新小児科医のつぶやき

2008-02-22 姫路のつづき

姫路の「たらい回し」事件の余波と言うか津波です。この事件はまず「17病院たらい回し」の末、患者が死亡した事件です。この事件については良く御存知かと思いますが、出てきた情報からは「たらい回し」が無くとも患者の容態は厳しかったの見方が強く、さらに救急隊の搬送先探しに不手際もあった事が判明しています。

しかしマスコミは壮絶なバッシングを行ないました。バッシングの結果、行政は動き、行政の動きもまたマスコミが捻じ曲げて囃し立てる経過をたどっています。そのあたりは姫路宣言の真相を御参考にしてもらえればと思います。

すったもんだはあったのですが、この騒動に嫌気が差してか

    実際会議中に2、3の医療機関から輪番から撤退するという申し出もありました

この会議と言うのは市と医師会の「再発防止会議」だったのですが、この「申し出」がどうなったかの続報は無く、申し出だけで実行はされないんじゃないかと個人的には考えていました。姫路の二次救急輪番は、

  • 内科系:最盛時14病院 → 現在6病院
  • 外科系:最盛時16病院 → 現在7病院

見てのとおりで、最盛時に較べると1/2から1/3に減少し、負担はその分増えています。姫路の輪番システムはよく知りませんが、輪番が内科系・外科系1ヵ所ずつでも月に4〜5回、2ヶ所ずつならその倍になります。これ以上減ると輪番救急の維持は難しくなるので、なんらかの手立てを行政も行なって、輪番への繋ぎ止め工作ぐらいは行なうだろうと予想したからです。

ところが「申し出」は現実化しました。Web版にはまだ上っていないのですが、今朝の神戸新聞によると、

  • 内科系:現在6病院 → 5病院に
  • 外科系:現在7病院 → 4病院に

内科系が1病院、外科系に至っては3病院が撤退する事に決定したようです。昨今の医療情勢、救急対応へのバッシングの厳しさを考えると、十分な体制を提供できないと判断した病院が撤退する事は責められるものではありません。「受け入れ不能」と言っただけで「たらい回し」「診療拒否」みたいなマスコミ記事が全国的に躍り、病院名まで曝されるのならそんなリスキーな仕事をわざわざ引き受ける義理は無いという事です。そのうえ真面目にやれば救急は赤字になります。

またこの撤退の背景は行政サイドのその場しのぎの責任逃れに愛想を尽かした部分も大きいかと思います。姫路の「たらい回し」では現場の救急隊員の責任を必ずしも問うものではありませんが、実際には搬送できる病院があったにも関らず見逃しています。ヒューマンエラーですがミスはミスです。そのミスを行政サイドは隠蔽しようとしただけではなく、病院サイドの押しつけようと工作したと感じたと考えています。

「たらい回し」リストをマスコミに病院の実名入りで公表したり、協議会の方針を

    救急隊が搬送先を探す際に診療科を限定せずに判断

こう歪曲して報道したりです。この部分に関しての真相は、今回の救急隊のミスである、診療科だけを聞いて受け入れ打診を行なわなかった事への対策だったはずなんですが、マスコミ公表時には「姫路宣言」とまで揶揄される代物になってしまっています。もちろん行政サイドが本当にそうしたかどうかはわかりませんし、マスコミが勝手に歪曲したのかもしれません。それでも報道に対して訂正を要求する熱意の乏しさがはっきり見えるのは確かです。

脱退した病院は雰囲気として行政がどう言葉を飾ろうが、事が起これば次回も同工異曲の責任回避に走ると濃厚に察知したと考えています。やるだけで赤字で、職員の負担が大きく、「たらい回し」が起こればマスコミに袋叩きにあい、行政もマスコミサイドに加担するとなれば留まる方が常識的には異常な判断です。医療者としての良心を越えるところまで事態は悪化していると考えます。

しっかし厳しいですね。やせ細った輪番からさらに脱退したために、ついに空白日が誕生するようです。姫路では三次救急病院である姫路循環器センターが既に半身不随で救急としてはほとんど機能していません。二次輪番が維持できなくなると周辺に流出する事になるのですが、東側の加古川も機能麻痺が進行しています。西側の赤穂は健在ですが、姫路から押し寄せれば、時間の問題で疲弊するのは目に見えています。

他人事みたいに言わずに対処法を考えたらどうかと言われそうですが、な〜んにも対策が思い浮かびません。打つ手さえ見当たらないほど深刻と言うことです。いよいよどん詰まりの局面を迎えつつあるようです。

ssd666ssd666 2008/02/22 09:35 Webソース
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0000846042.shtml

つーか、まだKYな病院が5/4病院あることの方が驚きですな。

レノンレノン 2008/02/22 09:35 救命センター医です。当医療圏でも救急告知を撤退する病院が増え、その分が忙しくなっています。ここ2年CPAが増加し、今年は300例を超えそうな勢いです。これに加えて年度末の看護師定員割れに伴う7:1看護維持のため部分休床する急性期病院が増え、最近は昼飯抜きの毎日でみんな悲鳴を上げる余裕すらありません。
常々思うのですが、日本は200-300床以下の中小病院が多く、1病院あたりの医師数が少ないという構造になっています。今の救急事情は、これら中小病院が受け入れる閾値を超えてしまったので一気にこのような事態になったと考えています。分断すれば効率が悪くなる典型例です。
仮にこれらの病院が合体して1000床規模になり、夜間でも各専門の医師が10人近くいれば、受け入れを断る率が減る可能性が高くなります(あくまで机上の計算ですが)。
もちろんコンビニ受診など別の大きな要因を是正する事が大事ですが、国民の意識を一朝一夕に変えるのは難しいでしょう。
現状解決には手が詰まっていると思います。

通りすがり通りすがり 2008/02/22 10:19 >「受け入れ不能」と言っただけで「たらい回し」「診療拒否」みたいなマスコミ記事が全国的に躍り、

これに関して、NHKの「たらい回し」報道がひどいので抗議の電話をしました。
話の内容をコメントさせていただきますが、ご迷惑でしたら消してください。


■■■■↓ ここから ↓■■■■■■

「たらい回し」報道についてNHKに電話しました。
話の内容は大きく分けて以下の5つです。

なお、NHKに意見を伝えたのは、あくまでNHKに意見を伝えたかったためであり、それを
コメントとして投稿するのは、ただ単にコメントしたかったためであり、別に

 「NHKにはこのような意見を伝えた。よって、以後の『たらい回し』という表現は
 少なくともそのような意見を知った上で、それでも『たらい回し』と言っているのだ」

とか、

 「以後、誰かがこの『たらい回し』表現について抗議・質問をする際に、
   ・〜〜のような意見があったはずなのに表現を変えない理由は何ですか?
   ・『NHKは表現を変える必要はないと判断した』、
    『NHKは知っていてわざとやっている』と理解してかまいませんね?
   ・もしこれから『たらい回し』等の表現を止めるならば、今までそのような
    表現をしていた理由を視聴者に説明すべきでは?
  等のことを質問や抗議するときにNHKに伝えてほしい」

などということを、このコメントを見た人に伝えたい、多くの人に伝えたい、
・・・という意図は特には無いことをあらかじめ付け加えさせていただきます。
そんな意図は無いよ! 絶対に無いよ!!  も〜!「無い」って言ってるのにー!!
(ダチョウ倶楽部?なにそれ食えるんですか?)

■伝えた内容1■
「たらい回し」という表現はおかしい。実際には「受け入れ不能」である。
その理由として、
  ●なぜ急患の受け入れを断るのか?
   (人員・設備が足りない…などの)物理的問題で、(受け入れると犯罪に
   なってしまうケースがある…などの)法的問題で「受け入れ不能」だから。
  ●なぜ「専門外だから」が断る理由になるのか?
   「専門外の患者を受け入れるのは犯罪」という司法の判例(奈良心タンポナーデ
   事件)があるから。
  ●ベッドが無いなら、廊下で治療すればいいのではないか?
   「設備不十分な状態で患者を受け入れるのは犯罪」という司法の判例
   (加古川心筋梗塞事件)があるんです。
  ●有名人や金持ちだったら受け入れるんのではないか?
   西村真悟議員の息子の飛び降り自殺…アレも、重度のうつ状態で入院の必要が
   あるとされながらも、「ベッドが無い」という理由で入院できませんでした。
  ●救急病院が急患を受け入れられないなら、救急病院を辞めるべきだ?
   実際に辞めたり潰れたりしている。
など。『「救急受け入れ問題FAQ」を作りませんか?』を参考にしました。
http://punigo.jugem.jp/?eid=447


■内容2■
「ホテルで部屋が足りなくて宿泊できない」ことは「たらい回し」
「宿泊拒否」というべきであろうか?自分は違うと思う。

■内容3■
もし遺族感情や患者の立場を配慮しての報道なら、以後このような事態が起こることを
出来るだけ少なくなるようにするべきである。それをただ現場に対する不満を煽るよう
な放送をするのは、配慮ではなく、視聴者や遺族、患者の感情を煽り、ただ利用してい
る・・・結果としてそうなってしまっている、と考える。

■内容4■
以上の意見が、「絶対に正しい」とまでは考えていない。自分が話したままに報道せよ
というつもりもない。ただ、もう少し実情を調べて報道してほしい。もっとも、既に
調べた上での「たらい回し」という表現なら論外と考える。

■内容5■
NHKは「NHKからの回答を許可無く転用することは固くお断り」しているが(※)、
以上の話はあくまで自分がNHKに意見を伝えただけであり、転用を禁止されるような
回答はない。だから、「以上の自分の意見」と「それをNHKに伝えたという事実」を
他の人に伝えることは問題ないと考える。

※ NHKの公式HPの「お問い合わせ」より
>お電話によるご意見・お問い合わせはこちら | まっすぐ、真剣。NHK
> NHKからのお答えについては、お客さま宛てのものであり、
> 許可なく回答内容を転用、二次使用することは固くお断りいたします。


以上です。なお、担当の人の応対は非常に丁寧だったと感じました。
(↑これは別にNHKに対する皮肉で言っているのではありません。
それじゃ他の何がNHKに対する皮肉なのかと聞かれると困りますが(笑)

■■■■↑ ここまで ↑■■■■■■

HekichinHekichin 2008/02/22 10:20 2-3次救急に関しては特定医療機関受診料みたいなものを設定して、一律5000-10000円を取らないと受診抑制はできません。外来免責制度みたいで導入に抵抗はありますが、勤務医師の疲弊、医療の安全性を求めれるなら元気なこどもの鼻水受診をゼロにしなければなりません。

Med_LawMed_Law 2008/02/22 10:21
東京が燃え盛るまで、所詮は田舎の出来事という扱いでしょう

殆どの人は、自分のお尻が熱く焼け爛れるまで、医療崩壊の灼熱を知ることはないでしょう

東京に集中しているマスゴミにとっては、他人事です。

のじぎくの墓のじぎくの墓 2008/02/22 10:25 >二次輪番が維持できなくなる
国立姫路医療センターから麻酔科常勤医が消滅、産婦人科も完全撤退です。

BugsyBugsy 2008/02/22 11:32
関西はどうなんでしょうか。東京都や周辺の郊外の200床以下の中小病院では 夜間の2次救急はバイト医師、バイトの事務当直のアンちゃん、看護婦が一人ずつで待機しているのが殆どです。常勤の医師が多いわけでもないので 夜間や週末はバイトに当直をさせて 彼等の負担を軽減するというのが目的でした。レントゲンやCTを撮ろうとしても技師も独りぼっちでした。
ところが最近では 寝当直というのも死語になりました。そもそも前期研修医はバイトは原則禁止なので、後期か中堅医師にバイト当直の負担がかかっています。ただでさえ外科系は入局者が少ないし、それを慮ってバイトを強制出来なくなりました。少しでも勤務がきついと今まで働いていた医局員も簡単に逃げてしまうからです。そんな中で昨年あたりから「なんちゃって救急病院は嫌だ」と若手から大きな声を出されたら もうそれ以上は押し付けられません。今までが異常だったのです。耳鼻科や眼科の医師も2次救急病院で骨折や脱臼を処置させられていました。今それをバイトの割り振りということで行かせると それを理由に簡単に辞めますよ。
「こんな酔っぱらい相手の仕事をするために入ったんじゃない。」と言えば、昔は拳骨をくらって「社会経験になるぞ。」と言われましたが、今はそんなことを言い返した日には.......

従って常勤のみならず なんちゃって救急病院のバイトからは撤退中です。そうすると その病院の常勤の医師も疲れ果てて逃げています。
今回驚いたのは まだ輪番に応じる病院が残っていたんですね。スタッフも充実されているんでしょう。うらやましい限りです(えーと皮肉です)。

ハーフドロッポハーフドロッポ 2008/02/22 11:49
史実によると年号を昭和に変えた今日の翌日に硫黄島の摺鉢山に星条旗がはためくのだそうです。この期に及んで対策をというYosyan先生のお言葉ですが当時の硫黄島と同じく、これ以上の犠牲者を出したくないのであれば白旗を掲げる以外の方法は考えられません。
ただ、今も昔もそうですが、それが国民に許容されるかどうかが問題です。

通りすがり通りすがり 2008/02/22 12:09 残る病院は大学の関連病院だけ

ssd666ssd666 2008/02/22 12:14 医療崩壊というのは、某活動家が言うように、今までおかしかった医療界の自壊であるとも言えます。
救急医療というささいなミスも許されない(by アサヒ)業務に、バイト医者が関わっていた今までが異常だったのです。
バイト医者は老人病院の寝当直にでも行っていればよろしい。
責任ある救急の業務には、訓練された正規の常勤医が交替制勤務で行うべきなのです。ええ。

AnybodyAnybody 2008/02/22 12:36 >医療崩壊というのは、某活動家が言うように、今までおかしかった医療界の自壊であるとも言えます。

ほう、そんな活動家がいるんですか。
まあ、医療界も閉鎖的なところがあるので「ここがヘンだよ!日本の医療界」みたいなところもないわけでもないが...
バイトといっても、2次でも3次に近いようなところはベテランが当直してるんだけどね。

YosyanYosyan 2008/02/22 12:50  >責任ある救急の業務には、訓練された正規の常勤医

『当時,本件病院の脳神経外科部長であり,日本外科学会認定医及び日本脳神経外科学会専門医の認定を受けていた』

引用した資格は奈良救急事件の判決文にある被告医師の肩書きですが、この程度では「訓練された正規の常勤医」にはなりませんけどね〜。

AnybodyAnybody 2008/02/22 13:23 >引用した資格は奈良救急事件の判決文にある被告医師の肩書きですが、この程度では「訓練された正規の常勤医」にはなりませんけどね〜。

少林寺36房のうち、脳外科房は修行済みだったが、心臓房の修行が足りなかったんですね。

You-meYou-me 2008/02/22 13:32 >、一律5000-10000円を取らないと受診抑制はできません。

某本州のはしっこの崩壊した地域に住んでます。5000円では受診抑制にはなりませんというかなってません。失業率が高めで収入の低いわが地域でもコレです。最低でも1万円、たぶん3万ぐらいとらないと抑制の効果はないような気がします。

YosyanYosyan 2008/02/22 13:55 >最低でも1万円、たぶん3万ぐらいとらないと抑制の効果はないような気がします

うちの近所でも1万では抑制できずに救急縮小になったところがあります。

わはははわははは 2008/02/22 15:24 自業自得ですね

HekichinHekichin 2008/02/22 15:46 あらら、3万円ですか...それはちょっと国民が納得しませんねぇ。
念頭にあったのはこちら
夜間や休日の救急患者、軽症なら一律8400円徴収・埼玉医大
http://health.nikkei.co.jp/news/top/index.cfm?i=2007111208572h1
埼玉医大総合医療センター(埼玉県川越市)が、来春から夜間や休日の軽症救急患者に健康保険を適用せず、一律8400円の時間外特別料金の徴収を検討していることが12日、分かった。
------------
埼玉医大のヘタレなところは「軽症なら徴収、重症なら免除」と変な妥協をしている点ですね。精算窓口で事務員が罵倒されるような制度はやめるべきで一律8400円を徴収するべきでした。実際の徴収は4月からですが、うまくいくかどうか注目はしていい事例だとは思います。

BugsyBugsy 2008/02/22 16:08 某ブログで腹を抱えて笑ったのですが、いっそのこと かかりつけの三次救急病院がある患者しか診ないというのはどうよ。結局3次救急でもオイラが呼ばれるんでしょうね。

冗談はさておき、壊滅寸前の部隊が最後の総突撃をやるみたいに見えます。
白旗揚げて戦力を温存すれば 昼間はなんとか診療できそうに思われますがねー。

どぞどぞ 2008/02/22 16:14 【風】納得できない転院搬送も  2月21日16時39分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080221-00000124-san-soci

 救急隊員から具体的な拒否事例が相次いで寄せられている。
 大阪府内の40代の救急隊員は、府内のある救命救急センターについて《救命医が一度に多数退職し、もはや
3次医療機関の役割を果たせていません》とした上で、以前に隊員がその病院に患者を搬送した際、大変な思いをしたことを明かす。
 《69歳の女性の腹痛で搬送連絡したところ、手術の可能性があることを告げたら、受け入れできませんと言われました》
 救急隊員は救命士としての勤務経験から、患者の重症度は判断できるが、手術可能かどうかの可否は医師の判断が必要になる。
このため、ひとまず患者を診てもらって判断を仰ぎたかったが、この病院は3次医療機関にもかかわらず、手術のできる医師が1人もいなかったようだ。
 《まずは患者を搬送し、手術が必要なのであれば他の病院に転送するなどの手続きをとればいいのですが、看護師からは
「無理です」と冷たい返事でした。転送先の確保は、救急隊が責任を持つので…とお願いしてもだめでした》
 結局、この女性の搬送連絡には32回を要し、午前3時の119番から病院に搬送できたのは午前5時を回っていたという。
この隊員はさらにこう続けていた。
 《病院に搬送連絡した際によく聞かれるのが「かかりつけですか?」ということ。かかりつけだと診察はOK。かかりつけでないとNOです。
他にも救急隊から連絡すると搬送拒否で、患者さんが自分で行くと診察OKとか…現場にはいろんな問題があります》
 府内の別の救命士(44)からは、こんなメールも来た。
 《納得できない救急出動の中には、医療機関から要請されるものもあります。病院から病院への転院搬送です》
 本来、その病院での処置が困難で、緊急を要する場合が原則だが、この救命士は《緊急性を感じることはめったにありません》とする。
 《患者の家に近い病院が見つかったとか、救急車で搬送することをサービスと勘違いしている病院すらあります》
 さらに、こんな例も挙げている。《自力で病院に来た患者でも、診察科目がなければ、平気で「病院の外から救急車を呼びなさい」
と指示する医療関係者もいます》(信)

Level 6Level 6 2008/02/22 19:08 静岡市民です。

既にネット上では広く知られたと思いますが、あの有名な静岡市立清水病院に税務署が入りました。

宿・日直手当一部に課税 市立清水病院、追加納税へ
2008/02/20

http://www.shizushin.com/local_politics/20080220000000000051.htm

 静岡市立清水病院がこれまで、一部非課税と解釈していた医師や薬剤師、臨床検査技師らに対する宿・日直手当について、清水税務署から「課税対象になる」との指摘を受け、市が所得税の追加納税の準備を進めていることが20日、分かった。開会中の市議会2月定例会に上程されている病院事業会計2月補正予算案に同病院の雑損失として、当初の指摘に基づく2000万円を計上した。その後の税務当局との折衝を経て、同病院側は実際の追加納税額が560万円程度になると見込んでいる。


中からの情報によると、事務は職員(薬剤師、臨床検査技師、臨床放射線技師)にそっくりそのまま納税をするように指示したらしく、会議でおおもめになって現在pendingだそうです。

先程静岡のローカルニュースで言ってましたが、静岡市立静岡病院、共立蒲原病院にもそれぞれ1000万円、650万円程の追加徴税命令が出たそうです。
以前長崎、岐阜で論議を醸したことが当地でも現実のものになりました。
今後、他の基幹病院にも順番に税務署が入ると推測します。

これだけネットで情報が仕入れられるにも関わらず、36協定の存在すら知らない医師の多さに愕然としております。

Level 6Level 6 2008/02/22 19:15 連投申し訳ありません。
ちょっと訂正

事務は職員(薬剤師、臨床検査技師、臨床放射線技師)にそっくりそのまま納税をするように指示したらしく

      ↓

事務は職員(医師、薬剤師、臨床検査技師、臨床放射線技師)にそっくりそのまま納税をするように指示したらしく


失礼しました。

tadano-rytadano-ry 2008/02/22 20:33 話は関係ないですが、割り箸事件の民事判決が裁判所HPにアップされています

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080219162615.pdf

病院勤務内科医病院勤務内科医 2008/02/22 20:57 産経のお馬鹿記者の記事には、1年365日、常に医療職の解説が必要です。

>>納得できない救急出動の中には、医療機関から要請されるものもあります。病院から病院への転院搬送です

むかしは民間救急が無かったので緊急性の無い患者の転院(入院中に別の病院に移る場合)に救急車を使っていました。
今は、医者が同乗しなければならない患者を除いて、民間寝台車(民間救急?)をお願いしています。
大都市には民間救急車(寝台車)サービスがあるから良いが、地方ではサービスが受けられないので消防署の救急車を使うのでは?

>>かかりつけだと診察はOK。かかりつけでないとNOです。

スタッフ不足で救急患者受け入れに制限があるから、かかりつけ優先は当然でしょ。
それでも受け入れられない場合もある。

>>自力で病院に来た患者でも、診察科目がなければ、平気で「病院の外から救急車を呼びなさい」

自力で来たということは、自分で電話もかけられるレベルの体力があるわけでしょ。
医療職は、自力でこられる患者の消防署の救急隊への取次ぎサービスはしておりません。
自力でなんとか来たけど、自力で他の病院へ行くのは困難な患者には、ちゃんと受け入れ先をさがしてから救急車を呼びますがね。

ドロッポ小児科ドロッポ小児科 2008/02/22 21:17 赤ひげ診療譚を読んでいるんですが、……

P106
「乱世ならともかく、天下は泰平であり秩序もととのっている、幕府の権威は天下を押さえて
ゆるがず、四民は怯々とその命にたがわざらんことを怖れている、かれらにはなんでもでき
るのだ、どんな無法なことでもどんなに残酷なことでも、幕府の名をもって公然と押しつける
ことができる、そして現にそのとおりやっているんだ」
「おれはごまかされないぞ」と去定は下唇をそらす(新出去定=赤ひげ)
「おれは老いぼれのお人好しかもしれないが、こんなふうに人間を愚弄するやりかたに眼を
つむってはいない、人間を愚弄し韜晦するような政治に、黙って頭をさげるほど老いぼれでも
お人好しでもないんだ」
 ほんの暫く独り言がとだえた。去定は大股の歩度をゆるめながら、片手で髭をごしごしと
こすった。「無法には無法を」と去定は呟いた、「残酷には残酷をだ、――無力な人間に絶望や
苦痛を押しつけるやつには、絶望や苦痛がどんなものか味わわせてやらなければならない、
そうじゃないか」
 長いことそういう憎悪の独り言が続いた。去定の心は怒りと憎悪とで、どす黒く沸き立って
いるらしい。
--------------------------------------

なんだ、ここには、Yosyan先生以下、赤ひげ、いっぱいいるじゃないですか。
大淀や福島大野病院で声をあげた医師達こそが、赤ひげじゃないですか。

これからも赤ひげ精神で、どんどんドロッポして参ります!

uchitamauchitama 2008/02/22 21:23 先日の「ある大学病院救急のお話」の分析から小生も理解したのですが、要するに療養病床、老人病院が削減され、溢れ出した高齢者を自宅やホームで介護し、重症化し病院へ入院する唯一の窓口が救急車なのですね。国が療養病床を削減した余波、あるいは今後も削減し続ける限り救急医療は崩壊し続けるということですね。厚労省も療養病床を削る前に、「畳の上で死にたい」というキャンペーンをやるべきだったのです。最近は誰もが病院のベッドで死にたいと思っているのですから。
ちょっと皮肉っぽいですが自宅で看取った場合、家族と医療機関に報奨金を出すというのはどうでしょう?

tadano-rytadano-ry 2008/02/22 21:32  割り箸事件の判決文を読みました。88ページの大部なものです。新聞記事の内容で想像できましたが、被告側の非の打ち所のない完勝です。割り箸が頭蓋内に刺さっていたことを予見することは出来ず、過失が存在しないというだけでなく、過失がないので本来議論すべきでない被告の先生の診察と死因との因果関係についても詳細に論じ因果関係なしと結論しています。

それにしても原告側の
「割りばしが折れ始めた部分から尖った方の先端までの約2センチメートル
が,咽頭後壁から上咽頭腔内に,肉眼的に見ても明らかに突き出ていた。」

という主張を見たときは力が抜けました。原告の方は本も書いておられ、私の街の図書館に入っていたので読んだことがあるのですが、そこではそんなことは一言も書かれていず、被告の診察の時も「傷口に消毒薬を塗った」とあるだけです。つまり割り箸が刺さっていた傷口に薬を塗って返したとでも言うのでしょうか。

BugsyBugsy 2008/02/22 22:15 uchitama様
>老人が....重症化し病院へ入院する唯一の窓口が救急車なのですね。
ご明察です。救急からの電話でかかりつけだそうですと言われたら即座に確認する術はありません。来てみれば 5−10年前に一度他の科に受診しただけというザラにあります。受診暦が実はなかったとしても 救急車から降りてくれば診療せざるをえません。救急隊も医師のサインがないともらえるまで帰りませんからね。「ちょっと診るだけでいいから。」と内容をぼかしつつ搬送してくれば すでに死斑が出かけていて「患者じゃなくて死体じゃん」と 看護婦とツッコミ合っています。結構あるんですよ、ご遺体の搬送が。

よほど矍鑠とした老人が入院を拒めば別ですが 家族は隙あらば入院させようと虎視眈々とねらってるように見受けられます。

あと病院紹介のホームページも多いのですが、診療科と医師の名前が載っていたらアウトですね。名前を覚えて「多分00先生だった。」と言われたら 医師の方がいちいち患者氏名を覚えてませんからね。いくら医師が忙しいといっても事務が診察させようと躍起になっています。「あんた正義の味方かよ。」と内心毒づくくらい上から物申します。地域の救急医療というのは事務にとってみれば金科玉条のような存在で「医師の健康よりも地域住民の健康」と今になっても思い込んでるよなあ。

RR 2008/02/22 22:30 もう本気で白旗をあげるしかないんじゃないかと思います。
「もう無理です」「できません」「無い袖は振れない」と事実をありのままに表明するしかないのではありませんか?
これ以上犠牲者をださないためにも。
早く白旗をあげてください。無理はしないで下さい。これ以上過労で倒れたり身体を壊したりましてや死んでしまったり、なさらないで下さい。

私は、もはや日本医療は適正規模に縮小するしかないと考えていますが、今の無茶苦茶な状態を続ければ続けるほど犠牲者は増え続け、「適正規模」もどんどんどんどん縮小してしまうのではないかと危惧しています。
どうせもう医療崩壊・焼け野原は決定事項です。決定している以上は、いかに無駄な応戦をさっさと切り上げるかが重要です。
だから行政及び病院経営者の皆さまには「安心・安全な医療の提供」だの、「万全の体制を持って」だの、詐欺的なリップサービスで一般市民を騙すのはもう止めて頂きたいです。
立派な建物の何百床の病院でも、医師は○人(夜間は○人)しかいないんです、皆さんの要求する医療なんか提供できません、と、正直な所を明らかにしてはいただけませんか。
だって一般市民は知らないんです。あんな大きい病院(建物が、ですよ)に、夜間は医師が一人しかいないなんて、その一人が入院患者の面倒も救急患者の対応も全部してるなんて。何億もかけて建てた病院だけど、あるのは建物だけで医者は必要な人数の半分もいないなんて。残った数少ない貴重なお医者さんは過重労働で疲弊しきって過労死寸前だなんて。殆どの一般市民はそんな事全然知りません。
ネット徘徊でもしない限り。

>それが国民に許容されるかどうか
許容されようとされまいと「無い袖は振れない」。
それでも「そんなのは許さん!」と一般市民(&マスコミ)が病院打ち毀しに大挙してやってくるようなら、本気で逃げるしか無いでしょう。そこに留まり応戦し倒れるのは正に無駄死にではありませんか。

SeisanSeisan 2008/02/23 00:19 でもまあ、救急隊も引き取ってほしいから言いたい放題ですよ。
「熱性痙攣です、今は収まってます」>強直しており、確かに震えては居らんわな
くらいは当たり前(もちろん細菌性髄膜炎でした)
「痙攣です、今は収まってます、意識レベル2-20です」>特発性脳室内出血で強直してる、痛み刺激どころか・・・なんてのもありましたよ。
挙句に「発熱で脱水のようです」>タダの寝汗。しかも元気。おまけに親は点滴をしろと訳わからんこと言うし、とか。
だから、救急隊の対マスコミ発言もかなり割り引く必要があるんですよね。
おまえら、とってもらう為にたいがい嘘いいまくっとったやろーが、とね。

YosyanYosyan 2008/02/23 08:40 昭和の戦史に医療崩壊をなぞらえるのはよく行なわれる手法です。もう戦力をすり減らし、まともに戦える力など全く残っていないのに、机上の「絶対防衛圏」を設定したり、「神州不滅」のスローガンを唱えたり、「神風が吹く」とプロパガンダしたりは良く似ています。

指導部が極度に官僚化し、敗戦の責任を個人に転嫁し、自らの責任を回避し、さらに滅び行く組織での出世争いに血道を上げているのも似ていそうな気がします。

ほんの少しだけ違うのは、兵士のすべてが無謀な作戦指令に従っているわけでは無いことです。兵士には逃げる事が可能であり、逃げよと言う地下放送も行なわれています。ただ放送の力がまだ余りにも微弱な事に嘆息するばかりです。

団藤保晴団藤保晴 2008/02/23 17:14  朝日新聞大阪本社の記者です。大阪の夕刊(月曜2面、約130万部)
に「ウェブ通」と題したコラムを書いています。
http://www.asahi.com/kansai/entertainment/webtu/
http://www.asahi.com/digital/column02/index.html
今回「医師ブログ」をテーマにしたいと考えており、Yosyan先生に
取材させていただきたいのです。会社のメールアドレスはスパム対策上
公表しにくいので、個人で持っているドメインのメールアドレス
dando@dandoweb.com
にメールをいただけませんか。私個人も「インターネットで読み解く!」
http://dandoweb.com/
などのネット活動をしておりますが、今回のお願いは朝日新聞記者として
の取材です。
 よろしくお願いします。
団藤保晴 (DANDO Yasuharu)  朝日新聞大阪本社・記事審査委員

YosyanYosyan 2008/02/23 17:49 団藤保晴様

マスコミ取材は受けない事にしています。悪しからず御了承ください。それと宜しければメアドがさらされますから、削除させて頂いたほうがが良いかと存じます。御了解頂けたらそうさせて頂きます。

ROM専門医ROM専門医 2008/02/23 21:34 団藤保晴様

朝日新聞の記事審査委員様でいらっしゃいますか。
Yosyan先生個人宛てでコメントを載せておられますので場違いは承知ですが、御社の医療に関する素晴らしい記事には常々感服しており、どうしてもこの感動をお伝えしたくて。
とりわけ、

<11>妊婦のたらい回し問題 2007年12月28日
http://mytown.asahi.com/gifu/news.php?k_id=22000150712260002

急患たらい回し、公明が防止法案 空きベッド情報提供 2008年01月26日06時49分
http://www.asahi.com/politics/update/0125/TKY200801250331.html

【千葉笑い】 遠藤佳三選 1118回 2008年01月19日
  出産
昔――たらい風呂
今――たらい回し
(山武市・かずよし)
http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000210801190001

などは非常に秀逸で、深く記憶に残っております。
これからも、あなた様と御社の益々のご活躍を心よりお祈りいたしております。

HekichinHekichin 2008/02/23 21:56 ふ〜ん、発行部数130万部とわざわざ書くところ、さすが新聞記者。上から目線ですねぇ。そのうち1/3くらいは押し紙なんだろうけどww

KYについて社内総括してから出直しては?サンゴは痛がってるぞ(一応、サンゴは生き物です)

Med_LawMed_Law 2008/02/23 22:04
”重度の意識障害(「刺激すると覚醒する」以上の意識障害)”と主張しながら、母は父親に子供を自宅まで送らせて自分は宴会を続行。酔っ払って朝を迎えたということですか?
(出典:「割り箸が脳に刺さったわが子」と「大病院の態度」 (小学館文庫) (文庫))

フム、フム、フム

子育てより、親育ての方が大変なのかもしれない。

9,000円也

uchitamauchitama 2008/02/24 00:37 割りばし事故の報道や一般人(非医療者の)の反応ですが、ネット(下記)では病院医療者側に好意的な意見が多く見られるのに比べ、テレビ、マスコミ(大手新聞社)は病院医師叩き一辺倒ですね。日本のマスコミってどうかしていますね。それともどこかから圧力でもかかっているのでしょうか?医療に関わらず冷静に世論を見ていないから新聞離れ、テレビ離れが始まっているのでしょう。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080213-00000086-mai-soci
http://blogs.yahoo.co.jp/asunaro41mm/40269493.html
http://digest2ch.blog28.fc2.com/blog-entry-877.html

サルガッソーサルガッソー 2008/02/24 05:50 日ごろ辛酸をなめさせられてるマスコミに意趣返しをされたい気持ちもわかりますが、
団藤記者はわりと「わかっている」記者みたいですよ。
個人サイトの方のブログ時評では、以前から新小児科のつぶやきを取り上げているようです。
もちろんYosyan先生に取材を受けろといってるのではありませんので。

暇人28号暇人28号 2008/02/24 07:33 団藤様
ブログ時評、時々拝見しています。
http://dando.exblog.jp/
非常に冷静で論理的なコメント、このような方がマスコミ内にたくさんいらっしゃればこんな事態にならなかったのに....と悔しくてなりません。

あ、ちなみに、漢方薬の「麻黄湯」に関する2chの記事があったと思いますが、あの書き込みは私のものです。


ROM専門医様:
マスコミ全部を一緒くたにしないほうがよろしいかと....
「医者は全部藪医者だ」という一般国民の論評と同じになってしまいます。

ただ、朝日新聞の一従業員として、記事に関して詰問したくなる気持ちもよくわかりますが。

YosyanYosyan 2008/02/24 09:48 古い読者の方なら覚えてられる方もいるかもしれませんが、マスコミ取材については「受けない」と言明しており、その言葉を今でも変える気が無いだけの事です。これは朝日新聞だからだとか、産経新聞だからだとか、毎日新聞だからと言うわけではなく、どこも同じで、それ以上でもそれ以下でもありませんので誤解無い様にお願いします。

団藤保晴団藤保晴 2008/02/24 15:46 マスコミ取材は受けないという事なら了解です。
ただ、時には「マス」の力を利用する必要もお考えになって
おく方がいいと思います。機会があればお考え下さい。

メアドの件はこのままで結構です。まだ1万部以上を配信して
いるメルマガの発行元アドレスで、毎日数百は来るスパムメール
に向け対策を施してあります。いくつかレスが付いているので
削除するのも奇妙でしょうし。

ここで付いているレスにお答えするのは控えますが、会社の中で
どういうスタンスで発言しているのか、「ブログ時評」の
http://dando.exblog.jp/3664815/
あたり冒頭をご覧いただければ良いと思います。
新聞社が変わってきていると認識されている医師ブログもありますよね。