増やさざるを得ないのではないか。

 社会保障を支えるためには消費税の増税も甘受し、今後は医療や介護に重点を置いて老後の安心を築いていこう、と私たちは提案した。医療は命の公平にかかわるだけに、優先していきたい。

 もちろんムダもある。治療が済んでも入院を続けて福祉施設代わりにする。高齢者が必要以上に病院や診療所を回る。検査や薬が重複する。こんなムダを排していくことが同時に欠かせない。

 

 医療保険の財政基盤が固まったとして、医療の現場は大丈夫か。そこが最近は怪しくなってきた。

 病院から医師がいなくなっている。患者のたらい回しもよく起きる。このままでは産科や小児科だけでなく、外科や麻酔科も足りなくなる。近ごろ医師の不足や偏在が目にあまる。

 医師は毎年40000人ほど増えているが、人口1000人当たりの医師は2人だ。このままいくと韓国やメキシコ、トルコにも抜かれ、先進国で最低になるともいう。先進国平均の3人まで引き上げるべきだ。医師の養成には10年はかかる。早く取りかからなければならない。

 医師が充足するまではどうするか。産科や小児科など、医師が足りない分野の報酬を優遇する。あるいは、医師の事務を代行する補助職を増やしたり、看護師も簡単な医療を分担できるようにしたりして、医師が医療に専念できる環境をつくることが大切だ。

 そのうえで、診療科目の選択や医師の配置に対して、公的に関与する制度を設けるよう提案したい。

 医師の専門分野が偏らぬよう、診療科ごとの養成人数に大枠を設ける。医師になってからは、一定期間、医師の少ない地域や病院で働くことを義務づける、というものだ。

 配置を受ける時期は、研修時や一人前になったとき、中堅になって、といろいろありうるだろうが、義務を果たさなければ開業できないようにする。

 医師は命を預かるかけがえのない仕事である。だから私立医大へもかなりの税金を投入している。収入が高く、社会的な地位も高い。たとえ公立病院に勤務していなくても、公的な職業だ。

 自由に任せていては、医師の偏在は解消できない。社会の尊敬と期待にこたえて、このように一時期の義務を受け入れることはできない相談だろうか。

 

 以上の制度ができたとき、医師を計画的に養成するのは中央政府の仕事だ。しかし、それ以後は思い切り分権を進め、地域政府にまかせるべきだ。

 前述した配置も、都道府県が地元の病院や医学部、医師会、市町村などと相談しながら決める。医師の多い県から出してもらう必要も生じるだろう。

 その際には、プロ野球のドラフト制度をヒントにしてみてはどうだろうか。新人だけでなく中堅の医師を含めて、医師不足の県が、医師の多い県から優先的に採用できるようにするのだ。

 4月からは、75歳以上の高齢者が入る県単位の高齢者医療制度が始まる。中小企業のサラリーマンが入る政府管掌健康保険は全国一本だったが、これも10月から県ごとに運営される。市町村の国民健康保険や小さな健保組合も、県単位への統合を進めている。

 したがって、医療の負担と給付を決めるのも県の仕事にするのが自然だ。

 医療への診療報酬は政府の審議会で決めている。これを、政府が決めるのはその基準にとどめ、知事が最終的に決めるようにしたっていい。必要とされる医療は地域によってさまざまなので、地域の実情に合わせやすくなるだろう。

 長野県は、予防に力を入れて高齢者の医療費を全国最低に抑えつつ、長生きを実現している。県が責任をもつことで、そんな工夫が広がるよう期待したい。

社説批評はもうウンザリなんですが、こういう物でも反論すべきところは反論しておかないと「黙認」とされる風潮がありますから嫌々触れます。

 日本では、すべての人が職場や地域の公的医療保険に入る。いつでも、どこでも、だれでも医者に診てもらえる。「皆保険」は安心の基盤である。シッコの世界にしないよう、まず医療保険の財政を確かなものにする必要がある。

シッコを引き合いに出してアメリカ医療の影の部分を批判し、日本の皆保険制度の維持を主張しているところは評価します。評価はしますが社説は独特の皆保険制度の維持法を展開する事になります。

医師は毎年40000人ほど増えているが、人口1000人当たりの医師は2人だ。このままいくと韓国やメキシコ、トルコにも抜かれ、先進国で最低になるともいう。先進国平均の3人まで引き上げるべきだ。医師の養成には10年はかかる。早く取りかからなければならない。

ここは誤植と考えますが、医師は毎年「40000人」も増えていません。現在の毎年の医師誕生数は例の医師の需給に関する検討会報告書でも、

現状では、年間約7,700 人程度の新たな医師が誕生している。また、2年ごとに行われる医師・歯科医師・薬剤師調査では、7,000〜8,000人程度が増加していることから、退職などを差し引いた、医師の増加数は年間3,500〜4,000人程度と概算される。

年間7700人しか誕生しませんから、「40000人」も増えようがありません。一桁間違えているようです。それでも増やす必要があることと、養成に時間がかかるので早急の対策が必要である事を主張しているのも評価します。

医師が充足するまではどうするか。産科や小児科など、医師が足りない分野の報酬を優遇する。あるいは、医師の事務を代行する補助職を増やしたり、看護師も簡単な医療を分担できるようにしたりして、医師が医療に専念できる環境をつくることが大切だ。

ここも基本的に悪くありません。不人気診療科への誘導に優遇措置のインセンティブを考えるのはどんな分野であっても基本中の基本です。もっともその前提として「余っている診療科」の存在が必要ですが、そこまで言及できないのを社説程度で期待するのは過剰かと考えます。また看護師が「簡単な医療を分担」としていますが、そのためにはそれだけのトレーニングもまた必要な事を補足しておく必要もあると思います。

ここまでは悪い主張ではありません。批判が集まっているのはこの後です。

診療科目の選択や医師の配置に対して、公的に関与する制度を設けるよう提案したい

医師強制配置法の主張と医師には一様に受け取られていますし、徴医制と受け取る向きもあります。

医師の専門分野が偏らぬよう、診療科ごとの養成人数に大枠を設ける。医師になってからは、一定期間、医師の少ない地域や病院で働くことを義務づける、というものだ。

折角前半の主張でインセンティブによる医師の誘導策を展開していたのに、一転して強制配置政策に変わっています。また憲法の

第18条 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

この規定と「一定期間、医師の少ない地域や病院で働くことを義務づける」が両立するかどうか大きな疑問です。

 医師は命を預かるかけがえのない仕事である。だから私立医大へもかなりの税金を投入している。収入が高く、社会的な地位も高い。たとえ公立病院に勤務していなくても、公的な職業だ。

 自由に任せていては、医師の偏在は解消できない。社会の尊敬と期待にこたえて、このように一時期の義務を受け入れることはできない相談だろうか。

医師養成に多額の税金が投じられている都市伝説について今朝の段階で根拠ある反論が出来ないのが無念ですが、賢明なる読者の方々に是非followを頂きたいところです。言えるのは医師養成に税金が投じられているのは間違いありませんが、他学部に比べ格段に多くではありません。さらに言えば医師養成に税金が投じられている云々を根拠にするなら、その応用範囲は広大になります。

「収入が高く、社会的な地位も高い」であるとか、「社会の尊敬と期待にこたえて」についての我田引水的な精神論、脳内妄想については既述の事としておきます。

前述した配置も、都道府県が地元の病院や医学部、医師会、市町村などと相談しながら決める。医師の多い県から出してもらう必要も生じるだろう。

強制配置法を前提にした話なので、そういうつもりで読まなければなりませんが、「医師の多い県」が誕生するのは何時と考えて論じているかが不明です。現在の医師増加数、医療需要の増大からすると早くとも30〜40年後ぐらいにならないと「医師の多い県」なるものは誕生しないかと考えます。これも医師の需給に関する検討会報告書からですが、

医師総数人口10万人対医師数医療施設での人口10万人対医師数
平成27年
29.9万人
237人
227人
平成37年
32.6万人
269人
257人
平成47年
33.9万人
299人
285人

場当たり的な医学部定員増加措置は行なわれていますが、増加分を全部足してもその到来は半年早まるだけです。

ちなみに去年の3月時点の厚労省の「医師の余っている県」への予算委員会での公式答弁です。

小池晃委員

    厚く居る都道府県っていったい何県ですか?言ってください。

柳沢大臣

    あるう〜もちろん基本的にですね西高東低といった徳島なんかが、今委員も言っておるとおりですとも、私どもはですね各県の中でも非常に厚いところと薄いところがある、そういうようなことで地域的な偏在がある!ということを申し上げているというわけでございます。

社説を書いている論説委員が何歳かは知りませんが、論説委員は一般にそんなに若くはありませんから、よほど長生きしないと「医師の多い県」など見ることはないかと考えます。論説委員はgood ideaと考えているかもしれませんが、

その際には、プロ野球のドラフト制度をヒントにしてみてはどうだろうか。新人だけでなく中堅の医師を含めて、医師不足の県が、医師の多い県から優先的に採用できるようにするのだ。

自分の寿命と競争みたいな先の話を論じる神経には苦笑を禁じ得ません。

医療の負担と給付を決めるのも県の仕事にするのが自然だ。

「自然だ」とスンナリ書いていますが、そうなれば県が変われば医療費が変わるのが当たり前の世界になります。現在でも自治体の助成措置により医療費の差はあります。これが県の財政力により大きく変わるのであれば、とくに高額の医療費を要するものは「安い県」に集中します。ここは患者の移動も強制的に制限される事と理解すればよろしいのでしょうか。

社説の主張は医師が自由な市民である限り、あちこちに矛盾や法との整合性に無理が生じるものですが、唯一社説の主張を実現させる方策はあります。診療科の割り振りを強制し、勤務地を強権をもって強制しても法的な問題が出ないようにするには、勤務医を全員国家公務員にしてしまう事です。

医師が国家公務員であれば社説の主張はスルスルと実現します。日本全国の病院は現在私立のものを含めすべて国有化とし、医師が勤務医として働くためには国からの配属命令を受ければ問題は解決します。なぜその点について触れないのか摩訶不思議です。

もっとも勤務医全員を国家公務員とすれば、医師は国家公務員として働きます。公務員として働く医師は公務員としての待遇と環境とモチベーションで働きます。考えただけでワクワクするような医療環境になりそうです。そりゃ、病院がすべてお役所仕事になるのですから、私も勤務医を辞めた事を後悔するかもしれません。

天滅支邦中狂天滅支邦中狂 2008/01/30 09:51 相変わらず電波新聞とばしてるなあ。。。wwwwwww 
 便所紙にもならんwww

ほもかつほもかつ 2008/01/30 10:05 産科医  福島県おおの  800万

「どうですか?指名されて」
「いやあ、、光栄です がんばります!」

tadano-rytadano-ry 2008/01/30 10:06 >医師養成に多額の税金が投じられている都市伝説

私の住んでいる奈良県には奈良県立医科大学と奈良教育大学、奈良女子大がありますから、比較してみます。単純に歳入の交付金収益を学生数(学部生+院生)で割った値を示します。

奈良県立医科大学 1,798,661,000 / 655 = 2,746,047 円/人年
奈良教育大学 2,552,640,825 / 1300 = 1,963,569 円/人年
奈良女子大 3,471,463,000 / 2850 = 1,218,057 円/人年

奈良県立医科大学
  http://www.naramed-u.ac.jp/gaiyou/daigakugaiyou19.pdf
奈良教育大学
  http://www.nara-edu.ac.jp/ADMIN/HYOUKA/2006_jikohyouka/00_hyousi_etc.pdf
  http://www.nara-edu.ac.jp/koukai/zaimu_18.pdf
奈良女子大
  http://koto.nara-wu.ac.jp/kokai/18jisseki-houkoku.pdf
  http://koto.nara-wu.ac.jp/kokai/18zaimushohyou.pdf

 あと奈良県立大があるのですが、ネット上には財務諸表の公開がなく断念しました。
県の決算を調べれば分かると思いますが、面倒なのでやめました。
 印象としては確かに多いですが、医師の養成には1人1億かかる、などという伝説にはほど遠い数字であることが分かります。いいとこ2000万くらいです。1人1年あたりの額も1.5〜2倍くらいです。

tadano-rytadano-ry 2008/01/30 10:14 >ドラフト制度をヒント

ということはFA制度も作ってくれるんですよね? ポスティングシステムもありですかwww

通るすがる通るすがる 2008/01/30 10:26 とりあえずウェブ魚拓を取得しておいて…と思ったら、誰かがもう取ってました。

>40000人
瑣末なことではありますが、この社説の通常の印刷版(私が読んだのは15版のはずです)では、縦書きで四○○○人になっていたように思います。もしかしたら見間違えかもしれませんが。

ウェブ版の社説が人の目に触れる機会は、紙媒体ほど多くはないでしょうが…。

というか、どういう流れで入稿するとこういう誤記が起こるのかがむしろ不思議です。原稿の段階では40000で、印刷媒体のほうはチェックが入って修正された、と考えればいいのかな。

>tadano-ryさま
朝日のスポーツ欄の論調からすれば、完全ウェーバー制でFAなんかいらない、じゃないですかねぇww

tadano-rytadano-ry 2008/01/30 10:57 >通るすがる様

>完全ウェーバー制でFAなんかいらない

 これを真面目にやってしまうと地方は医師が増えて一息(実際は0.3息くらい?)つけますが都市は医師が減って崩壊が加速します。すでに東京・大阪でも産科や救急は青色吐息なんですけどね。結局都市の方が人口が多い分影響受ける人数が増えてしまいそうです。でもこんなこというと「地方の切り捨て」とか言われるんでしょうねorz

BugsyBugsy 2008/01/30 11:06 北海道か沖縄で戦力外通知を受けたら謹んでお受けします。トレードはありか?
エガワ君のような空白の一日もありか?2軍落ちで研究室に配置されたい。最初から大リーグを目指すかも。

まあ悪のりはこれくらいにしておきますが、
医学部を卒業して国家試験をパスした奴は全員臨床医になる、いやならせようと認識しているところが凄いです。医療の需要が増え、実際には家族が在宅の療養を嫌がっているのは明白なのに無駄使いですか、は〜。口が裂けても国庫負担を増やせとは言わないところがチョウチン新聞なんですね。

大した根拠もなく オヤジが居酒屋で政治を語るヨタ話でしょう、これじゃあ。しかも相当酔っぱらってる。つくづく昨今のマスコミの国語能力が低下したなあと感じさせられます。

智 2008/01/30 11:09 こちらにも同社説への痛烈な批判があります。

泉の波立ち
ニュースと感想 (1月29日b)「医師不足への対策」について。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/greentree/koizumi/

YosyanYosyan 2008/01/30 12:31 ドラフト制にFAだとか、ポスティングとか夢を膨らませる方もおられるようですが、ドラフトと言うより配給制と考えます。国家強制徴収による配給制と見た方が論旨に合います。

こういうシステムのメリットとしては医師の絶対数は逆立ちしても不足していますから、配給元に大きな権限が集まります。どこの都道府県も医師配給してもらおうと運動しますし、政治も当然のように介入してきます。そういう状況は政治的錬金術からして非常に好ましい状況ですし、官僚的錬金術でも同様かと思います。

ま、FAとかポスティングに該当するものとしては「開業権」ぐらいが関の山だと思います。それも「ここでやれ」というありがたい条件付と考えます。

岡山の内科医岡山の内科医 2008/01/30 12:32 >医師養成に多額の税金が投じられている都市伝説

このことについて、こんな資料がありました。

★Q 医者を1人育てるのに、数千万の税金が注ぎ込まれているというのは本当ですか?

☆A 医学生にかけられる純粋な教育費用の一例として、医系単科大学である浜松医大を見てみましょう。

財務諸表 http://www.hamamed.ac.jp/university/report_open/PDF/zaimushoryo.pdf
事業報告書 http://www.hamamed.ac.jp/university/report_open/PDF/jigyouhoukokusho.pdf

これらのデータによれば、浜松医大は教育経費は2億5391万円、学生数は1027名(うち医学生595名)。 すなわち、全学生平均で年間24万7千円。6年間では256万円にしかなりません。仮に全教育経費が595名に集中したとしても、年間42万6千円にしかならないことが分かります。言うまでもなく、国立大医学生は年間50万以上の学費を支払っており、医者1人育てるのに数千万かかるというのは単なる「都市伝説」でしかないことが分かります。

参考までに、一橋大・東工大・東京藝大の教育経費と学生数を見てみましょう。

同様に、年間教育経費はそれぞれ、10万2千円、38万8千円、26万6千円になります。これにより教育経費は、 理工系>芸術系、医学系>文型 であることが分かります。いずれにせよ「私大は論外、国立大の学費でさえ高すぎる」というのが現実でしょう。

球児球児 2008/01/30 12:32 私は私立医大に所属しています。以前どこかのお偉いさんが、医師一人につき税金が
2000〜3000万円つぎ込まれているので地方で働く義務があるとの趣旨の発言をしておられました。そこで気になって大学にきいたところ、私立医科大学の経費の5〜6割が人件費とのことでした。私の給料もその一部に含まれるのかもしれません。しかし現実には大学の特に臨床医は、教育・研究・臨床と3役をこなしています。他学部も研究はしますが、決定的に違うのが臨床があることだと思います。その分より多くの人材が必要です。そのため見かけ上教育部分、つまり医学部大学への税金投入額が他学部より多くみえるのではないでしょうか。

YosyanYosyan 2008/01/30 13:52 Bugsy様

>大した根拠もなく オヤジが居酒屋で政治を語るヨタ話でしょう、これじゃあ。しかも相当酔っぱらってる。

前半はまだシラフだったのか酔いが浅かったのかもしれません。段々と酔いが回って、中盤から後半への暴走に歯止めが利かなくなったという想定なら、社説の展開を説明する事が可能です。

>口が裂けても国庫負担を増やせとは言わないところがチョウチン新聞なんですね

前半の酔っ払ってない部分では

 >シッコの世界にしないよう、まず医療保険の財政を確かなものにする必要がある

とまで書いていながら、中盤で負担が増えるとボヤキだし、最終的には後期高齢者医療まで持ち出して、

 >医療の負担と給付を決めるのも県の仕事

と削減していく限られた予算内ですべて賄う方針にしている展開もなかなかです。最初の「財政を確かに」とは、増やすという意味合いではなく、押さえ込むためのネタ振りになります。つ〜か、酔いが回って訳がわからなくなったと考える方が説明がつきます。

BugsyBugsy 2008/01/30 14:03 >医療の負担と給付を決めるのも県の仕事にするのが自然だ。

これは従来話題にならなかった論調です。そう言う意味では興味深い。
小泉政権は小さな政府にして地方自治体に権限を徐々に移行させようとする方針のはずでした。一方では市町村合併で隣町の大借金を抱え込んだ市も多く 介護保健もかなり怪しくなっている自治体をよく耳にします。
権限移譲と云う名の新たな借金押し付けなんですかね。国保から県保にしようというのかなと耳をそばだててしまいます。
県によっては医者もいない、窓口負担金は増える、地方税も増えるとなってしまう都道府県も多いでしょうよ。宮崎県知事の毛が吹き飛びそうです。ガソリンの暫定税の廃止と聞いただけで大騒ぎをしている県知事も多いじゃないですか。

医師の配置も県単位ではどうにもならない事は既に明らかです。医局制度による医師の配置は悪くて行政による配置は100%適正なのか?何にも考えていないという良い証拠です。
前もって詳しい内容は詳しい人に問い合わせてみれば良いのに、頭の中でうろ覚えの知識でこさえた文章です。

inoue04inoue04 2008/01/30 14:24 >前もって詳しい内容は詳しい人に問い合わせてみれば良いのに
 その一言だけで、批判は必要十分かと思います。個人が公開日記として書いているblogじゃないんだから、取材ぐらいして当然でしょ。

Seagul-XSeagul-X 2008/01/30 14:31 日経でかつて論説委員をしていたひとがこんなことを書いています。

http://facta.co.jp/blog/archives/20061217000294.html

朝日新聞の中ではどうだかわかりませんが、あまり変わらないんじゃないかと思います。こんなのまともに相手にするのも馬鹿らしいとは思うのですが、放置して流布するのもこまりますしね。

ちなみに、これを書いたひとが編集長をしている FACTA という雑誌の記事にこんなのがありました。

http://facta.co.jp/article/200802002.html

以前、産科医療崩壊の比較的まともな記事が載ったことがあるだけに、今回の記事のスタンスは残念です。

http://facta.co.jp/article/200606057.html

tadano-rytadano-ry 2008/01/30 15:06 >岡山の内科医さま

私の出した数値とは桁が違いますが、これは分子の違いといえると思います。つまり私は歳入の中の交付金を分子にしていますので、その中には職員・教員の給与や設備費などのもろもろの費用が込みになっています。岡山の内科医さまの出された資料では分子は教育経費のみとなっています。また、奈良医大の分母の学生数は医学科のみで看護学科は入っていません。もし看護学科を入れた全学とすると、

奈良県立医科大学
 医学科のみ 1,798,661,000 / 655 = 2,746,047 円/人年
 全学 1,798,661,000 / 911 = 1,974,380 円/人年

となり、奈良教育大とほとんど変わらなくなります。

ssd666ssd666 2008/01/30 15:48 忘れちゃいけません。
他の学部ならいざしらず、医学部の臨床系教官は、給料以上に稼いでいます。
総合大学なら、おそらく医学部は「持ち出し」レベルなのでは。

消化器内科医消化器内科医 2008/01/30 16:49 最近の情勢を見ると、地方への強制配置、あるいは診療科の強制のどちらかは実行されることになるんじゃないでしょうか。保険医登録の条件にするのなら違憲とは言い切れないでしょう。
やれば供給が大幅に減少して今以上に医療崩壊が進むことになるのは目に見えてますが、現場を無視した政策のために悲惨な結果がもたらされるのは歴史上珍しくないですから、まあ、そうなるのでしょう。

わからないのは、この主張が医療へのアクセスを確保しようとするものであることです。一方では保険医療の縮小、混合診療への強い流れがありますので、両者が実現した場合の医療の将来像がうまくイメージできないのです。
医師が強制配置された地方公立病院で、所得に応じた混合診療も行うようになるんでしょうか。

inoue04inoue04 2008/01/30 16:53 >やれば供給が大幅に減少して
 農業集団化(農民の公務員化)の後遺症で、ソ連の農業生産は1914年の水準を上回るのに、さらに50年かかりました。狭い現場を指揮監督できる工業と違って、広大な農地を監視して回ることは不可能な農業では、まさに個人の自発的な動機づけなしに働かせることはできなかったのです。

通行人通行人 2008/01/30 17:15 >医師が国家公務員であれば社説の主張はスルスルと実現します。

 ついこの間まで、国立大学附属属病院勤務の医師・教官と国立病院勤務の医師がそうでした。病院の売り上げや在院日数などを気にする必要もなかったですね。教授は「公務員なんだから24時間臨床と研究をしろ」とか言っていました。やる気のある先生はバリバリしている方もいましたが、「公務員としての待遇と環境とモチベーション」で働いている人も少なくなかったのではないでしょうか。

inoue04inoue04 2008/01/30 17:23 通行人さんへ。あなたは誤解してます。今問題になっているのは「医師の強制公務員化」です。
 現在だって、国立大学医学部付属病院の医師だって「みなし公務員」です。贈賄、収賄は処罰されます。
 「社説」が主張する状況を作るには、一定の医師を本人の希望と関わり無く公務員とする必要があるわけです。(徴兵ならぬ徴医制)
 かつて、スターリン(レーニンの時代から計画されてましたが)の農業集団化は農民を強制的に公務員とし、農業生産の崩壊を招いたのです。

ssd666ssd666 2008/01/30 17:36 そんな迂遠な例を出さなくても、共産圏の医療がどんなだったかで、QED。

inoue04inoue04 2008/01/30 17:57 米国からソ連に視察団が行きました。そこで、「わが国の医療は全部無料です」と説明を受けた米国医師団は、「この程度の医療ならわが国でも無料だ」と言い返しました。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/01/30 18:31
Yahooニュースで、こちらのブログが、関連サイトに出てますね。
記念に魚拓とっときました。
http://s01.megalodon.jp/2008-0130-1829-19/dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/emergency_transportation_acceptance_refusal/

YosyanYosyan 2008/01/30 18:32 この社説に対する国家公務員化の意味は医師ならすぐ分かるのですが、他の人には理解しにくかったかも知れません。根本は人事権の問題です。

大学医局が衰えたと言っても現在でも医局人事の病院はたくさんあります。医局からの人事で国立病院にも派遣されますが、人事権は病院にありませんし、医師も国家公務員になったなんて意識は極めて希薄でゼロに近いものがあります。もちろん国立以外の他の病院でも同様で、勤務している病院への帰属意識は極めて薄い物があります。医師は医局の人事権に従っていると考えればよく、帰属意識はあくまでも大学医局にあります。

今回のエントリーで使った国家公務員化は人事権も国が握ると言う意味です。名目も実質も国に帰属する医師として働く事になります。国が人事権を握っていれば、ドラフトなりトレードで全国にいつでも、どこの病院にでも転属命令は可能となります。

私立も含めた病院の国有化の意味は、私立病院という逃げ場があれば医師を国家公務員化しようとしても逃げられます。そこで全部国有化してしまえば、勤務医をするには嫌でも国家公務員にならざるを得なくなります。

tadano-rytadano-ry 2008/01/30 19:06  これを読んだとき、私は最初学校教員のような形態を想像していました。教員免許は大学のある都道府県の教育委員会が出すことになってますが全国共通なもので事実上国家資格です。教員の募集・採用自体は都道府県または政令都市単位で行われています。他県に行きたい場合はその県の採用試験を受け直さなければならず、しかも大抵の県に年齢制限があるために40歳を超える教師が他県に行くのは困難です(ただし近年他県の教員経験者を別枠で募集する都道府県が増えてきました)。人事は各都道府県の教育委員会が握り、もちろん異動も都道府県の枠内にとどまります。もちろん拒否はできません。これって医師を確保したい地方にとっては理想的な形だと思います。

 ただ公立学校の教員がなぜこのような形態を受け入れているかというと、教員採用はいわゆる買い手市場だからです。教員採用試験は一般に高倍率です。特に高校の社会などは30倍とか50倍という倍率になることも珍しくありません。だから多少人事に制約があると分かっていても募集するのです。

 医師の場合は売り手市場で、どこも人手は欲しいですからごくごく一部の病院を除けば募集即採用になる可能性があります。このような状態で人事に不満があれば他県に逃げるのはずっと容易でしょう。それを防ぐには待遇を良くしなければならず、各県で競い合いになって病院経営を圧迫することになります。

 ここまで考えるとこの案はボツで、やはり国家単位の統制、というのが最善になりそうですね。すると今度は海外流出ですな。

ssd666ssd666 2008/01/30 19:44 でも昔の医局の運営は実際のところ、そんな感じでしたよ。
僻地勤務もさじ加減でバランス取ってって。

卵の名無し卵の名無し 2008/01/30 21:32 それにしても舛添え大臣の筆頭経歴は国際政治学だというのに、医療体制という政治の要点に関して何の国際比較もできていないのは何ー故ー?あ、助教授どまりだったからか、ナルホド器の問題ならできなくても仕方ないわいなw

末端研修医末端研修医 2008/01/30 21:38 いつも楽しみに拝見しております。
ボクは来年度から研修医を終えて、出身大学に戻ります。
医局の方針で大学院に入ります。
大学院生なのでもちろん学生ではありますが、研究は二の次でとりあえず病棟を中心に働きます。みなさんご存知のとおり、いくら大学で働いても名目は学生なので給料なんて発生しません。むしろ授業料が必要です。学生なのでまた国民健康保険に戻ります。
バイトで生計を立て、家族を養っていきます・・・。
こんな状態でも朝日新聞は「医師は公的な職業であり、収入も地位も高い」というのでしょうか。
勝手なイメージで責任ある社説を書くのは本当にやめてほしい限りです・・・。
それでもボクは医局に不満はありません。いろんな意味で自分を高めてくれるし、バックアップもしてくれるからです。はっきりいって国主導ではそこまでは望めないと思っていますし、さらさら期待もしていません。

名無しさん名無しさん 2008/01/30 21:45 国立病院機構や国立大学法人付属病院の勤務医を全てオールジャパンで人事異動させるという案なら面白いと思います。
というか、是非とも実施すべきですね。

NHO産婦人科医NHO産婦人科医 2008/01/30 22:02 > 国立病院機構や国立大学法人付属病院の勤務医を
> 全てオールジャパンで人事異動させるという案

や〜め〜て〜!!!!!

国立病院機構には、すでにもう、相互派遣とかなんとか訳の分からん制度あるし、
実際行ってるから!(しかも、もううちからは誰一人として派遣できないくらいの崩壊です)
そもそも看護師は機構内であちこち人事異動してるし。
だいたい医局人事で派遣されてこの扱いは何?ってなもんですよ。

ふぁるまふぁるま 2008/01/30 22:02 とおりがかかりで失礼します。医療職ではありませんが、ひとこと。もしプロ野球なみにドラフト制にするなら、いっそ病院も全国12くらいに集約したらいかがでしょう。病院あたりの医師数も増えるので、業務の分担もできるし、なによりたらい回しも減るだろうと。最大でも12まででおさまります。地域も球団本拠にあわせて設置すればなお良かと。。

konkonkonkon 2008/01/30 22:56 スレから外れますが、関西労災病院(兵庫県尼崎市)の救急担当医3名のうち、2名が引き上げになるとのことです。(30日の産経新聞朝刊から)
事務によると、「引き上げ後は各科から人を出して、今の救急体制(24時間)を維持する」とのこと。
ここでレジデントをしていた時代、本当にしんどかった。救急担当がいなかった時代なので、各科でオンコール体制をひき、夜中に緊急手術しても次の日は普通に手術。予定手術も年々増え続け、いつの間にか予定枠以外にも手術枠が広がっていく状態に。
そんなところへ救急担当医が3名やってきたら、天国ですよ。ある程度の救急は全てやってくれるわけですから。通常の業務に専念できます。
それが、医師の撤退により、縮小するどころか現状維持。3次の指定は受けていないけど、実質は3次やっているようなもんです。

働いている先生大丈夫なのでしょうか。心配です。

HirHir 2008/01/30 23:35 たらい回しのための道路の整備はバッチリです。何の心配もありません。

病院勤務内科医病院勤務内科医 2008/01/31 00:07 朝日の社説は、厚生大臣の「安心と希望ビジョン会議」で話をしたWHOの尾身さんの内容とそっくり。
尾身さんというかた、自治医大卒の医師でWHOのアジア地区の代表をしていましたが、WHO本部の代表選で負けた人。
自治医大卒で、9年間の僻地勤務というドサ周りを強制されたことで、移動の自由と勤務先の自由と診療科目選択の自由を謳歌する国立大卒&私立大卒への怨念に固まった論調で、この会議で演説しています。
朝日の社説も尾身さんの話の受け売り(というか、会議の前に尾身さんにあって、その話を社説として載せただけでしょう)。
彼はヨーロッパうんうんとも言っていますが、そもそも欧州は家庭医制度で患者のアクセス制限あり、病院と家庭医の住み分けがハッキリしていますから、日本の医者だけが自由だといっても意味がないのです。
家庭医と病院勤務医の役割分担、患者のアクセス制限には一切言及せず、自治医大出身という経歴から自由を謳歌する国立大卒&私立大卒への怨念だけで制度変更をしようとして、朝日の記者をたきつけただけでしょう。

元ライダー元ライダー 2008/01/31 00:31 今でも公務員医師はたくさんいるが労働環境は最悪。医師オール公務員を仮定した場合に、現状の公務員医師の労働環境で医師全員が働くとは限らない。今の公務員医師の労働環境が悲惨なのは公務員としての帰属意識が無いから、これに尽きる。医師オール公務員となれば想定される対極の状態は
1.教員
2.都バスの運転手もしくは公務員コメ
公務員1は我々同様悲惨、帰宅してからもDQN親から電話攻撃を受ける。
公務員2は公務員1と対極にある恵まれた公務員。

この違いは何なのか考えてみるに労組組織率の差ではないだろうか。
公務員2の労組は労組の本分である労働環境の改善や待遇改善に力を入れるが、公務員1の労組は組合員の生活以上に思想活動に力を入れているように見える。今では日教組の組織率は30%に満たない。まあ、組合員の間で意見の分かれる日の丸・君が代なんかに力を入れていたら労組としては役立たず。国民ばかりか組合員も離反する。
医師オール公務員になったとしても(その可能性はほぼゼロと思うが)日教組は反面教師にしなければならない。
労組ではないけど、全国医師連盟も医師の間で意見の割れる問題(移植、生殖医療、タバコ等)に首を突っ込んで空中分解しないことを祈る。

病院勤務内科医病院勤務内科医 2008/01/31 01:01 地域ごとの医者の定員制といえば、ドイツは開業医は定員制です。
もしある地域で開業したい場合は、誰かが引退するか、死亡するかを待たなければならないはず。
病院勤務医は専門医別になっており、こちらは比較的自由な移動ができるそうです。

http://www.hi-ho.ne.jp/okajimamic/index.htm#list2の M427-ドイツの開業医定員制(医師の偏在を防ぐ制度)を開いてください(要Power Point)

uchitamauchitama 2008/01/31 02:31 偏在の一番の理由は訴訟でしょう。刑事であれ民事であれ同じことです。福島の大野病院や奈良の大淀病院のような話を聞くだけで(訴訟の足音だけで)医師のやる気を削ぎ逃散させるのには十分です。逆に言えば医療崩壊の解決策と言うのは相反する利権団体との戦いと言うことになるのでしょうか?
医療訴訟や産科医不足→医療過誤訴訟を職業とする原告側弁護士やなくす会や助産師の開業利権との戦い
国民皆保険制度の崩壊→アメリカ保険業界から財務省や政府への圧力とその利権
混合診療の自由化→経済諮問会議などを介した民間企業の医療分野への参入の利権などなどでしょか?要するに解決策はこれらの団体からの圧力に対して如何に立ち回るかということでしょうか?マスコミはその場限りの記事で踊らされているだけのような気がするのですが。むしろ医療崩壊を望む裏で手を引いている人間を暴かなければ解決にはならないと思います。ちょっと勘ぐり過ぎでしたらすみません。

暇人28号暇人28号 2008/01/31 07:09 ふぁるま様:
>いっそ病院も全国12くらいに集約したらいかがでしょう。

医師にとっては別にいいのですが、国民が許さないでしょう。今でさえ「おらが町に病院がなくなるのはけしからん」って言っているのに。通院まで3−4時間かかることになりますしね(北海道なら6−8時間)

toorisugaritoorisugari 2008/01/31 09:48 >「自然だ」とスンナリ書いていますが、そうなれば県が変われば医療費が変わるのが当たり前の世界になります。現在でも自治体の助成措置により医療費の差はあります。これが県の財政力により大きく変わるのであれば、とくに高額の医療費を要するものは「安い県」に集中します。ここは患者の移動も強制的に制限される事と理解すればよろしいのでしょうか。

これは、先年に成立した医療改革諸法での規定路線だと思っておりました(お医者さまが反対されているのは承知ですが)。

ssd666ssd666 2008/01/31 12:04 マクドナルドの地域別料金値上げが、美談のような経済記事の取り上げかたされてますね。

ふぁるまふぁるま 2008/01/31 22:15 暇人28号 様
おふざけすぎで失礼しました。
この社説の主張を受け入れがたかったもので。
新聞をはじめとしたマスコミこそ公的なものと考えており、法を無視した主張は受け入れがたいものです。
企業では人の採用には自社をいかに魅力的にするか努力べきもので、何もせず自社への入社を強制するなど理解できません。
うちにも医学生がいますが、この昨今の状況では臨床に進んで欲しいとはとても思えません。

ひまな学生ひまな学生 2008/02/01 02:58 深夜に長文の書き込み失礼します。いつも拝見しています。
医師の公務員化の話で、法曹界の状況を思い浮かべました。といっても部外者ですが。
司法試験の合格者は国費にて司法修習生として研修を受け、その後は公務員として検事、判事、非公務員として弁護士という進路が選択肢となりますが、検事や判事は国家公務員として国家が人事権を行使します。代わりに国家公務員としての身分、待遇を得、また公的権力の行使に携わります。
詳しくは存じませんが、昨今は判事のなり手が少なく、訴訟件数の急増とマンパワー不足により過労死する判事も出るような状況で、処理能力の限界を超えた中で十分な検討がなされないまま判決が行われたりする、という話も聞きました。(検事についてはわかりませんが、同様の状況はあるのではと推測します。)
検事、判事ともにそれぞれの社会的な使命があり、やりがいを感じて職務を遂行する方もいるでしょう。他方で、司法修習を終えた身として、国家公務員の職を辞しても弁護士として活動することが可能です。このことは、公的医療機関で相場より低い報酬で激務の、しかし高度な(少なくとも民間病院とは方向性の異なる)医療に従事し続ける医師が、仮に諸々のしがらみを無視すれば、公的病院ではない他の職場でならより恵まれた働き方を選択できるという状況と似たものを感じます。
弁護士数が急増してワーキングプアのような状態もありうる近年はともかく、以前までなら公務員を辞めても生活してゆくことに何の不安もなさそうだった頃、裁判官が全国各地に強制配置され、それでも大多数が職にとどまっていたのは何故なのでしょうか。
1.職務自体や公務員としての地位・待遇等に魅力があった?
2.職にとどまり、その組織の中で上を目指すことに魅力があった?
3.それまでのキャリアを無にして一から弁護士をはじめるデメリットを考えて?
4.何らかのしがらみ?
5.やりがい?
6.プライド?

通るすがる通るすがる 2008/02/01 11:14 病理医でミステリ作家の海堂尊先生が、朝日の社説の出鱈目さについてかなり熱く語っています。

http://tkj.jp/kaidou/news01.html  (記事は移動します)
>2008.01.31【海堂ニュース! 12】映画『チームバチスタの栄光』について

前半は著作『チームバチスタの栄光』の映画化の売り口上なんですが、後半や他の日の日記を見ても医療の置かれた危機的状況を伝えたい、というお気持ちは伝わってきます。

ていうか、これだけ熱く語られると映画見に行っちゃうなぁ。筋立てやキャラクタが原作とあまりに違いそうなのでどうしようか迷っていたんですが。

YUNYUNYUNYUN 2008/02/01 12:30 ひまな学生様
>昨今は判事のなり手が少なく
誤解を招く表現と思います。
志願者は多いのですが、国家公務員には定員があるので、選抜を行ってふるい落としているのです。
国は公務員削減の方針と質を維持するため、裁判官・検察官は増員しないこととしており、司法試験合格者が増えた分はほとんど弁護士になる状態です。
余談ですが、医師国家試験の合格者を増やすと質の低下が心配されるとか議論されていますが、
弁護士は数年間のうちに3倍くらいに増やす計画であるにもかかわらず、質については国も国民も全く関知しないようです。医師にお世話に成らない人は皆無だが、弁護士の世話になんか、ならなきゃいい、というつもりかもしれません。

>訴訟件数の急増とマンパワー不足により過労死する判事も出るような状況で、処理能力の限界を超えた中で十分な検討がなされないまま判決が行われたりする

これはご指摘の通り。
裁判官は過酷な仕事ですが、社会的には大変名誉がある地位とされていますので、志願者が足りないことはありません。
検事は一時期、志願者不足が心配されたことがありましたが、景気が悪くなると安定した公務員嗜好が強まり、現在では全く不足はありません。

YosyanYosyan 2008/02/01 13:09 YUNYUN様

裁判官志望者は多いのは聞いたことがありますし、個々の資質のムラは人間だからあるとしても、裁判官の職業意識は非常に高いものとも聞いています。それこそ「時間さえ十分与えられれば・・・」の世界でもあるとされます。

 >弁護士は数年間のうちに3倍くらいに増やす計画

これなんかも不思議な政策と思っています。弁護士がすべて訴訟のみに従事しているわけではありませんが、訴訟が弁護士にとって重要な収入源である事は間違いありませんし、そうそう顧問弁護士としてだけで、優雅に訴訟とも関係なく暮らせる弁護士は限られていると思っています。

弁護士が3倍になれば訴訟が3倍になるほど単純ではないでしょうが、どう考えても現在より訴訟が増えます。訴訟が増えても裁判官の数が変わらなければ医療同様裁判官はより一層の過重負担に喘ぐ事になります。誰が考えてもそうなります。

まさか「弁護士が増えて、訴訟が増えるとは予期しない出来事であった」なんて言い訳にもならない言い訳を、白々とやるのでしょうか。もし法務省がそう答弁したら、厚労省なみと言えそうです。

ひまな学生ひまな学生 2008/02/01 18:22 YUNYUN様

ご指摘ありがとうございます。裁判官は国の定める枠そのものが少ないためにマンパワー不足に陥っているのですね。
それほどに人気のある職業なら、今のような激務の状態でも裁判官を辞職するケースは多くはないのかもしれませんね。
個人的に裁判官が公的病院勤務の公務員医師と一番異なるのは、職務の結果に対する刑事・民事上の責任を問われずに済むという点ではないかと感じています。これが仮に、判決が与える社会的影響や個人・団体への損害に対する責任を第三者に判定され、結果責任を問われるということになれば、やはり裁判官のなり手はいなくなってしまいそうです。
公共の秩序のために国家権力を行使する立場の職種の人々は、官僚をはじめ裁判官・検察官・警察・消防・公安など、職務上の規定に沿って遂行する限り、その職務上の行為の結果責任を個人として問われることは基本的にないように思います。(ただし、それも世論次第では、薬害エイズ事件のときの厚生省官僚のように詰め腹を切らされることもあるようですが。)
医師も、産科や救急などをはじめ現行の条件ではもはや立ち行かないような診療科について、それが国民の安全に関する公共性の高いものと判断するなら、予算を十分に確保して公共性の高い分野に特化した病院を設立・運営し、そこに勤める医師などの職員を完全な国家公務員として、職務規定、身分保障および免責規定を明示するというようなことは無理なのでしょうか。そうなれば民間病院勤務と公的病院勤務との質的差異が生じて条件次第では役割分担や住み分けができる気がします。職務を規定に沿って行う限り刑事・民事上の免責が保証されるというのは大きいと思いますが…。きっと現実的には無理なんでしょうね。
どちらにしても、安全に関する要求がかつてないほど肥大化し、またそれが安価であることが当然の前提とみなされる状況ではそうしたものに関わる職業は、もはやまともには成り立たなくなってしまったと感じます。

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