新小児科医のつぶやき

2008-03-31 三六協定のお勉強

平成20年3月7日付基発0307006号「過重労働による健康障害防止のための総合対策について」の一部改正についてなる通達が厚生労働省労働基準局長名で発せられております。これは平成18年3月17日付基発0317008号「過重労働による健康障害防止のための総合対策について」の一部改正版です。書いてあることは立派なので今日はここから入ります。

まずは冒頭部です。

 長時間にわたる過重な労働は、疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因と考えられ、さらには、脳・心臓疾患の発症との関連性が強いという医学的知見が得られている。働くことにより労働者が健康を損なうようなことはあってはならないものであり、この医学的知見を踏まえると、労働者が疲労を回復できないような長時間にわたる過重労働を排除していくとともに、労働者に疲労の蓄積を生じさせないようにするため、労働者の健康管理に係る措置を適切に実施することが重要である。

書いてあることには「何ひとつ」異論はありません。異論は無いどころか全面的に賛成なのですが、あまりの空々しさに苦笑せざるを得ません。だってこの通達の根拠になっている医学的知見を主張している医師自身が、過重労働で今にも総倒れになりそうだからです。これが皮肉に聞こえなかったら異常です。

皮肉は置いておくとして、この通達は冒頭部を読んでの通り、時間外労働を減らそうとするものです。減らすための大元に据えられているのが三六協定であるように感じます。労働基準法的には当然の考え方で、労働基準法の趣旨として時間外労働を認めないが大前提です。その大前提の上で三六協定を結べた事業所に時間外労働を許可する形式となっています。そうなれば労働基準監督局としては、時間外労働をコントロールするために三六協定の内容を見直させる作業となります。

つまりと言うかなんと言うかですが、締結されているはずの三六協定の内容の遵守や監視を強化すれば時間外労働の削減に結びつくと考えれば良いと思います。そういう文脈で読めば、

 限度基準に規定する限度時間を超える時間外労働を行わせることが可能な36協定を締結している事業場であって、労働時間等の設定の改善に向けた労使による自主的取組の促進を図ろうとするものに対し、都道府県労働局に配置されている労働時間設定改善コンサルタントも活用が図られるように措置する。

労働時間設定改善コンサルタントなるものが設置されて三六協定を活用して時間外労働を削減させる方針と受け取れます。ただここで良く分からないのは、労働局の本来の業務の一つに三六協定の監視も当然含まれていると思うのですが、わざわざ労働時間設定改善コンサルタントを新たに配置するというのが珍妙といえば珍妙です。外野からはよくわからないところです。

次のところも三六協定がらみなのですが、

 時間外労働は本来臨時的に行われるものであり、また、時間外・休日労働時間(休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間をいう。以下同じ。)が月45時間を超えて長くなるほど、業務と脳・心臓疾患の発症と関連性が強まるとの医学的知見が得られている。このようなことを踏まえ、事業者は、労働基準法(昭和22年法律第49号)第36条に基づく協定(以下「36協定」という。)の締結に当っては、労働者の過半数で組織する労働組合又は労働者の過半数を代表するものとともにその内容が「労働基準法36条第1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準」(平成10年労働省告示第154号。以下「限度基準」という。)に適合したものとなるようにするもとのする。

 また、限度基準第3条ただし書又は第4条に定める「特別の事情」(限度時間を超える一定の時間まで労働時間を延長することができる事情)を定めた36協定については、この「特別の事情」が臨時的なものに限るとされていることに留意するものとする。さらに、月45時間を超えて時間外労働を行わせることが可能である場合にあっても、事業者は、実際の時間外労働時間を月45時間以下とするように努めるものとする。

 さらに、事業者は、休日労働についても削減に努めるものとする。

ここで気になるのは平成10年労働省告示第154号「労働基準法36条第1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準」です。この通達では限度基準としていますが、「第3条ただし書又は第4条」とは何ぞになります。

まず第3条です。ここは「一定期間についての延長時間の限度」と題されており、

第三条

 労使当事者は、時間外労働協定において一定期間についての延長時間を定めるに当たっては、当該一定期間についての延長時間は、別表第一の上欄に掲げる期間の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる限度時間を超えないものとしなければならない。ただし、あらかじめ、限度時間以内の時間の一定期間についての延長時間を定め、かつ、限度時間を超えて労働時間を延長しなければならない特別の事情(臨時的なものに限る。)が生じたときに限り、一定期間についての延長時間を定めた当該一定期間ごとに、労使当事者間において定める手続を経て、限度時間を超える一定の時間まで労働時間を延長することができる旨を定める場合は、この限りでない。

読みにくいお役所文ですが、まず別表第一の時間区分に応じ限度時間が設定されており、それは超えてはならないとしてます。まずその別表第一を掲げます。


期間 限度時間

一週間

15時間

二週間

27時間

四週間

43時間

一箇月

45時間

二箇月

81時間

三箇月

120時間

一年間

360時間


ここで「ただし書」なるものがあり、まず「特別の事情」として、

    あらかじめ、限度時間以内の時間の一定期間についての延長時間を定め、かつ、限度時間を超えて労働時間を延長しなければならない特別の事情(臨時的なものに限る。)が生じたときに限り

限度時間を超えて時間外労働を行なわなければならない「特殊な事情」が出てきたら、

    当該一定期間ごとに、労使当事者間において定める手続を経て、限度時間を超える一定の時間まで労働時間を延長することができる旨を定める場合は、この限りでない

限度時間を超えても「特別の事情」があれば時間外労働を行わせても許されるが、これはあくまでも臨時的であり、なおかつ労使間で限定された期間ごとに協定を結ぶ必要があるとしています。時間外労働が限度時間を超えても労使が納得していれば許されると解釈しても良いかと思います。

次に第4条です。ここは「一年単位の変形労働時間制における一定期間についての延長時間の限度」となっています。

第四条

 労使当事者は、時間外労働協定において法第三十二条の四の規定による労働時間により労働する労働者(三箇月を超える期間を同条第一項第二号の対象期間として定める同項の協定において定める同項第一号の労働者の範囲に属する者に限る。)に係る一定期間についての延長時間を定める場合は、前条の規定にかかわらず、当該労働者に係る一定期間についての延長時間は、別表第二の上欄に掲げる期間の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる限度時間を超えないものとしなければならない。

2 前条ただし書の規定は、法第三十二条の四第一項の協定が締結されている事業場の労使当事者について準用する。

これは労働基準法32条の変形労働時間の協定を締結しているものの時間外労働の限度基準のようです。これに関しては今日はこれ以上触れません。

話が煩雑になってしまっているので要約すると

  1. 時間外労働は労働基準法で禁じられている
  2. 時間外労働をさせるためには三六協定を労使で結び許可を得る必要がある
  3. 認められる時間外労働時間も通達で定められている
  4. 限度時間は通達で定められているが、さらに三六協定の内容により限度時間を超える時間外労働の設定も可能である
  5. もっとも厚生労働省の基本方針として時間外労働の削減は医学的知見に基づき進められている

さらに付け加えると現実の三六協定の実態として、通達の上限である月45時間を超えての協定は十分可能です。この件については具体的事例に対し厚労省に疑義照会がなされ、ここでは直接引用できません(そういう約束なもので)が、労使さえ合意していれば「特別な事情」により自由に時間外労働時間の設定ができるというものです。もちろん自由と言っても限度があり、そこは労働局の裁量になりますが、60時間程度なら余裕でOKとなります。

長々とした解説になってしまいましたが、ここでネット医師の間で話題になった産経新聞掲載の久坂部羊氏のコラムを引用します。

【コラム・断】医師に労基法はそぐわない

 先日、ある新聞の1面に「救命医宿直7割『違法』」という記事が出た。救命救急センターの当直が労基法に違反しているとの内容である。医師の激務の実態を報じるのはいいが、そこに労基法など持ち出しては百害あって一利なしだ。

 記事には、労基法上、残業などの時間外労働は原則、月45時間までとか、労基法に違反すると、労働基準監督署が改善指導し、従わない場合は書類送検することも、などとある。医療にそんな建前が通用するわけがないではないか。それとも、治療を求める患者を前に、医師が労基法をたてにして、病院に権利主張ができるとでもいうのか。

 医師に労基法を適用して、臨床研修制度が大きな矛盾を抱えたことは記憶に新しい。研修医に30万円程度の給料を保障したため、指導医のほうが安月給になったり、週末や当直明けを休みにしたため、研修医の一部が、医師のありようを学ぶ前に、休暇の権利を覚えたりするようになった。

 医師の勤務が労基法に違反している云々(うんぬん)などは、現場の医師にとっては寝言に等しい。医師の激務や待遇の改善は必要だが、今さら労基法を当てにする者など、まずいないだろう。万一、医師が労基法の適用を求めだしたら、現場はたいへんな混乱になる。

 患者の治療よりも、労基法の遵守を優先すべきだとまで主張するならいいが、そうでなければ、表面的に「違法」をあげつらうのは、単なる絵空事にすぎない。(医師・作家 久坂部羊

これについてはかなり強い反発が出ていましたが、私も今どきのネット医師に労基法を持ち出すなら、もう少し勉強してから書かれてはどうかと思います。久坂部羊氏の労基法に関する知識は記事を読んだだけとして良いかと考えます。その証拠に、

    記事には、労基法上、残業などの時間外労働は原則、月45時間までとか・・・

ここは記事情報以上の労基法については知識に乏しいと言っていると素直に考えられます。その程度の知識で、

    労基法など持ち出しては百害あって一利なしだ

ここまで断言するのは浅薄の謗りを免れ得ないと感じざるを得ません。

    万一、医師が労基法の適用を求めだしたら、現場はたいへんな混乱になる

たしかに混乱するでしょうが、混乱するのは患者に対する臨床現場ではなく病院側ないしは国策としての医療費削減路線の方です。これを説明するために長い前置きを書いたのですが、労基法に従って時間外労働をするためには三六協定の締結が必要です。結んだ上で時間外労働の上限を決めなければなりません。一般的にと言うか、通達では月に45時間までとなっているのは記事の通りです。しかしそれを上回る時間外労働時間の三六協定を結ぶ事は可能です。平成10年労働省告示第154号「労働基準法36条第1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準」の第3条のただし書に明記されています。

もっとも第3条のただし書の「特別の事情」で限定された時間外労働時間の延長の手続きは労使による合意が必要です。厄介かもしれませんが不可能な事ではありません。その作業は病院側に大混乱をもたらすかもしれませんが、患者に対する臨床現場には無縁の作業です。つまり現場は混乱しないという事です。また第3条のただし書を拡大解釈して常時用いる事は好ましくありませんが、それこそ医療現場で許容せざるを得ない「特別の事情」、すなわち目前の患者に対し労基法を盾に診療拒否、診療中止を行なうような医師はまずいません。やれば訴訟沙汰になります。

また時間外労働に対しての手当を三六協定に従ってキッチリ払えば人件費の増加は鰻上りになります。当然のように病院の経営はさらに傾き、病院を救済するために医療費削減政策どころか医療費増加政策をやらざるを得なくなります。病院側も国も大変な事になるでしょうが、それと患者に対する臨床現場は基本的に関係ありません。

ネット医師の意識の変化は流動的で幅もかなりのものがあります。ネット上の匿名意見では相当過激なものは飛び交いますが、現実はもっと地道な待遇改善を基本にしています。月45時間以上の時間外労働が無くなれば言う事はありませんが、それを日本中の勤務医が遵守したらあっと言う間に医療は崩壊します。そんな事はよく知っていますし、一部の過激な論者以外はそこまでの実行には意識はまだ遠いものです。

勤務医が何を望んでいるかですが、働いた時間の正当な評価です。違法の当直夜勤も含めると月に軽く100時間は超える時間外労働を行っているのに、その事が認められない苛立ちです。時間外労働は時間外労働としてキチンとカウントしそれに対して正当な対価をもらう。まずこれが当座の要求で、本来さらに重要な時間外労働時間を限度時間内に収めるは「速やかなる改善努力」を要求するです。悲しいかな医師の絶対数が足らない事まで知っているのです。

また、

    患者の治療よりも、労基法の遵守を優先すべきだとまで主張ならいいが

これもまた見当ハズレの見解です。少なくとも久坂部羊氏より昨今の医療事情について詳しいつもりですが、久坂部羊氏の言うような主張はあまり聞いた事がありません。あったとしてもまだまだ少数意見です。勤務医が求めているのは、

    労基法を遵守しながらも患者の医療を行なえる労働環境の実現

それも一遍に全部ではなく、可能なところ、直接患者に迷惑のかからないところから遵守しようです。それぐらいの事は半日ぐらい医療系ブログを巡回するだけで十分わかるはずです。まだまだ患者の治療より労基法遵守を絶対優先としている意見は少数派です。これはネットですらです。

勤務医が要求している労基法の遵守の目的は、

  1. 時間外労働を正規にカウントする事による医師の労働時間の正当な評価
  2. 当直と言う名の違法夜勤の実態を表沙汰にする事により医師不足の実態をより浮き彫りにすること

この二つを明確化することにより、未だに「医師不足でなく医師偏在である」の妄言を放逐し、医療費大幅削減路線の愚策を明らかににすることです。久坂部羊氏が雑に結論付けた、

    表面的に「違法」をあげつらうのは、単なる絵空事にすぎない

ネット医師でさえ全勤務医が月45時間以内の時間外労働で医療が回ると考えていません。これを実現するためには医師の増加が必要であり、増加させるためには未だに公式見解として続いている「医師は足りている」の呪文を撤回させないと始まらないと言うことです。

ネット医師が労基法を持ち出しているのは、医師の勤務状態が労基法に対して些細に違反している事を問題視してのものではありません。別世界と言うほど異様な世界である事を問題視しているのです。さらに言えば、別世界の異様な世界である事を当然の前提にして、さらなる労働強化が平然と行なわれているのです。別世界の異様な世界でも過酷であるのに、そのうえに鞭打たれたら医師だって悲鳴も上がります。

医療界に長年の間、慣習として行なわれてきた労働実態はaccess、cost、quallityの三条件成立と言う医療の奇跡を起しました。ただし絶対矛盾である三条件の成立は相当どころでない無理があります。これから先も三条件の成立をそれなりに維持していこうとすれば、costの上昇は避けられないものです。ところが国策は三条件成立が当たり前の前提としてcost大幅削減に走ったのです。そうなれば非常に危うい環境の下で成立している三条件の成立は瓦解します。

医師が労基法を持ち出しているのは、もう奇跡の維持が無理だとの訴えです。costを大幅削減しながら奇跡を維持せよなどは「単なる絵空事」に過ぎ無いという事です。accessとquallityだけでも維持するためにcostをもっとかけるべきだの主張です。決して表面的な「違法」をあげつらっているわけでなく、医療成立の根本問題についての根源的な主張であるわけです。

ただし現状は手遅れ状態に突入しています。ほんの2〜3年前なら三条件成立のためのcost上昇は小幅なものでも十分効果はあったと思います。ところが実際に行われているのは、ひたすらの大幅削減です。この大幅削減により医師の意識は激変しています。

    研修医の一部が、医師のありようを学ぶ前に、休暇の権利を覚えたりするようになった

これに関しても当初あった批判よりも「見習うべきだ」の声がドンドン大きくなり、その声の増加は止まるところを知りません。ですから、

    医師の勤務が労基法に違反している云々(うんぬん)などは、現場の医師にとっては寝言に等しい

寝言の時代は1年以上前に終わり、本音として守るべき権利は守ろうが噴出しているのが実態です。

久坂部羊氏は作家でもありまだ医師でもあるそうですが、ただの作家として発言するのは医師として気にもしません。しかし医師の立場として発言されるのなら噴飯物です。それも医師の多数派の声を代表するような高圧的に発言されるのなら、医師のルールに従って反論されるのは当然と受け取っていただきたいと考えます。医療では自由にいかなる理論でも発表できますが、一方で遠慮会釈なく批判反論も出来ます。これは年齢経験に関係ありません。一番批判されるのは実地を知らずに机上の空論を弄ぶ医師だという事もです。

久坂部羊氏は労基法に疎いようですが、労働者としての勤務医が時間外労働を課される根拠である三六協定すら多くのところで存在しない事を存じ上げておられるのでしょうか。多分存じ上げていないと思います。もっと言えば三六協定すら御存じないと考えます。今日のエントリーに書いた三六協定のお話はネット医師ならもはや常識レベルです。せめてこれぐらいはお勉強されてから御高説を書かれる様にお勧めします。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/31 09:42 罵詈雑言を用いずとも辛辣な批評というものは可能なのですなあ…。そこにしびれるあこがれるぅ。

Med_LawMed_Law 2008/03/31 09:52
『労働基準法を守ってください』
を寝言でなく、本当に覚醒して、穏やかに法に基づいて粛々と請願したらどうなるか?

医師が寝言だと間違って考えていた時に対策を立てるべきだったのです。

勤務医を、蛸壺部屋の炭鉱労働者と同じように扱っておいての凄まじい言い分に対しては、医師らしく堂々と行動したいと思います。

付け加えれば、
36協定を結ぶ義務は、労働側にはありません。
これは、自治体病院であっても同じことです。
36協定を結ばなければどうなるか?考えただけでもすごい事ですが、36協定の内容を労働法規以上に改善することを交渉材料に使うことは、国家公務員・地方公務員・地方公営企業法に基づく職員であっても、合法です。

もっと言えば、法人の最高峰たる国・自治体は、『法を守る』ことが大前提です。

粛々と、法を守っていただきましょう

Med_LawMed_Law 2008/03/31 10:00
Yosyan先生が引用してくださった通達

全日本病院協会、全国自治体病院協議会、日本医師会には、ご指定して送ってくださってないのですね

いやあ、驚きます。
病院職員は、日本造園建設業協会より大事にされてないようです。

YosyanYosyan 2008/03/31 10:35  >全日本病院協会、全国自治体病院協議会、日本医師会には、ご指定して送ってくださってないのですね

全日本病院協会、全国自治体病院協議会には行ってないようですが、日本医師会はリストに入っています。

一産科医一産科医 2008/03/31 10:58 就職時には、本人への労働規約の提示と、労働条件を紙に書いて本人に渡すことが労働基準法に決められています。医師もきちんと就職時に、労働規約を読み、労働条件を書面でもらうことが大事です。

BugsyBugsy 2008/03/31 12:18 >研修医の一部が、医師のありようを学ぶ前に、休暇の権利を覚えたりするようになった。

大いに結構です。日本の医師の有り様が久坂部羊氏の考えと異なり、現況に合わなくなっているのです。彼はそれを御存知ない。しかし医師であることを隠して無い以上、世間では医師のなかでの意見として受け取りますわな。
若い医師に期待しています。我々は前制度で大学院生、或いは見習いとして就業をして以来 今に至ってしまったために休暇の権利や労働条件を言い出すことができなかったのです。

ただし勤務医が労働に対する対価がほしいというレベルを超えているようです。春の送別会も一巡しましたが、どうも金よりも身体を休めたいので退職したいという挨拶ばかりでした。
当直のお給金を上げてくれるより当直を勘弁して減らしてほしかったてね。

ドロッポ小児科ドロッポ小児科 2008/03/31 12:22 久坂部羊氏の言うことは、典型的な「善意の小石で地獄への道を舗装する」たぐいのものです。
あえていいますが、労働基準法を無視して賃金をできるだけ抑制して働かせる発想そのものが、不況の原因であり、食品や耐震偽装から、虐待、法曹の暴走、官僚の朝令暮改につながる一因でもあります。
まず労働基準法を無視すると、単純に質が下がるか、後継者がいなくなるか、逃散するかです。
次に、労働基準法を無視して働かせていくと、お金を使う余暇が無くなり、余暇産業や結婚産業などに金がまわらなくなり、安いインターネットや携帯に需要がシフトします。結婚も旅行もせず、自動車も買わなくなり、2ちゃんねるで炎上を楽しんだり携帯メールで遊ぶだけになります。
さらに労働基準法違反は、ほとんどがサービス残業ですから、実質的な賃金の抑制であり、賃金が減れば、家も買わず金も健康不安のために使わず、酒もタバコも飲まずということになります。
もちろんながら、余暇も無く、ストレスもたまる一方なので、地域参加はおろか、子育て参加も、うまくいかず、裁判員制度は、余裕がないものだから極端な厳罰志向になるし、官僚も業界や他部署と話し合う時間が無くなります。
企業は業績が好調になるものの、商品が売れなくなっていく、不況の入り口に突入していくので、偽装も違法もなんのそのでさらに収益を求めようとします。

 つまるところ労働基準法は、労働者の健康を守って、余暇の時間を作り、消費に金をまわす余裕を作り、企業にとっては仕事の質や接遇の改善をもたらすものであり、国家にとっては国民の健全さを担保する大事で有用な法律であろうと思います。これを無視して働かせ続ければ、90年代移行に産まれた人々が社会の中核を握る頃、マルクス主義が亡霊のように蘇ることでしょう。マルクス主義といっても常に左翼であるとは限らず、今度の修正マルクス主義は、国家社会主義労働者党みたいな形で復活しないとは限りません。そうなったとき、核兵器が遍在する現代でどのようなことになるか……。

 これを証明する事柄として、第二次大戦中の、米海軍パイロットと日本軍パイロットの勤務状況と戦果の比較があるでしょう。今の日本の医療は、すでに台湾沖空戦をむかえつつあると思います。

YosyanYosyan 2008/03/31 14:06 ドロッポ小児科様

経済理論は手に余る面があるのですが、現在の政策は強者に富を蓄積させ、国全体としての富の量を増やそうとする手法です。強者である方がより効率的に富をかき集める事ができ、国としてみれば統計上「富んでいる」事になります。1億を10人で公平分配して1000万づつの資力で経済活動させるより、有能な一人に9000万を集中させ、残りは100万程度ですまし、有能な一人がこれを数倍にさせる政策です。

効率としては良いでしょうが重大な欠点があります。持たざるものが社会の大多数となり、その不満が蓄積される事です。不満は吐け口を求めます。年々エスカレートするバッシング騒ぎもそれを反映していると思います。吐け口の対象はまず反抗しない知識層に向けられ、強者の中でも切り捨てられたものに向かいます。弁護士量産による訴訟社会を作りたいのもその一環とも見れます。訴訟と言う吐け口で不満を発散させようとの意図です。

こういう社会不満を蓄積させないように国による富の再分配システムが存在するはずです。強者に富と権力を一元化させた国家は必ず崩壊しています。どんな強力な軍事力で守ろうとしても崩壊します。その歴史上の教訓を織り込んで現代の国家は成立しているはずです。はずなんですがね・・・

SeisanSeisan 2008/03/31 15:31 管理人様のおっしゃる現在の日本の経済活動原則、まさに的を得ていると考えます。

そしてこれは、社会主義中国において、「文化大革命」という「一部の富裕層と知識層を的にした集団リンチ革命」と全く同じ軌道を描いております。
もちろん、本当の富裕層はとっくに国民党中国(台湾)に逃げた後ですから、共産党中国政府にとって「メリットのあまりない」富裕・知識層であったのがポイントです。
もっと言うと、フランス革命も同様の側面があり、富裕層である貴族を的にしたリンチ革命ですね。本当の金持ち貴族はとっくにオーストリアやスペイン、スウェーデン、そしてドイツに逃れていたという。

その点、まだロシア革命の方が最低限の理性はあったと思います。

今の日本はまさに文化大革命。頑張って努力して成り上がって財産を築いた人間をこき下ろして引きずり落とし、知識層には難癖をつけて叩く。とうの昔に既得権を確保している大企業や政治家、官僚はのうのうと過ごしている。
富の再分配のシステムは崩壊しており、弱者からより高率に吸い上げるという政策を臆面もなく実行する。
一方で好景気を謳歌している既得権のある大企業は税金を優遇される。

ここは一発、我々医師も、リンチする側に回ってみるのも一興ではないでしょうか。幸い法律をちゃんと利用すれば十分に戦う武器になりそうですし。

暴利医暴利医 2008/03/31 16:12 Seisan さま

Yosyan さまの論は、いつもながら私も非常に共感を持って拝読しました。ただ、

> とうの昔に既得権を確保している大企業や政治家、官僚はのうのうと過ごしている。

最近まで私も漠然とそう思っていたけれど、最近引っかかるんです。政治家や官僚って、そんなにいい思いしているんだろうか、極めて少数のごく一部の政治家や官僚だけなんじゃないだろうかって。
一部の医師の悪行をニュースで流すと、それが悪質な脱税であっても婦女暴行であっても麻薬常習であってもいいんですが、一部をクローズアップすることによって医者が全部悪者に見えてくる。叩く相手を探している側からすると非常に都合がいいが、叩かれる側は身に覚えがないからたまったものではない。同じことが官僚や政治家にも言えるのではないかと、最近感じています。
本当の敵が誰なのかよく考えないと、味方にしなくてはならない者を無駄に敵に回して本当の敵を喜ばせるだけになる可能性がある。

> 一方で好景気を謳歌している既得権のある大企業は税金を優遇される。

この点については、異論ありません。

今日の昼休みにネットを見ていても、こんな記事が目に付きました。これ、どうやって処理するつもりだろう。それにこんなのは氷山の一角ではないのだろうか。マスコミは今後も時間をかけてきちんと解析し糾弾していくだろうか。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080331-OYT1T00410.htm?from=top
米系ファンド、140億申告漏れ…日本に資産なく徴収不能
米投資会社「ローンスター」が関係する投資ファンドが東京スター銀行の不良債権処理を巡り、東京国税局から約140億円の申告漏れを指摘されていたことがわかった。同国税局は国際的な租税回避行為と認定し、無申告加算税を含め約50億円を追徴課税したが、同ファンドには日本に資産がなく、税金を徴収できない事態になっている。

(すいません、話題ずれまくりですね)

rijinrijin 2008/03/31 16:57  もっと事態は深刻で、労基法を無視して働き続けられるような化け物的体力を誇る人々ではなく、もっと普通の人々の割合が、目下どんどん増えているところのように思います。

 簡単に言えば、無理が利かない時代になりつつあるのではないでしょうか。事は医者だけに限らず、看護師も技師も事務職員も同様です。

 こういう時、業務量が2倍となっていても必要人員は2倍では済まず、3倍、4倍となっていきます。

 それを依然と同じ人数でやろうというのですから、仕事が回らなくなって当然です。

 今年の医師国試の合格者数は7733人です。だいたい今回の合格者と同世代と考えられる平成18年10月12日現在の24歳人口は143万1千人です。0.54%です。

 昭和48年春の第55回医師国家試験の合格者は3627人。この年は秋に56回があり、その合格者が519人で、合わせて4146人。昭和47年の24歳人口は239万9千人でした。占める割合は0.17%と、現在とは比べものにならないぐらい肉体的にも精神的にも(知的にも?)厳しい競争を勝ち抜いてきた人々が医者になったのだということが分かります。

ドロッポ小児科ドロッポ小児科 2008/03/31 16:57 Yosyan先生、Seisan先生、暴利医先生、丁寧なレスをありがとうございます。いつもうっとしい長文すいません。
暴利医先生の違和感ですが、その通りかと思います。政治家や官僚は言うほどいい思いをしていないと思われます。
むしろ、マスコミに叩かれない部分にこそ、既得権益が潜んでいると見るべきではないでしょうか?
例えば、国民の医療における既得権益は世界一ですし。
ただ、悪者探しや原因を特定の職種や団体や個人に押しつける思考法は、マスコミとなんら変わらない愚かさだと思われます。日本の経済で、貧富の差の拡大が容認されたのは、いわば準看護師も医師もおなじ年収1000万がおかしい、そう言うような違和感があったのと、中国による労賃の低下があったからこそ、中国人と同じ仕事しか出来ない日本人などいらないという資本主義的暴走があったのだと思われます。
 しかし、Yosyan先生がおっしゃるように、一時的な効率の良さと引き替えに、内需の減少や体感治安の悪化を招き、社会不安は増大する一方です。
 経済の部分に置いて医師が出来ることは少ないのですが、それでも医療というセーフティネットの位置づけを明らかにして、国民の健康に対する不安を少なくすることが我々に出来る経済的貢献でありこの国に食わせてもらっていることへの恩返しなのですが、こうも統治機構による朝令暮改と医療費圧縮をやられれば、現場は壊れざるを得ません。
 失政というべきでしょう。もっとも医師も耐えすぎたとも思います。
 せいぜい、厚生労働省をさんざんにつるしあげて、口うるさくののしり、新米少尉をどやしつけるような教育係の軍曹のごとく、教育してあげることがこれからの医療のプロフェッショナルたる医師の役目だろうと思います。

+61+61 2008/03/31 23:11 オーストラリアで臨床研修をして3年になりますが、両国の労働のあり方の違いは身に染みて感じます。
この国では週の労働時間は43時間までと厳しく決められており、時間外手当て、夜勤手当て、祝日手当てなども、きちんと1.5×なり2×なりの時給換算で支給されます。年4週間の年休もすべて消化させられます。当然、休みは腐るほどあり、でもtraineeの私ですら税込み年収は日本で専門科レジデントをしていたときの3倍くらいです。この給料ですら、イギリスからのtraineeなどは、母国より少ないと愚痴っています。
オーストラリアは世界的な資源需要に乗って、空前の好景気にあります。この「掘って売る」だけの途上国的な経済構造にも関わらず、医師に限らず人々の生活は、先進国レベルを達成してしまっているのです(休みも賃金も)。

思うに日本は戦後ずっと、医療に限らず、経済のあらゆる分野で誰もが、休みもなく残業代も請求せず汗水たらして働き続けてきました。その結果が、驚異的な高度経済成長であり、現在の経済先進国としての地位なのでしょう。でも、哀しいかな、日本にはろくな天然資源がなく、“資源”らしいものと言えばまさにこのモーレツな働きっぷりしかなかった。そもそも日本という国は、先進国並みの経済・生活が似合わなかった、背伸びしすぎていたんじゃないかとさえ思います。一般の先進国なみに労働基準法なんて作ってみたけれど、背伸びした先進国経済レベルを維持するには、はなからそんなもの遵守など不可能だと、政治家も官僚も資本家も考えているのではないでしょうか?しみじみ感じるのは、「持たざるもの」たる日本の弱さです。

それともう一つ重要なのは、労働党の存在ですな。資本主義の基本は資本家と労働者の対立軸にあるのですから、労働者に地盤を置く強力な政党がないと、やはり労働基本法はないがしろにされてしまう気がします。日本で「労働者の…」という党はどいつもこいつもイデオロギーがかっていて、資本主義構造における労働者を支えていない。昨年11月にオーストラリアが労働党政権になって以来、捕鯨のことや日本飛ばし首相外遊のことで、日本からはめっぽう評判悪いけれど、私個人としてはそのような強力な政党が存在することを羨ましく思います。

沼地沼地 2008/04/01 13:43 ベッド100床あたりの医療従事者数、イギリス780人、アメリカ530人、日本103人。
日本でホスピタルにホスピタリティーを求めるのは無理ってもんでしょう。

でも自分が入院した時は親切にして欲しいな。
お産の時、ハイリスク妊婦がたくさんいる大学病院では待遇が悪かったけど、
窓から有栖川公園が見える病院は居心地よかったし。(高かったけど。笑

結局、みんな貧乏が悪いのさですよね。
医療って本来お金がかかるものなのに、お金がかかる=医者を儲けさすって誤解してる人が多すぎ。

沼地沼地 2008/04/01 13:49 あ、間違えた。
ゴメンなさい、もうひとつ上の記事へのコメントでした。

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2008-03-29 想像するに余りある

skyteam様のところで見つけた記事です。3/28付産経イザより、

「虐待だ」患者家族に病院への過剰クレーム禁止

埼玉県春日部市の同市立病院に入院中の患者の家族が院内で過剰なクレームをつけたとして、市が患者の家族に医療妨害の禁止を求めた仮処分申し立てで、市は28日、さいたま地裁越谷支部(大野昭子裁判官)が仮処分を認める決定をしたと発表した。決定は25日付。市によると、患者側の医療妨害への仮処分命令は全国でも例がないという。

 市によると、同市の60代夫婦が、平成18年3月に入院した90代の母親の治療をめぐり、病院の廊下やナースセンターで「おむつがぬれていて虐待だ」「シャワーでやけどさせられた」と大声で怒鳴ったという。

 また、主治医や看護師に病状の説明を繰り返し求めて夜勤中に押しかけるなど業務に支障をきたし、他の患者からも苦情が寄せられたため、市は今年2月、仮処分を申し立てた。

 仮処分では、夫婦は医師や看護師を大声で畏怖(いふ)させ、虐待など虚偽の誹謗(ひぼう)中傷で診療行為を妨害してはならないとしている。

今風に言うとモンスター・ペーシェントですが私も経験があります。私だけではなく多くの医療関係者なら経験があると思うのですが、

    仮処分申請が行なわれ認められる

ここまでのものとなると想像するに余りあります。医師の意識の変化は急激ではありますが、市立病院がここまで過激な対応を取るほどのモンスターぶりはどれほどかと言う意味でです。病院はたとえ私立であっても体面を重んじ、こういう事を極力表面化させることを避けます。市立病院なんてなおさらで、職員が対応に疲れて辞める程度のことでは私の知る限り表面化させません。

たとえば去年話題になった大阪の患者公園置き去り事件での患者の態度は、

他の患者とトラブルを起こして6人部屋を独占し、暴言を恐れて辞めた看護師もいたという。

この時でも病院側は法的手段に訴える事無く、対策に困り果てた病院が患者を公園に置き去りにし、そこから救急車を呼ぶという非常手段を取っています。非常手段には轟々たる非難が寄せられましたが、それでも病院は法的手段より非常手段を選択するのが通常です。もっとも大阪では法的手段に訴えても現実的には裁判所も対応が難しいとの指摘もあり、取りたくても取れなかった事情があるかもしれないとありましたが、トラブルの表面化を嫌う体質が病院にはあります。

それでもそんな常識を乗り越えるぐらい「凄まじかった」と考えるのが妥当かと思います。短い記事なので推測を膨らませなければなりませんが、病院側にも小さな落ち度はあったのだと思います。落ち度までは言い過ぎとしても、医療はそのほとんどを人力で行ないますから、患者及び患者家族の意向に副えなかった事、些細な手違いによるケアの遅れなどは必然的に生じます。それに対して強めにクレームをつけられる患者もいます。ただしその程度は病院は十分な許容性を持っています。

おそらくですが、問題になった患者家族は些細な落ち度に対する病院側の対応に極度の不信感を抱いたか、それとも根っからのクレーマーで「ここぞ」とばかりに増長したかのどちらかと想像します。前者も後者も知っていますし、もちろんその複合型も知っています。それでもです。相当と言うか、強烈ぐらいでは病院は法的手段を通常取りません。その病院の強固な一線を踏み越えるぐらい激烈であったと考えます。

記事中にほんの少しですが実例が紹介されています。

  1. 病院の廊下やナースセンターで「おむつがぬれていて虐待だ」「シャワーでやけどさせられた」と大声で怒鳴ったという。
  2. 主治医や看護師に病状の説明を繰り返し求めて夜勤中に押しかける

1.も想像するにただの大声ではなく病棟中に響き渡るぐらいのもと考えます。それも一度や二度ではなく年中行事のように毎回繰り返されたと考えて良いと思います。と言うのもその程度の患者家族は確実に存在しますし、その頻度はある程度の年数を経た医療関係者なら誰でも経験しているからです。

2.も夜駈け朝討ちの世界で週に1回以上はあったと考えます。それも約束をして大人しく説明を聞くようなものではなく、突然押し寄せ「主治医を呼べ」から始まる大騒ぎであったとしても良いかと思います。夜勤中ですからすぐに主治医が出てくるわけではなく、まず来るのが遅い事にイチャモンをつけ、説明を聞くというより無理難題を吹っかけ「それは無理だ」と答えようものなら激怒して怒鳴りまくる世界が想像されます。だいたい時間にして1回3〜4時間ぐらいでしょうか。これも医療関係者なら誰しも経験があるものです。

実はそれでも通常は法的手段に訴える事はありません。おそらくこの記事に書かれている以外の行為もあったでしょうし、書かれている行為が私の想像を遥かに超えるものであるかもしれません。

ただ

仮処分では、夫婦は医師や看護師を大声で畏怖(いふ)させ、虐待など虚偽の誹謗(ひぼう)中傷で診療行為を妨害してはならないとしている。

これってどれぐらいの効力があるのでしょうか。処分申請に対する裁判所の判断としてはそんなものでしょうか、実効性に少し疑問を感じるところもあります。その辺は法律関係者にでも聞いてみないとよくわかりません。

いずれにしても医療関係者ですら想像を絶するモンスターであった事だけは良く分かる事件です。

rijinrijin 2008/03/29 09:54 > 他の患者からも苦情が寄せられたため、

 ポイントはここでしょう。

YosyanYosyan 2008/03/29 10:03 rijin様

 > 他の患者からも苦情が寄せられたため、

そうですね。その他の患者の方がもっと強面って事もあるかもしれません。

まあさまあさ 2008/03/29 10:21 患者さん側からの度を越した要求は
威力行為妨害となります。
また土下座行為等の理不尽な要求は強要罪となります。
「これ以上騒がれてますと業務に支障を生じますので、威力業務妨害(または強要罪)として警察に連絡します」
と警告を与えるべきだとおもいます。
医療者側も泣き寝入りをするのではなく、このような認識を持つこと。また患者さん側にもこのような行為は法律にも触れることを認識してもらう必要が重要だと思います。

 警察に言っても改まらなければ診療拒否、強制退院とするしかないと思います。

HurkleBeastHurkleBeast 2008/03/29 11:18 現場の人間ではないので的はずれになってしまったらすみません。

最近の医療崩壊には、医師の側にも責任の一端があると思います。
というのは、自分たちの権利をきちんと主張してこなかったということです。
それが少しずつ歪みを生んで膿をためて、爆発しようとしているのが今、といった気がします。

モンスターペイシェント騒動に関しても、同じ事が言えるのではないでしょうか?
事なかれの対応をとり続けていたら膿がどんどんとためられて、ヤバいと思った時は既に遅し、です。
威力業務妨害クラスの行為なんて、きっちり法的手段に訴えていかなければいけませんよ。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/29 11:57 まあさ様とHurkleBeast様に激しく同意!
つーか、特にこの場合、早めにガツンと言ってやってった方が先方にとってもよかったのではないかなあ…。

YosyanYosyan 2008/03/29 12:17 現場的には市立病院で相手が市民ですから腰が重かったと考えています。また情報量が少ないのであくまでも憶測になるのですが、そういう態度を取っても不思議ない人であり、なおかつ市が手を出しにくい人である可能性も考えています。rijin様の御指摘にあった、

 >他の患者からも苦情が寄せられたため

は案外重要なエッセンスで、ひょっとしたら「市が手を出しにくい人」でも手を出せるようになる地方実力者、または「市が手を出しにくい人」よりさらに配慮を行なわなければならない人物からのクレームの可能性もあるように感じています。市が市民に対し法的対応に訴え出るのはやはり余ほどの事であり、なおかつ先例が無いのなら市の担当者も相当な覚悟が要るはずだからです。役人的には事なかれにしたかったはずなのが、ここまで強硬な手段に日本で始めて打って出た背景は複雑かもしれません。

ここりんここりん 2008/03/29 12:33 HurkleBeast 様

>自分たちの権利をきちんと主張してこなかったということです。
本当にそうだと思います。
数年前までは、苦情が出たら、担当ナースや医師の対応の仕方が悪かったため、と個人を責めるようなところがありました。
患者さんやその家族は常に弱い立場、病気で弱った精神がそう言わせているという教育を受け、何を言われても我慢し続けてきた結果だと思います。
気がついたら、モンスター患者が増えていた。
組織で対応していくしかないと思います。

今は、市役所などにも、モンスター市民の対応のため、警察を退職した人などが配置されているそうです。
病院も、そのようにしてほしいですー

TOMTOM 2008/03/29 13:03  彼らは基本的に、自分が反撃されることはないとタカをくくっているのです。相手の善良さや誠実につけ込んでいるのですな。
私も最近、DQN一家に絡まれ大変な思いをしましたが、割と早期から弁護士さんを頼んで立て、「そこまでやるならこちらも黙ってはいない」と言ったら、急に勢いが落ちました。尤も、「弁護士にも依頼したし、公的機関にも全ての経緯を公開している」と言ったその時は奴ら四分の三狂乱ぐらいにはなりましたけどネ。“早期から”と“公開”が重要だったんだと思ってます。

都内病院勤務医都内病院勤務医 2008/03/29 13:14 このあたりの議論は非常に難しくて、医療従事者が「自分たちの権利を主張」のような
くくり方をするのも危険な気がします。こうしたトラブルは組織に対するものであり、
医療従事者の権利の問題に帰結させるような論理は使いたくないです。

最近になってようやく「モンスター」の存在が社会的に認知されて法的な処置をとるこ
ともできるようになりました。それに伴い、組織としての対応も表に出すことができる
ようになった、ということでしょう。それまでは患者問題に対応する組織の担当者や部
署があること自体、社会的に批判される可能性が高かったですからね。


私の現在の勤務先は公的病院ですが、問題ある患者への対処がマニュアル化されて職場
に張り出されるようになりました。前の勤務先である某大学病院では同様のマニュアル
があり、さらにトラブル担当部署がどういう事件にどう対処したかの情報まで院内LAN
で公開して職員の間で情報を共有できるようになっていました(患者さんの個人情報は
もちろん事件がおきた部署まで基本的には匿名でしたが)。こうした情報が院内で公開
されていれば、トラブルが起きたときにどう対処すればいいのか、トラブル担当部署に
連絡すべきかどうかを判断する材料になって非常に有用です。

非医療関係者非医療関係者 2008/03/29 17:45 医療関係ではありませんが、問題のある客が多かったため
店舗内に「他のお客様のために処置を執らせていただく場合があります」
という張り紙をしています。

問題のある患者は、医療関係者だけでなく他の患者にとってもマイナスなので
毅然とした対応を取ることは必要だと思います。

BugsyBugsy 2008/03/29 19:37 以前とんでもない医者がいたそうです。横暴で横柄でドクターハラスメントという言葉もありました。
オイラのような月並みな医者は実際にそんな無茶苦茶な医師を知らないまでも まさか自分がそう言われたら困るなと思い、患者さんの言うことは笑顔で受け止めておきました。周囲の医師もそうでした。
とんでもない医者はさすがに自浄作用で消去したとオイラ側では思うのですが 患者側はやっぱり「医者は全部横柄なのだ」と思い込んでる人も必ずいますねえ。
実は患者さんとの接遇法なんて教わったことないです。先輩を真似しただけです。なんとなく やさしいお医者さんていいようなあと思い込んでいました。ただネーベンだった時代は治療方針はオーベンが決めるので問い詰められてもはっきりした返事は出来ませんでした。お前 主治医だろ、はっきりしろよと詰め寄られたことはしょっちゅうでした。

昔は患者側が言葉を荒げれば 自分が若造だから物足りないのかなと感じて仕方ないなと思いました。
今自分はさすがに若造じゃとおらない外見です。
> 他の患者からも苦情が寄せられたため、
そうですねえ、お話するのはいつもドアーを閉めた外来か談話室です。
そこで胸倉をつかまれても罵声を浴びても 自分以外に誰も見ていません。
今では必ず看護師さんに同席してもらっています。
出来ること出来ないことを最初にピシャッとはっきりすべきですね。ご不満ならば他所の病院に行かれても構わないとも言うべきです。

Bugsy続Bugsy続 2008/03/29 20:02 >埼玉県春日部市の同市立病院に入院中の患者の家族が院内で過剰なクレームをつけたとして
今回の事例だと234条(威力業務妨害罪) (威力を用いて人の業務を妨害した)で訴えてもよかったかもしれません。
医療妨害ということに対しての仮処分なんでしょうか。まだまだ訴えが甘いように思います。
かといって自分がそこまで踏み込めるのか 自信がありません。

市の条例をつくって市の条例をつくって 2008/03/30 07:03 市の条例をつくって、病院内で大声をあげたり、壁を叩くなどの行為をとりしまれるようにしてある市立病院をみたことがあります。で、そのことを救急外来の入り口にでっかく掲示してある。

iori3iori3 2008/03/30 08:46 「60代の夫婦がクレーム」というのが気になります。
どうもこの年代には「医師に対する不信に凝り固まった人」がいるようです。
ホンモノの「たらい回し」が行われていた頃に、壮年期だった人たちです。
60代というと「戦中生まれ〜団塊の世代」で、幼少期から大変な環境(戦中派は食い物の恨み、団塊の世代は恐ろしいほどの競争社会)ですね。

HajimaruHajimaru 2008/03/30 16:49 >同市は〇七年五月から越谷簡易裁判所で話し合いによる解決を目指したが患者家族が呼び出しに応じないため、今年二月、仮処分申請に踏み切った。
>患者家族は三月十八日、同病院に対し、プライバシーを漏らしたなどとして、さいたま地裁越谷支部に仮処分を申請しているという。
http://www.saitama-np.co.jp/news03/29/11x.html
反対に何を仮処分したか分かりません。あさってから後期高齢者システムが始まりますが、こんな事例は稀である事を祈っています。

jjjj 2008/03/31 07:36 大野病院で土下座させたことに対しては強要罪ということになりますね.

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080329

2008-03-28 学校検診側弯症訴訟

札幌の高校検診騒動は去年の7月のニュースだったと確認できました。ごく簡単に経緯を振り返っておくと内科検診を受けた女子生徒が「エッチ」と騒ぎ出し、その騒動の収拾に学校側が医師に全責任を負わせて余計に大騒ぎになった事件です。この時は騒動だけで誰かが訴えられたとか、賠償金を支払ったみたいなレベルにはいきませんでしたが、その時に寄せられたHekichin様のコメントを紹介します。

記事で気になるのはこの点ですね。

「一方、道教委は学校医に対し、心臓疾患発見のため丁寧な診察を要請している。背景には二○○四年一月から○七年五月末までに、道内の公立小・中・高校で六人が突然死していることがある。」

ということは今後、心臓突然死が起こった場合、検診医師の見逃しにしたいわけですな。道教委員会は。たぶん、聴診検診廃止しても有意差のでる結果はでないでしょうけど、突然死したら医師の過失にされそう。

「そこまでは」と言いたいのはヤマヤマですが、今の御時世いつ起こっても不思議無いと感じたものです。

ここでまず学校保健法施行規則に検診で行なう検査の項目を確認しておきますが、まず就学時です。

第一条  学校保健法 (昭和三十三年法律第五十六号。以下「法」という。)第四条 の健康診断の方法及び技術的基準は、次の各号に掲げる検査の項目につき、当該各号に定めるとおりとする。

  1. 栄養状態は、皮膚の色沢、皮下脂肪の充実、筋骨の発達、貧血の有無等について検査し、栄養不良又は肥満傾向で特に注意を要する者の発見につとめる。
  2. 脊柱の疾病及び異常の有無は、形態等について検査し、側わん症等に注意する。
  3. 胸郭の異常の有無は、形態及び発育について検査する。
  4. 視力は、国際標準に準拠した視力表を用いて左右各別に裸眼視力を検査し、眼鏡を使用している者については、当該眼鏡を使用している場合の矯正視力についても検査する。
  5. 聴力は、オージオメータを用いて検査し、左右各別に聴力障害の有無を明らかにする。
  6. 眼の疾病及び異常の有無は、伝染性眼疾患その他の外眼部疾患及び眼位の異常等に注意する。
  7. 耳鼻咽頭疾患の有無は、耳疾患、鼻・副鼻腔疾患、口腔咽喉頭疾患及び音声言語異常等に注意する。
  8. 皮膚疾患の有無は、伝染性皮膚疾患、アレルギー疾患等による皮膚の状態に注意する。
  9. 歯及び口腔の疾病及び異常の有無は、齲歯、歯周疾患、不正咬合その他の疾病及び異常について検査する。
  10. その他の疾病及び異常の有無は、知能及び呼吸器、循環器、消化器、神経系等について検査するものとし、知能については適切な検査によつて知的障害の発見につとめ、呼吸器、循環器、消化器、神経系等については臨床医学的検査その他の検査によつて結核疾患、心臓疾患、腎臓疾患、ヘルニア、言語障害、精神神経症その他の精神障害、骨、関節の異常及び四肢運動障害等の発見につとめる。

就学時以外の毎年春に行なわれる検診については、

第四条  法第六条第一項 の健康診断における検査の項目は、次のとおりとする。

  1. 身長、体重及び座高
  2. 栄養状態
  3. 脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無
  4. 視力及び聴力
  5. 眼の疾病及び異常の有無
  6. 耳鼻咽頭疾患及び皮膚疾患の有無
  7. 歯及び口腔の疾病及び異常の有無
  8. 結核の有無
  9. 心臓の疾病及び異常の有無
  10. 尿
  11. 寄生虫卵の有無
  12. その他の疾病及び異常の有無

学校検診は集団検診であり、短時間で多数の検診を行なわなければなりません。一人一人ゆっくりやっても「絶対に見逃さない」と言い切れる医師は多くないと思いますが、短時間で多数となれば絶対的に精度は落ちます。この見落としに関する訴訟報道です。3/27付読売新聞から、

脊柱検診怠り病状悪化、大阪・能勢町と学校医提訴へ

 小中学校の学校医が検診を怠ったため、背骨が横にねじれて曲がる「脊柱(せきちゅう)側湾症」に気付かず、症状が悪化したとして、大阪府能勢町の高校1年の女子生徒(16)が同町と在校時の学校医に計約5000万円の損害賠償を求める訴訟を近く大阪地裁に起こす。学校保健法は脊柱検診を義務付けているが、見落とされることが多いといい、生徒側は「学校検診のあり方も問いたい」としている。

 訴状などによると、生徒は町立小、中学校に通学し年1回、学校医の検診を受けていた。中学3年だった2006年6月、風邪で受診した病院で、「背骨が曲がっている」と指摘され、別の病院で「特発性脊柱側湾症」と診断された。

 生徒側が中学校に確認したところ、学校医は校長に「思春期の女子に裸の背中を出させることはできず、脊柱検診はしていない」と回答したという。

 生徒側は「学校医が診断できなければ、町は別の対策を取るべきだ」と主張。学校医は読売新聞の取材に対し「弁護士に任せており、答えられない」とし、同町は「検診したが、発見できなかったと理解している」としている。

 日本側(そく)彎(わん)症学会元会長の鈴木信正医師は「側湾症の専門は整形外科医だが、内科医が学校医のケースが多く、検診していない学校がかなりある。検診を徹底するほか、かかりつけの小児科医らが診断できる体制作りも必要」と話している。

事実関係は単純で特発性脊柱側弯症を学校医が見落としていたという事です。側弯症は「脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無」の検査項目に該当し、必要とされる検診項目ですから見落としたと言われればそれまでです。さらに拙い事に学校医は、

    思春期の女子に裸の背中を出させることはできず、脊柱検診はしていない

「診ていない」と言い切っているのですから、訴訟にまでなれば事実関係で絶対的に不利です。この学校医の行いを頭ごなしに非難する気は毛頭ありませんが、地雷を踏み抜いた感が非常に強い事件です。この記事で紹介されている日本側弯症学会元会長の鈴木信正医師の言葉ですが、

    側湾症の専門は整形外科医だが、内科医が学校医のケースが多く、検診していない学校がかなりある。検診を徹底するほか、かかりつけの小児科医らが診断できる体制作りも必要

無難なコメントですが、なんちゃって整形外科医である内科医や小児科医では絶対に見逃さないとは今後も言えません。まあ、ちょっとでも怪しいと思えば根こそぎ整形外科受診させるのも一法ですし、そうなっていくかもしれませんが、それでも見逃さないとは言い切れません。側弯症の正式の診断については、何か波紋の広がりのような影をつけた写真で行うと覚えているのですが、ssd様のところにきっちり紹介してありました。元引用は財団法人岩手県予防医学協会です。

●検査方法

検査はモアレ写真法で行います。モアレ写真法は、表面のゆがみを見るために開発された光学的技術を応用したものです。すだれ状の格子を通した光を背中にあてると、その高低により縞模様(等高線)ができます。それを写真撮影し、縞模様の変形の程度を整形外科の専門医が読影します。体になんら影響を与えることなく検査することが出来るとても有用な方法です。

●検診の実際

検診は専用の検診車で行います。

撮影は上半身裸で行います。後ろ向きに立ち、背中に光をあてて、その写真を撮ります。

●モアレ写真

正常なモアレ写真です。

左右対称の等高線となります。

所見が認められるモアレ写真です。
左右の等高線の形が異なる他、
肩やウエストの高さも
左右で異なることがわかります

この検査法は教科書で読んだ事はありますが、実際にやっているのを見た事もありませんし、された事もありません。検査には専用の検診車がいるそうですし、そんな検診車が日本に何台あるかも知りません。ただしこれからは絶対に必要なものになると考えます。今回の訴訟は、

    同町と在校時の学校医に計約5000万円の損害賠償

つまり小中学校9年間で検診を担当した学校医全員を訴えている事になります。ここで問題なのは「いつ」から見逃していたかの客観的な証拠がありません。カルテ上は「異常なし」ですからね。「いつから」を経時変化で特定するには毎年モアレ写真による客観的な記録を残す必要があります。そうする事により何歳の時点で側弯症が発症したかを特定できます。そうしないと今回の訴訟のように小学校1年から中学3年までの学校医が芋づる式に訴えられる事になります。

せっかく

    生徒側は「学校検診のあり方も問いたい」としている

ここまで訴訟の意義を訴えてくれているわけです。この見落としを医師側も教訓にして、

    側弯症検査のためのモアレ写真検診ができない学校検診はすべて拒否

こういう前向きの姿勢を新学期が始まるこの時期に明確に示すべきかと考えます。これこそ患者側の声、患者側の利益を共に考えた正しい行動かと思います。ま、モアレ写真検診車の全国大量供給なんて事業は行政も大好きそうな事業ですから、医師が患者の要望に応えて断固たる姿勢を示す事に正義はあると考えます。そうそう読影は内科医や小児科医ではなく整形外科医にお願いします。そうしなければならないと書いてありますし、内科医や小児科医では見落とす確率が高くなりますからね。

SeisanSeisan 2008/03/28 09:25 tadano-ry先生、さっそくの論文紹介ありがとうございます。
実際学校医をしている立場から言わせていただきますと、いかにもこの学校医の先生のやり方はまずいですね。
児童・学童が何と言おうと、親がうるさくクレームをつけようと、「法律で定められていますから」ということで、有効かどうかは別にして、やはり上半身を裸にしての脊柱観察(場合によっては下着着用でも大丈夫ですから)と、できれば前屈確認くらいはしておくべきだったと思います。
それだけでは、明らかな側弯以外は発見不可能だとは思いますが、「規定の内容はちゃんと実施していた」という言い訳ができるかどうかで、大幅に違いますから。

今回の例なんかだと、おそらく脊柱の観察だけでも発見できた可能性は高そうですので、それをしていないとなるとやはりJBM的にはまずそうです。

恥ずかしいから、などのクレームは学校側にちゃんと指導してもらうしかないですね。
少なくとも、現在の流れでは「学校検診で上半身を裸にされて辱められた」と騒がれることはあっても、それをタネに訴えられて負けることはないと思いますから。
医療現場において、必要な診察部位を患者が提示しない場合、診療を拒否できる正当な理由になりますからね。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/28 09:38 学校にとっては検診は義務ですが、学校医にとっては、任意です。しかし、地域に密着してると、受けざるを得ないんだろうなあ。
学校と医者の契約というか、どの範囲までを担当するって覚書みたいなのはあるんでしょうか?
契約の範囲が不明瞭だから学校と医者両方を訴えたんじゃないかな?学校は「医者に任せていた」と主張するだろうし医者は「脊柱は専門外なので受け持っていない」と主張するだろうし。
友達の眼科の先生は「また学校検診の時期がはじまる」と鬱です。自治体によっては眼科検診も内科の学校医の先生に丸投げしてたりするかもですね。

tadano-rytadano-ry 2008/03/28 09:47 Seisanさま

ごめんなさい。論文を差し替えます。

Spine. 1999 Nov 15;24(22):2318-24.
Ten-year follow-up evaluation of a school screening program for scoliosis. Is the forward-bending test an accurate diagnostic criterion for the screening of scoliosis?

Karachalios T, Sofianos J, Roidis N, Sapkas G, Korres D, Nikolopoulos K.
Orthopaedic Department of Athens University, KAT Hospital, Greece.

STUDY DESIGN: A 10-year follow-up evaluation of the effectiveness of school screening for scoliosis performed in a closed island population. OBJECTIVES: To evaluate the diagnostic accuracy of methods used for screening scoliosis and to re-examine the long-term effectiveness of the school scoliosis screening program. SUMMARY OF BACKGROUND DATA: The diagnostic accuracy of the forward-bending test and the long-term efficacy of the screening programs have not been clearly established. METHODS: In 1987, 2700 pupils aged 8 to 16 years from the island of Samos were screened for scoliosis. The Adams forward-bending test, Moire topography, the scoliometer, and the humpometer were used. Radiologic evaluation of the spine was available for each pupil and the number of false-negative and false-positive results of the screening methods was calculated. Subsequently, sensitivity, specificity, and positive and negative predictive values were estimated for each screening technique. Pupils found positive for spinal deformity were then followed up regularly at yearly intervals. In 1997, all positive subjects attended a 10-year clinical and radiologic follow-up, and the remaining subjects were re-evaluated by a postal questionnaire and were clinically examined if necessary. RESULTS: Spinal deformity was found in 153 (5.66%) pupils. Scoliosis (defined as a spinal curvature > or = 10 degrees) was found in 32 pupils, for a prevalence of 1.18%. For scoliosis, the Adams forward-bending test showed a number of false-negative results (in five cases), for a sensitivity of 84.37% and specificity of 93.44%. The sensitivities of Moire topography, the humpometer, and the scoliometer were 100%, 93.75%, and 90.62%, respectively, and specificity was 85.38%, 78.11%, and 79.76% respectively. The negative predictive value of the forward-bending test was inferior to those of the other methods. During this scoliosis screening program, if cutoff limits for referral had been used, such as the asymmetry of two Moire fringes, a humpogram deformity of (D + H) = 10 mm, and 8 degrees of scoliometer angle, it would have been possible to reduce radiologic examination by 89.4%. Three (0.11%) pupils aged between 12 and 14 years with scoliotic deformities greater than 20 degrees underwent satisfactory nonoperative treatment with Boston braces. One pupil with a 40 degrees thoracic curvature, underwent satisfactory surgical treatment because of progression 1 year later. Of the 121 spinal deformities with an initial Cobb angle less than 10 degrees, 44 (35.8%), and of the 29 scoliotic deformities with an initial Cobb angle between 10 degrees and 20 degrees, 14 (48.3%) progressed (a Cobb angle difference of at least 5 degrees in more than one examination). Observation and physiotherapy were the only treatments applied to all except one of the pupils in these groups. CONCLUSIONS: The Adams forward-bending test cannot be considered a safe diagnostic criterion for the early detection of scoliosis (especially when it is used as the only screening tool) because it results in an unacceptable number of false-negative findings. For the early detection of scoliosis, a combination of back-shape analysis methods can be safely used with the introduction of cutoff limits for referral being a useful procedure. The incidence of significant scoliosis is low, and its natural history seems to be independent of early detection. The wide-spread use of school scoliosis screening with the use of the forward-bending test must be questioned.

モアレ写真法の感度は100%、特異度は86%だそうです。前屈試験については感度84%、特異度93%ということです。前屈試験については、さっき上げたUSPSTFのRecommendationがあります。

Screening for Idiopathic Scoliosis in Adolescents / U.S. Preventive Services Task Force
Release Date: June 2004

Summary of Recommendation

* The U.S. Preventive Services Task Force (USPSTF) recommends against the routine screening of asymptomatic adolescents for idiopathic scoliosis.

Rating: D Recommendation.

Rationale: The USPSTF did not find good evidence that screening asymptomatic adolescents detects idiopathic scoliosis at an earlier stage than detection without screening. The accuracy of the most common screening test―the forward bending test with or without a scoliometer―in identifying adolescents with idiopathic scoliosis is variable, and there is evidence of poor followup of adolescents with idiopathic scoliosis who are identified in community screening programs.

The USPSTF found fair evidence that treatment of idiopathic scoliosis during adolescence leads to health benefits (decreased pain and disability) in only a small proportion of people. Most cases detected through screening will not progress to a clinically significant form of scoliosis. Scoliosis needing aggressive treatment, such as surgery, is likely to be detected without screening.

The USPSTF found fair evidence that treatment of adolescents with idiopathic scoliosis detected through screening leads to moderate harms, including unnecessary brace wear and unnecessary referral for specialty care. As a result, the USPSTF concluded that the harms of screening adolescents for idiopathic scoliosis exceed the potential benefits.

USPSTFは無症候性の思春期児童に対して、スクリーニングを実施しない場合と比較しスクリーニングを実施した場合に、より早い段階で特発性側弯症を発見できるという適正なエビデンスを見出せなかった。最も普遍的なスクリーニング検査−前屈試験(スコリオメータ使用の有無は問わず)−が特発性側弯症をもった思春期児童を特定できる精度にはバラツキがあり、地域社会スクリーニングプログラムにおいて、特発性側弯症を指摘された思春期児童のフォローアップが不良であるというエビデンスがある。
特発性側弯症を思春期中に治療することにより、疼痛や障害の減少といった健康上の利益につながるのは低い割合の人のみであるという相応なエビデンスを見出した。スクリーニングにより発見された大部分の症例は臨床的に意味のある形の側弯症にまで進展しない。外科手術のような侵襲的な治療を必要とするような側弯症はスクリーニングを実施しなくても発見される可能性が高い。
USPSTFはスクリーニングにより発見された特発性側弯症の思春期児童を治療することは、不要な矯正具の着用や専門治療への紹介を含む中等度の害に結びつく、という相応なエビデンスを見出した。この結果、USPSTFは思春期児童に対して特発性側弯症のスクリーニングを実施することの害は、潜在的な利益に優ると結論づけた。

http://www.ahrq.gov/clinic/uspstf/uspsaisc.htm
訳 http://www.trhcs.org/uspstf/pediatric.html#scoliosis

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/28 09:47 しかし、事前の打ち合わせなんて、学校検診にはないだろうな。医師会から順番が回ってきて行って診てくるだけでしょうね。
早急に地域の医師会で問題にして、各先生の受け持つ範囲と、そのために必要な学校側の準備とを(服を脱ぐなら脱ぐ、どうしても嫌なら個別にどこか好きなところ受診して診断書もらってくる)学校側に書面で申し入れないとですね。
服脱ぐの嫌な生徒に、無理強いはいかんですよ。やっぱり。あざとか、アトピーとか、同級生に見られたくない事情抱えてる場合もありまうからね、元皮膚科医としては。それで自殺でもなったら、また話がややこしくなります。

YosyanYosyan 2008/03/28 09:53 Seisan様

今回の事件は検査の末「見落とした」ではなく「見なかった」ですから、訴えられた学校医に同情はしますが訴訟的にはチト拙いと思っています。まあ、高校検診騒動ではありませんが、最近の「恥しい」意識の向上は学校検診の場だけではなく医療現場でも強くなっていますから、訴えられた学校医もそんな毎年の軋轢についつい妥協したのかもしれません。恥しい意識の擁護は学校側も熱心ですし、保護者を敵に回すのに積極的になるとは思えませんから。

今回の場合はやや特殊ですが、集団検診での「見落とし」と医師の善管注意義務の関係はどの程度なんでしょうか。これも言うまでもないですが途轍もなく水準が高いと考えざるを得ません。「見落とし」については訴えられた時点でほぼ勝ち目がなくなり医師人生が終わります。そんな事を考えると学校検診も安易に引き受けると地獄を見ることになりそうです。

AnybodyAnybody 2008/03/28 10:02 内科、整形外科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、歯科に渡る広範囲の検診を短時間で実施するというのが、そもそも無理。
これから、モアレ写真を全員撮影することにするとコスト面で無理だろうし、検診項目を現実的な内容に限定するしかないのでは。
私も何度か検診に行きましたけど、整形外科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、歯科なんて意識的にチェックしたことはないなあ。
この学校医の先生は正直すぎましたね。

AnybodyAnybody 2008/03/28 10:31 >医療現場において、必要な診察部位を患者が提示しない場合、診療を拒否できる正当な理由になりますからね。

少なくとも患者の自己責任ということならいいですけどね。
検診じゃないけど、一札取っています。

じゅんじゅん 2008/03/28 11:12 検診は、学校医に丸投げという契約体制なのでしょうか?
それとも、このような検査を1人当たりこれだけの時間をかけて、
このような所見の有無をとるということが、文章化されていて、
その契約に従って行っているのでしょうか?
もし、学校保健法施行規則にのっとって、検診をよろしくという契約であれば、
丸投げされる責任の重さに見合う検診料を積算して、契約しないといけないということですか?
検診の受託料があがることは、医療業界にとってはよいことかもしれませんが、
医療業界以外の人にとっては、あまりよくないことかもしれませんね。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/28 11:14 tadano-ry様ご紹介の論文の通りだとすると、側湾症の検診は、患者に利益をもたらさない、社会的浪費だ、ってことで、学校保険法を改正しない立法府の怠慢だ、ってことになりますね。

BugsyBugsy 2008/03/28 11:31 検診だけではなくて 海水浴や運動会に来賓なのか付き添いなのか同行を求められ、医師会からのお願いということで友人の個人開業医が休日に駆り出されています。医者がついてるから安心という体裁なんでしょうね。溺死したり、怪我することもありうるでしょうが、これも立派な地雷の一つにはなります。同行している本人もボランティアみたいなもんだとぼやいていますが、「地元に溶け込む」という呪文にかかっています。

学校にも海水浴場にも医療設備はないわけで、同行した医師の責任といわれても困っちゃいますね。じゃあ運動会や検診に医療器具を背負ってこいと言うのかい?

学校でほとんど対価を払わずに検診を医師にやらせていたのですが、最近の親の要求は確かに厳しいものがあります。かといって年に数回も行わない検診のためにレントゲンやらモアレやらを体育館などに置いておいてもホコリを被るだけでしょう。いっそのこと児童検診は眼科や整形外科といった各分野ごと医療機関に親が責任を持って健康診断に回って来られたらどうでしょう?
小児の医療費が事実上無料である地方自治体は多いです。そのくらい払うでしょうよ。地元議員も選挙が恐いだろう。
春休みでも夏休みでもいいじゃない。何科の検診にまわったか検診手帳にスタンプを押してもらえば好いんです。

子供に「エッチなことを」と言われれば 親は全員逆上します。医師の言い分なんて絶対聞きません。子供が病院なり医院なり来て診察を受ければ「エッチなことを」なんて言わんでしょう。
日常的な空間である学校内で友人が側にいて着衣を脱ぐからはずかしいのであって 診察室であればそういった羞恥心はなくなると思いますよ。

尿検査だって 同級生が横にいてハルンカップに尿を入れて並んでいるのも恥ずかしかった記憶があります。

rijinrijin 2008/03/28 11:36 …バイトで学校検診に行くときは、前屈検査は必ずやってます。駆け出しで過ごした病院で整形の若い先生に、やっといた方がいいよと言われたことがきっかけです。

 でも、小学校、中学校、高校で、これまで異常を見つけたのはほんの数人で、しかも全員既に整形外科定期検査中でした。

 心臓検診もそうですが、現在既に形骸化しているような気もしていました。…でも、やっぱりやっといた方がいいんですね。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/28 12:26 しかし、学校検診を専門に請け負うビジネスモデルってできませんかね?
地域へのボランティアだと思ってたから、油断があったんで、よく条文や事例研究して臨めば、リスクは通常診療よりはるかに少ないと思いますが。
医師会から委託を受けるでどうだろ?医師会には埋蔵金けっこうあるし、軽度の疾患見つけたときの紹介先は医師会医師へ、ってことにしとけば?

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/28 12:31 学校保険法で検診はしなければならないし、一方医師には受ける義務があるわけではないから、医師会との協力次第で、けっこうおいしいビジネスモデルになるんじゃないかなあ?
メタボ検診からは医者は排除されましたが、こっちは、医者でないとできんし。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/28 12:35 Bugsy様、
>海水浴や運動会に来賓なのか付き添いなのか同行を求められ、医師会からのお願いということで友人の個人開業医が休日に駆り出されています。

海外釣行のツアー等でよく「お医者さんと一緒なら安心だね」とか言われます。「ドロッポ医で臨床能力は皆無」と予防線を張りますが…。で、無論薬は持っていくのですが基本的に自分用なので期限切れ多数…頼まれれば分けますが、その旨予め断ってます。
…今後はPCPと名乗ろうw。

ちなみに今のところ大きなトラブルはサウナで顔面火傷した莫迦が約1名いただけです。…いやオレなんですがw。添乗員に、「日本語がわかる医者を呼んでくれ」と言ったら「それはあんたやろ?」と言われて放置されましたw。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/28 12:37 まず、医師会が学校検診をボイコット。これは地域医師会発でなく、今回の訴訟を契機に、日本医師会からのトップダウンが望ましい。そうすれば、地域に対して「上からの指令ですからね、従わざるを得ないんですよ」と言えるし。
で、元気な地区医師会は、かわりにビジネスモデルつくって、ドロッポの先生雇って、学校検診請け負わせればいい。
厚労省との交渉に対しても、小さいけどカードになるんじゃないかなあ。学校検診ボイコット。医者の春闘みたいだ。

YosyanYosyan 2008/03/28 12:50  >しかし、学校検診を専門に請け負うビジネスモデルってできませんかね?

そうですね〜、出来そうにも思えますが「学区検診は地域への奉仕である」との常識が医師会にも学校側にもありますし、特別奉仕価格でしか学校側も予算を組んでいませんからなかなか一筋縄ではいかないと思います。学校側の予算措置も難物ですが、医師会側の常識も信仰的なものがありますから、数人が提案したところで「代わりは幾らでもいる」でチョンの様に感じます。

だいぶ変わっているのは間違いありませんが、それでも「学校医がしたい」と考える医師はまだ残っていますし、今やっておられる学校医の方々も現状変更には「地域奉仕」の正論立てて頑張られると考えます。学校検診レベルで本音剥きだしになるほど医師会医師の意識は変わっているとはとても思えません。

それともちろんになりますが、マスコミサイドの「医師銭ゲバ」バッシングも予想しておかなければなりません。地域により変わるかもしれませんが、学校医は医師会が斡旋する形式になっており、医師も医師会もバッシングの対象になりますから、そこまで踏み切るにはまだまだ時間が必要と思います。

BugsyBugsy 2008/03/28 12:51 企業が従業員の福利厚生ということで人間ドックや脳ドックをやっています。自分はそういった委託先の病院に勤めていた経験があります。もちろん保険診療じゃなくて自費で雇用側が支払っているようです。一定の年齢になったら受診するように指示されていますね。
学校検診がボランティアみたいなもんだから忙しいって嫌がって医師会に加入しない個人開業医も結構います。
ただ子供の検診に必要な項目がはっきりしているのなら 委託され検診を行う事は可能でしょうね。

なんてったって予防医学好きでしょ、子供の医療費を無料にするのを好きでしょ。
町おこしの目玉になるでしょうね。「子供のころからメタボを予防する町」もありだなあ。ただ検診は年に一回あるかないかなので単体のビジネスとしては厳しいかもしれません。

YosyanYosyan 2008/03/28 13:16 高校検診騒動のときにも意見がありましたが、それなりに真剣に学校検診に取り組もうとした学校医が、新たな検診方式を導入しようとしただけで、学校側が思いっきり渋面になった話があったと思います。全部ではないでしょうが、学校側にとって検診とは義務付けられているからやらなければならない以上の位置付けは無いように思います。嫌々時間を潰してやっているだけですから、なるべく短時間で「例年通り」済む事以外には関心が薄そうに感じています。

学校側にしてみればもっともなことで、幾ら検診に力を入れても学校側の評価にはつながらず、ただやってなければ失点になるだけの代物ですから力が入る道理はありません。そんな環境に長年付き合えば、学校側の意向に副っただけ、つまり手早く何事も無く終わる検診を学校医が行なうようになっても不思議ありません。その方が学校側も喜びますし、ボランティア価格でそれ以上熱中する道理も医師にはありません。

今回の学校医もそういう学校側の暗黙の要求に忠実に従っただけのような気はしています。女子生徒の上半身を裸にするだけで生徒本人、保護者の反発があり、その対応に時間を費やされるよりも「診ない」にすれば能率は上がります。学校医も地域の開業医ですから、下手に頑張って「エロ医者」なんて評判を立てられたら元も子もありません。

ただし形骸化しているとか医学の常識に反しているとあっても、法律に書かれている項目の違反は、出るところ出られれば医師にとって非常に不利な立場に置かれます。今回のように条文に忠実に違反を訴えられると、医師側は条文が医学的に「完全に無駄」の立証を行なわなければならなくなります。去年の高校検診騒動もそうでしたが、今回の訴訟騒ぎでなおさらに、これまで曖昧な暗黙の同意で済んでいた事にいちいち角を立てなければならない時代になっていると思っています。

こういう事は医療だけでなく社会全般に広がっているようにも感じています。良いのか悪いのかはわかりませんが、そういう風潮に対応する情報収集力、対応力がますます必要になっていくと考えています。情報化時代は便利な一面もありますが、社会変化の変化の激しさを間違い無く助長していますからね。

Level3Level3 2008/03/28 13:18 普通なら,側弯なんて一緒に生活している両親が最も早く気付くはずです.特に手術が必要なほどの側弯であれば.
私には「割り箸事件」と同じような匂いが感じられますが,いかがなもんでしょうか?

YosyanYosyan 2008/03/28 13:28 Level3様

あくまでも記事を信じるならばの前提になりますが、割り箸と違うのは今回の学校医が「診てなかった」事です。割り箸は「見たがわからなかった」です。あくまでも推測になりますが、学校医は見たら分かった可能性が非常に高いということです。この点はかなり違うので割り箸と同列に論じるのはやや危険かと思っています。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/28 13:34 モアレ検診車ってのは、レントゲン技師いらないし、医者の立会いもいらないわけです。とった写真を整形外科医が読影して異常があれば地区の整形外科に紹介状書けばいい。
工夫次第で、ニッチなビジネスになりそうな気がするのだがな。。

最近、猫カフェってのに感動して、自分で経営できないか、本気で検討してました。名古屋には二軒あります。猫がいて癒されるってだけで、コーヒーが不味かろうが、内装めちゃくちゃだろうが、お客さんは時間単価の高いお茶代を払って満足してかえっていきます。私、とくに猫が好きってわけでもないんですが、あれはいいビジネスモデルだ。
もっとも私は、こういうニッチで変わったことしか目が行かないんで、個人商店主止まりなんですが・・最近、超有名企業の重役の年下の女性と友だちになって、いろいろ話聞くんですが、話のスケール違いますね。。サブプライムで欧米資本が不動産投資から手を引いて資金回収にかかってるから、香港上海そこらじゅうの不動産買い漁るのに忙しいそうです。その話聞いてまあ、猫カフェは断念したんですが(^^;。

ysys 2008/03/28 13:41 広島方式も一方かと。
http://www.city.hiroshima.med.or.jp/hma/center-tayori/200611/center200611-5.pdf

やってる先生によると、モアレより安くて確実、医者も楽だとか。

ssd666ssd666 2008/03/28 14:44 ていうか、モアレ検診のコンピュータ診断なんか、マンモのCADとかと比べたら、実に簡単ですよ。
お金出してやるかどうかの問題だけです。

tadano-rytadano-ry 2008/03/28 14:46 今日酷使、もとい国試の発表がありました。何とか合格しましたのでご報告致します。

YosyanYosyan 2008/03/28 15:12 tadano-ry様

なんのかんのと言っても目出度い事です。このためだけに6年間費やしたのですから、素直にお祝い申し上げます。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/28 15:20 >tadano-ry様
おめでとうございます。
(このあとしばらく記帳が続くか?)

Level3Level3 2008/03/28 15:20 Yosyan先生,
確かに「校医がみていなかった」というのは問題ですが,それを差し引いても側弯という「外見からすぐにわかる異常」はいっしょに生活している両親が当然気付いて当たり前のものだということです.
それを「すべて」校医に責任があるがごとく論じて,「数千万円もの賠償をしろ」というのは自分たちの義務をおいてきぼりにして「他人」にその罪を一方的に押し付けていることに他なりません.この姿勢は「割り箸事件」と同じ根っ子のものだということです.
両親にはまず,「自分の子供の健康を管理する義務がある」のではないでしょうか?

あおむしあおむし 2008/03/28 15:44 こげなもん見つけましたが、訂正の日付は不明。なんか関係ありそうな、なさそうな。

http://www.hokenkai.or.jp/teisei/index.html
『児童生徒の健康診断マニュアル(訂正版)』の訂正

標記資料につきまして、このたび次のとおり訂正いたします。
読者の方々に多大なご迷惑をおかけし、心からお詫び申し上げます。


【箇所】

頁45

 表2 側わんの指導と治療のめやす

  (4) 要治療



【訂正内容】

誤    0°〜50°以上

正   40°〜50°以上

ssd666ssd666 2008/03/28 16:33 >tadano-ry様

地獄の一丁目にようこそ。

HekichinHekichin 2008/03/28 17:10 出遅れましたが、就学時の検診項目の最後の...
「その他の疾病及び異常の有無は、知能及び呼吸器、循環器、消化器、神経系等について検査するものとし、知能については適切な検査によつて知的障害の発見につとめ、呼吸器、循環器、消化器、神経系等については臨床医学的検査その他の検査によつて結核疾患、心臓疾患、腎臓疾患、ヘルニア、言語障害、精神神経症その他の精神障害、骨、関節の異常及び四肢運動障害等の発見につとめる」

これだけ羅列されると、今後、発覚するすべてのあらゆる疾患について「見落とし」論争が起きそうな条文ですね。定期健診では最後の「12.その他の疾病及び異常の有無 」、これも曲者で現在の「診れば何でも診断するべきだ」と社会の風潮からは責任追及をされそうな感じ。

なんちゃって学校医をやっていますが、本気で撤退を考えねば...

tadano-ry様
合格おめでとうございます。労働条件は研修病院次第だとは思いますが、お体を一番大切に。患者さんは二番で全く問題ないっす。(っていうか仲間、上級医師に布教活動をよろしくお願いします)

元ライダー元ライダー 2008/03/28 17:17 引っかかりを感じたのは学校保健法施行規則第4条です。
健診で「眼の疾病及び異常の有無 」、「耳鼻咽頭疾患及び皮膚疾患の有無」を検査することになっていますが、これらは眼科医、耳鼻科医が対応すると思います。仮に内科医が学校医であるとして、こうした眼科医、耳鼻科医の手配・健診の割り振りは誰の責任で行うのか気になりました。
学校保健法施行規則や学校保健法を読んでみると学校健診の実施主体は教育委員会であると思われ、学校医は職務として「法第六条の健康診断に従事すること」となっているだけです。「従事すること」であって「行うこと」ではないので健診の実施責任までない様に思います。

とすると、脊柱側湾は整形外科疾患ですから、(たぶん)非整形外科医である学校医に実施責任が無い様に思えます。耳鼻科や眼科健診と同様に実施主体である教育委員会が(学校医が脊柱側湾を検査していないのであれば)整形外科医なりに割り振って行うべきと思います。

こう考えれば「脊柱検診はしていない」と答えることは「脊柱検診を実施する責任は自分には無い」と主張するための答えではないかと思います。学校医だから無条件に耳鼻科眼科健診に従事するとはならないのと同様に、側湾健診についても考えるべきとの主張もありかと・・・。

>tadano-ry様
おめでとうございます。

Med_LawMed_Law 2008/03/28 17:40
tadano-ry様

Welcome to the desert of the real ! (by Morphius ”The Matrix”)

CurtisCurtis 2008/03/28 17:50 tadano-ry様
(Don’t Worry) If There’s a Hell Below, We’re All Going to Go.

http://goldenblue.blog72.fc2.com/blog-entry-106.html

cobonzucobonzu 2008/03/28 17:58 Med_law さまのを見てふと思い出しました。私の世代ではこっちを出したくなるかも。


tadano-ry様
Welcome to this crazy time !

お弟子お弟子 2008/03/28 18:20 ネタは古いがこっちのほうが夢があって前途洋々じゃないかな。
Welcome to strawberry time

ここりんここりん 2008/03/28 20:18 私はまさしく、脊柱側湾ですが、親が見つけてくれました。前屈の姿勢で背中が傾いてないかで見つかりました。
学校検診で指摘されたことはなかったけど。。
何でも訴えてお金を請求するっていやらしいよねほんと。プロ市民というやつですかね。ばかみたい。
側湾は、腹筋を鍛えてそれなりに止まりましたが、それなりに曲がってます。別に日常生活に支障はありません。妊娠、出産も普通でしたし、腰痛もないです。
その人は、日常生活に支障がでるぐらいになったのか??

BugsyBugsy 2008/03/29 00:10 >tadano-ry様
まずはおめでとうございます。
俺達や自分はできなかった 労基法は遵守してください。自分達は出来なかったと反省しています。

Bugsy拝

TOMTOM 2008/03/29 01:45 >ここりん様

何しろ、こんな「訴訟」もあるぐらいですから。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080323-OYT1T00243.htm
(リンク切れ対策あらすじ:ある一家が、ゴミとして捨てられてた石油ファンヒーターを拾ってきて、閉め切った部屋で使ってたらCO中毒でほぼ一家全滅した。石油ファンヒーターはメーカーが自主回収中のものだった。「遺族」は、メーカーに8000万の損害賠償を起こす。)
注意したいのは、ウチらが日頃相手してる患者の中にも、こういうのは確実に混ざってるって事ですね。この国はそのうち、キ○ガイに滅ぼされるんじゃないかしら。


>tadano-ry様

おめでとうございます。ここに居並ぶ先輩方は皆辛辣な事言ってますが、みんな本当はこの道に入ってくる若者がかわいいんですよ(たぶん)。こんな時代ですが、あなたのなりたかった医者像を実現させる事だけに、努力が使われますように。

ぽ 2008/03/29 03:19 >TOM様が挙げられているファンヒーター訴訟ですが、これは
1.ゴミとして捨てた人
2.それを拾って使っていた人
3.2からをそれを借りた人
4.3の家に泊まりにいった人
3と4の大部分が死亡。2はおそらく現場には居合わせていない。1は顔すらしらない?
4の遺族がメーカーを訴えています。訴えるなら2か3、あるいは1と思うんだけどねぇ。
まぁ4の遺族にしてみればそれが元ゴミだったということも知らなかっただろうし、行き場の無い怒りの矛先がメーカーになったのか、
また同時に金のありそうなところに目をつけたというところでしょうか。
この構図は医療訴訟にも通じるものがあるとおもいます。

お産はやめました。お産はやめました。 2008/03/29 07:37 tadano-ry様
おめでとうございます。

暴利医暴利医 2008/03/29 09:39 tadano-ry さま
おくればせながら、おめでとうございます。転職して新たな道を選ばれているようですが、いかなる道を選ばれるのか、前職と無関係な道を選ぶのか、前職のキャリアを十二分に行かせるように動かれるのか、いずれにせよ興味深く拝見させていただきますね。

tadano-rytadano-ry 2008/03/29 11:17 みなさま、温かい?お言葉を頂き感謝しております。
またYosyan様、コメ欄を私物化してすいませんでした。

具体的な進路はまだまだですが、まずプロとして生き残れるだけの腕を磨くことに専念したいと思います。
すべてはそれからです。

inoue04inoue04 2008/03/29 18:29 便乗コメントですが、私も合格しました。
頭の中は1ヶ月の空白ですっからかんで、4月からどうやって仕事したものかと途方にくれてます。ご指導ご鞭撻のほどを。

YosyanYosyan 2008/03/29 18:33 inoue04様

心の底から本当におめでとうございます。これからネットで読まれていた本当の現場が見れます。書かれていたことがどれだけ本当か身をもって体験してください。そしてまた現場レポートしてもらう事を楽しみにしています。

お弟子お弟子 2008/03/29 20:08 ご鞭撻:ムチとローソクを渡して「かぐや姫を捜してきなさい」と命令すればよいでしょうか。
本当の現場の後に、真実の現場や完全な現場も待ってます(編集室注:バカなことを言うんでない。現場はひとつに決まっとる)。
それでも明日は来る。希望を持ってまいりましょう。

のらねこのらねこ 2008/03/30 17:55 開業医さんとかに、受診、に、するのがいいと思う
病院に、来てもらう、ということで、
将来のお客さん候補が増えるから、開業医さんにとっても、利益になるし
その分、お安く
期間、いつから、いつまでの間に、受診して、提出
一人当たり、いくら(数百円?)開業医さんにあとでお支払い

ssd666ssd666 2008/04/01 13:36 ところで、検診協会の引用ページがずごっと削除されています。
引用されたからと言うよりは、あの裁判が起きたからと解するのが自然ですよね(www。

YosyanYosyan 2008/04/01 14:41 ssd666様

アレ、本当になくなっています。引用はしましたが、検診協会記事には何にも批判をしているわけではないと思います。うちもそうですし、ssd様のところです。そうなるとモアレ写真検診車普及運動が起こるのを憂慮している関係者の暗躍があったとも考えられます。つうのも考えすぎですかね。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080328

2008-03-27 大臣談話

3/25厚労省閣議後記者会見概要より冒頭部を引用します。なおこの概要は厚労省編集なので、大臣の真意はともかく厚労官僚の真意は十分に反映されていると考えて良いかと思います。エントリーでは分割引用していますが、原文では一気にしゃべった事になっています。

 私の方から一つ、産科医療機関についてのその後の件をお話しいたします。これは、分娩の休止、制限を予定している産科医療機関にどう対応するかということで、1月19日に長野県の飯田市で国民対話を開催しまして、その時もこの問題が出ましたので、それを受けまして、厚生労働省としても全国的な調査を実施いたしました。それから、私から直接、日本産科婦人科学会の方にも独自に調査をやってもらうように依頼をして、両方のこの調査結果が出て参りました。これは、今日10時半から地域医療に関する関係省庁連絡会議を総務省等と開きますので、その場で全て資料を公開して詳細はそこで皆さんに資料をお渡しできますので、10時半にこれを出せると思います。

この部分は昨日書いた防衛医大がらみの産科医師派遣事業にも関連している部分と思われ、産科医派遣のために、

  • 厚生労働省
  • 日本産科婦人科学会

この二つの調査を元に派遣を検討したとしています。

 私からは、まず、厚生労働省の調査の結果、本年1月以降分娩の休止または制限が予定されている医療機関が全国で77ヶ所ありました。これを更に細かく見たところ、このうち70ヶ所は、産科医療機関の集約化に伴う休止とか、近隣の医療機関で対応が可能というようなことで、地域全体で対応できる。つまり、77のうち70は、それぞれの地域で、大変なのですけれども、なんとか頑張ってやってもらって地域で対応できる案件であったと。その他の7つなのですけれども、その地域や都道府県だけでは産科医療を確保する手立てがたてられないということで、7つ赤信号が点ったということですが、この7機関について対応を今までやってみて、今日段階で対応できたところを申し上げます。

二つの調査で分娩休止予定医療機関が77ヶ所あったみたいですが、そのうち70ヶ所は、

    産科医療機関の集約化に伴う休止とか、近隣の医療機関で対応が可能

要するに分娩を休止しても差し支えないと判断されたようです。集約化も実情は上手く行かない事が多いですし、近隣の医療機関に吸収できる余力なんてあるかは素直に疑問ですが、総務省も交えた会議では問題無しと結論付けたようです。前厚労相風に言うと「少子化に伴う自然淘汰」と現大臣は公言したことになります。なおこの判断についてはついては詳細情報が無いのでこれ以上の論評は差し控えます。

 まず、福島県の県立南会津病院ですが、これについては、4月から近隣の医療機関の協力で妊婦検診を継続すると、更に防衛省及び愛育病院より後期研修医の近隣の機関へのいわゆる玉突き派遣を実施予定で、ここは従って継続できます。それから、長野県が2つありまして、長野県の飯田市立病院、これはこの前訪れたところですが、これは4月から信州大学が派遣してくれるということで分娩を継続し、里帰り出産も継続できる。それから、同じ長野県の3番目ですけれども、伊那中央病院、これも同じように4月から信州大学から派遣してもらう。それから、4つ目ですけれども、沖縄県の公立久米島病院については、4月から県立病院が週1回派遣することによって妊婦検診が継続することとなりました。今4つ目まで申し上げましたけれども、その赤信号の7つのところのうちの、2つはこれはまだ8月くらいまで時間の余裕がありますから、これは継続してやります。従って、残りが3つで、今申し上げた4つの例は手立てがつきました。では5番目はどこかというと、これは群馬県の富士重工業健康保険組合綜合太田病院、実はここも手当が出来ていたのですが、お医者さんの都合が急につかなくなりまして、これは、今の体制は、スバルですけど、富士重工業の綜合太田病院は、退職予定のお医者さんが当面継続して勤務すると共に、4月から慶応大学より週2回の派遣を確保しましたけれど、ちょっとそれでは分娩を継続して実施するまでには残念ながらいかなかったということで、引き続き再開すべく、県、大学、病院間で今検討中でなるべく早くここを手当てしたいと思います。それから、7つのうちそれで5つ目ですが、6番目と7番目は、これは、後数ヶ月はまだ余裕があるというところなのですが、1つは、長野県の国立病院機構長野病院、それから、静岡県の藤枝市立総合病院。これは、今申し上げたように、もう少し時間が後数ヶ月ありますので引き続き調整をするということで、これは緊急措置ですけれども、とにかく分娩の停止ということがないように研修も行えるようにそこまでなんとか手を打ちました。

7つに絞った絶対継続が必要と判断された病院への支援状況を解説しています。まとめると、


病院名 支援内容
県立南会津病院 福島 防衛医大と愛育病院からの後期研修医派遣
飯田市立病院 長野 信州大より派遣
伊那中央病院 長野 信州大より派遣
公立久米島病院 沖縄 県立病院が週1回派遣
富士重工業健康保険組合綜合太田病院 群馬 県、大学、病院間で今検討中
国立病院機構長野病院 長野 引き続き調整
藤枝市立総合病院 静岡 引き続き調整


7つでも支援がいかに大変かが良く分かります。信州大が動いた飯田市民と伊奈中央病院はまだ良いとして、県立南会津病院は後期研修医で何とかなるか少し疑問ですし、防衛医大の裏舞台をのぞくと早期撤収の意図はアリアリとわかります。防衛医大も余力なんてどこにもありませんからね。良く分からないのが公立久米島病院で週1回の妊婦検診で分娩継続可能とは「?」ですが、その程度の規模の病院と考えて良いのかもしれません。

それより厚生労働省が重点としている7つの病院のうち3つが支援策検討中と言うのが深刻さを物語ります。防衛医大カードはもう切れないでしょうし、国立病院機構、日赤も医師ははっきり言ってかなり不足しています。それでも「どっか」から防衛医大のように引き剥がしてでも連れてこないと、厚労省と大臣の面子が潰れます。大臣が公言してしまったのですから、最後は政治的面子のための強引な員数合わせが防衛医大のように行なわれると考えます。

 それから、先程申し上げましたように、日本産科婦人科学会にこの医師派遣が必要な病院ということを現場に直接聞いて尋ねてみてくれということでお願いしたところ、100を超える病院についてこれは必要であるというようなご報告を頂きました。先程の報告は、4月から分娩休止に至るというようなことで赤信号と申し上げたのですけれども、産婦人科学会のものは、要するに、「今問題があるよ」というところは、とにかく総ざらい挙げてくれということで100を超えるということなのでありますけれども、今日、取りまとめいただいた北里大学の海野教授も10時半からの会議にお出ましになりますので、そこでもご報告があると思います。

ここを読むと厚労省が77ヶ所とした資料は厚労省の資料によるものであった事がわかります。赤信号が77ヶ所として、それ以外の黄信号が30ヶ所以上あると考えて良いかと思います。

 そこで関係省庁、それから大学、関係学会等とこれは協力していますけれども、皆さん大変良く協力していただきましたので本当にありがたいと思っております。今後、これは本当に緊急策でとにかく4月に閉鎖しないようにということでやりましたけれども、やはり抜本的な構造的な改革が必要だと思います。それについてもう一つ申し上げたいのは、勤務医の労働条件が非常に過酷であるということで、診療報酬の改定というような形で手当はしたのですが、これは病院にお金がいくが、現場のお医者さんに聞くと自分たちの給料に跳ね返らないという不満が非常に高いのです。これは我々がなぜそれをやったかというと、勤務医の皆さん方の待遇が改善される、そして給料も上がる、そういうためにやっているわけですから、病院の経営者止まりでということは、これはそういう意図ではありません。ですから、病院の経営も考えないといけないのですが、病院の経営者の皆さん方にお願いしたいのは、現場で働いているお医者さんの待遇改善、処遇を良くする。そして、診療報酬が上がった分は、お医者さんにきちんと配分するということを是非お願いしたいと思います。これは、現場のお医者さんの一番の不満なのです。大臣が一所懸命頑張って診療報酬上げてくれても自分たちのところまでいきませんよでは困りますから是非病院の経営者の方々、そこはきちんと対応していただきたいと思います。いずれにしても、これは、産科だけでなく小児科もそうだし、緊急医療体制をどう構築するか、今はとにかく緊急措置をやっただけですから、構造的な改革についてはいつも申し上げているような抜本的な改革に向けて着実に歩を進めていきたいと思います。

ここは正直なところ失笑しました。

    病院の経営者の皆さん方にお願いしたいのは、現場で働いているお医者さんの待遇改善、処遇を良くする。そして、診療報酬が上がった分は、お医者さんにきちんと配分するということを是非お願いしたいと思います。

勤務医対策として診療報酬のあっちこっちから削り取った1400億円は勤務医にすべて配分せよとの大臣談話です。勤務医の待遇改善のために分配した予算であるからその趣旨どおり使えという気持ちはわからなくもありませんが、一体どうやって算出するのでしょうか。私の知る限り診療報酬点数表に「これは勤務医支援分の報酬」なんて色分けはしていなかったと思います。それとも今後追加通達や改定でそういう文言を挿入するのでしょうか。

それと勤務医に全部配分されれば病院の収入はほとんど増えないことになります。病院経営は苦しく、中央社会保険医療協議会 調査実施小委員会(第23回) 議事次第に出された日本病院団体協議会提出資料をまた引用しますが、


開設主体 平成17年度赤字率 平成18年度赤字率 年間赤字増加率
国立 66.14 69.29 3.15
公立 89.28 92.73 3.45
公的 45.89 58.90 13.01
医療法人 19.68 25.33 5.65
個人 14.93 21.21 6.28
その他 42.19 47.67 5.48

坂道を転げ落ちるように経営状態が悪化しています。このデータは平成18年度までですが、平成19年度に改善する要因は何もなく、診療報酬の微増分も勤務医に大幅に配分するとなれば平成20年度もさらに経営が悪化すると考える方が妥当です。それと大臣の口から零れましたが、勤務医対策費は医師に配分せよとの意図はごく素直に給与を増やせと解釈できます。現在の勤務医数は平成18年度統計で168,327人とされますが、厚労省が大好きな神の統計学である「平均」を用いれば1400億円と言っても一人当たり、

    83万1714円

これを月ごとに「平均」すると

    6万9310円

手取りにすれば4万円もあるのでしょうか。給与が増えることに誰も異存はありませんが、これで対策と言われれば叩き返す者が出て来るんじゃないかと思ったりします。ましてやこれで「対策は施され、勤務医の過酷な勤務は緩和された」なんて大見得を切られたらなおさらです。ただし大臣談話は実質は別にして良い効果も期待できます。なんと言っても勤務医には間違い無く配分せよと仰られているわけですから、経営再建の名目としての給与カットや賃金抑制への牽制ぐらいにはなります。もっとも牽制ぐらいであって実効はあんまり期待できそうにはありません。

これは老婆心だけなんですが、大臣も病院側は違う事を心配した方が良い様な気がします。勤務医の時間外賃金の正規要求運動です。別にどこの団体も支援しているわけではありませんが、「一発やるか」の温度は確実に高まっています。これを五月雨式にやられれば1400億円みたいなチャチな額ではすまなくなります。金額だけではなく労働基準局の立ち入り検査や指導みたいな鬱陶しいものが発生します。違法当直もタレコミがあり表面化すれば無事にはすまないかもしれません。

またこの時間外賃金の正規要求運動はすべての病院で起こる必要はありません。全国で10ヶ所から20ヶ所ぐらいが起これば効果は十分です。少し前までは奈良時間外訴訟の結果を待っての意識が強かったですが、これを待つまでもなく動こうという意識は濃厚に芽生えつつあります。別に正式に告発しなくともデータをそろえてのタレコミで良いのですから、方法としては案外簡便です。医師の医療抑圧への抵抗として逃散が有名ですが、気運として抵抗という選択枝を考え実行するものが現実化しつつあります。

言ったら悪いですが当直に関しても、時間外労働にしても医師は社労士を雇うぐらいの経済力はあり、さらに請求して取り戻した金額だけで余裕で報酬は支払えます。マグマ確実に動いていますし、動き出したら統括団体のないゲリラ運動ですから手に負えないものになるかもしれません

僻地外科医僻地外科医 2008/03/27 09:07 というか、そもそも勤務医の待遇改善=給与面の待遇改善と本気で考えているとしたら厚労相はアホですがな。

YosyanYosyan 2008/03/27 09:22 僻地外科医様

 >待遇改善=給与面の待遇改善

今日のエントリーではそういう風に解釈して書きましたが、もちろんですがそんな単純に受け取られないように書かれてますから遁辞は無限です。ただ勤務医一人につき年間80万で、どんな待遇改善、過酷さの解消が行なわれるか想像がつきません。強いて考えれば例の医療秘書の人件費代があります。勤務医5人で400万ぐらい捻出できる計算になりますから一人ぐらいは雇える計算になりそうです。それ以外は思いつきませんね。

一産科医一産科医 2008/03/27 09:54 前半部分に関してですが、国立病院機構長野病院(上田市)については、1〜2名が来て細々と分娩を再開してもあまり意味がありません。この地域の問題点はハイリスクを受けられる2次病院が崩壊した事ですから、そのことを考えると最低3名以上の産婦人科医、また、常勤の麻酔科医(出来れば複数)が必要です。
それだけの人員を確保派遣できるなら意味があります(どこから連れてこられるのか知りませんが)が、1〜2名の産婦人科医だけを派遣されても無意味です。もし、そういう事になるなら私はハッキリ申し上げます「厚生労働省の無能、ここに極まれり。」

もし、1〜2名の産婦人科医を何とか派遣する、というのであれば(この際、「派遣」という政策の根本的な無意味さはおいといて)、篠ノ井総合病院か佐久総合病院に派遣していただきたい。両病院とも、上田市のハイリスク分娩を受けざるを得ませんから、そちらを増援してくれたほうがよほどマシです。

とにかく、地域医療に関してせめて机上の空論ではない、意味のある施策を期待したいです。無理か。

天灰支邦チス凶産党天灰支邦チス凶産党 2008/03/27 10:09 県立南会津病院は後期研修医で何とかなるか少し疑問ですし、防衛医大の裏舞台をのぞくと早期撤収の意図は
アリアリとわかります。
@不当逮捕で産科潰した糞僻地へ。。。悪い冗談か??
  で、防衛医大=海軍航空隊 後期研修医=少年兵 あるいは学徒動員、、、
  いよいよ敗戦までカウイントダウンだな。。。

ふーんふーん 2008/03/27 10:36 綜合太田は、そもそも数年前まではNICUもありKOから医局人事で数名派遣されていました。
完全撤退を検診レベルはたまにやるよってとこで食い止めたという話で、大臣様が大見得きって自慢するような事なのかしらん?!
そのレベルの『分娩は撤退するが検診は維持』なんて、、ネエ。

ssd666ssd666 2008/03/27 11:28 「厚木航空部隊ニ、ラバウルノ勇士来ル!!」

並に士気が上がるニュースですよね。

僻地外科医僻地外科医 2008/03/27 12:02 医療の提供側にとっての人的支援の効率を分かってないんだろうなぁ・・・。

150人のところに1人増えてもほとんど関係ない
15人のところに1人増えたら、ちょっとだけ楽になる
4人のところに1人増えたらものすごく楽になる
0人のところに一人派遣したら地獄になる。

そう言う効率論で動かないと間に合わないところまで来てると思うんだけどな、産科医療は

SeisanSeisan 2008/03/27 12:06 なるほど、政府の公式見解としては、主に給与面での勤務医の待遇改善をしなさい、という形に仕上げておいて、裏の見解として久坂部羊に産経新聞で「勤務医が労働基準法を云々するとはあつかましい」という発言をさせたわけですね。
要するに、「小遣い銭くらいは回るようにするから、死にそうになっても文句を言わずに働け」というのをハゲ大臣と久坂部羊を使ってアピールした、ということでしょう。

日本では、医師はいつから奴隷と同義語になったんでしょう。

ドロッポ小児科ドロッポ小児科 2008/03/27 12:44 http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20080326
NATROM先生のエントリーなのですが、産婦人科の現況についてはかなり当てはまると思います。
いわば、産婦人科診療という水を、心ないクレーム、激務、医療費削減、新臨床研修医制度の開始、民事訴訟の増加、後継者減少という要素で冷却していき、産婦人科医が耐えたので、氷点下を超えた過冷却状態になってしまっていたわけです。そこへもって、福島県、奈良県の事件、そして横浜での看護婦内診事件で、水を大きく揺らしてしまったところ、相転位、つまり氷結、産婦人科診療でいえば容量オーバーによる機能不全と撤退が、一気に起こってしまった。
 この相転位状態をもう一度起こし、水に戻すには、0℃以上に加熱する必要があり、過冷却に陥ったなら、水全体を火力で温める必要があります。産婦人科診療ならば、分娩費の大幅値上げ、刑事告訴の禁止、百人単位での後継医師の養成または、患者への厳しいアクセス制限です。
 今回の政府策は、氷結を起こしかけている先端をかき回しているだけで、それは単に周囲の氷結を早めるだけとなるでしょう。
 根本的に厚生労働省を含めて、政府、国民、財界が、医療では相転位を既に迎えて、マイナー科のいくつかを除いては相転位を起こしてしまった状態であるということを認識していない、そもそも医療崩壊という相転位に近似した状態が起こるとは思わず、冷却しても相転位は起こらないと思ってしまっていることにあると思われます。
 だから、過冷却状態に陥っていると夢にも思わず、揺すってかき混ぜて、まだ冷却してしまうのだと思います。

 しかしビジネスシーンでも相転位が起こってしまうと従来のやり方が全く通用しないのですが、それに気付かず、従来のモデルを当てはめようとする失敗は良く見られ、それらを是正するには、自己改革するか、崩壊するかです。
 なお産婦人科問題での自己改革とは、政府、厚生労働省、法曹、国民の側の自己改革であることを申し述べておきます。

ある人によると。ある人によると。 2008/03/27 13:03 日本では医師(特に勤務医)=カルト信者:医療=カルト宗教 らしいです。奴隷よりもピッタリくるかも。

自らを家族を犠牲にし、財産(収入)を御布施し、それでも一心不乱に全生活を捧げる、、、。
(心配した)他人のアドバイスに耳を貸さない。etc、、。

また、逃散(脱会)するといかに自分が間違っていたか、家族に申し訳ないことをしていたか、
多額の御布施をしていたか(もったいない)、教祖・教団(病院?自治体?患者様?)に搾取されていたか、etc、、
が、ハッと瞬時に分かり、それまで帰依していたカルト宗教に反対の立場に変わるところもそっくり。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/27 13:08 Seisan先生、
>日本では、医師はいつから奴隷と同義語になったんでしょう。
謝れ!奴隷に謝(以下ry
実際逃げられるのに逃げない。戦える、しかも確実に勝てる(労働基準法順法闘争の事)のに戦わないんだから奴隷扱いは奴隷に失礼です。そもそも、何回か書いたけど奴隷ならもっと大切にされます。高価な買い物なんだから。

2年ドロッポ2年ドロッポ 2008/03/27 13:22 10年ドロッポ先生は確か、カルトへの勧誘の時点で入会拒否されたんですよね?
私は脱会するまでに10年以上かかりました、、。お話し読んでいても色々うらやましいです。

いまだ洗脳が解けていない信者達への熱い呼びかけに、先生のやさしさを感じます。
先生の文の真意を誤解している読みの浅いセンセもたまにいますが、、。

まあ、現大臣だからまあ、現大臣だから 2008/03/27 14:11 (お話にならない程御粗末ですが)ここまでできたのかも。綜合太田の件はKOにメディア引き連れて御参りした足代でしょう。
実は現大臣は大臣になる前の一議員時代から色々な医師の会合に顔を出されていましたよ。
御身内の介護で大変御苦労されたようで医療には以前から最も詳しい議員の一人でした(と思う)。
特に大野事件以降は産婦人科学会関連には頻繁に顔を出されていて(地方部会レベルにも)、大野事件の逮捕はあってはならない、
これでは医師が手術できない、etc、、、
かなり話は分かっている(と思う)議員だと考えます。その現大臣をもってしてこの体たらく(大変失礼)なのですから、他の議員であれば、、、です。おそらく現大臣は強制力を行使すれば、保険医療脱退や、産婦人科or医師自体を辞める者が多数出ることなども分かっていて苦慮されているのでしょう。ただ省内にいれば手を変え品を変え篭絡され御考えが変わるかもしれません。
年金問題で身動き取れなかったのが残念。特命大臣ならもう少しできた?無理か。

TOMTOM 2008/03/27 14:25 大臣、というか厚生省官僚の錯文に対してツッコミですが、

>(薄給だということ)は、現場のお医者さんの一番の不満なのです。
そうじゃないだろ。
最近のエントリで労基法云々のディスカッションは散々行われてますが、基本的に皆さん別に給料の多寡や拘束時間の長さを第一義と考えてる訳ではない。
自らは何も努力・負担することなく、あまりに過大な、現実離れした要求を平然と突きつけ、当然それが果たせないと司法・経済・社会的にとてつもない罰を科し、疲弊に対する評価もしないで平然としている。そんな世間に対して“No!”といってんのが「第一」だろう。医師は(たぶん)みんな仕事がハードなのはある程度覚悟してます。それに対して「労基法無視なんて当然だ」って世間の側(と医者の代表のつもりの部外者)が言ってるのが“更に”我慢ならないって事だと私は思います。

で、
>大臣が一所懸命頑張って診療報酬上げてくれても
頑張った? そりゃ財務省から予算取るのは大変だったでしょう。そんだけの話。この内容でこう自画自賛されては冷え切ってしまいます。
ただ、それも無理ないのかも。今まで「医者はがめつい、いいかげんな仕事で事故ばかり起こす」と信じきっている大衆に向かって、「お前らは完全に間違い、総懺悔しろ。これから医者を超優遇します」なんて言ったら大変な事になるだろうからね。桝添さんだからここまでできた、っていうのも一理あると思います。ドロッポ小児科先生のおっしゃる、
>国民の側の自己改革
がないと、無理でしょうね。
それにしても過冷却の例え、とてもはまっていてよくわかりました。>ドロッポ小児科先生


どうでもいいけど、私のATOKは作文って変換しようとしたら錯文って出てきました。この場合ぴったりすぎてワロタ。

tadano-rytadano-ry 2008/03/27 19:25  コンサルの発想からすると、医師の養成には時間がかかる以上、まず勤務医を逃散させない事が第一目標となりますから、
給与の改善はある程度の意義はあると思いますが、月数万というレベルではダメだと思いますね…。やはり診療報酬を上げて
もらうか、消費税を上げて国庫から回してもらうかしてもらわないと。

 あとは思い切った集約化を図って何とか交替勤務制を実現することですか…。
二次・三次救急病院の数は今の1/4〜1/5くらい、産科救急は都道府県に1〜2つくらいにしてしまって必然的にアクセス制限ですね。

結局ドロッポ小児科先生と同じになってくるんです、どう考えても。

お弟子お弟子 2008/03/28 02:01  2〜3日前にも10年ドロッポ先生から暗に書き込めよという圧力が私にかかっていたようで(笑)。アクセスせず読んでなかったので、気づかなければ余裕でスルー、してましたよ。えろうすんまそん。
 医療そのものに魅力があるんですよ、シバカれて育った人間には。きっとそこでセレクションもかかっているのでしょう。卵と鶏かもしれません。だからそういう人間は燃え尽き、心が折れる、後ろ髪引かれながら逃散する、もしくは希望があるであろう新天地(でも医療現場)を求める、という行動を通常は取るのかな、と。
 自分を振り返ると、私が労基法ウンヌンを持ち出したのは、もちろんそう言う知識があったという前提もありますが、「そこまでコケにするか」という反発心・復讐心なんだろうな、と。
 純粋に自分の仕事でのみ忙しい時、医師はそう文句は強く言いませんが、自分の正義に反すると感じた時の反発は(安保闘争でもそうでしたが)自分が損をしてでも行動への閾値が下がることが多い気がするんですよ。まったくもって金じゃない。ある意味、仕事柄社会的矯正がなくて純粋、という表現をしてみましょうか(おぉ、いい表現だ)。

お弟子お弟子 2008/03/28 02:02 ついで。motoセンセの2年後予想の提案、悪のりついでにここに書いてみよう。
 現戦力で提供できる医療リソースを使って、どれだけ顧客満足度を追求できるか、を医療blogでは検討始めている頃じゃないかな。今でも米でコストパフォーマンス論があるけど、コストじゃなくてリソース、仕事量や質のパフォーマンスも大事だけどそれより顧客満足度。
 学会レベルでは、残せる・伝えれる技術は何かをセレクション作業しているといいな。
 地域じゃ医療従事者の奪い合いをやっているでしょ。今より露骨に。相変わらずのレベルだと医療従事者は思うでしょうが、住民感情に現実は認めざるを得ないという進化が見られていると思いますよ。
 希望的なものとしては、技術を残すため、中堅どころを集めた自由診療病院がいくつか立ち上がっているといいな。そういうところに若手が希望を持って集まってくる、と。そして結果として保険診療制度は制度として残るけれど実質徐々に衰退・そこで働く者が負け組意識となっていく時代へと突入してしまう、という流れが医療従事者には見え始めてくるんじゃないかなと。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/28 10:28 2年ドロッポ先生、過分なお言葉痛み入ります。
>カルトへの勧誘の時点で入会拒否されたんですよね?
いえ、短期間ですが、入会しておりました。…話の流れ上ついクサしてますが、白状しちゃうと、私が在籍していた医局、病院は非常にまっとう、というかヌルイところで、徹夜した事はないし、休みも結構あって、実は奴隷時代も何回か海外釣行してたりする…。特に最後に勤めた民間病院はいいところで、看護師や事務はよく働くし、気が利くし、給料は安かったもののなんとちゃんと残業手当が出たw。有名なDQN地域の基幹病院で体に絵を描いた患者とか母親を「オモニ」、とゆー患者とか、指がない患者とか多かったけど医師への態度は慨してよく、不愉快な思いをしたことは殆どありません。ある患者等私が辞める時は私の手を握って、「先生に会えて、本当によかった」と涙ぐんでました。<世の中にはなんとまあ、人を見る目がない人がいるもんだ。
つまり、私が極端に怠け者だっただけの話で、多分一般企業のサラリーマンだったとしても脱落していたでしょう。…世の中何が幸いするか、ワカランよなあ…ww。<いつか絶対罰が当たるゾ
>いまだ洗脳が解けていない信者達への熱い呼びかけに、先生のやさしさを感じます。
あまりのわからんちんぶりに本気でイラつき始めてる事は内緒だw。

お弟子先生、
>2〜3日前にも10年ドロッポ先生から暗に書き込めよという圧力が私にかかっていたようで(笑)。
いえそんな滅相もない…。
>純粋に自分の仕事でのみ忙しい時、医師はそう文句は強く言いませんが、自分の正義に反すると感じた時の反発は(安保闘争でもそうでしたが)自分が損を>してでも行動への閾値が下がることが多い気がするんですよ。まったくもって金じゃない。
戦士に敬礼!
>ある意味、仕事柄社会的矯正がなくて純粋、という表現をしてみましょうか(おぉ、いい表現だ)。
おこがましいですが、本当にいい表現だと思います。そういえばチェ・ゲバラもホセ・リサールも孫文も医師でしたね。

2008-03-26 舞台裏

まずは医療維新から、

 厚生労働省は3月25日、「産科医療機関調査」の結果を踏まえ、今年1月以降、分娩の休止・制限が実施または予定されている7医療機関に対して、産科医の派遣などを実施したり、何らかの対策を講じることを明らかにした。

 

 対象となるのは、以下の7施設で、地元大学のほか、防衛省などからの派遣を予定している。

【対応した医療機関】

●福島県:県立南会津病院

 4月から近隣医療機関の協力で妊婦健診を継続

 さらに防衛省と愛育病院より後期研修医の派遣を実施予定

もちろん記事はまだ続きますが、今日必要な分はこれだけです。必要なのは、

    防衛省と愛育病院より後期研修医の派遣を実施予定

このうち防衛省のドタバタについての舞台裏情報です。この情報は某所で拾ったと言う事にさせて頂きます。もちろん情報提供者には了解を取ったのですが、匿名はもちろんの事、出所もできるだけボカして欲しいとの要望があり、その条件に沿っての御紹介になります。かなりの内部情報なので私も震えながら書きます。

産科医の不足はもはや一時的なものではなく、慢性的なものであるのは常識です。その対策として行政はドクターバンクや女医バンクを作ったり、緊急医師派遣制度を創設したりしています。しかしこれらの対策は産科医が足りないから「どっかから」調達してこようとの発想です。「どっか」も何も産科医が余っているところなどありませんから、鳴り物入りで作られてもどこも開店休業状態です。

これに懲りたのか「どっか」を確保して産科医派遣を行なおうと国は考えたようです。「どっか」と言っても国であっても、医師の人事をそう簡単に左右できるところは限られています。現在は独立行政法人になっていますが旧国立病院でも容易ではなく、準公立病院である日赤でも困難なところがあります。容易や困難と言っても実際に行われのですが、旧国立病院や日赤も医師不足に喘いでおり、国からの強力な要請により一部協力はしましたが、協力しただけで医師供出病院が崩壊の危機に瀕するというどん詰まり状態です。

そこで国が目を付けたのが防衛医大です。ここは他の大学と違い国の直営と言うか、国の人事権が直接的に及ぶところです。防衛医大も自衛隊の一部であり、自衛隊の最高司令長官は言うまでもなく内閣総理大臣です。それこそ首相の命令一つで動かす事は可能ですし、首相の命令で動かなければ軍隊である自衛隊は困ります。

また先例もあります。沖縄北部病院の産科医不在に対し当時の沖縄担当相であった小池氏が基地移設問題も絡めて産科医「確保」の大見得を切り、大見得を切ったものの「確保」ができず、最後に自衛隊に泣きついて1年間派遣した実績です。どうもこの先例を突然思い出したようです。便利に使える打ち出の小槌があったのを思い出したというところでしょうか。

打ち出の小槌と言ってもどれほどの戦力が防衛医大病院産婦人科にあるかです。

    スタッフ4人(教授込み)、専門研修医官4人(6年目1名、5年目3名)

防衛医大病院は自衛官だけではなく一般にも利用されている病院であり、その仕事量は、

    600弱の分娩と550件の手術

防衛医大病院は言うまでもなく医大病院であり、実質的に地域の三次救急を担っています。600弱の分娩には多数のリスク分娩があり、手術も難度の高いものの割合が高いのは言うまでもありません。この仕事をこなすために、

    大学院生(医学研究科学生)まで動員してなんとかしている状況

つまりカツカツと言うわけです。沖縄北部病院に防衛医官の産婦人科医が1年間派遣された話は有名ですが、あの医師は防衛医大病院から派遣されたようです。私はてっきり沖縄にある自衛隊病院から派遣されたと思っていましたが、そうでなく遥々埼玉から沖縄に派遣された事を今回のエントリーを書くに当たり初めて知りました。詳しくはやんばる病理医ブログ様をご覧下さい。

沖縄の時も防衛医大は派遣により抜けた穴埋めに大変だったようです。カツカツ状態から一人抜けたらパニックになるのは当然で、福島への医師派遣の話が打診として出たときにはスタッフからまず総スカンを食らったようです。スタッフがダメならと言うことで専門研修医官に目が付けられたようです。もっとも産婦人科医局も「何がなんでも反対」の一点張りではなく、基本姿勢は賛成です。賛成ですが、戦力不足は目に見えているので派遣するなら、

  1. 派遣された医師の将来を考える
  2. 組織の命令系統に合致する事

この2点について周到な準備を行った上でなら派遣に協力するという姿勢です。防衛医大らしいと思ったのは「命令系統に合致」です。自衛隊と言う組織ですから筋目を通す、命令系統を明らかにし責任の所在も明瞭にするのは日常感覚なのでしょう。戦う組織の感覚とはそういうものだと思います。それとこれは推測になりますが沖縄の時には正規の命令系統に従って派遣が行なわれたと考えてよく、今回の福島は違うところがあると考えてもらったら良いと思います。

正規の命令系統の合致を重視するなら、総司令官である内閣総理大臣が指令を下せば話は済みそうと外部の人間である私は思うのですが、どうもそんな単純な話ではないようです。どうにも話の流れが複雑なのと、自衛隊の組織命令系統がよく理解できていないので一部トンチンカンの部分があるかもしれませんが、そのあたりは詳しい方がおられましたら補足訂正お願いします。

防衛医大からの産科医派遣の意向の大元は政府です。少なくとも総司令官である総理のなんらかの同意が無いと話は進まないはずです。そういう表に出ない同意の上で、防衛大臣から口頭の指示が衛生監に下っています。おそらく衛生監と言うのが自衛隊の医師のトップと考えて良さそうです。その衛生監が防衛医大院長に派遣同意を取り付けています。つまり、

    (政府の意向) → 防衛大臣 → 衛生監 → 防衛医大院長

それなりに筋が通っているようにも見えますが、これは正規の命令系統にはならないそうです。正式でないが故に派遣される医師の扱いは、

    部外研修とする

つまり産科医が自主的に「行かせて下さい」とお願いし、それを病院側や防衛省が了承する形式の派遣です。もちろん自主的と言っても研修先や期間は防衛省サイドが強制的に決めます。防衛医大にも専門研修なる制度があり、防衛省管轄以外の病院に研修する制度があるのでその制度の枠内で自主的に派遣されるものになるそうです。

ここからが自信が無いのですが、自衛隊は軍隊です。軍隊は上官の命令に服属します。上官と言っても直属のものに服属するだけで指揮権の無い上官の命令に従う必要は無いとされます。衛生監は防衛医官の長みたいですが、防衛医官の直接的指揮権を持っていないようですし、また病院長も産婦人科教授への直接的指揮権は無いようです。情報を読む限り防衛医官の直接の命令系統は、

    首相 → 防衛大臣 → 幕僚部 → (教授) → 防衛医官

ちょっと違うかもしれませんが、これが正式の命令系統になるようです。命令系統と言うより人事権の系統とした方が良いかもしれません。ここで話が複雑化するのは、幕僚部は今回の派遣に一切タッチしないと教授に連絡し、教授も今回の不明朗な派遣に反対しています。もちろん派遣対象となった4人の産科医も反対です。つまり正式の命令系統では誰も同意していないと言う事態が生まれたのです。

防衛省が用いた指示系統では命令にならず、あくまでも産科医が自主的に研修したいと希望し、これを教授が認めないと研修として派遣させることはできないのがルールになるそうです。えらく些細な事にこだわると感じる方がおられるかもしれませんが、舞台は命令秩序を何より重視する自衛隊の中の事であり、一般社会よりルール違反や命令系統が段違いに厳しいところですからよく御理解ください。

ここでこの事態で分からないところは、産科医派遣を正式の命令系統に何故のせなかったかです。防衛医大の医師も自衛隊と言う軍事組織に属しており、ここでの命令は絶対ですから使えば良さそうなものです。産科医も正式の命令系統による人事を希望していますし、正式でなければ拒否するのにも正統性が生じます。あえて考えれば、

  1. 正式の幕僚部ルートは非公式に拒否された
  2. 最初から正式のルートは使う気がなかった

幕僚部ルートが拒否されたはなんとも言えませんが、あり得無さそうと思います。拒否する理由があんまり思い浮かばないからです。拒否するにしても正式に命令が下ったわけではありませんから、まず幕僚部に打診があり、幕僚部から教授なりに打診が先に行なわれるはずだからです。情報ではそんな打診は一切無く、衛生監と院長に産科教授と派遣要員が突然呼び出され、強力な要請を聞かされる事態になっています。さらに言えばスタッフには打診が行なわれています。

そうなると最初から正式の命令系統を使う気がサラサラ無かった事になります。今回の指示系統をもう一度見直すと、

    第一段階:防衛大臣が衛生監に口頭で指示を伝える
    第二段階:衛生監が指示を基に防衛省をあげて行なわなければならないと気炎を上げる
    第三段階:院長が同調する

自衛隊と言う軍事組織からすると極めて曖昧な運動に過ぎないことが分かります。誰が考えても防衛大臣一人の意向でないのは明らかですから、防衛大臣に指示を出させた人物が存在する事になります。その人物の意向は

    正式命令で医師を派遣するのは嫌だから自主的に派遣させよ

どうにも政治効果を狙った演出に思えてなりません。産科医不足はもはや社会問題ですから、これに対して派遣をアピールするのは政治的ポイントを稼げます。正式命令にすれば強制のマイナスイメージがつきますから、効果を狙うには「自主的」がよく、この効果を実現するために防衛大臣以下が奔走したと受け取れます。

いかに奔走しているかの証拠として、戦力を引き抜かれた防衛医大病院の対応として、

    日常業務に支障が出るようなら診療制限を行なう

つまり派遣するという実績を作るのが最優先で、派遣のために防衛医大病院産婦人科の機能低下は全く構わないと断言したと伝えられます。これって本末転倒と思いますし、防衛医大病院がある埼玉県の産科事情を考えると狂気の沙汰の発言と思います。

また身分保障に関しては、

    特別昇給を約束する

おいおい、自主的に希望していく部外研修が特別昇給の対象になるんですか。しかも自主的に研修で抜けられるために、肝心の防衛医大病院は診療制限までする羽目になるかもしれませんから、むしろ懲罰対象とも思うのですが、防衛大臣の口頭の指示と言うお墨付があるから功績に転じるわけですか。もっともこれで防衛大臣に指示した人の株が上がれば、防衛医大産婦人科がどうなろうが、埼玉県の妊婦や産婦がどうなろうが安いものだとも受け取れます。

もっと政治的な匂いがプンプンする発言としては、

    今回の派遣はあくまでも臨時的なもので恒久的なものではないし防衛省としての本来の任務でもない

とりあえず派遣する防衛大臣の口頭指示を具現化することが急務で、とにかく派遣に従ってくれたら、それで話が丸く収まる。こんな話が軍事組織の自衛隊内部で平然と話されているというわけです。産科医派遣は建前上妊婦や産婦のためです。しかし経緯を見れば困っている妊婦や産婦のためを考えて行なわれているとは思えません。あくまでも防衛大臣に指示を下した人物の得点稼ぎのために行なわれているようにしか見えません。

防衛医大病院産婦人科は貴重な拠点病院です。産婦人科であるというだけで貴重なだけではなく埼玉にあるという事でさらに貴重さは増します。埼玉の産科事情をもう一度見てもらいます。

福島の産科事情が厳しいのはわかりますが、全国最悪の埼玉県から産科医を引き抜き、引き抜いた拠点病院の機能を低下させるのは埼玉の産科事情をさらに悪化させます。そこまでの犠牲を払って産科医を派遣するのに、

  1. 自主的に勝手に行った体裁にする
  2. 派遣地域の産科再構築のしっかりしたプランがあるわけではなく、派遣する体裁だけを重視している
  3. 責任が生じる正規の命令系統は使わない
  4. 派遣優先で供出病院の機能低下は容認
  5. 特別昇給のアメ付き

国の直轄と言っても良い防衛医大にしてこのドタバタです。他の派遣事業に協力させられた病院も似たり寄ったりと考えても構わないと思います。体裁上の数合わせと実績作りに政治的に強要された産物である事が良く分かります。よく「タコが自分の足を食う」との表現がありますが、これはそれ以下で餓死寸前のタコが他の腹ペコのタコに「自分の足を食わせる」状況と言っても良いと考えます。共食い共倒れ構造による政治的パフォーマンスと言えるかと思います。

ま、このドタバタで防衛大臣に指示した人間は政治的ポイントを稼ぎ、防衛大臣は指示した人に忠誠心を売りつけ、衛生監や病院長は防衛大臣に実績をアピールしたからハッピーなのかもしれません。デメリットを蒙った人間は・・・言わずもがなですね。

暇人28号暇人28号 2008/03/26 09:33 またですか....
政治家と官僚の面子のために現場が混乱する。よく見受けられる光景です。

昨今取るべき政策は「集約化」。福島大野事件などもあり司法も後押ししています。そして、それしか時間稼ぎの方法が無いわけです。それと反対のことをするとは全く....

政治家・官僚がいかに自分達に火の粉がかからないようにしか考えていない典型例ですね。


そういえば、耐震偽装のヒューザー小島社長が有罪になりましたが、個人的にはあれも政治家・官僚が一民間人に責任をなすりつけて自分達は責任逃れをしているとしか思えません。構図は全く一緒です。

防衛医大の情報防衛医大の情報 2008/03/26 09:37 まず、医局に余裕も何もありません。人手不足にあえいでいます

話の流れとしては、まず厚労省から「病院長(外科)」に話が行き、勝手に了承され・・・それを産婦人科の教授が「スタッフに相談なく」勝手に了解されて、スタッフが猛反発していたのが先週だそうです

先生もご存知のとおり「沖縄」にスタッフは派遣されていたので、「もう無理です」といい、派遣に従う人がおらず・・・結局、「後期研修医」の先生(優秀な人ですけど)が行くようです。

4月から福島の私立の病院かもしれないといっていましたが、詳細は不明だそうです

防衛医大のスタッフも(教授の交代以降)減少してきており、更に防衛医大卒も引き抜きが起こっており(ある産婦人科医はテイキョウニ引き抜かれて4月からそっちです)余裕はまったくなしだそうです

BugsyBugsy 2008/03/26 10:31 防衛医大病院といえば 特殊な雰囲気を感じられる人も多いようです。しかし他の自衛隊病院と異なり、実態は地域の特定機能病院であり所沢市の基幹病院です。同時に大学院博士課程に相当する研究科もあって 病院そのものは他の大学病院と大差ありません。

したがって防衛医官の派遣とのことですが、たちまち所沢市の分娩事情が悪化し、地元から悲鳴があがることでしょう。

今朝のTVで舛添大臣が産科医不足に抜本的な対策を講じると云っていた内容はこれだったんですね。

引き抜きと言われると言葉に困りますが、9年間の年限が終りそうな防衛医官から 自分の診療科に内々に採用の打診が頻々とあるのは事実です。

hot-coffeehot-coffee 2008/03/26 10:45 なぜ、さっさと逃散しないんでしょうかね? 
これほど無念な使われ方って他の職業でありえますか?

このままうやむやな命令で派遣された後、派遣元がこけたら
それこそ「勝手に出て行った奴が悪い」と言われるのは
目に見えてるのですが(*´д`;)…

ssd666ssd666 2008/03/26 11:19 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%BB%E5%AE%98
結構詳しくて、どう考えても中の人が書いてるな(www。

教官には強制力が乏しくて、防衛医官の若い者を派遣ってとこでしょうか。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/26 11:30 大昔、湾岸戦争とときに、まだ自衛隊派遣はできなくて、国際協力で医者を派遣しよう、国立病院勤務医を行かせよう、ということになって、募集のポスターが張り出されたけど、だれも行かなかったなあ。。
今にして思うと、行っとけばよかったとちょっと思う(^^;。

いま、朝一で手術のひと、笑気麻酔で施術中に古典的片頭痛発作おこしてびびりました。手早く手術して嘔吐までには終わった。片頭痛だから、まだいいですが、クモ膜下出血なんか起こされたらえらいことです。美容ですからねー。毎日終わると、なんとかまた一日生き延びたか・・という気持ちになります。どこにいても戦場かも。

維谷維谷 2008/03/26 11:56 本文とコメントのレベルの高さに畏れをなして、ROMに徹しておりますが、今回だけ失礼します。

ご存じのかたも多いと思いますが、3年前まで「さっぽろ雪まつり」の大雪像作成には、自衛隊が協力していました。
ただし、自衛隊が観光やレクリエーションに協力するわけにはいかないので、あくまで「雪上訓練」の名目で行っていたと聞きます。

同様に、地域医療支援は、防衛省の本務とは全然関係ないでしょうから、戦地とか被災地ならともかく、適切な名目がないと、産科医不足というだけでは医官を勝手に動かせないのではないでしょうか。だから、こんな裏技を使う、と。
いっそ、医療が徹底的に荒廃すれば、「災害時医療訓練」の名目で堂々と派遣できるのかもしれませんが。

YosyanYosyan 2008/03/26 12:07 維谷様

 >適切な名目がないと、産科医不足というだけでは医官を勝手に動かせないのではないでしょうか

その点については断言はできないのですが、沖縄の時はどうだったのでしょうか。あの時は研修でなく正規の派遣に近い形式でしたから、その時の先例を念頭に置いた行動と考えています。考えようによっては、沖縄の時にも訳のわからない名目で派遣されたので今回はキチンとしたいのかもしれません。その点についての情報は申し訳ありませんが手許にありません。

ドロッポ小児科ドロッポ小児科 2008/03/26 12:47 自衛隊に関して、詳しくはないのですが、
まず大前提として
自衛隊員の基地外への命令による派遣は、自衛隊法に決められており、規定外の派遣は首相でも命令できないはずです。
従って「名目がなりたたないから正規派遣業務が出来ない」のではないかと思いま
たった一人の防衛医官が働くだけでも、法的には自衛隊の出動です。
 防衛出動、災害派遣、治安出動、国民保護等派遣、領空侵犯対応、海外派遣、不発弾処理、海上警備行動、弾道ミサイル防衛、政府専用機による要人輸送、オリンピック等イベント支援、南極観測、土木工事等の受諾です。

この中で、今回の事例に適合しそうなのは、「土木工事等の受諾」で自衛隊法第100条の1に定められた、俗に言われる民生支援と呼ばれるものです。
 しかしながら、これらを要望したときには、隊員の給与、糧食費、装備の修理費用を負担しなければなりません。
 そのため、福島県はこの要望をあげたときは、この費用を議会で可決しなければなりません。
 また防衛出動や治安出動、災害派遣などより優先順位が劣るためこれらの任務に影響がある場合は中断又は中止されることになっております。つまり、いつでも引き上げることが可能なのです。
 結局、僻地での定常配置での産婦人科診療任務を行える根拠が法的に乏しく、しかも訓基地内訓練に支障を来してまで地域奉仕を行うような命令を、安易に日常的に受諾することは、幕僚部として言うなら、自衛隊の私的政治利用であり、広義の私兵化につながるものだという反対論があると思います。
 産婦人科で先例を作っていけば、全科で可能となり、そのうち全自衛隊員が安易に使われるのではないかという恐れを幕僚は抱いたのではないでしょうか? しかも自衛隊もかなり人手不足ですし。
 従って、自主的に行く形を取りながら、金銭的に報いるというお役所的解決になるのでしょう。

 ちなみに災害派遣での派遣には根拠がいると思います。あやふやな根拠で自衛隊を派遣すると、シビリアンコントロールの逸脱と言われて、自衛隊がダメージを負うので、その当たり、自衛隊はかなりナーバスで動かないでしょう。

YosyanYosyan 2008/03/26 13:28 自衛隊と言うのは法制にナーバスな組織なので、
 
 >自衛隊員の基地外への命令による派遣は、自衛隊法に決められており、規定外の派遣は首相でも命令できないはずです

これは理由として理解できます。そのため「自主的な意思」で医師不足病院への派遣と言う体裁を取ったのも手法としてありえると思います。ただ実質としては防衛大臣の指示により医官が派遣されています。衛星監が産科医師を説得するセリフに「大臣からの口頭の指示は、文書化されていなくても命令に近い拘束力を持つと考えている」との趣旨の発言があったとされるからです。

官僚的な逃げ道はテンコモリありますが、防衛大臣の拘束力のある指示により「自主的に志願」させられ、派遣される命令系統の不明朗さは、自衛隊としても禍根が残る可能性があるように思います。防衛大臣に誰が指示したかは公式ルートとして伏せられると思いますが、産科医を説得するのに防衛大臣の拘束力のある指示を持ち出したのは拙いように感じます。

ここはあくまでも産科医が「自主的に志願」するように、拘束力のある大臣指示ではなく、防衛省に対する漠然たる要望として衛生監や院長は動くべきだったと考えています。

ネエネエ埼玉は?ネエネエ埼玉は? 2008/03/26 13:32 埼玉県北部唯一の(小規模ですが)周産期センター、日赤深谷hp:
そこで、2008年4月からは、小児科医の当直体制は 「木と土のみ」と限定
されることになり (中略)即ち、母体搬送のご依頼は、平日の日勤帯のみお受けいたします。
母体搬送に関しては(中略)受入可能な新生児は、在胎34週・推定体重 2,000g以上です。(ち、力弱い、、)

埼玉社会保険hp:
平成20年4月より、小児科医減少のため、NICU(新生児集中治療室)を閉鎖することとなりました。
これに伴い、安全な周産期医療を行うために、産婦人科におきましても分娩数の制限を行わざるを得なくなりましたので、
何分のご配意をお願い申し上げます。

これ以上、埼玉から産科医を取り上げないで!!いじめないでー!
ま、元々県内受け入れ不可ばかりで都内、千葉、神奈川まで電話することあるけどねー!それでも無理だけどねー!
結局そうこうしているうちに出ちゃうけどねー!!なのに群馬や栃木の大学病院から依頼も来るけどねー(絶対無理)!!早剥がDICになって2時間かけて来るけどねー!
(ヤケクソ)

天灰支邦チス凶産党天灰支邦チス凶産党 2008/03/26 13:37 自衛隊員の基地外への命令による派遣は
自衛隊員のきちがいの命令による派遣は に見えた、、、wwww

酔生夢死酔生夢死 2008/03/26 13:45 また話の流れを断ち切ってすみません。
死に体と思われた唐沢会長がまた立たれるそうです。実質信任投票のようです。

>日本医師会会長選 現新2人が届け出
 >任期満了に伴う日本医師会会長選挙の立候補届け出が25日締め切られ、兵庫県医師会員の下間秀晃(しもつまひであき)氏(47)と、現会長の唐沢祥人(からさわよしひと)氏(65)の2氏が立候補を届け出た。

 >選挙戦は、政府・自民党との協調路線をとる唐沢氏が、会長として臨んだ2008年度の診療報酬改定に対する日医内の評価が争点となりそうだ。投票は4月1日。

 >会長選は、各都道府県医師会の会員から選出された354人の代議員による投票で決まる。任期は2年間。

 >08年度診療報酬改定で、唐沢会長ら執行部は医師不足対策や地域医療の立て直しを訴え、本体部分5・7%の大幅引き上げを求め、8年ぶりの引き上げとなる0・38%のプラス改定を実現させた。また、政府が検討した診療所の再診料引き下げも阻止した。下間氏は、現在、神戸市内の病院の診療部長を務めている。医師会関連の役職はない。

 >日本医師会 社団法人の民間学術団体。会員数は2007年12月現在、約16万5000人(開業医約8万5000人、病院勤務医約8万人)。医療制度改革に対する提言などに取り組んでおり、政策実現に必要な政治活動については、医師会を母体とする日本医師連盟が行っている。(2008年3月26日 読売新聞)

BugsyBugsy 2008/03/26 13:56 拘束力があるとはいえ 文書できちんと業務命令が出ないのは何とも嫌らしいです。老婆心ながら申せば、病院を移動して数週間は不馴れなせいで身体の動かし方、オーダーの出しかたに戸惑う事が多いのですが、そういった際ウッカリミスが多くみられます。口頭での命令であれば何か合った場合にはうやむやにされて 医官個人のせいにされるんでしょうか、そこが心配です。

たしかに法的な根拠が整備されてないので各地の自衛隊病院からというより研修している防衛医大病院からとなったんでしょう。

ただこれは我々が散々見たように なし崩し的に今後も行われるようになるかもしれません。医師会だって防衛省には反対できませんし、その気もないでしょう。防衛医大を卒業して9年間の御奉公といえども 実際には30%近くは任期半ばで辞めて行きます。今後はもっと増えるかも知れませんね。

実は防衛医大病院の診療科のスタッフは他大学から教授が連れてきた医官ではない医師が多いのですが、これから今回のような事が再度起きたら医大病院に教育職として赴任を要請されても二の足を踏む人間が確実に増えると思います。

酔生夢死酔生夢死 2008/03/26 15:22 兵庫県の医師派遣の話題を一つ

地域医療向上へ 兵庫県と神戸大が協定
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0000891327.shtml

 医師不足や偏在化など崩壊の危機にある地域医療を官学一体で立て直し、活性化させようと、神戸大と兵庫県が26日、
連携して人材の育成・交流を図る協力協定書に調印した。県職員や大学教員が所属の垣根を越えて執刀や指導にあたるのは
全国でも例がないという。(今泉欣也)
 兵庫県は人口約560万人に対して医師養成機関が2大学しかないため、構造的に医師不足の状態にある。大学との交流により
兵庫の医療水準を高め、県内外からの人材確保につなげたい考えだ。一方、神戸大は現在、12カ所ある県立病院の大半に
医師を派遣しているが、豊富な臨床経験を積んだ県立病院の医師を教員として派遣してもらうことで医療技術の高度化や
人材育成の課題解決に期待できる。
 協定によると、2008年度は県立がんセンター(明石市)と県立こども病院(神戸市須磨区)の医師5人が、
神戸大大学院医学研究科の教授を兼務。病理学と外科学の計4分野で週2回、講義や実習指導、診療にあたる。
神戸大の医師はがんセンターなどで執刀する予定。
 調印式で、神戸大の野上智行学長は「連携を機に兵庫の医療が世界モデルになるよう頑張りたい」とし、
井戸敏三知事も「交流を深め、医療を取り巻く厳しい現状を打開したい」と話した。

YosyanYosyan 2008/03/26 16:02 のぢぎく県の方針ね・・・記者発表までして意気込むほどのものですかね。目玉は、

 ・県立病院の医師が大学で講義して医療水準が高まる
 ・大学病院の医師が県立病院で執刀する

回っている医師は実質同じですなんですが、これまで行政が勝手に垣根を作っていたのを撤廃したのが、

 >世界モデル

悪い試みと言う気はないですが、そこまで自画自賛されると空々しい。これって大学が人手不足で教員確保が難しくなっている状態になったのに対する、緊急避難策にしか見えないんですが、他に読み方はあるんでしょうか。

ssd666ssd666 2008/03/26 17:07 そういうのをセカイ系って言うらしいですよ。
自分の他は世界なんだって。世間が無い。

oldDroldDr 2008/03/26 17:47 戦時中、神風特別攻撃隊(いわゆる特攻隊)はあくまでも本人の志願によるものとされており、上官や周囲の圧力に応じて志願に追い込まれた英霊も多数あったと言われています。正規の命令系統ではない戦法であることを上層部は知っていたのです。しかし、敗戦時に責任をとった上官は少数でした。
今回の派遣が正規の命令系統ではないのも同様の考えかたではないでしょうか?
もしも派遣された医師が「殉職」されるようなことになってしまえば、2階級特進ですか?志願だから放置?

BugsyBugsy 2008/03/26 17:51
大学病院の医局が医師を派遣する権限を持ったり名義貸しもまかりならんというお上のお言葉でマスコミも追随して大騒ぎをしていました。
あれで北海道の医師はがたんと音がしたみたいに減りましたよ。病院や地方自治体からの盆暮れの付け届けがたとえ毛蟹でもみかんでも帆立貝でも収賄とのことで大騒ぎ、広島なんぞ教授が自殺に追い込まれました。

のじぎく県は今さらなにを?
>崩壊の危機にある地域医療を官学一体で立て直し、活性化させよう
こりゃあ 兵庫県の行政が主体になって神戸大学の医師派遣のイニシアティブを取ったぜ!と記者会見で喜び勇んで小躍りしてるんでしょうかね?
>大学が人手不足で教員確保が難しくなっている状態になったのに対する、緊急避難策にしか見えないんですが、
大学に恩を売ったので 今後高くつくかもしれません。

TOMTOM 2008/03/26 17:55 これで県立病院がもともと神戸大のジッツだったりしたら笑いますね。

>回っている医師は実質同じですなんですが
とは、そういう事でしょうか? >Yosyan先生

あと、

>兵庫県は(中略)医師養成機関が2大学しかないため、構造的に医師不足の状態にある。

これはこの記事書いた記者さんの妄想でしょうか。それとも兵庫県当局者の見解?
そりゃ大学少ないよりは多い方が卒業生は増えるだろうけどさ。定着しないっていうのが一番の問題なんじゃないですかねぇ。私はずっと東京なんで、地方のことはよく解らないのですが...認識不足であればすみません。


>県職員や大学教員が所属の垣根を越えて執刀や指導にあたるのは全国でも例がないという。

ウチは国公立ですが、教授とか助教授(当時)とか、あちこちで普通にopしてましたよ(これ、もしかしてまずいのかな?)。“関連病院”なら何処でも普通そうなんじゃないの?
また関連病院のボスクラスの人も、「臨床教授」という肩書きでもう随分前から大学で講義してます。昔からあまりに普通に行われてることなんで、“全国でも例がない”ってちょっと...
私の勘違いで、この記事で言ってることはそういう事じゃないのかな?

TOMTOM 2008/03/26 18:21 すみません、自己レスです。

>神戸大は現在、12カ所ある県立病院の大半に医師を派遣しているが

書いてあった... なぁんだ、やっぱり元々ジッツなんじゃん。そんなん、今更交流もへったくれも...

僻地の産科医僻地の産科医 2008/03/26 18:37 「緊急的産婦人科医確保が必要な医療機関の調査」報告書
調査結果のまとめ
http://www.jsog.or.jp/news/pdf/ishihaken_2008-3-24.pdf
5) 埼玉県の回答には「医師の絶対数が埼玉では圧倒的に不足しているので、具体的な病院名や人数などを列挙できるような状況ではない」「人口あたりの医学部卒業生の少ない埼玉と千葉については、他県からの医師の移動を積極的に促す方策をとらない限り、医学部定員などを多少増やしてみたところで、長期的にみてもまったく展望がない」という記載があった。



埼玉は大変そうです〜。

日本石会日本石会 2008/03/26 18:38 また話の流れを断ち切ってすみません。
死に体と思われた唐沢会長がまた立たれるそうです。実質信任投票のようです。

死に体と思われた唐沢会長
死にたいと言われた唐沢会長  に見えた  藁

Med_LawMed_Law 2008/03/26 18:40
大学病院の教官は、ご存じのように裁量労働性(実は教授以外は違法性が高い!)
少なくとも教授は、研究職ということで、残業代も何もでない。

大学病院で手術をするとタダ
出先病院で手術をすると給料

裁量労働制だから労働時間では拘束されず、その気になれば大学にずーーーと居なくても無問題
単に、教授クラスと関連病院の利害が一致しただけに思えるのは、私だけ????

YosyanYosyan 2008/03/26 19:00 Med_Law様

 >出先病院で手術をすると給料

そう読みましたか。私はもうちょっと捻って、今まで非公式でやっていた出先病院の手術を公式化することにより、実質「タダ」にするものかと考えていました。名目はそうですね・・・「教育のため」とかなんとか。協力協定が出来ても公務員がバイトするのは原則禁止ですから、公式化する事でそれを認め、一方で原則を持ち出して報酬を極度に抑えるなんてのあるかもしれません。考えすぎですかネ。

ssd666ssd666 2008/03/26 19:27 まあ、いったい、この協定にどれだけ、大学側のメリットが実際にあるかですよ。
自治体だけに都合のいい話に乗った大学の頭の悪さ感丸出しだと、神戸大卒業した若者から、ますますそっぽを向かれる結果になります。
世間知らずの盆暗教授の下に付くくらいなら、老獪な浪速商人のような腹黒くずるがしこい教授にこき使われる方がマシです。

ojyamadaojyamada 2008/03/26 19:27 前回の沖縄(2006)が可で、今回の福島が不可なのは今のねじれ国会が原因ではないでしょうか?
維谷様、ドロッポ小児科様のご指摘をそのまま適応すれば
福田総理・石破大臣が命令した瞬間、筋論でいけば問責決議案が参議院で可決されると思います。
「自主的に志願」拘ったのはその辺かと、、、

YosyanYosyan 2008/03/26 19:39 ojyamada様

 >福田総理・石破大臣が命令した瞬間、筋論でいけば問責決議案が参議院で可決されると思います。

鋭い指摘に感心しました。ただそうなると疑問は今回の派遣が当初スタッフに打診された事です。これは正しそうな情報ですから、もしスタッフが「うん」と言っていたらどんな手続きを取ったか興味があります。まさか今さら研修と言う訳にもいかないと思いますが、そこまでやるんでしょうか。どうも筋論から考えるとスタッフ案がボツになった時に誰かが筋論を吹き込んだのはありえます。

ただでも国会がややこしい状態ですから、せっかくの人気取り政策が火種になってはかなわないので後出しで筋論に乗った可能性もあるかもしれません。もっとも沖縄の時もどんな命令系統であったか判明していませんのでなんとも言えませんが。

BugsyBugsy 2008/03/26 22:38 今回の「緊急的産婦人科医確保が必要な医療機関の調査」報告書調査結果のまとめという中で
三重県は「どうしても医師派遣が必要な病院」を列挙せよという問いかけの中で回答不能だそうです。

三重県の回答では「分娩を中止した病院ばかりを取り上げるマスコミ受けするような偏った視点ではなく、より根本的な問題点(分娩施設数が、勤務医の最低限の労働条件を確保するには多すぎること、産婦人科医・助産師の絶対数が足りないこと)についてご理解いただきたい。」という記載があったそうです。
三重県全体が危機に陥っているとも聞こえますが、
>勤務医の最低限の労働条件を確保するには多すぎること 
というには最初から三重県は医師の最低限の労働条件を確保するつもりはないようです。

とおりすがりとおりすがり 2008/03/27 06:45 【断 久坂部羊】医師に労基法はそぐわない
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080327/acd0803270325001-n1.htm

先日、ある新聞の1面に「救命医宿直7割『違法』」という記事が出た。救命救急センターの当直が労基法に違反しているとの内容である。医師の激務の実態を報じるのはいいが、そこに労基法など持ち出しては百害あって一利なしだ。

 記事には、労基法上、残業などの時間外労働は原則、月45時間までとか、労基法に違反すると、労働基準監督署が改善指導し、従わない場合は書類送検することも、などとある。医療にそんな建前が通用するわけがないではないか。それとも、治療を求める患者を前に、医師が労基法をたてにして、病院に権利主張ができるとでもいうのか。

後略

とおりすがりとおりすがり 2008/03/27 06:46 【断 久坂部羊】医師に労基法はそぐわない
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080327/acd0803270325001-n1.htm

先日、ある新聞の1面に「救命医宿直7割『違法』」という記事が出た。救命救急センターの当直が労基法に違反しているとの内容である。医師の激務の実態を報じるのはいいが、そこに労基法など持ち出しては百害あって一利なしだ。

後略

Med_LawMed_Law 2008/03/27 07:26
労働基準法は、建前ではなく、『最低限の雇用主が守るべき基準』です。

最低限を超えるとどうなるかと言えば、雇用の継続を許さないということです

>それとも、治療を求める患者を前に、医師が労基法をたてにして、病院に権利主張ができるとでもいうのか。

当然なのだけれど、この久坂部羊ってアホじゃろか?
狼にかみ殺されようとしても声を上げない羊そのものを、医師に求めるのは非常識
権利の主張するまでもない、強行法規の違反(守らなければ刑事罰)であり、治療を求める患者の目の前に、当該勤務医がいなくても、なんら問題がない。
違法な就労は、医師のボランティアであって、強制される筋合いのものでは全くない
ボランティアをしなかったとして、週40時間の通常勤務をこなしており、怠業でも罷業でも何でもない

労基法を楯にする者がいないかどうか、医師も舐めららたものだと思う
まっとうな労基法の楯を、違法就労強制の矛が貫き通せるかどうか?

現場が混乱するとしても、その責任は法的には完全に雇用主にある。
雇用関係のない時間帯に、契約関係のないものが困ったとして、プロフェッショナルであればなおさら、何の掻痒感もないかもしれない。

プロを雇うには適切な接遇と金が必要だということをA企画の先生に学ぶべきだろう

YosyanYosyan 2008/03/27 08:34 久坂部羊氏がどんな主張をされようが自由ですが、久坂部羊氏も医師ならばその言葉を実践しながら発言されるべきかと思います。違法当直付きの36時間連続勤務を月に10本ぐらい余裕でこなしながら、さらに100時間ぐらいのサービス残業を行い、そのうえで小説を量産されているのなら一目置いてもよいかもしれませんが、そうでないならどこぞの会議の有識者と変わらぬレベルの発言かと存じます。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/27 10:09 おお!私がもっとも尊敬する医師の一人である久坂部羊閣下がw。
ご存知でしょうが閣下は殆ど臨床やっておられないにもかかわらず(外務省→老健だったとオモ)このテの発言ばかり繰り返す富永恭二級のヒキョウモノです。私もかくありたく存じますがとてもここまでの境地には達せません。

…ところで、自衛隊って産科医がいるんですね。いやいるだろうけどさ、なんかね、ちょっとね…。

効果あり?効果あり? 2008/03/27 11:36 先天的に医師に対し、対抗心・憎悪・嫉みを抱いているマスゴミ連中の思惑
『うん?医者が労基法?確かに法律違反でこりゃ医者に理があるな。くっそー!』と、
大半の医師を背中から撃つ行為を恥とも思わずひたすら自らを売り込みたい、名誉欲の塊の久坂部氏の思惑
『はいマスゴミ受けする医者叩きシリーズ最新号っと。あ?医者が労基法?楽な労働は俺様限定!他の医者は働け働け人の5倍!』、
この両者の思惑が一致したのでしょう。
『医師が労基法を訴える』は確実に両者にとって都合が悪く、かつ効果的なようです。

それにしても、法律違反を堂々と他人に強いて恥とも思わない人物(自らは安全地帯でネ)。
それを嬉々として掲示する全国紙。 恥を知れ!!

SeisanSeisan 2008/03/27 12:20 しかし、この久坂部羊の論調って、違法入国外国人を超低賃金で違法奴隷労働させている中小企業の社長の言い訳とすごくよく似ているよね。
曰く「彼らに低賃金で働いてもらわねば、うちの商売がやっていけないんや」
曰く「どうせ見つかったら強制送還される連中やから、文句言わんと働きよる」
曰く「どこともやってることやんか。なんでうちだけが挙げられるんや」

産経ってちょっと前に外国人違法就労撲滅キャンペーンやってたよね。確か。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/28 09:32 友人の軍医少佐ドノにこの件についてメールしてみました。

陸自では、部隊に所属する医官を
限りなくゼロにしようとしている。
まず衛生隊から引き抜いて、次に医務室からも。
つまり、師団に配属される医官は、医務官だけに。
崩壊しているね。
後輩の流出も、引き留められる魅力はないし。
他の一般自衛官は、特に関心もないようだ。

…私は軍オタではないのでよくワカランのですが、もしかして物凄くマズイんじゃ…。

GreenToursimGreenToursim 2008/03/30 13:27 訴訟になった時、だれがどうやってどういう根拠で責任を取るんですか?

国家側からの命令による公務や軍務なら、当然、全額国家が賠償責任ですよね。
本人の意思による出向なら、一般の医師と同じですよね。
そのあたり、どうなんでしょうか?

2008-03-25 士気と戦力

どうにも「読めば暗くなる」の悪評高い当ブログです。案外気にしていまして、少しでもユーモアを潜り込ませようと努力しているのですが、なかなか思い通りにいきません。今朝も無駄な努力になりそうですが、裏のテーマは「ホノボノを入れる」です。これも理由がありまして最近コメ欄がややトゲトゲしく感じるところがありますから、緊張の緩和の意図を込めてです。さてどうなる事やら・・・

2006.5.9のエントリーで士気と題したものがあります。読み返せば実にホノボノしています。今、こんなものを書いたら総スカン食らいそうですが、当時は十分通用したお話ですし、通用どころか当時の先端水準のお話と言っても大袈裟すぎません。ほんの2年ほど前ですが実に平穏だった事が良く分かります。

当時の意識はaccess、cost、quallityの3条件を成立させた日本型医療の原動力は医師の士気であり、この士気が喪われると日本型医療は破綻するとの考え方です。だから破綻しないように早急に対策を立てなければならないという主張です。笑いをかみ殺している方もおられるかもしれませんが、このテーマについて大真面目に議論してますし、これだけは今も変わらない定番の反論もでています。実に微笑ましいコメ欄です。

ところで日本型医療を支える士気とはどれほどのものだったのでしょうか。少なくとも現在10年目クラス以上の医師なら分かると思います。OECD諸国最低水準の医師数で日本型医療を成立させるための士気は甘いものではありません。数の不足を士気だけで補わせているのですから猛烈なものが要求されます。24時間臨戦状態である事を日常とし、そんな日常を「当たり前」と感じるように感覚麻痺させるのが卒後研修の隠れた主題でした。

今のようにネットで手軽に情報が入手できる時代ではなかったので、研修医として臨床現場に放り込まれた当座は一種のカルチャーショックを受けたものです。言ってみれば鉄人たちの職場であり、周囲を見渡しても鉄人しかいないのです。鉄人の集団に紛れ込んだひよっ子たちは小突きまわされながら無理やり鉄人に仕立て上げられていたのです。それしか医師として生き残る道は無かったというか、手本がそれしかないので他になりようが無かったとも思っています。

鉄人も半端な鉄人ではありません。肉体の疲労を精神で凌駕させ無限の爆発力を維持させるような状態です。これは一種の酩酊状態で、酩酊状態が集団として存在するわけですから集団発狂状態と表現するのが適当とも思います。そこまでの状態を全体で維持して辛うじて日本型医療を支えられたと言えます。医師が一人前になるとは、鉄人と化し、鉄人の精神を一点の疑問も無く受け入れ、これを後進に全身全霊を込めて伝授できる状態になることでした。それを続けないと医療が維持できなかったからです。

今も昔も医師には2人前、3人前の仕事が当たり前のように降り注ぎます。鉄人時代であれば「コンチクショウ」と踏ん張る事だけしか念頭に無く、なんとかこなせばそれが達成感と自信となって次の仕事に邁進していたかと考えています。「医師は労働基準法の枠外の職種である」なんて言い草は特殊でもなんでもなく、ごく当たり前の意識としてあり平然と口にしていました。

ところが鉄人の士気が傾いています。かつては仕事をこなせば達成感と自信になっていたものが、疲労として感じ始めているのです。これは肉体の疲労を凌駕していた精神状態の変化によるものです。つまり酩酊状態から醒め始めていると言うことです。醒め加減は濃淡の分布の差が著しいですが、ほんの2年前まではほぼ鉄人酩酊一色であったものが、ムラムラの色合いになり、全体としても色が薄くなってきています。完全に醒めてシラフのものもかつての例外的存在から確実に存在する状態に変わっています。

こういう士気の変化は医師の戦力に深刻な影響を及ぼします。日本型医療成立のためには鉄人たちの酩酊集団発狂状態が必須の条件です。必須の条件は二つに分けられ、

  1. 医師個人が酩酊状態の鉄人であること
  2. 医師がチームとして集団発狂状態であること

どちらも欠かせないのです。酩酊状態の鉄人が集団発狂状態になることにより、相乗作用で戦力の異常な拡大を可能としたのです。

ところが酩酊が醒めてきて集団発狂状態が維持できなくなるだけでも戦力は落ちます。さらにシラフになった医師はもっと戦力が落ちます。誤解が無いように言っておきますが、シラフの医師の戦力はごく普通に一人前の戦力であり、鉄人状態の医師が2人前近くあると思ってください。かつては鉄人状態で2人前、集団発狂効果で3人前であったのが、酔いが醒めるとただの一人前になるということです。

医師の士気がシラフ状態になるという事は、日本の医師戦力が1/2、1/3に低下するということです。つまり医師数の実戦力と同じになり、かつてそれを数倍に増強していた魔法のカラクリが消えるということです。たった2年でこれは驚くほど進行しています。進行しているだけではなく止める手段はどこにもないのです。

まだまだ酩酊状態は医師全体として残っていますが、見る見る醒めつつあるのは医師なら実感していると思います。集団発狂状態も辛うじて維持されていますが、テンションは確実に低下しており、いつ解けてなくなっても不思議ありません。かつては鉄人である事が当たり前であったのが、鉄人であることで周囲から浮きかける事態も起こりかけています。

これが2年の変化です。次の2年はどうなるか、加速因子はテンコモリですが抑制因子は皆無に近いと考えます。士気が酩酊状態からシラフになり医師戦力が実数通りになる時代はもうすぐのようです。

う〜ん、やっぱりホノボノにはなりませんでした。なかなか難しいものです。

inoue04inoue04 2008/03/25 09:05  Yosyan先生、古き時代の話をありがとうございます。
 但し、それでも、どうしても信じられないのが、労基法違反の件を、誰も労働基準監督署に訴え出なかったことです。
 組合を作るには仲間が必要ですし、医局の締め付けもあったでしょうし、「まだ見習いだから労働条件についてどうこう言うのはおこがましい」という気風もあったと思います。しかし、どんな業界でも、ある程度集まれば例外者も出てくるわけで、毎年8000人もの人が新規に入ってくる職場で、管理者を訴えないばかりか、労働基準監督署に相談して指導してもらう人すらいなかったというのは、どうしても信じられません。
 ちなみに、私がシュミ的事情からある程度知っておりますアニメ業界では、アニメーターの大半は「雇用」ではなく、「請負」という形で雇われて、長時間低賃金労働が合法化されています。宮崎駿のスタジオジブリが月給18万円で新入社員を募集したときには、あまりの高賃金に、業界騒然となったそうです。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/25 09:18 inoue04先生、
>但し、それでも、どうしても信じられないのが、労基法違反の件を、誰も労働基準監督署に訴え出なかったことです。
つお弟子先生。
まあ組合作ったりするよか逃げた方が早いですからねえww。

inoue04inoue04 2008/03/25 09:42 言わずもがなのコメントになりますが、復習も兼ねて書くと、研修医(にのみ)労働基準法が適用されるきっかけになったのは、関西医科大学事件(98)、京都事件(00)がきっかけだと『大学病院jのウラは墓場』(久坂部羊)にあります。前者は、特に亡くなった研修医の父が社会保険労務士だったこともあって、民事で徹底的に争われ、最高裁判決まで出ました。
しかし、何も過労死する必要はなく、インターン制度が廃止され(昭和42年、1967)研修医制度になってから、実に30年も、「最低賃金を払え」という、もっとも安直な要求がおこらなったのです。

tadano-rytadano-ry 2008/03/25 10:19 私の妻曰く、「誇りとはやせ我慢である」。

どんなにハードな環境でも、自分たちが国民の健康を支えている、そのことによって感謝と尊敬を集めていると思えるからこそ、
耐えて来られたんですよね。

妻の言葉、言い得て妙だと私は思うのですが、どうでしょうか。

なっくなっく 2008/03/25 10:20 そういえば24時間猛烈に働いてる外科医がいて仕事前は覚醒剤、短い休息時には眠剤を投与してがんばってる(?)という設定のキャラが海外の医学小説にありましたが
日本の医師クラスの働きぶりは薬でも使わないと考えられないんでしょうなw

浪速の勤務医浪速の勤務医 2008/03/25 11:19 なにより自分の健康を犠牲にしてまで、「治してあげたい」っていう患者が減りましたね。
権利意識ばっかり強くて、感謝の心がない・・・ 客筋は悪いなる一方です。

LTLT 2008/03/25 11:32
一般的にやらされる仕事と自分からやる仕事では当然士気が違いますよね。
昔は事務的仕事も含めてやらされる仕事量は今に比べると少なかったと思います。ただ鉄人たちは研究を含めて仕事を見出してはエネルギッシュに働いていました。自分の意思でやる仕事であり満足感・達成感があった、だからこそエネルギッシュだったと思います。それを見せられると若者としてはやらざる得なくなり、ずるずると働いていました(笑)。
翻って今はどうでしょうか。やらされる仕事だけで忙殺され、給料も上がらない、訴訟リスクやモンスター、これで士気が上がるわけがありません。
昔の鉄人たちも今の時代にタイムスリップしたならば、鉄人であり続けることができるのかは微妙です。

ssd666ssd666 2008/03/25 11:36 まあ、「常在戦場」とか「武士は食わねど高楊枝」とか。
最近読んだ、「虐殺器官」で将来の兵士は、工学的に士気をコントロールされるというネタがありましたが、パーフェクトドクターとかネクスタントドクターとかSF的構想は尽きまじ。

inoue04inoue04 2008/03/25 12:43 私が期待していたのは、
「三六協定は従業員の過半数を代表する者と結ぶ必要があるが、どこの医療施設でも過半数は非医師で、どうしてもそいつらにイニシアチブを取られてしまったから」
とかいうようなステキな話だったんですが、根性論なんですね・・・朱に染まって青くなる人もいるだろうに。

AnybodyAnybody 2008/03/25 13:09 若者気質というのもありますね。女医が3割を占めるようになったのもあります。
昔のような徒弟制度、根性主義ではやっていけないのかも知れません。

YosyanYosyan 2008/03/25 13:41 inoue04様

今の医療情勢から見ればお笑いかもしれませんが、鉄人時代はあり、鉄人になることこそ医師であると信じて疑わない時代は確実に存在しました。存在したというより、ここにコメントを頂く殆んどの医師がそういう時代の体験者と言っても良いと思います。あの時代になぜ労働基準法への話が出なかったは経験者で無いと理解し難いのですが、簡単に言えばそんなものは頭の片隅にさえ無かったと言えばわかってもらえるでしょうか。

労働環境の改善とか労働者の権利なんて話を持ち出す医師は見たことも聞いた事もありませんし、もしいても誰も耳を傾けないどころか、確実に白眼視して変人扱いにしていました。これについては現在でも気風はある程度残っており、ネットでこそ活発に意見が交わされますが、医療の現場ではなかなか持ち出しにくいところはたくさんあります。

言い訳ではないですが、鉄人時代は今よりもっと深刻な医師不足時代でした。患者の権利であるとか、医療訴訟なんてものは対岸の火事程度の認識しかなく、今よりははるかに純粋に医療に専念できた時代でもあります。防衛医療や萎縮医療も言葉としては知っていましたが、誰も実感として感じているものは無かったと思います。また患者からの敬意も実質を伴って非常に厚い物がありました。

言っては悪いですが、鉄人時代は鉄人であることに医師は満足していたのです。満足しすぎていたが故に今日の事態を引き起こしたとも非難されますが、現在と違い貧弱な情報収集手段しかない時代では、目に見えるものがすべてで、それに満足していればそれ以上は何も考えずに医療にのみ専念していたと言えば分かってもらえるでしょうか。

情報の貧弱さはネット以前と以後では桁が3つ以上は違います。労働基準法も今ならネットですぐ出てきます。例の通達もすぐに読むことができます。しかしネット以前では労働基準法を知りたければ法律書を買ってこなくてはなりません。通達なんてその存在さえ知りようがありません。診療報酬の改定にしても勤務医なら正直なところ何も知らないです。そんな情報過疎の時代だから鉄人は成立したのかもしれません。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/25 14:12 前も書いた気がするのですが、私は研修医の頃から、「サービス残業は奴隷。人間の尊厳をもっとも損ねる行為」とか、「患者の命をタテに、医師や看護婦(当時w)を過重労働させるのは卑怯」とか公言していました。クダラン理由で土曜の夜中に電話して来て、なおかつ当然の如く病院に来るよう要求した看護婦を、「オマエは交代勤務でちゃんと金貰ってる勤務時間内だがオレは休みだ。休みは労働者の権利だ。人の休みを何だと思ってやがる!」と、怒鳴りつけた事もあります。
…はい、スタッフから総スカンくらい当時の上司に「君は臨床医に向いていない」と諭されました。10年早かったなw。
彼には深く感謝しています。彼がああ言ってくれたおかげでようやく踏ん切りがつき、他の医師がお莫迦な奴隷労働に励んで過労死したりタイホされたり高額賠償背負わされたりして人生を無駄遣いしてる間、海外を含み好きな時に好きなだけ釣りに行ける生活、子供達と好きなだけ一緒にいる生活、ウイークデイの朝っぱらから呑んだくれる生活、眠ければいつまでも寝てていい生活を手に出来たのですから。

ちなみにその上司、最近開業したそうです。およそ開業医向きとは言い難い方だったのですが…。

暇人28号暇人28号 2008/03/25 14:15 私が妻と結婚する直前、医局の教授夫妻との食事会がありました。
その際、無謀にも教授に「あの大学病院の勤務実態は出るところに出れば違法ですよね?と質問した記憶があります。その際に教授は「そうですね....」とお茶を濁していました。
(もちろん、話の流れからそういう発言が出てきたのですが)

やわらか医者やわらか医者 2008/03/25 14:16 情報過疎でしたね〜、確かに。
医師過剰時代が来ると言われ、どこにその過剰な医師っているのかなあと思い、
うちの科が人気ないのかな?うちの病院が人気ないのかな?このままがんばっていればいつか援軍が来るのかなと前線で踏ん張って、振り返ったら誰もいなかった。(笑

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/25 14:47 「2年先」と具体的に切って予想するのは、難しいとは思うのですが・・敢えて想像してみます。アタマの体操に調度良いし。

自治体はいくつか財政再建団体に転落してるところが増えるでしょう。うまく回避した自治体は早めに市民病院に見切りをつけて、市財政と切り離したところです。そういうところは、徳洲会のようなグループ化した、あるいはそれを目指す民間医療法人に入ってもらってるはずです。旧公務員の事務コメは、相変わらずウダウダ言いますが、大分整理されてきてるでしょう。
医者は定時に帰るのが常識になってますが、とくに若手は、そのあとで勉強に励みます。学会や海外の資格試験に備えます。キャリアアップして、より条件のいい、都会の病院へと転職を志すでしょう。地元に骨を埋めて開業、という道は誰も考えない。そもそも開業なんて思考無い。
勤務医の給与格差広がるでしょうね。資産形成して、ある程度のところで、趣味の開業ってのはあるかも。

あ、お客さん来たんでまた後で(^^;

BugsyBugsy 2008/03/25 15:11 自分たちの頃って大学病院くらいしか選択肢がありませんでした。有名病院も実質上はどこかの大学の系列で、異なる大学卒業の身としては処遇がよくなかった記憶があります。医局制度とは日本人の良しとする心象風景に合ってました。
自己犠牲、金に恬淡としていること、滅私奉公、親分に絶対服従など。

専門分野も日に日に細分化されましてねえ、教授もチンプンカンプンな領域が多いです。

従って昔は強面した医局幹部も全てに通暁しているわけではないのです。
臓器別に分子生物学、放射線診断学もそうですが、最近は幹細胞を使った再生医学など どれか一つは生半可にわかっているつもりでも、最先端の内容については行けません。偉そうに口ははさめません。術中モニタリングも入れると、症例検討会はおろか学会の予演会でも皆口をあんぐりです。他人の発表がさっぱりわからない。せいぜい これは臨床上 なにか意義がありますかなんて聞いては見るだけです。
学会も発表時間は早朝に追いやられますが、オタクの集まりが楽しく、おなじみの面子でお山の大将気取り、座長を勤める教授も俯いていますね。そういう意味では知の蛸壺に籠もるが楽しくなっています。「俺の発表はお前らにはわからんだろう。ザマーミロ。」と内心ほくそえんでますねえ。

こうなると教授も統括者というよりマネージメントに徹するしかないようです。

自分の頃はここの大学医局に入れてもらっただけでも有難いと思えという雰囲気で、同期の面々との競争もあったので頑張りました。体はきつかったけれど労働条件が云々という話題はタブーでした。今は風通しが良くなって 少しでも嫌だと思えばさっさと辞めていきます。それで良いですよ。
将来を考えるうえで選択肢が多様化してきたし、本人の人生ですからね。今では上級生も辞められると困るから無茶は言えなくなってます。

オイラが常々思うのは、大学病院は地域医療の人材の補給も研究も病院の収入もといわず、収益無視の研究オタクの拠点くらいでいいんじゃないですか?研究、教育、臨床を全て出来るわけもなく、結局中途半端な医師になりがちです。外科医として基本的な修練は他所でやっていただいて、やりたい事が見つかれば大学に来れば良いのです。大学に籠もって外病院へ栄転だと言われても躊躇う医師が多いのも ありゃ自分の臨床能力に内心自信がないせいです。

ただ来る以上は きちんと目的意識を持ってほしいです。

高いところから物申すようですが、漠然と入局して受身で指示待ちになりがちな人生よりも むしろ今の研修医制度で育った医師のほうが能動的に病院を選択し、学んで行くのじゃないかと期待しています。厳しい言い方ですが、選んだは以上自己責任ですよ。

元ライダー元ライダー 2008/03/25 15:14 Yosyanさま

皆さん昔を思い出してホノボノしてるじゃないですか。意図通りですよ。
---------------------------
医師過剰の話が出てきましたが、確かにあの時代は皆が医師過剰時代到来を予想していました(実数は今でも確実に増えていますからね)。医学部の定員削減も当時としては理にかなったものでした。今の弁護士過剰の心配と同様でしたね。予測がハズレたのは医療需要の質・量、とくに質の面での需要増を過小評価したからでしょうね。昔のホノボノ時代のままだったら、医師過剰になっていたでしょう。当時は皆が医師過剰時代の到来を予測していましたから、政府だけ責めるのは後出ジャンケンですね。

ということで、未来を予想するのは難しいです。変数大杉ですからね。moto先生も未来予想図を描かれていますが、「医療環境の変化傾向(つまり微分係数です)に変化がなければ」という条件付で、「それも考えられるかも」という感想ですね。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/25 15:15 続き)
いまの開業医の将来は、歯科の現状をだいたい当てはめればいいわけで、それに高齢者お看取り事業が加わった、って考えればいいんでしょう。
何日かまえに「ゆでガエル」の例えが出てましたが、まあ、そういうことだと思います。何かの奇跡で旨みが戻るなんてことは絶対にありえない。想像するまでもないっていうか、想像しても仕方ないっていうか・・
少しでも余裕のあるうちに、チャンスあれば熱湯から飛び出る算段しといたほうが賢明なはずです。
「暗い話題」っていうことじゃなくて、そういうことなんだという現状認識の問題じゃないかなあ。
歯医者にしろ、医者にしろ、専門職でそこから出られないと思い込んでると、考えは堂々巡りですが。
シンプルに考えて、一定の資産形成を目標として、そのためのツールとして医師免許使ってもいいし、使わなくてもいい、そのうえで、趣味的に臨床医をやるのは、それはそれで結構面白いわけです。

・・と、いうようなことが、常識化した世の中に、2年後はなってると思うなあ。

YosyanYosyan 2008/03/25 15:32 moto様

このブログが2年後も続いていて、今日のコメントを覚えていたら引っ張り出してみましょう。少し懐かしくなって2年前のエントリーを読み返していたのですが、予測らしきものが当っているものも外れているものもあります。それより何より青いですね〜。当時は医療崩壊を書いてもこれすら予言の範疇でしたから、2年後はどうなっているかなんて予測は難しすぎると感じています。

単なる願望だけですが良くなってて欲しいものです。どんな意味であっても。もっとも良くなりそうな根拠は手許にな〜んにもありませんけどネ。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/25 15:39 せっかくだから、みんなで2年後の予想しまくりませんか?
悲観的なことでも、当たってたら、「おー俺のが当たってた」って、ちょっとはうれしいかも?(^^;。
タイムカプセル埋めるみたいなもんですね。

TonTon 2008/03/25 15:59 つい最近までのように寿命を縮めてでも奉仕する精神が善なのか
最近の風潮のように誰かがこれはおかしいと言わなければ医療そのものが
つぶれるだろうし、良くない前時代的なものなのか、私は今の所
やや「医師たるもの奉仕せよ」の心意気よりの人間です。
しかし、あるクリニックのホームページを見て、何だか複雑な気持ちです。
Yosyan先生はどう思われますか。
どうかとは思いましたが、Yosyan先生の御感想が伺いたく、以下に転載します。


http://www.yasuda-c.com/profile.html
「ところで、最近は一部の自治体で「医師不足」が叫ばれていますが本当にそう思いますか?

私は絶対に違うと思います。医者はごろごろその辺に転がっていますが、「使える医者」が少ないだけです。

手前味噌になるかもしれませんが、医師には必ず持って生まれた「資質」が必要です。

それは決して「学力」や「偏差値」ではありません。

どこぞの名門高校では、成績がトップクラスだと必ず教師は医学部受験を勧めます。

高校の実績になるからです。

高校で成績が良かったからとか、サラリーマンは嫌だから、親が医者だから、儲かるから、等と言う理由で医師になった人間が「ごろごろその辺に転がって」たくさんいます。

今の医学部にはそういう人間がかなりの比率を占めます。

心から無償の愛を患者さんに注ぐ医師が何パーセントいるでしょう?

近頃のずさんな医療事故を見ると、明らかに医師の資質に欠いた行為によるものが多すぎます。

そのような医師が事故を起こして訴追されるニュースが氾濫し、国民の皆さんの医療に対する不信感が高まり、本来資質を持った子供たちの「立派なお医者さんになる!」という純粋な気持ちを削いでいます。

医学部の定員を増やす必要もなければ、研修制度をどうこういじる必要もありません。

資質があれば、必ず有能な医師に育ちます。

必要なのは、「資質のない医師」を作らないことです。

高校教育の現場に口出しするつもりはありませんが、無償の愛を注ぐ才能のない子供に医学部受験をさせてはいけませんし、止めるよう促すべきです。

古臭いかもしれませんが、医師になった時点でもはや自分の全生涯を患者さんに注ぐことが要求されます。時代と逆行しますが、医師で「労働基準法がどうやこうや」言っている人間には本来医師になる資質はありません。

ご批判を覚悟で残酷な言い方をしますと、医師の過労死や自殺に関しては、やはり自己の資質をわきまえずに医師になってしまった人達の悲しい結末です。医師とは最低限の睡眠時間以外は全て患者さんに注ぐ為に生まれてきたはずです。それを理解できない医師は即転職すべきです。

そのような覚悟を持った子供たちだけが医師を志す、あるいは医師となる世の中を作ることが、結果的に「医師不足」を解消します。

資質を欠いた医師・教師・警察官が国を滅ぼします。

大量生産することで質が損なわれることを早く国は気付かなければいけません。

(上記文章は私の持論であり、現代の世の中に全てがまかり通るものではないことは百も承知で記載致しました。)」


以上、転載終わり。
この先生は間違いなく大変立派だと思います。
しかし、このもやもや感は何なのか、私自身も分かりません。
Yosyan先生はどうお感じでしょうか。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/25 16:05 >Ton様

これは、たんにクリニックの宣伝であり、自己主張なわけです。一般ビジネス社会では普通にこうやって自分を差別化して売り込むのだと思います。
わたしのような美容外科で開業してる者から見れば、全然違和感ないですよ。
ただ、この文章で、ほんとうに顧客の心をつかめるのか?という点では、どうかな、とは思いますが、それぞれのフィールドにあわせたマーケットがありますからね、何とも言えませんが。

2年後には病院コマーシャル解禁で、こういうのへの違和感も無くなってるに一票(^^;。

BugsyBugsy 2008/03/25 16:20 moto-tclinic 様

2年後ですか?うーん これは楽しい。

医者不足が嵩じて 馬をくれるとか豪邸と称する宿舎を建設する地方自治体があるじゃないですか。
そういった傾向が年々甚だしくなると思います。2年後はシイタケ農園や杉の苗木をくれるかも。ホタルイカ一年分とか。
あと農村を見学に来ないかといわれ、医学生が応募したらそのまま拉致されるとか。(農村に嫁来ねーかみたいな、お見合いですねえ)
一方そういった処遇に関する情報も昔と比べて入手しやすくなりました。
若い医師の流動性はもっと増すと思います。数年おきに病院を渡り歩く「流しの医者」が大量に発生すると予想します。

それでも集まらないので 地方自治体が悲鳴をあげて研修医制度や開業の条件として一定期間の僻地赴任の義務化もありだろうなあ。
確実なのは外科系臨床医の壊滅でしょうね。
もうひとつは医師免許をもったホームレスですか。あと官僚が救急車を呼んだが「たらい回し」に遭うなんてどうでしょ。

fuka_fukafuka_fuka 2008/03/25 16:32 inoue04さま
本筋ではありませんが。。。

> アニメーターの大半は「雇用」ではなく、「請負」という形で雇われて、長時間低賃金労働が合法化されています。

それは(おそらく)違法です。「偽装請負」の典型のひとつではないでしょうか。
管理監督者の場合と同様ですが、労働基準法等に違反しているかどうかの認定は、肩書や契約書のタイトルではなく、実態がどうであるかで判断されます。
実態が請負契約である(したがって労働基準法の適用はない)と認められるためには、実務的には細かいチェック項目がありますが、要するに 「個人事業主として独立して仕事をしている」 といえるだけの実態が必要です。
よほど労働基準法を潜脱するために工夫を凝らしていないと、誰が見てもふつうの社員であり、フリーのアニメーターとは到底いえないというのが通常ではないかと想像されます。

現状それでまかり通っているように見えるのは、声を上げるアニメーターが少なすぎるから?あるいはいてもマスコミがあまり取り上げないから?

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/25 16:34 >Bugsy様
そういえば、いまの医師不足、って農村の嫁不足に似てますね。
気が付きませんでした。。

inoue04inoue04 2008/03/25 17:24 >現状それでまかり通っているように見えるのは、声を上げるアニメーターが少なすぎるから?
 志望者が山ほどいるからです。現状で嫌がる人がいても、代わりはいくらでもいる。海外下請けだって安全弁になっている。
 宮崎駿は20年ぐらい前から、
「このままでは、いつまでたっても人材の使い捨ては終わらない。週に40本も新作アニメが流れるなんて異常だ。低コスト低品質のテレビアニメなんて、作る人がいなくなって、一度、全部崩壊しちゃえばいいんだ。そうすれば、貧乏暇なしなんてこともなく、仕事を選べるようになる」
と、なんだか医療崩壊待望論みたいなことを言ってました(爆笑)

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/25 17:33 moto-tclinic先生、
>そういえば、いまの医師不足、って農村の嫁不足に似てますね。
かなり以前から某掲示板に有名なコピペがありましたよ。「はげでぶちびのオレに何故嫁が来ないのか」って奴。
…誰か全文うぷキボンヌ。

おがおが 2008/03/25 17:35 2年後には新型インフルエンザのパンデミックにより、日本の医療どころでなく世界秩序が崩壊している
かもしれません。

YosyanYosyan 2008/03/25 17:36 Ton様

一応御指名なので感想を書いておきます。

文章の内容的には昔はよく書かれていたタイプのものです。「医師たるものは・・・」的なもので、今の風潮を嘆き、もっと滅私奉公するのが医師の真の姿であるとの感じと言えばよいでしょうか。当時はその手の文章が堂々と書かれ、これに対しては無条件に賛成・賛美しなければならないという暗黙の了解があったと思います。つまり誰もがひれ伏すゴチゴチの正論であり、これさえ唱えれば天下無敵と言う感じです。そういう意味で懐かしい感じがします。

当時だって内心は「無茶言いよるな〜」の感想を持つものはいましたが、そういう感想は本当に気の許せる友人ぐらいにしか言えず、表立っての場ではそういうスタンスを取っているとしなければならない鉄の掟があったように思います。もちろん本気で信じている者もいました。

その暗黙の了解と言うか鉄の掟はこのブログを書き始めた頃にも濃厚に私にも残っていました。本音を書いたら袋叩きにされないかの不安です。今でこそ「医師でもしんどいものはしんどい」とか「医師も疲れればミスが増えるのだから適切な休憩を」なんてごく普通の主張ですが、ほんの2〜3年前まではそういう本音をネットでさえ口にするのも憚られる心理的なくびきが存在していました。医療機関によっては今でもそうかもしれませんし、某巨大掲示板あたりでも声高に主張される方が数年前には残っていました。

でどう思うかですが、酩酊状態が中毒状態になって抜け切らない方と思っています。別に患者にとって害は無いでしょうが、周囲の医師にとっては迷惑な存在です。集団発狂状態で唱えられたら「ジークハイル」でこれに続いたでしょうが、醒めてしまえば妄者の戯言にしか聞こえません。そうですね、お祭りの時には法被を着て、捻り鉢巻で肩を怒らせて街を濶歩し、飲んだくれて少々ハメを外しても誰も気にしませんが、祭りが終わっても同じ事をされたら異様に浮くと言ったらよいかもしれません。

時代は嫌でも変わってしまいした。酩酊による集団発狂状態のお祭りは二度と行なわれないのです。これからは酩酊状態ではなく醒めた医師が医療をリードする時代になります。昔気質が残る医師には最後まで違和感が残るかもしれませんが、そういう時代に無理やり終わらされたのですから、今度は酩酊状態の医師が醒めた医師に合わせなければならないと考えています。過渡期はいつの時代でも辛いものです。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/25 18:02 Ton様
そりゃあ私だって、患者のために全てを捧げるつもりでした。
…でも、あんなやり方では…。

最大の問題点は「無償の愛を注ぐ才能のある子供」が「皆無」って事ですねw。まあ多少はいるかもしれませんが過労死したりタイホされたり高額賠償背負わされたりして早晩いなくなるからやっぱり「皆無」です。

ドロッポ小児科ドロッポ小児科 2008/03/25 18:05 2年後は、現状とあまり変わらないと、予想しておきます。
大野病院の加藤先生が有罪となったとしても、手を下ろす産婦人科の先生は、せいぜい30%でしょう。
ただし産婦人科はかなりの分野で女医の仕事になるでしょう。また帝王切開が激増し、産婦人科を有する公的病院は妊婦でパンクしかかるため、分娩費はあがるものと思います。
厚生労働省は、後期高齢者制度の改定に追われていると思います。老人を直撃したために、自民党は厚生労働省をいたぶりたおすでしょう。
地方の産婦人科を有さない公的病院は、確実に休診科閉鎖科が増え、アクセスが悪くなります。退官教授などがさらに数名僻地に赴任するでしょうが、焼け石に水です。
救急搬送で受け入れ先が無く死亡する患者は、マスコミ発表だけでさらに5名ほどはでると思います。マスコミは憂慮しますが、改善は不可能でしょう。
大学病院は、鹿児島、三重、など一人負け大学と、勝ち組大学がさらにはっきりします。はっきりしますが勝ち組大学がある地方の救急体勢や僻地診療は改善しないでしょう。
負け組大学病院のある地方は、医療崩壊がさらに鮮明となるでしょうが、首都圏ではないのでマスコミのネタとなるだけでしょう。
裁判所と検察庁の法曹業務に携わる人々の意識は改善されないでしょう。
法曹で問題意識を持つ人は増えるでしょうが、救急受け入れ拒否に憤激する民衆の態度を見て、医療者を保護しようと踏み切るのに躊躇するでしょう。結果、救急体勢はさらに悪化するでしょう。
政府では、医療問題で超党派議員が騒ぐでしょうが、票に結びつかず苦労するでしょう。なぜなら有権者が医療に対してコストアクセスクオリティーの鼎立を要求するため、実質的な改善案が受け入れられないからです。
患者の暴力は、さらに増え、医師の殺害まで至る例も出てくるかも知れませんが、世論の後押しは無く、救急の荒廃は進むでしょう。

総論として、PONRは過ぎているものの、医療崩壊の像は各人が異なっているため、有効な対策に合意が得られず、厚生労働省の無効な通達や診療報酬制度改革の無効な改革が繰り返されると思います。
医師の士気はさらに下がり、一見、論調はさらに落ち着いていくでしょう。むしろ世論が対策を声高に求めるにつれ、医師は黙って笑うか、首を振るだけになるでしょう。
このBLOGはマスコミ、法曹、政治家、官僚に、さらに注視されることとなりますが、しかしながら前述の民衆の態度により、意識の高い人の切歯扼腕を招き、その人々もやがて諦めの境地に至るでしょう。

医師は、幸せになる人が増えるでしょう。デスマーチにしがみつく人々は依然存在しますが、デスマーチを継承する後世代が居なくなるので、すぐ上の「事実上下っ端」の医師から離脱が増えていくでしょう。
医療レベルはイギリスに向けて降下していきますが、財務省の思惑に沿っているため、医師を強制配置するプランは財務省が反対するでしょう。アクセスを改善すれば医療費が増えるからです。
したがって、医師は不満を持ちながらも、きちんと判断できれば生活レベルはかえって向上していくでしょう。
つまるところ、事実上の最悪の年は、新臨床研修制度開始1年目であったと思われます。

YosyanYosyan 2008/03/25 18:18  >このBLOGはマスコミ、法曹、政治家、官僚に、さらに注視されることとなります

後2年も続けるのは大変ですね〜。日々の積み重ねですから続くかもしれませんが、どこかで絶望して筆を折るかもしれません。つうか2年先でも同じような崩壊ネタで続いている方がはっきり言ってウンザリです。そもそも同じテーマで2年も続いている事自体が驚異で、これが2年先でも続いているとなると堪忍してくれと言いたいです。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/25 18:48 >Yosyan様
いやー、先生はひとがいい。わたしは、Ton様ご指摘のホムペ、H18開業の脳外科出身の開業医先生、たしかに、そういう志の高い勤務医生活してらっしゃった方だとは思いますが、今の時代にあえてそれを自院のホムペに載せるってことは、お客=患者向けのリップサービスで、あとに残ってる後輩勤務医に砂がかかろうが、かまやしない、ってことだと思いますよ。
そういう意味じゃ、非常に醒めた方でいらっしゃるんじゃないかしらん。
ほんとに熱くそう語りたいなら、m3とかで、若手医師に対して嘆くとかなさればいいんで、一般向けホムペで記している分には、熱さ装った自己アピールにしか、わたしには思えませんが。

誤解無きよう付言しますが、わたしは、こういう何でもアリの自己アピールする方好きです。わかりやすい。

暴利医暴利医 2008/03/25 18:49 Yosyan さま

”お祭りの時には法被を着て、捻り鉢巻で肩を怒らせて街を濶歩し、飲んだくれて少々ハメを外しても誰も気にしませんが、祭りが終わっても同じ事をされたら異様に浮く”

いつもながらとてもわかりやすい表現ですね。10年ドロッポさまの、”当然の如く病院に来るよう要求した看護婦を、「人の休みを何だと思ってやがる!」と、怒鳴りつけた”、というのは、逆に祭りの最中一人冷めていて浮いていたようなものだった、と理解できますね。

私が予想する二年後は、ドロッポ小児科さまに近いかなあ。こういう大きな流れはそう簡単には変わらないし、変えられない。中でも、”医療レベルはイギリスに向けて降下していきますが、財務省の思惑に沿っているため、医師を強制配置するプランは財務省が反対するでしょう”、この部分には特に共感しますね。

それからBugsy さまの書かれた、”若い医師の流動性はもっと増す”、”確実なのは外科系臨床医の壊滅でしょうね”、この二点もまず間違いないと思います。私が現在勤務している都内某施設でも、この春の外科の入局者はゼロだそうです。聞くところによると現構成員達のロジックはまだ旧態依然としているようですが、それもいつまでもつことか。外科は徒弟制度がしっかりしている分、医局内ではまだ祭りをやっている人達が大勢いるようですが、若い世代は醒めた目でそれを見ています。数年後にどうなるかは、まあ自明でしょう。外科が崩壊すると仕事が減ってちょっと困るけれど、我々の業界も人が減っているので、まあ比率は変わらないかな。ま、仕事にあぶれることはないだろうと今のところ高をくくっていますが。

ssd666ssd666 2008/03/25 18:55 >>10年ドロッポ先生おまたせ
http://ssd.dyndns.info/chiikiiryo/1141013528.html
679 名前:卵の名無しさん :2006/03/11(土) 05:55:45 ID:WOhsy7Al0
要するに優秀な医者を呼ぶ条件を提示できるか? の、地域間競争なのだ。
「チビ、デブ、ハゲで包茎の漏れにどうして嫁が来ないのか」
こういう問題を延々論じているわけだな。

なんか自分で書いたような記憶があるが、気のせいかも。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/25 19:06 続き)
>Ton様ご指摘のホムペ
この先生、H18開業で、ヘリカルCT入れた重装備ですね・・。頭痛・めまい・漢方・更年期外来がメインですが、土日祝日もやってて、ボトックス・ヒアルロン酸といった美容も手を出していらっしゃる。
経営たいへんなのか、ワークホリックか、どちらかです。。
けっこう、休むに休めない御自分を鼓舞するために、あえて気合い入れる意味で書いてるんじゃないかしらん。それか、経営的に休日診療せざるを得ない口実として「医者たるもの休むなどけしからん」ってやせ我慢、っぽいか。

私的には、好感度な先生です。・・ていうか、美容の若手にこういう先生多いわ、そういえば。

ysys 2008/03/25 19:12 >Ton様ご指摘のホムペ

「その他、全国の病院にご紹介可能です。」

私的にはこのキャッチ、受けました(笑)

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/25 19:23 わたし、ここが気に入りました。
----
「趣味:仕事・睡眠」
-----
いや、それ趣味じゃないでしょ(^^;。って突っ込んでくれって言わんばかり(笑。

YosyanYosyan 2008/03/25 19:32  >あとに残ってる後輩勤務医に砂がかかろうが、かまやしない、ってことだと思いますよ。

そうかなあ?診療科と地域柄によるでしょうが、後送病院の確保は開業医にとって至上課題で、そのためにセコセコ病院への顔つなぎに精を出される開業医は少なくありません。もちろん少々感情を損ねようが病院は入院依頼を受けてはくれますが、ここ一番の時のために対立感情だけは生じないようにすると思うのですけどね。人によって主義が違うのでなんとも言えませんが。

 >土日祝日もやってて

まあこのタイプの開業医の先生もおられます。経営的な面から仕方なくもおられますが、開業してもいつも仕事場にいないと落ち着かないタイプの方で、休日でも診療所に詰めていて、時間外もほとんどOKタイプの経営です。これはmoto様への嫌味でないので誤解無く。個人的には猛烈すぎて病院に居場所がなくなったんじゃ無いかと邪推していますが、そこまでは考えすぎですかね。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/25 19:44 >あとに残ってる後輩勤務医に砂がかかろうが、かまやしない、ってことだと思いますよ。

これちょっと撤回します。たぶん、この先生、そこまで考えてないような気がしてきました。

>現在の夢:ミュージシャン・オーロラ観察・ラーメン食い倒れ旅行

一万円くらいなら、賭けてもいいですが、この先生、血液型B型だと思います(^^;。

なんか違うななんか違うな 2008/03/25 19:47 40過ぎの石です。
初めて書き込みます。

>医師個人が酩酊状態の鉄人であること
>医師がチームとして集団発狂状態であること

酩酊状態の鉄人?
そう思っていただけでは?
なんといっても、酩酊状態ですしw

そんななか、ミスをしても集団発狂状態で隠蔽して、それが通っていた…
そんな時代だっただけでは?
ミスを告発しようした勇者は、集団で殲滅していたね…

私にとっては、良心の痛む陰惨な時代でした。

その「洗脳」は、研修医時代どころか、意味不明の「部活」から始まっていた…
大学生にもなって、まるで中坊のように、東医体だの西医体だの…
他の学部では、バブルまっさかりでサークル全盛でしたね…

でも、皮肉なことに、ミスで亡くなられた多くの屍を練習台にして、
世界トップクラスの医療は数年前に実現しましたが…

その無念のうちに苦しみながら亡くなられたかたがたが、現在の医療を…
自分たちのいる無間地獄に導いている気もします。

因果応報?

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/25 19:56 >なんか違うな様

いや、そこまで暗く考えこまなくても・・せっかく今日のお題が「ホノボノを入れる」なんだし。
それに、地獄はまだまだこれからですよ。ゆでガエルの温度でいうと、いま45℃くらいです。タンパク質が熱変性始める70℃までには、まだまだ先は長いです。

ここりんここりん 2008/03/25 21:11 >医師個人が酩酊状態の鉄人であること
>医師がチームとして集団発狂状態であること

こういう、医師たちと、ハイな状態で夜通し働くのが楽しかった時代もありましたが、これも古きよき時代のことなのかなぁ〜しばらく臨床離れてますけど、モンスター患者が増えたと耳にするし、戻るのが怖いです。

>そんななか、ミスをしても集団発狂状態で隠蔽して、それが通っていた…
>そんな時代だっただけでは?
>ミスを告発しようした勇者は、集団で殲滅していたね…
これ、古き良きではないが、それがまかり通ってました。...
このブログは、お医者さんがほとんどだと思うので、みんな頭が良いレスで、ほのぼのには遠い!!

2年後の予想は、アジア系医療、介護の労働者が増えていると思う。文化とかが通じないような雰囲気になる。

はなはな 2008/03/25 22:26 2年前のエントリを読ませていただいたときにも感じたのですが、
士気で持たせなければ成立しないシステムは既に崩壊しているし、それを士気で持たせようとするところに問題があったのではないかと思います。

どうもこの国は一度崩壊させないと新たなシステムデザインをする気が起きないようなので、きちんと実数通りの医師戦力を理解してもらった上でシステムを考えてもらうほうが長期的に存続するシステムになる気がします。

ちなみに経済系のブログで産科の改善案が挙げられていました。精神論で叩かれて政策としては通りそうもないですが。
http://workhorse.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_fab1.html

サルガッソーサルガッソー 2008/03/25 23:20 他人様のBlogを紹介で肩身が狭いのですが、
ぜひこちらもご参考にしてください。
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20080316/1205655055

KKRKKR 2008/03/25 23:38 http://d.hatena.ne.jp/sirouto2/20071222/p2
>「人気の職業」化は現場に悲惨な現実をもたらす
 ですかな>アニメーター、医師

悪性新生物悪性新生物 2008/03/26 09:26 今回のエントリーを見て鉄人医師は企業戦士と同じだったんだとつくづく思った。
仕事をすることに社会的意義と誇りと充実感を持ち、社会的ステータスや尊敬の念持つことになる。
終身雇用という前提の消とか、社会的価値観の変化とかも一緒。

inoue04inoue04 2008/03/26 09:37 KKRさん、おっしゃるとおりです。参入が容易な人気職業の底辺は、常に最低賃金すら守られない、劣悪な構造になります。医師は、単に、資格で底辺を足切りしているから、なんとか劣悪化を免れているだけです。法曹養成では、足切り水準が下がったので、現在、新人弁護士の7割が職に就けないばかりか、職に就けても、月収20万円台で奨学ローンの返済に苦しんでいます。法曹改革で得したのは教員ポストが増えた法学部だけです。

banch1banch1 2008/03/26 11:14 Ton様
祭り、酩酊状態、集団発狂、医師が労基法から大きくそれて奮闘する様を表現する言葉は色々あるようですが、
私の周囲は、私も含め、「労基法を持ち出す者達こそ発狂者」だという風潮です。無償の愛などはありませんが。
互いに相容れない価値観ですが、そのバックグラウンドも対極的で、労基法には法の後ろ盾があり、「医師たるもの奉仕せよ」は愛です。
かみ合うわけがありません。

Yoshan様
酩酊状態からさめたとおっしゃりますが、我々は常に時間の波を漂っております。
過去を振り返って覚醒した現在を、さらに未来の自分が振り返ったとしたら、やはり酩酊状態と評さざるを得ないということもあろうかと思います。

inoue04inoue04 2008/03/26 11:47 http://www.yasuda-c.com/profile.html
この方の意見が正しいかどうかはともかく、確実なのは、
「そんな資質のある人間は大量に確保できない」
ってことです。選抜方法の問題じゃないです。
 現在、18歳人口が120万人で、さらにこの数字は減る傾向にあります。
 それで、医学部定員が8000人ですから、150人に1人が医師になる必要があるのですが、「無償の愛」だの、「最低限の睡眠時間以外はすべて患者さんのために費やす覚悟」だのを持った人がそんなにたくさんいるわけがない。
 普通の高校生の兄ちゃんが入学して、医師になるんだから、普通の人で勤まるような職場環境でないと持続可能な医療サービスは構築できません。

沼地沼地 2008/03/26 14:12 同期の子持ちの女性医師でフルタイムで働けているのは、孫の子守をしてくれるババつきの人くらいです。
あとは非常勤で週2回くらい外来をやるとか、ダンナの病院を手伝うとか。
出産後一年は当直免除でしたが、子どもが1才になったからといって月5,6回当直できる人は少なく、非常勤になる傾向があります。
たぶんそういう女性医師4,5人でも酩酊状態の医師一人分も働けません。
そして今、医学生の4割くらいが女の子なんでしたっけ?
ちょうど卒後10年、一人前の医師になる頃にマルコウが迫ってきます。
これから医師の不足は予想以上に加速するでしょうね。

医者はどこだ!医者はどこだ! 2008/03/26 14:38 Yosyan先生、いつも楽しく拝見しております。初めてコメントさせていただきます。田舎で脳外科医をしております。有床診療所を細々と営んでおり、手術もできる範囲でやっております。くだんの脳外科の先生の独白、さぞ手術の上手な、大病院の院長先生のご高説かと思ってHPを拝見してびっくりしました。小生より数年若い先生のようですが、「資質を欠いた医師」云々を自説として展開するなら、多くの脳外科医と同じ立ち位置から発言すべきと思います。自分が過去どうだったかに関係なく、多くの第一線病院で勤務する脳外科医と「現在も」同様の条件で勤務していなければ(発言は自由ですが)説得力はありません。ご自分に資質があると思っているなら、ぜひ勤務医として病棟も持ってその資質をいかんなく発揮しつづけていただきたかったと思うのですが、ここを読んでいる脳外科医の先生はどう感じていらっしゃるでしょうか?

TonTon 2008/03/27 00:36 先生方のご意見、癒されました。
私は単純に、あのホームページを読んで
また再洗脳がかかりかけました。
あぶないところだった。。。

原発原発 2008/04/03 17:12 しばしば楽しく拝見させていただいております。私は医師ではない某医療関係職種の教育課程の教員をしておりますが、ちょっと書きたくなったので初めてですが勢いにまかせて書いてみます。

私が所属している教育課程の教授は小児科医ですが、学生たちに医療従事者マインドを教えるのが大事と言い、医療従事者マインドをひとことでいえば「自己犠牲」の精神であると、今でも毎年講義しています。病院が火事になったら最後に残るのは君たちであってほしいと。学生たちは冷めた態度で聞いている者が大半ですが。

悪性新生物さんが「企業戦士」を引き合いに出していらっしゃったので、そうそう、と思い出したのですが、私自身、過去に十数年会社員をやっていましたが、20年以上前の当時でも、すでに、もはや以前のように会社にすべてを捧げ会社のために働き定年まで同じ会社に勤め続ける社員像を期待することはできなくなったことが会社の上層部に意識されていました。そして、新しい時代の社員たちをどう教育しどのようにモティベーションを保つか、せっかく教育に投資しても転職していく優秀な社員たちを引き止めるにはどうしたらよいか、あるいは引き止められないなら別の優秀な社員を取り込むにはどうしたらよいか、そして会社として戦力を維持するために必要なことは何か、そういうことが非常に真剣に検討されていたような気がします。そうでないと会社がつぶれてしまうので。

しかし、医療機関ではそういう仕組みは働かないのでしょうか?医療の世界にやってきて、会社員時代には考えられなかった価値観の古臭さに愕然としています。私の勤めていた会社は世の中的には伝統的な日本的企業でしたので、新しい業界の会社に比べると古臭いなあといつも感じていたのですが、医療の世界は今でもそれよりももっと古臭くて絶句しました。一般の人々はとっくにそんな古い価値観は持っていないと思うのですが・・・誰も、医療者に押し付けがましい自己犠牲の精神なんて求めていないのですが、医師たちは、自分を犠牲にして患者を助けてやっているという状況に酔っているとしか思えない・・・と最近考えていたら、このページにたどりつき、うん、うん、とうなづいた次第です。あらちょっと言葉が過ぎてしまったかしらん。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080325

2008-03-24 神戸市立病院の三六協定

神戸市立の病院としては中央市民病院と西市民病院があります。もう一つ市立病院と思われているものに西神戸医療センターがありますが、これは財団法人神戸地域医療振興財団と言う外郭団体の経営となっており、市立病院ではない事になります。この神戸市立病院に関する古い記事にこんなのがあります。なかなか見つからなくてやっと伊関友伸氏のブログにありました。2007.4.18付の読売新聞記事がネタ元です。

宿直明け医師原則休み 神戸市立病院など 待遇改善「引き留めたい」

読売新聞 平成19年4月18日

 医師の公立病院離れを食い止めようと、神戸市は4月から、市立病院などの医師の勤務体制を見直し、宿直勤務翌日を原則、休日にするなどの制度をスタートさせた。宿直中は救急患者の受け入れなどでほとんど仮眠を取れず、翌日の通常勤務と合わせて32時間連続となる過酷な労働が、医師が病院勤務を敬遠する原因の一つと言われるため。宿直明けの休日の制度化は民間でも珍しく、市は「待遇の改善で何とか医師を引き留めたい」としている。

 医療センター中央市民病院など3つの市関連の病院に勤務する医師ら約360人が対象。宿直勤務は午後5時半〜翌日午前8時45分で、宿直明けは原則休みとする。外来患者の対応などで翌日も勤務を続けた場合は、その分を時間外勤務として手当を支給する。

 また、宿直手当も、これまでは一律2万3900円だったが、実働時間に応じて時間外勤務手当を支給する方法に変更。徹夜勤務の場合、1回当たり最大約1万円の増額になるという。

 同市では、外郭団体が運営する西神戸医療センター(西区)で、小児科医6人のうち1人が退職したことから、それまで毎日実施していた夜間の小児救急を、昨年11月から週5日に縮小した。医療センター西市民病院(長田区)では、3月末までに医師8人が退職したため、24時間対応していた救急患者の受け入れを、1月から午前0時〜同9時に休止している。

 全国の病院が加盟する日本病院会の調査では、勤務医の9割近くが当直の翌日も通常勤務を行っているとされ、日本医療労働組合連合会の池田寛副委員長は「勤務医の過酷な長時間労働は、医療の安全を揺るがしかねない問題。神戸市の制度見直しは先駆的で、ほかの病院も見習ってほしい」としている。

この記事については当時少し話題になり、医師からの積極的な評価はほとんでなく、ごく一部に消極的な評価があったと記憶しています。また伊関氏のブログでも神戸市関係者と思しき人間が乱入して大いに盛り上がったのは記憶に残っているところです。この記事から1年経っていないのですが、当時はそれでもいかに平和だったかが思い知らされます。

ところでこの記事にある神戸市立病院の医師への「優遇」ですが、

  • 宿直明けは原則休みとする
  • 翌日も勤務を続けた場合は、その分を時間外勤務として手当を支給する
  • 宿直手当も、実働時間に応じて時間外勤務手当を支給する方法に変更

金額の事は去年もう論じたので今日はやめにして、問題にしたいのは

    時間外勤務手当の支給

これです。例の宿日直通達は長くなるので引用は控えますが、神戸市の方針は通達にそれなりに合わせたものです。軽い勤務である宿日直業務と日常業務は厳然と分けられ、当直業務中に日常業務を行なった時には本来の仕事として時間外手当が支給され、その労働時間は勤務時間にカウントされます。宿日直業務は軽い労働の代わりに当直料が通常勤務に較べると1/3以下に抑えられ、正規の労働時間にカウントされません。

この原則に従って神戸市は医師優遇のために宿日直時間中の日常業務に対し時間外手当を支給するとしています。断っておきますがこれは「優遇」ではなく本来「当然」のことであり、時間外手当を支給しない方が「違法」なのです。違法を是正しただけなのを「優遇」と主張する能天気さを去年は笑ったものです。それだったら問題は無いじゃないかと言われそうですが、神戸市の時間外支給、いや宿日直時間中に日常業務(時間外勤務)をさせること自体が「違法」になっている可能性が出てきました。

神戸の市立病院が医師を宿日直させる事自体は労働基準局の許可を受けているでしょうから合法と考えます。ところがそれだけでは医師(もちろん他の医療職も含む)を時間外労働させることは出来ません。労働基準法を確認していくと、

第32条 

 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。

2 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。

32条の3〜6には日によっての融通による労働時間の増減による調節を認める項目が書かれていますが、それをするには労働者との協定と届出が必要とされています。つまり通常の労働契約では時間外労働を認めていないのです。さらにですが、

第33条

 災害その他避けることのできない事由によつて、臨時の必要がある場合においては、使用者は、行政官庁の許可を受けて、その必要の限度において第32条から前条まで若しくは第40条の労働時間を延長し、又は第35条の休日に労働させることができる。ただし、事態急迫のために行政官庁の許可を受ける暇がない場合においては、事後に遅滞なく届け出なければならない。

災害があった時にやむなく労働時間の延長が必要となっても、認めるが後日であっても届出が必要となっています。時間外労働を行なわせるためには労働基準法36条による協定が必要となります。俗に言う三六協定です。

第36条

 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては、第32条から第32条の5まで若しくは第40条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この項において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。ただし、坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務の労働時間の延長は、1日について2時間を超えてはならない。

  1. 厚生労働大臣は、労働時間の延長を適正なものとするため、前項の協定で定める労働時間の延長の限度その他の必要な事項について、労働者の福祉、時間外労働の動向その他の事情を考慮して基準を定めることができる。
  2. 第1項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者は、当該協定で労働時間の延長を定めるに当たり、当該協定の内容が前項の基準に適合したものとなるようにしなければならない。
  3. 行政官庁は、第2項の基準に関し、第1項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。

この協定を結んでいない限り雇用者は労働者に時間外労働をさせることは出来ず、させれば時間外手当の支給があろうが無かろうが「違法」です。三六協定は神戸市なら兵庫労働局にあるはずなんですが、これを問い合わせた方がおられます。匿名希望なので情報提供者の名前を消す作業で画質が劣化してしまい、読みにくいのは先におわびしておきますが、兵労発総第24-62号兵労発総第24-63号です。62号が中央市民病院に関するもの、63号が西市民病院に関するものですが回答は、

    開示請求のあった行政文書を保有していないため、不開示とした。

行政文書を保有していないとは平成17年2月17日から平成20年2月16日の3年間に提出された36協定の届けがなかったと言うことです。三六協定は平成11年3月31日付基発第169号「労働基準法関係解釈例規の追加」

    時間外労働協定について定期的に見直しを行う必要があると考えられることから、有効期間は1年間とすることが望ましい。

こういう通達が為されていますから、過去3年間に協定文書が存在しないという事は神戸市立病院に三六協定が存在しない可能性が高くなります。もっとも1年毎に更新しなくとも罰則は無いそうですから4年以上前に三六協定が締結されそれ以降は更新されていない事もありえますが、それ以上はわかりません。個人的には三六協定が無い可能性の程度としては「相当程度の可能性」よりも「高度の蓋然性」に近いと考えられます。


ここで神戸市立病院の医師は地方公務員であり労働基準法に縛られないんじゃないかの疑問は出てくるかと思います。それに関してですが労働基準法33条3では、

公務のために臨時の必要がある場合においては、第1項の規定にかかわらず、官公署の事業(別表第1に掲げる事業を除く。)に従事する国家公務員及び地方公務員については、第32条から前条まで若しくは第40条の労働時間を延長し、又は第35条の休日に労働させることができる。

注目してもらいたいのは

    官公署の事業(別表第1に掲げる事業を除く。)

除外項目が掲げられており、別表第1を引用すれば、

別表第1(第33条、第40条、第41条、第56条、第61条関係)

  1. 物の製造、改造、加工、修理、洗浄、選別、包装、装飾、仕上げ、販売のためにする仕立て、破壊若しくは解体又は材料の変造の事業(電気、ガス又は各種動力の発生、変更若しくは伝導の事業及び水道の事業を含む。)
  2. 鉱業、石切り業その他土石又は鉱物採取の事業
  3. 土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊、解体又はその準備の事業
  4. 道路、鉄道、軌道、索道、船舶又は航空機による旅客又は貨物の運送の事業
  5. ドック、船舶、岸壁、波止場、停車場又は倉庫における貨物の取扱いの事業
  6. 土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業
  7. 動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他の畜産、養蚕又は水産の事業
  8. 物品の販売、配給、保管若しくは賃貸又は理容の事業
  9. 金融、保険、媒介、周旋、集金、案内又は広告の事業
  10. 映画の製作又は映写、演劇その他興行の事業
  11. 郵便、信書便又は電気通信の事業
  12. 教育、研究又は調査の事業
  13. 病者又は虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業
  14. 旅館、料理店、飲食店、接客業又は娯楽場の事業
  15. 焼却、清掃又はと畜場の事業

読めば分かるのですが、現業部門は官公署の事業でも除外規定を受けており労働基準法の対象になります。現業部門に「病者又は虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業」はしっかり含まれており、時間外労働を課すためには三六協定は不可欠という事になります。ちなみにこれを読む限り事務は労働基準法の枠外かもしれません。

つまり神戸市は医師への「優遇」として宿日直規定の違法性を避けたのですが、避けるために認定した時間外勤務、時間外手当の支給はこれまた歴然たる違法行為を行なっている可能性が出てきます。この辺の労働法規にも詳しいはずの日本医療労働組合連合会の池田寛副委員長のコメントは去年も失笑されましたが、もし三六協定の存在が無いとなればブラックジョークと化します。

勤務医の過酷な長時間労働は、医療の安全を揺るがしかねない問題。神戸市の制度見直しは先駆的で、ほかの病院も見習ってほしい

公立病院たるものがそんな初歩的な労働法規を守っていないなんて事がありうるかですが、これも伊関氏のブログから引っ張り出した記事ですが、2007.5.15付け沖縄新報および沖縄タイムズより、

県立病院で労基法違反 「三六協定」締結せず

琉球新報 平成19年5月18日

 週40時間の法定労働時間を超える時間外勤務が恒常化している沖縄の県立病院は、労働基準法により、時間外労働の限度などを定める労使協定(三六(さぶろく)協定)の締結と労基署への協定届け出が必要な状態だが、労使間で同協定は結ばれておらず、労基法違反であることが分かった。県病院事業局や各県立病院と、県職労病院労組は昨年4月以降、締結に向け団体交渉を続けているが、過重労働解消の抜本策を見いだせずに苦慮、締結のめどは立っていない。一方、県立病院の過重労働を重く見た沖縄労働局監督課担当者は17日、県病院事業局を訪れ、労基法順守を求めた。

 沖縄労働局が県病院事業局に法順守を要求するのは初めて。

 県内5つの県立総合病院の医師は時間外労働が週20時間を超える人が大半を占めるほか、看護師も多くの時間外労働を強いられる環境に置かれている。ひと月で時間外勤務が100時間を超える医師も多い。このため各県立病院と労組の間で協定締結が必要だが、締結に至っていない。

 各県立総合病院は、当直の月平均回数が各病院とも5―6回で全国平均のおよそ倍に上り、連続32時間労働の当直明け勤務も常態化している。当直でも昼間と同じように働いているため勤務形態上は時間外勤務とみなされ処理されている。これも時間外勤務の時間数を押し上げる大きな要因だ。

 こうした過重労働の実態が本紙で報道されたことを受け、那覇労基署は「全県的な問題」と深刻視して上位組織の沖縄労働局に対処を移行。医師や看護師の過重労働の事態を重く見た同局の監督課担当者2人は17日、県病院事業局を訪れ、実態を聞くとともに過重労働への対策と労基法の順守を要求した。

 県病院事業局は医師を増やすには定数の問題があることを示した上で、医師の確保などに全力を挙げる考えを示した。

 県立病院の労基法違反の状態を含めた問題への今後の対応について沖縄労働局監督課は「ある程度の実態は聞いたが、十分に具体的詳細を把握していないのでコメントは差し控えたい」と話している。

(新垣毅)


労働局、法令順守を要請/県立病院医師の過重労働

沖縄タイムズ 平成19年5月18日

 沖縄労働局監督課は十七日、医師や看護師の過重労働が指摘されている県立病院の勤務実態などについて、県病院事業局から事情を聴いた。同局監督課は「労働基準法などの法令違反がないようお願いした。病院事業局とは連絡を取っていきたい」と当面は事態の推移を見守る考えを示した。

 県病院事業局は「過重労働の解消については、数年前から労使交渉の場などで話し合いを持っている。しかし全国的な医師や看護師不足などが背景で、人員増も難しく抜本的な解決策が見いだせない」と対応に苦慮している状況を説明した。

沖縄の県立病院で三六協定が無い事が表面化し問題になっている事を伝えた記事です。表面化したので労働局は動いたみたいですが、沖縄労働局監督課のコメントは、

    当面は事態の推移を見守る考えを示した

また病院事業局は

    抜本的な解決策が見いだせない」と対応に苦慮している状況を説明した

この後どうなったかの情報は手許にありません。労働局はひたすら推移を見守り、沖縄県はひたすら苦慮だけしているのでしょうか。最後に先日紹介した3/6付時事通信社の記事をもう一度引用しておきます。

近畿大を書類送検=残業代未払い、労基法違反−5年前にも是正勧告・大阪労働局

 近畿大学(大阪府東大阪市、畑博行学長)が事務職員の残業代計430万円を支払っていなかったとして、大阪労働局は6日、労働基準法違反の疑いで、同大と元人事部長(48)=昨年10月25日付で人事部長代理に降格処分=を大阪地検に書類送検した。元人事部長は残業代を支払っていなかったことを認めているという。

 調べでは、元人事部長は昨年1月から6月まで、大学本部で勤務する事務職員34人に、残業時間を月45時間とする労基法に基づく労使協定(三六協定)を超えて残業させ、430万円の残業手当を支払わなかった疑い。

 同大は残業代の支払いを30時間で打ち切っていたとして、2003年7月に東大阪労働基準監督署から是正勧告を受けた。いったん上限を撤廃したが、04年4月から三六協定による45時間を上限に再び打ち切りを始めた。

事務職員なら是正勧告が出され再犯なら責任者が書類送検されるんですけど、医師は楽しい別格扱いのように思えます。ま、今さらですが・・・。

AnybodyAnybody 2008/03/24 09:50 Yosyan先生、詳細にお調べ下さった貴重な資料をご提供いただきありがとうございます。いつもながら、素晴らしいと思います。

>医師は楽しい別格扱いのように思えます。
神戸市は、医師を全員管理職扱いにして、別格扱いにしているということはないのでしょうか。

>この後どうなったかの情報は手許にありません。労働局はひたすら推移を見守り、沖縄県はひたすら苦慮だけしているのでしょうか

この類の記事は時々出るのですが、よほどのものでない限り強力な指導がなされることはありません。社会の実態を見ていると時間外労働のない職場というのは民間ではまずないでしょうし、大阪府みたいな官庁でも先日のような騒ぎがありましたからね。そう思うとナアナアで片付けるシナリオが労働行政の側にもあるように思ってしまいます。何かこの方面から攻めても柳に暖簾押しのような感じです。法律から少々逸脱している程度では何だそのくらいということにもなりかねません。よほどひどい例に絞って確実に改善を求める方がいいのではないでしょうか。

法務業の末席法務業の末席 2008/03/24 10:03 私は社会保険労務士をしており、モトケンブログなどに出入りしている者です。

地方公務員の現業職員が労基法が完全適用であることはご指摘の通りですが、
一般職の地方公務員も労基法は原則適用で、労基法36条は全面適用されます。
地方公務員法58条では労基法の規定の内、地方公務員(一般職)には適用されない条文が
個別具体的に例示されており、労基法33条〜38条は適用除外の対象となっておらず、
地方公務員の一般職(事務系職員)にも完全適用されます。

ただし、国家公務員は別で、国家公務員法の規定により労基法が全て適用除外です。
この辺はベテランの公務員の方でも誤解されていることが多いので、ご注意下さい。
なお、国家公務員であっても労基法別表1に列挙された事業に従事する現業職は、
地方公務員の現業職と同じく労基法が全面的に適用されます。

この公務員と労基法のテーマについては
<a href=”http://www.yabelab.net/blog/2008/03/20-014549.php#c127251”>モトケンさんのブログへの私の投稿</a>
で書いておりますので、そちらも是非参照してみて下さい。

BugsyBugsy 2008/03/24 10:18 時間外労働の限度などを定める労使協定(三六(さぶろく)協定)では 締結するにしても月80時間とされている「過労死ライン」を超える時間外勤務では たとえ対価が支払われても意味がないでしょう。
結局医師に労働組合を結成するか、組合に入らねば交渉の際各個撃破されることは明らかです。

そもそも時間外労働勤務の把握がいいかげんですからね。医師がタイムカードを刻印しなければ 時間外勤務の時間は事務が適当に押印するか医師が「アンケート」に適当にサインするかでお茶を濁されているのが現状です。労基署が乗り込むにせよまずはこういった時間外勤務時間の正確な把握が最初です。違法労働の正確な実態の証拠を集めることが出来ねば 医師の勤務改善は到底無理でしょう。

社保労予備軍社保労予備軍 2008/03/24 10:19
労基法違反に対する罰則は、36条の場合、50万円以下の罰金または6ヶ月以下の懲役となってますので、公立病院の管理者が訴追される可能性を追求しないと、彼らは動かないでしょう

逆に、自らの保身と、法律遵守が重なる場合は、決死の覚悟で法律を守ることでしょう

勤務医は、自らの権利に無頓着すぎます

36協定がない場合、もちろん当直業務として認められませんから、夜間勤務として時間外割り増し賃金支払い義務が発生します。時効は2年。
さて、神戸市は何億円の支払い義務が発生するでしょう???
労務時間は、完全に自由でない拘束時間ですから、午後5時30分から翌朝8時30分まで?
いやあ、普通のボーナスより沢山頂けそうです。

AnybodyAnybody 2008/03/24 10:57 法務業の末席様

医師も地方自治体の病院に勤務していれば、地方公務員の現業職員に当たるのですね?

>一般職の地方公務員も労基法は原則適用で、労基法36条は全面適用されます。

どうして労働事件は労基法違反が明白でもいい加減に済まされてしまうのでしょうか。教えて下さい。

僻地外科医僻地外科医 2008/03/24 11:04 >Anybody先生

>>医師は楽しい別格扱いのように思えます。
>神戸市は、医師を全員管理職扱いにして、別格扱いにしているということはないのでしょうか。

 先日のマクドナルド訴訟が示した如く、管理職扱いにしていても実体が管理職でなければ労基法は適用されます。
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20071121

BugsyBugsy 2008/03/24 11:50 >どうして労働事件は労基法違反が明白でもいい加減に済まされてしまうのでしょうか。教えて下さい。

勤務医の場合、業務命令の責任所在がはっきりしない事が最大の理由に挙げられます。
「いわゆる当直の割り振りも院長や事務長ではなく あくまで医師が自主的にお互いに決めています。単一の診療科がそれぞれ当直医を出すのか 外科系、内科系などとわけるのかといった会議にも病院管理者が出席する事はまずありません。これは建て前は業務命令ではありません。

また術後管理や患者が重体だからといって勤務時間外でも病棟に残る事は 医師が自主的に裁量しているのであって当直医にまかせるのか自分が赴くのかは あくまで医師同士の話し合いの結果で 病院の管理者は一切命令を出したわけではありません。

だからマクドナルド訴訟で見られたように 上から命令して残業をさせているわけじゃありません。」

以上を 事務のオヤジがシャーシャーと言いよったです。
「医師が宿直をしていて救急センターでも 救急隊からの依頼や患者からの問い合わせを当直事務から電話を回すだけで診察せよと指示を出した覚えがない!」
「医師は管理職だからこそ事務方が人事権がないんじゃあ。」
以前本ブログで皆様の失笑をかいましたが 相変わらずです。院長も右に同じでしょうねえ。

従って労基署が乗り込んでもお縄をくらうわけがない、と高を括ってます。
だから勤務医どうしで話合っていっせいに夜間診療を皆で止めるしかないんじゃないですか。

お弟子お弟子 2008/03/24 12:18 一般的な話としてですが、公務員は(身内の論理が通用しない)外部組織に話が出るのを嫌いますし、それについて責任を負わされるのを嫌います。
ただ責任を問われる事態であるのなら、責任を取るべき方がしかるべき責任を問われて欲しいものだな、と。刑事・民事・行政の三つありますけど。

AnybodyAnybody 2008/03/24 12:29 僻地外科医先生、Bugsy先生、お弟子先生ありがとうございます。

>先日のマクドナルド訴訟が示した如く、管理職扱いにしていても実体が管理職でなければ労基法は適用されます。

あの判決は心強い味方だなと思ったんですが、医師が他職種に指示できる権限が管理職だと見なされる原因にはならないでしょうか。この点が心配なのですが...

>以上を 事務のオヤジがシャーシャーと言いよったです。

許せぬ所業ですね。
では、院長なり部長なりの業務命令として届けを出せば、きちんと支払ってくれるんでしょうか?

>だから勤務医どうしで話合っていっせいに夜間診療を皆で止めるしかないんじゃないですか。

事前通告したら、どう出ますかね。

YosyanYosyan 2008/03/24 12:46 Anybody様

医師が管理職かどうか出るところに出て争えば負けません。管理監督者としての管理職の定義は訴訟でもかなり厳格に認定されます。ですから雇用者は出るところに出るような事態になれば通常は争いません。

もう一つ労働基準法違反への扱いですが、この問題は何度か扱っていますが、イメージとして親告罪に極めて近いものがあります。自分で言わなければ誰も助けてくれないという性質のものです。会社なんかでも表沙汰にされれば従いますが、その代わり従業員には無形のデメリットが付けられます。だからこそ労働組合があるんだと考えています。

法は知る物を保護しますが、知らないものまで面倒を見てくれない一面があり労働基準法もその一つです。税法なんかもそれに近いものがあります。このブログでも知識のキッカケになるぐらいの情報は提供できますが、その先は個々のやる気と実行力になります。

一人で戦う選択もありますし、仲間を募る戦略もあります。それと戦う戦術、戦略についてもある程度意見は出尽くしています。後は本気で実行するかしないかの問題です。居残って戦うのか、あっさり逃散するのかはあくまでも各自の判断です。もう少し様子を見るのもそれこそ自己責任です。何がベストかの解答を持っているものはいないと思います。

AnybodyAnybody 2008/03/24 13:09 Yosyan先生

ありがとうございます。

>その代わり従業員には無形のデメリットが付けられます。

医師なら部長や院長には登用しないというところでしょうか。いつまでいるか分らず、そのくらいなら実害はないんですが。

>居残って戦うのか、あっさり逃散するのかはあくまでも各自の判断です。

本当ですね。裁判は労力がかかりますからね。
とりあえず、部長の業務命令をもらって時間外を請求してみて、ダメだったらお恐れながらと労基に訴え出る...といったところでしょうか。労基の勧告に従わない例ってやっぱり多いんでしょうか。従わなくてナアナアになっちゃうのはどうしてなんでしょう。たびたびすみませんが、もしご存知でしたら教えてください。

inoue04inoue04 2008/03/24 13:48 私が会社勤めしていた時分(パートタイマーだけどさ)、始業前30分の「朝礼」が我慢ならなくて、労働基準監督署に行ったら、すぐに調査が入って、全社で過去1年分ぐらいの朝礼前の時間外手当が出ました。このときは誇らしく思ったものでしたが、私が退社して1年後に、その企業は、またもや同じ事件をおこして、新聞沙汰になってました。他の誰かが告発したんでしょう。労働基準監督署の注意ぐらいでは、誰も懲りないので、忘れたふりして同じことを繰り返すだけだと知りました。刑事事件になって、直接の責任者が罰金刑を食らうぐらい出ないと、誰も反省しない。

法務業の末席法務業の末席 2008/03/24 13:57 Yosyanさま、Anybodyさま
>(労基法は)イメージとして親告罪に極めて近いものがあります
その通りです。
職場の片隅でブツブツ独りで文句言っていても、労基署には聞こえません。自ら労基署にタレコミ(労基法では「申告」と言います)しましょう。
そのときに自分の名前を言う必要はありませんが、勤め先の病院名だけは必ず言いましょう。

>その代わり従業員には無形のデメリットが付けられます
3年ほど前、まだ旧来の研修医制度が色濃く残っている頃の実話です。
私の事務所に若い研修医が訪ねてきて、「今居る病院の労働条件がひどくて我慢できない、何とかならないか?」と当職に相談がありました。

労基署への匿名での申告とか、労働局のADR窓口で仲介して貰うことを紹介したり、場合によっては内部告発という手段もあることを説明した上で、
「ところでどこの病院でしょうか? ご自身で労基署に相談行かれるのがイヤでしたら、貴方の名前が判らないように当職が代行する方法もありますが」
と水を向けたところ、慌てたような口調で
「いえ、まだそこまで気持ちが固まっていませんし、それに今の病院は医局の系列なので、医局に睨まれると次に良いトコロに行けませんから…」
と言って、そそくさと若いお医者さんはお帰りになられました。

法務業の末席法務業の末席 2008/03/24 14:11 連投失礼
>inoue04 さまの会社の例

これは、再度誰かがタレ込みしたのではなくて、労基署が再度の確認しに2度目の調査に入った為と思われます。1度目の是正指導をした後、概ね2年後のほとぼりが冷めたと誰もが思う頃に労基署は抜き打ちで再度立入り調査するのが普通です。このときに同じ違反が繰返されていると是正指導ではなく、書類送検&起訴(刑事裁判です)のコースになります。
当ブログで紹介されていた近畿大学の時間外手当の事件は、この典型例かと思います。

PS.ここの投稿欄は3行ほどのスペースしかないので書きにくいです。

Seagul-XSeagul-X 2008/03/24 14:39 >PS.ここの投稿欄は3行ほどのスペースしかないので書きにくいです。

メモ帳なりテキストエディタなりを立ち上げて、そちらで書いた文章をペーストしてはいかがでしょう?

YosyanYosyan 2008/03/24 14:40 法務業の末席様

 >PS.ここの投稿欄は3行ほどのスペースしかないので書きにくいです。

御指摘の通りですが、hatenaの仕様ですから慣れてください。どこかをいじれば拡げるのも可能かも知れませんが、私ではチョット無理です。

tadano-rytadano-ry 2008/03/24 14:46  中小企業のコンサルティングをよくしていたのですが、労基法違反をしてないところはホントに無かったですね。立場上違反を続けて下さいとは言えないので、法は守られた方がいいですよ、もし訴えられたら負けるかも知れませんよと言ってましたが、コンサルティングに入るような企業は大抵経営が悪く、経営者側も労働者側もゆとりが無く会社がつぶれるよりはまし、と言う感じが多かったです。まさに赤信号みんなで渡ればで「誰も守れないような法律を作る国が悪い」と公言してはばからない経営者もいて閉口したこともありました。

 それに、経営者側も労働者側もどことなく「どこに行ってもそんなもん」と諦めている節がありました。また中小企業はお互いの顔が見えることから労使の対立意識が希薄なことが多く申告はしづらい面があるのも事実で、実際ある企業のコンサルティング中に、ある勇者による匿名の申告があって労基署が入ってきたとき、経営者からでなく従業員の間で「誰がやったんだ」ということになって犯人捜しが始まり事態の収拾に難儀したことがありました。

kagiraizoukagiraizou 2008/03/24 15:01 コメント欄の大きさですが、「詳細デザイン編集」の「スタイルシート」の欄に、
form.comment textarea {
width:400px;
height:10em;
}
と入れてみてください。
これは私のブログの設定ですが、数字を変えれば縦横の長さを自由に変えられると思います。
もし変わらなかったらごめんなさい。

AnybodyAnybody 2008/03/24 15:02 法務業の末席様

御多忙に関わらず、ご親切なお返事ありがとうございます。専門家のご指導を受けられる機会はほとんどないので大変ありがたく思います。

>そのときに自分の名前を言う必要はありませんが、勤め先の病院名だけは必ず言いましょう。

匿名でいいというのは大いに助かります。しかし、労基署も根拠なしに立ち入り調査するのは難しいでしょうし、やはりある程度の証拠を持参しなければならないと思うのですが、タイムカードや時間外命令簿のようなものでいいのでしょうか。実態と異なる記録をさせられている場合どうしたらいいのでしょうか。例えば、総務課長と言い争っている場面を録音し、実態と異なることを暗に認めた表現があればきちんと事実を認定してもらえるのでしょうか。

>医局に睨まれると次に良いトコロに行けませんから…

医局の協力が欠かせないということですね。教授がお役所側についているとどうにもならない。

伊関先生のブログで登場したキクリ氏、ラン氏はなかなか一筋縄でいかない強敵でしたが、その中で二点大変気になることがあります。
http://iseki77.blog65.fc2.com/blog-entry-1596.html
特に2007/04/23(月)10:32| URL | ラン #- の
厚生労働省労働基準局の行政通達
・時間外手当というのは昼間とほぼ同じ労働密度でないと支給されないのでしょうか。どのくらい近ければいいのでしょうか。
・仮眠時間が混在している場合は、混在部分は宿直手当になり、計算が複雑になりますが、時間外手当のマルメ支給というのは使用者側と労組で協定があれば本当に可能なのでしょうか。医師は自治労に加入していたいケースがほとんどだろうと思うのですが、そういう場合協定の効果は自治労の非加入者にも及ぶのでしょうか。

何度も本当に申し訳ないのですが、1年間ずっと気になっていたのでお時間があればご指導のほどお願いします。

YosyanYosyan 2008/03/24 15:10 kagiraizou様

ありがとうございます、見事に拡がりました。やっぱり広いって書きやすいですね。

ただのとおりすがりただのとおりすがり 2008/03/24 15:20 私勤務医ですが、事務のおばちゃんに「えー、先生タイムカードないんですかー?出勤簿はー?無いのー?うそー。」と言われたことがあります。そんなもんなんだとほっといた私のような人間が労働条件悪化を助長していたのかなぁ、とふと思ってみました。

tadano-rytadano-ry 2008/03/24 15:22 先を越されましたが、私は以下のスタイルシートを追加しています。

div.comment div.commentshort textarea {
width: 85%;
height: 10em;
}

inoue04inoue04 2008/03/24 16:40 >労基署が再度の確認しに2度目の調査に入った為
 なるほど、確かに間に2年おいて再調査に入りました。
 しかし、行政の取り締まりが緩すぎるという私の考えは変わりません。1回目で刑事処分をしていればよかったのです。ルールを破った方が長期的にみて有利というゲームの構造を変えるには、サンクションを強くするしかないでしょう。

ssd666ssd666 2008/03/24 17:27 とりあえず、当直表を医者が作るのは放棄すべきでしょうな。
どこまで人がいいのかって事ですよ。

tadano-rytadano-ry 2008/03/24 17:32 本記事とは全く関係ありませんが、こんなの見つけました。ようやくです。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryou/iryou-sikaku01/index.html
------------------------------------------------------------------------------------------------
◆医師等資格確認検索システム改修のお知らせ

現在の医師等資格確認検索システムは、医籍(歯科医籍)に対応して氏名等を公表しているところですが、本年4月を目途に、医籍(歯科医籍)のうち、2年に1度の医師及び歯科医師の届出(医師法第6条第3項又は歯科医師法第6条第3項)があった者について検索するシステムとしますので、お知らせいたします。

BugsyBugsy 2008/03/24 19:49 当直の割り当て、回数は医師個人ではいかんともし難い部分です。

これとは別にオイラが声を荒げて怒ることがあります。
偏差値が高いとか医学部では優秀な成績だったというのと別なんでしょうね。
「要領の悪い奴が多い。さっさと書類仕事片付けて家に帰れ、馬鹿野郎!」
なんだか病棟に張り付いてるのが偉いと勘違いしてる奴が一定の割合で必ずいます。
同期の研修医と張り合っているんでしょう。診療は仕方ないけど書類仕事、病棟のサマリー書かすと遅いのなんのって。文章力、筆力(ふでぢから)は年々下降腺です。
少なくとも指導医が午前様まで病院に居残れとはこれぽっちも言ってない。むしら奴等が倒れたら困るのはこっちですよ。

医局制度華やかりし頃 病院に赴任したのは医局の指示でした。
今じゃあ自分で選んで、望んで病院に来てるんですよ。もう20代半ばでしょ?大人なんだからある程度は自分でセーブしなきゃ。意気込みは涙が出るほど嬉しいけど、ほっときゃデスマーチです。
自分で潰れそうになってるのに気づいていない。しかもそんな奴に限って季節外れの送別会じゃ「勤務が厳しかったので就いていけません。」と男泣きに泣くわな

誰もそこまで命令した覚えはありませんよ。

患者の主治医だと力まずに 夕方は当直医に任せてさっさと帰りませう。
要領も時として大切で 続きませんよ。

そろそろ新人が来る季節となりましたねえ。夜中まで働いて潰れないようにどうやって指導しよっかなあと今年も考えています。

法務業の末席法務業の末席 2008/03/24 19:57 Anybodyさま

>医局の協力が欠かせないということですね。教授がお役所側についているとどうにもならない。

勤務医の場合、医局から派遣労働者(適法な派遣労働ではありませんが)と言える側面があり、所属医が勤務先の病院との労務トラブルを発生させることを、医局のボス医が嫌がると聞きます。労働条件改善の要求を貫くということは、勤務先の病院責任者とケンカするすることにつながり、回り回って医局ボス医の逆鱗に触れて冷遇される可能性がある、ということを想定しておいて下さい。

既に医局などは崩壊しており、ウラの権力を持つボス医など居ない、ということであれば心配いりませんが…。

>厚生労働省労働基準局の行政通達

私は匿名ネット空間では、個別具体的な事例の回答はしないことにしていますので、悪しからずご了承下さい。
ただし、一般論としてですが、普通の雇用主の方々が言われる労基法や行政通達の解釈や解説は、まずそのほとんどが我田引水的かつ自分勝手なトンデモ解釈であることがほとんどです。
これは経験上の印象値です。

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inoue04 さま

>1回目で刑事処分をしていればよかったのです

労基法の罰則を用いても、既に行なわれた違法労働の事実は回復できず、労働者には事後的な救済(不払い賃金の支払・事後の再発防止)しか出来ぁmせん。そのために労基署は一度目は是正指導を行ない、司法警察権の行使(労基署の監督官は逮捕権などの強制捜査権を持っています)は反復継続している悪質事例しか行なわないのが通例です。その意味からすると、担当者が書類送検された近畿大の事例は、我々のような専門家の目で見れば相当悪質な事例だと言えます。

TOMTOM 2008/03/24 22:37 >Bugsy様

私(外科)が駆け出しの頃、中堅の先輩に同様の指導を受けたことがあります。曰く、「外科はいつなんどきから急に修羅場が始まり、いつまで続くか解らない。そして外科はチームで行動できなければ仕事にならない。最も愚かな外科チームは、全員で同時に潰れるチームである。帰れ。」との事。私は今に至るまで肝に銘じております。こんな話はもう散々言われているかもしれませんが、ご参考になれば。

BugsyBugsy 2008/03/24 23:42 TOM様

それは あなたの指導された先輩が真っ当だったのであります。
あなたも素晴らしかったのです。

Med_LawMed_Law 2008/03/25 08:30
正しい報道のタイトルは
「違法状態の是正」

人を殴り倒しておいて、殴るのを止めたから誉めてくれ!
なんていう言い訳を賞賛して報道するなんて、なんていう言い草だろうと思う

rijinrijin 2008/03/25 11:00  TOM先生、Bugsy先生、こんにちは。

> 最も愚かな外科チームは、全員で同時に潰れるチームである。帰れ。

 野戦病院モードですね。
 寝ること、喰うこと、休むことの大切さを教えられていない若い医者は不幸だと思います。
 教えることのできないオーベンは、自身が不幸であると共に無能です。

 ただし、夜中の2時でも帰れる(朝、出勤できる)近さに家のあることと、帰った後、オーベンや待機の先輩が困らないだけの観察力のある看護スタッフのいることが大前提になります。

 大学病院ではどちらも難しいのでしょう。
 よく、チーム全員で寝泊まりしています。

AnybodyAnybody 2008/03/25 13:04 法務業の末席様

ご教示ありがとうございました。

>普通の雇用主の方々が言われる労基法や行政通達の解釈や解説は、まずそのほとんどが我田引水的かつ自分勝手なトンデモ解釈であることがほとんどです。

そうなんですか。キクリ氏やラン氏のような総務から言われても、鵜呑みにせず社会保険労務士さんに相談することが大切ということですね。
ありがとうございました。本当に勉強になりました。心より感謝申し上げます。

じゅんじゅん 2008/03/25 16:31 http://www.m3.com/tools/IryoIshin/080121_1.html
m3で”県立奈良病院訴訟”の担当弁護士のインタビューが掲載されていました。
そのなかで、
「提訴後に分かったのですが、2004年12月に労働基準監督署から、時間外労働の件で、奈良病院に指導が入っていたのです。県はこれを無視して対応していなかった」
この部分が刺激的だと思います。
請求内容が2004年と2005年の不払い賃金の請求だったと思います。
2004年12月に指導を受けて、その後も漫然と違反を続けていて、民事裁判で2005年の労働基準法違反状態が明らかになったらどうなるのでしょうか?
現在の状況がわかりませんけど、労働基準局が今再調査に入ったら奈良県立病院は対処できるのかなぁなんていう楽しみもありますが。

普通は、再指導が怖くてなんらかの形だけでも対処するものですけどね。
全国の病院の労務担当者に、労働基準法違反で逮捕されたり、書類送検されたりするかもしれないという、危機感を持ってもらえたらいいと思います。

YosyanYosyan 2008/03/25 17:45 じゅん様

興味深いお話ですね。2004年に指導が既に入っているのですね。どうも労働基準局の対応は最初は指導ないし是正勧告みたいなものをして、次の調査(2年後)で改善されていなかったら「悪質」として刑事罰を考えるみたいですから、そもそも次の調査は為されていたのでしょうか。奈良時間外賃金不払い訴訟の時期が、ちょうど再調査の時期と微妙ですが、訴訟は訴訟として労働基準局の調査は別立てで行われるはずですからその辺は謎です。

いずれにせよ、この手の労働訴訟は医療訴訟と逆で訴訟にさえ打って出れば原告側がかなり有利ですし、原告医師も確信犯的に和解を拒むと考えられますから、判決が下ると大変な騒ぎになるのは間違いありません。あれからでも勤務医の意識は相当変わっていますから、奈良のボヤでは終わらず、全国に飛び火すると思います。

a102005a102005 2008/03/25 18:30 Y県公立病院を資料つきで基準局に垂れ込んでみました。
結果がどうなるか分かりませんがw

2008-03-23 京都心タンポナーゼ訴訟

平成18(ワ)1394損害賠償請求事件・医療過誤が正式名称で、京都地方裁判所 第1民事部が担当し裁判長は井戸謙一氏、裁判官は土井文美氏、大川潤子氏となっています。全文で33ページと割り箸の半分以下ですがボリュームはあるので、頑張って読んでいきます。

まず事故の発端ですが、

亡D(昭和22年7月6日生)は,平成17年2月21日(以下,特に断らない限り,日付のみ記載のものは,平成17年2月のものである。)午後3時過ぎ,自らが運転していた2トントラックを上り坂に駐車する際,サイドブレーキを引くのを忘れ,降車後,同トラックが後方に動き始めたことに気付き,これを止めようとして,同トラック後部とその後方に駐車していた乗用車前部との間に挟まれ(以下「本件事故」という。),同日午後4時ころ,被告病院に救急搬入された。

 亡Dとは死亡した患者でどうやら自損事故だったようです。次に病院搬送時の検査治療です。

 亡Dは,被告病院救命救急科外来で,「左足関節開放性脱臼骨折」と診断された。亡Dは,被告病院搬入時,意識清明であり,頭頸部に異常なく,胸部に圧痛なく,呼吸音は左右差なく清であり,上肢の可動性は良好で,腹壁は平坦で軟らかく,腸管の蠕動音は正常で,骨盤の動揺はなく,直腸,前立腺,肛門括約筋,右下肢等に異常はなかった。

 亡Dに対しては,胸腹部のFAST(心嚢,腹腔及び胸腔の液体貯留の検索を目的とした迅速簡易超音波検査法,以下「搬入時FAST」という。),胸部正面仰臥位X線単純撮影(以下「搬入時胸部X線撮影」という。),腹部臥位,骨盤,足,膝関節等のX線単純撮影,12誘導心電図検査(以下「第1回12誘導心電図検査」という。)等が実施され,上記の胸部正面仰臥位単純撮影によって,左第6肋骨側胸部に骨折が認められた。

 被告病院救急救命科医師は,速やかに左足関節の脱臼観血的整復術を実施する必要があると判断した。

救急科外来で行われた検査として、

  1. 搬入時FAST
  2. 腹部臥位,骨盤,足,膝関節等のX線単純撮影
  3. 12誘導心電図検査

これらが行われ、

  • 左足関節開放性脱臼骨折
  • 左第6肋骨側胸部に骨折

この二つ発見されています。他の所見は診察所見も含めて異常がなく、左足関節開放性脱臼骨折の治療の必要を判断されたようです。手術は行なわれたのですが、術中も含め何度か痛みを訴えています。詳しくは判決文を読んでもらいたいのですが、まとめると、


時刻 部位 処置
18:10 背部痛 鎮痛剤
手術中

19:40〜23:50

左胸部痛 鎮痛剤
0:15 背部痛 自制内
0:30 左前胸部痛 自制内
2:20 足及び左腰の痛み
心窩部痛
ボルタレン坐薬
12誘導心電図
ガスター
5:30 足の痛み 鎮痛剤
6:00 心窩部痛 ガスター


2:20の心電図も異常な無しです。ただ6:00の時点の心窩部痛が改善しなかっために

午前6時45分ころ,E医師を呼んだ。E医師は,淡々血性の血尿を認めたが,腹部エコーでは明らかな所見はみられず,亡Dのバイタルサインにも異常がなかった。E医師は,血液検査を指示するとともに,胸腹部の造影CT検査を実施することとした。

記事にあった朝の検査は6:45に決断され胸腹部の造影CTが選択されたことがわかります。検査の結果ですが、

同日午前7時10分ころ,亡Dは出棟して本件造影CT検査を受けた。その結果,心嚢に血液が貯留していること及び左血胸があることが判明した。午前7時28分に撮影されたCT画像(乙A3)によれば,心嚢液の厚みは1cm以上に及び,心嚢液中には,血腫若しくは凝血塊が存在することが読み取れた。

ここで初めて心嚢液の貯留と左血胸を発見することになります。時刻は7:28として良いかと思います。患者は7:40に帰室しています。ここから事態は急変します。

 同日午前8時10分ころ,亡Dにチアノーゼが生じたため,酸素吸入が開始された。血圧は100ないし110台であった。心窩部痛及び腰痛は持続しており,鎮痛剤が投与された。同日午前8時25分,亡Dについて,「血胸」「肋骨骨折」「心タンポナーデ」がそれぞれ病名登録された。

 同日午前8時30分ころ,胸腔に左トロッカーカテーテルが挿入された。その後,急に血圧が下がって測定不能となり,橈骨動脈の脈拍に触れることもできなくなり,意識レベルは,ジャパンコーマスケールで?−3(覚醒はしているが,自分の名前,生年月日が言えないレベル)の状態となった。

8:10にチアノーゼが出現、8:30には血圧の急激な低下と意識障害が出現しています。左のトロッカーは血胸対策と考えて良いかと思います。

 同日午前8時50分ころ,亡Dの呼吸は浅く,アンビューバッグによって人工呼吸が行われ,ブミネートポンピングがなされ,ドーパミン製剤(昇圧剤)及びアルブミン製剤(血液製剤)が投与され,気管内挿管が施行された。

 同日午前8時57分ころ,血圧は30ないし40台であり,頚動脈を触知できなかった。心臓マッサージが開始され,心臓マッサージを受けながら,亡Dは,手術室へ移動した。

ところで7:28に心嚢液の貯留と左血胸を発見した後、病院側が何をしていたかですが、

 心嚢液貯留を確認したE医師は,被告病院心臓外科のG医師と協議し,心臓外科において開胸手術により心嚢液を排液することとした。そして,同病院心臓外科の医師は,インフォームドコンセントをするために,亡Dの家族に電話をかけて被告病院に呼び出したが,到着まで1時間程度を要するとの回答であったため,家族の到着を待って手術を開始することとした。

 そして,手術室の確保,麻酔科,外科チーム等の人員確保,輸液及び輸血,各種検査の手配,心機能,循環動態並びに貯留心嚢液の量及び性状の確認等のための心エコー検査等,緊急手術実施に向けた諸準備を行い,午前8時30分ころには,手術準備を整えたが,そのときに亡Dにショックが生じたのである。

7:28に心嚢液貯留を発見後、心臓外科医と協議し、手術準備にかかり、8:30にはスタンバイできていたことがわかります。もう一つ、患者家族は患者が病院入院後帰宅していた事もわかります。病院まで約1時間となってますから、8:30の急変時に病院に居合わせていたかどうかはわかりません。それとトロッカーですがこれは患者のショックに対する治療の一環として行なわれたのではなく、開胸手術の準備の一つとして行なわれたと考えて良さそうです。

ショック治療なんですが判決文を信じれば、


時刻 症状 処置
8:10 チアノーゼ 酸素投与
8:30頃 * トロッカー挿入
8:30後 血圧低下、意識障害 *
8:50 呼吸浅迫 アンビュー呼吸
昇圧剤。血液製剤投与
気管内挿管
8:57 血圧30〜40 心臓マッサージ
9:02 * 手術室入室


この経過から考えるとトロッカー挿入後も、ほんのしばらくは酸素投与程度で安定していたと考えることもできます。そうでないとICU内で20分間も急に血圧が下がったのに何もしていなかったことになります。もっともこの部分の記述は「争いの無い事実」であり、実際は8:30からショック治療は展開されていたが事実認定されていないとも考えられます。8:30にショックが起こり、9:02に手術室に入室するまでの間で、8:30〜8:50までの20分間に「放置された」が争点に浮上していない事を考えると、単に事実認定されなかったと考える方が妥当とかと考えます。

手術経過ですが、

 亡Dは,同日午前9時2分に手術室に入室した。同日午前9時4分から午前11時48分までの間,被告病院心臓血管外科医師により,亡Dに対し,開胸(正中切開)による心タンポナーデ解除術が施行された(以下「本件開胸手術」という。)。

 左第6ないし第8肋骨に1か所ずつ骨折があり,心臓には肋骨骨折によって生じた小骨片1本が刺さっており,左室心尖部に約3cmの裂創があったが,出血は既に止まっていた。

 心嚢切開により,心嚢内出血約430ミリリットルが排出された。また,トロッカーカテーテルによって,胸腔から360ミリリットルの血液が排出された。術前から心停止状態であったが,心タンポナーデが解除された後,自己心拍が再開した。心停止時間は約20分間に及んだ。

要点と考えられるのは、

  • 心臓には肋骨骨折によって生じた小骨片1本が刺さっており,左室心尖部に約3cmの裂創があった
  • 心嚢内出血約430ミリリットルが排出された。また,トロッカーカテーテルによって,胸腔から360ミリリットルの血液が排出された
  • 心停止時間は約20分間

心嚢液の貯留及び左血胸の原因は骨片が突き刺さったと考えたいところですが、判決文だけでは左室心尖部の3cmの裂創との関連性は不明です。術後ですが、

 亡Dは,本件開胸手術後,CT,脳波,ABR検査(脳誘発電位検査)等を受け,「低酸素脳症による脳死」と診断された。心停止中に有効な脳血流が保たれておらず,低酸素脳症になったと考えられた。

 その後,亡Dに対して脳保護のための低体温療法等の治療が続けられたが,平成17年3月4日午前10時40分,亡Dは死亡した。

患者が受傷したのが2/21、手術が2/22、死亡が3/4ですから受傷から11日目、手術から10日目に死亡した事になります。

ここで原告側の主張をまとめてみます。

  1. 心嚢液を排液すべき時期はいつか

    • 心嚢液貯留がある場合,心嚢液の増加傾向が認められた時点で,心嚢液排液を行うべきである。
    • 本件では,22日午前0時30分までには,亡Dに心嚢液貯留が生じており,同日午前2時20分には,心嚢液が増加しており,その後も時間の経過とともに心嚢液は増加していたものと考えられる。そうすると,22日午前2時20分以降,なるべく速やかに心嚢液の排液がなされるべきであった。

  2. 22日午前7時28分ころの心嚢液の発見前に排液措置をとらなかったことについて,被告病院医師の過失の有無

    • 被告病院医師は,22日午前0時30分,午前2時20分,午前6時及び午前6時45分に心エコー検査を実施すべき義務があり,22日午前0 時30分の心嚢液貯留,午前2時20分及びその後の心嚢液の増加は,これらの時点で心エコー検査を行っていれば発見することができたのに,こ れを怠ったため,被告病院医師は,心嚢液の貯留及び増加を把握できず,午前2時20分ないしその後速やかに排液措置をとることができなかった。
    • 上記各時点で心エコー検査を実施すべき義務があった理由は,次のとおりである。

      1. 本件のように,患者の胸郭に強力な鈍的外力が加わった場合,鈍的心損傷により心タンポナーデを発症する可能性があることに注意し,継続的に心エコー検査を実施し,心嚢液の貯留につき経過観察を行う必要がある。
      2. 搬入時胸部X線撮影において,肋骨骨折とともに心陰影の拡大が認められ,心拡大が生じているものと判断された。
      3. 第1回12誘導心電図検査において,STの上昇がみられた。これは,心筋障害を疑わせる。第2回12誘導心電図検査では,STの上昇幅が更に拡大していた。
      4. 心嚢液が溜まると心外膜が圧迫され,心窩部痛が起こることがあるところ,亡Dは,21日被告病院への搬入時,左季肋部の痛みを訴え,22日午前0時30分には,左前胸部痛を訴え,同日午前2時20分には心窩部痛を訴えていた。また,同日午前6時からは継続して心窩部痛を訴えていた。
      5. 亡Dの受傷経過や肋骨骨折があったことからすれば,被告病院医師は,胸部鈍的外傷への視点を持ち,全体の診療をどのように進めるかという計画的な診療計画を設定し,個別の診察結果を総合的に判断しつつ経過観察すべきであった。そして,STの上昇,心陰影の拡大,心窩部痛等の徴候に着目すれば,心嚢液貯留の可能性が認められるから,被告病院医師は,亡Dが左前胸部痛を訴えた22日午前0時30分の時点,亡Dが心窩部痛を訴え,第2回12誘導心電図検査でSTの上昇幅の拡大が認められた22日午前2時20分の時点,一旦入眠した亡Dが再び心窩部痛を訴えた同日午前6時の時点,E医師が異変を感じて本件造影CT検査の実施を決めた同日午前6時45分の時点でそれぞれ心エコー検査を実施して,心嚢液貯留の有無を確認するべきであった。

        しかるに,被告病院医師は,胸部鈍的外傷の視点を持たず,上記各徴候を軽視して,上記各時点で心エコー検査をするべき義務に違反した。被告病院医師が胸部鈍的外傷の視点を持っていなかったことは,血液検査によってトロポニンなる蛋白の湧出,CK−MBなる酵素の上昇をチェックしていないこと(心外傷や心筋損傷を判別するために最も鋭敏と言われている)にも現れている。

  3. 22日午前7時28分ころの心嚢液の発見後,排液措置が遅れたことについて,被告病院医師の過失の有無

    • 22日午前7時28分に胸部CT検査で亡Dに心嚢液貯留が認められたから,被告病院医師には,緊急に心嚢液の排液措置をとる義務があったのに,同医師はこれを怠った。
    • 亡Dは,同日8時30分過ぎにショックに陥ったが,その時点では,既に手術の準備はできていたから,被告病院医師には,直ちに心嚢液の排液措置をとる義務があったのに,同医師は,これを怠った。

  4. 被告病院医師の過失と亡Dの死亡との因果関係
    • 被告病院医師が22日午前0時30分,午前2時20分,午前6時,午前6時45分に心エコー検査をしていれば,そのころまでに心嚢液の貯留及び増加を発見でき,排液措置をするべきとの正しい判断をすれば,速やかな措置によって,亡Dがショックに陥った午前8時30分過ぎまでに心嚢液を排液することができ,亡Dを救命することができた。
    • 22日午前7時28分に胸部CT検査で心嚢液貯留が認められた後,被告病院医師が即座に排液措置をとることを決定すれば,午前7時43分ころには手術に着手できたから,亡Dを救命できた。
    • 22日午前8時30分過ぎに亡Dがショックに陥った後,被告病院医師が直ちに手術に着手すれば,10分程度で心嚢液を排液できたから,亡Dを救命できた。

訴訟ですからこれぐらいは主張するでしょうが、裁判所の判断として1〜3は退けられています。お時間と余裕があれば判決文をお読みください。ごく簡単にはショックが起こるまでの治療は問題無しと判断されています。裁判所が問題としたのは4.の最後の一項目です。

 午前8時30分ころ,既に手術準備は整っていた。そのころ亡Dの左胸腔にトロッカーカテーテルが挿入された。その後,亡Dの血圧が急に低下し,亡Dはショック状態となった。被告病院医師は,直ちに開胸手術に着手するのではなく,第2の2(2)エ記載のように,人工呼吸,薬剤の投与,気管内挿管,心臓マッサージ等に時間を費し,ようやく午前9時2分に手術室に入室し,午前9時4分から開胸手術が実施された。

この部分の指摘を前提にして、

 次に原告らは,午前8時30分ころには手術の準備が整っていたから,午前8時30分過ぎに亡Dがショックに陥った際,被告病院医師には,直ちに心嚢液の排液措置をとる義務があった旨主張するところ,なるほど,亡Dがショックに陥った時点において,その原因が心タンポナーデであることが明らかであり,心嚢液を排液して心タンポナーデを解除しなければショックから回復させるのは困難であるし,排液できればショックから回復することが十分期待できたというべきであるから,被告病院医師としては,何よりも優先して心嚢液の排液措置に取り組むべきであったというべきである。

 この点は,証人Fも,排液措置を緊急にせざるを得ない旨供述しているところである(尋問調書46頁)。しかるに,被告病院医師は,人工呼吸,薬剤の投与,気管内挿管等に時間を費やして心嚢液の排液措置を後回しにした結果(しかも,被告病院医師がしたこれらの措置は功を奏せず,後記のとおり,午前8時50分ころには亡Dは心停止に至った。),亡Dがショックに陥ってから排液措置に着手するまでに約30分もの時間を費やしたのであって,これは,医療水準に応じた診療行為とは言い難く,過失という評価を免れないというべきである。

8:30頃にショックが起こっていたときにわかっていた情報として、

  1. 心嚢液の貯留、左血胸
  2. 手術室はスタンバイ状態

ここでショックの原因として心タンポナーゼを考えるのは常識であり、ショック治療のためには心タンポナーゼを解除する以外手段が無いという事実認定をしていると考えます。さらに心タンポナーゼ解除を行なうための手術室のスタンバイは完了しており、いつでも手術が行なえる状態であったと裁判所の判断はなされていると考えます。

それなのに病院側は30分もの間

  1. 人工呼吸
  2. 薬剤の投与
  3. 気管内挿管等

こういう無駄な治療を行なった挙句、

    被告病院医師がしたこれらの措置は功を奏せず,後記のとおり,午前8時50分ころには亡Dは心停止に至った

これは

    医療水準に応じた診療行為とは言い難く

とし過失認定されています。

裁判所の判断の正しさを補強するものとしては、心停止状態で手術室に運ばれたにも関らず心嚢液の排除により心拍は回復しており、さらに心停止時間20分により低酸素脳症を引き起こしているのだから、ショックを起した時点で間髪を入れずに手術室に運び込むのが医師なら誰でも分かる正しい判断としているかと考えます。

そのうえで裁判所はより注意深く判断を重ねています。

  • 心停止時間と蘇生率の関係については,3分間で50%程度,10分間を超えると殆ど零%に近くなることは,一般的な認識であるといってよいと思われる。そうすると,本件において,被告病院医師が亡Dにショックが発生したことを確認後,直ちに心嚢液の排液措置をとった場合に,午前8時50分ないしその後数分以内に排液することができたかを検討しなければならない。

  • 証拠〔証人E(38,39頁)〕によると,被告病院において,ICUから手術室に患者を移動させるために要する時間は,モニター等をつけた状態で安全を図って移動させる場合は少なくとも20分,そうでなく,最短時間で運ぶのであっても5分程度は要することが認められる。

  • そうすると,亡Dのショックを確認した後,被告病院医師が直ちに開胸手術を施行することを決めたとしても,その実施までに10分程度は要したと考えられること,手術に着手してから心嚢液を排除するまで数分を要することを併せ考えると,午前8時50分までに亡Dの自己心拍を再開させるのは困難であり,午前8時50分以後,なお数分間を要したと考えられる。

こういう考察を加えた上で、

 被告病院医師の上記過失がなかった場合,亡Dを救命できた高度の蓋然性を認めることはできない。しかし,心停止時間は現実の20分間よりも短くて済んだことは明らかであるから,亡Dが死亡した平成17年3月4日においてもなお生存していた相当程度の可能性はあるというべきである。

ちょっと話が煩雑なんですが、病院側の30分の過失がなくとも救命のための「高度の蓋然性」は認められないとしています。「高度の蓋然性」が求められなかったので過失はあったが因果関係は認められないとしています。しかし「高度の蓋然性」は認められなくとも「相当程度の可能性」は認定しています。「高度の蓋然性」と「相当程度の可能性」にどんな差があるか分からないのですが、「相当程度の可能性」がある時の考え方を提示しています。

 疾病のため死亡した患者の診療に当たった医師の医療行為が,その過失により,当時の医療水準にかなったものでなかった場合において,その医療行為と患者の死亡との間の因果関係の存在は証明されないけれども,医療水準にかなった医療が行われていたならば,患者がその死亡の時点においてなお生存していた相当程度の可能性の存在が証明されるときは,医師は患者に対し,不法行為による損害を賠償する責任を負うものと解するのが相当である。(最高裁判所平成12年9月22日第二小法廷判決・民集54巻7号2574頁参照)

 よって,被告は,民法715条によって,亡Dが死亡の時点でなお生存していた相当程度の可能性を侵害されたことによって生じた損害を賠償する責任がある。

ここは私も勉強不足の判例があるようです。訴訟では因果関係の証明が無ければ責任は無いと単純に考えていましたが、因果関係の証明でよく使われる「高度の蓋然性」ではなく「相当程度の可能性」であっても

    (医師は)不法行為による損害を賠償する責任を負うものと解するのが相当である。

引用される最高裁判決ですからこれは絶対の基準と考えてよいでしょう。最後に結論部分です。

被告病院医師の過失と亡Dの死亡との間に因果関係が認められないから,亡Dの死亡を前提とする亡Dの損害及び原告らの損害を認めることはできない。

損害賠償は認められないとまずしていますが、

しかしながら,亡Dは,死亡の時点でなお生存していた可能性を奪われたことにより精神的苦痛を被ったものと認められる。そして,その慰謝料の金額について検討する

損害賠償ではなく「相当程度の可能性」に対する慰謝料の認定と考えるのだと思います。

 よって,原告らの本訴各請求は,原告Aについて550万円,原告B及び同Cについて各275万円並びにこれらに対する不法行為による損害発生の日である平成17年3月4日から支払済みまで,民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で正当として認容するべきであり,その余は失当として棄却するべきである。

そうそういつも質問にあるのでこれも付け加えておきます。

訴訟費用は,これを7分し,その6を原告らの負担とし,その余を被告の負担とする。

もともとの患者側の慰謝料、弁護士費用の請求ですが、

ウ慰謝料

 (ア) 亡D 3000万円

 (イ) 原告A 500万円

 (ウ) 原告B及び原告C 各250万円

エ弁護士費用691万4547円

弁護士費用としては,アないしウの小計6914万5470円の1割が相当である。

弁護士費用は6/7が原告負担となっていますから、592万6778円が原告負担となり金利を別にすれば慰謝料との差し引きは507万3223円。医療から見れば問題点を含む裁判ですが、民事訴訟ビジネスからすればどんなものでしょうか。原告側の主張の勢いからすれば二審は展開されそうですから、一番儲かるのはやっぱり・・・ですね。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/23 11:18 心タンポナーデに遭遇したら、とにかく穿刺はしろ、不作為なチキンは罰する。ってことですね。穿刺じゃ駄目だ、開窓術でなければ、という判断の有無にかかわらず。

地雷を回避できた方法としては、
1)家族到着を待たずに、心外オペ開始。←これが救命蓋然性いちばん高かった?
2)血圧低下時に、心のう穿刺、形だけでもとにかくやっておく。←救命はできなかったかも・・

1)は、あとでのトラブル考えると気が重くなります・・判決も、ここを指摘して賠償命じてはいないし。2)は、駄目だと思っても、とにかく、手順・マニュアルにある以上は従え、ということなんでしょうか。
以前、脳外の先生が当直時に心タンポ穿刺しなくて訴えられたケースとちがって、今回は救急の本職、プロ中のプロがやって咎められてるわけです。「釈迦の耳に念仏」みたいな判決ですね・・

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/23 11:24 続き)
>手順・マニュアルにある以上は従え
ひょっとしたら、この、手順・マニュアルを作った先生方自身が訴えられたってことなのかも。。もしそうなら何とも皮肉ですが。

考えすぎかもしれませんが、医療が定食メニュー化、硬直化しそうな、なんとなく嫌ーな予感のする判決です。。

bosszaru21bosszaru21 2008/03/23 13:15 ショックになったらとりあえず挿管してvolume入れてカテコラミンでしばきあげて時間を稼いでから次の手を考える、ということはERやORではよくあると思います。

これらを省略してショックの患者を手術室に搬送するのは(たとえ心タンポナーデと判っていても)かなり勇気がいるはずで、それを不法行為といわれちゃたまんねえです。

さらにその不法行為と死亡の因果関係が証明されなくても損害を賠償する責任があるというなら、いちゃもんつけ放題。救急などやっていられないといういつもの結論になりますね。

被告病院は小生の実家の近くなのでこれを機に救急撤退などということになったら大変困るのですが。

YosyanYosyan 2008/03/23 13:38 判決文を読みながら裁判官の心証を考えていたのですが、今回は結果から遡っての徴候の見逃しミスは相当部分排除されています。エントリー自体が長さの関係で説明不足になっているのですが、患者の症状の訴えと心嚢液貯留への注意責任義務は認めていません。また心嚢液の貯留から手術への移行手順も妥当としています。

心証が動いたところは

 ・心タンポが手術で解消され心拍が回復した事
 ・それ以外のショック対応処置では症状が悪化した事

この二つが結び合って「不要な処置による過失」が出てきたように思います。手術は心肺停止状態でもできたのだから、ショック治療をICUで行なったことが無駄の結論です。病院にとって不幸な事は手術準備が出来ていた事と、手術の結果心拍が回復した事ではないでしょうか。

もちろん手術準備が手間取っていればそれはそれで難癖はつけられるかもしれませんが、せめて手術でも心拍が回復しなければここまでにならなかったかもしれません。どうもそんな風に感じてならないと思いました。

TOMTOM 2008/03/23 14:57  この裁判官(と原告)は、ショック状態で気道確保もできてない患者を、ショックと判定後op室に直ちに運んだとして、そのまま0秒で手術が始められる、という風に考えているとしか読めません。勿論そんな事はなく、挿管もしてなければ心停止で血圧も出てない患者に直ちにメスが入れられるわけありません。op室入室後・術式開始前に、そこで挿管とか心マとかするだけの話で、術前に30分程度はどうしても消費します。そういう修羅場でop室の清潔性が損なわれる件は触れないにしても、です。
 つまりこの裁判から医療関係者が汲み取る教訓は、どうせやらなきゃならない抗ショック治療とかはショック判定後直ちにその場で行うのではなく、のんびりと部外者に事情のわかりにくいop室に入れちゃってから、ブラックボックスの中で行った方がよい、という結論です。あれ?...

 それにしても(勿論私は過失とは思いませんが)「過失と死亡に因果関係がない」から損害賠償はなしで、「もしかしたらもうちょっと生きてたかもしれないじゃん」で慰謝料、って、典型的な「大岡裁き」ですね。「精神的苦痛」と言うなら、こんな裁判ばかりでへとへとになってる我々の苦痛は、一体誰が購ってくれるのでしょうか...

HekichinHekichin 2008/03/23 15:05 「大岡裁き」いうか、退官後、悠々自適な生活を送るための「種まき判決」でしょう。「井戸謙一、土井文美、大川潤子」この3名が裁判官を退職後、どのような訴訟に関わる弁護士になるのかがとっても楽しみです。

海外逃亡中海外逃亡中 2008/03/23 16:04 初めてコメントを送らせて頂きます。いつもYosyan先生をはじめ皆様の御意見に感服いたしております。

「亡Dが死亡した平成17年3月4日においてもなお生存していた相当程度の可能性はあるというべきである。」ですが、どうにも納得いきません。よい例が浮かばないのですが、たとえば早期肺がんで5年生存率90%の人が、手術を受けて術前に説明を受けていなかった(予期せぬ)合併症で1ヵ月後に死亡した場合、「もし手術をしなかったら、術後1ヶ月の死亡した時点においてもなお生存していた相当程度の可能性はある。」となり、医師が訴えられた場合には、賠償責任が発生するとも言えるのでしょうか?

また、「心臓には肋骨骨折によって生じた小骨片1本が刺さっており,左室心尖部に約3cmの裂創があった」ですが、これは受傷時ではなく、CPRのときに起こった可能性も高いのではないかと思いますが、いかがでしょうか?

長時間のCPR後、心臓の拍動が再開するだけなら、よくあることです。そのあたりの臨床的事実は裁判で如何に考慮されるのでしょうか?

ますます日本に帰るのが怖くなってきています。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/23 16:10 この判決のキモは、8時30分、トロッカーが挿入される前後のショックに対して、心タンポ解除の処置である心嚢穿刺が行われなかった、ことを過失としているところだと思います。ICUでショックの処置がなされてオペ室搬送が遅れたことではなく、ショックに対して有効とされている処置がICUでとられなかったことだと解します。
しかし、先日来のコメント欄にもありましたように、外傷による心タンポというのは、心嚢穿刺ごときで解除できることは少なく、担当医は救急のプロですから、そのことを承知で、8時30分以降は一刻も早く心膜開窓術に持っていくしかない、そのための全麻準備として、挿管などに時間を費やしたようにわたしには読めます。
しかし、JATECすなわち、外傷初期診療のビギナー向け講習テキストには、心タンポによる閉塞性ショックにはただちに心嚢穿刺、と金科玉条として書かれてますから、それを額面通りこのケースに当てはめると、担当医には過失があった、となるのだと思います。
問題は、この担当医は、救急科のプロであり、自分の経験則にしたがって、ビギナー向けのテキストから逸脱した判断をしても、許されるべき立場ではないのか?と思われるところ、あくまで(緊急時であっても)そのような判断は許されぬ、と司法が判断した点にあるのではないでしょうか。
ですから「釈迦に説法の判決だ」と思うわけです。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/23 16:23 >CPRのときに起こった可能性も高いのではないか

わたしは、肋骨は受傷時に既に心膜・心筋を貫いており、初療時にはなかった心嚢内血液貯留が、じわじわと翌朝までに貯まり、その時点では緊急性は無かったが、トロッカーを入れて胸腔内陰圧になったのをきっかけに、急激に出血してきたものだと思います。
そうでなければ、そもそもこれだけの心タンポが起こりようがないじゃないですか?

上に書いた続きですが、ガイドラインとかテキストとかが、医療をどのように拘束するのか、すなわち、ガイドラインが、どんなレベルの医療者を想定して、どの程度の例外がありうると考えるのか、を個別に示していく必要があると思います。非専門家たちには、そこのところが判りにくいのではないでしょうか?

YosyanYosyan 2008/03/23 17:13 moto様

心嚢穿刺ですが私の読解が浅いのかもしれませんが、

『心嚢液の排液措置のうち,準備時間は心嚢穿刺の方法が最も短いと考えられるが,被告病院医師は,(1)アに記載した理由で開胸手術の方法を選択したのであって,その決定をした当時も未だ差し迫った緊急性があると判断するべき事情はなかったから,その判断も相当であったというべきである。なお,証拠(甲B2)によると,心嚢内の凝血塊に穿刺針が刺入した場合は,血液を吸引できないことがあることが認められるところ,亡Dの心嚢液中には,血腫若しくは凝血塊が存在していたから,その点においても,心嚢穿刺の方法は相当でなかったというべきである。』

また(1)アの理由とは、

『本件造影CT検査で心嚢液貯留及び左血胸に気付いたE医師は,同日午前7時40分ころ,CT室から被告病院循環器科当直のG医師に電話で連絡した。亡DとE医師がICUに帰室すると,G医師が待機していた。E医師はG医師と相談の上,?心嚢液貯留の原因が外傷であり,止血と損傷部位の修復をする必要があること,?バイタルサインが安定しており,緊急に排液が必要な状況ではないこと等から,開胸手術によって心嚢液を排除することを決定し,そのための準備を進めることとした。』

もっとも

『亡Dがショックに陥った時点において,その原因が心タンポナーデであることが明らかであり,心嚢液を排液して心タンポナーデを解除しなければショックから回復させるのは困難であるし,排液できればショックから回復することが十分期待できたというべきであるから,被告病院医師としては,何よりも優先して心嚢液の排液措置に取り組むべきであったというべきである。』

ここを心嚢穿刺の話に関連付けられない事はありませんが、心嚢穿刺と言う選択をしなかったことを判決文では過失とせず、あくまでも心タンポ解除のために準備できていた手術室に放り込む事の遅れを指摘しているように私は読めます。

もっとも手術室の準備が出来ていなかったら心嚢穿刺の話が出てきた可能性は十分あります。心嚢内の貯留液が血腫や凝血塊が多かったのは手術で判明した事であり、死後解剖無しに裁判となったらこれは不明となっていると考えられるからです。

ところでこれは異状死に当るのでしょうか、また診療関連死として届け出なければならない症例に該当するのでしょうか。これもフッと気になるところです。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/23 17:34 Yosyan様

>『亡Dがショックに陥った時点において,・・
>ここを心嚢穿刺の話に関連付けられない事はありませんが

まさに、心嚢穿刺のことを言っているのだと思いますよ。駄目でもとにかくショックになった以上は、やらなかったのは手落ちだ、と言っています。
このくだり以外は、病院側の主張がほぼ全面的に認められています。

心タンポの確定診断がついた7時28分と、ショックが急激に進行した8時30分とは、裁判所の判断が明確に分けられています。ショックを起こしていないただの心タンポだけのときには、穿刺は効果を期待できないからしなくても良いが、ショックを起こした8時30分以降には、ショックを解除できる可能性があるから、穿刺しなかったのは過失、と言っているのだと思います。
これは、論理として、一見矛盾していないように思えますが、現場的にはナンセンスと判断される余地があると思うのですが、救急の先生方いかがでしょうか?

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/23 17:45 続き)
・・ていうか、8時30分以降のは、心タンポじゃなくて心破裂じゃねーの?って思うんですが。。心膜破って血胸起こしてるわけだし。
カルテの病名欄に、最後に一言「心破裂」と書かなかった落ち度が825万円についた、ってことかも。

YosyanYosyan 2008/03/23 19:21 moto様

御指摘の点はごもっともなんですが、それなら8:30の時点で心嚢穿刺すべしとあからさまに書いても良さそうなものです。もっとも心嚢穿刺が有効で無かったとの結果が分かってますから、ここでだせば医師の責任を問えないので心嚢穿刺ではなく手術室への移動の遅れに過失をこじつけたと取れなくありません。

そうなると致死的な心タンポが起こった時点で詰んでいたとも考えられます。心嚢穿刺をしても効果は期待しにくいですから『しても』『しなくても』手術室への移動の遅れの責任を問われると考えます。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/23 20:31 Yosyan様

判決文読み直してみましたが、なるほどYosyan先生の説のほうが当たってるのかもですねー。ショック発現までは猶予をみとめるが、ショック以降は、心停止+数分までの間に、とにかく心タンポを解除しろ、言い訳は許さん、というJBMのような気がしてきました。。
そうすると、救急の先生としては、どうするといいんだろ?外傷性の心タンポナーデでショックになったら、
1)とにかくオペ室までベッドを送る。
2)ベッドサイドで開胸。
のどちらかですか。

訴訟のきっかけは、たぶん、心タンポ見つけて家族に電話したときに「バイタルはいまのところ安定してるから大丈夫」みたいに話して、その後急変したところが納得いかなかったんじゃないかなあ。ワーストシナリオで、ムンテラかけるべき、との鉄則が教訓でしょうか?

damejidameji 2008/03/23 20:46 「最高裁判所平成12年9月22日第二小法廷判決」ですが、”民間医局”が解説してくれてます。相当程度の可能性って、だいたい20%ぐらいみたいです。
http://www.doctor-agent.com/da/member/service/knowledge_malpractice_detail?mode=preview&id=52
それから、「相当程度の可能性」自体が医療訴訟の原告救済目的の様なので、因果関係がどうとか別に要らないんじゃないかと思います。
富山大学経済学部准教授:橋口賢一さん(研究テーマ:医師責任法の研究)の書いたものが参考になると思います。
http://utomir.lib.u-toyama.ac.jp/dspace/bitstream/10110/1881/1/0733005207.pdf

Med_LawMed_Law 2008/03/23 21:04
ここでいう『なおも生存していた相当程度の可能性』とは、処置の過失を認定した上での、20%相当の可能性を指すようです。

この事例の場合の問題点は2つ
1) 心裂傷があるのでは、『相当程度の延命可能性』すら存在しなかったということ
2) 『相当程度の延命の可能性』なのに容認賠償金が1100円と高額であること

1)が不当なのは、医師なら誰でも思うことで、こんな事例で賠償責任が生じるのであれば、賠償責任に応じた治療代を請求できなければ、業として医療を行うのは、経済原理に反することになります。
damejiさんのご指摘の通りです。

2)についてですが、相場は、100‐300万円であり、見舞金+α程度に留まります。
********************
具体的な慰謝料額としては、200万円〜300万円とする例が多く、概ね100万円〜500万円の範囲に分布し、その中でも100万円〜300万円の低額部分に集中しているとのことです(結果との間の因果関係を否定しながら慰謝料を認めた類型・いわゆる期待権ないし延命利益侵害等の名目で慰謝料を認めた類型)。
http://www.yonekawa-lo.com/iryoseizon1.htm
***************************
もともと、因果関係ある違法性の高いものだったら、数百万円レベルの賠償では終わらないので、筋が悪い案件の救済策としての”延命可能性”策です。
これで1100万円とは、相場を超えた容認額と言えます。これには、医療行為に対する強い非難がなければ容認されない金額です。

京都地裁のこの判事は狂っているとしか言いようがありません
高裁で徹底的に争ってもらいたいものです

請求棄却が当然の結末と信じてます

峰村健司峰村健司 2008/03/23 22:25 旅から戻ってネットチェックをしているところです。相当程度の可能性の判例、知りませんでした。勉強になりました、ありがとうございます。

uchitamauchitama 2008/03/24 00:40 交通外傷の事故で思うのは、家族は何故病院を訴えたのでしょうか?やっぱりお金目当てなのでしょうか?普通の人なら自己責任以外の何ものでもないと思うのですが。
相当程度の可能性が20%?7:3の確率で心嚢穿刺(手術)の適応を考えるような状況というのは医療ではよくあることに思えるのですが。所詮は結果論という感じです。結果が悪ければ、どっちを選んでもダメということです。既にどこか論理が破綻しているように思えるのですが。

通ります。通ります。 2008/03/24 01:29 相当程度の可能性、いわゆる期待権ってやつですな。
非常に重要なキーワードなんで、みんな学びましょう^^
でも、きっつい判決だな〜。

AnybodyAnybody 2008/03/24 09:56 期待権を重視し過ぎる傾向は感じますね。
逆に、医師の裁量権というのは死語になってしまったような気がするのですが、この辺はどうなのでしょうか。どなたか法律に詳しい先生がおられましたら、教えてください。

LTLT 2008/03/24 10:03 血胸に対してドレナージしたがために、再出血を誘発してvascular volumeが減少、心タンポをより急速に悪化させた。輸液負荷をしていなかったのか、穿刺の順番が違う、などの後出しジャンケンなのですかね。やってられないですね。

バビブベバビブベ 2008/03/26 14:11 誤解されているようなので、ちょっとだけ。

>訴訟費用は,これを7分し,その6を原告らの負担とし,その余を被告の負担とする。

ここでいう「訴訟費用」とは、弁護士に対する報酬を意味するものではありません。
訴訟費用に含まれるものはいろいろありますが、代表的なものは、訴状に貼る印紙代、裁判所から各当事者に郵便物を送るときの切手代、証人や鑑定人などの旅費日当などです。弁護士報酬(弁護士費用)は含まれません。

papipupepopapipupepo 2008/03/27 00:30 素人の素朴な質問ですが、搬入時に「胸部正面仰臥位単純撮影によって,左第6肋骨側胸部に骨折」が認められたのであれば、この骨折の状況(単にひびが入っているという状況ではなかったのではなかったのではないかと思います)から骨片が肺や心臓等の臓器に突き刺さっている可能性を認識して、骨片の探索などをしなくてもよかったのでしょうか?
 あるいは、骨片がX線画像に写っているはずだと思うのですか?
 さらに、心窩部痛から、骨片が心臓に突き刺さっている可能性を認識して、色々な角度から単純X線、CT、MRI等を撮影するべきだったとは言えないのでしょうか?

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080323

2008-03-22 福島事件求刑

いくつか報道があるのですが、もっとも臨場感がありそうなohMyNewsから拾ってみます。

記事によると検察は5時間もかかって読み上げたそうなので断片的なものであるのは致しかたありませんが、雰囲気だけでもわかると思いますから感想を交えながら、

「(用手剥離の)手指が入らないほど強い癒着胎盤だったのに、クーパーを使って無理な胎盤はく離を10分以上にわたって続け、次々とわき出るような出血を起こさせたのは、医師として基礎的な注意義務違反である」

これまでの産科医の見解では癒着胎盤は剥離して初めて診断が可能であるとの説明がなされていましたが、検察の癒着胎盤の診断基準は

    (用手剥離の)手指が入らない

この時点で診断できるとし、その程度の事は、

    医師として基礎的な注意義務違反である

では「(用手剥離の)手指が入らない」時にはどうしたらよいかですが、

「癒着胎盤の無理な剥離には大量出血のリスクがあるので、直ちに子宮摘出すべきというのは産婦人科医として基本的な知識。大量出血を予見する事情は多数存在したのに、回避しなかったのは、被告は医師として安易な判断をしたといえる」

なるほど検察側の定めた診断治療の基準は、

    (用手剥離の)手指が入らない → 即座に癒着胎盤を診断 → 子宮摘出

ここで検察側は「基礎的」と言う表現を使っていますから、とくに産科医であるなら常識的な知識としているようです。

「出産の喜びを期待して廊下で待っていた家族を、手術開始から4時間、何の説明もなく待たせ、いきなり『すみません、亡くなりました』と最悪の現実を突き付けた。それが遺族の厳しい感情を呼び起した」

癒着胎盤の剥離による大出血は20リットルに及んだと記憶しています。さらに輸血血液の手配から到着まで70分ほど必要だったとも記憶しています。4時間の間、被告産科医師は救命のために死力を尽くしていたのですが、それを中座して家族に説明しなかったのは極悪非道の所業と論じています。これは今回の症例だけに当てはまる話ではないと考えられ、あらゆる手術で危機的な状況に陥ったとき、手術を中断し「非常に危険な状態である」と家族への説明をしなければ非難される行為と検察は論じています。

「被告は、公判が始まって以降、自分の責任を回避するために、クーパー使用にいたった供述を変遷させた。なりふり構わず、事実をねじ曲げようとする被告人の言動からは、遺族に対する真摯な態度はうかがわれず、厳しく追及されるべきである」

クーパーをチョキチョキ切るハサミであるとの思い込みが裁判を通じて改まらなかった事を示しています。「クーパーとはチョキチョキ切るハサミ」と思い込み、そこからすべての話を展開構築しようと高圧的に怒鳴る人間を相手に説明方法を変える事は、

    供述を変遷させた

こうなると言う訳です。それとこれは純粋に立場の違いなんですが、検察は当然ですが被告産科医師を「120%有罪」としており、「120%有罪」の人間に残された道は情状酌量を求めるしかない理屈になり、

    遺族に対する真摯な態度はうかがわれず

こういう態度の人間は言語道断となるかと考えます。

「被告は、供述と公判では発言を変遷させている。自己の責任回避のための事実のねじまげで、信頼できない」

別に強調するほどのものではありませんが、拘置所に監禁し連日長時間の尋問を受けたら誰だっておかしくなります。心理的精神的な拷問と同じなのですが、その時の供述と平静を取り戻した時の相違が検察は許せないそうです。

「この事件に関しては日本産婦人科学会など多数の学会が抗議声明を出している。それらの団体に所属する医師の証言には、一定方向の力が働いている。結果ありきで任意性に劣る」

なるほど、なるほどです。被告側の証言も信用できないのなら検察側の証言も同様になります。検察側の医師も「それらの団体に所属する医師」に該当するかと思います。証人の信憑性を争うのは法廷戦術としてポピュラーなものなのかもしれませんが、医療裁判において学会が反対声明を出し、その所属員の証言がすべて信用できないとの戦術は興味深いものです。そこまで大風呂敷でくるんでしまうのも戦術として常識的なものなのでしょうか。

とにもかくにも裁判は大詰めに近づいてきました。今回の裁判は多くの医師が注目しており、さらに裁判中のあらゆるやり取りを熟知しています。正直なところこの内容で被告産科医師が負けるとは夢にも思いません。それでも負けるようなことがあればどういう結果をもたらすかは怖ろしくて書けません。息を殺して結果を見守りたいと思います。

桜井純一郎桜井純一郎 2008/03/22 08:58 それでも負けるようなことがあれば、私は産婦人科医をやめます。
医師までやめるかどうかは、その時にまた考えます。

と私自身は思っているのですが、多数の産婦人科医が同じく考えているでしょうね。

げんげんげんげん 2008/03/22 09:03 おはようございます。現役産婦人科医です。
論告求刑まで来ましたか。公判前整理をした割にけっこう時間がかかったような・・
判決はいつ頃になるのでしょうか。
この裁判が始まった頃から所属長に言ってありますが、
加藤医師が有罪になるようなら、産科の診療からは一切手を引きます。
婦人科だけでも、食うだけなら困りません。
実際には、まさか負けるとは思いませんが、
検察側の論告を見ると、心穏やかではありませんね。

サンクチュアリーサンクチュアリー 2008/03/22 09:10 兎にも角にも、禁固1年、罰金10万円を求刑するために逮捕???
逮捕権の乱用以外のなにものでもない!
コメントすることさえも腹の立つ事件。(語る価値なし〜検察ならびに警察)

うらぶれ内科うらぶれ内科 2008/03/22 09:27 検察はろくに証人の確保もできずに「一か八か」で起訴したらあきまヘンな。加藤医師が無罪判決を受けたなら、誰か責任とるんかいな。それとも誰も責任取らないでいいように裁判官殿は形だけの有罪を宣告するんでしょうか。そんなことになったら産科医がいなくなります・・・

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/22 09:49 >禁固1年、罰金10万円を求刑
裁判官に無罪判決を出すよう、せまっているのでしょう

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/22 09:52 母校の同窓会名簿が来ました。
…産科医になったはずのちゃらちゃらしてた予備校の先輩wが美容外科医になっててわろたw。
桜井純一郎先生、げんげん先生、
言いたかないけどそんな認識だから医療が崩壊するんです。K先生がタイホされた時点で辞めるべきだったのですよ。グリーンツーリズム先生の珠玉のコピペを貼っときますので100回読んで下さい。

俺は聞いた事があるぞ。「繁藤災害」とその顛末がそうだ。
多分ググッても出ないと思う。スマン、解説しよう。

俺の居た土佐県では、昔、繁藤と言う所で地すべりが起きた。
その後、二次災害も起きて、救助に当たっていた消防隊員が巻き添えになって死んだんだ。
で、その遺族が消防団長を訴えた。「団長は予見できた、それを怠り団員が死んだ」とな。

一審は遺族勝訴だ。その結果何が起こったと思う?
日本各地の田舎で消防団が解散したんだよ。団長のなり手が無くなったのさ。
考えても見ろ、自然災害の完全予測の義務付けだぞ。そんな重責、ギボ=アイコでも無理だ。

消防団の解散が各地で進んだその結果を見た高裁は、
「社会的影響」と言う観点から、二審では団長の責任を認めなかった。
「予測不能の天災」と結論付けたんだよ。

産科でも同じ。産科医が次々と逃散すれば、その「社会的影響」で無罪にする他無くなるんだって。

げんげんげんげん 2008/03/22 11:10 逮捕の時点で辞めるべきでしたか。そうですか。
全国の産婦人科医が今からでも遅くないから辞めろと・・
他科の医師から言われなくてもわかっていますが、
それぞれ、個人的な事情がありますからね。
どうでしょうかね。
簡単には辞められない産婦人科医も多いと思いますよ。

僻地医師僻地医師 2008/03/22 11:32 私は今話題の厚生労働省が暗に潰しにかかってきている総合内科医(笑)という奴です.CTもMRもなく,15年前のUSと聴診器で全て見つけて治さないと遠くの家族が換金ビジネスにぶっ飛んできますから,医療の限界って意味では似てる気もします.私も辞めてしまえと他の医師から言われます,そうした方が良いような気もしますが,辞められないのは個人的な事情と勇気の無さです.げんげん先生の気持ちが少しわかる気がします.

今まで培ってきた専門技術や知識(私の場合は消化器内視鏡ですが),人間関係を捨ててしまうのは結構勇気がいります.勇気を出して全部放り出してしまえばはたして楽になるんでしょうか?本気で僻地離脱と転科を考えているので,まだ見えぬ未来のことを考えると夜も寝れません.

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/22 11:49 わたしは、S59卒で、当初2年間内科で研修したのち、皮膚科転科した経験があったんで、その後事情が変わって美容外科転科した際も、心理的ハードルは少なかったです。転科って、面白いですよ・・できれば、人生、あと1〜2回転科したいと思っています。

転科したり、いまの職を捨てることで消滅してしまうような人間関係ってのは、それは、御自身に付いていた人間関係ではなく、現在の職に付いていた人間関係です。さほど価値あるものとは思えません。

日本の医師免許っていうのは、歯科以外は、なんでもできる資格ですからね。もっと自由に行き来していいような気がしますが・・知人の美容外科の先生は、そういえば歯科(インプラント)もやってます。歯科医免許はもってないんですが、アメリカのほうの講習うけて、厚労省に問い合わせたところ、「ときどきやる程度であればかまわない」んだそうです。
医局に属さなければ勉強できない悪い意味での徒弟制度は終わりつつあります。いまのような混沌した時代は、レールの上を走っていなくても、変に思われないですから、自由に好きな道を開拓したほうが楽しいのではないでしょうか。

とおりすがるとおりすがる 2008/03/22 12:55 今回の判決が、有罪だろうが無罪だろうが、裁判員制度がはじまり、刑事裁判はますます「庶民の処罰感情」の方向によっていくわけだし、検察審査会で2回起訴相当の判断が出ると自動的に起訴になる制度も決まってしまってますから、刑事裁判と医療の関係が、今後良い方向にむかう要素は無いように感じられます。あとは、どこまで逃げるかの問題でしかないんじゃないでしょうか。産科や外科、救急をやめるのか、医者も辞めてしまうのか・・・。
この国の司法制度が悪さしているのは、医療だけではなく、上に出ていた消防から、経済分野まで、コンプライアンス不況なんていうくらいで、どうしようもない無力感しかありません。
そのうち、産科医も激減して、どっかの国の社会奉仕みたいな判決が出るような時代が来るかもしれないですよね。「判決、被告人を有罪とし、社会奉仕として2年間の産科医勤務を命ずる」とか・・・

とおりすがるとおりすがる 2008/03/22 12:58 そのうち、産科医も激減して、残っている産科医は前科者ばかりになってしまって、どっかの国の社会奉仕みたいな判決が出るような時代が来るかもしれないですよね。「判決、被告人を有罪とし、社会奉仕として2年間の産科医勤務を命ずる」とか・・・

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/22 13:04 げんげん先生、
>それぞれ、個人的な事情がありますからね。
タイホや巨額賠償や過労死と引き換え可能な「個人的な事情」って何です?つーか、ご自分でおっしゃってるじゃないすか。
>婦人科だけでも、食うだけなら困りません。
なぜ今すぐそうしないんです?
>簡単には辞められない産婦人科医も多いと思いますよ。
敢えて断言しますがそう思い込んでるだけです。「動物のお医者さん」って漫画に、子犬の時からラジカセに繋がれてるもんだから成犬になっても「動かせない」と思い込んでる犬が出てきますがまさにそんな感じかと。産科医が勤まるくらいなら他のどんな仕事だって「ぬるい」ですよww。
僻地医師先生、
>今まで培ってきた専門技術や知識(私の場合は消化器内視鏡ですが),人間関係を捨ててしまうのは結構勇気がいります.勇気を出して全部放り出してしまえばはたして楽になるんでしょうか?
楽になります!(断言)moto-tclinic先生が以前おっしゃってましたがまさに「魔法が解ける」って感じです。私は株はやらんのですが、損切りって大事らしいですよw。
…まあ私は幸いにしてペーペーのまま逃げたので「今まで培ってきた専門技術や知識」なんてほぼ皆無。そういう意味では楽でしたがねww。

moto-tclinic先生
>転科したり、いまの職を捨てることで消滅してしまうような人間関係ってのは、それは、御自身に付いていた人間関係ではなく、現在の職に付いていた人間関係です。さほど価値あるものとは思えません。

御意!後ろ足で砂をかけるような不義理なドロッポして10年、当時の人間関係は完全に消滅しましたが困った事等一度もありません。

>日本の医師免許っていうのは、歯科以外は、なんでもできる資格ですからね。
さらに御意!ついでにゆーと有効求人率なんと6.59倍(ウロですが)!免許以外何の能もない私が遊んで暮らせるくらいのww稀少資格です。何故もっと有効に使わないのでしょうかねえ。

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/22 13:41 偶然か?

> 3月21日、大本営は硫黄島玉砕を発表した。「17日夜半ヲ期シ最高指導官ヲ陣頭ニ皇国ノ必勝ト安泰トヲ祈念シツツ全員壮烈ナル総攻撃ヲ敢行ストノ打電アリ。通爾後通信絶ユ。コノ硫黄島守備隊ノ玉砕ヲ、一億国民ハ模範トスヘシ。」

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/22 14:06  まじめな話に戻すと、裁判官はレントゲン写真を上下逆さに見ていたという話も伝わってきているため、医療に関しては門戸外と思われるが、それ自体は何の問題もなく当然の事。あとは裁判官が被告人・検察側どちらの証人の言うことを信じるかにかかっている。しかし検察側証人が被告人側証人の方がより専門であると認めてしまっているそうで。
 この求刑は相場だと無罪か執行猶予付かだろうけど、完全無罪でない限り崩壊の流れは変わらない(そうであっても崩壊速度が落ちるだけの話だが)。割り箸のように無罪として傍論で被告人を非難して検察の顔を立てる可能性もある。
 そもそも初めの逮捕・拘束理由の第21条(異状死体などの届出義務)違反容疑はどう扱われているのだろうか。

BugsyBugsy 2008/03/22 16:10 被告の産科医師の無罪を信じていますし、じっくりと審理に時間をかけてほしいものです。
とは思いつつ 民事ならともかく今回の場合裁判中は就業できず収入の道が途絶えているのならば たとえ無罪となってもやりきれませんねえ。
無罪になったとしても医療現場の志気が回復しがたいように感じませんか。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/22 16:28 10年ドロッポ様がおっしゃるように、もし敗訴になった場合には、産科を辞める、という「条件付の辞表」を、全国の産科医の先生が表明することは、加藤先生への最大の支援になりそうな気がします。
実のところ、もう逃げたいけど、きっかけを失っている産科の先生なんかにとっては、渡りに舟じゃないかなあ。
皮膚科は良心的にやったら、ぜったいに儲けでませんから、そういう意味で教えられませんが、美容プチ整形的なことなら、とりあえず食うに困らない程度になら、わたしいくらでも教えられますよ。敗訴→抗議で辞めた産科の先生たちに全員集まってもらって、手弁当ボランティアで実技セミナーの講師くらいなら、よろこんでさせていただきます。
わたしも、産科救急教えて欲しいですしね。時代が変わって再び正常な形で働ける環境が整ったら、みんなでまた世間のお役に立てばいいんじゃないかと思います。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/22 16:58 逃散そそのかすみたいで、恐縮なんですが、ほんとのところは、私も10年ドロッポ先生も、産科や救急の先生には、留まって働き続けて欲しいんですよ。だって、自分が倒れたときに、医療崩壊じゃ困るじゃないですか。そういう意味でです。
しかし、ここで「前線の先生方、頑張ってください。応援しています」なんて、偽善的なこと、言えないですね。すくなくとも、同じ医者としては。自分の首を締めることであっても。
・・一般の方は、状況わからないでしょうから、いくら「頑張ってください」と言っても罪は無いんでしょうが。だけど、前にも書きましたが、そういう言葉は、結婚するつもりのない(または既婚で結婚できない)男が「愛してる愛してる」と言って奉仕させてるようなもので、デリケートに使わないと、逆効果だ、ってことは、覚えといて欲しいですね。

TOMTOM 2008/03/22 17:50 法曹一元という考え方があって、検察・弁護士・裁判官は同一の人的リソースから出てくると(司法方面の人は)考えています。検察の言うことは弁護士のいうことでもあるわけですよね(ちょっと乱暴)。時々弁護士会とかが「世の常識」とかけ離れたことを山口県光市の事件とかで言う事がありますが、あれもヘンな所属団体に強制された任意性のない意見であると、だから無視しても良いと、法曹界の人はこう思ってるわけですね。へー(棒読み)。論理性を以て人を断ずる職の者が、自分のクビを絞めてる事にも気づかないとは、低脳過ぎて皮肉も出ませんや。

TOMTOM 2008/03/22 17:59 書き忘れました。
今回の検察の論理に従うならば、裁判官の出す判決も任意性のあるものではなく、従うに値しないものとなるわけですよね。検察も裁判官もみんな何かの組織に所属する人だからです。
いったい彼らは、学会には絶対に方針に従わなければならぬと言う掟があるとでも思ってるのでしょうか。では病気腎移植は何? 代理母出産は何?

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/22 18:55 Bugsy様
仰られるとおりで、医療紛争は痴漢裁判と同じで冤罪が起こりやすい性質があります。初めから色眼鏡で見られているため、やっていないことを証明しない事には無罪判決を得られないわけです(正確には違いますが、大筋の話として)。いわゆる悪魔の証明です。金銭では償いきれない代償が被告(人)にのしかかってくるのですが、社会に与えた、与えるであろう影響も強いです。この裁判が続く限りは崩壊は加速していきますし、完全無罪&結審でも崩壊放物線が直線に変わる程度でしょう。

げんげんげんげん 2008/03/22 20:35 多くの産婦人科医が、まだ辞めないで産科診療を続けている理由はですね・・
部外者の無責任なアジテーションに簡単に扇動されないくらいの分別があるからでしょうか。
自分の個人的な事情は、可愛い姪っ子が、できちゃった婚で妊娠中とか、
婦人科だけにするには、金のかかりすぎる女房を持ってるとかですかね。
娘たち(一般人)には「産科は早く辞めて!」と言われてますから、個人的事情もいろいろです(^_^)

少なくとも、理念や大義よりも、子供の学校とか、気のあう助産婦がいるとかを重視する同僚は多いはずです。
ただ、ほとんどの産婦人科勤務医が今の状況を厳しく受け止めているのも間違いありません。
産婦人科医で、加藤医師が逮捕された時点で即辞職という速効バカも少ないし、
今の状況でも当面大丈夫という、無知蒙昧もまずいないということです。
産婦人科医療の崩壊が急に進まないのはなぜだろうと思っている方は多いと思いますが、
実際の現場は、そう簡単な理由で動くわけではありません。
産科崩壊にはそれなりの時間がかかり、水面下では粛々と進んでいる、とご理解下さい。
なお、私自身は、産科が崩壊するのをそれでもなんとかしたいと考えています。

ドロッポ小児科ドロッポ小児科 2008/03/22 22:16 どうして、みなさんは、産科の先生に上から目線で辞めろなどと言えるのでしょうか?
私は、人間というものは、自分でけつを拭く覚悟がある限り、愚行を行ってもよいと思っています。救急受診をコンビニ的に使用するのも、落ち度のない産婦人科医を感情で処罰するのも、自分の首を絞めるとわかっているならやればいいのです。
やって、その毒を飲んで、のたうち回って苦しんで、周囲の人間にあれはやっぱりやってはいけないことなんだなという事例になればいいのです。
臨床研究だって、昔は病気を放置したらどうなるかっていう、研究がありました。
それと同じ事で、日本は、無能な法曹と馬鹿な庶民と手を降ろすことができないお人好しの産婦人科の先生とで、ゆっくりと苦しみのたうち回りながら、苦しい数十年を過ごし、多大な犠牲を払えばいいのです。
 どうせこの流れがそうそう止まることはないし、裁判官も政治家も官僚も産婦人科問題で愛しい妻や娘が酷い目にあって苦悩すればいいのです。
 産婦人科の先生が、お産を好きでやるのなら、辞めろと命令する権利は誰にもありません。それに医療崩壊は、じわじわじわじわやったほうが、ビジネスチャンスになるのです。
 一挙に医療崩壊すれば資金やノウハウをもったアメリカの保険会社に食われるだけですが、数十年かけてやれば、日本の医師側に勝ち目がでます。実際、アメリカの景気後退が起きているのですから、もっと粘った方が良いのです。
 医療崩壊を望む方々は焦りすぎなのです。医師が武見会長以後ゆでがえるになったのですから、国民だってゆでガエルになって、医療崩壊にゆっくりなれてもらえばいいのです。
 ドロッポした我々は、準備を怠りなくして高見の見物とすればいいのです。
 人の人生より自分の生き方を考えればいいじゃないですか。
 産婦人科の先生が産婦人科に殉じた生き方をしたからって、非難するいわれはないと思います。

ColumboColumbo 2008/03/23 00:10 げんげん先生

現役産婦人科医であられる現在のご心境を淡々と、かつわかり易く語ってくださり、いろいろと考えさせられました。

私自身は6年ほど前に消化器外科から身を引き、今は亜急性〜慢性期病院でなんちゃって内科医をしておりますが、それでも外科を辞める時にはいろいろ悩みましたので、先生の今のお気持ちはそれなりに理解できます。

でも、辞めて「こちら側」に来てみて初めて、「あちら側」にいた頃の自分がいかに劣悪な条件で働かされていたかがよくわかりました。こればかりは実際に体験しないことにはおわかりにならないと思います。「マインドコントロールが解ける」というのはまさしくこういうことなのだ・・といいますか。

私も加藤先生の無罪を信じている一人ではありますが、もしも有罪になるようなら、どうかご決心ください。仮にそれで産科が崩壊することになっても、それはそういう政権を選択した国民全体の責任であり、先生たち産科医の責任ではありません。

暇人28号暇人28号 2008/03/23 06:55 まさに、「鎖に繋がれた象」の話と一緒です。

子供の頃から象は鎖につながれていた。最初はその鎖を外して自由になりたかったけど、子供の象の力では出来なかった。象は「この鎖は外すことができない」と思い込んでいた。時間が経ち、象も大きくなり力が付いてきた。本当は自分の力で鎖を外すことが出来るのに、「この鎖は外すことは出来ない」と洗脳されているので自分から外すことはない。

しかし、誰かが鎖は外すことができるんだよ、と教えてやると象は自分で鎖を外して逃げて行った。
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私が別のブログに書き込んだものです。
個人的には産科医の先生には辞めてもらっては困るのですが、残念ながらこの国では多くの国民が肌で感じるような甚大な被害が発生しないと変革はあり得ません。医師を悪者にする風潮は未だに根強いです。国民の多くは「医療被害者」に肩入れすることはあっても、産科医(医師)を擁護する声は聞こえてきません(一部の有識者は除く)。

暇人28号暇人28号 2008/03/23 07:05 現に昨日の北海道新聞でもこんな論調です。
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医療事故・捜査に壁

腹痛を訴えた女児は、かかりつけ医だった医院の小児科医から風邪と診断された。翌日、別の小児科医にウイルス性胃腸炎と診断されたが、帰宅後に死亡した。遺族の訴えで、道警は捜査に着手。司法解剖の結果、死因は腸捻転による腹膜炎とわかった。道警は、適切な医療行為を怠ったとしてそれぞれ風邪、ウイルス性胃腸炎と診断した医師二人を業務上過失致死容疑で書類送検した。
だが地検は、子供の間で当時、ウイルス性胃腸炎がまん延しており、症状が腸捻転に類似するなど専門医でなければ診断は難しいと結論付けた。「診断ミスなのに不起訴になった。医療事故捜査のハードルの高さを感じた」。地検の判断について、道警の捜査官はこう打ち明ける。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ちなみに、この後に「一方、医療界からは『専門外』の警察や司法が介入することを懸念する声が高まっている。」と続きます。


おそらく非医療従事者の感覚は未だにこのようなものが主流でしょう。みなさん、初期から外からパッと見ればすぐに必要最小限で100%万全・適切な検査法が頭に浮かぶと思っているようです。すぐに確実な診断がつくと思っているようです。警察の捜査でいったら、現場を見たらすぐにパッと犯人が思い浮かぶと思ってらっしゃるようです。また、警察の捜査の場合、遺留品をすべて持ち帰って検査に回すことが可能ですが、人間の体の場合、検査により人体に悪影響が出ることもある。片っ端から検査をすれば「過剰診療」としてお金が支払基金から支払われません。マスコミや一般国民からは「医者の金儲けの道具にされた」といわれるだけです。

私個人としても産科医の先生には続けていただきたいのは山々ですが、それでは事態がずるずる悪い方向に向かいそうです。収拾不能な事態に陥りそうです。今は劇的な変革が必要だと思っています。とすれば、産科医の皆様の一斉ストライキが必要だと思っています。
しかし、これも他人だから言えること。後は当事者が判断されることですね。
余計なことを言いました。すみません。

mycatmycat 2008/03/23 09:17 産科医の先生に限らず、みんなでストライキをしたらよいのでは? 2月18日みたいに、もし無罪判決が出なかったら「わたしたちは不当判決に抗議して1週間のストライキを決行します。」とかいって。
でもそこまでする人はいないでしょうねえ。ブログで気炎あげるくらいが(私もそうだけど)やっとですよね。とほほ。

通るすがる通るすがる 2008/03/23 13:32 皆様ご存知でしょうが、念のために。
検察側の論告求刑(おそらくほぼ全文)が周産期医療崩壊をくい止める会のホームページに掲載されました。
http://plaza.umin.ac.jp/~perinate/cgi-bin/wiki/wiki.cgi
>詳報 からリンクが張られています。
膨大な量ですが、これが「検察の主張の全貌」ということになりますね。

YosyanYosyan 2008/03/23 13:50 通るすがる様

記事によると160ページだったそうですから、読むには根性がいりますね〜。

2008-03-21 カラサワイズム

なんのこっちゃですが「唐澤イズム」とした方がわかりやすいかと思います。もちろん「唐澤」とは再選を目指している現日医会長唐澤祥人氏を指します。「イズム」の説明は不要かと思いますが辞書によると、

イズム【ism】

《英語の接尾辞から》1 主義。主張。学説。「―を異にする」「―にとらわれる」2 多く固有名詞の下に付いて、特有な主義・流儀・傾向などの意を表す。「早稲田―」「三菱―」[類語]思想

イズムの用法も場合により肯定的な時と否定的な時がありますが、

    カラサワイズムの継承

こういう風に使われれば明らかに肯定的なものとして使われることになります。この言葉が飛び出しているところはコップの中の乱戦として紹介した大阪府医師会です。大阪府医師会では日医会長戦もにらんだ思惑から府医師会長選挙が空前の激戦となり、裁判所の仮処分申請まで行なわれる泥沼状態になっている事は前に書いた通りです。とりあえず勝っているのは唐澤支持派、負けているのは反唐澤派ですが勢力は互角で感情的な怨恨が深まりつつあると仄聞しています。

どちらがこの言葉を使っているかは言うまでもなく唐澤支持派です。支持派ですから別に使って悪い訳ではありませんが、正気かどうかだけ疑問を抱かざるを得ません。「カラサワイズム」とまで言うからには、現会長の実績を認めているどころか称賛している事になります。称賛してそれを受け継ぎ発展させようと言う考えになります。これを正気で考えているのなら老化現象では無いかと真剣に心配します。

思いつくままに現会長の業績を並べてみると、

  1. 研修医の僻地義務化賛成
  2. 厚労省の総合医路線賛成
  3. 後期高齢者医療制度容認
  4. 事故調二次試案賛成
  5. 外来管理加算「5分ルール」容認

とりあえずこれぐらいはすぐに思いだします。看護師内診問題でも積極的に動いた形跡は覚えていませんし、福島事件、奈良事件と言う医療界を根底から揺り動かすような大事件にも実績は思い出せません。福島事件は前日医会長時代に逮捕されたはずですが、支援活動が本格化した時期は現会長の任期中です。またカラサワイズムへの求心力ですが、去年の参議院選挙で前会長追放・現会長就任の立役者とも言われる前参議院議員が見事に落選しています。あの時は近畿ブロックが反旗を翻しただけではなく、お膝元に近い茨城あたりでも反旗が翻ったと記憶しています。

こんな立派な業績をカラサワイズムとして称賛・継承する人間の正気を疑っても不思議ないかと思っています。そのうえ現会長は小脳出血を起しており、回復はされているようですが健康状態が不安視されています。それなのに「カラサワイズムの継承」が日医上層部の意向だそうです。「継承」と言うからには健康状態から現会長が再選を辞退しても、現会長の路線を継承させる人物で日医執行部を固めて運営するという宣言です。

日医期待論は1年以上も前に消滅していますが、それでも日本最大の医師集団であり、日医の同意は全医師の同意と政治的には見なされます。期待論はしぼんでもどこか心の底に「日医しっかりせい」はあります。その日医の舵取りを全面委任されているのが執行部であり、その執行部が「カラサワイズムの継承」集団であるという事です。世の組織は傾きだすと指導する人物が小粒化し、さらに三流以下の人物がのさばり崩壊を早めますが、日医もそうなっている事を著明に示しています。

これは日医だけではなく日本の医療全体がそうなっている象徴かも知れません。医師ならスタンスは違えど医療崩壊を憂慮しています。まだなんとかならいかと考えている者も、早期崩壊早期再生を考えている者も、すぐに百家争鳴状態になる医師をまとめ上げる指導者を待望しています。医師の力をなんとか結集しないと再建は希望ではなく絶望の第2章に過ぎなくなるからです。

とりあえず日医は「カラサワイズムの継承」で昏迷の深い闇に徘徊をするようです。日医以外はどうかと言えば、これもまだまだ遠い道を歩んでいる状態です。崩壊速度は拍車がかかる一方なのに再建再生の芽はどこかに出ているんでしょうか。それでも有能な指導者は現れるときには突然現れるものですから、長く暗いトンネルの中でひたすら摸索するしか今は仕方がないのかもしれません。結局出なければどうなるかなんては今日は余り考えたくありません。

たかたか 2008/03/21 09:15 日本医師会は、早いとこ滅亡させなければなりませんね。
存在自体が、日本の医療に対して有害です。
ただ、新医師会に薩長の役割を担わせるには、まだ早すぎるでしょう。
医師会が慶喜くらい聡明であれば、わざと自壊する目もありましょうが、
期待できないのでしょうね。
北条高時の如く正面から潰すしかないのでしょう。低能なので実はさほどは
難しくないことなのかもしれませんが、今の医師の集団には新田義貞程度の
勢力すら見当たらないのが暗澹となってしまうところです。

AnybodyAnybody 2008/03/21 09:45 日医は勤務医については余り考えていませんよ。むしろ、公立病院の待遇が良くなれば民間病院も給与引き上げを余儀なくされ、病院経営は厳しくなりますから、生かさぬように殺さぬようにというところなのかも知れません。

勤務医だけの団体を結成して、日本看護協会のように法務大臣でも出せば、少しは再建再生の芽も出てくるのかも知れません。

デックデック 2008/03/21 10:12 老人は頑迷に持論を曲げず
若者は力もなく右往左往しているだけ

崩壊が一番早いのかな。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/21 16:51 Anybody様、
>勤務医だけの団体を結成して、
そこで全国医師連盟ですよ。http://society6.2ch.net/test/read.cgi/hosp/1202879091/l50
…なんか凄く評判悪いですね。

AnybodyAnybody 2008/03/21 17:06 10年ドロッポ様
>そこで全国医師連盟ですよ。
全国医師連盟、聞いたような気もしますが、こんな団体があるんですね。

AnybodyAnybody 2008/03/21 17:10 ブログから発展して、何かの社会運動なり、社会を動かす原動力にならないかなと思います。

ya98ya98 2008/03/21 19:40 第2次世界大戦敗北の際に、開戦の全責任を負わされ帝国陸軍のような役割を日医にも果たしてもらいたいです。皆保険破綻は弱者に強烈なため、その責めはだれかが負わなくてはならないです。日医こそ適任といえるでしょう。

ここりんここりん 2008/03/21 19:58 Anybody 様
>日本看護協会のように法務大臣でも出せば、少しは再建再生の芽も出てくるのかも知れません。
このひといろいろ突っ込まれて、看護師としてちょっと、はずかしーかなーと思いましたが、この人のおかげで、ホント、ここ数年でナースの社会的地位が向上したと感謝してます。
やっぱり、政治ですよ政治!勤務医ももっと医師会みたいに権力もってくださーい!!勤務医の激務はよく知っております。
よく、Dr方は、俺たちは、時給に換算するとコンビニの給料より安い!!と嘆いていました。

むかし研修医むかし研修医 2008/03/22 00:26 Yosyan様、おっしゃるとおり、現在の日医は末期的症状だと思います。自覚症状のない
ところが、まさに末期です。

本日(正確には昨日)加藤先生に有罪判決が出ました。司法による医療事故の解明が
不可能であることの証明です。高度な倫理性と、専門性をもったメンバーの参加が
事故の原因究明には不可欠です。

加藤先生をなんら擁護できなかった日本医師会はその存在意義が問われております。
医療事故調査委員会厚生労働省試案への日医の賛意は、医師としての自律性を放棄していると感じております。

むかし研修医むかし研修医 2008/03/22 00:53 失礼しました。有罪判決ではなく、禁錮1年の求刑です。公判維持すら難しいと
思っていましたが、検察もしぶとい。というか、司法では合理的判断は難しい
とあらためて感じます。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/22 01:10 >有罪判決が出ました。
いや、突っ込みのコメント書くべきか、どうしようか、非常に迷いましたが、御自分で訂正されたので、一安心。
それにしても、何の突っ込みもないのもアレなんで、コメントです。
縁起でもないってのは、こういうことを言うんで、情報の事実関係については、くれぐれもよーく確認の上書き込みされたし(^^;。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080321

2008-03-20 流儀の違い

まず暇人28号様のコメントです。

「チーム医療」が昨今叫ばれており、重要性は皆さんが認識している通りなんですが、別々なところで研鑽を受けてきた医師たちが一同に集まって「チーム医療」が出来るのでしょうか。なんだかんだ言っても「同じ釜の飯を食った仲間」でないと細々としたところで様々な齟齬が生まれて破綻するんじゃないのかなあ。寄せ集めでは難しいと思います。そういった意味では、大学医局制度というのは必要悪だったんだなあ、しみじみ思います。

続いてなっく様のコメントです。

外科はもともとチーム医療が必須な科ですが、二つ以上の医局から派遣がある病院で一つにまとまってるとこなんて見たことありません。

すくなくとも手術はA大学チーム、B大学チームみたいな感じになっちゃってますな。

まあ、ケリーの使い方ひとつからして違う人たちじゃあ、手術がやりにくくてしょうがないですよね。

さらに流れ者ばかりが集まったとこで仲良くやってるなんて話聞いたことないですし

医師なら読めばすぐにピンとくる話ですが、一般向けに解説しておこうと思います。医師が疾患に対して検査や治療法を考えます。大枠で言えば同じ事を考えています。バラバラじゃ医療になりません。また治療法や検査を統一するために学会からガイドラインが発表されたりもします。いわゆる標準医療の確立の方針で、トンデモ治療方針で患者に被害をもたらさないようにそろえるところはそろえておこうの方針です。

ではすべての医師が金太郎飴のようにまったく同じ治療をするかと言えばそうではありません。もちろん大枠は同じなのですが、微妙に違います。やっている事は○○治療とか△△手術であってもやはり微妙に違います。この違いは技量の違いと言うのではなく流儀の違いみたいなものです。

どれほどの差かと言えば、あくまでも例えですが、茶道の表千家裏千家ぐらいの差とでも思ってもらえれば良いかと思います。私も茶道には詳しく無いのですが、素人から見ればどちらも同じ茶道であり、その差はまず見分ける事は出来ません。茶道だけでなく華道としても良いかもしれません。これも素人が見ても流派の違いはまずわかりません。綺麗な生け花と思うぐらいで、それ以上でもそれ以下でもありません。

ところが当事者は細かな作法の違いを重視します。重視するからこそ違う流派として成立しているのですが、客として茶を喫する、見物客として花をめでる分には差は無いと言えば言いすぎでしょうか。これと同様の事が医療でも起こります。患者として治療を受ける分には差はまず感じないでしょうが、医師にとっては大きな違いとして確実に存在します。

医療の勉強も基礎知識を学ぶ医学書レベルではほぼ同じですが、実戦的な臨床技術となれば手取り足取りの伝承技術になります。つまり指導する医師の技術を学ぶ事になります。指導する医師もかつてその上の世代の医師に伝承された技術をベースにしています。その技術の源泉はどこかといえば大学医局になります。

同じ大学医局の医師同士なら基本的な流儀は同じです。もちろん基本技術を学んだ後、新たな技術を研鑽したり、独自に工夫したりして、同じ大学医局出身でも各医師で差はありますが、それもベースの技術は同じですから、許容範囲の差として同じ流儀であると感じ、一緒に仕事をしてもそれほど違和感は生じません。

言ってみれば大学医局は家元制度であり、医局員は弟子、病院に部長クラスで派遣される医師は高弟ないし師範代と言う感じと思ってもらえれば理解し安いかと思います。大学は医療と言う芸事の流派で、教授は家元そのもの、今は昔ほどもてはやされなくなりましたが博士号は免状みたいなものです。

そういう状態なのですが流派が異なればどうなるかです。外科を例に取ればわかりやすいのですが、相当ギクシャクします。ナック様の言う

    ケリーの使い方ひとつからして違う人たちじゃあ、手術がやりにくくてしょうがないですよね

こういう状態になるわけです。ちなみに「ケリー」とはケリーバッグの事ではなく手術に使う鉗子の種類の事です。

どうやりにくいかと言えば、手術の手順が微妙に変わるからです。手術室の雰囲気はテレビなどでは「メス」とか言って、執刀者が順番に指示して粛々と進行するように思われている方が多いかもしれませんが実態はそうではありません。小児科医なので狭い知見ですが、ほとんどそんな指示無しに手術は進んでいきます。

どういう事かといえば、手術手順を執刀医はもちろんの事、助手も手術場看護師も熟知しており、次に何をするか、どうしたら良いか、なにが必要かを一歩二歩先を読みながら動くからです。言っては悪いですが、指示を聞いておもむろに行動するでは遅すぎるという事です。指示を聞いて大慌てで準備するようでは役にたたないということです。ですから慣れない研修医や新人看護師がよく雷を落とされています。

そんな芸当が出来るのは流儀が同じだからです。異動があって病院を変わっても基本が同じ流儀なら短期間に慣れます。ところが流儀が根本的に異なれば大変です。次の展開が読めなくならからです。当然のように手術場は混乱し、不必要な時間がかかったり、手術中の細かなミスが積み重なったりします。

流儀の違いでそんなに混乱するのなら、海外留学や国内留学に行く場合はどうなるんだになりますが、その場合は教えを乞いに行くわけですから、相手の流儀を無条件に受け入れます。受け入れないと技術を伝授してくれないからです。持ち帰った技術は相手の流儀の直伝ではありますが、やがて自分の流儀と融和し本家と若干異なりながらさらに伝承される寸法になります。

留学で新技術を伝授してもらう場合は自分に無いものを教えてもらうのですから謙虚ですが、対等の立場で寄り集まった場合は絶対に譲ることはありません。細かな違いでもそこに流儀の誇りがかかっているわけですから絶対に妥協しません。また流儀は全体のシステムになりますから、足して二で割るわけにも、パッチワークのように組み合わせる訳にも行きませんので、これもなっく様の御指摘のように、

    すくなくとも手術はA大学チーム、B大学チームみたいな感じになっちゃってますな

大学医局派遣制度は衰えてますが、それでも一つの診療科は一つの大学からの派遣である事が原則となっており、混成である事は少なくなっています。内科系でも原則はそうで、混成であっても治療グループごとに大学系列になっています。これは流儀が混ざり合う事のデメリットを考えてと解釈すれば分かりやすくなります。

だから医局制度を完全復活せよとは言いませんが、そういう伝統で今まで治療システムを構築してきたので数合わせの混成軍を作っても混乱するだろうと考えます。その当たりの事情を暇人28号様は、

    そういった意味では、大学医局制度というのは必要悪だったんだなあ、しみじみ思います

今後どうなるかの予想ですが、これが大変難しいものがあります。医局制度を破壊している新研修医制度はまだまだ続きそうです。医局と言う人事機構が衰弱してもその代替機関はそう簡単には出てきそうにありません。官製医局の試みを厚労省を中心にやっていますが、現役の医師にとってあれほど魅力のないものはありません。

一つの方向性として従来のように医師が病院を異動で渡り歩くのではなく、一つの病院で永久就職の様な形態が生まれてくると考えています。病院にとっても「医師確保」と言う面からは効率的です。ある程度の規模以上の大病院で無いと難しいかもしれませんが、そうなれば新たに○○病院流として確立していくとも見れます。

もう一つの方向性は大学系列に関係なく医師が渡り歩く形態が一般的となり、医師が「郷に入れば郷に従え」が常識になることです。

今は過渡期で混乱期ですから予測が難しいところがありますが、これも暇人28号様の

    別々なところで研鑽を受けてきた医師たちが一同に集まって「チーム医療」が出来るのでしょうか

この問題は当分の間つづくんじゃないかと感じています。

ssd666ssd666 2008/03/20 16:09 まあ、ラノベやアニメに出てきそうな「人類統合軍」みたいなもんですな。

暇人28号暇人28号 2008/03/20 16:15 とある地域で某科の集約化の必要が生じて、2つの病院の某科が集約化されました。ともに別々の大学の関連病院だったわけですが、どうもしっくりいっていないみたいです。一時期少数派の大学の医師が辞めるという話が出て、結局多数派の大学から1名補充、やめるはずだった2名のうち1名がなんとか踏みとどまるということで現状維持になりそうです。当地としてはメルトダウン寸前の状況でした。踏みとどまっていただいた先生、厳しい中1名追加で出していただく決断をしていただいた大学には感謝・感謝です。

で、これは外科に限りませんね。内科系であっても、細かい齟齬があるとやりにくいです。特に循環器内科もチーム医療が必要です。循環器内科はハードワークで有名な診療科ですので、各地で崩壊しています。当地の近辺でもいくつかの地域で循環器内科が崩壊します。一人・二人を高給で釣ってどこからか呼んでくるのは可能でしょうけど、心カテチームをつくるのなら、それこそチームごと連れて来ないといけません。寄せ集めチームですと必ず崩壊するでしょうね。これは断言できます。

YosyanYosyan 2008/03/20 16:37 差が無さそうに思われる小児科だって大変です。流儀の違いはルチーンワークからありますから、流儀の違う医師の受け持ち患者をチームとして引き継いでも困る事があります。次にどういう治療プランを抱いているのか見当が付かないからです。

そこで自分の判断で治療変更しようものなら機嫌が悪い、悪い。あからさまに目の前で治療方針を変更し、「こんな治療じゃいかん」とぐらいの嫌味を言われます。ちょうどそんな感じの上司を3人抱えた事があり、3人分の治療方針を覚えなければならなくなりました。ま、治療方針は様々にあっても、どれであっても大差は無いという事を覚えたのは収穫でしたが。

tadano-rytadano-ry 2008/03/20 16:43 まず先日無事に卒業できましたことを報告します。

 最近の学生はOSCEを受けてますから、さすがにケリーの使い方まではないですが、ごく基本的な手技や医療面接の手順などについてはある程度は標準化されてきています。実際手技の手順が国試にも出ていますので、ポリクリで経験した自分の大学の流儀があっても、それはそれとしてOSCEの対策本にある手順をみんな覚えます。

 来年からは国試にもOSCEが導入される可能性があるらしいので、ますます標準化は進んでいくように思います。しかしこのエントリーで提起された問題が解決されるにはほど遠いとは思いますが。

暇人28号暇人28号 2008/03/20 17:04 OSCEはOSCEとして置いといたほうがいいと思います。あれも所詮は「ガイドライン」程度のものですから。ガイドラインがある現状でもみんなやっていることが違います。昔よりは標準化されてきていると思いますが。

なぜ、人によってやり方が違うか?色々経験をつんだり知識を取り入れたりしてきた過程でそういう結論にたどりついているのです。苦い経験をした時に「あそこでこうすればうまくいったのではないか?」と自分の頭の中でシミュレーションして、実践に応用して成功を収めたから自分流の流儀が固まっていくのだと思います。ただ、多くの場合は多少の経験がある医師ならばだれがやってもうまくいくのです。だから管理人様のおっしゃる「どれであっても大差ない」という感覚は的を得ています。


いずれにしても、標準化された治療法でうまくいけば医師なんて要らないわけです。それこそ本に書いてあるとおりに一般人が薬を買ってきてガイドラインどおりに飲んだり治療すればすみます。ただ、ガイドラインどおりの治療をやってもだめなときも結構あるのです。そういうときにどうするのかが医師の腕の見せ所なわけです。


全然関係ないですが、この話をしていて、ぜんまいざむらいに出てくる鍋奉行「あくとり代官」を思い出しました。ああ、鍋食いたい....

テキサンテキサン 2008/03/20 18:31 暇人28号様、「違う釜の飯を食った者同士でいいチーム医療ができるんだろうか?」と危惧されるのはごもっともですが、これからはやっていくしかないんでしょうか。
たしかに勝手知った仲間と仕事をする方が楽に良い結果が出せる場合が多いとは思いますが、良い結果を出すための手段は、普段使い慣れている手段だけに限らない事も事実だと思います。
かつてアメリカで移植医療に携わっていました。私も日本で経験を積んでいましたので最初のオペから前立ちで入り、習う立場ではありませんでした。向こうでは3年間で世界各国(私の場合はざっと思い出しても7カ国)のベテラン外科医と入れ替わりオペに入り、細かい手技・知識は違ったものの問題なく手術や術後管理を遂行していました。ただ日本と違っていつも精神的には緊迫してストレスは多かったです。
先日あの須磨先生の講演を聞きましたが、海外ではいつも有名な心臓外科医といきなり高度な心臓手術に入られた、という話をされていました。これも標準医療と個人の特色の区別を理解しあっているから出来る事で、そこに医療の切磋琢磨や発展が生まれると思います。

医療の標準化という点で日本は遅れていると感じています。この原因のひとつが、逆に外との交流の機会が減る医局制度にあるのではないでしょうか。
ちなみに私の病院では10年以上前から複数の大学医局から医師が送られていますが、チームワークに問題はありません。「A大学チームとB大学チーム」が存在するのは、手術手技がどうのというよりも、なわばり意識のようなものが根底にあるのではとおもいますが。

ssd666ssd666 2008/03/20 18:42 三つの大学の医局が混在した、病院で外科研修しましたが、お世話になったのは他の大学の先生ばかり。
医局の先輩は問題医師ばかりで、頭を抱えたことがあります。
まあ、どの大学でも教授クラスは、結局同じ医局だったりして、あんまり流儀の差とか気にする必要はなかったですな。
大都市圏だと違うんでしょうが。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/20 19:42 美容外科だと、似たような術式を、「自分のオリジナル」って宣伝して差を出そうするんですけどね。
悲しいかな、基本は同じなんで、なかなか差が出ない(^^;。
保険診療は差をなくす方向で、自由診療は差を出す方向に進むんじゃないかな。

BugsyBugsy 2008/03/20 20:06 皆さんのお話を聞くと羨ましいです。
オイラの診療科だと病院で複数の医局からやってくるなんて考えられません。
だって全国的に医者がいないモン(涙)。うちは指導する中堅医師が総崩れなんで手技の統一なんて遠い昔の話です。よそに武者修行ということで国内留学に行った連中が帰って来て 先方の流儀を持ち込むからです。おいこりゃと叱ったら辞めよった。従って叱るのは厳禁です。手技の統一は昔は仕込まれたけど 今はもう無理無理。

>なわばり意識のようなもの
の反語って何ていうのでしょう?隙あらば 関連病院の押し付けです。古いけどmoon walkと呼ぶそうです。」

まあ指導医がいてに入局者がいるうちが花でしょ。
送別会の回数の方が歓迎会より遥かに多い医局です(激泣き)。

焦げ化焦げ化 2008/03/20 20:35 自分が修練した病院は二つの大学医局から派遣されている外科で、第三勢力としての立場でした。
なかなか相容れないところだらけでしたが、はたから見ていると医局の差といより技術の差が激しすぎたために「あんなやつらと同じように見られるのが嫌!」となっていました。結局分裂してしまって、どっちにつくんじゃーってことになったんですが・・・

しかしながら、きちんとした手術をする人たちはお互いに相手をRespectし合っていましたし、なんでもかんでも医局が違うからギクシャクするという感じではなかった気がします。
第三勢力やオペ看たちがBufferになっていたのかもしれませんけどね。

OSCEについて出たので少しだけ追加で、
現在、学2の皆さんがやっているお医者さんごっこ(失礼)は現場とかなり近い分野とかけ離れた分野が混在しています。毎年おんなじことを、悪い部分を修正せず、教育する側にコンセンサス集のようなものを配布せずに行っているところもあります(故に同じ大学でありながら講師による差がでます。というか出てます。)。今のままでは、全国の医学生がこの先も使える技術として存在できる代物ではありません。実際教えるときには「あくまでも試験」であり技術の標準化にはなりえないことを付け加えて教えていますが…

bosszaru21bosszaru21 2008/03/20 20:48 私も複数の大学の寄り合い所帯で働いてます。忙しい診療科は協力しあわないと大変なので仲良くやっていけるようです。ヒマな診療科は症例の取り合いになって少数派が出て行くという傾向がみられます。

手技の統一なんてのは無理な話で、助手・オペナースは執刀医の流儀に合わせるというコンセンサスになってます。ちょっとずつ標準化は進んでいますが、それが達成されるころには素晴らしい焼け野原が広がっていることでしょう。

TOMTOM 2008/03/20 21:00  メジャー系の科、というより診療項目では、昨今大変にガイドライン流行りです。いろいろと思うところはあるものの、テキサン様の仰るとおり、これからはより「標準医療」が重視されるようになっていくのは間違いないと私も思います。
 しかし、これに時間軸を加えますと問題はさらに複雑になります。医療技術も知識も、どんどんUpdateされていくからです。大学卒業、ないしは研修終了の時点である程度の「標準」をたたき込んでから世間に出すことはたぶん可能ではありますが、そんなものは2年もすれば最早「標準」ではありません。ずっと論文しか読まずに毎日過ごしているなら兎も角、真面目に実地臨床やってる人には自己の経験から必ずネガポジ両面のfeedbackがかかり、結果としてそれぞれのやってる事は異なっていき、成書の記載からも離れていきます。せめて土台が一緒の、同じ釜の飯を食った「仲間」同士の方が流儀を合わせやすいのは今後も変わらないでしょうね。
 マスコミ・司法方面の人は「標準医療」をお手本のようなものと勘違いしているフシが感じられますが、実際の「標準医療」はそれこそ最大公約数的なガイドラインにとどまらざるを得ないのではないでしょうか。実際の医療は「標準+α」じゃないと使い物にならないでしょう。
 「保険医療」なんて「全国標準」の最たるものですが、同じ厚生省の出させたガイドラインと保険適応間の齟齬なんて挙げてったらきりない。私は外科ですが、既に市中病院で普通に行われている術式が、保険では認められてなくて困ったこと、何度もあります。

ぴのこぴのこ 2008/03/20 21:07 「縄張り意識」や「流儀の誇り」といった側面も確かに否定はできないのですが、流儀を守るということはセーフティコントロールという側面もあるわけです。すなわち、同じ手術であれば、なるべくいつもと同じ手順で同じ事を行うことが、安全な手術につながるのです。
たまに手術に入った偉い先生の指示でいつもと違う手術を行ったり、色気を出して異なる手技を試してみた際に思わぬ事故や合併症に出会うことがあるということは、割と多くの外科系医師は経験として知っているのではないでしょうか。

ここりんここりん 2008/03/20 21:09 医者の出身大学によってやり方が違う..。カテコラミンはシリンジポンプを使って、ちみちみいくものだと思っていたのに、輸液ポンプで、時間5mlとかでいっているところもある。びっくり。これって正確なの??何種類もいくとき、でかい輸液ポンプが何台もついてたり。変なの。
OPの手技についても、先生の好みのやり方、好みの器械などなど・・・ほかの病院では通用しないなーと思ってやっておりました。

ばあばばあば 2008/03/20 21:36 Yosyanさん、今回のエントリーは私にとってとてもタイムリーでした。ありがとうございました。あやうくgooの教えて!に質問することろでした。
剣道連盟に所属している居合道の古流の各流と同じなんですねぇ。至極納得しました。
想定される場面は同じでも流派によって型はぜんぜん違うのが居合道です。そもそも袴捌きから違いますから。
ちなみに、剣連には各古流の流派から要素を集めた制定10本の型があって、昇段試験はその10本の内から3本の型と自分が所属する流派の型2本を演舞することで決まります。実は、剣連の制定10本の型で本当に切れるのかが内心疑問なのです。なぜなら古流のそれぞれの技は、実際に命のやり取りの中で編み出された技なので本物なのですが、制定10本は実践でまったく試されていないからなのです。使えるものなのか、誰にもわかりませんです。

元爺元爺 2008/03/20 22:16 えーと、話は変わりますが、先日の京都の心タンポナーデ手術遅い判決文でていました

http://kanz.jp/hanrei/detail.html?idx=3037

読むとやはり頭がくらくらしてきます。なぜ??なぜ・・どうして
どこがどうなるとこのような判決になるのと
私のような頭では全く理解できません

参考までに貼っておきます

ぽ 2008/03/20 22:51 プログラマーの業界も同じですね。ある程度標準化された部分もありますが、それぞれ独自の流儀になっている部分もあります。まずプロジェクトを立てて仕様書の段階で最初にやるべきことはその標準化されるべき部分の統一化から始まります。
 ※分かりやすく言うと変数名の命名規則一つとってもそうです。
問題は全く別のところからの複数のチームが関わったり、あるいは途中で陣容が入れ替わったりしたときで、当然ぐちゃぐちゃになります。
まぁそれでも何とか世の中は回っているわけで。

おそらくどの業界でもそういった問題は普遍的に持っていると思いますよ。今までそういう状況に陥ったことがなかった医療業界の方があまりに恵まれていたんではないでしょうか。
ぐちゃぐちゃになることが当然で、その大前提の上で何とかまわしていくという体制に切り替わっていくのでしょう(もう既になってますかね?)。

野戦病院の麻酔科野戦病院の麻酔科 2008/03/20 23:36 それぞれのグループの癖に合わせなくてはならないので、
複数のチームがあると、OPE室ナースも大変ですよ。
気に入らないと怒鳴る外科医って、いまだに多いし。
そして理不尽な叱責や過大な負担が重なると、
最悪、手術部の看護師が大量離職してオペ室崩壊です。
大学病院クラスの大きなところだと、
回復には時間がかかるよ〜

都内病院勤務医都内病院勤務医 2008/03/21 00:09 麻酔科所属という仕事柄あちこちの手術を見ていますが、「○×医局の流儀」と
いうのが明確にできるのにはいくつかの条件があるような気がしています。

o 医局と関連病院とが人事関係で密接に結ばれている。
o 自前で教授を出せるくらいの実力がある。
o 大学病院以外に手術を多く行っている有力病院があまりない。

関連病院が有力(それこそ全国の病院ランキングで名前がよく出てくるくらい)
で部長や医長クラスが定年まで異動しないようなところでは手術の流儀が分派す
るようで、若手が医局人事で異動してきても手術の流儀がかなり違って戸惑うよ
うです。自前で教授が出ないような医局では、教授が変わるたびに外部から別の
流儀を持ち込むという話も聞きます。

いま医療崩壊が目立っている道府県の多くはこうした条件が満たされているので
特に問題になるんじゃないですかね。

とおりすがるとおりすがる 2008/03/21 00:16 たしかに。そもそも「ケリー」と呼ぶ手術器具自体が大学によって違ったりします。直角かんしの事だったり、長モスキートーのことだったり・・・。術野を覆う布だって、「おいふ」だったり、「あっきん」だったり「ドレープ」だったり・・・。
そういえば、手術室の外でも、DCカウンターショックをかける機械を、ある地方ではショっカーというけど、別のところではDCだったり。ある大学の同窓紙のコラムに関西の病院にいった先生が急変時にショッカーと叫んでも全く出てこずに、あとから「先生あれはDC言うんですわ、ショッカーいうたら仮面ライダーにでてくるイーイーいうやつですわ」と突っ込まれたという話を読んだことがあります。

rijinrijin 2008/03/21 00:18  ひとつの医局の中で10年、その後、渡り者として3年ほどを過ごしましたが、同じ医局の中でも、術者によって手術は違ってきます。そのバリエーションは、医局が異なる場合とあまり変わりません。

 全身管理の作法も、いくつか流儀がありました。

…いろいろと理由があって、医局内各施設の独立性がかなり高い時代に修業して歩いていたもので、そういうバイアスはあるだろうという思いはします。

 さりながら、やはり外科医は自分で編み出した手技への強烈なこだわりがある方が普通なのかも知れません。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/21 00:27 >先日の京都の心タンポナーデ手術

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080319133647.pdf
のP27-28です。
-----
次に原告らは,午前8時30分ころには手術の準備が整っていたから,
午前8時30分過ぎに亡Dがショックに陥った際,被告病院医師には,直
ちに心嚢液の排液措置をとる義務があった旨主張するところ,なるほど,
亡Dがショックに陥った時点において,その原因が心タンポナーデである
ことが明らかであり,心嚢液を排液して心タンポナーデを解除しなければ
ショックから回復させるのは困難であるし,排液できればショックから回
復することが十分期待できたというべきであるから,被告病院医師として
は,何よりも優先して心嚢液の排液措置に取り組むべきであったというべ
きである。この点は,証人Fも,排液措置を緊急にせざるを得ない旨供述
しているところである(尋問調書46頁)。しかるに,被告病院医師は,人
工呼吸,薬剤の投与,気管内挿管等に時間を費やして心嚢液の排液措置を
後回しにした結果(しかも,被告病院医師がしたこれらの措置は功を奏せ
ず,後記のとおり,午前8時50分ころには亡Dは心停止に至った。),亡
Dがショックに陥ってから排液措置に着手するまでに約30分もの時間を
費やしたのであって,これは,医療水準に応じた診療行為とは言い難く,
過失という評価を免れないというべきである。
-----
初療室で、FAST,ECG異常なし、ICU入院させ翌朝6時に造影CTで血胸・心タンポみつけ、心外に連絡、ope準備整えて、家族が来院するのに1時間かかるとのことで、その間に血圧下がって、まずトロッカー挿入、血胸解除しようとしたら、急激な血圧低下→心停止。。。

血胸の血抜いたことで、折れて心嚢→心臓内に刺さって心タンポ・血胸の原因となってた創への圧が下がって、心臓→心嚢に血液噴き出しちゃったんですかね?・・

しかし、この時点(血胸と心タンポ)で、胸腔ドレンと心嚢穿刺、どちらからいくべきか?なんて、JATECでも教えてないですよね?心外ope控えてるし、まずはトロッカー入れそう・・

トロッカー直後の血圧低下時に、心嚢穿刺とにかくやっとけばよかった、ってことかもしれないですが、400ccの心のう液、抜き切れたかなあ・・心停止して20分置いたから、創で凝血してたんであって、動いてる心臓から穿刺してたら、400ccじゃとても済まなかったんじゃないかしら。

「心タンポ」って病名つけたから、判決のようになるんであって、これはもう「心破裂」でいいんじゃないかと思うんですがいかがでしょうか?

rijinrijin 2008/03/21 00:43  所詮は素人の結果論ですね。

 400も排液するとしたら、途中で針が抜けます。抜けないようにカテか何か入れても、内腔が詰まります。タンポナーデ解除するためには心嚢破るしかないですよ。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/21 00:51 判決文、JATECのtextのコピペみたいな文章多いです。
やっぱり、これからは、JATECやACLSといった、共通言語的な手技については、ちょっとでもそこから外れると、この裁判のように医者の過失とされるだろうから、皆さんも繰り返し受講しといたほうがいいと思うですよ。

あとは、推測(妄想)になりますが、やっぱり患者への言葉の修辞学、terminologyの問題かなあ。。家族に連絡する際に「心タンポナーデといって、心のう内に液体が溜まって・・」じゃなくて、「心臓にダメージがあったようで急に弱まって破裂しそうな状態です!」であるべきだよなあ。

OSCEみたいな形で、こういう修辞学、せめて地雷的なあたりだけでも系統的にまとめられんものかしらん。修辞学なんて言葉自体が、古めかしいか。。

DrGIANNIDrGIANNI 2008/03/21 01:05 ちょっと前のニュースですが,外科の家元制を端的に示すような記事がありました

http://www.saga-s.co.jp/view.php?pageId=1036&mode=0&classId=0&blockId=815889&newsMode=article

まあ奴隷医を公に認め奨励している自治体の基幹病院ですから,他にも色々事情はあるんでしょうけどね
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/05/2_80_54a9.html

現在無職現在無職 2008/03/21 01:11 流儀というか、流派というか・・・。
以前は小児科医としてNICUで働いていました。
NICUって、統一された標準治療が出来るのは、多分まだまだ先です。だから、流派が多い、すごく多い。けど、新生児医療を好きで、天職だと思って続けている仲間の流派から影響されることは非常に楽しかった。最大、5つくらいの流派と仕事しましたが、その時が一番でした。
やっぱり、信頼し尊敬できる仲間とのつながりがNICUでは一番ですよ。同じ流派でも、アカンもんはアカン。で、辞めちゃいました。

もと救急医もと救急医 2008/03/21 08:10 前にも申しましたが、外傷の心タンポナーデでは穿刺で抜くのは難しいのです。
今回のように凝固していますので。かといって開窓した場合、中途半端にドレナージだけ出来て、止血は出来ないことになりかねません。ですから、正中でも左開胸でも、止血操作が直ちにできるようにしないといけません。
JATECの穿刺に関しても、「効けばラッキー」というスタンスで指導していたはずです。
ガイドラインをさらっと踏まえただけの判例はたまりません。
外傷外科にも標準的なものはあるんですけど・・

もと救急医もと救急医 2008/03/21 08:19 ちなみに大学で指導していましたが、OSCE、悪くないんじゃないでしょうか?一応診察は出来るようになってますよ。もちろん腹部なんかでもアッペは鑑別できないし、十二指腸穿孔なら殴られそうな診断術ですが。それは慣れと教育、だと思うので、全員がベースとして同じものができるのはいいと思います。僕が学生時代には、内科で教わったこと、外科で全否定、なんて日常ありましたから。
ACLSなんかでもエピ1mg!なんて、サルでも出来る範囲ですよね。そういう範囲は統一できると思います。
外科医は基本的に技能集団ですから、各自が全く同じ術式にはなりえませんが、あるレベルを超えていれば、術中に修正ですますよ。あとは助手がいかにKYかによるのでは。医局、というのも、結局人次第だと思います。

YosyanYosyan 2008/03/21 08:22 京都の事件は後日分析させて頂きます。ちょっと腰をすえないと読めなさそうだからです。

それと流儀ですが、最後は人間関係だと思っています。尊敬できる医師との共同作業なら自然にその医師の流儀に合わせるものだと思っています。これは医療だけではなく他の職種でも当てはまる事だと思います。逆に尊敬できない者の流儀を押し付けられたら反発します。人間ってそんなものだと思っています。結局のところ平凡ですが、最後はその職場を指導するリーダーの手腕の様な気がします。

優秀なリーダーに率いられれば混成軍でも能力を発揮するでしょうが、ボンクラが率いればバラバラになり崩壊します。これまでは大学医局という共通の土壌、仲間意識が最低限の合意事項としてありましたが、これからはそれが失われていくのならリーダーの資質がより厳しく問われるような気がします。

AnybodyAnybody 2008/03/21 09:38 私は複数の大学出身者が混在していれば他の流儀の長所を取り入れるいい機会だと思いますよ。特に裏ワザ的なものとか。

阿吽の呼吸でチームを組むというのは最初は困難でしょうが、お互いに協調する気持があればできるんじゃないですか。初めから面倒がっている方が多いように思います。

+61+61 2008/03/21 10:13 オーストラリアのICUで働いていますが、医者も看護師も世界各国から集まっているので、流儀の違いなんて日本の医局間の違いよりも、はるかにすごいです。でも、大切なのは、みんなでやることについては「郷に入っては郷に従え」です。ですから、それぞれの病院や診療科単位で、ガイドラインやプロトコールを持っています。
それでも、上の医師によってそれぞれ流儀があるので、「今週は○○先生だから、こうしよう」とか、「今週の△△先生は、あの治療法は嫌いだよ」というのは、traineeの間の日々の主な話題の一つです。
結局、チーム医療を成功させる鍵は、
(1) 上の人間のやり方に対応できる、下の人間の柔軟さ。
(2) 下の人間の少々の流儀の違いなど気にしない、上の度量。
であり、(1)の能力に欠けたtraineeは脱落していくし、(2)に欠けたstaffの下には下が集まらず自然淘汰される、というだけの話です。すなわち、医局がなくても、ちゃんとチーム医療は成立します!

RodriguezRodriguez 2008/03/21 11:00 おじゃまします
スタッフの外科医は原則的に年長のスタッフと手術をすることはないと思います(私の考えるスタッフの定義)
指導者がいる間は研修の身分なので、相手に合わせ問題ないと思います
スタッフになれば、自分一人が責任を負うわけで自分の心地よい範囲で自由にすればよいわけです
スタッフはお互いに尊重しあう、または他人は関係ない ということだと思います
前提としてスタッフの力量が一定の水準以上、マンパワーがあること、チームの年齢分布のバランスがとれていることが必要ですが、全て不足しているから日本では難しいですかね
+61様のおっしゃるように、アメリカではレジデント、ナースがスタッフごとに対応を変えていました

マシュマロマシュマロ 2008/03/21 22:41 「この裁判のように医者の過失とされる」と言うのは違っていると思います。むしろ、本判決文においては、医師の過失はほとんど認定されていないのではないでしょうか。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080320

2008-03-19 消防庁データ余話

消防庁発表の救急搬送における医療機関の受入状況等実態調査の結果についての延長戦をもう1回やります。書く前はもう少し違う結論に持っていくつもりでしたが、出来上がったものは不作で単なる余話ですからそのつもりでお読みください。

この調査では救急搬送を4つに分類しています。

  • 重症救急(重症以上傷病者)
  • 産科救急(産科・周産期傷病者)
  • 小児救急(小児傷病者)
  • 救命救急(救命救急センター等搬送傷病者)

このうち重症救急については定義が決まっているそうで、僻地外科医さまから、

これは全国的に統一した基準がありまして初診時で

    軽症:入院を要さない程度
    中等症:2週間以内の入院を要する程度
    重症:2週間を超える入院を要する程度
    死亡

の4段階になってます。

ちょっと勉強になりました。今日は既に読んだ重症救急や産科救急ではなく救命救急(救命救急センター等搬送傷病者)データを見たいと思います。この救命救急なんですが分類の定義として、

このうち、本調査の対象となる搬送人員は次のとおりです。

  1. 重症以上傷病者搬送人員 530,671 人
  2. 産科・周産期傷病者搬送人員 46,978 人
  3. 小児傷病者搬送人員 386,221 人
  4. 救命救急センター等搬送人員 157,880 人

1、2、3 の重複を除いた調査対象の搬送人員は953,119 人となります。(4 の救命救急センター等搬送人員と1、2、3 の搬送人員の重複部分は区分できないため、合算していません。)

救命救急には重症救急、産科救急、小児科救急の重複分も含まれると考えてよいようです。そのうえで救命救急センターの定義なんですが、

救命救急センター等とは、救命救急センター、地域で救命救急センターに準じて取り扱われる施設(大学病院救急部など)をいいます。

さらに調査件数の対象ですが、

救命救急センター等搬送人員157,880人から転院搬送人員23,838人を除いた、134,042人について調査

上記から救急要請によって患家ないし現場から直に救命救急センターに搬送された調査であり、これに転院分は含まないという事が分かります。また救命救急センターに直と言っても二次救急が受け入れ不能により受け入れた分も含まれると考えて良さそうです。

まとめると

  1. 調査対象は134042人
  2. 転院搬送を含めない
  3. とにかく救命救急センターに直入されたもの

こういう案件が救命救急での調査の対象である事が分かります。なぜここまでクドクド念を押すかといえば都道府県の搬送件数のムラが極端すぎるからです。産科救急で大阪の件数が多いとか、重症救急でこれも大阪の件数が異常に少ないもありましたが、救命救急についてはそういうレベルではないのです。縦長の表で見にくいかも知れませんが、


都道府県 搬送件数 集計不能本部 消防本部数
北海道 3694 37 68
青森 0 14 14
岩手 0 12 12
宮城 2151 9 12
秋田 0 13 13
山形 0 15 15
福島 544 9 12
茨城 137 22 26
栃木 0 13 13
群馬 0 11 11
埼玉 2610 21 36
千葉 991 29 33
東京 23165 0 6
神奈川 22701 4 26
新潟 13481 5 19
富山 128 12 13
石川 0 11 11
福井 0 9 9
山梨 585 2 10
長野 39 12 14
岐阜 300 20 22
静岡 17676 5 27
愛知 6796 23 37
三重 0 15 15
滋賀 0 8 8
京都 0 15 15
大阪 7242 1 33
兵庫 221 23 30
奈良 783 2 13
和歌山 0 17 17
鳥取 0 3 3
島根 453 3 9
岡山 0 14 14
広島 2585 6 14
山口 579 7 13
徳島 0 12 12
香川 0 8 8
愛媛 1204 1 14
高知 0 15 15
福岡 2876 10 26
佐賀 0 7 7
長崎 62 6 10
熊本 0 13 13
大分 0 14 14
宮崎 0 9 9
鹿児島 59 15 19
沖縄 0 18 18
全国 111062 550 804


あまりにも空白県が多いことがお分かりでしょうか、その数実に22府県になります。理由は単純で集計不能の消防本部が府県下全部であるところです。半端な数ではなくて、全消防本部804のうち550ヶ所が集計不能となっています。他の集計と較べてみると、

  • 重症救急:74
  • 産科救急:64
  • 小児救急:71
  • 救命救急:550

救命救急集計の集計不能本部数の数が突出したものであり、全体の約70%が集計不能となっています。もっとも集計不能本部数ほど全体の集計の漏れは少なくて、


分類 調査対象数 調査人数 調査率
重症救急 411625 387983 94.3%
産科救急 24173 23494 97.2%
小児救急 354046 335325 94.7%
救命救急 134042 111062 82.3%

調査率は他の分類の救急調査より10%強ほど低いに留まります。これは全体の傾向を把握するには使えるデータにはなるでしょうが、都道府県毎の解析に用いたりするのには適さないと考えられます。

ですから消防庁の調査で救命救急センターの受入率として結論付けている、

 救命救急センター等搬送事案を他の事案と明確に区分している280本部における、救命救急センター等の救急患者受入率(照会数に対する受入数の割合)を分析したところ、首都圏、近畿圏等の大都市周辺部において、受入率が低い傾向が見られました。

これは正しそうな見解と言えなくもありませんが、データ解析としてはやや疑問符が付けたくなります。首都圏を関東1都6県に山梨を加えたものとし、近畿圏を近畿2府4県とすれば、


首都圏
都道府県 集計本部 本部数 調査率
茨城 4 26 15.4%
栃木 0 13 0.0%
群馬 0 11 0.0%
埼玉 15 36 41.7%
千葉 4 33 12.1%
東京 6 6 100%
神奈川 22 26 92.3%
山梨 8 10 80.0%
全体 59 161 36.6%

近畿圏
都道府県 集計本部 本部数 調査率
滋賀 0 8 0.0%
京都 0 15 0.0%
大阪 32 33 97.0%
兵庫 7 30 23.3%
奈良 11 13 84.6%
和歌山 0 17 0.0%
全体 50 116 43.1%


首都圏、近畿圏とは言え栃木、群馬、滋賀、京都、和歌山が調査報告ゼロの県です。調査率と調査本部数の数は比例しないとは言え、埼玉は半分以下、茨城、千葉、兵庫はさらに低率です。たしかに首都圏の要である東京、神奈川、近畿圏の要の大阪が入っているので無理に言えないことはありませんが、少しまとめ方として大雑把に思えてしまいます。さらに比較している首都圏、近畿圏以外の33道県のうち15県が調査報告ゼロですから「そうらしい」と言いたい気持ちはわかりますがやや強引な結論に感じます。

もっとも私の検証も強引でデータを検証する前はもう少し違う結論に誘導できるかと思っていたのですが、結局は重箱の隅をほじくるだけで明らかに不作です。時間をかけて調べたので悔しいから一応書きましたが出来栄えとしては余話としています。



データを読んで感じた事は、皆様もコメントに寄せられた通り「救急医療は頑張っている」です。医療全体がそうなんですが、救急医療にも逆風が吹き荒れています。救急医療体制は救急需要の増加に反比例するように弱体化しているのに、ここまでの成績を残しているのは驚異的です。とくに弱体化が著しいとされる地方で頑張っているのはもっと称賛されても良いと思います。

地方と首都圏、近畿圏のような大都市圏と違うところは何でしょうか。前提として設備人員とも地方のほうが劣ります。医療の足腰の衰え方も地方のほうが顕著です。それでも成績は地方のほうが優秀です。理由としては救急医療体制の弱体化が中途半端に良い方に作用しているためと感じています。救急を応需できる中小の医療機関が減少した結果、活動している病院が限定され、救急搬送はほぼ一直線に限られた生存病院に直行するためでは無いかと考えています。

国策からすると集約化の結果と自画自賛されそうですが、必ずしも手放しで喜ぶほどの成果ではないと思います。地方医療における集約化は計画的なものではなく、自然衰退の一過程に過ぎないと考えています。集約化されたとされる残存病院の内情は様々でしょうが、医師の間で常識化された集約化の算数があります。

    1+1<1.5

これは二つの病院が合併しても戦力が2倍になるわけではなく、1.5倍だったり下手すると1.0で変わらない、最悪1.0以下になることです。2倍にならない理由は様々ありますが、一番わかり安いのは医師が集約によって零れ落ちる事です。集約化されても患者の数は変わりません。とくに救急患者の数は変わりません。医師の数が増えてラクになるはずの分を帳消しするほど負担がかかります。

それでも集約化されて最後の拠点病院の性格を明らかにされた病院で働く医師は「後がない」の使命感で懸命に持ち場を死守しています。その結果がデータに現れていると私は思います。この状態は見た目上の成績とは裏腹に非常に危ういものです。最後の拠点病院が倒れれば広範囲の地域の救急体制が文字通り崩壊消滅します。のぢぎく県の但馬地方がまさにその状態で、サテライト病院の戦力を可能な限り削減し基幹病院に戦力を集中していますが、既にサテライトから搾り出される戦力は限界に達する一方で、基幹病院からの出血はダラダラと止まる事はありません。

最後の拠点病院が落城する時、地方の医療の新たな崩壊のステージに突入しますが、確実にカウントダウンは進んでいます。

大都市部は事情がやや異なります。地方に較べれば戦力自体はまだ余力があります。ただ医師の意識は地方に較べると格段に高いところがあります。防衛医療の浸透はすでに不可逆点を越え、自分の能力、医療機関の能力をドライに割り切る傾向が著明になっています。これは医師自らがそう変わったというより、医療訴訟からのJBM、日々の患者からのクレームに変えさせられた面が多大にあります。情報社会ですし、医師は内部の人間ですからそういう情報は少し意識すればふんだんに入手できます。

そういう情勢の中で地方のように最終拠点病院の形成が困難になってきていると考えています。そういうところに志願せずとも地方と違い働き口は幾らでもあり、無理やり作っても医師が集まりません。病院も救急医療は基本的に赤字ですし、無理に運営すれば医師に逃げられますから、現在のしがらみで行なっている以上の整備には及び腰で当然でしょう。

救急だけではありませんが、医療危機は破滅の縁からもう踏み出しています。次の一歩の着地点はもう地面でなく、断崖の向こうになっていると言うことです。それでもその歩みを止めるものはいません。止めるどころか後ろから強力に押し続けています。押している者には断崖の縁は見えていませんが、押されている医師には見えています。

やはり医療が断崖から転落し砕け散るまで誰も気がつかないのでしょうか。一部に気がついた者も出てきましたが、押し続けるものを食い止めるには余りにも微弱です。本当にしんどい時代です。

Med_LawqMed_Lawq 2008/03/19 09:57
救急病院の集約化
→労働基準法を遵守できる能力をもつので、労基法の遵守
→交代制で8時間勤務
→1週当たり、のべ21勤務単位/一人当たり勤務5単位(週40時間勤務)で最低4人必要
→違法残業の強制
→労働基準法違反で管理者への指導
→指導違反で送検
→指導改善なく、逮捕。お取り潰し

労働基準法に従った基本的なことを言えば、残業を命じることができるのは、36協定を結べる過半数組合あるいは、過半数を代表するものとの明文化された協定があって初めて可能。(当直命令も含む)

医師が過半数を占めるパラメディカルの意見に従って当直を命令される?!なんていうことがあれば、皆、怒りの声を挙げることでしょう。

医師の皆さん、36協定が明文化されているか確認しましょう
それがない限り、当直命令に従う必要はありません。
そもそも違法な命令なのですから

1+1が1.5どころではなく、もともと当直・夜間勤務できる余地は全くない実情を考えれば、絵に描いた餅どころか、アダムとイブに知恵のリンゴを与えるような出来事です

さっさと、労働基準法に従って粛々と労働基準監督署に指導をお願いしましょう
指導に従わなければ、司法警察として管理者に刑事罰まで待ってます
公立病院であれば、刑事罰を食らえば懲戒解雇までありますわな
退職金を守るために、医師の労働環境を守るのか、さっさと退職するのかの選択を事務屋に迫らないと、あの連中は何も変えようとはしません

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/19 10:06 余話と言われる割には濃い内容ですが、救急医療崩壊の本質が一般人にも分かりやすい良文と思います。のぢぎく? のじぎく? 兵庫県と神戸市あわせて8兆円(公表値)の借金があるので医療整備どころではないのでしょうが、県立病院を救急医療に特化(医師も含めて故意以外の完全免責と、休養も任務とする事は必須)し、民間病院と開業医にそれ以外を任せることしか再建案は思い浮かびません。

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/19 10:21 なお、のじぎく県救急医療崩壊で戦犯扱いされているのじぎく大学も、救急部配属中は研修医でも(宿直ではなく)夜勤手当があり、交代制で(呼び出しがない)休養も確実にあった事は評価されるべき点かと思われます。救急部長が救急医療の成立条件をよく理解し、管理者である国に対して一歩も引かなかったためです。

BugsyBugsy 2008/03/19 11:59 少し調べてみましたが、
東京都の場合、総務省の消防庁と混同されがちですが、東京都消防庁があり第一から第十までの消防本部があるそうです。例外として稲城市、東久留米市及び伊豆諸島、小笠原諸島の島嶼(島しょ)地域では、東京消防庁に消防事務を委託せず、各々の自治体が消防業務を独自に執行しているようです。
また救急隊は総数227ほどあります。

従って今回東京都の本部数が6とあり集計が6という数字は何なんでしょう?
千葉、埼玉、大坂の本部数が30余りありますが、組織の成り立ちが異なるのかもしれませんが、それにしても以上のように東京都では本部数が10以上あるはずが、6とは少ないです。
想像ですが、6つの消防本部に集計を依頼して残りの稲城や4つの消防本部には声をかけなかったんですかね。10全部を調べたら重症搬送数はもっと多くなるのかもしれません。
当然 救急患者受入率とやらの比較もあやしく感じています。

BugsyBugsy 2008/03/19 12:11 うーん それとも

東京消防庁稲城市消防本部東久留米市消防本部大島町消防本部八丈町消防本部
三宅村消防本部 とすれば6つにはなりますけど。

YosyanYosyan 2008/03/19 12:34 Bugsy様

消防本部一覧のHPを参照しただけなんですが、東京消防庁、稲城市消防本部、東久留米市消防本部、大島町消防本部、八丈町消防本部、三宅村消防本部との分け方になっています。東京消防庁の中でも細分化はあるようですが、これが統計にどう反映されているかはわかりません。

BugsyBugsy 2008/03/19 14:03 救急医療 とりわけ3次救急の次世代の担い手たる若い医師についてです。

よく大学病院ごとに前期研修医が何人入ったなんて話題が時折耳に入って来ます。
4月になればわかることですが、実は前期研修医が3-40人でまあまあかな、うちはそんなに過疎地じゃないしと思っていた複数の有力大学でも、後期研修即ち同じ大学病院の診療科を選ぶ(入局の)際に一桁しかおらず、大慌てになっていると学会で耳にするようになりました。前期研修から一桁しか集まっていない場合はもっと酷いです。前年よりもさらに悪化です。
当然救急を担う外科系や循環器内科なぞも壊滅です。
これじゃあ救急センターに入局者も集まらず、そこに派遣してあげようにも他の診療科にも医師が居なくなってます。さらに云えば、これは統計はありませんが、そういった診療科に入局してくれてもほんの2-3年で見切りをつけて他の病院に移る若手の話がよく話題になりますね。

実に救急救命センターは極限まで頑張っていることがわかりましたが、別の見方をすれば、ここ数年がピークかもしれません。
少なくとも都道府県によっては救急の担い手を大学に求めるのは確実に不可能となるでしょう。じゃあ市中病院を研修先に選んだ医師が救急医療を志すようになるかというと自信が持てません。

暇人28号暇人28号 2008/03/19 17:06 横から失礼します。
Bugsy先生の話、非常に深刻ですね。

「チーム医療」が昨今叫ばれており、重要性は皆さんが認識している通りなんですが、別々なところで研鑽を受けてきた医師たちが一同に集まって「チーム医療」が出来るのでしょうか。なんだかんだ言っても「同じ釜の飯を食った仲間」でないと細々としたところで様々な齟齬が生まれて破綻するんじゃないのかなあ。寄せ集めでは難しいと思います。そういった意味では、大学医局制度というのは必要悪だったんだなあ、しみじみ思います。

YosyanYosyan 2008/03/19 17:24 暇人28号様

 >別々なところで研鑽を受けてきた医師たちが一同に集まって「チーム医療」が出来るのでしょうか

確かに。

いかに標準治療の確立と言っても医師によって微妙に流儀は違います。これまでは医局系列と言う家元がありましたが、家元制度が無くなれば差は大きくなるだろうと思います。さらに拙い事に医師は流儀の小異に非常にこだわる面が強く、簡単に「オレは知らん」に陥ります。病院の集約でネックになる点の一つです。

「チーム医療」は集まるだけでは不可能で、誰かが流儀の小異をまとめこむ必要があります。これまでは家元がこれを統制する力がありましたが、これからはどうなっていくのでしょうか。

なっくなっく 2008/03/20 09:08 外科はもともとチーム医療が必須な科ですが、二つ以上の医局から派遣がある病院で一つにまとまってるとこなんて見たことありません。
すくなくとも手術はA大学チーム、B大学チームみたいな感じになっちゃってますな。
まあ、ケリーの使い方ひとつからして違う人たちじゃあ、手術がやりにくくてしょうがないですよね。
さらに流れ者ばかりが集まったとこで仲良くやってるなんて話聞いたことないですし

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/20 16:28 たぶん、看護婦(師)さんの世界に似た形になっていくんですよ。彼女ら、内輪もめしながらも、仕事としてはチームとして回ってるでしょう?
ケリーの使い方は、出身医局のプライドではあっても、実技としてそれ自体に価値があったのではないってことです。

救急は、そのうち、裁判で「救急にそこまで要求するべきではない」っていう画期的判決がでるでしょう。いつになるかは読めませんが。
医療系ブログは疑心暗鬼ながらも大喜び、ようやく世間が医者パッシングの愚に気がついたか、と思いますが、それは同時に、医師という偶像がただの一般サラリーマンの延長に堕ちたことでもあります。
・・いまみたいにパッシングされているよりマシだ、というのは確かにそうなんですが。
それで、一労働者となった医師がどうなるかというと、資本に使われる駒になる。
資本主義の中に医者は埋もれていくわけで、そこで使える能力(=利潤を生み出す医療技術)をもっているかどうか?で、サラリーマン医者は格差が開く。
専門医とか資格は、経済学部卒のMBAと同じ、入社には有利だが、結果出せなければ意味無い。
昔スリランカにNGOの付き添いでいったときに、現地にいくらでも開業医いるんで驚いた。現地の医者は危険地帯に近寄らないし、ペイしない医療は行わないっていうだけで、NGOは感謝はされるけどそれだけ。たまに武装勢力に誘拐されて身代金取られたりするし・・

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/20 16:30 おっと、お客さんいらっしゃった。
さて、資本主義社会に見合った医療に励まなければ(^^;。

ssd666ssd666 2008/03/21 08:20 心嚢穿刺なんて、時代遅れの手技です。
もう時代は、挿管を待つことなく30分以内に開心術開始です。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080319

2008-03-18 あくまでも噂話です

まずは似たような報道記事を2連発で、まずは3/6付時事通信社より、

近畿大を書類送検=残業代未払い、労基法違反−5年前にも是正勧告・大阪労働局

 近畿大学(大阪府東大阪市、畑博行学長)が事務職員の残業代計430万円を支払っていなかったとして、大阪労働局は6日、労働基準法違反の疑いで、同大と元人事部長(48)=昨年10月25日付で人事部長代理に降格処分=を大阪地検に書類送検した。元人事部長は残業代を支払っていなかったことを認めているという。

 調べでは、元人事部長は昨年1月から6月まで、大学本部で勤務する事務職員34人に、残業時間を月45時間とする労基法に基づく労使協定(三六協定)を超えて残業させ、430万円の残業手当を支払わなかった疑い。

 同大は残業代の支払いを30時間で打ち切っていたとして、2003年7月に東大阪労働基準監督署から是正勧告を受けた。いったん上限を撤廃したが、04年4月から三六協定による45時間を上限に再び打ち切りを始めた。

近畿大学では事務職員に対して、

  1. 三六協定の45時間を越えて残業させた。
  2. 残業代の上限を45時間にし後はサービス残業とした。

どこでも人件費節減のために常套的に行なわれている手法とは言え、言い訳できないほどの違法行為であり再犯となれば

同大と元人事部長(48)=昨年10月25日付で人事部長代理に降格処分=を大阪地検に書類送検

おそらく歴代の人事部長が「当然」として行なってきたのでしょうか、労基法にも牙はあるというわけです。

続いて3/15付時事通信社より、

阪大でサービス残業=労基署から是正勧告受ける

 大阪大学(大阪府吹田市)が職員にサービス残業をさせていたとして、茨木労働基準監督署から労働基準法違反で是正勧告を受けていたことが15日、分かった。同大は職員5400人を中心に過去2年間の勤務実態を調査しており、サービス残業が確認された職員らには、今月中に残業代を支払うという。

 同大によると、昨年10月、職員から「残業が適切に報告されていない」との通報を受け、独自に調査。職員1人について、残業時間を月80時間、年間360時間とする労使協定を超えて残業させていたことが分かった。

近大と微妙に表現が違います。対象が、

  • 近大・・・事務職員34人
  • 阪大・・・職員5400人

ここで気になったのは阪大の職員に医師が含まれているかどうかです。まさか阪大に事務職員だけで5400人もいるとは思えないですからね。どう気になるかといえば、3/14付エントリーで取り上げた救命救急センターの勤務状況に関連します。ネタ元は3/13付Asahi.comなんですが、近畿の救命救急センター28施設のうち6施設が交代勤務制を行なっている部分です。記事を引用すると、

大阪大付属病院(同府吹田市)など6施設は数チームによる交代制などを取っており、宿直勤務はなかった

Asahi.comはおそらくさして意識もせずに交代勤務制を取る病院の代表格に阪大病院の名を挙げています。他の病院でも良かったのでしょうが、一番有名だろうと言うことで名を挙げたのではないかと考えます。ところがこの件につき剣呑な情報が手許に寄せられています。事が事だけに情報提供者も匿名が絶対条件としており、「さる複数の阪大関係者筋」としかできませんので、あくまでも噂話としておきます。

阪大病院ではICUは間違い無く交代勤務制で表に出しても問題ないレベルだそうです。しかし

    阪大病院救命救急センターは交代勤務制ではない

とのことです。

ここで阪大病院が交代勤務制で無い事自体はよろしくはありませんが、無茶苦茶恥しいレベルではありません。近畿2府4県の救命救急センター28ヶ所のうち交代勤務制は阪大病院を含めても6ヵ所しかないのです。また調査は朝日新聞の独自調査であり、回答する義務もありません。現に長浜赤十字病院と南和歌山医療センターは回答していません。回答しないのも問題は残るとは言え、回答しなかった事自体は非難集中の問題行為と言えないからです。

それをわざわざ阪大病院は虚偽の回答を行なったのです。内情としてはわざわざ教授会まで開き対応を協議し「実態をそのまま回答すべきだ」の声を押し潰し虚偽回答の作成に強権を揮ったとされます。朝日新聞の調査はどうやらアンケート方式であったようで、医師個人にも調査票が送られ記入回答する形式だったようですが、阪大病院は回答例を作成し幻の交代勤務制を演出したのです。

新聞社の調査ですから、虚偽回答を行なったところで犯罪行為になるわけではないでしょうが、教授会は虚偽回答の秘密をどれだけ守れると考えていたかに疑問を感じます。つまりは情報の漏出です。ネット社会の情報伝達力をどれほど計算に入れていたかが不思議です。確認してませんが、某巨大掲示板やm3あたりに簡単に漏出していても不思議ありません。それでも虚偽の回答を作成する事にした決定に疑問です。

なぜそこまでの無茶をしたかの理由に

    労基法違反が発覚すれば大変な事になる

これがあったとの情報もあったのですが、労基法違反なんて病院では日常茶飯事過ぎて今さら理由になるのが不思議でした。しかし上記の阪大職員の労基法違反調査があると知り、少しだけ合点がいきました。おそらくですが、労働基準局による調査が阪大本学で着手されていた、ないしは着手されるかもしれないの情報があった上での教授会の判断であったのではないかと言うことです。

それでも私は釈然としない部分が残ります。労働基準局による調査ないしは調査情報を懸念して朝日新聞の調査に虚偽の回答を行い事実を隠蔽する決定を行なったとしても、後で事実を隠蔽した事が判明した時のほうが影響が大きいと思います。今どき誰でもそれぐらいは頭は回ります。長浜赤十字病院や南和歌山医療センターのように無回答の選択もあったはずです。やろうと思えば救命救急センター間で回答をしたかしないかの横の連絡は事務レベルで可能のはずです。

あえて回答を出し、さらに虚偽の回答を強制的に作り上げたのは、労働基準局の調査が阪大病院に及ばないかもしれないの観測もあったからだと考えます。下手に無回答だと労働基準局が勘ぐって調査に及ぶかもしれませんし、交代勤務制で無いとすればこれを証拠として病院も調査範囲に加えられるかもしれないの判断です。病院が調査に引っかからないようにするためには「交代勤務制である」と報告する以外は手は無いという判断です。これならそこまで強権を揮った理由は辻褄が合います。

辻褄は合いますが火種は残ります。虚偽の回答を強制的に書かされた医師の怒りは大きかったそうです。そりゃそうで、医師にとってはメリットの無い協力だからです。虚偽に協力したところで当直勤務制が交代勤務制に変わるわけではなく、口止め料が入るわけでもありません。労働基準局の調査で時間外労働に正規の手当が出るようになる事も医師にとっては歓迎すべき事ですが、虚偽に協力したら逆に改善されません。つまり虚偽に加担して得られるメリットが皆無に近いという事です。

もちろん皆無ではなく、阪大は医局の影響力が色濃く残っているところと聞きますから、反旗を翻すと昔ながらの人事上の報復はありえると思えます。ありえるからこそ怒りながらも教授会の決定に従ったのでしょうが、憤懣は残りますし私のようなところにもリーク情報が届きます。そのうえで後日虚偽だった事が明らかになった時にどうなるか。雪印の例を持ち出すまでも無いと思いますが、責任者は相当なバッシングを覚悟しなくてはいけません。

あくまでも噂話ですが、あまり賢い決定を行なったとは思いにくいところです。

shy1221shy1221 2008/03/18 09:38 何だか頭の悪いやり方ですね。教授会にも何のメリットも無いと思いますけど。困るのは事務くらいでは?

YosyanYosyan 2008/03/18 09:44 shy1221様

 >困るのは事務くらいでは?

個人的には教授会の根回しをしたのは事務ではないかと考えているのですが。

SeisanSeisan 2008/03/18 09:51 近畿大学の事務職員って、たぶん東大阪の本部の話かと。医学部・付属病院は関係ないでしょう。今さらだし。
だって、救命センターの当直料が一晩1万円でしょ?
今時、コンビニの深夜バイトの方がよっぽど給料いいですよ。

医者の労働なんかはほったらかしで、結局事務職員は優遇されるんですね。
ま、近畿大学は、某議員さんの選挙対策で、事務職員のかなりの数が後援会の有力者の子弟だという話も聞いたことがあるので、大事にしないといけないんでしょうね。
自前で生産できる医師・看護師と違って。

その点、阪大は嘘のアンケートか。でも、国立だからこそ、労基署も広範囲の職員に対する「違法行為」を指摘できたんでしょうね。

BugsyBugsy 2008/03/18 10:07 最近病院の情報公開と銘打って病院ランキングなるものが矢継ぎ早に出版されています。
ただこの取材たるものアンケート用紙が病院に送りつけられ、どうやら事務が書いて返送しているようです。病院の広報のつもりで都合が悪いことは書かないようです。

今回の労働条件もこんな具合で医師にまで調査用紙は来なかったんじゃないかと推測します。事務がちゃちゃっと返事したんじゃないですか。こういう内容で返答しましたと教授会で稟議はしなかったでしょ。だって行政からの問い合わせならともかく マスコミへのお返事などよりも各種委員会が目白押しで、教授たちにはあずかり知らないと考えます。

YosyanYosyan 2008/03/18 10:15 Seisan様

 >その点、阪大は嘘のアンケートか

嘘のアンケートを出しておいて、大車輪で嘘を真に変えている状態なら前向きなんですがどんなものでしょうか。いちおう労基局の調査もありますし、兵庫医大の報道もありましたから、可能性はゼロではないと思ってはいるのですけどね。

YosyanYosyan 2008/03/18 10:22 Bugsy様

あくまでも情報提供者を信頼しての話になりますが、教授会が現状をそのまま報告するのに反対したとされます。またリークになったのは虚偽の調査書を医師に直接書かせたために情報が広まったためとの情報です。虚偽の調査書を無理やり書かされたために、その怒りがリークの原因になっているということです。

むしろ事務レベルでチャチャッと処理しておれば怒りのリークは出なかったかもしれません。

rijinrijin 2008/03/18 11:05  さすがにこのエントリは、阪大の弁護士から法的対応が来る可能性を覚悟する必要があります。

 たとえ事実であったとしてもウラを取っていません。少なくとも阪大に電突ぐらいはしておかないと、厳しいように思います。

 もし事実関係を阪大自身の手によって明らかにさせるためとおっしゃるのであれば、それは酔狂というものであるとは思いますが…。

tadano-rytadano-ry 2008/03/18 13:21 一応阪大のページを漁ってみると

http://www.osaka-u.ac.jp/jp/annai/about/outline.html

職員数
 教員 2,846人 教員以外の職員 2,299人  合計 5,145人
 非常勤職員等 3,093人

とありますから、教員については入っていると思いますが…。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/18 13:56 >医者の労働なんかはほったらかしで、結局事務職員は優遇されるんですね。
そんなとこに勤めてる医師がヘタレなだけです。「自前で生産できる」んですから。
>さすがにこのエントリは、阪大の弁護士から法的対応が来る可能性を覚悟する必要があります。
来ない来ないw。だって阪大病院が労基法遵守してるわけないものww。

mit33mit33 2008/03/18 14:10 大阪大学のHPの大学概要の欄(http://www.osaka-u.ac.jp/jp/annai/about/outline.html)では

組織として「2附属病院 (医学部、歯学部)」と書かれており、職員数も「教員以外の職員 2,299人」となっているので附属病院の職員も入っているかな、と思ったのですが、大阪大学附属病院のHPを見ると「国立学校所属」の職員は96人で、「病院所属」の職員が1,867人となっています。

医学部がない国立の埼玉大学で事務職員数は227人となっているので(http://www.saitama-u.ac.jp/guide/outline/faculty.html)、2,299−1,867=432名は事務職員の数として妥当なので、附属病院の全職員も5400人には含まれていると思いいます。

TOMTOM 2008/03/18 14:53  東京の某国立大学附属病院(言ったも同然?)でしかも10年以上前の話ですが、事務の単純ミスのせいで医局員の給与予算が大幅に足りなくなると言う“事件”がありました。この為、下っ端は突然「医員」としての地位を失い、給与が出ないどころか「専攻生」扱いとなり、かえって大学に「授業料」払って病院で勤務させていただく、という事態になったことがあります。あまりの事に若手医師が怒り、自主的にアンケートをとって提出というそれはそれは穏やかな方法で大学当局に抗議したら、教授会は「最近の若い医者は医師の心がない」と公式に若手医師を非難する声明を出してきました。私はその時「専攻生」になった者の一人です。私が大学なんてもんは心底信用ならん、もう大学の人事を受けるのはまっぴらだと思った瞬間でした。
 その時も事務は誰一人責任をとらなかったし、教授達は若手医師達つまり直属の部下で後輩の味方ではありませんでした。もちろんこの自体験をそのまま本例に当てはめる事はできませんが、国立大の教授会なんてそんなものだろうと思います。この情報が正しいとして、阪大どれほどの将来の優秀な医師を失ったか、ちょっと楽しくなってきました(不謹慎)。いつもながらスレを分析しない自分語りですみません。

 ところで労基署って、ホントに医者を労働者の一人として扱ってるんでしょうか。なんかこの「指導」でも枠外に置いてそうな気が...

じゅんじゅん 2008/03/18 15:20 医師や看護師の勤務時間を隠し通すことはできません。
なぜなら、数年間保管義務があるカルテなどに時間外労働の記録が残るからです。
最近では、カルテの記載と記載者のサインを念入りに行う人が多いようです。
また、オーダリングシステムや電子カルテシステムが納入されていたら、ログイン時間やオーダー発行日時が記録されてしまいます。
麻酔科医であれば麻酔記録、外科医であれば手術記録や手術室の稼動記録などから、勤務実態をある程度把握できると思います。

さて、病院の労務管理者はだれなんでしょうか?
もし、文部科学省からのローテート事務だったりすると、頭が痛いでしょうね。
労働基準法違反は、犯罪です。公務員が刑罰を受けたら懲戒処分です。
場合によっては、免職されてしまいます。
しかも、労働基準局は厚生労働省ですが、大学は文部科学省の管轄です。
大学教授も文部科学省には、予算獲得のため逆らいにくいですが・・・
働いている人は、そうとは限りません。
労働基準局による調査に虚偽回答して、労働基準局にさらなる相談があれば、
いずれ再調査されるでしょう。
隠蔽したら悪質な法律違反と思われるでしょうね。
悪質な労働基準法違反者は、どんどん処罰されるといいなぁ。

ところで、参議院予算委員会で厚生労働大臣は、自見さんの質問への回答で「労働基準法違反が1283件で認められた。病院は高率に違反している。法令を守らせるよう努力する。」と答弁しています。
法令を守らせるように努力するということですから、悪質な法令違反は検挙されるということだと思っていますよ。

江原朗江原朗 2008/03/18 23:31 「労働基準法施行規則第24条の2の2台6号の規定に基づき厚生労働大臣の指定する業務を定める告示の一部を改正する告示の適用について」の一部改正について
http://pediatrics.news.coocan.jp/sairyo.pdf

医学部で裁量性の労働をできるのは、教授、助教授、講師のみです。

卵の名無し卵の名無し 2008/03/19 08:11 市中病院へ労働基準法を適用するほうが先で、大学という教育機関には大学の自治権があり文部科学行政の裁量権を無闇に侵すと余計に行政全体が混乱するだけ。やはり厚労省はアホ。

柔らか医者柔らか医者 2008/03/19 09:32 医師に労働基準法を守らせると今の日本の医療のアクセスしやすさは完全に失われますね。
これは医療費削減に有効かも。
案外厳しく指導したりして。(笑

じゅんじゅん 2008/03/20 08:32 厚生労働省が、自分で考えずに誰かに医療現場で労働基準法を守る方法を考えさせたいと思ったら、大学病院か第3セクター方式の地方自治体関連病院にやらせてみたらいいっていう考えになるような気がします。そこなら、労働基準法をつかえるし。
自分で交渉したり、考えたりするのはとても大変だから、とりあえず、やらせて、だめならその時に考える。現場の混乱を気にしないのは、いつものこと。鞭は労働基準法違反による刑罰です。
予算は、与えなくて出向公務員が保身のために労働基準法を守る方法を考えてくれるはずです。
いろいろ試させて、そのなかからよさそうなものを、選んでこういう方法が現実的ですと提示する。
大学病院から始めて、徐々に市中病院に浸透するのではないのかなぁ??

2008-03-17 救急待機時間マップ

消防庁発表の救急搬送における医療機関の受入状況等実態調査の結果についての延長戦です。一昨日に数字を調べたのですが、そこまでやったら今度はマップにしてみようと言う企画です。消防庁の調査では搬送の問合せ回数(いわゆる「たらい回し」回数)と現場での滞在時間(待機時間)が集計されています。救急搬送でより重要なのは問合せ件数ではなく、搬送先を見つけ出す時間です。「たらい回し」と言っても実際に街中を救急車が爆走しているわけではなく、ひたすら電話で搬送先を探している状態であるからです。問合せが何件であるよりより早く搬送先に向かって走り出すことが大切な事です。

目安としたのは「30分」です。これ以内であれば問題無しとし、これ以上必要であれば問題ありと分類してみます。「30分」を目安にしてよいかどうかは議論もあるかもしれませんが、消防庁のデータ分類がそうなっているので利用させてもらいます。また数字は30分以上の待機時間が生じた搬送件数を総搬送件数で割ることで出しています。つまり各都道府県で救急搬送時に30分以上の待機時間が発生するかの比率です。

マップにするには何らかの目安で階層分けを行なわなければなりませんが、通常は平均をまず目安に考えます。

  • 産科救急:5.7%
  • 重症救急:4.2%

この数字自体非常に優秀な数字だと思うのですが、それは置いておいて、これでも全国の都道府県のデータを見ると実態を表していると言い難いところがあります。つまり一部の都県が非常に突出しているのです。そこでとくに突出していると考えられる、東京、神奈川、埼玉の3都県の数値を抜いて見ます。

  • 産科救急:3.2%
  • 重症救急:2.2%

ここから得られた産科救急3%、重症救急2%を階層分けの基準としてマップを作成します。

まず産科救急です。

続いて重症救急です。

どちらも似たような傾向があり、首都圏、近畿圏が30分以上の待機時間発生率が高いことがわかります。とくに首都圏が高率なのが良く分かると思います。黒く塗った都県で約10%ぐらいですから、10件に1件程度は30分以上の現場での待機時間が発生している事になります。ただし首都圏に次ぐ近畿圏でも約5%、その他の府県では3%に満たないところが殆んどで、さらには2%以下、1%以下のところが大部分です。あくまでもデータの上だけですが、現場の待機時間の長時間化は都市部の問題であり地方の問題とは言えない事になります。やや違和感を持つ方も多いでしょうが、消防庁の公式データではそうなっています。

正直なところマップにして見渡すと医療関係者の努力に改めて感嘆します。地方医療は医師不足の悲鳴が上っているのは周知のことです。また救急搬送の頻度が増えているのも手許にデータが無いのが残念ですが確実に増加しています。件数が増加し体制が弱体化すればもっと著明な綻びがデータとして現れても不思議無いのに、一部地域を除いて長時間の「たらい回し」はほとんど出現させていません。これはもっと褒められても良い事では無いかと感じてします。

ところが現実は件数の増加と体制の弱体化を懸命に支えている医療現場をひたすら叩いています。非難を超えて社会的制裁のようなバッシングの嵐を浴びせています。バッシングの結果、弱体化した救急体制の現場から医療機関が脱落し、残っている医療機関内も空洞化が進んでいます。いくら鞭を振るって叩いても医療の救急応需はこれ以上の要請に応えるのは難しいと考えざるを得ません。それなのにひたすら叩く事で解決を目指そうとしているように見えてなりません。

叩く目標も壮絶で「救急はすべて救急隊が指名した病院に1回目の要請で応需すべし」です。理想はそうでしょうが、体制の整備をなおざりにして机上の目標だけ通達しても冗談にも聞こえません。データは語ります。


分類 30分以内 60分以内
重症救急 96.0% 99.6%
産科救急 94.3% 99.7%


1時間以内に重症救急も産科救急もほぼ100%で搬送先を見つけています。残り0.3〜0.4%がさらなる長時間化となっているだけです。これをすべて30分以内にしたいというのなら、体制整備の方向はITではなく医療体制の充実しかないと考えます。医療体制の充実は王道しかなく、医師の数を増やし、さらに医師の数が増えてもそれを雇える病院の経営体力の強化のはずです。それに反する政策を行いながら救急体制の完璧化を求めるのは無いものねだりの様に思えてなりません。

僻地外科医僻地外科医 2008/03/17 08:50  結局のところ、産科救急ではわずか13都道府県を除き3%以内、重症救急では15都府県を除き2%以内と言うことですね。
 地域医療の崩壊と言われる昨今から考えると恐ろしく立派な数字ではないかと思います。

 ところで地図の色分けなのですが、0〜2(3)%を白にした方がより視覚に訴えて見やすいと思うのですが、難しいですかね?

YosyanYosyan 2008/03/17 08:59 僻地外科医様

これは使っているマップ作成ソフトの能力の関係で、嫌でも6段階に分けなければならない仕様になっている事を御容赦ください。制限があって使い難いのですが、一方でデータベースをそのまま使える便利さもあるので個人の努力としてはお許しいただきたいと思っています。

BugsyBugsy 2008/03/17 12:07 結局マスコミが騒ぎ立てるのも 産科もそうですが重症例のうち何箇所も受け入れ不能のなかで不幸な転帰となったごく稀な例を挙げつらっているだけだとよくわかります。
希有であるからニュース性があるわけで 受け入れ不能が常態化しているわけではないことがよくわかります。
そもそも大阪府の救急病院を「看板倒れ」と報道した様ですが、それならば首都圏の救急病院をしらべたらどうだと言いたいですね。

むしろ騒ぎ立てていることで 一気に崩壊させるのはいとも簡単です。

SeisanSeisan 2008/03/17 12:19 なんか、大阪は奈良に引きずられて奈良分を引き受けている影響で悪くなっている気がします。
特に東大阪から河内長野にかけてで受け入れ困難が頻発しているという要素を考えると大阪だけの問題ではなくなってきていますね。

そのうち、救急鎖国するしかなくなったりして。
「大阪で税金を払っている人優先だから」などの理由でね。

tadano-rytadano-ry 2008/03/17 12:21 僻地外科医様のご意見を取り入れた上で作ってみました。ご自由にお使い下さい。
マップのデータは昔の会社で使っていたものです。

重症救急 http://f.hatena.ne.jp/tadano-ry/20080317121741
産科救急 http://f.hatena.ne.jp/tadano-ry/20080317121740

ssd666ssd666 2008/03/17 12:56 あと、たらい回しが起きたときの時間あたりのたらい回し回数などの成績も重要ですネ。
たらい回しインデックスを作ってどこかに投稿しましょう。

元救急医元救急医 2008/03/17 14:00 >なんか、大阪は奈良に引きずられて奈良分を引き受けている影響で悪くなっている気がします。
>特に東大阪から河内長野にかけてで受け入れ困難が頻発しているという要素
 そう考えるのは普通かもしれませんが、現実は違います。東大阪市と奈良県の間には生駒山があって、地理的には直結していません(鉄道はすぐですが、車での救急搬送先として探す相手ではありません)。河内長野は元々が大阪のへき地です。奈良と地理的につながりがあるのは柏原・藤井寺・松原あたりですが、松原に救急搬送を頼んだという話は聞きませんし、柏原はかなり小規模な街です(さらに言えばもともと半分奈良みたいなところです)。このあたりは奈良県側の香芝・王寺にも(優劣はともかく)救急病院があって、あふれてくることはあまりありません。
 したがってこの問題は奈良は奈良の、大阪は大阪のものとして考えたほうがよさそうです。奈良の問題は公的病院の少なさと、救急指令の無能にあると思われますし、大阪のそれも(府内の各医療圏での)広域連携のまずさからくる病院探しの下手くそさにあると思われます。産科救急はまた違うようですけどね。

tadano-rytadano-ry 2008/03/17 14:43  私はちょうど王寺周辺に住んでいますが、元救急医さまのご指摘の通り、王寺近辺には県立病院がありますし、地元の評判は今ひとつですが大抵の救急は受けてくれる民間病院があります。また自家用車で15分くらいのところに近大奈良病院があり、救急もよく受けてくれるようです。さらに生駒市には徳洲会が入る予定です。少し足を伸ばせば郡山は自家用車でも20分、奈良市なら夜間だと30分ほどです。奈良医大も同じくらいです。救急車ならもっと早く行けます。近所の人も救急のお世話になることがありますが、産科以外で県外に搬送された例は私は聞いたことがありません。

 むしろ県南部の方が問題で、橿原市周辺は人口が20万人はいると思いますが救急病院があまりありません。奈良医大は三次救急なので一次二次は基本的に取りませんから橿原市内の救急病院は民間病院が一つしかありません。橿原市で事故を起こすと、郡山や奈良市に搬送されたなんて話は結構聞く話です。

YosyanYosyan 2008/03/17 15:06 全部を調べる時間が無いので速報分だけですが、重症救急の人口1万人当たりの発生数を見ています。上位10都府県ですが、

 ・埼玉:29.1人
 ・東京:34.2人
 ・千葉:25.2人
 ・奈良:29.3人
 ・神奈川:29.2人
 ・宮城:37.7人
 ・大阪:12.0人
 ・栃木:31.2人
 ・兵庫:23.0人
 ・茨城:27.5人

信じられないほど大阪の重症救急発生率が低い事が分かります。他の県はせいぜい多い少ないの差ぐらいの範疇ですが、上位10都府県ではダントツに低い事が分かります。大阪だけ重症の判断基準が違うんじゃないかと思うぐらいです。

今からシコシコやりますが、全都道府県を俯瞰してどうかのデータを較べるのもおもしろそうです。

YosyanYosyan 2008/03/17 15:46 ビックリしたビックリした。重症救急の人口1万人あたりの発生数ですが、全国平均は29.1人となり、奈良、神奈川、埼玉あたりが全国平均となります。上位は1位愛媛(60.1人)、2位秋田(59.3人)、3位高知(50.7人)となります。大阪がダントツで低いのは間違い無く、47位大阪(11.2人)、46位滋賀県(18.3人)、45位熊本(22.3人)となります。

人口当たりの発生数と搬送待機時間の関連性は薄そうで、残念ながらネタにはなりそうにありません。

ssd666ssd666 2008/03/17 16:15 この統計で想定される頭の悪い事態。
最終的に受けた都道府県の成績が悪い→改善しろ!!→県外搬送お断り→改善シマスタ!!

実際に、どこかの県でNICUの成績が悪くて問題になり、県外搬送を増やしたら成績が向上しましたってニュースを見た記憶が。

YosyanYosyan 2008/03/17 16:41 ssd様

 >改善しろ!!→県外搬送お断り→改善シマスタ!!

実はもっともそれが効果的なのは東京に思えます。東京都だけを賄うのなら成績はおそらく向上する可能性が十分あります。またそれをするだけのリーダーシップを発揮できる首長も戴いています。

もちろん東京は良くなるでしょうが、首都圏の他の県である埼玉、神奈川、千葉、さらには栃木、茨城がどうなるかは言うまでもありません。ただ都知事の日頃の言動を考えると絶対にやらないとは言い切れません。

テキサンテキサン 2008/03/17 16:41 私の勤務している医療圏(およそ70の救急告示病院があります)には、少なくとも3−4の「ほとんど断らずに受け入れる病院(いわゆる北米型ER病院)」があります。なので、救急隊は病院選定の際、始めに1−2件断られると即これらの病院に受け入れ要請しているので待機時間が短くなります。これらの病院は大変な努力をされているようですが。
一方、東京はいわゆる1,2次と3次の受け入れ病院が区別されている(墨東のようなER型が少ない)ので、どうしてもマンパワーの小さな病院間でたらいまわししているのではないでしょうか?
奈良の事情はよくわかりませんが、結局その地域に1,2の「最終受け入れ病院」があるか否かがこの差異ではないでしょうか。

YosyanYosyan 2008/03/17 17:12 テキサン様

東京の事情は私には分かりません。ただコメントから類推できる事はあります。地方では医師の数が減り、救急体制が危うくなっても最終拠点病院にまだ集約される余地があります。ER型とはいえ、同時に地方で唯一の大病院でもあるため最後まで維持される形態です。

のぢぎく県で言えば但馬地方みたいなもので、周辺サテライトから医師を搾り出して拠点である豊岡病院を死守しています。搬送する側もそこしか搬送拠点がなく、受ける方も他に選択枝がないので死力を尽くして応需します。そうすれば見た目上は格好がつきます。もちろん最後の拠点が崩壊すれば後はありません。

あくまでも憶測ですが、東京はまだ余力ある上に、ER型の最終拠点病院に集約が困難になっているんじゃないでしょうか。そういうところに医師を集めたくとも、他に選択枝がたくさんあるので、そちらにどんどん流れ地方で出てきている「最終拠点病院」的砦が形成されにくい状態とも思えます。

地方では最後の砦から逃げ出せばその地方にロクな逃散先はありませんが、東京では都内にいくらでも快適な逃散先がありますから、その辺りも理由になっている可能性は有ります。

もっとも実情は関西からではわからないですけどね。

BugsyBugsy 2008/03/17 18:27 オイラの場合 東京都と周辺しか事情がわからないのですが、

なんちゃって2次救急病院でも「うちが断わっても近所に大病院があるからいいや。」という雰囲気はあるかもしれません。一方で千葉県南部や神奈川西部だとそこで断わろうとしても搬送のお願い先が事実上ない場合が多いので、とりあえず一晩入院しましょうかとなっています。これらが滞在時間と断わりの回数、一晩でも入院すれば重症症例のカウントを増やす原因にもなるでしょう。
都内の場合 2次救急で医師が漠然と甘く感じているのと異なって、ER病院の医師の内情は悲惨で 人数は足りてはいないはずです。なんとかやっているのは山手線の内側でも木刀病院なぞ医者が死に掛けています。 多摩地方、八王子あたりは以前からというより次第に手薄です。

あと止むを得ず重症基準に入ってしまうのは 寝たきり老人の救急車での受診です。最近とみに増えました。脳卒中後遺症で寝たきりの場合、都内ですと家族が薬だけ処方してもらう「お薬外来」に行政がうるさくって査察が何度も入っているようです。 いきおいお薬外来での外来受診を嫌がる医療機関が増えてきました。紹介状を書いてもつっかえされますねえ。だからつい救急車でやってきます。寝たきりのお年寄りが初診で来れば 軽く肺炎や床ずれくらいはありますわいな。咳もしてるでしょうよ。当然「特に心配いりませんよ、お帰んなさい。」と説明してお姫様抱っこで年寄りをかかえて素直に自宅に連れ戻す家族はいませんぜ。オイラが何回か断われば、学習してよその病院に救急車で乗りつけ、そこの当直医が病歴も定かでなければCTや諸検査も夜中にままならぬ、ならば入院して様子を見ましょうねとなる例が頻繁になっていることを地元でよく聞きます。翌朝になりそこの病棟オーベンから「あんたの病院のかかりつけなのに うちに来た!」と電話で怒鳴られます。いえいえ、「2年前に退院したあと一度も来てない。」「うんにゃ、家族はお宅での入院加療を強く望んで。。。。」とすごい剣幕です。
これも救急車で搬送されてくる重症例になってしまいます。
だって救急隊の書類にサインしようとしたら 一晩の様子見入院も入院に丸をつけるしかないでしょう? 大阪は違うんですかねえ。

YosyanYosyan 2008/03/17 19:54 Bugsy様

そもそも消防庁の重症救急の定義が分からないんですが、大阪があれだけ極端に少ない理由は不明です。救急利用頻度自体が大阪人が少ないかと言えば、産科救急は今度は異常に多く、ぶっちぎりの全国1位で、小児救急も全国1位です。

救命救急センターのところは初めてゆっくり読んだのですが、ここは傑作でした。なんと22府県で「ゼロ」となっています。東京が件数では23165件で最も多いのですが、神奈川も22701件で双璧をなしています。異常に多いのは静岡で17676件もあります。そして大阪は7242件です。救命救急センターの分だけ読むと、このデータは大丈夫だろうかと思ってしまいます。

千葉の南千葉の南 2008/03/18 08:14 千葉の長生・茂原地区では救急待機時間はほぼ0分、「たらい回し」0件でしたぜ。その理由はその地区で1件の1・2次救急当番病院を決めてなんでもかんでも有無をいわさず送り込むシステムだったから。
もちろん最近では輪番病院がぽろぽろ抜けて今では月の半分しか当番病院がない惨状を呈しています。

僻地外科医僻地外科医 2008/03/18 11:28 >Yosyan先生

>そもそも消防庁の重症救急の定義が分からないんですが、

 これは全国的に統一した基準がありまして
初診時で
軽症:入院を要さない程度
中等症:2週間以内の入院を要する程度
重症:2週間を超える入院を要する程度
死亡

の4段階になってます。

YosyanYosyan 2008/03/18 12:03 僻地外科医様

やっぱり定義があるんですね。入院期間はもちろん疾患の重症度もあるでしょうが、患者の背景も大きい様な気がします。そこらあたりが「重症救急」の発生頻度の差になっているのかもしれません。大阪だけ重症が発生する頻度が低い理由なんて思いつきませんからね。

banch1banch1 2008/03/18 14:48 重症救急の定義は、救急車からの受け入れ時に救急隊員から手渡されますが、
私は恥ずかしながらその基準を知らず、入院期間ではなく生命予後で大雑把にやっておりました。

penpenpenpen 2008/03/19 07:03 都内の二次救急病院の事務で働いています。https://al.ssl.dai2ntv.jp/blog/zero/tokushu/
先日こんなニュースをやっていましたが、地方の内科救急にあたっている先生方から見ると「なんと恵まれた…」と思われることと思います。ーですが、報道のように都心の二次救急では重症であろうとなかろうと当直医の専門外であれば救急車を受けないのが実情です。都心の救急隊の待ち時間が発生する理由はこのへんにあると思うのですがいかがでしょうか?

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080317

2008-03-15 消防庁の「たらい回し」データ

3/11付で消防庁から救急搬送における医療機関の受入状況等実態調査の結果についてが発表されています。この報告はデータだけなんですがいわゆる「たらい回し」の実態を救急隊サイドから分析したものとしておもしろそうです。

まずですが「たらい回し回数」の集計です。

分類が

  • 重症救急(重症以上傷病者)
  • 産科救急(産科・周産期傷病者)
  • 小児救急(小児傷病者)
  • 救命救急(救命救急センター等搬送傷病者)

こういう風にされ以下もこれに従ってデータがまとめられています。重症救急としましたが分類では「重症以上傷病者」ですから軽症と見なされた救急は除外されていると考えても良いのかもしれません。

「たらい回し回数」ですがどうも「4回以上」がとりあえず問題視されるようで「11回以上」は大問題と消防庁は定義分類しているように思えます。そうなると合格ラインの「3回まで」でデータを見直すと、


分類 3回まで 4回以上
重症救急 96.1% 3.9%
産科救急 95.2% 4.8%
小児救急 97.3% 2.7%
救命救急 94.3% 5.7%


ややばらつきはありますが「たらい回し」と問題視される頻度は全体の5%弱程度になります。決して少ない訳ではなく20件に1件弱程度は発生している事になります。

「たらい回し」と言っても救急車が街中をグルグル走り回っているので無く、厚労省用語の「電話での搬送」である問合せ件数の事です。問合せは現場の救急隊が携帯電話で行なう部分と、ある程度時間がかかると救急隊司令部が乗り出すことがあります。司令部が乗り出すと問合せ件数すなわち「たらい回し回数」が飛躍的に増える傾向がありますが、どちらにしても救急車は救急現場に留まり搬送先を探す事になります。その現場滞在時間の集計があります。

おそらく誤差のうちですから目くじらを立てる程の事は無いと思うのですが、先ほどの「たらい回し回数」3回までの表と合わせてみます。


分類 3回まで 30分以内
重症救急 96.1% 96.0%
産科救急 95.2% 94.3%
小児救急 97.3% 98.5%
救命救急 94.3% 93.0%


重症救急はほぼ一致、小児救急は「たらい回し」3回以上でも30分以内に搬送先を見つける事もあるようですが、産科救急では0.9%、救命救急では1.3%が問合せ3回未満でも滞在時間が30分以上必要だった可能性を示唆しています。30分以内の中には問合せが4回以上のものも含まれていると考えられ、1件の交渉に長時間を要したものがあると考えても良さそうです。

これも重箱の隅なんですが、4つに分類された救急搬送は問合せ回数、滞在時間ともほぼ似た分布になっています。小児救急の滞在時間がやや短くなっているぐらいで、他はほぼ同じです。ここでやや不思議に感じるのが「救命救急センター等搬送傷病者」です。救命救急センターは全国で205施設、それに準じる能力のあるものを含めてもそれほど多くは無いと思います。つまり一般の重症救急に較べると問い合わせる事が出来る医療機関が限定されるという事です。考えられるのは二次救急に断られた挙句に三次救急になだれ込んだもありますが真相はどんなものでしょうか。

重箱の隅はこの辺にして、当たり前ですが「たらい回し回数」が増えるほど滞在時間がほぼ正比例して長くなっていると考えられます。

次に都道府県ごとのデータです。まず重症救急のデータを見てみますが、消防庁が問題視している「たらい回し回数」が「4回以上」の頻度ベスト10を抜粋してみます。


都道府県 総件数 4回以上 6回以上 11回以上
東京都 42735 4769 2300 614
埼玉県 21376 1661 686 129
神奈川県 23700 1358 245 32
千葉県 15521 979 400 66
大阪府 9682 975 373 71
兵庫県 11254 641 205 28
奈良県 4134 527 229 41
宮城県 8235 509 192 26
茨城県 9040 459 151 14
栃木県 6397 281 77 11


近畿の御三家も入っていますが、首都圏が揃い踏みなのは笑います。もっともこういうデータは頻度だけで比較するのは問題があり、搬送件数に対する比率で表した方が実感を示すと思います。全都道府県でやる時間が無いので頻度ベスト10の分だけ見直してもます。


都道府県 4回以上 6回以上 11回以上
奈良県 12.7% 5.5% 1.0%
東京都 11.2% 5.4% 1.4%
大阪府 10.1% 3.9% 0.7%
埼玉県 7.8% 3.2% 0.6%
千葉県 6.3% 2.6% 0.4%
宮城県 6.2% 2.3% 0.3%
兵庫県 5.7% 1.8% 0.2%
神奈川県 5.7% 1.0% 0.1%
茨城県 5.1% 1.7% 0.2%
栃木県 4.4% 1.2% 0.2%
全国平均 4.0% 1.5% 0.3%

見ての通りで奈良、東京、大阪が「たらい回し回数御三家」である事がわかります。東京、大阪の場合は「たらいを回せる医療機関」が多いのも一因でしょうが、それでも全国平均の約2.5倍は少なくないと感じます。奈良は掛け値なしで深刻であるのは言うまでもありません。

もう一つ産科救急も見てみます。まず「たらい回し回数」が「4回以上」の頻度順です。


都道府県 搬送件数 4回以上 6回以上 11回以上
大阪府 3838 288 113 6
東京都 2251 230 112 31
神奈川県 2031 187 30 6
千葉県 915 58 24 3
埼玉県 1906 84 23 2
兵庫県 1134 39 6 1
茨城県 545 35 17 1
北海道 1008 22 7 1
福岡県 703 21 5 0
奈良県 385 19 5 1
宮城県 248 15 4 1
栃木県 273 12 2 0


ちなみになんですが、全国の産科救急の「たらい回し回数」が「11回以上」は全部で53件なのですが、そのうち31件が東京都です。また6回以上はこれも全部で363件なのですが、東京都が112件、大阪府が113件で群を抜いており、その次が神奈川の30件になっています。

続いて搬送件数比です。


都道府県 4回以上 6回以上 11回以上
東京都 10.2% 5.0% 1.4%
神奈川県 9.2% 1.5% 0.3%
大阪府 7.5% 2.9% 0.2%
茨城県 6.4% 3.1% 0.2%
千葉県 6.3% 2.6% 0.3%
宮城県 6.0% 1.6% 0.4%
奈良県 4.9% 1.3% 0.3%
埼玉県 4.4% 1.2% 0.1%
栃木県 4.4% 0.7% 0.0%
兵庫県 3.4% 0.5% 0.1%
福岡県 3.0% 0.7% 0.0%
北海道 2.2% 0.7% 0.1%
全国平均 4.8% 1.6% 0.2%


これが物凄いのですが、全国平均より上の都道府県は7つしかなく、東京、神奈川、茨城、千葉と首都圏がずらりと並んでいます。上位に並べていますが埼玉以下は平均以下であり、報道で有名な奈良はほぼ全国平均である事が分かります。

「たらい回し王国」は重症救急でも産科救急でもまずは首都圏・近畿圏である事が分かりますが、首都圏の方がより深刻であり、首都圏の中でも東京・神奈川が深刻であり、首都圏の最後の牙城とも言える東京が深刻であることをデータは示しています。象徴的なのは東京の産科救急で、全国でもダントツの重度の「たらい回し頻発地帯」である事も明らかです。

それにしてもこれだけの産科救急の「たらい回し回数」がある割には東京はマスコミベースでは話題になりません。理由を考えていたのですが、他の道府県では11回以上の「たらい回し」は稀なので報道価値が出てくると考えます。一方東京では日常過ぎてニュースバリューに既にならないのではないかと考えます。何と言っても東京での産科救急「たらい回し回数」の「11回以上」は31件、次が神奈川、大阪の6件ですから実に5倍以上です。これだけあれば「もう事件ではない」と感じても不思議ありません。

追記 13:42

御指摘のあった通り、救急搬送においては「問合せ件数」よりも見つかるまでの時間である「現場滞在時間」の方が重要です。めんどくさい作業なんですが、産科救急分だけ搬送時の現場滞在時間数の集計が出来ました。表は30分以内であれば問題無しとし、30分以上、60分以上、90分以上で集計しています。上位10都府県を上げていますが、順番は30分〜60未満の数の総搬送件数に対する比率にしています。背景が緑の府県は全国平均以下のところです。


都道府県 総搬送件数 滞在時間件数 滞在時間件数/総搬送件数
30分以上 60分以上 90分以上 30分以上 60分以上 90分以上
神奈川県 2212 257 17 4 12.2% 0.8% 0.1%
東京都 2254 264 54 10 11.7% 1.1% 0.4%
千葉県 950 91 4 1 9.6% 0.4% 0.1%
埼玉県 1906 127 9 3 6.7% 0.5% 0.2%
栃木県 295 18 1 0 6.1% 0.3% 0.0%
奈良県 417 25 1 0 6.0% 0.2% 0.0%
大阪府 3970 202 17 4 5.1% 0.4% 0.1%
茨城県 466 22 2 2 4.7% 0.4% 0.4%
兵庫県 1371 57 0 0 4.2% 0.0% 0.0%
宮崎県 160 6 0 0 4.2% 0.0% 0.0%
全国 23494 1224 83 25 5.2% 0.4% 0.1%


見ての通りですが、神奈川、東京、千葉、埼玉、栃木と茨城をのぞいて首都圏はすっぽり含まれています。悪名高い奈良県も平均より上にはなりますが、データ上は遥かにマシである事が分かると思います。それにしても大阪の搬送件数の多さが目立ちます。

勢いで重症救急の集計もやってみました。分類法は産科救急と同じです。示したのは上位10都府県ですが、11位以下は平均以下です。


都道府県 総搬送件数 滞在時間件数 滞在時間件数/総搬送件数
30分以上 60分以上 90分以上 30分以上 60分以上 90分以上
埼玉県 20550 1988 196 58 9.7% 1.0% 0.3%
東京都 42801 3723 428 108 8.7% 1.0% 0.2%
千葉県 15230 1268 108 33 8.3% 0.7% 0.2%
奈良県 4154 304 18 6 7.3% 0.4% 0.1%
神奈川県 25664 1596 145 47 6.2% 0.6% 0.2%
宮城県 8899 498 49 10 5.6% 0.6% 0.1%
大阪府 10202 440 24 11 4.3% 0.2% 0.1%
栃木県 6397 272 16 5 4.3% 0.3% 0.1%
兵庫県 13125 521 28 4 4.0% 0.2% 0.0%
茨城県 8188 313 15 9 3.8% 0.2% 0.2%
全国 372327 13935 1316 405 3.7% 0.4% 0.1%


毎度お馴染みの埼玉、東京、千葉、神奈川あたりが上位を占めています。産科救急では大阪の搬送件数が突出していましたが、重症救急となると少なめになります。むしろ千葉の方が異常に多いように思います。件数と人口は相関するはずなんですが、どうも必ずしもそうではない印象です。

問合せ件数も搬送までの滞在時間もそうなんですが、どう見ても一部の都県が異常に平均を押し上げていると考えます。搬送までの滞在時間の30分〜60分の全国比率は

  • 産科救急:5.2%
  • 重症救急:3.7%

ここからともに上位にある東京を引けば、

  • 産科救急:4.5%
  • 重症救急:3.1%

さらにここから産科救急から神奈川、重症救急から埼玉を引くと、

  • 産科救急:3.7%
  • 重症救急:2.7%

東京、神奈川、埼玉とも間違い無く首都圏でありバリバリの大都市部に属すると思います。一般に大都市部に医師は偏在しており、それに比例して医療施設、医療体制は充実していると考えられていますが、データ上は首都圏の都県が全体の平均を明らかに押し上げています。

ssd666ssd666 2008/03/15 09:13 犬が人を噛んでも・・・というやつですな。
救急病院の数が出れば、自然とたらい回しの数は減るでしょう。

SeisanSeisan 2008/03/15 09:20 産科救急に関してですが、大阪でもおそらく東京でもネットワークを組んでいると思います。そのため、一気に複数個所の医療機関への問い合わせが行われるため、問い合わせ件数だけを見ると多くなる傾向があるのではないでしょうか。
また、受け入れ可能施設が多いのも、問い合わせ件数が多くなる理由かとも思います。
奈良なんて、受け入れができる医療機関自体が少ないですから、問い合わせ件数も意外と少なくなるんでしょう。
現実には、大阪で周産期救急を受け入れが困難であった例は多くないように思うのですが。搬送にかかった時間がわかるといいんですが。

malcomalco 2008/03/15 09:41 冷徹にニュースバリューと言う観点から考えると、搬送が遅れても結果的に救命されればニュースにする価値がありません。
患者さんが死亡する、或いは有為に重篤な障害が発生するというような「付加価値」が付かなければ
報道されないだけなんじゃないかと思います。
首都圏ではそのような事例が、幸いにも少ないんじゃないでしょうか?

HekichinHekichin 2008/03/15 10:27 数パーセントの問題ケースのために、今後、消防庁は数百億円をかけてリアルタイム空きベッド情報システムを投資するんですね。その後、広域救急医療ネット、各科専門医照会システム、手術可能医療機関照会システム等々IT投資額だけが上昇していくんでしょう。瀕死のIT業界にこれほどカモネギな優良顧客は他になく、システム導入してもらえば、一生会社は安泰とはメデタイ話ですね。住民基本台帳ネットの失敗を反省しない政府は、今後もIT関連業界(オリックスリースに代表されるリース業界も含む)に騙され続けることでしょう。

YosyanYosyan 2008/03/15 11:50 搬送までの滞在時間のデータもあるのですが、加工に時間がかかるのでまだ上げれてません。できれば今日中に上げたいのですが作業の進行次第です。手作業が多いので御了承お願いします。

banch1banch1 2008/03/15 11:58 Seisan様
都道府県ごとの搬送に要した時間(現場滞在時間)は冒頭のリンク先で確認できますよ。
大阪、東京で産科救急のネットワークがあるとしたら、
このデータ見る限り効果的に運用されてるようには感じられないです。
120分を要したのは、東京、神奈川、千葉、埼玉が群を抜いております。意外にも近畿はなし。

現場滞在時間 90分以上 / 合計
東京      34 / 2254   1.5%
大阪       4 / 3970   0.1%

こうしてみると首都圏産科救急には特別の事情があるように思うのですが、何なんでしょ?

元もと保健所長元もと保健所長 2008/03/15 12:10 いわゆる「たらい回し」の全国格差については、病院や救急システムなど「体制」のほかに、「民度」の差というものが大きく作用するのではないでしょうか。

優駿優駿 2008/03/15 12:27 北海道からあですがそもそも北海道ではたらいまわす病院がありません。だって隣の病院まで1−2時間ざらですもん。北海道でたらい回しが発生しているのは札幌筋鉤だけのようです。やはり病院が多い地域は問い合わせができる病院も多いでしょうからね。

ysys 2008/03/15 13:25 > そもそも北海道ではたらいまわす病院がありません

「たらい回しが出来るだけでもありがたいと思え」ということですねw

桜井純一郎桜井純一郎 2008/03/15 13:41 産婦人科としての立場から一言。
救急隊の知識も依頼件数を左右すると思います。個人病院や中規模病院に健診未受診・予定日不明・児の状態不明の妊婦を搬送依頼してきますから。<そんなん昨今の訴訟情勢で引き受けられるはずがないのに

BugsyBugsy 2008/03/15 14:04 3回までの問い合わせで救急車で95%近くが受け入れられているわけです。
この国の救急医療は大したもんだなというのが率直な印象です。100%になるのは理想ですが、現実はそうもいかないでしょう。たまさか10数回問い合わせても受け入れ出来なかったというのはやはり希有な例であって、救急医療の不備だと指弾されても厳しすぎるように感じます。
ところで背景人口が全く異なるのに神奈川県が2212件と東京都の2254件にせまる勢いである点が気になります。
同時に大阪府が産科救急の搬送件数が3970と突出してるのはいかなる事情があるんでしょうか?

YosyanYosyan 2008/03/15 15:03 Bugsy様

重症救急のほうもついでに集計したのですが、人口と搬送件数の相関は良く分かりません。あれだけ産科救急の多い大阪も、重症救急となると正直「少ない」と感じます。千葉や兵庫以下ですからね。なぜ搬送件数にこんなにムラがあるかは私では説明ができません。

BugsyBugsy 2008/03/15 15:50 Yosyan様
労力のかかる集計でご苦労さまです。
重症救急搬送とは確かに搬送受け入れ先の医療機関が重症と判断したのであって タクシーがわりに使ったのではないことは明らかでしょう。

東京都の場合90分以上の滞在が100例を超えているのも突出していますが、約42000例の重症例の中の100例ですからね。割合からすると多いとまでも思いません。
むしろ大阪府は10200例の中の11例とあります。奇跡に近いくらい充実しているようで驚いています。

むしろ埼玉県の重症搬送が20000近く 大阪府の倍近くあることの説明が私にはできません。

ssd666ssd666 2008/03/15 16:37 MDで、100%弾道ミサイルを撃墜することは不可能です。
95%で三回以内に搬送されているのは、軍事学的には、恐るべき成績なのですが
机上の空論が好きなゼロトレランスキチガイどもには我慢ならんのでしょう。
95%→100%にしようという「努力」が、95%→60%になる悪化を招くと私は予想します。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/15 16:52 典型的な日本医療崩壊の構図ですね。頑張ってムリして受け入れてきた結果、「受け入れて当たり前。たらいまわしなぞけしからん、と。」…。奴隷根性もたいがいにして下さいね救急医の方。

元もと保健所長元もと保健所長 2008/03/15 17:05 1・2次救急病院の当直医が「本来業務」に専念することにして休日夜間救急を返上すれば、少なくとも休日夜間のたらい回しは根絶されます。あとは、残った3次救急病院の前で救急車が順番待ちということになるのでしょう。それはそれでこの国の国民が望んだ医療の姿ではないでしょうか。

ただのとおりすがりただのとおりすがり 2008/03/15 17:14 マスコミが騒ぐから救急はとんでもない状況なのだと思ってましたが、これ極めて優秀ですね。このまんまでいいんじゃないでしょうか。
無理か。

HekichinHekichin 2008/03/15 17:38 ただのとおりすがり様のおっしゃる通り、救急医療体制は特定地域を除いて、極めて献身的に救急搬送を受け入れていると評価されるべきでしょう。
また、特定地域に関して言えば、10件以上の問い合わせといっても、実際に搬送を受ける能力のない「なんちゃって救急指定病院」が半数以上含まれているでしょうから、実際の「たらい回した」病院は3-4件で事実上、99%近くは5回以内に搬送先が見つかっているのは間違いありません。
今後、10件以上の「たらい回し」を防ぐには、「なんちゃって救急病院」の殲滅、当直医師の救急当番禁止、何があろうとも確実な受け入れを行う3次救急病院の維持、強化を行えばいいだけです。尚、搬送後、治療開始までの時間は今後、問いませんのであしからず。

banch1banch1 2008/03/15 18:09 >東京、神奈川、埼玉とも間違い無く首都圏でありバリバリの大都市部に属すると思います。一般に大都市部に医師は偏在しており、それに比例して医療施設、医療体制は充実していると考えられていますが、データ上は首都圏の都県が全体の平均を明らかに押し上げています。

大都市と地方の違いは確かにそうだと思いますが、
埼玉と大阪の重症救急(滞在時間60分以上)を比較した場合、
埼玉 1.0%   大阪 0.2% と5倍もの違いがあります。
どちらも大都市なのに、この差が出るのはなぜでしょう?

首都圏独特の体質があるとしか考えようがないと思うのですが、そのあたりわかる人いますか。

都内病院勤務医都内病院勤務医 2008/03/15 18:44 > 首都圏独特の体質があるとしか考えようがないと思うのですが、そのあたりわかる人いますか。

東京でも神奈川でもそうですが、人口に比べて病院が非常に偏在しています。

東京だとほとんどの病院が山手線沿線に集中しています。東京の西側は都県境まで
ベッドタウンが広がっていますが、この地域の重度の救急医療施設の整備は遅れて
います。施設の数はそれなりにあるように見えるのですが、いずれも受け入れ態勢
が限られていて特に夜間や休日では遠距離の搬送もかなり行われているようです。
都道府県レベルだけではなく市町村レベルでの数字がみたいところです。


以下、個人的な話になってしまいますが、

私の祖父は八王子市在住で1997年の10月に亡くなりましたが、亡くなる直前に救
急車で搬送された際には搬送先を決めるまでに一時間近くかかったそうです。八
王子市内には三次救急病院として東京医大の八王子医療センター、日本医大の多
摩永山病院と2つあり数字の上では病院が整備されているようにみえますが、い
ずれも夜間の受け入れ態勢は十分とは言えないようです。私の祖父は結局立川市
の三次救急病院である災害医療センターまで運ばれ(救急車で一時間弱かかりま
す)、数日後に亡くなりました。

最近になって救急車のたらい回しが話題になっていますが、都内とくに多摩地区
の医療体制は10年以上前からこんなものです。

卵の名無し卵の名無し 2008/03/15 23:42 個人的な話も結構だが何歳で亡くなって同年代の同疾患死亡率は何%だったかまでは最低でも述べないと医学上は議論にもならない。

都内病院勤務医都内病院勤務医 2008/03/16 01:11 > 医学上は議論にもならない。

救急での「たらい回し」という議論が医学上のものではないという根本的なことも理解
できていないのですか。論外ですね。

mimimimi 2008/03/16 10:38 トピずれですみません。
最近指導医講習会のテキストを読む機会がありました。
内容はそれなりにすばらしいと思いますが、厚生労働省主導の
医師の臨床研修に係る指導医講習会の開催指針
>http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/rinsyo/hourei/040318.html
にもとづいたものであり、随所に厚生労働省主導の医療を行うべく図ることが
求められています。
以前から医療現場の学校化を危惧しておりましたが、
臨床研修制度にまつわる規則の類は学習指導要領に似ており、
いづれ保険点数どころか医療そのものを実際的に左右するものになることが
予想されます。
過去ログではとりあげられていたかどうか十分検索できませんでした。
すでに議論のあとならすみませんが一度とりあげていただけたら幸いです。

banch1banch1 2008/03/16 13:27 都内病院勤務医様

生々しい情報をありがとうございました。

私はずっと地方の勤務医ですが、最近自分の地元の病院に転勤になりました。
祖祖父の代からの診療所を父がおなじ地域内でやっており、
ゆくゆくはその診療所を継ぐつもりでおります。

転勤してから思うのは、地元の患者というのは近所の人だったり、
知り合いの知り合いだったり、なんらかの形で自分と関わりのある人が多いものです。
そうすると、常連の先生方にはバカだといわれそうですが、救急で運ばれてくる患者が
自分の知り合いかもしれないという錯覚が出てくるんですね。
ですから、断る理由がなければ基本的に受け入れてます。
患者を助けたいというよりは、知り合いを放っておけないという気持ちでしょうか。

一方、患者や家族にも医者に対してそういう気持ちがあるような印象です。
あまり医者に無理はさせられないし、無理は言えないというような。

そういう医者・患者間の微妙な思いやり(牽制ともいえます)が
大阪ではまだ少し残っているが、首都圏ではきわめて希薄になっているということは
ないでしょうか?

BugsyBugsy 2008/03/16 16:52 mimiさま
医師の臨床研修に係る指導医講習会に出席したこともあり、友人の何人かはタスクフォースです。この講習会の最大目標は臨床研修の内容を全国津々浦々で共通化することです。研修を終えた医師は同じ程度の診療能力をもち その後全国の病院へ赴任しても通用できるようにすることです。だから医師の流動化はこの時点から始まっているわけです。がん治療が得意な病院も、救急医療が得意な病院でも研修の段階から特色を打ち出すことはないようにと釘をさされました。「学習指導要領に似ており」というのも細目にわたって指導内容が網羅されていて個々の達成度をオンラインで報告を挙げています。それがないと研修終了とは認められないからです。講習会を受けた指導医が病院に一定数以上いないと研修病院の認可を受けないようなので 各病院が競って指導クラスの医師を講習会に送り込むからです。

banch1様
自分も北九州の片田舎出身です。たまに帰省した折、地元の開業医の先生から代診をお願いされることがあります。患者さんにすれば00さんちの息子なんでしょうね。皆さんやさしいです。いったん身内意識をもつと医師に無茶は言いません。ただ同じ穏やかなお年寄りが地元の公立病院の勤務医に対してはどうしてああまで横柄なんでしょうか。よそ者に対する警戒心も強いです。見かねて理由を尋ねると「あそこの医者は家族はこの町に連れてきてないし、子供も地元の小学校じゃない。この町を馬鹿にして都会に残している。どうせ数年たったらここを見捨てて都会に帰るから」と言われます。お墓をここに移してないからとも聞きました。まあ無茶です。地縁のある人間は仲間づきあいしますが そうじゃないと何十年たってもよそ者あつかいという地方はよく耳にします。東京都内でも友人の開業医は地元に縁がほしくて、お祭りの寄付だとか夜地元の居酒屋で酒を飲む、小学校の海水浴の付き添いだとか、涙ぐましく努力しています。いわゆる地元商店街の一員になれれば成功じゃないでしょうか。一方でビル診療所で地元とお付き合いがないと割合住民が冷たいそうです。大阪と東京の違いは私にはよくわかりません。

のじぎくの墓のじぎくの墓 2008/03/16 18:37 >臨床研修の内容を全国津々浦々で共通化
医者に限らず、プロフェッションの教育・指導ってそんなものじゃないような気がします。受講ポイントを集めて満点になったら修了証と引き換え、何処の誰の指導かは不問ってそれでいいんでしょうか?就職のときアメリカみたいに「誰の」推薦状を持っているかが重要な時代がそのうちくるかも知れません。
 いつもながら思うんですが、Yoshiyan 先生が診療の片手間に公表されたデータだけでこれだけ分析されるのに、自称医療ジャーナリストやマスコミの方々は自ら省みて恥じることはないのでしょうか。

BugsyBugsy 2008/03/16 21:03 のじぎくの墓さま
>医者に限らず、プロフェッションの教育・指導ってそんなものじゃないような気がします。
いえいえ 厚生労働省としては前期臨床研修が終われば総合医として研修終了でしょ、全部取り合えずできるでしょ、僻地も無医師病院にでも行ける即戦力だわいなあ そのため全国どこから赴かせても良いように同じ教育を受けさせてますよん というお達しだと指導医講習会で感じましたです。
厚生労働省の思うプロフェッショナルとは すぐ飛び立てる複葉機であって 我々が思い浮かぶ時間をかけて育成したFXパイロットじゃないですね。従って我々は前期研修は所詮お客様の仮免許、後期で入局からがプロフェッションの教育・指導を始めてます。

アメリカで推薦状を書いてもらえないと他の病院には移れません。日本の医局制度とは別のにらみをボスが効かせています。日本も流動性が増せばそうなるでしょうが、未だに他所の病院に行くのを毛嫌いする部長や教授が殆どです。なんなら英語でrecommendation formを書いてボスにメクラ判を押させてもいいんじゃないですか?ボスによっては あんた本当に英語下手ねえという人をせせら笑ってやりましょうよ。

江原朗江原朗 2008/03/16 22:20 北海道は回すほどのたらいがないのです。ですから、救急車の行く病院は地域で1つか2つなのです。

ssd666ssd666 2008/03/16 23:15 >Bugsyさま

つ、「マリアナの七面鳥撃ち」

で、その次は、パイロットのいない空母が完成。

YosyanYosyan 2008/03/17 08:54 田舎の論理は分かります。田舎は仲間内と外との区別が厳しく分けられます。内に入ると仲間になり、共同体の一員として取り扱われます。もっともそれはそれで不文律の共同体ルールの厳守を求められますし、仲間と言っても居住代数(年数ではありません)による序列が一生ついて回ります。

外のものは完全に他人です。他人と言っても旅行者などの短期滞在者は「客」として扱われますが、長期滞在者は排除すべき異分子となります。とくに数年単位の滞在者は出て行くのが確実ですから、いくら攻撃しても良い対象になります。しばしば医師不足の町のBBSで噴出する意見はそれを体現したものと考えています。

地方で救急問題が穏やかなのは田舎の共同体意識が結果として良い方に作用しているのかもしれません。一方で大都市圏である首都圏や近畿圏では現在の救急戦力の枯渇が正直に現れているように思います。

もちろんこれは一つの皮相的な見方に過ぎないとは思いまし、田舎の論理を大都市部に持ち込めないのはもちろんの事です。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/17 09:27 banch1様、
実は私も、たまに田舎開業医の親父を手伝っておるのですが、まさに同様の事を感じております。こっちは防衛医療に徹し、それどころか「患者は敵」と認識して臨戦態勢で診療に臨んでおりますがはっきしいって空回りですw。

しかし親父に言わせると「めっきり客層が悪くなった」との事。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080315

2008-03-14 まともな記事です

3/13付Asahi.comより、

救命医宿直7割「違法」 近畿28施設、時間外扱いせず

 近畿2府4県の救命救急センター28施設の7割超が、常勤医師の泊まり勤務について労働基準法の趣旨に反した運用を続けていることが、朝日新聞の調査でわかった。同法で定められた時間外労働を超える勤務を課している施設も半数以上あった。医師不足などから、不当な長時間労働を強いられる救急医の姿が浮かび上がった。

 厚生労働省によると、労基法上、残業などの時間外労働は原則として月45時間までしか認められない。ただし、夜間や休日に勤務しても、電話番などほとんど労働する必要がない場合は、「宿日直勤務」として例外扱いとなり、時間外労働とはみなされない。

 救命救急センターの場合、通常の泊まり勤務は午後5時ごろから翌朝8時ごろまでの15時間前後。いつ急患が搬送されてくるかわからず、集中治療室にいる入院患者の処置もあって、仮眠さえ満足に取れない場合もある。同省監督課は「実態を考えると宿直勤務とはみなされず、仮眠時間も含めて時間外労働とみるのが妥当」としている。

 調査には、長浜赤十字病院(滋賀県長浜市)と南和歌山医療センター(和歌山県田辺市)を除く26施設が応じた。このうち19施設が泊まり勤務を労基法上の宿直勤務として扱っており、7時間分だけ時間外労働したとみなしていた関西医科大付属滝井病院(大阪府守口市)を含め、計20施設が労基法の趣旨を逸脱した勤務を強いていた。

 一方で、大阪大付属病院(同府吹田市)など6施設は数チームによる交代制などを取っており、宿直勤務はなかった。

 泊まり勤務の回数では、最も多い医師が月45時間を超える4回以上泊まっている施設が16あった。最多は大阪府立泉州救命救急センター(同府泉佐野市)の月10回(3日に1度)。大阪市立総合医療センターと滝井病院の2施設が8回で続き、7回が2施設、6回が6施設あった。

 泊まり明けの翌日勤務については、11施設が「通常勤務」と回答。ほかに10施設が「半日勤務」「翌日が休みでも勤務することがある」とした。理由としては、「数年前と比べて医師数が減り、交代要員がいない」(奈良県立医科大付属病院)、「受け持ち患者が重症で帰宅できないことが多い」(京都第一赤十字病院)などが目立った。

 労基法に違反すると、地元の労働基準監督署が繰り返し改善指導し、従わない場合は同法違反容疑で書類送検することもある。

医師にとって日常と言うか常識以前のことが「やっと」記事になりました。記事内容自体は驚きでも何でも無いのですが、とりあえずまとめておきます。

調査は近畿の2府4件の28施設の救命救急センターで行なわれ、そのうち26施設で回答を得たとなっています。なかなか地道な調査で評価できるんじゃないでしょうか。調査に応じなかった2施設まで書いてあり、

長浜赤十字病院(滋賀県長浜市)と南和歌山医療センター(和歌山県田辺市)

このうち長浜赤十字病院の救命救急センターのHPを見てみると、

診療にあたるスタッフとしては、内科系・外科系・小児科・精神科の医師が各1名おり

交代勤務で24時間体制を組むには7人以上のスタッフが必要です(今日は計算式は略)。内科系・外科系は人数が多いので判別が難しいので、担当医が限られる小児科、精神科で見てみると、

  • 小児科:常勤8名、非常勤1名
  • 精神科:常勤5名、非常勤2名

常勤医数は小児科は辛うじて交代勤務の条件を満たしますが、精神科は不足しています。当直バイトで埋めるという方策もありますが、交代勤務の場合「勤務」ですから、勤務バイトはありえないでしょうから、非常勤でないと拙い様な気がします。非常勤と言ってもフルで働かないと交代勤務は満たさないので、精神科は交代勤務は成立しないと考えます。小児科も救命救急センターを引き受けた上に地域周産期母子医療センターまで業務としていますから、足りないと考えても良さそうです。それとHPを眺める限り救命救急科はありません。

南和歌山医療センターははっきりしません。わかるのは病床数は14床(ICU4床、HCU10床)であるのと救急救命科の所属医師が2名である事だけです。どうなっているのでしょうか。

回答の無かった2施設はこんな感じですが、残り26施設のうち

  • 19施設が泊まり勤務を労基法上の宿直勤務として扱う
  • 1施設が7時間分だけ時間外労働したとみなす

宿直勤務についても記事は非常に良く勉強しており、

夜間や休日に勤務しても、電話番などほとんど労働する必要がない場合は、「宿日直勤務」として例外扱いとなり、時間外労働とはみなされない。

ついでに言うと宿日直勤務ではお手当は通常勤務の1/3以下になります。これについては別の朝日新聞の3/13付記事から一部引用しますが、

 兵庫医科大病院(兵庫県西宮市)の人事担当者に今年1月、西宮労働基準監督署から1枚の指導書が手渡された。

 医師の過酷な職場環境が労働基準法に触れる可能性があると指摘し、改善報告書の提出を求めるものだった。救命救急センターの当直医は、夕刻から翌朝まで働きづめで患者の対応に追われるが、同病院ではこれまで当直業務について、ほとんど働く必要がない「宿日直勤務」とみなし、1回2万円の宿直料しか払っていなかった。 同労基署は「明らかに違法状態」と指摘するが、病院側の受け止め方は異なる。当直時間分の時間外勤務手当などをすべて支払うと、病院全体の人件費が数億円単位で増え、経営を圧迫しかねない。担当者は「労基署の指導は、どこまでを労働時間と認めるか労使で協議しなさい、という意味」と話す。

 朝日新聞の調査で、兵庫医大のように時間外手当などの代わりに「宿直料(当直料)」などとして定額支給していたのは14施設。最も低いのは近畿大付属病院(大阪府大阪狭山市)の1万円で、次いで奈良県立奈良病院(奈良市)など3施設の2万円だった。ほかに5施設が患者を処置した時間だけ時間外手当として1万2千〜2万円の宿直料に加算していた。 都道府県立病院の勤務医の平均月給(諸手当除く)は、兵庫県で約48万円(平均年齢43歳)、奈良県で約43万円(同41歳)で、時給換算で2500円前後だ。時間外加算分も考慮して計算すると、1回の泊まり勤務で少なくとも4万円になるが、大半がこの水準を下回っているとみられる。

医師なら常識ですが実態はこんなものです。

ここで驚いたのは

大阪大付属病院(同府吹田市)など6施設は数チームによる交代制などを取っており、宿直勤務はなかった

これが額面通りなのかカラクリがあるのかを判断する情報が無いのですが、御存知の方がおられれば情報下さい。仮に額面通りとすれば調査施設の20%以上が交代勤務となり実感としては「予想以上に優秀」です。

泊まり明けの翌日勤務も調べられています。今回の調査はなかなか念が入っています。

  • 11施設が「通常勤務」
  • 10施設が「半日勤務」「翌日が休みでも勤務することがある」

二つを足すと21施設になります。よく調べてあるのですが素直な疑問が生じます。28施設中26施設の調査結果のはずです。そのうち6施設が交代勤務制であり、交代勤務制でない施設が20施設ですから1施設あまります。そうなると交代勤務制6施設のうち1施設が「翌日勤務」である可能性が出てきます。単なる集計ミスなのか、数字の解釈が異なるのかやや疑問の残る点です。

泊まり勤務の回数まで調べられてます。4回以上泊まっているのが16施設で

  • 1施設:10回
  • 2施設:8回
  • 2施設:7回
  • 6施設:6回
  • 5施設:4〜5回

ちなみに泊まり勤務と言うのはこの場合違法当直に当ると考えられ、1回につき16時間であり10回すれば160時間になります。10回もしなければならないような人手不足の病院では当然のように翌日勤務となり、通常勤務の上限が週40時間ですから月にすれば160時間。実際の1ヶ月は30〜31日なのでもう少し長くなるのですが合計で320時間。ここで1ヶ月が30日として総時間数は「24×30=720(時間)」ですから、およそ半分を病院で勤務している事になります。これに正規の残業時間がプラスされますから労働環境は想像がつくと思います。

もちろんこんな労働環境には問題がありますから、

労基法に違反すると、地元の労働基準監督署が繰り返し改善指導し、従わない場合は同法違反容疑で書類送検することもある。

記事としてはほぼ完璧に近い出来栄えかと思います。私だって褒める時は褒めます。


記事は調査した事実を冷静に伝えればそれで使命として必要にして十分なので、この記事が伝えた事実について論評したいと思います。こういう違法労働があれば当然「是正」されなければなりません。是正するためには最低限二つの条件が必要です。

  1. 交代勤務ができる様にスタッフを増やす
  2. スタッフを増やしても耐えられる経営体力

この二つが整わないと是正できません。ところがどちらも厳しいを通り越して実現不可能に近い条件となっています。救命救急センターですから、理想的には救命医が交代勤務で従事することと考えます。その肝心の救命医数ですが、日本救急医学会名簿によると、

  • 指導医(2008年1月1日現在 456名)
  • 救急科専門医(2008年1月1日現在 2,701名)
  • 認定医(2008年1月1日現在 144名)

これが仮に実戦力としても3301名です。

24時間365日体制としてすべての時間帯に3名以上の救急医を配置しようとすれば1施設で21名以上の救急医が必要です。全国に救命救命センターは205施設ありますから「21×205=4305(名)」必要となり1000名ほど足りません。逆に3301名を205施設に公平分配したら1施設当り16名となります。16名では24時間に2名強の配置が精一杯になります。救命救急センターに何名の医師が配置されれば十分機能するかはわからないのですが、「いかなる時でも救急搬送を断るな」が来春の地域医療計画の三次救急への通達ですから3名であっても足りるかどうか不安を覚えます。

経営体力については一部を除いて救命救急センターは赤字です。救急医を増員した分だけ赤字が積み重なるのは必至ですから、交代勤務制を実現すれば救命部だけではなく病院全体が破綻します。今だって病院本体が巨額の累積赤字に呻吟しているところが多いですからね。

「名ばかりの救急病院を淘汰せよ」の勇ましい声と「搬送は拒否無く1回でを実現せよ」の声は頻々と聞こえますが、まともに救命救急センターの是正・改善をやれば現在の205施設からいくつ生き残れるでしょうか。半分、1/3、1/4・・・集約化は反面集中を招きますし、10人体制のところが40人体制になっても応需能力が必ずしも4倍になるわけではありませんし病院収益も同様です。

記事の指摘は正しいですし、医師の勤務体制の適正化・合法化は当ブログでも何度も数え切れないぐらい書いてきましたが、本当に是正する具体策は少し考えただけで暗澹たる心持ちになります。それとこれは救命救急センターだけの調査ですが、それ以外の二次救急輪番病院でも実態は同じかそれ以下です。本当に今まで成立してきたのが奇跡のようにしか思えません。

DrGIANNIDrGIANNI 2008/03/14 09:20 そこで「救急医療は全て自由診療化!」ですよw
しかし,この調査ってどうやったんでしょうねぇ
やっぱアンケートだろうか??
昔大学にいた頃(といっても3年前まで)は,当直日誌に全く働いてないような嘘を書き込むよう病院ぐるみで指導されたもんでした
どっかからのアンケート(国?)にも嘘八百書くよう指導されたっけ
指導の通りキッチリ作成していた昔の自分がnaiveすぎて恥ずかしくなりますな 
今はどうなんだろ???
変わってない様な気もする・・・

ssd666ssd666 2008/03/14 09:24 惜しいのは、近畿地方だけに限ったことでしょうね。別にアンケートなら全国展開にしたところで、大して手間は変わらなかっただろうに。
医師数に余裕のあるといわれている関西でこれですから、全国にすると逆にインパクトが弱くなったかな。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/14 09:38 厚労省が、病院を機能不全にして、医療費総額を抑えたいと思えば、労働基準法違反を徹底的にあげればいいわけですよね。
労働基準局じぶんとこにあるし。
なぜそうしなかったんだろう?
医療崩壊の早い時点でこれやると、医者の勤労奉仕意欲もまだ残ってるし、タイミングを計ってたんじゃないだろうか・・なんて説どうでしょうか?

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/14 09:45 あるいは、旧労働省と旧厚生省、風通しが意外に悪くて、協調して動けることに気がつかなかった?
旧労働省は、病院は厚生省管轄で遠慮して、旧厚生省はあくまで病院を残し医療を維持するという建前があったもんで。
旧労働省が、旧厚生省に遠慮しなくていいんだ、と気が付いて動き始めたのだとしたら、展開は早いかもしれません。

tadano-rytadano-ry 2008/03/14 09:49 補足の記事です。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200803120124.html
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「仁術」、でも限界 救急医の当直料、働きづめで1万円 2008年03月13日

 朝から始まり、徹夜を経て次の日も終日続く36時間勤務。しかも、扱うのは人命だ。そんな過酷な仕事に見合わない「当直料」に、救急医の失望は深い。給与を支払う病院の経営は苦しく、医師不足の中では増員も望めない。激務が若手に敬遠されれば、将来の救急医療はどうなるのか。現場の医師たちは危機感を強めている。

 兵庫医科大病院(兵庫県西宮市)の人事担当者に今年1月、西宮労働基準監督署から1枚の指導書が手渡された。
 医師の過酷な職場環境が労働基準法に触れる可能性があると指摘し、改善報告書の提出を求めるものだった。救命救急センターの当直医は、夕刻から翌朝まで働きづめで患者の対応に追われるが、同病院ではこれまで当直業務について、ほとんど働く必要がない「宿日直勤務」とみなし、1回2万円の宿直料しか払っていなかった。
 同労基署は「明らかに違法状態」と指摘するが、病院側の受け止め方は異なる。当直時間分の時間外勤務手当などをすべて支払うと、病院全体の人件費が数億円単位で増え、経営を圧迫しかねない。担当者は「労基署の指導は、どこまでを労働時間と認めるか労使で協議しなさい、という意味」と話す。

 朝日新聞の調査で、兵庫医大のように時間外手当などの代わりに「宿直料(当直料)」などとして定額支給していたのは14施設。最も低いのは近畿大付属病院(大阪府大阪狭山市)の1万円で、次いで奈良県立奈良病院(奈良市)など3施設の2万円だった。ほかに5施設が患者を処置した時間だけ時間外手当として1万2千〜2万円の宿直料に加算していた。
 都道府県立病院の勤務医の平均月給(諸手当除く)は、兵庫県で約48万円(平均年齢43歳)、奈良県で約43万円(同41歳)で、時給換算で2500円前後だ。時間外加算分も考慮して計算すると、1回の泊まり勤務で少なくとも4万円になるが、大半がこの水準を下回っているとみられる。
 妊婦の搬送をめぐる問題が相次いで表面化した奈良県。県の新年度当初予算案では、県立病院勤務医の待遇改善に約3億円を計上した。激務とされる産科や小児科などの給与に月2万円を上乗せするのが柱だが、救急医は対象外となった。県幹部は「救急は話題にも上らなかった」と明かす。

 大阪府保険医協会が06年末、病院勤務医を対象に実施した労働環境実態調査(有効回答560人)では、当直時に36時間以上の連続勤務をしている医師は全体の3分の1。将来、医師のやりがいや使命感が「失われていく」と回答したのは4割強に上った。改善策として、「診療報酬の改善」「勤務医の増員」などを望む声が多かった。
 「患者は24時間365日、ひっきりなしに来る時代になっているのに、夜間の仕事が正当に評価されていない」。兵庫県内の救急医はこう指摘する。救急の現場の実態と病院のあり方がずれているが、医師が結集して病院と賃金交渉することもない。「これまで勤務医は『医は仁術』の意識でやってきたが、このままでは若い医師が逃げてしまう」と警鐘を鳴らす。

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>労基署の指導は、どこまでを労働時間と認めるか労使で協議しなさい、という意味

 この解釈、普通の企業の経営者もよく使います。でも協議しないんですよね。コンサル中に「裁判になると必ず負けますよ」と忠告はするのですが…。

AnybodyAnybody 2008/03/14 10:02 労働問題は大変デリケートな問題で、労働基準法通りまともに支払っていたら、経営が成り立たないというのは悲しいことながら現実です。みんな(労基も含めて)思っちゃいるけど言っちゃお終いよとばかり深く追及せず、あまりひどいものについては阿吽の呼吸で考慮しましょうというのが社会的合意になってしまっていると思います。裁判に訴えても経営側に有利な判決が多いように思います。

忙しい救急病院の当直はあまりにひどいので何とかして欲しいと思いますが、全国で医師のストライキが横行するようになると政府も抑制に乗り出すのではないか心配です。

tadano-rytadano-ry 2008/03/14 10:09 moto様

 自分の経験と知識から言えば、労働基準監督署は厚労省の出先機関ではありますが、独立性が極めて高いんです。現場を担当する労働基準監督官の採用自体が労働基準監督官試験という国家公務員とはまったく別枠の試験であり、しかもこの試験は国家公務員II・III種試験より上位に位置づけられています。労働基準監督官は身分的には特別司法警察職員であり、このことからいわゆるキャリア組はもちろん、厚労事務官や技官が労働基準監督官になることもありません(まったくないわけではないですが極めて稀です。ただ労働基準監督署の中でも労災の部門などには厚労事務官や技官がおられます)。組織自体も上意下達の風土は全くなくて、捜査や業務は監督官単独で行うのが普通で上司からの命令を受けることはめったにないようです。

 実際、本省と労基署はまったく無関係に動いていく事も多いです。労基署の告発を受けて通達を出すなんてこともざらですから。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/14 10:10 >このままでは若い医師が逃げてしまう

おまえも逃げろよw。

tadano-rytadano-ry 2008/03/14 10:15 >奈良県立奈良病院(奈良市)など3施設

ちなみに奈良県の県立病院は3箇所です。つまりこれ全部奈良の県立病院なんですよね…。

AnybodyAnybody 2008/03/14 10:37 職務の性質上、労基の中立性は高いと思いますが、あまりアクティブに業務に取り組んでいるという印象はなかったですよ。

あまりアテにできないのでは。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/14 10:49 そうすると、全国勤務医連盟の戦略としては、会員が一斉に労基署に訴えて、未時効の賃金の訴訟も起こし、ストライキをちらつかせるというのが、いちばん効果的ってことになりますかね?

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/14 10:57  朝日新聞ほど時代の最先端を行き、機を見るに敏な新聞はなく、救急医療の崩壊の原因が高齢層を中心に知れ渡ってきた事を感じとったのでしょう。しかしまだ矛先を個々の医師から病院経営に向けたに過ぎません。低医療費政策や萎縮医療にまで踏み込んで政府批判をしてもらわないと朝日新聞らしくありません。
 なお、数年前に1128001号に基づいて厚労省から病院に指導がありましたが、数病院が指導を受けた程度にとどまり、全国の病院経営者には通達は形だけで守る必要性は無いと受け止められた経緯があります。医療に関してはやる気がなさ気な労基署(厚生労働省)よりも税務署(財務省)の方が実態を見て積極的に動いている感が強いですね。税務署の指摘を受けて改善に向かう病院と、個々の医師に追徴課税分の支払いを要求して幕引きを謀る病院があり、人気とやる気に差がでるのは当たり前でしょう。

>おまえも逃げろよw。
地域救急が崩壊して寝当直化した病院も案外良いものです。

rijinqrijinq 2008/03/14 11:07  データの補足です。前回医師調査(平成18年12月31日付)で診療科に救命救急の項目が新設されました。

 主たる診療科としたのは、全国で1698名です。

 実戦力はほぼ半数といったところで、これで全国の救命救急センターが回るはずはありませんね。

 机上の空論以下です。机の上からですら、1ミリも浮き上がりません。

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/14 11:14  少し気になる点もあります。asahi.comは親会社に対してかなり独立心が強く、親会社の方向性と正反対の記事が載ることがあるのです。産経新聞が紙面や公式サイトに載せられないような本音をzakzakやizaに載せている事はよく知られていますが、あくまで本紙とは関係ないというスタンスであり、asahi.comとは異なります。http://www.asahi.com/international/jc/manga/images/021214.jpg(2002年、リンク切れ)のような考えられないような漫画が掲載されたことは、当時話題となりました。しかし親会社の方針は変わりませんでした。

tadano-rytadano-ry 2008/03/14 11:40 Anybodyさま

>アクティブに業務に取り組んでいるという印象はなかった

 ご指摘を受けてそういう一面も確かにあったことを思い出しました。監督官の独立性が高いので、監督官個々のやる気や仕事ぶりが露骨に反映されてしまうんですよね。私の経験ではやる気のある方(特に若手)は積極的に取り組んでおられたように思いますが、組織全体として足並みが揃っているかと言えば少し懐疑的にならざるを得ないですね。

 あと労基の判例で経営側に有利な判例が多いのは確かですが、これは労働側に有利な状況になると経営側がある程度譲歩して和解に持ち込みたがる傾向も無視できない要素だと思います。要するに最高裁まで行って不利な判例を残したくないというのが経営側の論理です。

banch1banch1 2008/03/14 11:40 >救命医宿直7割「違法」 近畿28施設、時間外扱いせず

病院だって無い袖は振れません。勤務医撤退の時代→病院撤退の時代になるか・・・
この報道がパンドラの箱を開けたことになるかどうかは今後のマスコミの誘導しだい
といったところでしょうか。

0202 2008/03/14 11:40 全く関係のない話ですみませんが、福島の件の論告求刑は今日と書いてあるブログと21日と書いてあるブログがありますがどちらが正しいのかご存知の方おいでですか

BugsyBugsy 2008/03/14 11:55 違法労働として挙げられた病院のその後の顛末を是非知りたいところです。
指導が文書で通達されたところでへっちゃらでしょう。何らかの行政処分なりお縄を頂戴しない限り動かないとも言えます。
また「悪るうございました。違法なのであれば救急センターは閉鎖しましょうか。」と言いつつも 内心は舌を出して「そうなりゃ困るのはあんた達だろう。」と開き直る病院が大半でしょうな。

そもそも宿直の配置を決めるのは病院や事務では無く、建て前としては診療科の中で医師同士が決めているのであって 病因経営側が強制しているのではないのです。
従って労働基準法に違反していると云われれば 責任は宿直を指示した医師にありと開き直りますよ。そこの所が今回の報道は甘いですな。
ただし宿直料に関しては病院がわが明らかに責任アリですが、早くしょっぴいて欲しいところです。しょっぴかれ、ニュースで報道されない限り体質は治らないですよ。

ssd666ssd666 2008/03/14 13:07 >10年ドロッポさま

「よく年寄りの医者は逃げないな。」

「簡単さ、トロいからな(wwww」

BugsyBugsy 2008/03/14 13:49 >10年ドロッポさま
「このままでは若い医師が逃げてしまう」

大丈夫です。一ヶ月も救急センターに閉じ込めておけば涅槃の境地です。
正常な判断力は消え失せています。たまに自宅に帰れば枕が合わなくて眠れなかったり、病院から少しでも離れれば禁断症状がおきて無意識のうちに病棟に戻って来ます。自宅にいても病院からのコールがないと不安で眠れなくなり、病棟にいた方が気分が落ち着きます。朝カンファも自宅から来るより、医局に泊まった方が楽じゃンと思い始めますから。そしてカンファの最中 隣でブツブツ独り言をしゃべってますよ。

ああ オイラ達ってそうやって育ったなあ。
いったん救急で働き始めたら二度と逃げる機会はありませぬ。
最初から止めといた方が周りの医師の迷惑になりませんから。

TOMTOM 2008/03/14 13:59  このテの話でいつも思い出すのは、3月31日問題。今年もその季節がやってきました。
医師はみんなご存じと思いますが、医師以外の方もおられると思うので一応。
実は大学病院とかの医師の大半、特に実働部隊は、「日雇い」です。職業の貴賎を言うつもりはないが、「お医者様」って、工事現場に集まってる人と立場上同じなのです。給料? 月給3万(私立)とか7万(国立)とか余裕でありますよ。工事現場の方がいいかもしれん。訴訟も(たぶん)ないしね。
 労働契約が「日雇い」でも、1年以上継続して雇用するといろいろと法定福利をつけないといけないし、昇給もさせないといけない。法律上、「日雇い」扱いできなくなるんです。だから“1年以上継続”にならないように、医者は3月30日まで「日々契約更新」して、3月31日は「雇われてない」んです。で、4月1日から「新たに雇用」。だけど実際には3月31日だから病院行きません、というのは(医者の良心として)ちょっとできないので、みんな働く。というか病院側もそれを当然として、「3月31日は検査所見とかカルテに署名しないように」とか“指導”するんですよ。私は国立大附属病院、つまり「国の役所」でしたが、それでもこの有様でした。これなんかも法に従って正常化させたらとんでもない事になりそうですよね。
 さらに言えば日雇いには9:00前と17:00以降は労働契約が存在しません。当然「当直」なんてもっての他、なはずなんだがな。3月31日や夜間にやった医療行為で訴えられたら、「国立病院(=国)」は、そんな労働契約もしてない奴の事故はしらん、っていけしゃあしゃあと言うんでしょうね。いつかの「研修医は労働者じゃない」って主張のようにね。
 今、私は開業医となり、スタッフを雇う立場になりました。労基法も学びましたが、医者の職場って如何に異常だったかよくわかりました。「国」も「国民」も、医者の良心とやらにオンブにダッコしすぎ。医者が自分の中で持っている矜持と、他人が碌に代価も出さずにそれを当然として要求することとは全く別の話だよな。

BugsyBugsy 2008/03/14 14:35 TOM様

そういえば何年も続けて国立病院に勤務したことがありますが、毎年夏のボーナスも昇給も無かったですね。毎年雇用初年度あつかいだったので。それをまともに支払えば物凄い額になるでしょうよ。
一方で1ー2年単位で医者が勤務先の病院をうまいこと移って行けば、経営側は楽でしょうねえ。今は破綻してますが。

nyamajunyamaju 2008/03/14 14:57 >02さま
>責任は宿直を指示した医師にありと開き直りますよ。
こちらも、責任を振れるものなら振ってみろと
開き直りますけどね。

柔らか医者柔らか医者 2008/03/14 16:50 そういえば大学の当直料は三千円でした。
今日、後輩がバイトに来てるので今はいくらって聞いたら、
労働基準監督署の指導がはいったので上がりました、四千円になりました、だそうです。
何の冗談でしょうね。
退却〜!!

YosyanYosyan 2008/03/14 17:03 杓子定規に労基法から一歩も踏み出さずにしか「仕事をしません」と言う医師は少ないと思いますが、労基法から完全に見放された無法の荒野で働けと言っても無理があります。ま、ほんの数年前まで「医者は労基法の外の人間だ!」なんて事が誇りであったのですから、もうちょっとおだてて使ってくれればここまでの崩壊はなかったと思っています。

労基法無視でこき使える事に慣れすぎて「もっと、もっと、もっと働け、その代わり給与もドンドン減らすぞ」とやりすぎたので心を折ってしまった代償は、絶対高くつくと思っています。使う方は石に砂糖水をたらした程度のご褒美をやれば元通り働くと思っているかもしれませんが、そうは問屋が卸すとはとても思えません。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/14 17:29 ssd666さま、
わろた。…つーか先こされた。
Bugsyさま、
殆どカルト宗教の域ですね。「医療真理教」っつてたのは雪月花先生のとこだっけか?

Yosyanさま、
>労基法無視でこき使える事に慣れすぎて「もっと、もっと、もっと働け、その代わり給与もドンドン減らすぞ」とやりすぎたので心を折ってしまった代償は、絶対高くつくと思っています。

医師だの教師だの、警官だの軍人だのは無条件におだてといた方が、社会的コストは低くて済むと思いますが、まあこれでいいのではないでしょうか。

へしこへしこ 2008/03/14 17:59 突然失礼します。本日こちらのブログを拝見させていただいた後、ラジオを聴いていたのですが、予算委員会代表質問で、自見庄三郎議員の医療に関する質問の中で、厚生労働大臣が、ほとんどの病院が労働基準法を守れていないことを認識しているといった趣旨のご発言をなさっており、ハンドル操作を誤りそうになりました。ラジオにて前後の関係うろ覚えです。どなたか詳しくお聞きになっていませんか?
普段はROM専ですが、あまりにもタイムリーだったもので・・・。
失礼いたしました。

じゅんじゅん 2008/03/14 20:09 参議院の審議中継は、
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/
でどうぞ。
2008年3月14日 (金) の予算委員会で自見庄三郎さんは、前半では郵政について質問。20分ころより医療について質問しました。
勤務医の先生方の勤務の現状
1日平均12.2時間(法定8時間)、1週間平均72時間(法定40時間)、1ヶ月の当直回数4.5日、当直明けの次の日の勤務時間は通常通りの勤務時間98%。
という、フリップを提示されました。
自見)労働基準局が病院を検査していますが検査結果を教えてください。
枡添)H18年に1575件の監督指導で何らかの労働基準法違反が1283件で認められた。違反率が81.5%。(全産業では、67.4%であり病院は高率に違反。)労働時間に関するもの802件。割り増し賃金に関するもの559件。法令を守らせるよう努力する。
自見)国立病院と自治体病院もあると思いますが、国と地方自治体の病院管理者を労働基準法違反で書類送検しないといけないのではないですか?
枡添)深刻な現状を認識しています。勤務医の条件を改善する。訴訟対策をする。医師の数が十分でないと私は考えている。
自見)枡添厚生大臣が、枠の中で頑張っているのはわかっているが、2200億削るという政府の決定がある以上、難しい。総理大臣の決断で予算をどうにかしてください。

適当な要約をしていますので、正確な内容は、審議中継をご参照ください。

通るすがる通るすがる 2008/03/14 20:48 自見on Stage 郵政ネタで20分くらい怪気炎を上げたあと医療労働問題に触れてますね。
http://www.webtv.sangiin.go.jp/generator/meta_generator_wmv.php?ssp=8580&on=1205491668&si=7dab3f614294f182812069ebcf147a7a4&ch=y&mode=LIBRARY&pars=0.2419216637544429
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/library/consider.php
カレンダーから3月14日を選び、予算委員会の列の一番右のリンク「審議情報」から審議での発言者ごとにビデオが見られます。(予算委員会のところのビデオは全質問者のが流れるようです)

アドレスはセッションごとに変わるのかな…? 20分ぐらいから医療問題が始まります。
爆弾発言は21分50秒から。

tadano-rytadano-ry 2008/03/14 23:39 新しい救急救命センターの充実度評価案がアップされています。

http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/6d46c6eed997ae7249257409000e8236/$FILE/20080311_5shiryou3~4.pdf

8ページ目以降です。項目がやたら増え満点が36点から何と96点になりました。うち以前ここで取り上げられた交替制勤務は+4点となっています。ただ問題は点数とランク付けの表がないことで「事前調査」という言葉が表にあることから何らかの「調整」が行われる可能性ありです。要するに96点中4点しか無いわけですから、交代制でなくても十分Aランクが取れる可能性は出てきた訳です。

banch1banch1 2008/03/15 00:17 自見さん曰く、圧縮される医療費に対して、特別財源はスキヤキパーティー。
御意!!

773773 2008/03/15 22:49 入院中に雑煮のもち詰まらせ死亡したのは病院の監視不十分と遺族が提訴
http://koerarenaikabe.livedoor.biz/archives/51149018.html

正月なんだから餅ぐらいだせと言ってたりしそう。

卵の名無しさん卵の名無しさん 2008/03/16 19:38 サビ残は、日本の企業では、どこでもやっているけど、
医者って、なんか、いいようにつけこまれて、使われてきただけ、
な面も、少なくないのかなぁ

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080314

2008-03-13 時間外加算の奇々怪々

焼津市立総合病院の時間外加算を自費にする話を昨日エントリーしたのですが、気になるコメントがありました。焼津の前に磐田が類似の制度を施行しているのですが、その磐田市立総合病院のHPですが、

◎時間外診療費について

 磐田市立総合病院では、平成18年11月1日から平日時間内で受診される患者様と同様に、診療時間外および土・日曜日、祝日、年末年始に受診される患者様からも、初診時に「特定初診料」をいただいております。また、緊急に受診する必要がなく都合により診療時間外などに受診される患者様から、時間外加算に相当する額を自費でいただいております。

微妙な表現で意識しないと気がつき難いのですが、

    緊急に受診する必要がなく都合により診療時間外などに受診される患者様から、時間外加算に相当する額を自費でいただいております

焼津の時でも引っかかる表現ではあったのですが、時間外加算だけを自費にするような保険診療は制度上できないはずです。昨日はそこの検索が十分出来ておらず「出来るんだろうな」ぐらいで書いています。ところがどうもそうでは無いようです。

とりあえず医科診療報酬点数表にある時間外加算の条件ですが、

  1. 各都道府県における医療機関の診療時間の実態、患者の受診上の便宜を考慮して一定の時間以外の時間をもって時間外として取り扱うものとし、その標準は、概ね午前8時前と午後6時以降(土曜日の場合は、午前8時前と正午以降)及び休日加算の対象となる休日以外の日を終日休診日とする保険医療機関における当該休診日とする。

    ただし、午前中及び午後6時以降を診療時間とする保険医療機関等、当該標準による事が困難な医療機関については、その表示する診療時間以外の時間をもって時間外として取り扱うものとする。
  2. 1.により時間外とされる場合においても、当該医療機関が常態として診療応需の態勢を取り、診療時間内と同様の取扱いで診療を行っているときは、時間外と取扱いとはしない。
  3. 保険医療機関は診察時間をわかりやすい場所に表示する。
  4. 時間外加算は、保険医療機関の都合(やむを得ない事情の場合を除く)により時間外に診療が開始された場合は算定できない。
  5. 時間外加算を算定する場合には、休日加算、深夜加算及び時間外加算の特例については、算定しない。

休日加算、深夜加算もあるのですが似たような条件なので、今日必要な部分はこれぐらいです。これだけ読めば救急病院は「常態として診療応需の態勢」であるため時間外加算を取れないことになりますが、時間外加算の特例と言うものがあり、

  1. 地域医療支援病院(医療法第4条第1項に規定する地域医療支援病院)
  2. 「救急病院等を定める省令」に基づき認定された救急病院又は救急診療所
  3. 「救急医療体制の整備事業について」に規定された病院群輪番病院、病院群輪番制に参加している有床診療所又は共同利用型病院

救急病院は時間外加算の特例に該当するので「常態として診療応需の態勢」であっても時間外加算を取れます。

医科診療報酬点数表の規定はこれだけです。私の読む限りこれだけです。ところが診療報酬の査定基準は不文律と言うのがテンコモリあります。不文律はテンコモリあるだけでなく、誰も知らないところで決められ、突然施行され、査定と言う痛みで初めて知らされることになります。恥ずかしながら私もこれは知らなかったのですが、兵庫県保険医協会の審査対策部だよりに「時間外加算の減点事例」が紹介されており、

 緊急の必要性のない「患者の都合」による時間外等の受診である場合は、保険診療としての「時間外加算」は不適切になるので、制度として実施するのであれば、特定療養費として定められている「時間外診療」として、時間外加算相当分を自費徴収する旨を社会保険事務局に届け出ることになる。

はっきり言って仰天しました。救急医療の大問題となっている「不必要なコンビニ受診」はどう考えても、

    緊急の必要性のない「患者の都合」による時間外等の受診

これに該当します。「患者の都合」による受診では時間外加算を算定する事は不適切としています。つまり「不必要なコンビニ受診」は担当医を疲弊させる一方で時間外加算まで算定されないのです。時間外加算が算定されないとは通常の昼間の受診と患者の負担は変わらないことになります。こんな怖ろしい査定が行なわれていたのです。

それにしてもです。「患者の都合」によるコンビニ受診がこれだけ問題になっているのに、コンビニ受診をした患者ではなく応需した医療機関に罰則があるとはなんと言ったらよいか言葉を失いそうです。時間外診療が真に必要な患者よりコンビニ受診の方が安く、たんに安いだけではなく昼間と同じ料金になっています。これでコンビニ受診が増えなきゃ嘘でしょう。

長くなりましたが、磐田も焼津もこの査定基準に従っての行動の可能性もある事がわかります。磐田も焼津も押し寄せるコンビニ受診に時間外加算を算定しようとしても保険診療としては査定されてしまうわけです。それでも時間外加算を徴収しようとすれば保険外併用療養費のうち選定療養にあたる時間外診療を届け出て徴収しなければならないわけです。

そうなると磐田も焼津も押し寄せるコンビニ受診対策としてだけ「時間外加算の自費」を行なったのではなく、コンビニ受診では時間外加算を算定できないから保険外併用療養費として「時間外加算」を確保しようとした部分もあると考えられます。穿って考えれば、コンビニ受診患者への時間外加算を厳しく査定されたがために、保険外併用療養費としての時間外加算を徴収せざるを得なくなった側面もあるかもしれません。

保険診療として時間外加算を払うのと、保険外併用療養費として時間外加算を払うのでは金額も違いますが、厚労省の医療費としても異なります。保険診療なら厚労省の言う医療費のうちに含まれますが、保険外併用療養費なら全額自費ですから医療費削減につながります。そうなるとmoto-tclinic様がコメントされたように、

この先の流れとしては、何年か先に、病院の時間外自費は、全国的に当たり前になって、次に、夜間時間外診療所の加算が、上記指導のように、厳しくあげられるんじゃないでしょうか?

無茶苦茶現実味があって寒気がするほどです。

この「コンビニ受診に時間外加算を算定するのは不適切」は4月改定の診療報酬では奇々怪々の展開になります。4月から改定される診療報酬では午後6時以降であれば規定の診察時間内であっても特例の時間外加算を算定できます。つまり夕診察を午後4時から7時とか、午後5時から8時に設定していれば、午後6時以降受付の患者からは時間外を算定できます。もともと正規の診察時間内ですから、緊急の必要性のない「患者の都合」であっても査定対象になるとは思えません。

ところが診察が終わり患者の要請により本当の時間外診察を行なった場合にはコンビニ受診であったなら時間外加算は査定されます。もっと言えば、午後6時以降に急病診療所をコンビニ受診すれば時間外加算は算定されない事になります。もちろん保険外併用療養費として届け出て時間外加算していれば徴収されますが、その場合は保険診療からの支出ではなく自費診療ですから国の言う医療費には含まれません。

医療費削減から見た時間外コンビニ受診ですが、

  • 診療所の時間外特例加算は保険診療
  • 病院の時間外加算は保険診療ではなく自費診療

医療費削減の観点に立てば診療所に受診されるより病院に受診してもらった方が保険診療分の時間外加算を削減できます。

あっそうか!診療所の時間外特例加算の予算をどこから調達するのかと思っていましたが、救急病院の時間外加算の査定を強力にして持ってくれば可能です。お釣りが出るんじゃないでしょうか。時間外加算査定で病院が悲鳴を上げれば、保険外併用療養費としての時間外加算を取らせれば病院は埋め合わせがつきますし、それによる患者の不満の標的は病院です。

厚労省はポーズとして「勤務医優遇」を打ち出し、裏ではしっかり医療費削減を計算している事になります。混合診療への布石の一環とも読めないことはありませんが、やっぱり奇々怪々です。

優駿優駿 2008/03/13 08:50 あっ、今後医療明細が義務付けられるので請求に時間外加算が入っているのも患者さんはわかるんですよね。そしたら「俺は緊急性が必要ない患者だからこの時間外加算っての払う必要ない」とごねる人も出るんでしょうかねえ。

元ライダー元ライダー 2008/03/13 09:47 ちょっと見解が違います。
診療所が夜診を行ったり、コンビニ受診を認めたりするのは、診療所の経営判断だから時間外加算を付けるなということでしょう。兵庫県保険医協会の審査対策部だよりに記載されている事例は火曜日の日中時間帯にも時間外加算を算定(診療所としては時間外なんでしょうけど)していますから明らかに不自然。ですから保険医協会のアドバイスも的外れに感じます。

>緊急の必要性のない「患者の都合」による時間外等の受診である場合は、保険診療としての「時間外加算」は不適切になるので、制度として実施するのであれば、特定療養費として定められている「時間外診療」として、時間外加算相当分を自費徴収する旨を社会保険事務局に届け出ることになる。

救急病院に対して、当局が上記の指導をするとは考えにくい。実務上「患者の都合」による受診なのか否か病院が見分けるのは不可能だし、「自分の都合で時間外受診するとお金がかかる」ということが患者に周知されれば患者は自分の都合だなんて言いませんから。しかも「患者からたくさん金を取れ」と病院を指導すればマス○ミが黙っていません。当局としては病院が「自主的に」時間外自費を徴収する形にしないとマズイはずです。

HekichinHekichin 2008/03/13 10:22 時間外算定日の日付で「急性〜〜」のように急性疾患名(それがいわゆる保険病名であっても)があれば査定は無理でしょう。「血圧の薬が切れたから」のような受診は時間外加算は診療日に病名がつかないのでバッサリ査定されます。県によって事情は異なるかとは思いますが。

YosyanYosyan 2008/03/13 10:23 元ライダー様

御指摘の点はいちいち御もっともなんですが、「時間外加算の減点事例」が何故査定されたかがまず疑問なんです。査定はレセで行なわれますから、そこにわざわざ「火曜日の日中時間帯の規定の診察時間外に受診」なんてコメントを書くとは思えません。そうなるとレセの診察内容から査定されたと考えられる様な気がします。査定する側がこの患者の時間外診察は昼間であるとは知りようがないからです。

兵庫県保険医協会の審査対策部も明らかな虚構をwebに出す事もしないはずですから、『緊急の必要性のない「患者の都合」による時間外等の受診』を理由に査定された他のケースを把握した上でのものと考えています。

さらにこういう査定は恣意的な部分が大ですから、現在は一律のものでなくとも選定療養への誘導のために行なわれないとは言えないとは言えません。アドバイスにある

 >緊急の必要性のない「患者の都合」

ですが、これは3つの条件「緊急性」「必要性」「患者の都合」が満たされたものと解釈する運用も可能ですが、いずれかが満たされていない場合を結果から査定する方向に変更するのは赤子の手を捻るより簡単です。

そうやってジワジワ査定包囲網を広げれば、

 >病院が「自主的に」時間外自費を徴収する形

これに誘導されると私は感じます。これにより医療費は削減され、病院の収入は確保され、患者の恨みは当局で無く病院にのみ向かうからです。

元ライダー元ライダー 2008/03/13 11:43 Yosyanさま

保険医協会のコメントによれば
>レセプトに記載の時間から診療応需の態勢にある時間帯と判断されて査定(そのためにD項)されたものと思われる。
とありますから、この先生はわざわざレセプトに診療時間を書いたのでしょう。

この患者さんは胃潰瘍で通院していて、胃腸炎も併発したから再診料で請求したんでしょうが、仮に診療時間を書かないとしても、
>また、急病等であることになっているため、レセプトには当該日が診療開始日の病名記載あるいは注記が必要と考える。
との保険医協会の続くコメントから、胃腸炎の開始日が時間外算定日でなかった可能性有り、さらに注記に「急性増悪のため時間外受診」と記載されていなかったということでしょう。

保険医協会は選定療養に触れていますが、火曜日の日中を選定療養の時間外にするのは無理でしょう。保険診療では時間外は午後6時から翌日午前8時までと定義されていますから、火曜日の日中を時間外にするのは選定療養でも無理でしょう。建前上は選定療養も保険診療の一部ですからね。ということですから「兵庫県保険医協会の審査対策部だより」は焼津市立病院の件の参考にはならないと思います。

もっとも、救急病院が時間外別料金を徴収する(ただし一律)のは大賛成ですね。病院にとっては実際に査定されて困るというよりも、査定される可能性(実際には査定されない)を強調することで大義名分ができ、渡りに船なんじゃないかと思います。

サンクチュアリーサンクチュアリー 2008/03/13 11:57 これはあまり難しい話ではないように思います。
青本p25にも記載がある通り、時間外加算は「急患等やむを得ない事由による」という縛りが付いています。したがってレセプトに急性疾患等の病名がない場合は査定の対象となります。一方以前の改正により、p734に記載があるごとく、患者さんのニーズによって時間外に来院された場合は「特定療養費」として時間外診療費を算定できるようになりました。(こちらは自費とほぼ同様ですが届け出が必要です)救急やむを得ないかどうかは医師の判断によります。急性疾患の病名を付与するか、レセプトに注記を入れればOKです。

サンクチュアリーサンクチュアリー 2008/03/13 12:14 なお、(1)の記載にもありますように・・・
ただし、午前中及び午後6時以降を診療時間とする保険医療機関等、当該標準による事が困難な医療機関については、その表示する診療時間以外の時間をもって時間外として取り扱うものとする。
ということでありますので、関西のように18時以降に夜診を行っている医療機関においては、昼の間応需体制を解いていれば、時間外として扱ってかまわないルールとなっていますので、昼に時間外加算は「急患」であればOKです。

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/13 12:19  日本には医療費控除とか高額医療費負担制度とかあるのですから、時間外は一旦全額支払うようにして、後で保険者から返金されるようにすればよいのです。踏み倒しても逮捕されないとか、クレカ必須になるとか、政治的な理由とかで不可能でしょうけど。救急制度をいじればいじるほど時間外の自由診療化への動きは止まらないでしょう。意外な所から混合診療への流れが生じてきました。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/13 12:37 知人に聞いた話なんですが、都内で政財界VIPが意外と使うのが、宮内庁病院だそうですね。
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宮内庁病院(くないちょうびょういん)は宮内庁長官官房によって管理・運営されている病院である。皇居内にあり、天皇・皇族の他に宮内庁及び皇宮警察本部の職員とその家族、さらに職員の紹介を受けた者のみが受診可能とされている。医師及び看護師は非常勤を含め総勢約50名。
診療科は内科・小児科・外科・皮膚泌尿器科・産婦人科・眼科・耳鼻咽喉科・放射線科・歯科。
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職員の紹介がなければ受診できません。実質的な公費での会員制病院です。建物ボロいですが設備は一流。外来患者ほとんどいないので待ち時間0。

そろそろ出てきそうなのが、自費の往診クリでしょうか?
「あのー、頭痛いんで、お医者さんお願いしたいんですが」
「一時間2万円になります。どんなお医者さんがお好みですか?」
「あまり若すぎない、できれば専門医のある先生でお願いします」
「脳外科専門医のある先生がちょうど空いてます。15分ほどでお伺いします」
「チェンジはありでしょうか?」
「OKですが、その場合、先生に車代2千円払ってあげてくださいね〜」
一晩5人で売上10万円。医者手取りで5万円・・もうちょっと医療崩壊しないと、いまイチか。。

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/13 12:50 宮内庁病院は皇族しか利用できないとほとんどの国民が思っています。医療崩壊が起こっても議員様や官僚様の健康管理には全く影響ございません。マスコミ様もグループ内の病院は死守しておられます。国家運営には医療崩壊など些細な事であります。

元ライダー元ライダー 2008/03/13 13:42 サンクチュアリーさま

難しい話ではないということは同意。青本を読んでみると、
『(1)都道府県における医療機関の診療時間の実態、患者の受診上の便宜を考慮して一定の時間以外の時間をもって時間外として取り扱うこととし、・・』(それにしても「患者の受診上の便宜を考慮して」ってどういうことなんでしょう。「コンビニ受診に配慮して」とも読めますが・・・)
とありますから、地域事情として関西では日中午後の時間外加算OKなんでしょうか?とすると兵庫保険医協会の「レセプトに記載の時間から診療応需の態勢にある時間帯と判断されて査定(そのためにD項)されたものと思われる。」というコメントは何なのでしょうかねえ。

また青本の選定療養の時間外別料金の項を読んでみると、一律徴収はダメな決まりなんですね。結局医者が仕分けしないとダメだということ。もうひとつダメ押しされた気分です。まあ勉強になりました。

暇人28号暇人28号 2008/03/13 14:53 moto先生、自費クリニックに関しては、恐らく保険収載されている薬が一番のネックではないか、と。これが混合診療導入されたり、自由診療でも薬だけ保険適用可能、とかになれば十分自由診療クリニックは成立する可能性がありそう、と思っています。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/13 16:30 薬剤費はそんなにネックにならないと思いますよ。適度なおしゃべりと、やはり「注射」でしょうね。薬局との違いを出そうとすれば。
気持ちよくなる系、これは効きそう系の注射メニューそろえるのがコツでしょう。
保険診療で出されるようなお薬は、全部無料でサービス、ってくらいの謳い文句がいいでしょうね。そのかわり基本診察料2万円で、チェンジもありと(笑。

暇人28号暇人28号 2008/03/13 16:34 私が内科だからですかね。どうしても高血圧などの慢性疾患を想定しますので。
結構薬剤費が馬鹿になりませんから。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/13 16:39 心電図とか、ポータブルエコーとか、そういう技術料で取りたいところですが、自由診療でいくなら、そっちは、あえて「無料」としたほうが、いいです。で、医者にとっては、ばかばかしいような(しかし患者は有難がってお金払う気になるような)ところでチャージします。
まあ、保険診療世界でも、開業された先生は、多かれ少なかれ、こういうコツは心得てるんじゃないかしら。勤務医やってるうちは、見当つかないでしょうが、やってみれば自転車に乗るようなもので、意外とできちゃうもんですよ。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/13 17:17 高血圧など慢性疾患で薬剤費依存度が高い世界、っていうのは、今後滅んでいくマーケットだから、そっちで何とかしようとなんて考えないで、その世界で食ってけるうちに、違うマーケットへの足掛かり探し始めるほうがいいですよ。(美容がいい、って勧めてるわけじゃないです(^^;。)
わたしは、くりかえし書いてますが、救急の勉強しています。なんでかっていうと、いま、救急医の株が非常に下がってるんで、買い時かもしれんと思って仕込んでるっていう意味が少しあります。
日本の医師免許ってのは、何科やってもいいわけですからね。専門科やってたって、どうせ5年もすれば、知識や技術の更新せざるを得ないし、自由な発想での行動が好きですね。

banch1banch1 2008/03/13 17:45 moto-tclinic様

>血圧など慢性疾患で薬剤費依存度が高い世界、っていうのは、今後滅んでいくマーケットだから

このお考えの根拠は何ですか?
また慢性疾患について、どの程度具体的な将来像がみえているのでしょうか?

BugsyBugsy 2008/03/13 18:08
時間外加算がOKということですが、
何が何でも医療費を減らしたい政府としては 加算した分をどこから支出を減らそうとするんでしょうかね。変な意味で楽しみです。
いっそのこと時間外は自由診療としたほうがスッキリします。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/13 18:18 そりゃー、薬剤ってのは、物販ですからねー。いままでは、公的保険に守られて、処方権(販売権)が医者に付与されてただけですから。
忙しくてお金のある人は、ネットで為替の安い国から個人輸入で調達するだろうし。アメリカなんか、メキシコからそうやって買ってるひと普通らしいじゃないですか。

慢性疾患は、基本、患者が貧乏です。そりゃそうだ。病気で貧乏になりますからね。
これは、よーく知ってる。昔、アトピーの脱ステロイドやってましたからね。患者はゆっくりと回復していくが、貧乏にもなっていく・・その過程に関与して商売するなんて、とても自分にはできなかったから、皮膚科で開業はしなかったんです。まあ、その話は蒸し返しになりんで止めときますが、慢性疾患のマーケットは、政府に保護されて何ぼですから、あんまり当てにしちゃいけない。日本が豊かなうちは良かったですけどね。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/13 18:26 あ、すみません。高血圧は、働き盛りの人においてなら、そんなに貧乏じゃないですね。
だけど、そういうのは、これからメタボ検診とかで、病気前と定義されて、マーケットから切り取られていくはずですよ。

banch1banch1 2008/03/13 21:43 moto-tclinic様

私も大筋でそのように考えています。ありがとうございました。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/13 23:13 わたし、国立病院に15年勤務して、不採算患者診続けてました。薬はほとんど出さなかったですね・・・処方箋には「金一万円」とか、シャレで書いてわたしてました。「あなたに一番効くのは、薬じゃなくてお金だ。へんな民間療法みたいなのに引っかかって、なけなしのお金かすめ取られないように気をつけなさい」
処方箋にお地蔵さんの絵描いて渡してたこともあったなあ。「これを拝んでなさい。貧乏よけになる。どうしても困った時は、丸めて飲み込むといい。江戸時代には、疝気がおこるとお大師様のお札を飲み込んで治したそうだ。」

蒸し返しになるから止めとく、と言いながら書き込んでます。お許し下さい。
私、開業して5年になりますが、ずーっと考えてます。慢性不採算患者に、何かいい方法・工夫ないんだろうか?って。
当初、私の目論見としては、国立病院も民営化すれば、もうここで診療続けるのは無理だ、心身も鬱でボロボロだし、いったん美容で開業しよう、そして、利潤が上がるようになったら、保険診療に帰ってこよう。そして、美容で儲けた利潤で、不採算の患者をボランティアで診よう。
そう思ってました。
だけど、5年たって、利潤もあがり、心身も復調した今、ボランティアで不採算患者を診るか?と言われると、正直、もう診たくない。。
そう思ってしまう自分に対しては、嫌悪、というよりも、自信喪失感抱きます。
自己分析中なんですが、たぶん、目の前に物理的に患者がいなくなったから、っていう単純な理由なんだろうと思います。。

自己弁護するわけじゃないですが、人間なんて、そんなものじゃないのかなあ。
だから、いま、救急や当直で、目の前の患者に対して逃散することに、ためらいのある方、たぶん、あなたは、自分で思ってるよりも、全然聖人でもヒーローでも何でもないかも知れないですよ。
少なくとも、苦しさ感じるとしたら、そこは、あなたに向いた居場所ではない、っていうことは言えると思いますです。

banch1banch1 2008/03/14 09:01 患部が目に見える皮膚科慢性疾患とは異なり、
内科の慢性疾患の代表各である糖尿病、高血圧、高脂血症は、基本的に目には見えません。
一部の患者に、ある日突然、脳、心臓血管イベントが発生して場合によってはそのまま
亡くなります。
そういう患者の多くは日ごろから自分で自分の首をしめるような不摂生をしております。
突き放した言い方をすると因果応報なわけです。(もちろんそうでない方もおられます)

好きなときに好きなだけ好きなものを食べて死ぬ。
好きなものを食べるのをずっと我慢して少し長生きする。 どちらがよいか?

これを私はことあるごとに患者に問いかけます。どちらを選ぶかは患者しだい。

救急でCPAが搬入される。
きちんとしたデータはもっておりませんが、蘇生率2〜3割くらいだと思います。
なにしろ年寄りが多い地域なので。
こちらがやれることをすべてやってこうですから、蘇生するかどうかは患者しだい。
聖人やらヒーローやらという言葉が浮かぶ余地などありません。
内科はこんな感じと思います。

海の上の小児科医海の上の小児科医 2008/03/14 09:44 話が別の方向に進んでいますが、
> 緊急の必要性のない「患者の都合」による時間外等の受診である場合は、保険診療>としての「時間外加算」は不適切になるので、
しかし
>ただし、6歳未満の幼児には適用しない。
のは、
6歳未満の時間外には通常の診療体制をとっていても、患者都合の受診であろうとも小児科特例の時間外加算が算定できるから、なのですね。
この日の日記を読んで納得致しました。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/14 09:58 moto-tclinic先生、
>目の前に物理的に患者がいなくなったから

なんだか物凄く納得だなあ。私はへーきで、患者サマなんてアフリカのどっかの国の難民と同様、平等に価値がない!なんて、放言してますが確かに目の前に気の毒な患者サマがいたら言い難いかもw。まあ私は、先生と違って自己嫌悪なんかありませんが。むしろせいせいしてます。実際アカの他人ですからね。そもそもなんだって、あんなに一生懸命だったんだろうオレのくせに…。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/14 16:21 >10年ドロッポ様

いや、自己嫌悪ってのは、わたしも無いんですよ。
あるのは、「そもそもなんだって、あんなに一生懸命だったんだろう」って、先生とまったく同じ、不思議な気持ちです。
たぶん、これが、現場に置かれた医者すべてがかかっている魔法で、逃散ドロッポした医者は、いろんなこと語りますが、要するにこの魔法から覚めて眼をぱちくりさせているということなのだろうと思いますです。

2008-03-12 苦情処理の担当は誰

3/8付静岡新聞より、

焼津市立病院 「時間外」全額自費に 4月から 2008/03/08

 焼津市立総合病院(太田信隆病院長)は7日までに、夜間など通常時間以外の診察で診療代に上乗せする「時間外加算」を、緊急性や重篤性のない患者に限り4月から全額自費負担とすることを決めた。同日の市議会一般質問で太田病院長が明らかにした。比較的軽い症状でも「仕事が忙しい」などの理由で日中ではなく夜間救急を受診する患者が後を絶たないためで、太田病院長は「このままでは真に救急医療が必要な人への対応が遅れかねない」とし、市民に理解を求めている。

 これまで時間外加算は保険を適用し、患者の負担は3割だった。額は時間帯や曜日で異なる。例えば、午後10時から翌朝6時までの間の初診は、保険適用で1440円だった加算額が、4月以降は4800円に上がる。3割か全額かの判断は、症状の重さ、切迫度で医師が判断する。救急車で搬送された場合も例外ではない。ただし、6歳未満の幼児には適用しない。

 同様の制度は磐田市立総合病院が導入済み。焼津市立を含む志太榛原地区の4公立4病院は2月中旬、救急医療に関する協議会を設立し、時間外加算の全額自費制を前向きに検討する方針を打ち出していた。

 焼津市立総合病院によると、夜間救急受診者の重症度の尺度となる入院率は近年、県内の拠点病院中で同病院が最も低い。太田病院長は「全額自費はペナルティーではなく、患者さんにも受診の在り方を見直してほしいという医療現場からのメッセージ」と話している。

記事は読んでの通り「時間外加算」を自己負担にして救急抑制を行なおうとするものです。まずここで時間外加算をもう少し詳しく見れば、、


区分 初診 負担増 再診 負担増
深夜 4800円 3360円 4200円 2940円
休日 2500円 1750円 1900円 1330円
その他 850円 590円 650円 450円


ここで深夜とは午後10時〜午前6時で、休日深夜も平日深夜も料金は同じです。最大の深夜初診の負担増が3360円、最小の深夜でもない休日でもない再診の負担増が450円。これを患者がどれほどの負担増と感じ、時間外診察の抑制に効果があるかは微妙です。ここで厚労省がマスコミに説明し、論説委員がそうなるに違いないと書きたてた診療所と200床未満の病院の再診料の差が140円。ちなみに産経新聞の1/20付主張では、

    厚生労働省が開業医の再診料引き下げを提案した。再診料は、開業医(710円)が病院(570円)よりも140円高い。厚労省はこれが、病院の夜間外来に患者が集中する一因になっているとみている。

140円と言っても3割負担で、

    50円

ですから、厚労省が主張し産経新聞論説委員が絶大な影響がある認めた140円(3割負担で50円)の最大で67.2倍、最小でも9倍ですから絶大な効果があると見ることも不可能ではありません。ただしそこまで効果があると盲信しているのは会議室の中と論説委員の頭の中だけと感じています。それでも救急抑制のために経済的障壁を作る以外に特効薬は無いだろうが現在の最有力の考えですから、額的には必ずしも十分といえなくとも、そういう試みを行なうという姿勢は評価しても良いと思います。

しかしです。医師なら誰でも気になる一文がこれです。

3割か全額かの判断は、症状の重さ、切迫度で医師が判断する

この時間外全額自費制度は軽症か重症かで変わるようです。なおかつその判定は医師が行なうようです。重症か軽症かの判断は医師でなければ出来ないのはわかりますが、どう考えてもトラブルのタネです。これは推測ですが、患者が「軽症だから自費」とされ納得いかないときには、納得いくまでの説明を医師に求める事はごく普通にありえるでしょう。時に喧嘩腰の態度に出られると長時間化することも予想されます。

さらに軽症と重症を機械的に二分していますが、医療はそんな単純なものではありません。最初の受診時には軽症と判断されても、後の経過で重症である事もしばしばあり得ます。それが医療です。時間外時点で軽症と判断して、患者が納得せずにトラブルが起こり、さらにその後重症となれば考えただけで対応はゾッとします。生死に関わる事であったり、後遺症が残るようなものであれば、今どきどんな態度を患者が取るか考えただけでも空恐ろしいものがあります。

「3割か全額」の判断基準が入院するか否かぐらいのものであればまだしもです。この場合でも「なんで入院させないんだ!」と納得されない患者は出現するかもしれませんが、まだ判断基準はクリアカットです。そうでなければあんまり担当したくない外来と思えます。この際、一律の方がトラブル防止になると思いますがどんなものでしょうか。

もう一つ、これは小児科医だからとくにそう思うのかもしれませんが、

6歳未満の幼児には適用しない

成人同様、ある意味成人より危機的な小児救急は除外されています。そうなるとこの「時間外加算自費」が成人の救急ではある程度効果を上げても、小児救急にはほとんど関係ない事になります。記事にある焼津市では小児救急の問題は起こっていない別天地と理解して良いのでしょうか。

試み自体は評価しても良いのですが、苦情処理まで医師が担当するシステムはやりきれないように感じます。それとも判定は医師で苦情処理は専任の係員が置かれるのでしょうか。そういう事はあんまり想像し難いと思っています。

banch1banch1 2008/03/12 09:01 >3割か全額かの判断は、症状の重さ、切迫度で医師が判断する
>苦情処理まで医師が担当するシステムはやりきれないように感じます。

抑止力をねらっていると思います。
10割だったら朝まで待とうと思う患者がどのくらいいてくれるか・・・
堂々と医療費踏み倒すような患者にはまったくの無効でしょうね。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/12 09:02 磐田市立総合病院のほうで、一年以上前から導入してて、それにならってだから、うまく機能してるということなのでしょうか?
磐田市立総合病院のホムペでは自費の基準が明文化されています。
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◎時間外診療費について
 磐田市立総合病院では、平成18年11月1日から平日時間内で受診される患者様と同様に、診療時間外および土・日曜日、祝日、年末年始に受診される患者様からも、初診時に「特定初診料」をいただいております。また、緊急に受診する必要がなく都合により診療時間外などに受診される患者様から、時間外加算に相当する額を自費でいただいております。
● 特定初診料をいただかない患者様(緊急その他やむを得ない事情)
  ・紹介状をお持ちの患者様
  ・救急車で来院された患者様
  ・受診後入院された患者様
  ・交通事故、労災事故など事故による患者様
  ・公費負担の患者様
● 時間外加算を自費でいただく患者様
  ・仕事や学校の都合により時間外で受診された患者様など
http://www.hospital.iwata.shizuoka.jp/patient/gairai/kyukyuiryo.htm
-----

元ライダー元ライダー 2008/03/12 09:23 moto様

効果は確かにあったようですが、どう評価しますか?
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同様の仕組みを06年11月から導入した磐田市立総合病院では、月間約2000人ほどだった救急外来の患者数が、導入後は軽症患者を中心に100人ほど減ったという。
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/politics/government/20080307ddlk22040174000c.html

Med_LawMed_Law 2008/03/12 09:26
救急自費診療なら、1点=20円〜30円で計算すべし!!!

全額自費にしても、保険診療にしても、窓口負担は変わっても病院の収入としては何も変わらないことに注意。

これまでは踏み倒されても3割分の減収でしかなかったが、今度からは踏み倒されたら100%の減収。
おそらく実質的な不払いは増えるだろうから、病院としての不採算の負担は更に増える

新銀行「東京」の失敗を見れば分かるように、困った人とは支払い能力が乏しい人であり、与えるのでなく貸すのであれば、回収リスク、コストを考えて高利で貸すのが当然
商売と福祉とは本来、両立するのは困難

その逆をいけば返すことのできない貧乏人、返す気のない悪人、踏み倒しを前提にする極悪人が列をなして、資本を奪っていくことだろうし、銀行は踏み倒しを前提に融資をそそのかし、自分たちの資金回収だけを優先することだろう
(これはクレサラ訴訟の訴訟費用を最後のサラ金で借りさせていたことと同じ構図)

本気で救急外来ですべて自費診療とさせるなら、1点=10円の標準額でなく、1点=20円〜30円でなければ割りに合わない

最低でも酔っ払いは点数を5倍程度にしなければ診療を受ける権利を認めない位のことをしても良いのではないかと思う。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/12 09:27 それと、記事では、市と病院が勝手に決めたような書き方になってますが、そもそも、2003年に、緊急性のない時間外診療に時間外加算は保険請求できないって保険医協会から、指導されてるみたいですね。
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緊急の必要性のない「患者の都合」による時間外等の受診である場合は、保険診療としての「時間外加算」は不適切になるので、制度として実施するのであれば、特定療養費として定められている「時間外診療」として、時間外加算相当分を自費徴収する旨を社会保険事務局に届け出ることになる。
http://www.hhk.jp/info/sinsa/031205.htm
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だから、単にこの指導を順守しただけのようにも読めるのですが・・

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/12 09:40 続き)
磐田市は、夜間休日診療を当番の開業医先生へと誘導してますから、たぶん、こちらでは、時間外加算を保険で取ってるのかな・・
それで、本当は、病院としては、上記指導を楯にとりたいところだけど、そうせずに、病院・市の判断でそうした、ってことにしたいところなんでしょうか?

支邦中狂支邦中狂 2008/03/12 09:40 本日の死体換金ビジネスの成果 39000000円也
 まいどありがとうございました
  こんごともよろしくおねがいもうしあげます  遺族便汚しマスゴミ 一同

加古川市に賠償命令 市民病院で転送遅れ死亡 神戸地裁

 加古川市民病院で心筋梗塞(こうそく)の男性=当時(64)=が死亡したのは、
医師が適切な対応を怠ったのが原因として、遺族が加古川市に約三千九百万円の
損害賠償を求めた訴訟の判決が十日、神戸地裁であり、橋詰均裁判長は市に請求
通り全額支払うよう命じた。

 判決によると、男性は二〇〇三年三月三十日午前十一時半ごろ、息苦しくなり同
病院で心筋梗塞と診断された。医師は、転送の措置を取らずに血管を拡張するため
の点滴をした。午後一時五十分ごろ、医師は専門的な治療ができる高砂市民病院に
転送を要請したが、午後二時半ごろに容体が悪化。約一時間後に心室細動で死亡し
た。

 判決理由で、橋詰裁判長は「医師は早期に転送する注意義務があったが、措置が
遅れた。義務が果たされていれば、約90%の確率で生存していた」と指摘した。

 加古川市は「厳しい判決で、内容を検討し対応を考えたい」としている。

神戸新聞 2007/04/11
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000298041.shtml


控訴断念。判決確定。

tadano-rytadano-ry 2008/03/12 09:47 motoさま
社会保険庁のHPからです。

http://www.sia.go.jp/seido/iryo/kyufu/kyufu03.htm

4) 保険外併用療養費
 健康保険では、保険が適用されない保険外診療があると保険が適用される診療も含めて、医療費の全額が自己負担となります。
 ただし、保険外診療を受ける場合でも、厚生労働大臣の定める「評価療養」と「選定医療」については、保険診療との併用が認められており、通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)の費用は、一般の保険診療と同様に扱われ、その部分については一部負担金を支払うこととなり、残りの額は「保険外併用療養費」として健康保険から給付が行われます。
 また、被扶養者の保険外併用療養費にかかる給付は、家族療養費として給付が行われます。

 これは、従前の「特定療養費制度」が見直しされ、保険給付の対象とすべきものであるか否かについて適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な「評価療養」と、特別の病室の提供など被保険者の選定に係る「選定療養」とに再編成されたものです。 

【評価療養】

* 先進医療
* 医薬品の治験に係る診療
* 医療機器の治験に係る診療
* 薬価基準収載前の承認医薬品の投与
* 保険適用前の承認医療機器の使用
* 薬価基準に収載されている医薬品の適応外使用


【選定療養】

* 特別の療養環境の提供
* 予約診療
* 時間外診療
* 200床以上の病院の未紹介患者の初診
* 200床以上の病院の再診
* 制限回数を超える医療行為
* 180日を超える入院
* 前歯部の材料差額
* 金属床総義歯
* 小児う触の治療後の継続管理

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/12 09:50 続々き)
この先の流れとしては、何年か先に、病院の時間外自費は、全国的に当たり前になって、次に、夜間時間外診療所の加算が、上記指導のように、厳しくあげられるんじゃないでしょうか?
最終的には保険診療支出総額が減る方向に、ソフトランディングの一環ということで。

SeisanSeisan 2008/03/12 10:26 これって、特に小児に適用しなければ受診抑制にはならないでしょう。
基準も「入院が必要かどうか」とクリアカットにしなければ。
たとえ、点滴採血などの処置をしても、帰宅させることができるのならやはり「軽症」と考えるべきだと思います。

病院的にはサラリーマン・学生などの「自己都合による必要のない」時間外受診の抑制なのでしょうが、医療崩壊を迎えている現在、国が打ち出している「勤務医優遇政策」という前提(建前)を考えるのなら、「医者が判断して」なんて甘いことをしているようではいずれ、クレーマーの対応に疲れて「ああは言ってるけど、実際に受診したらちゃんと保険にしてくれたよ」となり、時間外患者は元通りになってしまうでしょう。
医師の個人裁量ではなく、病院としての基準をはっきりさせてほしいところです。

まあ、小児に関しては「医療サービス(医師の無料奉仕含む)」を抑制することが世論的に(マス●ミ的に)許されない情勢であることは否めませんが。

大阪の南河内の小児救急では、直接来院を認めず、必ず「救急連絡のうえ、救急司令室から受診依頼をしてもらう」という精神的防壁を設けて、受診数の抑制がそこそこうまくいっている例もありますが。

ところで、加古川心筋梗塞事件、すごいですねぇ。
「90%の確率で救命できた」
この裁判官、神様ですか?
医療において確率論を計算できるなんて初めて聞きました。
いままでって、「救命できた可能性は高い」とかの表現にとどまってたんですけどね。
この裁判官に、これから先のいろんな救急疾患の救命確率をあらかじめ出しておいてもらいたいものです。
どっちにしても、AMIの救急治療は撤退ですね。

rijinrijin 2008/03/12 11:08  外来で何とかなった喘息発作とか、どうしましょうね。

 明らかに家族のタバコが発作を誘発しているケースもあり、そういう場合は改善も期待できますが、そうでない場合は、あまりむしり取るようなことをするのも無理があるような気がします。

banch1banch1 2008/03/12 11:42 Seisan様

>ところで、加古川心筋梗塞事件、すごいですねぇ。
「90%の確率で救命できた」
この裁判官、神様ですか?

最近はEBM大合唱でいろんな数字が出てきております。
急性心筋梗塞でCCU治療した人の生存率は90%ほどとされており、
一般論としては間違っておりません。

ただ、一般論を全ての症例に当てはめられるのは相当なプレッシャーになりますね。

救急現場の常識は、AMIみたらすぐ心カテできる機関へ受診要請です。
担当医は相当肝の据わった方だったのか、あるいは忙しくて忘れてしまっていたのか。
いずれにせよ言い逃れできないと思います。

BugsyBugsy 2008/03/12 11:56 オイラだったら 時間外加算は診察後自分で外来会計伝票にチェックしますね。
文句は窓口の精算で事務にどうぞ。支払いの苦情の応対までは医者の仕事じゃありません。

>患者が「軽症だから自費」とされ納得いかないときには、納得いくまでの説明を医師に求める事はごく普通にありえるでしょう。時に喧嘩腰の態度に出られると長時間化することも予想されます。
今でもクレームをつける患者はいます。保険の本人負担が3割に上がった時もそうでした。事務は医者に泣きついて何とか医者に収拾させようとしてますが、突っぱねてます。もう一回外来で患者と会ったりするときりがない。
少し時間が過ぎて「ああ こういうもんか。」と思えば患者は皆忘れますよ。

YosyanYosyan 2008/03/12 12:29 banch1様

加古川心筋梗塞訴訟は拙ブログでも取り上げています。表面に出ている判決要旨だけでも震え上がりますが、裏まで聞けばその数倍は怖ろしい事件です。それ以上は言えませんし、触れることさえできません。それぐらい怖い怖い事件です。

ssd666ssd666 2008/03/12 12:35 やっぱり、抑止力なら、「相互確証破壊」を実現しないとね。

imoimo 2008/03/12 12:38 緊急、非緊急問わず、時間外で外来受診、処置の費用は前金預かり制(1万円)で、全て全額にすればいいのでは。
入院後の医療費は3割。現行法にて実現可能か未確認ですが。

nyamajunyamaju 2008/03/12 13:02 重症、軽症の判断を巡り医師患者間トラブル多発
→医師逃散
→大幅な医療費抑制達成

YosyanYosyan 2008/03/12 13:03 imo様

 >緊急、非緊急問わず、時間外で外来受診、処置の費用は前金預かり制(1万円)

近所の病院がそうですが、救急に疲弊して縮小体制になっています。もっとも
 
 >全て全額にすればいいのでは

後日保険精算だったから拙かったのかもしれません。

CaesiusCaesius 2008/03/12 14:18 救急は全員全額自費診療。
その後の入院加療分は保険診療はおK?

ヘックションですヘックションです 2008/03/12 15:35 「こんな部署は次の人事でおさらばだ。改革案だぁ?面倒だし、俺の功績になるわけでもないし、失敗したらどうしてくれるんだ!?議会対策が面倒とか言って、たらい回しにしておけ!」「住民からのクレームは医者対応にして逃げることが可能。また、例外規定を多めに作ってあるから事務員は負担増えないよーとして組合は丸め込んで通すか。」「何らかのポーズ見せないと本当に医者がいなくなって俺のせいになるしな、、。ま、次の人事までだ。」  以上はイメージです

banch1banch1 2008/03/12 16:09 Yosyan様

>加古川心筋梗塞訴訟は拙ブログでも取り上げています。表面に出ている判決要旨だけでも震え上がりますが、裏まで聞けばその数倍は怖ろしい事件です。それ以上は言えませんし、触れることさえできません。それぐらい怖い怖い事件です。

とりあえず一通り目を通してきましたが、怖いところがどこなのか判然としません。
裏を知れば、とありますから、ブログには明記してない事柄でしょうか?

受診要請を受けた病院には、当然その電話を受けた人がいるので、
その方が証人として召喚されないのも不思議だし、通話記録が出ないのも不思議。
被告側が受診要請に関して反論してない(?)のも不思議。
被告はこの件が判決に大きな影響を与えるのにもかかわらず、あえてスルーした。

てことは、被告病院と、要請先病院との間で
受け入れ要請はなかったことにしようという密約でもあったってことですか?

非常勤の担当医をいけにえにして・・・・だとしたら怖いですね。

imoimo 2008/03/12 16:41 Caesius 様

>救急は全員全額自費診療。
その後の入院加療分は保険診療はおK?

厳密に考えたら混合診療ですね(汗)。
代替案として、表向きは外来診察、処置は全額自己負担にして、重症で入院する患者さんは、入院後に全て診察、処置、検査したことにすれば通るかも知れません。

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/12 17:08 banch1様
 宿直医が専門外にもかかわらず完璧と思われる対応をし、更に高度な検査・治療ができる受け入れ可能病院を探しあてたにもかかわらず、それまでの間が2時間でも時間がかかりすぎという判決で十分現場は震え上がります。1・2次救で応急処置をして、より高次級に依頼するケースは多々ありますし、厚生労働省の指導でもそのようになっていますが、それを否定される事になるからです。より深くというのは、その2時間で特変なく、搬送の段階で急変したにもかかわらず、搬送が遅れたのが原因とされた事でしょう(記憶があいまいですが)。そして宿直医が内科医であっても循環器は専門ではない事が、専門外は絶対に診ないという流れを作った大事件でした。10年ほど前までは「基本的な救急疾患」は何科であろうとお互いに診られるようにしていましたし、それが医師の負担減となっており、専門外でも時間外に診てもらえたと患者からは感謝されたため、救急医療はかろうじて維持されていましたが、この判決はそれを根本から否定するもので、救急医療崩壊に深く関係しています。非常勤だからいけにえという事ではなく、医師全体の中で救急医療の考え方そのものが大きく変わったのです。

通るすがる通るすがる 2008/03/12 17:15 >banch1さま
私はまったくの門外漢で、時折こちらに書き込む程度の人間ですが、「ブログに出ている範囲」で私が恐ろしく感じたのは、ブログの記事を信じる限り、どこに落ち度があるかが理解できなかったことです。

>救急現場の常識は、AMIみたらすぐ心カテできる機関へ受診要請です。

この部分については出てくる情報を読む範囲では、診断後直ちに搬送を要請していたと理解しています。
>担当医は相当肝の据わった方だったのか、あるいは忙しくて忘れてしまっていたのか。
>いずれにせよ言い逃れできないと思います。

このブログの記事を信じるなら、過信していて自施設で何とかしようとしたのでもなく、まして転送要請を忘れていたわけでもありません。
何の言い訳も言い逃れも必要のないはずの医療行為を行っていた(ようにみえる)のにも関わらず、敗訴したこと、敗訴した上判決が確定していることが「恐ろしい」です。


つくづく民事訴訟は大人の喧嘩に過ぎず、「真実を明らかにする」などということからは一番遠い作業なのだと思わされます。まあ刑事訴訟だって別に真実は必要ないんですけど。

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/12 17:27 間違いかもしれませんが、医療機関での窓口負担は保険者の代行として行っていると認識しています。救急に関わらず保険診療はいったん窓口で全額支払うか後日に保険者からの徴収とし、緊急度判定は(交通事故の後遺障害判定のように)第3者機関が行うとすれば理想的でしょうが、政治的に難しいのでしょうね。

YosyanYosyan 2008/03/12 17:43 ああ播磨だな様

 >政治的に難しいのでしょうね

政治的にも難しいかもしれませんが、そういう第3者機関が必要となればまたぞろ「削減される医療費」から捻出されます。それを考えるだけで憂鬱になります。

ひはまたのぼるひはまたのぼる 2008/03/12 17:50 選定療養の算定は事前に同意が必要です。
社会保険事務局に同意なくとられたと苦情がいけば、同意の確認の監査が入り返還命令が出るでしょう。 救急の必要性誰かがどこかで判断して、という流れにしないとうまくいかないでしょうけど、できるかな?
未紹介患者の初診料金を払いたくないから、時間外になるまで待つという話、時折耳にすることがあるので、問題があることは事実。 海外みたいにトリアージしてたいしたことない人は半日くらい廊下で待たせるのがいいかも。

ただの通りすがりただの通りすがり 2008/03/12 18:48 >選定療養の算定は事前に同意が必要です。
「時間外加算には同意しない。でも診察しろー。応召義務!応召義務!」といわれたら病院側はどうすればいいんだろう・・・?

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/12 18:56 加古川心筋梗塞が、ひさしぶりに蒸し返されてますが、昨年春から夏に、本ブログでかなり反芻されました。エントリーの数は10回くらい立ったんじゃないかな?暑い夏の甲子園延長戦みたいでした。
最後は07年8月8月だったと、わたしは記憶してます。http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070808
諸説や妄想が飛び交いましたね。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/12 19:00 そういえば、最近、加古川みたいな、想像力をかきたてられる、不可解な事件が無いなー。なんというか、わかりやすく、医療崩壊が進んでいます。
・・それ自体が、不可解というか、なにか怪しさ内包してるんだろうか?

banch1banch1 2008/03/12 19:13 ああ播磨だな様、とおるすがる様

>宿直医が専門外にもかかわらず

判決文は5年目の消化器内科となっております。
Yosyan様曰く、やはり「5年目の消化器内科医」が真実だと考えます。
私もそう考えるべきだと思います。
そうしますと、某氏に寄せられた内部情報の信用度が薄いのではないかという疑念あり。

>診断後直ちに搬送を要請していた

内部情報の信憑性があやしいと考えれば、これも信憑性に疑問がありませんか?

Yosyan様記述によりますと・・・

このような事情は,被告側の主張にも見あたりません。
被告側の主張でも,13時50分の高砂市民病院への転送要請が最初のようです。

この件での最大の争点ともいえる部分で被告がたやすく折れているのはなぜでしょう?
私が推測できるのは以下の三つだけです。

?判決文とおりで、転送要請が後手後手だった。
?転送要請は診断即座に行われたが、その情報が抹殺され証明できなかった。
?転送要請の証明がなされたが、司法がそれを認めなかった。

単なる直感ですが、私は?だと思いました。

受診要請を受けた病院幹部達は、それを認めてしまうと診療拒否で責任を問われかねません。
そこで、被告病院と結託して、表向きは「非常勤医師のミス」として判決を誘導すべく
通信記録もださず、受診要請を電話で受けたスタッフも召喚しないようにしむけた。
被告病院とて、日ごろ世話になっている病院に迷惑をかけられないという心理がある。
自院と直接関係のない非常勤医師に汚名をかぶってもらおうと考え、市もそれに同調した。

まったく落ち度のない一医師が、
司法ではなく、よりによって戦友たるべき病院と市によって貶められた。

だからこそYosyan様は「それ以上は言えませんし、触れることさえできません。それぐらい怖い怖い事件です」とおっしゃった。

いかがでしょう? 想像力ふくらませすぎか。

banch1banch1 2008/03/12 19:17 フォントの問題でしょうか・・・一部訂正します

(1)判決文とおりで、転送要請が後手後手だった。
(2)転送要請は診断即座に行われたが、その情報が抹殺され証明できなかった。
(3)転送要請の証明がなされたが、司法がそれを認めなかった。

単なる直感ですが、私は(2)だと思いました。

YosyanYosyan 2008/03/12 19:17 banch1様

想像を膨らませるのは自由ですが、身の安全を考えられるのならこの辺でアングラ情報の推測をやめられた方が良いと思います。それ以上は言えません。

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/12 19:49  思えば割り箸や福島の件はまだ専門とされている分野での出来事です。これは他科医にとって神の領域とされるほど稀で高度な内容で、臨床医師ですら専門医から説明を受けてようやく理解できる範囲です。
 しかし大阪高裁や加古川や京都の事例は勤務医を行っているとほぼ確実に遭遇するありふれた症例であり、それで2時間でも駄目、30分でも遅すぎると判断されれば、もはや「診られないので受けられない」しか打つ手はありません。それでも10年前頃までは寿命だから仕方がないとか、診てくれてありがとうございますとむしろ感謝されたものですが、結果責任を問われるとなると、帰結は必然的に決まります。国民意識の変化と分析することは単なる逃げでしかなく、本気で救急医療を守りたいのなら法や制度でカバーするしかないように思えます。お金が潤沢にあれば物量作戦で何とかなるのでしょうが、今や日本はお金も人的資源も底を尽いている状態です。これは臨床医師の範疇を超え、医療行政の緊急課題です。
 社会インフラを担当する公務員(特に命がかかった警察や自衛隊、消防)や医師は、感謝を感じるだけでもかなりモチベーションは変わってくるのは社会学的に世界共通のようですが、それすらも失われた社会では法や条例による保護が不可欠です。医師だけでなく、バスジャック犯に狙撃できない警察官、(EECではなく)領海を侵犯してきた不審船を攻撃できない自衛隊・海保、同じ思いであると推定します。

ssd666ssd666 2008/03/12 21:29 先日購入した雑誌で、軍事ジャーナリストが、長崎の立てこもり事件で警官が撃たれて放置されていたニュースの画像を、ロシアのアルファ部隊の連中に見せて、
「信じられない。ロシアなら、この警官が撃たれた段階で、突入して犯人をぶち殺す」
とか言われたとかいう記事を見ました。
おそらく、日本の医療の状況も、外国の医療関係者に教えたら、似たようなこと言われるんだろうなあ。

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/12 21:40  日本はバスジャック犯の説得に全力をそそいだ。一方ロシアは沈静ガスを使った。
 一般市民にも犠牲者が多数でたが、国際社会からはテロに対するロシア政府の断固たる対応が評価され、一カ国だけロシアを非難した・・・それが○本。

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/12 22:00 訂正、非難ではなく遺憾の意でした。当時の小泉首相はプーチンを支持、外相は・・・

卵の名無し卵の名無し 2008/03/12 22:30 >外相は・・・
人命の盆暗相場師の息子かな?www

banch1banch1 2008/03/13 01:10 Yosyan様

身の安全云々がブラフでないなら、バックの組織は、市や病院じゃなく、
イリーガルな組織に限定されそうですが、
これ以上は教えてくれそうもないのでやめときます。

AnybodyAnybody 2008/03/13 10:33 >裏まで聞けばその数倍は怖ろしい事件です。それ以上は言えませんし、触れることさえできません。それぐらい怖い怖い事件です。
>想像を膨らませるのは自由ですが、身の安全を考えられるのならこの辺でアングラ情報の推測をやめられた方が良いと思います。それ以上は言えません。

そこまで書かれると気になって仕方ないですよ。
いったい何があったんですか。

この事件、病院の設備、医師の裁量権を全く考慮しておらず、不当な判決だと思いますが、なぜ控訴しなかったんでしょう。
被告はZ医師と加古川市であったろうと思われますが、加古川市は控訴しないにせよ、Z医師は控訴できたはずです。

AnybodyAnybody 2008/03/13 10:58 http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070808

>医師個人が断ったと言うより、病院が「そんな事実は記録に無い」的な回答で門前払いしたような感じです。ニュアンスの解釈なので微妙ですが、とにもかくにも5病院から等しく協力を得られなかったのは事実のようです。

受け入れ拒否で終わった受け入れ要請なんて、いちいち記録になんか残しません。病院に問い合わせても記録になければ、そういう回答になりますよ。それは、やっかいごとを背負いたくない事務の当然の発想ではないでしょうか(邪魔くさい、矛先が向かってくるおそれがある)。特に隠してZ医師一人に責任を押し付けようとしたのは考えすぎだと思います。

裁判で病院が敗訴になると損保から保険金がおります。加古川市にしてみれば腹が痛むわけでもなし、早く決着させたかったので争わなかったのでしょう。あるいは保険に加入していなくても公金で賄える見込みがあれば同じことです。損害賠償に応じたからと言って行政訴訟を起こす市民なんていませんからね。想像ですが、Z医師にしても控訴して敗訴すれば自己負担の可能性も出てきますから、断念したのが真相ではないでしょうか。そんな大層な話じゃないですよ。

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/13 12:41 >Z医師は控訴できたはずです。
記憶が薄れてきていますが、宿直医も訴えられていたのでしょうか。確か加古川市に対する民事訴訟だったと思います。のじぎく県は県立病院は最後まで争い(オンブズマンが強力なため)、市町立病院は和解なり第1審で止めてしまうケースが多いです。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/13 12:51 >裁判で病院が敗訴になると損保から保険金がおります。加古川市にしてみれば腹が痛むわけでもなし、早く決着させたかったので争わなかったのでしょう。あるいは保険に加入していなくても公金で賄える見込みがあれば同じことです。

実家が電話リース詐欺に引っ掛かって、リース代の支払いを停止してリース会社から訴えられた事がありますが法定外で原告から「お宅の言い分が正しいのだろうが、こちらとしても、裁判で負けないと損金として処理できないので…。」みたいな事をおっしゃいました。
…一審原告敗訴後、控訴しやがりましたがw(その後和解)

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080312

2008-03-11 息抜きの小ネタ

見えない道場本舗様からTB頂いた記事が小ネタとしておもしろかったので、今日は息抜きで扱ってみます。

ネタ元は東京新聞の「こちら特報部」というコーナーだそうです。東京新聞がどれほどの新聞か存じませんが、大阪新聞よりはよほど上品な新聞だろうと言う理解で進めます。大阪新聞並だったら高尚過ぎる内容だからです。まずWeb掲載部分ですが、

医療法改正で 嘱託病院確保を助産所に義務付け 廃業助産所も

2008年3月8日

 奇妙な医療法改正に助産所が振り回されている。法改正で助産所は分娩(ぶんべん)中の急変などで緊急搬送先となる嘱託病院を四月までに自助努力で確保しなければならないが「多忙」を理由に断られるケースが続出。このままでは廃業する助産所も出てくるため、厚生労働省は「(嘱託病院は)新たな義務を負うものではない」と通知を出した。だったら嘱託病院確保は無意味では。何とも不可解な法改正なのだが…。 (鈴木伸幸)

以下は有料部分で読め無いのですが、見えない道場本舗様が要約として引用してくれています。

  • 地元でも評判の助産所が、存亡の危機に瀕した。医療法改正で、助産所は嘱託病院を確保せねばならなくなったが見つからなかったためだ。

  • そういう例を避けるため、「嘱託病院となっても新たな義務は負わない」とされたが、ならば意味はない(茨城県立医療大・加納尚美教授談)

  • 法改正で助産所開業は病院の意向次第になった。そもそも嘱託なのに義務が無いのは「応召の義務」違反。法律は病院と助産所の序列化を肯定しており、助産師への偏見が背景にある。

  • 今は99%が病院、1%が助産所で出産する。戦後、アメリカの指導でそうなり、妊産婦死亡率が減ったので助産所出産は危険と思われがちだが死亡率低下は栄養や抗生物質、輸血の向上の為。助産所が危ないわけではない。

  • 海外ではオランダが3割が助産師出張で自宅出産、NLでは7割を助産師がケア。米国でも5,6%は助産施設出産。

  • 低リスク出産は医療が介入しないローテク出産が望ましい、とWTOも調査報告でいっている。データ的にも出産の7、8割が医療行為不要である。

  • 現在、日本の就業助産師は25000人だが15%は産科以外で働く。資格を持ちながら働いてない人も20000人。理論上、潜在助産師を活用すればお産難民問題は解決だ。

  • だが、ある産科医はこう話す。

    「正常分娩は自由診療なので医療機関からすればもうかる”ドル箱”。病院側はそれを守りたいだろうし、何かあれば訴訟になりかねない高リスク出産ばかりを任されてはたまらないと思ってもおかしくない。助産師の活用で産科医不足が解消できるにしても、産科医はそれを自らは認めないだろう

折角なので順番に突っ込んでみます。

  • 地元でも評判の助産所が、存亡の危機に瀕した。医療法改正で、助産所は嘱託病院を確保せねばならなくなったが見つからなかったためだ。

助産所の嘱託医療機関の問題については一度扱ったことがあるので、その時の一産科医様のコメントを引用しておきます。

ま、どうであれ、嘱託を強制されたら現場から粛々と逃散するだけでしょう。

以前、周産期センターは法律で助産所からの搬送受け入れを義務付ける、という話もありましたが、そこまで踏み切れなかったのは、そうすれば周産期センターから医師がいなくなるだけだということが、さすがに看護系議員にも理解されたからでしょう。

ただ、このブログを読んでいる方に理解してほしいのは、大部分の助産所では嘱託医療機関は見つかっています。いまだに見つかっていないのは、そもそも周産期医療が崩壊して引き受け手がないか、「あの助産所には絶対に近づきたくない」というレベルの助産所だろうと思います。

助産所が周産期医療の一員としてきちんと活動するならば、地域の周産期医療の中にちゃんと入るように自らも襟を正し、産科医療機関と連携を取るのは当然のことであって、それができない助産所は淘汰されるべきです。

  • そういう例を避けるため、「嘱託病院となっても新たな義務は負わない」とされたが、ならば意味はない(茨城県立医療大・加納尚美教授談)

まず茨城県立医療大・加納尚美教授とは看護学部母性看護学助産学教授です。ここで「義務云々」ですが医政発第1205003号「分晩を取り扱う助産所の嘱託医帥及び嘱託ずる病院-又は診旛所の確保について(協力依頼)」に嘱託趣旨としてあり、

分娩を取り扱う助産所から嘱託を受けたことをもって、嘱託医師及び嘱託医療機関が応召義務以上の新たな義務を負うものではないこと。また嘱託医師や嘱託医療機関となることが、特定の助産所を利ずることにはならず、公立・公的医瞭機関及びその医師が、助麗所の嘱託医師や嘱託医療機関となることは差し支えないこと (総務省自治財政局と協議済)

加納教授の主張は嘱託があろうが無かろうが「応召義務以上の新たな義務」を負わないのであれば嘱託自体が不要であると考えても良さそうです。そういう考え方も成立しますが、通達を読んでそれでも嘱託を受けられない助産所がどんなものかを考えたのか疑問に思います。

  • 法改正で助産所開業は病院の意向次第になった。そもそも嘱託なのに義務が無いのは「応召の義務」違反。法律は病院と助産所の序列化を肯定しており、助産師への偏見が背景にある。

これは殆んど意味不明の文章。通達内容を読んで嘱託を受けられない助産所が出現するのはまず不可思議。さらに『嘱託なのに義務が無いのは「応召の義務」違反』これはもう日本語ではありません。応召義務は負うと明記していても「違反」とするのは論理の破綻以外の何者でもありません。

  • 今は99%が病院、1%が助産所で出産する。戦後、アメリカの指導でそうなり、妊産婦死亡率が減ったので助産所出産は危険と思われがちだが死亡率低下は栄養や抗生物質、輸血の向上の為。助産所が危ないわけではない。

これについては僻地の産科医様の助産所からの搬送例は有意に死亡率が高いを御参照ください。それと改善理由に挙げた「栄養」「抗生物質」「輸血の向上」のうち助産所ができるものは何もありません。「栄養」は個人の問題であり、「抗生物質」「輸血」は医療機関で無いとできません。ま、この程度のリスクは同等と見なすの趣旨でしょうか。

  • 海外ではオランダが3割が助産師出張で自宅出産、NLでは7割を助産師がケア。米国でも5,6%は助産施設出産。

2004年の周産期死亡率では出生1000人あたりで、

  • 3.3人:日本
  • 7.9人:オランダ
  • 6.0人:ニュージーランド
  • 5.6人:アメリカ

確かに助産所分娩を多用しても「たった2倍」しか死亡率が増えないから問題なしとの主張です。

  • 低リスク出産は医療が介入しないローテク出産が望ましい、とWTOも調査報告でいっている。データ的にも出産の7、8割が医療行為不要である。

「データ的にも出産の7、8割が医療行為不要である」は間違いありませんが、残り2、3割は医療行為必要です。さらに分娩では予測不能で突然医療行為必要になります。さらに日本の分娩への風潮は「お産は100%安全」です。トラブルが発生すれば巨額の賠償問題が頻発します。優雅なお話です。

  • 現在、日本の就業助産師は25000人だが15%は産科以外で働く。資格を持ちながら働いてない人も20000人。理論上、潜在助産師を活用すればお産難民問題は解決だ。

楽しいな、こんな理論が通用するなら看護師不足も即座に解消します。去年の国会質疑では野党議員の「病院の助産師は厚労省の大甘の試算でも3000人不足している」と追及され、政府側は何ひとつ反論できませんでした。

  • だが、ある産科医はこう話す。

    「正常分娩は自由診療なので医療機関からすればもうかる”ドル箱”。病院側はそれを守りたいだろうし、何かあれば訴訟になりかねない高リスク出産ばかりを任されてはたまらないと思ってもおかしくない。助産師の活用で産科医不足が解消できるにしても、産科医はそれを自らは認めないだろう

おそらくこの部分を受けたこの記事のまとめが、

妊婦たらい回しを報道すると、医者たちからの「産科医不足が悪いのであって医者は悪くない」と反論が来る。でも、医者から「もっと助産師の活用を」との声は上がらず、そういう運動も起きず、「産科医を増やせ」の掛け声ばかりなのは不思議だ。「ドル箱は手放さない」が理由なら、なんともお粗末だ。(隆)

御心配しなくとも自然に助産師の活用論に産科医の意見は傾くと思います。産科医療の窮状はこの記事の認識のように甘いものではなく、今や、

    ヤブでも貴重な戦力、カルトでも許す

「ヤブ」でも「カルト」でも許容せざるを得ない現状ですから、「猫の手」よりましな「助産所」だって不可欠な戦力になるのはそう遠くない未来に来ます。もっともその頃には産科救急の危機なんて言葉は死後となり、分娩施設で危機に陥ればそのまま撃沈です。救急で運ばれるべき医療機関そのものが機能麻痺になっているからです。

今日は軽いお話でした。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/11 09:05 >今日は軽いお話でした。
ちっとも軽くねぇ!!

ririnko0406ririnko0406 2008/03/11 09:12 >10年ドロッポ さま
同意ですw 同じ突っ込みを思わず心の中でしてしまいました
>東京新聞がどれほどの新聞か存じませんが、大阪新聞よりはよほど上品な新聞だろうと言う理解で進めます。大阪新聞並だったら高尚過ぎる内容だからです。
ここで気づくべきだった…w

三上藤花@現在休業中三上藤花@現在休業中 2008/03/11 09:34 横レス失礼。

>>今日は軽いお話でした。
>ちっとも軽くねぇ!!
 全く同感です。


 みなさま多分ご存知だと思いますが敢えて付け加えさせていただきますと、
>今は99%が病院、1%が助産所で出産する。戦後、アメリカの指導でそうなり、妊産婦死亡率が減ったので助産所出産は危険と思われがちだが死亡率低下は栄養や抗生物質、輸血の向上の為。助産所が危ないわけではない。
>海外ではオランダが3割が助産師出張で自宅出産、NLでは7割を助産師がケア。米国でも5,6%は助産施設出産。
>低リスク出産は医療が介入しないローテク出産が望ましい、とWTOも調査報告でいっている。
 この3点はいずれも『自然分娩推進派』(女性史研究家とか助産師さんの一部とかいろいろな人)あるいは『病院分娩反対派』(被害者さま団体が主体)の決まり文句的な主張です。

 以前、そこを突っ込んでみようかと思って公衆衛生的な資料を漁ったことがあるのですが、
>死亡率低下は栄養や抗生物質、輸血の向上の為。助産所が危ないわけではない。
 をぐうの音もいえないくらいに覆すだけの論拠は見つかりませんでした(もう一度探してみたいです)。
 ただし付け加えますと、この主張を裏付ける根拠もないことを申し添えたいです(もちろん、私の探し方が悪い可能性もあります)。

ysys 2008/03/11 09:37 >東京新聞がどれほどの新聞か存じませんが

東京スポーツの親会社、てことはないですよね(笑)

三上藤花@現在休業中三上藤花@現在休業中 2008/03/11 09:38 それと、これはどうでもいい枝葉末節的なことですが、
>とWTOも調査報告でいっている
はWTOではなくWHOではないでしょうか……?
自分もコピペしたあとに言っているのですけれど……。

お気を悪くされましたらすいません。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/11 09:46 東京新聞は、わが名古屋の中日新聞の、東京地方版みたいな新聞です、たしか。
中日新聞が親。
ちびまるこちゃんの4コマ漫画やってます。

HirnHirn 2008/03/11 09:49 嘱託医についてもヤブ・カルトでもできるわけですよ。で、実際そうなってるわけで、県境の向こうにある「癌を免疫で治す」という類いの先生が助産院の嘱託をやってたりします。

HekichinHekichin 2008/03/11 10:30 WTO(世界貿易機関)>日本に妊婦さんを輸出すれば解決って話でしょ。

HekichinHekichin 2008/03/11 10:34 WTO(世界貿易機関)>日本の妊婦さんをオランダに輸出すれば解決って話でしょ。

YosyanYosyan 2008/03/11 10:49 見えない道場本舗様の要約に誤字があるだろう点は承知しています。ただ引用なので忠実にさせてもらった方が良いかと思い、あえて訂正していません。なんと言っても「軽い話題」ですし、ひょっとしたら記事原文もWHOではなくWTOであるかもしれないからです。

きちんと自衛!!きちんと自衛!! 2008/03/11 10:50 Hirn 先生に同意です。今現在の情勢で除産所の嘱託を引き受けるのは情報弱者or情勢が読めない御年配のセンセあるいはアレなセンセでしょう。但し、一度引き受けたからにはきちんと責任を全うしてもらいたいものです。具体的には、『SOSは必ず嘱託医が最初に受けること。』です。私が経験した助産所からのSOSは、まあ、医学的にとんでもないものばかりで産科崩壊以前から周囲の関係者の間ではなるべくかかわらないほうが、、との認識で一致していたものです。相手は様々な言質を弄して引き受けさせようとしてきますが、助産所が嘱託医or嘱託医療機関を飛ばして基幹病院にいきなりSOSしてこないように。また、基幹病院は、まず嘱託医に連絡を取るようにきちんと対処することが肝要って、、、きちんと自衛できる医師はもう分娩なんて無関係でしょうから余計な一言でしたー。

HekichinHekichin 2008/03/11 11:06 残念なニュースが...
------------------------------------
津軽・有床助産所姿消す 76歳 思い残し引退
http://www.kahoku.co.jp/news/2008/03/20080309t23014.htm
津軽の母子を見守り続けた助産師が、お産の現場から身を引いた。青森県五所川原市で助産所を営んできた福士レイ子さん(76)。青森県に7日、廃業届を出した。寄る年波に引き際を考えていたところに、新しい嘱託医制度がのしかかった。津軽地方から出産を扱う有床助産所は姿を消し、引退を惜しむ声も聞こえる。
〜〜〜
嘱託医を引き受けていた吉田秀也さん(84)=五所川原市=は2006年で産科をやめている。嘱託医などを決める期限は、3月末に迫っていた。
「もうちょっと続けたいという気持ちもあったが、新たにお願いするのは大変。これからは家族と自分のために時間を使うことにした」と福士さん。
------------------------
福士レイ子さん(76)&吉田秀也さん(84)
お〜い、お互いもっと早く引退させてやれよ。周りの人々に不安はなかったんかいね!?
(前の投稿書き損じ&書き直しです。先の方は削除していただいてかまいません)

rijinrijin 2008/03/11 12:00 > 戦後、アメリカの指導でそうなり、…

 間違いです。

 サンフランシスコ平和条約の発効が1952年ですが、この後、55年の場所別出生数は病院186509、診療所77636、助産所40982、そして自宅・その他が1425565でした。

 圧倒的に自宅・その他が多かったのです。

 施設内分娩と自宅・その他での分娩がほぼ同数となったのは60年で、病院386973、診療所280292、助産所137292、自宅・その他801484でした。

 65年になると、病院670619、診療所625409、助産所+自宅・その他235784+291885と三者がほぼ同数となりました。

 その後は病院の方が診療所よりもやや多いという関係で、両者のシェアがどんどん増加していきます。病院と診療所での出生数のピークは75年頃、助産所でのそれは65年でした。

 また、戦後、実際に自分を産んだ母親に聞いてみましたが、特に病院や診療所での分娩が奨励・指導されたということはなかったようです。

rijinrijin 2008/03/11 12:00 …数字は人口動態調査からでした。

tadano-rytadano-ry 2008/03/11 12:34 母体死亡率(対出生10万)で見ますと

日本 6
オランダ 6
NZ 9
USA 11

となります。ちなみに

韓国 14
中国 45
タイ 110
インドネシア 420
インド 450
アフガニスタン 1800

となります。世界全体の平均は400だそうです。
http://www.who.int/whosis/mme_2005.pdf

マップもあります:http://www.who.int/research/WHO_maternal_mortality_ratio.pdf

tadano-rytadano-ry 2008/03/11 13:17 >助産所の嘱託医療機関の問題

そこでウチの県ではこういう請願を出す方がおられます。
http://www.eonet.ne.jp/~naraosan/1213preconf.htm

 平成19年11月26日
奈良県議会議長   辻 本 黎 士 殿

身近な地域で安心して生み育てる場所がほしい
安全確保に向けた医療環境の整備に関する 請願書

(請願者)「安心してお産ができる奈良県にしたい」の会 代表 ○○ ○○○ 他7294名

身近な地域で 安心して生み育てる場所がほしい! −安全確保に向けた医療環境の整備を−

一、請願の主旨
 奈良県における産婦人科医師が扱う出産数は、一人当たり年間163人で、これは全国で6番目に多い数です。(奈良県内では平成17年度に11,184人の赤ちゃんが生まれていますが、お産を取り扱う医師の数は74名、奈良県内の助産師の数は249名です。)また、県中南部ではここ1年余りの間に4つの病院が医師不足のために産科を閉鎖するという事態になりました。そのため400人ほどの方が出産施設を求めて遠くの医療機関に通うことを余儀なくされています。また里帰り出産の受け入れなどは極めて困難な状況です。
 そこでこの状況を改善するには、助産師の活用を積極的にすすめる必要があると思います。出産の多くは異常の少ない生理的出産といわれ、医療介入の必要ないお産は助産師だけで取り扱うことが認められています。正常産を助産師が担うことによって、産科医の負担は軽減します。そして産科医は異常や緊急時の対応に専念することができます。
 しかし、助産師がその力を十分発揮するためには、医療が必要になった場合、速やかに医療機関に妊産婦や新生児を搬送できるということが必要不可欠になります。

 そこで以下の事項を請願いたします。

二.請願事項
1. 来年5月に設置予定の周産期センターを軸としつつ、早急に一次、二次、三次に連携する周産期搬送システムをつくってください。

(中略)

4. 医療法19条の助産所開設の要件には「母子の安全を高めるため、嘱託医の他に嘱託医療機関を設けること」とありますが、嘱託医療機関を個人で確保するのではなく、上記搬送システムをもって嘱託医療機関とみなすよう県よりご指導ください。

一産科医一産科医 2008/03/11 14:19 コメント引用ありがとうございます。

周産期死亡率の経年変化ですが(日本)
     年 1970  75  80  85  90  95  2004
周産期死亡率 21.7 16.0 11.7 8.0 5.7 4.7 3.3
(出生 千対)

1970年 21.7   2004年 3.3 です。
私は1969年生まれですが、私が生まれて成長した40年間で、少なくとも栄養や抗生物質について劇的な変化はなかったと思います。耐性菌の出現で抗生剤の使用が少なくなった事、輸血後の感染やGVHDなどで輸血も慎重に行うようになった、そういう変化はあったと思いますが。
少なくとも、1970年以降の周産期死亡率の改善は、栄養や抗生物質等のおかげではありません。そのような主張は眉唾もいい所です。
1970年以降の周産期死亡率の改善にもっとも貢献したものは、人工サーファクタントの完成だと思います。その結果、早産児の死亡率が大きく改善しました。そして、NICUが整備され(まだされていない地域もありますが)、周産期システムがしっかり稼働するようになったからでしょう。
周産期システムがしっかり稼働するという事は、一次・二次・三次の各医療機関がきちんと連携をとって母児の安全を守るという事です。当然、チームとして稼働するわけで、その中では各医療機関がそれぞれの役割を分担し、それを領分をきちんと守る必要があります。役割を理解しない、あるいは理解しても無視している医療機関(含む助産院)が「ヤブ」と呼ばれるわけですが、まあ、産科医療ではこれもあてにせざるを得なくなっている事は、上述の通りです。
何度も書きますが、周産期医療システムの中で自分の役割をきちんと自覚し、その役割をきちんと果たしてくださる助産院なら、連携を拒む理由は全くありません。まず、それが出来ているのかどうか、その点の検証から始めなくてはなりません。
チーム医療である以上、助産院であれ開業医であれ、そのチームの中で自分勝手に好きな事をしていれば、そのチームは崩壊します。チームスポーツで、一人の選手が(どんなに能力が高くても)好き勝手をすれば、そのチームが崩壊するのと同じです。

ssd666ssd666 2008/03/11 14:20 そのWHOの云々は、カルト一派が出したもので、結局その一派は追い出されたそうです。
それでもそれを金科玉条のようにずーーーーーーーーと信者はWHOの権威を頼りに布教に努めています。
教祖様のHP
http://www.marsdenwagner.com/
で、僻地の産科医様のhpでも過去特集
http://obgy.typepad.jp/blog/2007/07/post_e2e8_1.html

まあ、一言で言えば、「我田引水」

元ライダー元ライダー 2008/03/11 14:31 開業医(産科じゃありません)として気になるのは下記。

『だが、ある産科医はこう話す。
「正常分娩は自由診療なので医療機関からすればもうかる”ドル箱”。病院側はそれを守りたいだろうし、何かあれば訴訟になりかねない高リスク出産ばかりを任されてはたまらないと思ってもおかしくない。助産師の活用で産科医不足が解消できるにしても、産科医はそれを自らは認めないだろう 』

こう話す産科医は実在するのだろうか?実在するとすればどういう産科医がプロファイルされるのか?

TOMTOM 2008/03/11 14:34 Yosyan先生お久しぶりでございます。コメンテーターの皆さま、多くの方ははじめまして。TOMと申します。1年ちょっと前、時々書込させて頂いておりました。
私は東京の開業医ですが、その後DQN患者と家族に絡まれ、しばらく「医療崩壊上等」になっておりました。最近ようやく気持ちの整理もつきましたので、またぞろ時々お世話になろう...とおもいます。
ところで東京新聞ですが、どんな新聞かは以下の資料が詳しいです。
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/985635.html
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2007060702022329.html
ブログの品位を汚して申し訳ございません。ま、軽い話題ということで。

一産科医一産科医 2008/03/11 14:40 サッカーで言うなら
-------------------
守備を全くしないストライカー
口を開けば
「俺様にボールをよこせば、絶対点取ってやる。」
確かに、一試合で1点か2点は必ず取ってくれる。

彼が所属するチームは、弱小チーム相手に破竹の連勝。ストライカーはますます鼻高々。コーチがたまに
「たまには守備もしてくれ。」とお願いするが、そんなものはどこ吹く風。
「GKもDFもいるじゃないか。奴らは守備が専門だろ。あいつらがちゃんと守りさえすれば、俺様が点を取ってやるんだから、絶対勝つじゃねえか。」
「今は弱小チーム相手だからそれでも大丈夫だが、それでは強豪相手には通用しないぞ。」
「うるせえな。他の奴らがきちんと義務を果たしてしっかり守ればいいんだよ。」

他の選手からは
「あそこでもう少ししっかりチェックしてくれれば、もっと楽に守れるのに・・・。」
という声も聞こえるのだが、聞く耳もたず。むしろ「お前らがしっかり守れ、ボケ。」と罵声を浴びせられる始末。
しかし、このチーム、実はメンバーが11人しかいないので、彼を辞めさせる事は出来ないのでした。

このチームが、本当の強豪チームと戦ってどうなるか?皆様のご想像にお任せします。

一産科医一産科医 2008/03/11 14:58 書き込み多くてすみません。
>元ライダー様
>>正常分娩は自由診療なので医療機関からすればもうかる”ドル箱”。
これは事実でしょう。というより、保険診療では全く儲からない状況になりつつあるため、結局自費診療の正常分娩で稼ぐしかなくなっています。ある病院の部長に聞いた事がありますが
「ウチの病院の黒字は産科と売店だけ。」と話されていた事があります。

なお、たいていの病院では正常分娩は助産師だけで管理しています。産科医が助産師に分娩を任せていないというのも正しい主張ではありません。おそらくは産科開業医が助産師を入れずに産科看護師に産科管理をさせていた事に対する意見でしょうが、それが全ての産科医の総意のような言い方はおかしいでしょう(産科看護師の問題は今回は横に置いておきます)。

こういう事を言いそうな産科医は、上田市に一名おりますが・・・。
その上田市の周産期システムが風前の灯なのは、ご承知の通りです。

YosyanYosyan 2008/03/11 15:48 今回の引用記事は残念ながら要約だけなので、記事原文はもう少しおもしろかったと想像しています。記事が引用した内容もどこまでが加納向美教授の話なのか判然としないところがあり、また他の人物の引用もあるのかと興味が尽きないところです。

産科医の声もストーリーに合わせて捏造したのか探したのか歪曲したのかは分かりませんが、記事冒頭にあるように助産所礼賛論の趣旨は明白ですからワクワクさせられます。ワクワクと言うか、現時点でも産科医を貶めてでも助産所礼賛論を書くマスコミレベルでの周回遅れ感覚がなんとも軽い話題です。きっと東京新聞の「こちら特報部」って埋め草のお笑いコーナーなんでしょうね。

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/11 16:09 東京新聞が2005年11月24日に書いた有名文
「キムチは最近、寄生虫卵騒ぎで不評だが、なあに、かえって免疫力がつく」

おふろできゅきゅきゅおふろできゅきゅきゅ 2008/03/11 16:17 きんさんぎんさんに、どうさんという三つ子の妹がおり、ブラジルに移民していた
−−東京新聞2001年4月1日「こちら特報部」の記事です。

不思議?!不思議?! 2008/03/11 16:48 『病院』
・産婦人科、小児科、他科医師常勤の雇用(医師は一人1千万円以上/年)。・すぐに帝王切開可能な人員配置に多額の費用。・超音波、MRIなど医療機器に、又、手術室設備保持に高額の維持費。
『助産院』
・医師なし(医師人件費なし)。・高度医療機器なし(維持費も0円)。・手術室などの設備費なし。

でも!あら不思議!?分娩費用はほとんど同じデース!!
でもでも、嘱託で、あるいは嘱託でなくても医者と設備を活用させてね!○投げも必ず受け取れーい!
by助○院

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/11 17:16 >「キムチは最近、寄生虫卵騒ぎで不評だが、なあに、かえって免疫力がつく」
…激しく納得。

ちなみに、免疫というかアレルギーですと、宮崎医大の豚回虫流行時の疫学調査では、むしろ寄生症例の方が花粉症が悪化していたそうですが…。

元ライダー元ライダー 2008/03/11 18:00 一産科医さま

私が言うものなんですが、「ドル箱」って言うだけでは続けられないのが産科。
にもかかわらず、「ドル箱」という理由で守りたいと、こう話す産科医ってリスクの概念がないんでしょうか?

まあ、保険診療だけでは苦しいのはどの科も同じ。知人の産婦人科開業医(分娩なし)は「不本意ながら中絶が飯の種」と言っていました。

HirnHirn 2008/03/11 18:20 件の医師の「分娩がドル箱」というコメントからは第一線の産婦人科医の姿は伺えません。かなり昔の古き良き時代しかご存知ない方と推察いたします。
人件費高騰などにより、分娩をやっていてもトントンのところは増えています。
Ausにしても、訴訟リスクを考慮するとあまりやりたくないものです。
むしろ外来オンリーで不妊かピルの処方をやっていたほうが、実入りは大きいでしょう。

tadano-rytadano-ry 2008/03/11 21:50 またまた面白そうな資料です。

全国医政関係主管課長会議(平成20年2月25日開催)
http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/vAdmPBigcategory30/57D30866A8813A514925740200055909?OpenDocument

資料がいくつかありますが、たとえば一番上の資料1
http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/57d30866a8813a514925740200055909/$FILE/20080304_1shiryou_all_1.pdf

の12ページ「医師不足問題の背景」を見ると、半年ほど前はどの資料にも載っていた「偏在」という文字が綺麗になくなっています。その代わりに「病院勤務医の負担」という言葉が踊っています。

麻酔科医麻酔科医 2008/03/11 22:24 >ドル箱
ここのところの円高で、大分為替差損が生じているでしょうね。

元ライダー元ライダー 2008/03/11 23:35 tadano-ryさま
>病院勤務医の負担
開業医が槍玉にあげられそうな悪寒

もと救急医もと救急医 2008/03/11 23:37 先ほど「NEWS ZERO」で、中河内の救命センターが出ていました。2人受け入れて、その後に来た依頼の91歳CPAを断るシーンで、「たらい回し」の説明がありました。3夜連続での救急医療の特集のようです。例の事件で断ったセンターがあえて取材を受け入れていましたが、業界では廊下に患者を置いてでも受け入れると恐れられていたセンターでしたし、実際の「受け入れ不能」の状況がよく伝わっていたと思います。

当局では「たらい回し」という用語は使いません、なんていいませんかね。「医療を、救う」を売りにしてるみたいですけど。

いのしんいのしん 2008/03/12 01:47 yosyan先生、お久しぶりです。
いやー、相変わらず「マスコミの記者様」の記事が炸裂していますね。ずうっと昔に書き込んだ学生の頃の忸怩たる体験の頃と変わってませんねぇ(その頃は自分が「幼かった」から余計にアカンかったのですが...とはいえ、今はもっと状況悪そうですし...)そして、やはり日本人は「親方日の丸」新聞報道に対する世間の信頼は、戦前と同じくとっても高いですねぇ。
先生の検証すべき記事に対する相変わらずの論理的な検証による論破には、敬服します(ということではいけないのでしょうが、疲れてアクション起こせずにいます)。ダメですね。
話題は変わりますが、とうとう東播地区でも小児救急は崩れてきました。多分、4月から自分らも叩かれるでしょうね...1昨年以降、明石や北播どころか、普通に神戸や姫路以西から来てた日もありましたしね...ホントに「先」が見えてきましたね。

鶴舞人鶴舞人 2008/03/12 13:05 産科が「ドル箱」だと宣う”ある産科医”ってのは、実在してるんでしょうか?
この記事書いた筆者の脳内だけということはないのでしょうか。
ちなみに、中日病院というのもあるのですが、ここには「ドル箱」のはずの産科は
ありません(各科外来・当直とも大学からのネーベンで回してる状況なので、産科なぞ抱える余裕はないでしょうけどね)。

YosyanYosyan 2008/03/12 13:42 いのしん様

先生のところに神戸から来ますか!う〜んですね。六甲アイランドの夜間休止の影響は小さいと神戸新聞が提灯記事を書いていましたが「そんなわけないやろ」と一人で毒づいていました。播磨は東播だけではなく西播、北播も情勢は悪化の一途で改善の兆しさえありませんから、どうか地雷を踏まないように祈っています。もっとも地雷を回避しても最近は回避しただけでバッシング空襲が来ますから、逃げ場が無いと言えばそれまでですが・・・。

2008-03-10 大阪府知事の試金石

入院依頼を行なう時に信用は大事です。提供される情報がどれだけ信用が置けるかは大きな問題です。病院がヒマで余裕のある状態なら依頼があればホイホイと受けますが、逆に無い袖を無理やり振らなければならない時には情報の信用性、信頼性は非常に重視されます。安易に入院を引き受けて途轍もなく手間のかかる患者なら、その患者だけでなく他の入院患者の治療に支障を来たし、大袈裟でなく生死に関わる問題に発展するからです。

産科救急が逼迫しているのはもはや常識です。おそらく日本一のシステムを組んでいる大阪でも余力はほとんどありません。それでもさすがは大阪で、3/6付朝日新聞より抜粋しますが、

大阪府は昨年11月、府立母子保健総合医療センター(和泉市)に委託し、「緊急搬送コーディネーター」を稼働させた。8病院のベテラン医師計15人が交代で調整役を担う。

 夜間や休日、病院や診療所で妊婦の容体が急変した場合、まず府内の43施設で作る「産婦人科診療相互援助システム(OGCS)」を使い、搬送先を探す。それでも見つからなければ、コーディネーターが母体や胎児の状態から適切な施設に個別に打診する。当直料は1晩7万円だ。

 これまでは、同センターの当直医が勤務の合間に電話で搬送先を探していた。1年間の実績は約100件。平均3.3病院に照会し、決定まで50分かかっていた。

 コーディネーター設置後は、ほぼ1回の打診で決まる。重症度判定が適切なことに加え、派遣元の病院が一義的に患者を受け入れるようになったためという。

大阪の取組みの優れたところは搬送先を探すのが、府立母子保健総合医療センターの当直医が勤務の合間から、専属の緊急搬送コーディネーターにしたことです。これにより治療に専念する医師と搬送先探しをする担当者を分離されたことです。

とくに専属の緊急搬送コーディネーターが

    8病院のベテラン医師計15人

ここは特筆すべきシステムです。搬送元の依頼内容を医師が聞いて搬送先に医師が伝える事は信用性、信頼性で大きな価値があります。ベテランが役に立つのかの声もあるかもしれませんが、結果も明らかで記事内容を信じるという前提にはなりますが、

    平均3.3病院に照会し、決定まで50分  → コーディネーター設置後は、ほぼ1回の打診で決まる

これだけの余力がまだ残っていたからとの醒めた見方も出来ますが、残っているうちにこれだけのシステムを組んでしまったのは評価できます。産科に限らず現在の救急事情で「ほぼ1回」は驚異的ですし、産科ならなおさらです。

またこういう取組みは大阪独自の突飛な取り組みと言うわけではなく、「疾病又は事業ごとの医療体制について」(平成19年7月20日医政指発第0720001号)という今春に作成される地域医療計画の作成指針でも、

同センター(総合周産期母子医療センター)は、主として地域周産期医療関連施設からの搬送を受け入れるとともに、周産期医療システムの中核として地域周産期医療関連施設との連携を図る。

これをまさに文字通り実行している事になります。産科事情は極めて逼迫していますから、縮小廃止すべきものではなく、拡大充実する事かと誰でも考えるかと思います。大阪の周産期は西日本の周産期の要であり、大阪がぐらつくと周辺の奈良、和歌山、兵庫、京都、滋賀などの近畿圏が一遍に崩壊します。近畿圏だけではなく西日本全体がパニックになるとしても過言ではありません。

それだけ素晴らしい試みであり成果も上げてきているのですが、雲行きは怪しいようです。これも朝日記事の引用ですが、

府は今後3年間にセンターの医師を増員して、調整役に充てる予定だったが、橋下徹知事の「新規事業抑制」方針に従い、08年度の暫定予算には計上されていない。同センターの末原則幸副院長は「医師がボランティアでするには荷が重い。4月以降はできない」と明かす。

大阪府の財政が危機的なのもまた有名で、財政再建を旗印に現知事が当選し積極的に取り組んでいるのも日々報道されています。マスコミ露出は苦手じゃないようですからね。財政再建のためにあちこちの予算に大鉈を振るっているようですし、その事自体は評価する人も少なくありません。ただ大鉈は産科救急にも振るわれたようです。つまり、

    財政再建のためには、「コーディネーター設置後は、ほぼ1回の打診で決まる → 平均3.3病院に照会し、決定まで50分 」に戻るのはしかたがない

もっとも今の時点で大阪府知事をこき下ろそうとはまだ思っていません。知事は弁護士であり医療に関してはズブの素人です。知事が目を配らなければならない個所は膨大で、産科救急にまで目が及んでいなくても不思議ありません。この知事の良いところと言うか、悪いところかの評価が微妙なんですが、前言を簡単に翻す面があります。「2万パーセント間違いない」ぐらいの約束はごく簡単にひっくり返します。予算の最終決定が出てから評価したいところです。

もっとも今の時点で注文は付けておこうと思います。大阪のシステムの一番良い点は医師がコーディネートしている点で、ここが大阪のシステムの最大の要です。そのために一晩7万円の手当が出されています。7万でも非常に廉価なんですが、これが財政再建のためにもっと人件費の安い他の人材で代替しようとするな愚の骨頂です。

現在のシステムは、

    搬送元医師 → コーディネーター医師 → 搬送先医師

これを経費節約のために

    搬送元医師 → コーディネーター非医師 → 搬送先医師

こうすれば一晩7万円が1/3ぐらいに節約できるでしょうが、システムは機能麻痺を起します。非医師では医療情報を把握しきれず、重症度判定を正確にできないからです。たとえ正確にできたとしても搬送先医師が信用しません。それぐらい能力だけではなく信用性、信頼性に格段の差があるからです。看護師や助産師ではまったく代替にならないのです。

医療関係者から見た大阪府知事の試金石と見ています。予算的には一晩7万ですから、休日が夜昼交替で2倍必要として約3000万ぐらいと考えられます。さてどうなる事でしょうか。

Med_LawMed_Law 2008/03/10 08:50
橋下知事の問題というより、これまでの歴々の知事の問題です。

重度の合併症(=莫大な借金)をもった予後不良の変性疾患(=低能力)、自己免疫性疾患(=裏金作り、カラ残業の公務員)をもった高齢者(=維持費用莫大、人口低下、高齢化)が、口うるさい親族(=マス○ミ(=自主規制w))を連れて、即日、病気(=財政再建団体)を直して健康体に直してくださいとお願いしているようなもの。

貧乏人なら貧乏人の医療を受けるのも当然でしょう。
貧乏人(=大阪)に寄りかかって甘い汁を吸っていた極楽トンボ(=奈良県)は更に壊滅状態になるでしょうが、それも致し方ありません

こんな患者をERで懸命に処置している医師の姿と重なります。

エイズ訴訟の松村氏のように理系であれば能力があれば対策を立てなかった不作為で責任を問われます。
どうも文系公務員は責任取らないで済むように、能力がないことを証明するのが得意なようで、能力を高めることには無関心に見えます。

ヤル気のある知事を責めるより、不幸な時代をどうやって生き抜くかを考える方が賢明と思います。

Med_LawMed_Law 2008/03/10 08:53
こんな状態でも、
『医療より道路』
の方が、国民には大事だと思っている政治家が国に山のようにいます。

同情には値しません

tadano-rytadano-ry 2008/03/10 09:12 Med_Lawさま
実例を挙げておきます。

第169回国会 予算委員会 第2号 平成二十年一月三十一日(木曜日)

国務大臣(冬柴鐵三君)
 道路特定財源の国の取り分、国の税収分は三兆三千億でございます。本税はそのうち一兆六千億、そして暫定税率分が一兆七千でございます。したがいまして、暫定税率を廃止するということは、一兆七千億を失い一兆六千が残るだけになります。ところが、今まで地方が道路を整備するときの補助金が、毎年一兆二千億お渡しいたしておりますので、国に残るのは四千億だけになります。ただ、国の二万二千キロに及ぶ国道管理、あるいは今の除雪費用、これが四千億、毎年平均して、その多い少ないありますが、掛かっております。したがいまして、全くゼロになるわけです。
 そういたしますと、新直轄、八百二十二キロメートルは国の新直轄でやれということが民営化のときに合意されておりますが、今それに向かってやっているわけです。あるいは直轄事業でやっているわけです。そういうものがもう一切できなくなります。(資料提示)

---中略---

 そういたしますと、こういうものだけではなしに、本当に日常生活で大変困ることが起こるわけでございます。それが二枚目の救急病院へ行く生活道路の整備でございますが、ここは奈良県の十津川ですけれども、ここで起こりますと、これは配っていますけれども、三枚目を見てください。この新宮まで三五%の方が行かれますし、それから五條にも三五%行かれます。心停止の場合は三分、それから呼吸停止の場合は十分、出血多量の場合は三十分というのが亡くなるかどうかの瀬戸際になるわけですが、こういうこともできなくなるということでございます。

tadano-rytadano-ry 2008/03/10 09:15 ちなみに後日談です。

第169回国会 予算委員会 第4号 平成二十年二月四日(月曜日)
-----------------------------------------------------------------------
○櫻井充君 おはようございます。民主党・新緑風会・国民新・日本の櫻井充です。
 今日は、私は医療の問題を中心に質問させていただきますが、冒頭、医療と道路の問題について質問していきたいと思います。
 冬柴大臣は、木曜日の委員会でこのパネルをお出しになられました。(資料提示)そのときにどういう説明であったのかというと、救急車とバスが擦れ違えないような道路があって極めて大変なんだと。恐らくこれは、ここちょっと端的にお答えいただきたいんですが、真に必要な道路の中で、医療関連で、福祉道路と言われるものですが、こういうものがあるんだという御説明でこのパネルを使われたと思うんですが、その認識でよろしいでしょうか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) それで結構でございます。
○櫻井充君 ありがとうございます。
 ここのパネルの中にもう一つ下のところに大事なことが書いてありますが、心停止に至るまで三分、それから呼吸停止に至るまで十分ぐらい、それから出血多量の場合には三十分ぐらいでまあ半分の方が亡くなると、これはそのとおりだと思います。
 そこで、大臣がこのパネルを使ってどういう説明をされたのかということを、ちょっと次の議事録に替えてもらえますか。(資料提示)
 議事録を読みました。そうしますと、こういうものだけではなしに、から始まって、本当に日常生活で大変困ることが起こるわけでございますと。それが二枚目の救急病院へ行く生活道路の整備でございますが、ここで起こりますと、ここで配っていますけれども、この新宮まで三五%の方が行かれますし、それから五條にも三五%行かれますと、ここまで理解いたします。
 しかし、ここから後です。心停止の場合は三分、それから呼吸停止の場合は十分、出血多量の場合には三十分というのが亡くなるかどうかの瀬戸際になるわけですが、そのとおりです、こういうこともできなくなるわけでございますと。どういうことですか、これは。つまり、道路を整備しないと本来救急医療で助かる人たちが助からないということをこれは意味しているわけですね。その理解でよろしいですか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) そのとおりに私は理解しております。
○櫻井充君 ちょっともう一度前のパネルに戻してもらえますか。
 この前のパネルを見ていただきたいんですが、これ五條市まで九十分掛かると、今の道路だと、そして新宮市に行くのには七十分掛かると。これが三分や五分で対応できるようになるんですか、道路ができたら。そういうことじゃないですか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 家で心停止したとかそういう意味ではなしに、そういう一分一秒を争うようなところでそのように道路が整備されていないということは、命の道が整備されていないということを意味するわけであります。
 事実、この五條まで行くためには随分時間が掛かりますし、そこの救急車と擦れ違いが十分できないという状況がそこには写真に写されております。そういうところにつきましては、現在その道についても、その部分はまだ改良できていませんけれども、その前後について改良するために一生懸命工事を進めているというのが、整備工事を進めているということが現実でございます。
○櫻井充君 これはテレビ中継入りで質問されたんですね。つまり、国民の皆さんが見ていて、この道路さえできれば、三分で五分で、そして三十分かもしれないけれども、亡くなる人が助かるかもしれないという説明をされています。これ全然違いますよ。もし本当に三分や五分で助けたいということになれば、この地域に病院造れば済むだけの話ですよ。病院を、だから必要なんですというのなら分かりますよ。この道路ができ上がって、この道路ができ上がってこの問題が解決しますか。解決しないのにそういうことを言うのは、大臣としておかしいですよ。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 私が言わんとするのは、搬送時間というものが救命救急には直結をしているんだということを申し上げるためにそのように申し上げたわけであります。
 したがいまして、どんな病気でも、家の中で心停止したとかいう場合には、それはヘリコプター持っていっても助かりません。それはだれが考えたってそうです。しかし、搬送中に心停止するという場合があるわけです。呼吸停止だってそうです。そういうときに道路というものは命の道であると、これは地方に住んでいられる方はひとしくそのように思っていられると思います。
○櫻井充君 このバスと救急車の擦れ違った写真ですね、これはいつ撮られたものか御存じですか。
○国務大臣(冬柴鐵三君) 平成四年当時だと聞いております。
○櫻井充君 冒頭、この道路は真に必要な道路なんだということを大臣は答弁なさいました。平成四年にこれ撮った写真です。平成四年に撮ったこの写真のこの状況は何も変わっておりません。真に必要な道路は十六年間何も変わっていません。バイパスの建設はされているかもしれませんよ、少しずつですが。しかし、十六年間、この村の人たちの医療のアクセスは全く変わっていない。
 今までやってこなかったものがなぜ急に進んでいくんですか。そして、自分たちがやってこなかったものに対して、これが真に必要な道路なんだという説明をするのは、私はおかしいと思いますよ。

BugsyBugsy 2008/03/10 09:56 現在 搬送元医師 → コーディネーター医師 → 搬送先医師
とすれば 仮にコーディネーター医師が自分が勤務している病院の現状がわかり 送り込めば ある程度医師同士のコネと強制力は生じ うまく行くでしょう。(意地悪な空想です)

ところが
搬送元医師 → コーディネーター非医師 → 搬送先医師
コーディネーター非医師にすれば依頼先の病院の実情もわからないし、ある程度権限を持たせても現場の反発は必至でしょう。困ったもんです。 

橋本知事も着任早々 大阪の医療の実情をしらぬまま役人の原稿を読まされたんじゃないですかねえ。そこまで医療行政にこれといった定見をお持ちのようには見えません。漠然と大阪の借金を減らさなきゃと思っただけのことでしょう。

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/10 11:22 http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200803060152.html
緊急搬送コーディネーター4月以降も継続へ 大阪府 2008年03月06日

tadano-rytadano-ry 2008/03/10 12:06  今日は大阪府議会の一般質問です。府議会のページで予定を見ると2名ほど医療体制について質問される方がおられるようです。奈良県民としては人ごとではないのでネットライブを見ることにします。

http://www.pref.osaka.jp/gikai/kaigiinfo/situmon/20031001.html
http://www.pref.osaka.jp/gikai/kaigiinfo/situmon/20031006.html

BugsyBugsy 2008/03/10 12:20 ところでコーディネーター医師の方達 コーディネーターを終夜勤めた翌日はきちんと休日を取れてますかね?
疲労した体にむち打って「小さな命を助ける」なんて美談に仕立て上げられたらたまりません。
予算打ち切りというのが 緊急搬送コーディネーターがお金をもらえないので応募者がいなくなり 制度が打ち切られたなんていう方向でマスコミが話を誘導したら話は吹っ飛びますよ。

banch1banch1 2008/03/10 13:56 >ベテランが役に立つのかの声もあるかもしれませんが、

おそらく、コーディネーター医の中に、各病院の産科部長もしくは病院長と強力な
コネを持った人物がいて、コーディネーター医からの依頼を原則断らないよう
働きかけていたのでしょう。
その関係をコーディネーター非医師に維持させるのは難しいでしょう。
元コーディネーター医師が解任後も働きかけを続けるような密約があるのなら話は別ですが・・・

一義的?一義的? 2008/03/10 14:28 コーディネーター設置後は、ほぼ1回の打診で決まる。重症度判定が適切なことに加え、派遣元の病院が一義的に患者を受け入れるようになったためという。

派遣元の病院が一義的に患者を受け入れるようになったため
=コーディネーター当番病院は産科医を一人出せ。さらにその日は搬送を全て受け入れろ!だったりして。更に、コーディネーター出す分、一人当たりの当直という名の時間外診療担当医と無料怨コールの回数が増えたりして。さらにさらに、電話番だけで7万円もらえるコーディネーター担当が年配者に限られ、中堅・若手の当直負荷が増したりして。同僚が(上司が)担当の日はかなりの頻度で搬送が来るのでしょうからものすごいプレッシャーでしょうね。
以上はイメージです。

YosyanYosyan 2008/03/10 14:46 一義的?様

大阪のシステムが評価できるものなのか、大いなる欠点を抱えたものなのかの実態はわかりません。好意的に取っているのは、ssd様のこの記事関連に寄せられたコメントで、

『>それって、普通の産科輪番と何が違うの?
>身内の死刑執行、絞首台、電気イスのボタンを押すような仕事だ。
 それは案外そうでもなくて、大阪にいる限り母子センターには世話になっているし、そこの当直医がつぶれてしまったら一緒につぶれるのはこっちだという感覚がある(上の図は間違いがあって、産科から直接母子に探してもらうことが多い)。ダメ団塊部長によほど悩まされているところはおっしゃる通りかも知れないが、救急輪番とは違う。(中のヒトじゃないよwww)
 だからタレント知事には、本当に氏んでほしい。』

これだけで判断するなと言われそうですが、それなりに信用を置いても良さそうな内容だったので評価の参考にしています。もしそうでなければ無かったで、情報が寄せられるのも期待している面もあるのも本音ですが。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/10 15:51 医者がコーディネーターやって、回ってるうちはやれやれ一服ですが、それですら回らなくなったときは怖いですね・・
医者同士で責任の擦り付け合い、墓穴を医者みずからに掘らせてるなんてことにならなければいいのですが・・なんて、考えるのは、不謹慎かなあ?
あくまで一時的緊急避難的対策であって、それが機能しているうちに、もっと根本的治療が必要だと思います。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/10 17:32 前から書いていることのくりかえしで恐縮ですが、ALSO(Advanced Life Support in Obstetrics)
http://www.aafp.org/online/en/home/cme/aafpcourses/clinicalcourses/also.html
の導入・普及が、産科危機に有効なような気がしています。
産科救急シムですが、これを一般向けに普及させます。
正常分娩は、産科開業医の利権みたいなところありましたが、現状そうではなくなりつつあると思います。リスクが高くなってきたからです。
ですから、ここの利権を放棄する、それも助産師に開放なんてみみっちいこと言わずに、一般に広く開放します。産科医の一部は、ALSOのインストだけで食べていく道選んだっていい。やりがいあってリスク少ないです。
で、お産にともなうリスクや一定率で生じる脳性まひの可能性なんかを徹底的に教育する。くりかえしくりかえし、社会常識化するまで叩き込む。
そして、救急搬送すべきサイン・基準なんかも教育する。
正常分娩で、産科医にかかって入院してお産ってのは、富裕層だけにします。開業産科医は、そうすることで、良質な顧客のみを確保できる。
貧困層・自然分娩礼賛層なんかは、ALSO受講した一般人や市民団体なんかで、ボランティアやセルフヘルプグループ育ててもらう。
ASLOの手順さえ守っていれば、本当の緊急時には搬送されてくるでしょう。だから問題ないはず。医者からみれば、ハイリスクな顧客群を避けて、なおかつそのグループへの教育と言うことで、間接的に貢献もできるし収益にもなる。
老人の診取りも在宅でやってもらいますが、お産も、お金の無い人は、基本、家でやってもらう。そのための教育システムは作る。
どうでしょうかね?
明日あさってに向けての対策ではないですが、イメージはわかりますよね?

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/10 17:42 まあ、こういう変な発想、ついついしてしまうところが、一足先に脱保険診療済ませたわたしなんかの、「要領のいい」考え方なんですが・・
自分ひとりで行動するにはいいんですが、なかなか、提唱しても、反発くらったりするだけだったりします。それか、「なかなか面白い冗談だ」と笑われたり。。
保険診療に悲観して美容に転向したときが、まさにそうだったなあ。。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/10 17:49 ま、いいんだけどさ。
頑張って、JATECのテスト生コース受かるぞ!勉強しなければ。
今の仕事を続けながら、若い人向けの救急シムのお手伝いして、ボランティアとして社会に間接的にでも医者本来の姿で係わることができたらと思います。
あと、救急で疲れた先生たち向けに、美容外科の講習でもできればと思うな。両方の世界をいったりきたりしてたら、燃え尽きずに済むんじゃないかと思う。
なんかうまくシステム化できないかなあ。

卵の名無し卵の名無し 2008/03/10 18:22 非常に頭の切れる伏竜か鳳雛が書いてるけど、全国医師連盟あたりブレーンとして招聘しないかな、三顧の礼でwww

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/10 19:34 全国医師連盟なんかは、まず、全員がACLSとかJATECとかのインスト資格とったほうがいいよね。
しかし、救急医としては働かない。never。
「われわれが、救急の現場に赴けば、一気に問題解決、しかし、なぜそうしないか?」ってことを、カードの切り札として表に出せば、ポーカーは成り立ちます。しかし、ただ勤務医が集まって悲鳴をあげました、ってだけだと、取引にならない。
切り札作り出せるとしたら、前にも書きましたが、ストライキだけですが、実現できるかどうか・・
それより、救急医資格とて、しかし救急医としては勤務しない、って形だと、消極的ストライキっていうか、こっちのほうが駆け引きするには無難な気がします。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/11 00:09 全国医師連盟が、AHAとACLSやPALSのITO契約結んで、連盟の総会のたびに、大きな講習会やったらどうかなあ。
「われわれは、このように鍛えて、いつでも救急を受けられる準備がある。しかし、救急は受けない!」外傷のATLSや産科のALSOも全部やりましょう。
無抵抗不服従主義に通じるものがあります。
医者がストライキして、それに合わせて、救急シム組むってのもありですね。
世界にアピールできると思うな。
国会議事場前で、CPRのデモンストレーションですね。「われわれに救急医療をさせてくれ!」
このくらいせんと、ふだん救急なんかに縁のない一般人の心には、ひびかんと思うよ。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/11 00:34 いや、ほんと、冗談だと笑われそうですが、救急医の先生や産科の先生、けっこう準備会に参加してるだろうし、若手医師向けの技術ノウハウ勉強会を、分科会で組むといいんじゃないかな。
そういうことなら、わたしも開業医だけど、講習だけでも受けに行きたいな。
全科の先生がそれぞれ他科の若手の先生にノウハウを教え合うっていいんじゃないかな。お祭りだー。
コンテンツが面白くなれば、各講習毎に参加料とってもいいし、機器展示や製薬会社セミナー、それに何より、各自治体に案内だして、ブース出してもらって、勤務医招聘コーナーですね。もちろんブース料は取ります。1ブース10万円として、50自治体集まれば500万円だ。
マスコミにも取材案内だします。それも一社独占させて、ドキュメンタリー化。取材協力費20万円くらいで交渉したらどうだろ?
将来的にいろんなビジネス化できますよ。医者向け転職セミナーみたいにしてってもいいな。いきなり民間医局の最大手に化けられるかも。

会計士X会計士X 2008/03/11 21:02 Med_Lawさんの言うとおり、『医療より道路』な政治家・有権者は多いですね。
なんで道路(=公共事業)が必要になるかと言うと、もとより維持不能だし維持すべきでもない僻地を、大都市住民の税金で維持しようとするからです。
極端に自活力の無い僻地は早めに整理し切捨て、医師よりも僻地のお年寄りなどのほうを地方中核都市に集約化すれば無医村も解決です。人工呼吸器で無理やり生かされているような僻地に税金を注ぎ込むのを止め、地方中核都市への集約化や医療費につぎ込めば、医療も財政も景気もずっと良くなるんですが・・・。

周産期科医師周産期科医師 2008/03/18 17:12 このコーディネター制度を説明します。この制度の大部分は大阪大学の産科を担ってきた元講師・助手クラスの先生で、母子センターOBの先生方(50台以上の先生方)が大部分を担っております。このため、電話がかかってくると、受ける方の病院は、元その部下となりますから、当然、受け入れ状況は無理をしてでも取る結果です。したがって、成績は改善しております。しかしながら、この方法も根本的な解決にはならないでしょう。何れは、OBの先生方も音を上げると思います。
結局、早く統廃合を進めて、産科医師の集約化を行わなければ、どうしようもなくなると思います。本来であれば、コーディネターより、受ける側の先生方にpayがあってもよいのではないでしょうか?
橋本知事は、何でも見直しを発言されていますが、やってはいけないこともあることを表明しないので、現場は疑心暗義になっています。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080310

2008-03-08 狂気の沙汰

3/7付時事通信より、

医師が交代勤務制なら加点=救命センターの評価法見直し−厚労省

 全国で妊婦が病院をたらい回しにされる問題が相次いでいるのを受け、厚生労働省は、全国に200カ所余りある救命救急センターの評価方法を見直すことを決めた。新たな評価では、救命センターに勤務する医師が夜間や休日に当直勤務制ではなく交代勤務制なら点数を加える。7日開かれた「救急医療の今後のあり方に関する検討会」で了承された。

 救命センターの評価は1999年度に開始。これまで、救急医療に携わる医師数や、重症患者の受け入れ状況などを、各施設からの報告に基づき点数化し、厚労省が3段階で評価してきたが、直近2年の2006年度と07年度はすべての施設で「A」評価だった。

 しかし、07年8月、奈良県で救急搬送された妊婦が病院をたらい回しにされ、救急車が事故を起こし死産した問題が発覚。これをきっかけに、全国各地で同様の問題を抱えていることが表面化し、評価方法が現状に合わない内容であることが露呈した。このため、厚労省が見直しを検討していた。

まず「救命センターの評価」なるものですが補助金の支給額に直結し、

  • 充実段階A : 補助基準額の100%を交付
  • 充実段階B : 補助基準額の 90%を交付
  • 充実段階C : 補助基準額の 80%を交付

こういう風に使われます。

施設充実度の調査方法ですが、これは基本的に採点評価で行なわれており、

  • 充実段階A:19点以上
  • 充実段階B:12点以上18点以下
  • 充実段階C:11点以下

ちなみに満点はtadano-ry様が勘定してくれましたが「36点」です。

それでもって評価の実績なんですが、


年度 充実段階A評価(%)
H.11 60.6
H.12 76.8
H.13 92.4
H.14 97.5
H.15 96.4
H.16 95.9
H.17 97.7
H.18 100
H.19 100


記事にある通り、

直近2年の2006年度と07年度はすべての施設で「A」評価だった。

この全部「A評価」の救命救急センターの実態は2/4付のAsahi.comの記事から抜粋すると、

  • 日鋼記念病院が医師の相次ぐ退職でセンター休止
  • 麻酔科医が辞め、一般内科・外科の受け入れが不可」(兵庫県立姫路循環器病センター)
  • 「常勤医が退職した整形外科が休診中で、交通事故の負傷者が受け入れられない」(愛媛県立新居浜病院)
  • 関西医科大付属滝井病院(大阪府守口市)では、心臓血管外科医3人がすべて他施設に移り、大動脈瘤(りゅう)破裂の処置が困難になっている
  • 16施設で一部の診療科や疾患について受け入れ不能となっていた
  • 緊急事態に対処し、危機的な症状を食い止める救急科専門医がゼロになったセンターも13カ所あった

それでも全施設が「A評価」です。「A評価」になるカラクリについては救命救急センター施設充実段階を御参照ください。救命医や麻酔科医、心臓血管外科医がいない程度の事では「A評価」は揺るぎもしない事がよくお分かり頂けるかと思います。そういう価値ある「A評価」に対し、

評価方法が現状に合わない内容であることが露呈した。

厚労省の現状把握能力の余りの高さに驚倒してしまいそうになります。それでも何とか現状を把握した厚労省の対策が、

新たな評価では、救命センターに勤務する医師が夜間や休日に当直勤務制ではなく交代勤務制なら点数を加える。

読んだ瞬間3秒ぐらい茫然自失となりました。この記事はどう読んでも厚労省発表のベタ記事なので、報道発表をそのまま鵜呑みして書かれたと考えて間違いありませんが、「救急医療の今後のあり方に関する検討会」は正気の人間の集まりかどうか深い疑問を呈さざるを得ません。今日は3/8ですし、発表されたのは3/7ですから、4/1のための記事でないのは間違いありません。

ごく平然と書いてある

    当直勤務制ではなく交代勤務制なら点数を加える

これはどう読んでも救命センターの勤務が当直勤務制でも「OK」としており、24時間体制の救命センターの夜間や休日の診療が当直勤務体制で行なわれているのを公式是認しています。

当直制勤務と交代制勤務は根底から違います。当直制勤務は正規の労働時間にカウントされず、給与も下手すると通常勤務の1/3程度にされます。施設によって差はあるでしょうが、たとえ月に10回当直して160時間働こうが、これは残業時間にもどこにもカウントされない幻の勤務時間になります。

その代わり労働内容は著しく制限されております。当たり前の事でそんなお手当で正規の労働時間と同じ仕事量をさせられたのでは奴隷労働に近くなります。ましてや救命センターのお話です。また同じ話かと思われる方が多数おられると思いますが、何回出しても良いと思いますのでまた引用しますが、労働基準法の宿日直規定をさらに医師に当てはめて通達されたのが平成14年3月19日付基発第0319007号「医療機関における 休日及び夜間勤務の適正化について」 であり、関連部分を抜粋しておくと、

  1. 通常の勤務時間の拘束から完全に開放された後のものであること。即ち通常の勤務時間終了後もなお、通常の勤務態様が継続している間は、勤務から開放されたとはいえないから、その間は時間外労働として取り扱わなければならないこと。
  2. 夜間に従事する業務は、一般の宿直業務以外には、病室の定時巡回、異常患者の医師への報告あるいは少数の要注意患者の定時検脈、検温等特殊の措置を要しない軽度の、又は短時間の業務に限ること。従って下記(5)に掲げるような昼間と同態様の業務は含まれないこと。
  3. 夜間に充分睡眠がとりうること。
  4. 上記以外に一般の宿直の許可の際の条件を充たしていること。
  5. 上記によって宿直の許可が与えられた場合、宿直中に、突発的な事故による応急患者の診療又は入院、急患の死亡、出産等があり、あるいは医師が看護師等に予め命じた処置を行わしめる等昼間と同態様の労働に従事することが稀にあっても、一般的にみて睡眠が充分にとりうるものである限り宿直の許可を取り消すことなく、その時間について法第33条又は36条第一項による時間外労働の手続きをとらしめ、法第37条の割増賃金を支払わしめる取扱いをすること。従って、宿直のために泊り込む医師、看護師等の数を宿直する際に担当する患者数との関係あるいは当該病院等に夜間来院する急病患者の発生率との関係等からみて、上記の如き昼間と同態様の労働に従事することが常態であるようなものについては、宿直の許可を与える限りではない。例えば大病院等において行われる二交代制、三交代制等による夜間勤務者の如きは少人数を以て上記勤務のすべてを受け持つものであるから宿直の許可を与えることはできないものである。
  6. 小規模の病院、診療所等においては、医師、看護師等、そこに住み込んでいる場合があるが、この場合にはこれを宿直として取り扱う必要はないこと。但し、この場合であっても上記(5)に掲げるような業務に従事するときは、法第33条又は法第36条第一項による時間外労働の手続が必要であり、従って第37条の割増賃金を支払わなければならないことはいうまでもない。
  7. 病院における医師、看護師のように、賃金額が著しい差のある職種の者が、それぞれ責任度又は職務内容に異にする宿日直を行う場合においては、1回の宿日直手当の最低額は宿日直につくことの予定されているすべての医師ごと又は看護師ごとにそれぞれ計算した一人一日平均額の3分の1とすること。

あえてここから取り上げれば当直勤務とは、

    特殊の措置を要しない軽度の、又は短時間の業務に限ること。

こんな当直制勤務で救命センターの医師が働く事を「救急医療の今後のあり方に関する検討会」は許容している事になります。もちろん厚労省もそれを正式に承認する方針です。私の知る限り救命センターは激務です。重傷患者が運び込まれ修羅場のような状態で業務を行なうところです。そんな救命センターの夜間休日業務が「特殊の措置を要しない軽度の、又は短時間の業務に限ること」であるのを正式に認めているのです。

当たり前ですが、救命センターの勤務体制が当直制では到底成り立ちません。成り立たないどころか、労働基準法の当直規定に違反し、さらにそれを医師の業務に当てはめた通達にも余裕で違反しています。当直勤務制から交代勤務制になった事を評価するのではなく、当直勤務制で運用している救命センターを摘発し、交代勤務制への改善勧告、改善命令を下すのが労働省でもある厚労省の業務のはずです。

「当直勤務制ではなく交代勤務制なら点数を加える」なんて戯言を何回も会議を開いて討議した連中の知性・見識と言うか、正気かどうかも真剣に疑います。もちろん舞台回しを行なった「結論ありき」の厚労官僚もです。

DrGIANNIDrGIANNI 2008/03/08 09:09 うーん全くおっしゃる通りですねえ・・・
しかし交代勤務制でしっかり給料を出してくれる病院って日本中探してもないんじゃないですか?? あったら教えて欲しいものです

Med_LawMed_Law 2008/03/08 09:33
朝日新聞の警告にあったように、我々自身が
『救急告示の看板倒し』
をしないと駄目なんでしょう

やり方は簡単。
病院医師間での当直表の作成担当役を放棄して、月2回以上は当直に入らないと宣言
雇用者である病院の義務を、被雇用者である勤務医が果たさないといけないということはありません。そう思うのは、自らが病院になりきった誇大妄想というものです。

今の病院で救急告示をすることが病院の維持を危険にすることは勤務医なら皆知っている。
医療訴訟、研修医制度によって、救急外来の”パンドラの箱”が開いちゃった。
箱の中に希望が残っているハズもなく、努力目標の義務化だけ。


不思議なのは一生懸命救急を支えている医師の悩みは大きいのに、まだ国民には過大な期待がうず高く積みあがっているということ

さっさと救急医療を崩壊させませう
もう個々の医師、個別の病院の対応できるレベルじゃありません。

津波警報が出たときにできることは、なるべく遠くの高いところに逃げることだけ
未だに道路を作りたい国民・政府の犠牲になることはありません

君、死にたもうことなかれ

oldDroldDr 2008/03/08 09:37 >しかし交代勤務制でしっかり給料を出してくれる病院って日本中探してもないんじゃないですか

ずいぶん前に首都の公立病院に勤務していたとき、当直の勤務のことが問題になりました。そのとき、木刀病院で一人のみ夜間業務(当直ではなく)の医師を雇っている(常勤か非常勤かは不明)ことを聞きました。数ある当直医のうちのたった一人ですが、画期的と思いました。
いわゆる寝当直のアルバイトとして外にいってバイト料(当時で云万円)でしたが、これは夜間業務だたのでしょうか? 忙しい大学病院や公立病院の当直の手当が少なく、外病院の「寝当直」のほうが手当がよいので先輩に尋ねたところ、医局が外病院(たいていOBとか)に頼んで大学の少ない給与の代わりに寝当直を回してもらっているのだ、と答えられました。今の状況は、特に初期研修医制度導入後や「医局の崩壊」のあとはどうなっているのかはわかりません。当時は、大学からわずかな手当(奨学金)しか支払われず、外病院の「寝当直」、時と場所によっては救急車が来まくるところもありましたが、が生活の助けになりました。
現在、救急病院から医師が不足しているのは、常勤医の不足もさることながら、非常勤で応援に来てもらう場合の手当のことなども絡んでいすのではないでしょうか。

のじぎくの墓のじぎくの墓 2008/03/08 09:57 実働している医師の時間外勤務、オンコール待機、当直という名前の実質夜勤、を正当に評価しなければ救急崩壊は避けられないでしょう。バイトの9時―5時医師と月間残業100時間常勤医師とで、たいして報酬変わらないとすれば誰が好んで夜まで働きたいものですか。

フィデルフィデル 2008/03/08 10:38 (かなり前のことになり記憶があやふやで申し訳ないのですが)都立府中病院で「当直」問題が起きました。1年余り続き、首謀者が他院に配置転換されるという形で収束しています。
当時、当直表は各科の責任者が作成していたわけですが、実際には夜勤であるにもかかわらず、「当直」という名前で勤務していることの責任の所在を明確にするため、都が業務命令を出すよう、整形外科の部長が要求しました。業務命令がない間は当直を拒否していたと思います(実際には当直に準じて待機し、業務に支障がないよう配慮していました)。
一応の成果として、当直を2分割し、前半の8時間は当直、後半の8時間は翌日勤務として扱い、当直明けは帰れることとなりました(もちろん実際には帰れませんでしたが)。
先駆的な当直闘争だと思うのですが、資料もなく、記憶も薄れて、詳細をお伝えできないのが残念です。

SORASORA 2008/03/08 11:12 1直2勤務制ですね。今の段階ではこれがある程度現実的な落しどころという気もしますが…。
今回のでは1直2勤務制は評価対象にすらなっていないんでしょうね。;-(

Med_LawMed_Law 2008/03/08 11:20
正しい「当直」に回帰することは、サボタージュではありません。
業務の適法化、コンプライアンスの遵守です
被雇用者に過ぎない医師が非難される謂れは全くありません
コンプライアンス違反をしている雇用者(=病院管理者)が責任を問われる問題です

夜間診療の受け入れ枠が減ることによる社会の便益の低下を補いたいのであれば、最低でも応需に対する適正な報酬を国が用意すること(=国民が負担すること)

夜間勤務の強制はできないので、できるとすれば自主的な労働希望者が出てくるほどの待遇の改善か、外部労働力の導入しか当面の解決は難しいでしょう
(医療に関心の薄い一般人の啓蒙効果を待つのは、河清百年待つようなもの)

未だに道路に固執する醜い姿を見れば、政府、国民に同情する気は起こりません

Med_LawMed_Law 2008/03/08 11:27
『加点』に騙されてもいけません

ゼロ・サム(総額一定)どころか、マイナス・サム(総額減額)が宣言されているのですから、診療報酬減額になる部分は更に過酷に、懲罰的(=大赤字)に運用されるということです

YosyanYosyan 2008/03/08 11:55  >『加点』に騙されてもいけません

その通りで、麗々しく加えた評価ポイントは殆んどの施設で実現不可能です。交代勤務制どころか医師の確保に四苦八苦状態のところが多数ですから、配点によりますが補助金は減額になります。

それと「交代勤務制の実現」に来年度は4.8億円もの巨額の対策費が組まれていますが、これを救命センター205施設にのみ全部注ぎ込まれても「平均」234万円です。つまり交代勤務制は補助金減額の懲罰的罰則として作ったから、自前で医師を増やし、人件費も全部出して調えろの御趣旨です。

小児科医ですが小児科医ですが 2008/03/08 12:28 フィデル様

都立府中病院の一件、新聞に載っていたのは2000年のようですね。

東京都立府中病院(府中市)の医師2人が今年4月、後任不在のまま突然異動さ
せられ、患者の手術などに支障が出ていたことが分かった。2人は、医師の当直勤
務が過重だとして病院との交渉にあたっており、2人からの相談をきっかけに立川労
働基準監督署が同病院に是正勧告を出した。
 異動の発令が勧告の直後だったため、医師らの間には「報復人事」との見方もあ
り、医師らは異動の撤回などを求める決議文を都や病院に送った。都衛生局は「通
常の人事異動の一環」としているが、都庁内からも「性急すぎたのでは」との声が出
ている。
 2人は昨年5月、非常勤を含め154人の医師でつくる府中病院医局会の医局長と
副医局長にそれぞれ選出され、病院側と交渉にあたっていた。同病院は夜でも救急
窓口を訪れる患者が多く当直医は睡眠もとれないのが実態で、労働条件の改善が
懸案だった。
 労働基準法や労働省の通達では、救急患者の診療など昼間と同様の仕事をした
時間は、時間外労働として2割5分増以上の割増賃金を払わなければならない。
 2人は、休日の当直の一部を「勤務」として認め、別の日に代休を取れるようにする
ことなどを病院に求めてきたが、交渉が進展しないとして立川労基署に相談。労基署
は今年2月に立ち入り調査をし、3月10日付で割増賃金の支払いなどを求める是正
勧告をした。
 その直後の3月28日に、異動が内示された。通常、医師の異動では出身大学の
医局から後任を派遣するが、今回は大学側も事前に知らされなかった。その後、整
形外科は5月に非常勤の後任が来たが、常勤は欠員のまま。リハビリ科は7月に若
手の常勤医が来たが、医長は専門外の副院長が兼任している。
http://www.asahi.com/0731/news/national31001.html

BugsyBugsy 2008/03/08 12:40 「交代勤務制の実現」は本来的にはそうあるべきです。
ただ救急救命センターのある病院 とりわけ大学病院も外科系の医師は眼を覆うほど少なくなっています。今迄は御意見拝聴という名目で夜間センターまで呼ばれていたのが、交代勤務という名目で自分の診療科から駆り出されて救急救命センターの夜間勤務をもさせられる方向になりそうです。

「交代勤務制の実現」は不可能だから救命センターの標榜返上となればまだしもです。看板倒れといわれれば素直に頭をさげて看板をおろせばよいのに 地域とのしがらみとやらで一向にやめる気配はありません。
救急センターの疲労が全科を巻き込みそうです。

banch1banch1 2008/03/08 12:58 Med_Law様

>さっさと救急医療を崩壊させませう
もう個々の医師、個別の病院の対応できるレベルじゃありません。

先の見えない苦しみならば、さっさと終わらせたほうがよいのかもしれませんね。
おそらく、苦しみの向こう側にさらなる苦難が待ち受けているでしょうが・・・。
その苦難を直接うける患者が気の毒なので、明日の日当直がんばります。

hot-coffeehot-coffee 2008/03/08 14:02 厚労省自体、もうまともには機能してないんですよ。
こんだけpoorな発表を平然と流せる神経なんですから。
もし、自分の患者にこのようなpoor なIC をしたら、
即刻訴えられるでしょうね。

厚労省にもはや期待するだけ無駄ではないでしょうか?
「保険医総辞退」「医療機関の一斉ストライキ」を提案します。

部分的にですが、一度完璧に壊れたほうが傷が浅くて済みそうです。

YosyanYosyan 2008/03/08 14:03 Bugsy様

交代勤務制の導入がどういう評価になるかは分かりませんが、これ一つで補助金支給率が大幅に減るようなことがあれば、血相変えて整備に走るところがあるかもしれません。ま、厚労省にすれば一銭もかけずに交代勤務制が整備できますし、できなきゃ医療費削減につなげれます。

交代勤務制の実現と言っても、真っ正直にやれば赤字が鰻上りに増えるだけですから、帳尻合わせは頻用されると思います。皺寄せが他の診療科に対し深刻となり、臨界点に達すればどうなるか。御指摘の通りの展開が予想されます。

救命センター返上も早くしたほうが世間のバッシングは少なく、最後まで粘って玉砕したら袋叩きにあいます。このごく簡単な法則をそろそろ知る経営者も出てきているでしょうから、動向はそういう意味でも注目されます。

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/08 14:36 これもなんだかなー

http://news.cabrain.net/article/newsId/14912.html;jsessionid=3874309C9E42AEB03F644E7DC6413982
緊急搬送加算、要件に「受診3か月なし」
 厚生労働省が6日に開いた都道府県担当者向けの診療報酬改定説明会では、今回の改定に伴って新設する「妊産婦緊急搬送入院加算」について同省保険局の森光敬子課長補佐が「基本的には過去3か月以内にその病院への受診歴がない場合だけの評価になる」と強調した。また、外来管理加算の見直しでは、患者とのやり取りのなかで「疑問がないかを必ず聞いてほしい」と述べた。
 妊産婦緊急搬送入院加算は、救急搬送された妊産婦を受け入れた場合の評価として新設する。妊娠の異常が疑われて救急車などで緊急搬送された場合のほか、他の医療機関や助産所からの緊急搬送にも入院初日に5,000点を算定できる。
 同加算について森光氏は「日ごろその病院にかかっている患者さんが、陣痛が起きたということで搬送された場合を評価するものではない」と述べ、緊急搬送された患者が直近3か月以内に搬送先の病院を受診している場合には算定対象にならないと説明した。
 ただ、助産所からの緊急搬送で、搬送先の病院が助産所と嘱託関係にある場合に限っては、その病院で3か月以内に妊婦健診を受けていても算定を認めるという。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/08 15:21 banch1様、
>その苦難を直接うける患者が気の毒なので、明日の日当直がんばります。
いやがんばっちゃいかんでしょw。失礼ですが、Med_Law様の真摯な提言をまったくご理解されてない。明日貴方が頑張る事は、未来の患者大量死に直結するのですよ。地獄への道は善意で敷き詰められている、とはよく言ったものです。

banch1banch1 2008/03/08 17:49 10年ドロッポ 様

10年後の患者を救うために、明日の患者を見殺しにしろとおっしゃるのですか?

YosyanYosyan 2008/03/08 18:01  >banch1様

Med_Law様も10年ドロッポ様も明日の仕事をさぼれとは言っていません。医師として患者と正対する時は当然真剣勝負ですし、持ち場で全力を費やすのは当然です。あくまでも医療崩壊全体を見渡しての発言とお考え下さい。

あくまでも一つの意見ですが早期崩壊論と言うのがあります。事態がここまで進めば、崩壊阻止への努力は傷口を広げるだけですから、崩壊を加速させるようにむしろ動き、御破算としたほうが、再建のための戦力も保たれるという考えです。

Med_Law様も10年ドロッポ様も急先鋒の方々ではありますが、崩壊を加速させる動きとはあくまでも支えるに値しない職場からの早期逃散の勧めであって、明日の仕事をさぼる事ではありません。お二人とも意見が鋭いのでムカッとくるところもあるかもしれませんが、全体としての意見と個別の明日の日当直の件を混同されないようにお願いします。

もと救急医もと救急医 2008/03/08 18:19 救命センターでは、夕方から勤務の形態を取ったりしているところもあります。以前いたセンターでも、「当直」ではなく、「夜勤」扱いで届け出されていたような気がします。(賃金には無頓着だったので、詳細は良くわかりません・・)他の加算と同様に、抜け道、はありそうです。

都立府中病院の闘争は大切な事件だったのですね。とある病院で、研修医が朝早すぎ夜も遅いと労働基準局にチクり、それ以来その病院ではほぼ9to5になったらしいです。えーっと思ったのですが、本来それが正しいのでしょうか。

banch1banch1 2008/03/08 19:03 Yosyan様

10年ドロッポ様がおっしゃるように、
私も救急医療体制を早く崩壊させたほうがいいのかもしれないという気持ちが少しあります。
決定的に違うのは、10年どろっぽ様の文脈ですと次の体制は患者にとって今よりよいものになるであろうという観測が伺えるところです。
私はそうは思っておりませんので、そのあたりの意見をお聞きしたかったのと、
ご自身が当直業務とどう関わっておられるのか、つまり当直業務を現在しておられるうえで、「いやがんばっちゃいかんでしょw。」とおっしゃっているのか、それとも自分は関与せずにおっしゃっているのか、氏の立場も知りたかった。

さきの質問が感情的に見えたとしたら不本意です。
短文が好きなもんでご勘弁を。

うらぶれ内科うらぶれ内科 2008/03/08 21:31 8日の朝日の朝刊によると、この点数評価は次回の診療報酬改定のときに反映させるとのこと。能天気な話です。

SeisanSeisan 2008/03/08 22:47 >緊急搬送加算、要件に「受診3か月なし」

ちゅーことは、通常の陣痛発来とかならまだしも、早剥とか、切迫早産になると、場合によっては管理してもらっている病院から断られることが起こりうるんですね(いや、基本的には加算に関係なく受けてくれるんでしょうが)。助産所ならオッケーだというのに。

一産科医一産科医 2008/03/09 02:48 >緊急搬送された患者が直近3か月以内に搬送先の病院を受診している場合には算定対象にならない

ええと、胎児疾患等で高次病院に紹介して診察してもらった後、3ヶ月以内にその高次病院に搬送したら、加算されなくなってしまうのでしょうか?よく分からん。

nuttycellistnuttycellist 2008/03/09 08:38 あの5万円だかの加算を使って、特別大きな医師自賠責保険または医療費不払い対策保険(そんなのがあるかどうかは知りませんが)に入りなさいという、官僚の優しい心遣いなのでしょう。

ななしななし 2008/03/09 10:12 10:1→7:1の時はXX万円単位で日銭が転がり込んでくるような改定で、読める人件費をかけても元が十分取れる施策だったからこそこぞって飛びついた訳ですが。看護師の総人数は一定→減った病院は崩壊。
今回、当直→交代勤務にいくらかかるのか。看護師よりもはるかに少ない救急センター勤務可能な医師をどこから調達できるのか?需給バランスから考えられる人件費の天井が読めない、引き抜きは限りなく困難。
補助金の差額によっては1)交代勤務にするとものすごく儲かる→7:1化同様現在よりもスタッフ不足により引きぬかれた方の救急センターが崩壊。
あるいは2)元記事のように補助金減額あるいは差額は僅少で大したメリットはない→交代勤務化は実施されず。減額に耐えきれず救急センター指定返上。
 どっちにしろ日本の救急センターが減るという結果が待っている。厚生労働省、おそろしい子!
ない袖はふれない

ななしななし 2008/03/09 10:16 7:1看護が産んだのは7:1を維持するために看護師数は一定のまま病床数を減らすというワザ。交代勤務を維持するために、医師数を一定のまま365日営業から180日営業にするとか、どうですかね。あるいはウチの県では1日は48時間ですと言い張るとか。

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/09 11:55 http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20080307ddlk22040174000c.html
時間外加算:緊急性低い患者対象、実費に−−志太・榛原地域4総合病院 /静岡

踏み倒し対策と、緊急度を医師が判断する点を除けば流行りそう。国の要求どおりに無理して保険で救急するより、時間外は全患者を自由診療としてしまえという話も出そう。5分ルールと合わせると、時間内は保険診療で先着×名様、時間外はお金しだいと、国際標準にかなり近づく。

junjun 2008/03/09 14:59 本日、東京毎日放送の看板番組「東京マガジン 噂の現場」で、救急医療を取り上げていました。題材は、佐久総合、周辺の上田、小諸病院から始まり、埼玉医科、墨東などの救急現場にカメラを持ち込み疲弊している様子を伝えていました。
ここまではよかったのですが、メインキャスターの森本が「夜、診ない医者のモラルはどうなんだ、夜やっている病院がないからだ」と発言していました。
さすがに、毎日放送ですね。シナリオにない発言に同席していたタレントも閉口していた。

ねえねえ 2008/03/09 16:09 ねえ
とりあえず、前線で実際に働いているやつの、生の声をきこう そこからはじめよう

ColumboColumbo 2008/03/09 17:43 banch1様

当直ご苦労様です。私も現在当直ありの病院に勤めている者ですが・・

当直をしていて、目の前に苦しむ患者さんがいたら助けるために全力を尽くす、これは当然です。少なくともこの点については非難される方はいないはずです。

しかし、たとえば当直医一人体制でCPAOAの患者さんに対処中に、また救急隊からCPAの受け入れ要請がきたら、どうされますか?・・今までの当直医は、それでも何とか受け入れていた方が多かったはずです。ただただそれが自分の使命である、という精神力によって。以前はそれで仮に不幸な結果となっても、大部分の家族には「ありがとうございました」と感謝していただけたのです。

でも、そんな時代は過去のものとなりました。今は結果が悪ければ簡単に訴訟となり、また下手をすれば刑事被告人として処罰されかねない時代です。マスコミに「たらい回し」と揶揄されようが、医師は自らの身の安全を自ら守らなければならないのです。

ですから、現代ではそれはもうやってはいけないのです。そこで頑張りすぎることは、医師個人の社会的寿命を(時には身体的寿命も)縮め、ひいてはわが国の救急全体の寿命を縮めることになってしまいます。10年ドロッポ様が言われる「がんばってはいかんでしょ」はそういうことだと私は受け止めています。

もっとも、崩壊したとして、その後に再構築されるであろう救急医療が、患者さんにとって今よりいいものになるかどうかは私にはわかりません。ただ、仮に悪いものになってしまったとしても、それは今の政権を選択した国民全体の責任であって、少なくとも個人もしくは集団としての医師の責任ではないはず・・とは思っています。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/09 19:08 やっぱり、基準っていうのは、自分的に納得のいく仕事ができるかどうか、ってことじゃないでしょうか。
困ってる患者がそこにいるから、って理由で、自分のキャパを超えて働こうとすると、どっかで破綻が生じる。
自分の能力の見極めがいちばん肝心なんでしょうね。医者の不養生って言葉にも通じます。
難しく考えると、どう動けばいいのかわからなくなりますが、自分の経験からは上記のようなことだと思いますです。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/09 19:13 で、今の状況っていうのは、医者個人の能力の、絶対値は変わっていなくても、社会環境の変化による相対値としては、低下していると判断すべき。
そのことを、よーく心して行動しましょう、ってことになりますか。

こんたこんた 2008/03/09 21:26 絶対値と相対値ってのは良いですね。
絶対値としての医師不足に医師の個人能力の相対的な低下が拍車をかける。
かくして、医療は崩壊する

卵の名無し卵の名無し 2008/03/09 22:19 偏差値という相対値だけで受験競争のペーパー試験を勝ち残った官僚役人が、自分が絶対値を机上で左右できるという妄想に取り憑かれたがゆえに、政府からは三流政策だけが朝三暮四せっせと垂れ流され続けてるという訳かwww

暇人28号暇人28号 2008/03/10 07:34 それにしても、今回の診療報酬改訂は「医療崩壊阻止」が目的だったはずですが、その表向きの目的とは裏腹に医療崩壊を促進する改定でしたね。やはり「総額抑制」では何をやっても無駄、ということですね。予算の少ないところに費用を回そうとして別の所の予算を減らす。しかし、その減らされるところも、元々ぎりぎりのところで経営しており、減らされると倒産。そしてその倒産が、予算の増えたところに悪影響を与えて崩壊。医師はモチベーションを下げられ医業そのものから足を洗ってしまう。

といったところですね。今回の診療報酬の影響は。

もうどうすることも出来ませんね。私は粛々と自分の仕事をこなすだけです。そして、ある程度蓄財できたら私も足を洗いたいですね。

それにしてもお役人や中医協は今回の改定の影響を分ってて意図的にやったんでしょうか?それとも本当に良くしようとしてやったのでしょうか。疑問です。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/10 11:20 banch1様、遅レス申し訳ありません。ヤマメ釣りに行ってたものでw。
で、皆様がほぼ、つーか私自身よりよっぽど巧く代弁してくださったのですが蛇足ながら…、
>決定的に違うのは、10年どろっぽ様の文脈ですと次の体制は患者にとって今よりよいものになるであろうという観測が伺えるところです。

今よりよくなる筈はありません。つーか、今までのありえないくらいよすぎたんです。皮肉にもそのよすぎた日本の医療こそが患者を付け上がらせ今日の惨状を招きました。
もはや崩壊は不可避です。それどころかこのままでは技術の伝承が途絶し、復活すら覚束なくなるでしょう。従って、高度な技術を持つ医師、すなわち、未だに第一線で踏ん張ってるような「奴隷医」こそ真っ先に逃散する義務があります。もはや許可なく死ぬ事は許されないのです。「明日貴方が頑張る事は、未来の患者大量死に直結する」というのはそう言う意味です。貴方が死んだら、誰が後世に技術を伝承するのです?現場から離れたら勘が鈍る云々というのはあるでしょうがまるっきり壊滅するよりはマシです。
>ご自身が当直業務とどう関わっておられるのか、つまり当直業務を現在しておられるうえで、「いやがんばっちゃいかんでしょw。」とおっしゃっているのか、それとも自分は関与せずにおっしゃっているのか、氏の立場も知りたかった。

私はハンドル通り、10年も前にヌルイマイナー科すら耐え切れずペーペーのまま逃亡した文字通りの卑怯者です。ギリギリまで耐えて、武運つたなく歯噛みしながら退去しつつある昨日今日のドロッポ医とは違うのだよ!昨日今日のドロッポ医とは!!<威張るな!
そういうわけで「宿直」、すなわち寝当直はやってますが実質時間外夜勤な「当直」はやってませんしやったことないし能力的にも出来ません。仮に、したくとも。
つーこって自分は関与せずにおっしゃってますが、卑怯者だからへーきww。「宿直」料金で救急なんかやってる間抜けよりはマシです。
ちなみに私は、現在の医療が崩壊したら非常に困るのでw本音を言えば奴隷医の皆様にはもっと踏ん張って頂きたいのですが、所詮は小物なので、自分だけは逃げて、後方から奴隷医を称揚するような、そこまでの、富永恭二閣下級のヒキョウモノにまでは残念ながら徹しきれません。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/10 11:29 自分は、やや状況は違いますが、5年ほど前に逃散したんですが、「大変でしょうが、先生だけが頼みの綱です。頑張ってください」という言葉も、「お疲れ様でした、先生は十分に働きました。どうぞ休養なさってください」という言葉も、ともにストレスだったですね〜。何を言われても反感を覚えました。

しかし、逃散したこと自体は、ほんとうに正解だったと思います。あのまま続けてたら、自分がどうなっていたかわかりません。「医者の不養生」とはよくいったもので、自分が渦中にいると、自分自身が見えなくなってしまいます。これは、間違いない。

banch1banch1 2008/03/10 12:14 Columbo様

私とて、訴訟に巻き込まれるのは真っ平御免です。
当直一人体制でCPA診療中にさらにもう一人のCPA患者を引き受けることはありません。
そもそも、一人でCPA患者二人を救おうというほどの使命感も能力も持ち合わせておりません。

>今は結果が悪ければ簡単に訴訟となり、また下手をすれば刑事被告人として処罰されかねない時代です。マスコミに「たらい回し」と揶揄されようが、医師は自らの身の安全を自ら守らなければならないのです。

基本的に同感ですが、
これを理由にして当然すべき仕事をサボタージュする医師が少なからずいますね。
今、マスコミの医者に対する批評は少し風向きが変わって、同情する意見がメインになりましたが、遠くない将来、内部告発により不当な理由で救急診療をサボタージュする医師達が槍玉に上がる日がやって来るような気がします。
いつもニュースで見るように、一人上がれば、また一人と連鎖していくでしょう。
そうすると、厚労省は応召義務を強化するようなシステムが作ろうとする。
リスクからあまりに遠ざかろうとすると、医師本来の役目が果たせないのは明らかで
それが別の危険性を孕んでいると思うのは私だけでしょうか?

banch1banch1 2008/03/10 12:40 10年ドロッポ様

先生の立場も、医療崩壊後の医療がさらに悪劣なものであるのを見越した上で
早期崩壊が好ましいと考えておられるのもよくわかりました。
そうすると、上で私が述べた危険性も願ったりかなったりなわけですね。
先生はきっと、家族が今の救急医療で九死に一生を得たとしても、
担当医を「間抜け」呼ばわりされるのでしょうが、私はそこまで達観できません。

回答ありがとうございました。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/10 14:11 自分も、保険診療からドロッポした立場なので、気持ちがわかる部分があるのですが、医者ではあり続けているので、何か、かかわりたい、役立ちたいという思いはあるわけです。
それで、自分の経験に照らし合わせて声を上げてみると、逃散を促す、現場で踏みとどまっている先生方は間抜けだ、みたいに聞こえるのだと思います。
最近思うのは、これからも若い先生方は、どんどん医者になっていくし、自分たち、一線から身を引いた、あるいは、メジャー科救急科を避けて生き延びてきた医者に、いまの医療崩壊混沌を良い方向に導く方法はないものか?ってことです。
わたしや10年ドロッポ先生に、共通するのは、たぶん「要領がいい」ってことです。混沌の時代を生き延びるには、向いている。
その能力を、自分だけではなく、医療そのものが生き延びる方法を模索するのに使えないものか、そういう気持ちがあります。
まったく善意がなく、ただ、現場で頑張ってらっしゃる医者を揶揄するためだけで、こういうブログのコメント欄に書き込むひとはいないと思うんですね。

banch1banch1 2008/03/10 14:43 moto-tclinic先生・・・御意!!

imoimo 2008/03/10 15:50 >今よりよくなる筈はありません。つーか、今までのありえないくらいよすぎたんです。皮肉にもそのよすぎた日本の医療こそが患者を付け上がらせ今日の惨状を招きました。

「よすぎた医療」は今までの医師が、自身の限界を超えた自己犠牲的な奉仕で支えられてきたものです。はじめは皆感謝しますが、だんだんそれが「あって当たり前」になってきます(=付け上がらせる)。現在ほとんどの一般の方は、この「よすぎた医療」を「あって当たり前」と考えています。厚生労働省も同様なのでしょう。医療への過度の期待や医療不信はこの「あって当たり前」というセントラルドクマによるものであると考えると、このドグマをひっくり返す必要があります。
その方法が「自身の限界を超えた自己犠牲的な奉仕を止める=逃散する」ことである、ということだと思います。
「自身の限界を超えた自己犠牲的な奉仕」を続ける先生方は非常に偉大だと思いますが、「あって当たり前」程度の感謝しかされないこと、その奉仕が続けられなくなり、止めた途端、いきなり極悪人扱いされることを考慮したほうがいい、ということだと思います。
それよりは、常に普通に続けられる医療を行い、それが「あって当たり前」と思われながら仕事するほうが相互のためと思います。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/11 12:10 banch1様、
かなり気合入れてレスを下書きしたのですがw、敬愛するmoto-tclinic 先生がフォローして下さったので、全文は自粛します。せっかく鎮火したのに油を注ぎそうなので…。ただ、数点気になった点が…、
>これを理由にして当然すべき仕事をサボタージュする医師が少なからずいますね。

それが事実なら慶賀すべき事ですが、さすがにそんな医師は殆どいないでしょう。これまで「好意」でやってた事をやらなくなった医師は多いでしょうけど。念のため言っておきますが「当直医」が時間外外来を診なかったり、労働基準法を遵守したりするのはサボタージュじゃありませんよ。

>今、マスコミの医者に対する批評は少し風向きが変わって、同情する意見がメインになりましたが、

なぜそうなったのでしょう?先生方の努力が報われつつあるのではすもちろんありません。誰の眼にも崩壊が明らかになりつつある、つまり、逃散戦法が功を奏しつつあるということです。向こうが土下座して、「免責にします。金も出します。だから戻って下さい!」と言ってくるまで追撃の手を緩めてはいけません。

>内部告発により不当な理由で救急診療をサボタージュする医師達

救急医としての正当な処遇(日本の場合だとイラクに派遣される警備会社社員クラスの処遇かなw)を受けている医師以外に「救急をサボタージュする不当な理由」なるものは存在しません。で、そんな医師は日本には一人もいませんから…。まあマス○ミが何と言うかは容易に想像できますが、そんなもんほっとけばよろしい。
つーか、そもそも、救急を受けるような病院に勤めなければ済む事ですし、勤めてはいけません。

>先生はきっと、家族が今の救急医療で九死に一生を得たとしても、担当医を「間抜け」呼ばわりされるのでしょうが、私はそこまで達観できません。

面と向かってそんなこと言うはずないじゃないですか。それどころか感謝感激雨あられ、神として崇め奉りますw。しかし、そんな、来るか来ないかも判らないその時の為だけに、アカの他人の救急医サマに、「奴隷労働続けとけ!」なんて、そんな事とても言えませんよ。
…つーか私は、「金も出すし訴訟も起こしませんから助けてください!」と頼んでもそれが出来る医師が存在せず、今なら鉄板で助かる病気や怪我で私や家族が死んでしまう未来を心配しているのですが…

banch1banch1 2008/03/11 17:03 10年ドロッポ 様

>「当直医」が時間外外来を診なかったり、労働基準法を遵守したりするのはサボタージュじゃありませんよ。

教えてください。
救急当直医が労働基準法を理由に時間外患者を診ないのは応召義務違反にならないのでしょうか?

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/11 22:34  細かい事を言うなら、当直(宿直)なら応召義務違反にはならないです。医療法に宿直医の仕事は入院患者や病院の管理とされており、番号は失念しましたが救急は輪番病院に任せてよいという厚生省通達があります。医師法19条の応召義務は診療に従事する医師に課せられており、診療に従事しているわけではない宿直医にはかかりません。労基法通りの給与がでなかったり、翌日に休暇を取れないのは、宿直が勤務・残業とみなされないからです。また患者に対する義務ではないですので、宿直医のほかに救急外来医を配置しない病院に責任があります。
 宿直医が時間外診療も行うという慣習に医師が反論することなく長年続いてしまい、コンビニ受診の増加、時間外にも最高の治療をせよという訴訟・判決の多発、そして救急病院の医師の疲弊、救急崩壊とつながっているわけで、自分で自分の首を絞めている事になります。
 目の前に困っている患者がいて助けたいというのは医師なら普通に持っているでしょうし、応じるのは問題ありませんが、宿直医にとっては義務ではありません。受け入れ能力を超える場合は受け入れ可能な病院に依頼するのが現実的であり、各種通達や判例からは行政・司法もそのように考えているようですので、無理せず可能な範囲での対応でよいわけです。宿直医の本来任務は時間外の入院患者の安全確保で(病気だけではなく防犯や避難誘導などの総責任者です)、救急外来は義務ではなく余力があればという事でよいです。

という解釈がこのブログでの主流でしょう。曖昧な点が多いですから別の解釈もあります。

banch1banch1 2008/03/12 10:10 ああ播磨だな様

応召義務違反で医療側が敗訴した判例↓

● 神戸地裁 判決
平成4年6月30日
平元(ワ)1569号
神戸市立病院救急患者受入れ拒否訴訟判決
判時1458号127頁、判タ802号196頁、判例地方自治101号59頁
判旨
第三次救急医療機関である市立病院が交通事故により受傷した重篤な救急患者の治療を拒否し、その後患者が死亡した場合に、診療拒否に正当事由がないとして市に不法行為責任を認めた事例


● 千葉地裁 判決
昭和61年7月25日
昭56(ワ)731号
判時1220号118頁、判タ634号196頁、判例地方自治26号21頁
判旨
救急病院による救急患者の診療拒否が医師法一九条一項の医師の応招義務に違反し、不法行為を構成するとされた事例
診療要請を断り他に転送のところ、患児が気管支肺炎により死亡するに至つた場合に、適切な対応により救命できたとして、医師の過失に基づく病院の責任を肯定した事例

こういった判例もあるようです。

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/12 16:48  どちらも医師個人ではなく、病院や設立母体である自治体に対する判決ですね。応召義務が患者に対する義務ではない(国家に対する義務)というのは判決にもあらわれているようです。私は存じませんでしたので、ご提示ありがとうございます。輪番日に宿直医以外に救急外来担当医を置くのは、本当は救急輪番を引き受けた病院の責任ですし、宿直医に救急外来まで命令する事はできません。
 要するに、宿直医は院長・副院長の代理で、時間外の管理者であるという事です。優先順位をつけるとすると、1入院患者の安全確保(自分で、もしくは従業員に指揮)、2職員の安全確保、3時間外救急となります。まずは入院患者に全力を注ぎ、余力があれば救急外来を引き受けるスタンスで良いと思われます。宿直ではなく救急外来担当医として配置された場合はその限りではありません。しかし法律の話になると枝葉末節となりますので、現実的には自分のできる範囲で、でも第一任務は入院患者の安全確保という事を忘れないで下さい、でしょう。

banch1banch1 2008/03/12 18:35 >宿直医に救急外来まで命令する事はできません。

宿直医は救急外来診療拒否しても罪には問われない。
宿直医の救急外来診療拒否の責任は救急輪番を引き受けた病院が負う。
なるほどな〜・・・

ああ播磨だな様、10年ドロッポ様、ありがとうございました。

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/12 21:33  「担当医の具体的な専門科目によって注意義務の内容,程度が異なると解するのは相当ではなく」で有名な大阪高裁判決も、よく読んでみると宿直医に対する賠償請求は棄却されており、設立母体である奈良県に賠償命令が出ています(後で医師に請求が来たかどうかは知りません)「訴訟費用は,控訴人らと被控訴人奈良県との間では,第1,2審を通じ,これを3分し,その1を控訴人らの,その余を被控訴人奈良県の各負担とし,控訴人らと被控訴人E(宿直医)との間では,控訴費用は控訴人らの負担とする。」「以上のとおり,被控訴人Eに注意義務違反を認めることができ,被控訴人奈良県は債務不履行責任を免れない。 他方,被控訴人E(宿直医)については,救急医療行為は,都道府県知事の認定した医療機関において行われるものであり,被控訴人奈良県が設置した本件病院での救急医療行為は公権力の行使に当たると解するのが相当であって,被控訴人E個人は不法行為責任を負わない。」
 また宿直医が心嚢穿刺ができなかったことを責めているわけではなく「自ら必要な検査や措置を講じることができない場合には,直ちにそれが可能な医師に連絡を取って援助を求める,あるいは3次救急病院に転送することが必要であった。」という点です。判事は専門医・高次救へ転送しなかった点を重視しています。つまり無理して何でも診ずに高次に送れという事です。これが「専門外は診るなという判決」といわれる所以です。
 現実には搬送先がすぐ見つかるわけはなく机上の空論なのですが、司法は医師が全分野を全て受けなければならない義務があるとは考えていないようです。

 法律の専門家ではないですので、このあたりでやめておきます。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/13 09:57 banch1様、
応召義務に罰則はありません。すなわち、ただの飾りです。まあ民事上の責任を負わされる可能性までは否定しませんが、今のところ「たらいまわし」で訴えられた医師はいませんが、いらぬ義侠心を出して引き受けたばかりに多額の賠償を負う羽目になった医師は数多存在します。他人の家の棺おけを運び込んで泣くようなマネはやめましょうね。
…とレスするところでした。危うく恥をかくところだったw。

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/13 13:07 割り箸事件の刑事裁判(宿直医に無罪判決)でも、判事は傍論で「大学の慣習など無視してさっさと脳外専門医に診せるべき」と述べておられます。司法は宿直医に全知全能を求めているわけではないようです。研修医に大学の慣習を破れとか、状況証拠もなしに少し変だと気付けとか、傍論で叱責しているため逆に宿直医が控訴できないとか、机上の空論との批判もありまが、法を解釈して判決を下す司法ですら、能力を超える場合はより専門の医師に依頼するのが当然と思っている事を知っておいて損はないでしょう(たまに真赤っかの判事がいるのも事実ですが)。

お弟子お弟子 2008/04/28 00:31 「救急医療の今後のあり方に関する検討会」の第4回が4/30に開かれますが、第3回の資料が4/18にウプされていました(気付くの遅れました)。議事録の方はもう少し待ちましょう。http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/03/s0307-8.html
で、この日(このblog2008/3/8)に話題になっている”救命センターの評価法”案も載ってました:【資料4】新しい救命救急センターの充実段階評価(案)(PDF:283KB) http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/03/dl/s0307-8d.pdf

項目24番に「休日及び夜間勤務の適正化」があります。
>・管理者等が、3の休日及び夜間の救命救急センターで診療を行う医師の勤務実態を把
>握し、かつ、労働基準法令及び「医療機関における休日及び夜間勤務の適正化について
>(平成14年3月19日厚生労働省労働基準局長通知)」等が遵守されているかどうか4半期
>毎に点検し改善を行っている。:+4点
>・3の休日及び夜間の救命救急センターで診療を行う医師の勤務について、交代制勤務
>を導入している。:さらに+4点

「さらに」となってますから、前者を満たしていないと加点されませんね。実質ここの+8点はまずありえない項目でしょうが、お役所としては建前を押し通すしかありませんよという意志表明でしょうね。そういえばLohas Medical Blogの2008/3/28記事 「浅知恵(1)」にも似たような部分がありました。http://lohasmedical.jp/blog/2008/03/post_1132.php

その他いろいろ項目ありますが、なにか分析記事ネタになりますでしょうか。私の提供するネタはどうもYosyan先生の興味とずれるらしく採用率が低いですが、気にせずわが道を突き進んで書いていこ〜(^^)

お弟子お弟子 2008/04/28 00:52 いや、今気付いたが「点検し改善を行っている」さえしていれば守っていなくてもいいのか。
ただ公務員の場合、違法労働させていることを認知したことによる告発義務が生じるのかな。

2008-03-07 5分の代償

「5分ルール」の詳細情報を入手しました。

診療報酬の算定方法の制定等に伴う実施上の留意事項について

保医発第0 3 0 5 0 0 1 号

平成2 0 年3 月5 日

地方社会保険事務局長

都道府県民生主管部(局)

国民健康保険主管課(部)長

都道府県老人医療主管部(局)

高齢者医療主管課(部)長    殿

                                厚生労働省保険局医療課長

                                厚生労働省保険局歯科医療管理官

(4) 外来管理加算

ア外来管理加算は、処置、リハビリテーション等を行わずに計画的な医学管理を行った場合に算定できるものである。

イ外来管理加算を算定するに当たっては、医師は丁寧な問診と詳細な身体診察(視診、聴診、打診及び触診等)を行い、それらの結果を踏まえて、患者に対して症状の再確認を行いつつ、病状や療養上の注意点等を懇切丁寧に説明するとともに、患者の療養上の疑問や不安を解消するため次の取組を行う。

[提供される診療内容の事例]

1 問診し、患者の訴えを総括する。

「今日伺ったお話では、『前回処方した薬を飲んで、熱は下がったけれど、咳が続き、痰の切れが悪い。』ということですね。」

2 身体診察によって得られた所見及びその所見に基づく医学的判断等の説明を行う。

「診察した結果、頸のリンパ節やのどの腫れは良くなっていますし、胸の音も問題ありません。前回に比べて、ずいぶん良くなっていますね。」

3 これまでの治療経過を踏まえた、療養上の注意等の説明・指導を行う。

「先日の発熱と咳や痰は、ウイルスによる風邪の症状だと考えられますが、○○さんはタバコを吸っているために、のどの粘膜が過敏で、ちょっとした刺激で咳が出やすく、痰がなかなか切れなくなっているようです。症状が落ち着くまで、しばらくの間はタバコを控えて、部屋を十分に加湿し、外出するときにはマスクをした方が良いですよ。」

4 患者の潜在的な疑問や不安等を汲み取る取組を行う。

「他に分からないことや、気になること、ご心配なことはありませんか。」

ウ イに規定する診察に要する時間として、医師が実際に概ね5分を超えて直接診察を行っている場合に算定できる。この場合において、診察を行っている時間とは、患者が診察室に入室した時点を診察開始時間、退室した時点を診察終了時間とし、その間一貫して医師が患者に対して問診、身体診察、療養上の指導を行っている場合の時間に限る。また、患者からの聴取事項や診察所見の要点を診療録に記載する。併せて、外来管理加算の時間要件に該当する旨の記載をする。

エ外来管理加算は、標榜する診療科に関係なく算定できる。ただし、複数科を標榜する保険医療機関において、外来患者が2以上の傷病で複数科を受診し、一方の科で処置又は手術等を行った場合は、他科においては外来管理加算は算定できない。

5分ルールの要点は、

  1. 患者が診察室に入室した時点を診察開始時間、退室した時点を診察終了時間
  2. 一貫して医師が患者に対して問診、身体診察、療養上の指導を行っている場合の時間
  3. 患者からの聴取事項や診察所見の要点を診療録に記載する。併せて、外来管理加算の時間要件に該当する旨の記載をする

ここでなぜ「5分」なのかの必然性については、医療維新のインタビューで厚労省保険局医療課長・原徳壽氏が滔々と解説された通り、

丁寧な診察をして、患者さんが納得する診療をしてもらいたいということです。「3時間待ちで3分診療」がよく問題視されています。だから「3分診療」ではだめなのです。

厚労省保険局医療課長・原徳壽氏のインタビューを是非皆様記憶していてもらいたいと思います。

    「3時間待ちで3分診療」がよく問題視されています。だから「3分診療」ではだめなのです。

「3時間待ちの3分診療」はたしかに問題はあります。これには2つの問題が含まれています。

  1. 3時間も待たされること
  2. 3分しか診療されないこと

どちらも問題であり解消されなければならない課題です。どちらがより切実な問題であるかは患者の感性によっても異なるでしょうが、個人的には、

    待ち時間の長さ > 診察時間の短さ

こう感じてられる方のほうが多いように思います。もちろん逆の方もおられるでしょうが、多数派の意見としては待ち時間を何とかして欲しいと感じている人の方が多いと考えます。

医療機関を受診する目的は病気の治療のためです。病気も様々ありますが、基本的な療養方針として「安静」があります。病気の治療全体として考えると、できるだけ早く受診を済ませ、帰宅して安静に努める事が治療にとって好ましいのは間違っていないかと考えます。

「3時間待ちの3分診療」が発生する原因は受診患者数の多さです。「3分」でも「3時間待ち」が発生するわけですから、これは待ち時間を減らすための医師の究極の努力の結果とも言えます。「3分診療」を行うためには熟練と、長時間、多数の患者を相手に高い緊張感と細心の注意の持続が必要です。医師にとっても過酷な状況ですが、これを行う事によりなんとか「3時間待ち」で待ち時間を押し止めているのです。

ところがこれが5分となると待ち時間は必然的に長くなります。「3分診療」の1時間の診察人数は20人です。「3時間待ち」とは自分の順番の前に60人並んでいるという事になります。これまでは「3分」でしたが、これが「5分」になるとどうなるかですが、

    60(人) × 5分 = 300分

「5分ルール」になると300分すなわち5時間の待ち時間が必要となります。何が起こるかは明瞭ですが、

    5時間待ちの5分診療

厚労省は「3分診療」を改善するために患者の「5時間待ち」をしろと言っている事になります。「3時間待ち」が「5時間待ち」になるより「3分診療」が「5分診療」になる方が患者にとって喜ばれるから断行するとしています。この点について厚労省保険局医療課長・原徳壽氏は、

    丁寧な診察をして、患者さんが納得する診療をしてもらいたいということです。

明らかに「3分」が「5分」になることで、待ち時間が「3時間」から「5時間」になるデメリットを打ち消すとしています。それがより「患者を納得させる」有効な政策であるとしています。

決定されたからには医師はこの政策に従わざるを得ません。これまで「3時間待ち」の苦痛を耐え忍んでいた患者の皆様は4月から「5時間待ち」を耐えてください。厚労省は待ち時間がたった「2時間延長」されるだけで夢の「5分診療」の実現を約束しました。これは「患者のため」の政策ですので、長くなった待ち時間は喜んでもらわないといけません。医師もまた診察時間が長時間化するのに一緒に耐えていますから。

最後に「5分診療」が夢の診療になる理由を厚労省保険局医療課長・原徳壽氏はこう語っています。

    なぜ「5分」にこだわっているか。一つには、財源の問題があります。改定時には、外来管理加算がどのくらい算定されるかを計算していますから、「5分」は崩せません。

SeisanSeisan 2008/03/07 08:41 要するに「5分は診察を受けてください、5分以上かけて患者を診察してください」と耳にいいことを言って、受診制限をかけて、「そんなに待てない」と患者が帰ってしまって、結果として患者数が減って医療費を使うのを制限しているのでしょう。

すでに小児科ではそうすることによって大幅な減収になるということが試算されています。あれ?小児科・産科を優遇して、勤務医の負担を減らすための診療報酬改定じゃなかったっけ?いつの間にか、小児科を不採算にして、勤務医・開業医の外来時間を延長するような改定になっちゃいましたね。

しかし、この「5分ルール」を読んでも、「標榜時間を超えて診療を続けていて、5分ルールを順守した場合、ちゃんと評価する」かどうか、どこにも表記がないですね。
結局標榜診療時間×12でのみ評価する、というのであれば、「標榜時間が終わったら診療終了」とするしかないかも。そうすれば確かに勤務医の労働時間は減らせますが。
「待つだけ待たされて診察を受けれず終了」としていいということですかね。

YosyanYosyan 2008/03/07 08:52  >「待つだけ待たされて診察を受けれず終了」

これは例の応召義務に引っかかりますから、そうはいかないでしょう。

 >標榜時間を超えて診療を続けていて、5分ルールを順守した場合

ある程度対応策は考えられます。73人目からはこれも例の時間内時間外扱いにしてしまう事です。これも違法ではありますが、レセ上の帳尻は合います。

nuttycellistnuttycellist 2008/03/07 09:46 「しばらくの間はタバコを控えて」と、ムンテラしろというところで笑ってしまいました。私だったら、タバコは止めなさい、と言います。この一文だけからも、厚生労働省官僚は、財務省に尻尾を一生懸命振っていることが分かります。

3分間診療を解消するのに、こうした懲罰的な診療報酬上の誘導で解決するとは、彼等も全く思っていないのでしょう。結局、医療費削減と、勤務医対策(勤務医を開業させない対策)なのだろうと思います。

官僚が考え及ばないことがあるとすると、医師の士気の問題でしょうか。

Med_LawMed_Law 2008/03/07 09:49
自衛策としては、時間内に終わる人数分の受付を終わったら、後は受付終了として他院受診を勧めるということでしょうね。
レセプト上の帳尻あわせは、違法と取られる危険性が大です。
堂々と、標準診療報酬を受け取るか、受け取らずに多数診察するかの選択しかありません

外形上も標準の受付を終わった診察時間外に来てもらう分には、時間外加算は当然請求可能でしょうし、文句の付けようがありません

国策に対して、我々が患者のことを思って文句を言うのでなく、患者が我々のことを思って文句を言ってくれるようになるまで、世の中は変わりません。

我慢比べです。同情は無用でしょう。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/07 09:56 複雑な気持ちです。。
自分は、皮膚科専門医ですが、保険診療として一般皮膚科での開業は断念し、プチ整形自由診療に徹しています(5年前の開業)。
理由はいろいろありますが、そのひとつに、自分の診療ペースでは、時間がかかり過ぎて、採算が合わないと考えたというのがあります。
国立病院勤務医時代は、アトピーなど全身に皮疹を認める患者を診ることが多く、全例下着だけ、場合によっては下着まで脱がしてほぼ毎回写真撮影していました。そうしないと、皮膚の経過なんて、カルテのスケッチや人の記憶なんてあてにならないですからね。(内科でのレントゲン写真が皮膚科の臨床写真だと思ってください)
そんなこんなしていると、だいたい50人くらい診るのに5時間くらいかかってた記憶があります。一人平均6分。しかし長い人だと、30分超えたりしました。
当時の国立病院だからできた診療だと思います。開業して、あるいは採算を言われながらでは、絶対ありえない。
時間をかけて丁寧に診ること自体は、医者は誰でも好きなはずです。皮膚科だって、服も脱がずに薬を出せ、早く治せ、という誤った患者ニーズに答えなければならないストレスが診療をおかしな方向にゆがめてしまう点はあったと思う。
そこが妥協できなかったんで、わたしは保険診療離脱しました。
いまの仕事は完全予約で、最低でもひとり30分間隔です。内容は美容ですが充実感はあります。

SeisanSeisan 2008/03/07 10:10 うちも含めた近畿圏なら、開業医は午前診・夜診がおおいので、今度の改定で6時以降は時間外加算が無条件で取れるようになったかと思いますが、問題は病院でしょうね。
時間外加算が取れるわけでもなく、延々と患者に文句を言われながら診療を続けなければいけなくなる。手早くすれば経営陣から文句がつく。
どこが「勤務医に配慮」してるんでしょうか。

YosyanYosyan 2008/03/07 10:19  >問題は病院でしょうね。

正確に言うと200床未満の中小病院です。外来収入の減少は経営を直撃しますし、数である程度収入を確保していたところは深刻かと思います。二診立てる予防策もありますが、それだけの人手が確保できるかも問題です。

ssd666ssd666 2008/03/07 11:11 予約制にすると、かならず予約してるのにどうして待たされるんだと文句が来るんですよね。
放射線科だと、逆に遅刻してきたのでキャンセルしましたとか多いですが。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/07 11:45 >ssd666様
先だって感心したのは、予約時間にいらっしゃらなくて、すっぽかされたかな?と思ってたら、翌日お叱りの電話があって、「寝坊して行けなかったじゃないの、今度から遅れたときはちゃんと電話して起こしてよ!」ってのありました。
人間の価値観とは、ここまで開きがあるものかと眼からウロコです。わたしはこーゆーの結構平気で腹は立たないんですが、駄目なひと多いだろうなあ。
それでも、ただ「有難うございました、感謝しています」とだけ言って帰っていく患者より、ちゃんとしたお金で対価はらってくれるお客ってのは気持ちいいですよ。
お金が欲しい、ってことじゃなくて、言葉ではなくて、感謝が具体的行為として現れるってところが、嘘がなくていいです。
・・この辺、国立病院で不採算の患者診すぎたトラウマから抜けきっていないんだろうなあ。。
一般の方の誤解を招きそうで恐縮なんですが、言葉や態度だけの感謝ってのは、心地よさげに思われるかもしれないですが、砂の味です。。自分の血肉が食いちぎられていく感じです。
医者の皆さんだったら、たぶんわかるんじゃないかなあ?
一般のひとにはわかりにくいだろうなあ・・例えて言うと、「愛してる愛してる」とばかり言ってて、結婚してくれない男に奉仕させられてる気分。

BugsyBugsy 2008/03/07 11:46 病院勤務医の場合、外来を終えて入院患者の回診やオーダー書き、書類の整理が始まります。以前は午後始められたのが今では準夜帯にやらざるえず、ナースの悪評をかっています。5分ルールになったら入院患者の顔を見れるのは間違い無く夕食以降でしょう。今でも「主治医のくせにろくすっぽ顔をださない。」と患者家族の憤激をかっています。だから「せめて日曜日くらい家族に説明しろよ。」となっています。
病院勤務で外来診療だけの医師なんているんですか?。

寝たきり老人の家族が薬だけ取りに来ざるをえない場合も多いのですが、これまた待たせると怒る人が多いです。本来的にはお薬外来は良くないので 在宅専門のクリニックにお任せしたいです。

優駿優駿 2008/03/07 12:10 >病院勤務医の場合、外来を終えて入院患者の回診やオーダー書き、書類の整理が始まります。以前は午後始められたのが今では準夜帯にやらざるえず、ナースの悪評をかっています。

Bugy先生。ですよね。僕もそうだったんですがあまりのナースたちの悪評に科のトップから午前中までに終わらせろとの指示が出て今は外来日は朝7時半から病棟で回診、指示出ししてます。

ssd666ssd666 2008/03/07 12:15 モーニング買ってるんですが、このあいだ、特上カバチで似たような話がありました。
保険の外交員が、保険の期限が切れると更新の為のにアポを取った時間に客が来なくて、そのDQNが事故を起こして、「そんな期限が切れるなんて知らなかった。期限切れでも金払え」というどうしようもないDQN主張を行政書士がごねて、外交員に一筆書かせ、その結果、保険会社から、そんなDQNの言い分を聞くような馬鹿は代理店契約打ち切りだと、外交員が路頭に迷うって話。
結局、お金は足りなくて、外交員は失職して、誰ひとり幸せにならなかったけど、主人公はスルーで次のエピソードが始まりました。

banch1banch1 2008/03/07 12:40 Yosyan先生、常連の方々はじめまして。田舎の内科勤務医のbanch1と申します。
おそらく数年のうちに、診療所3代目になるであろう立場ですが、
まだ診療所経営等に関しては勉強、経験とも不足で、4月の後期高齢者医療や5分ルールについてネットでウロウロしていたところ、ここにたどり着きました。
先生の問題提起の感覚、客観的評価、抑えながらも鋭い指摘に感銘しっぱなしです。
また常連の方々の意見にも唸らされることしばしばで、得がたいブログだと思い、
即お気に入り登録してしまいました。ときどき質問させていただくかもしれませんが、よろしくおねがいします^^

YosyanYosyan 2008/03/07 13:22 [提供される診療内容の事例]を読み直していたのですが、患者によりますが2分の内容ですね。あの程度の診察と説明に5分も必要な事自体が摩訶不思議です。もっとも臨床経験5年以下のロクに外来診療経験の無い医療系技官が頭を捻って考えたのでしょうから、彼らではたったあれだけの事をするのに「5分」かかるのでしょう。

どんな職種でも熟練者と初心者では手際が違います。当然のように初心者は手際が悪く、時間だけがかかり仕上がりも優れません。熟練者が同じ仕事をすれば嘘みたいに簡単にはかどり、能率は全く違う上に仕事の仕上がりも優れています。

やっぱり医療系技官に初心者医師ではなく熟練医師を送り込まなければならないと痛感しています。こんなのが「医師の意見」と思われること自体が赤面します。厚労省保険局医療課長・原徳壽氏も医師ですからね。

僻地外科医僻地外科医 2008/03/07 13:29 >Yosyan先生

 どこかで読んでなるほどなぁと思ったことですが

>正確に言うと200床未満の中小病院です。外来収入の減少は経営を直撃しますし、数である程度収入を確保していたところは深刻かと思います。

 問題は中小病院ではなく、大病院の方です。中小病院に待ち時間の延長という負のインセンティヴがかかると、その患者は大病院へ流れます。これは今でも激務の大病院勤務医にさらに追い打ちをかけることになるだろうと言う予測です。
 下手をするとこの改訂が医療崩壊の「最後の1本の藁」になるかも知れません。

元ライダー元ライダー 2008/03/07 13:30 日本医師会の会員専用ページにある5分ルールのQ&Aを貼っておきます。

「平成20年度診療報酬改定『Q&A』(その1)
A001再診料の注6外来管理加算
Q17.今回、100cm2未満の第1度熱傷の熱傷処置、100cm2未満の皮膚科軟膏処置、洗眼、点眼、点耳、簡単な耳垢栓除去、鼻洗浄、狭い範囲の湿布処置は基本診療料に含まれるものとされ、別途処置料を算定することができなくなったことに伴い、これらの処置を行った場合でも、要件を満たせば外来管理加算を算定できることになったものと考えてよいか。
A17.外来管理加算を算定するための要件をみたしているものについては算定できる。なお、医師が直接これらの処置を行った時間又は説明を行った時間については、外来管理加算を算定する際の、「直接診察を行っている」時間として見なすことができる。さらに、これらの結果を踏まえて病状や療養上の注意について、懇切丁寧に指導説明する必要がある。

Q18.外来管理加算は、患者を5分以上診察しなければ算定できなくなったのか。
A18.外来管理加算は、医師が実際に概ね5分を超えて直接診察を行っている場合に算定できる。なお、診察を行っている時間とは、患者が診察室に入室した時点を診察開始時間、退室した時点を診察終了時間とし、その間一貫して医師が患者に対して問診、身体診察、療養上の指導を行っている場合の時間に限る。

Q19.外来管理加算の算定に当たっては、診療録に時間要件に該当する旨の記載が必要であるが、具体的にはどのように記載すればよいのか。
A19.以下の例が考えられる。
記載例)時間OK、時間要件OK、5分以上、おおむね5分

Q20.区分番号「B000」特定疾患療養管理料は、診療に基づき計画的な診療計画を立てている場合であって、必要やむを得ない場合に、看護に当たっている家族等を通して療養上の管理を行った時においても算定できるが、家族等に対する療養上の指導の時間が概ね5分を超えた場合、外来管理加算は算定できるか。
A20.外来管理加算は、医師が実際に概ね5分を超えて患者に対し直接診察を行っている場合に算定できるものであり、家族等に対する療養上の指導の場合は算定できない。
------------------------------------
A.20なんて小児科に影響ないでしょうか。お母さんだけに説明という場面もありそうですが。

YosyanYosyan 2008/03/07 13:41 >A.20なんて小児科に影響ないでしょうか。お母さんだけに説明という場面もありそうですが。

杓子定規にやられれば問題はおきます。小児科でしばしば起こりうるシチュエーションとして子供が大泣きして声が聞こえず、子供を診察室の外に連れ出す事があります。この場合は

 >患者に対し直接診察を行っている場合に算定

これに該当しなくなります。つまりいかに大声で子供が泣き喚こうが診察室から出してはいけない事になります。双子やましてや三つ子であれば話どころではなくなりますが、きちんとお母さんなりとの間に子供を置き、直接話さなければならないとも解釈できます。

ハンドスピーカーでも買っておこうかな?

のんびり屋のんびり屋 2008/03/07 14:03  初めて投稿させていただきます。
 このブログの素晴らしさには敬服するばかりです。

 ポイントがずれてしまい申し訳ないのですが…
 2003-2004年度の日本循環器学会、日本呼吸器学会、日本産婦人科学会、日本小児科学会、日本心臓病学会、日本肺癌学会、日本公衆衛生学会、日本口腔衛生学会、日本口腔外科学会の9学会合同研究班による「禁煙ガイドライン」では、
「受診時の疾患の如何にかかわらずすべての喫煙患者に禁煙アドバイスをすべきである」
 としています。
 また国際的には5Aアプローチに基づき、すべての喫煙患者さんに禁煙を強く促すように、とされています。
「症状が落ち着くまで、しばらくの間はタバコを控えて」などというのは、もはや時代遅れの指導方法ですね。

元ライダー元ライダー 2008/03/07 14:16 続き)
Q17なんかは考えようによっては眼科、耳鼻科は今までより増収(1日72人まで)になりますかね。
A18はQにまともに回答していませんね。官僚答弁の典型。
「概ね5分を超えて」って何でしょう。アバウトな閾値を「超えて」ってアリですか?理系頭にはイメージ不能です。あっ、量子論の世界?

ゴロチャンゴロチャン 2008/03/07 15:52 初めまして。
首都圏オフィス街の無床診療所の勤務医です。50代元循環器内科医です。
膨れあがる待ちカルテにテンションを上げて処理する気力が失せています。
テレテレカルテを見直し、要領を得ない説明で5分以上話をする方がいいのですね。テキパキは経営上よろしくないと。
また、画像診断、心電図、血液検査結果などバックヤードで見直しているのもバカバカしくなってきました。
それで、日本医師会幹部はこの「5分」導入の経緯、結果への説明などどうやってるのでしょう。まか不思議な団体です。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/03/07 16:30 moto-tclinic先生、
>そんなこんなしていると、だいたい50人くらい診るのに5時間くらいかかってた記憶があります。一人平均6分。しかし長い人だと、30分超えたりしました。

他のスタッフはさぞかし迷惑だったでしょうね…。行為そのものは真っ当すぎるくらい真っ当だから表立って非難も出来ないしw。

>それでも、ただ「有難うございました、感謝しています」とだけ言って帰っていく患者より、ちゃんとしたお金で対価はらってくれるお客ってのは気持ちいいですよ。
お金が欲しい、ってことじゃなくて、言葉ではなくて、感謝が具体的行為として現れるってところが、嘘がなくていいです。

>一般の方の誤解を招きそうで恐縮なんですが、言葉や態度だけの感謝ってのは、心地よさげに思われるかもしれないですが、砂の味です。。自分の血肉が食いちぎられていく感じです。

激しく同意であります。赤の他人の患者サマの言葉や態度だけの感謝なんて、両生動物の糞を掻き集めただけの値打ちしかありません。
…そこを履き違えた奴隷医は…生涯…地を這う!!

666666 2008/03/07 16:58 本日の外来は初診32人+再来20人で、8時間のまず食わずでトイレだけです。再来だけなら同じ時間で70‐80人は可能ですが、説明は5分もしていません。必死に電子カルテに入力してこの時間です。紙カルテなら同じ人数は5-6時間でさばけますので説明の時間はもっと取れますが、電子カルテで5分なんてしていた日には寝られなくなります。

banch1banch1 2008/03/07 19:07 率直な質問ですが・・・5分ルールで喜ぶのは誰なんでしょ?

YosyanYosyan 2008/03/07 19:20 banch1様

簡単なようで難しい質問を有り難うございます。個人的にはまず財務省で、次に財界ぐらいと考えています。財務省はどんな名目、手段であっても出費は減れば大歓迎です。財界の目標は隠すことも無く混合診療導入ですから、皆保険に執着する医師が悲鳴を上げて混合診療待望論に切り替わってくれれば思う壺です。

少なくとも国民の大多数である患者にはほとんどメリットがあるとは思えません。患者のメリットとしては「5分」を盾に520円(3割負担で160円)を拒否するものは拒否して小銭が稼げるぐらいです。

BUgsyBUgsy 2008/03/07 19:52 >率直な質問ですが・・・5分ルールで喜ぶのは誰なんでしょ?

Yosyan様 banch1様
それでは何科が狙い打ちなんでしょうか?
オイラは外科系なので外来に来られればレントゲンや創傷処置やらで時間は一人あたり5分でも足りません。縫合なんかしてたら20分30分はあっという間です。
再診の患者でも大抵は書類持参であれこれ説明するので5分で済めば御の字の場合が多いです。
やはり小児科や お薬外来になることが多い老人主体の内科なんですかね?

banch1banch1 2008/03/07 20:02 Yosyan先生

混合診療の文脈との連想・発想がなかった私には目からウロコの納得解答。
ありがとうございました。

ここ数週間、親父の代診で診療所をやっておりまして、
ためしに再診患者の診察所要時間(入室から退室まで)をカウントしておりましたら、
なにしろ動作緩慢な年寄りが多く、4分ほどでした。
これなら、5分ルールの影響はさほどなかろうとたかくくってましたが・・・
後期高齢者医療制度という妖怪のうしろに、混合診療という大怪獣がウロウロしてるとは。
高齢者診療で食っている身にしてみれば、魑魅魍魎の跋扈する医療政策ですね。

rijinrijin 2008/03/07 20:11 …医学部の5〜6年生の問診の実習にときどき付き合っていますが、初診でもだいたい8分、長くて10分で問診は終了しています。…勉強不足の子は途中で聞くことが無くなって5分ぐらいで終わりますが、よく勉強している子が長くなると言うことはありません。

 再診患者ならもっと短くなります。

 時間効率の高い医療を安く、悪い医療に高い点数を提供しようと言うことですから、全体の効率はさらに悪化し、医師不足に拍車がかかることでしょう。

 厚労省が大好きなアメリカでは再診でも20分ぐらいかけています。…どうやったら長くなるのか、日本全国の医者が見学に行く必要があるでしょう。

+61+61 2008/03/07 22:41 日本以外の先進国では、救急外来を除き、たとえ家庭医であってもほとんどの外来は予約制です。たとえば、ここ豪州では発熱して家庭医(GP)に電話をすると、1週間先とかに予約を取らされます。多くのself-limitedな疾患はそれまでには治癒してしまい、結果的に一次医療に「スクリーニング」がかけられます。

確かに一次医療でも診察時間はたっぷりあり、一人15分とか30分をかけるのですが、その内容はすべての既往歴を聞き出すことから始まる長ったらしいものです。一方で再診患者は数分で終わることが一般的です。
これらを総括すれば、「1週間待ちの15分診療」とも言え、日本のマスメディアの好きな「3時間待ちの3分診療」という表現に比べて、はたしてどちらを日本の患者が好むのかについては、国民自身が決めることではないでしょうか?

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/07 22:55 むかーし、スリランカの国立病院の皮膚科外来を見学したことがあるんですが、患者は、スーパーでレジに並ぶがごとく、何十人かの列を作ってましたね。診察室もプライバシーもあったもんじゃない、診察中の患者の50cm後ろには、次の患者が待っています。カルテってあったっけなあ?・・たぶんあったんだろうなあ。
国立病院受診は無料。3分診療どころか何十秒診察なんだろう?皮膚科ですが、もちろん服なんか脱がせません。そで口やあちこちから、覗き込むような感じ。
患者は簡単な説明を受けて、処方箋を書いてもらって帰っていきます。そこまでは無料ですが、処方箋に書いてある薬を買うのは自費だったと思う。たしか。
レントゲンも心電図も、検査指示書はただで書いてもらえますが、放射線科技師さん自体が、自由診療で開業していて、そこいって有料で撮ってもらう。スリランカの技師さんが、日本に中古のレントゲン買い付けに来てて、わたし、お世話しましたもん。中古医療機器いろいろ手に入れて、中古車も何台か買って、トランクに押し込んで帰っていきました。中古車だけ輸入したことにして、関税浮かすんでしょう。
コロンボの街には、富裕層向けの個人クリニックたくさんありました。国立病院で修行をつんで、個人クリニックに勤務したり開業するのが若いお医者さんの夢ですね。
今の日本の若いお医者さんてのは、どんな夢を見るのだろうか?・・

卵の名無し卵の名無し 2008/03/07 23:41 まー厚労省の役人の算数力は昔の学校行けない丁稚より下っちゅうことが猿でもわかるほど明らかになっただけのこと。こんな低能に血税から給料払ってやる意義があるのかねwww

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/07 23:52 5分ルールは、いろんな含みが考えられます。
1)開業医が儲からないようにして、勤務医の逃散先をつぶしたい。
2)患者の少ないクリニックには影響少なくして、多いクリニックの儲けを減らしたい。
3)内科系開業医に、後期高齢者の在宅看取りをさせたい。外来患者を増やしても儲からず、高齢者の家庭医をしたほうがましだ、と思わせたい。
ってところでしょうか?

これからの日本の医者は、いまの30代後半くらいを境に、明確に二分されます。30代後半より上は、逃散を試みながら、どうだろう?6〜7割くらいは、自分たちの親の世代である高齢者の、在宅お看取りにかかわって食べていくことになるんじゃないだろうか?
30代後半以降の医者と、団塊高齢者がセットで片付いていく感じです。
30代後半未満の医者は、新世代で、開業など考えない。
医者の給与は伸び悩むが、そういうものだと納得するというか、開業という逃散先がないから、勤務医でやっていくしかない。なんだかんだ言って医者という職業は魅力があるし、医学部の高偏差値もかわらない。労働環境はある程度改善される。
訴訟は当たり前になる。刑事事件化はさすがに抑制されるでしょうが、民事訴訟は減ることはないでしょう。ただし、慣れてきて、ノウハウはいろいろ蓄積される。賠償保険掛け金も高くなるが仕方がない。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/08 00:05 変な話、医者と看護婦(師)のカップルのイメージが変わるだろうなー。
お似合いになると思う。
看護師のほうも、医者と結婚したから玉の輿、なんて意識なくなる。医者という職業が、そうだなあ、今まで会社の役員クラスだったのが、課長部長くらいに降りてきた感じじゃないかしらん。

公立病院は当然ですが無くなるか民営化です。混合診療ですが、これが解禁されていちばん喜ぶのは民間保険。「公的保険ではカバーされない病気や治療がこんなにあるんですよー」と言いながら、実際の医療費の多くは公的保険でカバーされるんで、うまみが大きい。
大企業は、従業員・役員を福利厚生で経費になるから、どんどん大口の保険契約結ぶだろうし。
そうなると、保険会社や、大企業と、各病院が丸ごと契約するところも増えてきて、病院経営がビジネスとして成り立つようになる。
いいかえると、混合診療解禁はGDPを増やす。なるほど、財界が推進しようとするわけだわ。
外資がこわい、って言う人いるけど、いまどき、日本企業の多くが外国資本に食われちゃってるわけだから、あんまり関係ないような気がする。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/08 00:20 いままでは、保険診療で儲かってる開業医が多かったから、混合診療反対だった(世界に誇る日本の皆保険ってスローガンあったけど、世界に誇れてたのは、皆保険ではなく、日本の医者の献身的精神)ですが、保険診療全体のパイが少なくなって、うまみがなくなれば、反対する人も理由も乏しくなる。
もはや時間、というか、タイミングの問題。
GDPが増える、ということは、そこに利権が生まれる。すなわち、厚生官僚にとって、天下り先とか、うま味が増えるはず。メタボ対策事業だってそうだろうし。
そういうのには、力入ります。

優秀な若手は、真剣に海外流出考えてるんじゃないかなあ?もうそういう流れ始まっててもよさそう。これまで、大学や大学院で研究してたエネルギーを、語学や海外での臨床経験に向けるだけのことだし。
ゴッドハンドとか言われる先陣海外流出帰国組にならって、いろんなつてを模索してるんでしょうね。
いずれは(20年くらい先?)、日本も外国人医師受け入れ始まるだろうし、日本のプロ野球から大リーグいくのが珍しくなくなったように、普通のことになるんだろうなあ。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/08 00:24 上で30代後半って書いたけど、よく考えたら40代かな?・・まあ、とにかく、今中堅で疲れ果てて逃散済、またはまもなく逃散、ってひとたちです。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/08 00:48 今の時代、脱保険診療→自由診療で、新しいビジネスモデル作れたら、M&A系企業に売れると思う。
わたしがやってるプチ整形なんて陳腐なのじゃなくて、医者ならではの発想で絵を描いて、なおかつそれが企業として成功したら、の話ですが・・
収益で黒字が出て、決算で成長していけばいいんですよね。。なんか無いかなー。長者に成り上がるチャンスなのだが。
きっと、誰かがうまくやって、大手に会社売ると思うな。

暇人28号暇人28号 2008/03/08 06:18 moto先生のお話、私の考えているのとまったく同じです。

今回の改定では、開業阻止と中小病院の淘汰が最大のテーマなんだと思います。そして、その先にある混合診療導入に向けての伏線、そう考えればすべてつじつまが合う。医師会の重鎮にとっても、本音とすれば「おらおら、若い奴らが開業なんて10年早いんだ。基幹病院で馬車馬のように働け〜」ということなんだと思います。新規開業医が増えて競争相手が増えて困っていたので厚労省とタッグを組んだ。ただ、自分たちも痛みを伴ったわけですが。お互いに利害が一致していたわけなんですよ。


まあ、混合診療になって、医療機関と医療従事者の集約化が起こればマンパワーを維持できて医療の質も上がるし、制度面でも刑事訴訟が減少するし、まあ、今よりは勤務医として働きやすくなるのではないでしょうか。民事訴訟に関しては保険契約の問題、病院との契約の問題になりますが、今後医療と訴訟はアメリカ並みにセットになってくるでしょうから、精神的に慣れていく必要がありますね。ただ、そうなれば、「患者さんのために」などという青臭い気持ちはなくなります。あくまでビジネスになりますけど、まあ仕方ありません。国民が望んだことですし。

暇人28号暇人28号 2008/03/08 06:24 もうひとつ、この5分ルールにのみ、「3分診療に国民の不満があるから5分にする」とありましたが、そんなのはとってつけた理由でしかないのは明白。なに、国民のことを考えたふりをする?

そんなに利用者のことを真剣に考えているのならなんで後期高齢者の長期入院ができなくなるのだ?なぜ地方の病院の崩壊に拍車をかける改定を行ったんだ?これこそ今回の最大の問題点なのに。今回の改定で崩壊が加速されるんだぞ?こまるのは医療従事者か?むしろ利用者ではないのか?

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/08 07:26 暇人28号様、おはようございます。
医師会の重鎮の話は、なるほどですねー。気がつきませんでした。
先生は、循環器がご専門で、まだ公立病院勤務医、疲れた系でいらっしゃるんでしたっけ?(間違ってたらゴメンナサイ)
もしその立場なら。無難なところだと、仲間集めて、グループで在宅お看取りシステム作るのをお勧めします。病院勤務から解放されて、厚労省の施策に合うわけだから、つぶれることはないはず。
ひとりでやってはいけません。複数名でやるのがコツ。でないとQOMLがえらいことになる。勤務先公立病院で申し合わせて、一人また一人と、順番になるべく目立たないように抜けてくのがいいでしょう。ごそっと抜けると目立って、その地区の住民や開業医に目を付けられてやりにくくなる。
いまの開業医さんの弱点は、全員が1人親方で、容易にはグループ化できないってとこですからね。数名のグループで動くことに成功すれば、勝機ありますよ。
仲良しグループは当面いいでしょうが、将来状況が変わった時の人的流動性保つために、仲良しでいるうちに、はっきりと規約を明文化して弁護士にも見てもらっとくといいです。クリニックだから、院長は誰か必要ですが、経営主体は会社となるよう、工夫も必要。
ぶっちゃけ、平成20年改定、後期高齢者制度開始から数年が華でしょうから、それ以降は、できれば医療に進出したい人材派遣会社に売っちゃうか傘下に入ったほうが楽だと思うな〜。

いまからだと、参入遅いでしょうけど、あまり気がつかなかった新ビジネスとして、循環器の先生ならACLSのサイト経営、ってのもありました。地方によってかなり異なってますが、早くからはじめたところは、若手医療者から一般向けBLSまで、リスク少なくそれなりにやりがいのあるビジネスになってると思います。
産科の先生、だれか、ALSO日本に導入しないかな〜。産科危機叫ばれて久しいから、ニーズあると思いますよ。ACLSとちがって、除細動器とかいらないから、初期投資少ないし。ALSOはまったくの一般人でも受講可能なはずです。ビジネス化考えるなら間口は広い方がいい。妊婦は産科に通って、夫は万が一の救急時に備えてALSO受講を!って、開業元産科医の先生が立ちあがった、なんて格好いい。
ここ一年ぐらいのうちに立ちあげられれば、成功できると思うんだけどな。だれか、一緒にオーストラリアまで、ALSO受講しにいきませんか?(^^;

banch1banch1 2008/03/08 09:05 暇人28号様

>医師会の重鎮にとっても、本音とすれば「おらおら、若い奴らが開業なんて10年早いんだ。基幹病院で馬車馬のように働け〜」ということなんだと思います。新規開業医が増えて競争相手が増えて困っていたので厚労省とタッグを組んだ。ただ、自分たちも痛みを伴ったわけですが。お互いに利害が一致していたわけなんですよ。

私はこれは違うと思います。
うまく説明できませんが、医師会(少なくとも私の属している医師会)は
厚労省の昨今の医療施策には辟易していて、まったく信用していません。
今回の改訂は開業医にとっては大打撃になるはずで、
その影響は新規開業医師が降って来るのよりも影響がはるかに大きい。
そもそも、重鎮達は長い診療所人生で患者は多数ついていて、新規が来ても
生活レベルを保って生きていくのは困難ではない方々です。

ですから、私は単純に医師会(あるいは医師会ひも付きの政治家)に力がなかったと考えます。タッグを組んでいたというのは真逆だと思います。

詠み人知らず詠み人知らず 2008/03/08 10:17 自治医大とは全く関係のない者ですが、厚労省の原課長は自治医大入学前は、京大数学科を出ていたと思います。数字は分かっていますよ、私らよりも。ですが、彼も国政の中では所詮中間管理職、組織のためによく働いているだけでしょう。改定、改定で、診療に集中できず、なんだか医者しているのが嫌になってきましたが、家族のためにもう少し続けます。

smaniasmania 2008/03/08 12:10 moto-tclinic様
>優秀な若手は、真剣に海外流出考えてるんじゃないかなあ?もうそういう流れ始まっててもよさそう。

実力よりはるかに低く中国の通貨は評価されていますが、日本円に換算しても中国での医療単価は日本を越えています。日本の10割負担より中国でかかる医療費の方が高い。(中国では同じ事をやってもらえる額が多い)
ですから時々馬鹿な素人が言っている中国から医師を輸入しろっていう話は論外で、実際に日本で優秀な医師で中国で働いている人間が出現しています。

2008-03-06 産経基準

3/4付産経新聞より

【風】医師 警察官より多いのに…

 救急医療を取り上げた風もそろそろ大詰め。全体を通じて、多くの医療関係者から寄せられた共通する声は、「医師不足」だった。まずは大阪府内の大学病院に勤務する看護師から。

 《医師は一日中、外来診察、手術、病棟勤務をした後に当直をし、また翌日には同じ勤務です。夜中に患者対応があると、本当につらそうです》

 大阪府南部の救命救急センターの医師は、センターの医師の定数などが約30年前の想定に基づいて決められており、現状にそぐわないとした上で、こう訴える。

 《仕事量がここ10年で大幅に増加しており、現在の医師数では正直全く対応できません。労働基準法を順守して医師を完全2交代や3交代制にするなら、現在の2倍程度は必要です》

 日本の医師数は平成18年の厚生労働省の調べで約26万3000人。全体の医師数は増加傾向にはあるが、先進国で比較すると圧倒的に少ない。OECD経済協力開発機構)に加盟している国の人口1000人あたりの医師の数は平均3・1人。日本は2人だ。平均に達するまで、10年かかるとされている。

 とはいえ、その数は日本中の警察官(約25万5000人)よりも多いという意外なデータもある。つまり、医師の配置のバランスが悪いのだ。特に特定の診療科の減少が際立っている。

 大阪府内の40代の医師は《今の医療界では、若い医師ほど絶望しています。新人はつらい科は避けて楽な仕事を目指します。卒業して産科・小児科・外科・内科を目指す人は激減しています》とし、《業界内では、今のペースでは10年以内には外科を目指す研修医は日本全国でゼロになるといわれています》。

 この医師の言うとおり、厚生労働省の調べでも外科の勤務医は平成10年あたりから連続して減少傾向にある。医師はメールをこう続ける。

 《現状が続けば本当に医師のなり手はなくなります。僕も仕事への熱意は下がるばかりで、できれば早く引退したいと思っているくらいです》

 《将来、日本の医師は眼科医や皮膚科ばかりになり、日本では救急医療が受けられなくなります》(信)

物事を比較するときに物指しを持ちいる事があります。「○○に較べて」式の表現方法です。この手法自体はポピュラーで使用する事自体は何の問題もありませんが、通常は類似で関連性のある対象を用います。分かりやすいものなら、官営と民営で同じ業務を行なった時とか、国内と海外で同じ物品の比較などです。そういうものなら、比較の物指しや基準として感覚的に分かりやすく、「そういうものか」と読者を納得させやすくなります。

分かりやすいものだけではなく、時に捻った対象を物指しに持ちいる事があります。「○○は日本では△△みたいなもので」式の比較方法です。この場合はある程度の解説が必要です。物指しとして用いるのが正しいかどうかの判断材料を読者に提示し、まず納得させてから物指しに用いなければならないからです。

今回産経新聞が用いた物指しは警察官の数です。用い方を見てみると、

とはいえ、その数は日本中の警察官(約25万5000人)よりも多いという意外なデータもある。

物指しで計られたのは医師の数なんですが、前後を読んでも警察官の数が医師の数の物指しとして使う理由の解説が見当たりません。そもそもどういう根拠で警察官の数が医師の数との比較の物指しに用いられるか分かりませんが、産経新聞は自明の事として用いられている事が分かります。産経新聞など一部の方を除いて、医師数と警察官数が連動する法則があるとは世間の常識と考えている方は非常に少ないのではないかと思います。

それでも産経新聞はなんの解説もなく警察官数による物指しをごく平然と用いています。タイトルにも

    医師 警察官より多いのに…

ここまでの確信をもって書くからには、産経新聞の常識として日本で一番人員が多くかつ余剰である職種が警察官であるとしているかと思います。つまり産経新聞の職種による人数の評価は、

    あれだけ人が余りまくっている警察官より人数が多いとは

これが説明不要の基準として誰に話しても、記事の比喩に用いても間違いないとされていると考えます。その産経基準に従えば医師の数は「余剰」である事になり、

つまり、医師の配置のバランスが悪いのだ。特に特定の診療科の減少が際立っている。

医師の数としてはあの警察官の数より上回っているのに「不足感」が生じるとは「極端な偏在」があるはずだの結論になります。御丁寧に偏在場所まで書いてくれており、

将来、日本の医師は眼科医や皮膚科ばかりになり、日本では救急医療が受けられなくなります

産経基準が正しいという前提に基づけばある程度正しい解析にはなります。


しかし産経基準の対象は医師だけとは思えず、他の職種にも適用されるかと考えます。警察官数と医師数が連動する法則がこの世には無く、また警察官数と医師数がなぜ連動するかの解説が無い以上、警察官数による産経基準はすべての職種に一般化され適用されると考えるのが当然です。

医療職は医師だけではありません。たとえば厚生労働省の平成16年度統計では、

どちらも産経基準を大幅に超過しており「適正化」のためには半減以上の削減が必要になります。医師数に警察官数の産経基準が適用されるのなら、看護師に適用されない理由はどこにもないと考えて当然です。そうなると今後産経は「看護師過剰、大幅削減論」を展開しなければなりません。そのうちするのでしょうか。

もちろん医療職にだけに適用されると限りません。文部科学省の平成16年度統計の教員数では、

  • 小学校:38万7098人
  • 中学校:24万1985人
  • 高等学校:25万5803人

中学校教員は辛うじて産経基準を下回りますが、小学校は明らかに過剰です。これは次の産経新聞の教育政策へのキャンペイン方針が「小学校の教員を減らせ」となる事を示唆しています。

記者個人が脳内妄想で警察官数を基準とするヘンチクリンな文章を紡ぎだすのは防止しきれないとしても、それをチェックする機構が社内に無いとは驚きます。報道機関は表現とか言葉の端々に慎重さが必要とされます。なぜならそれが商売だからです。言葉の使い方に自信があるからこそNIE(Newspaper in Education)なる運動を行なっているかと考えますが、こんなトンデモ用法がまかり通る産経新聞はNIE運動から除名すべしです。参加資格が欠けているのは明らかであり、こういう根拠不明の話を子供の教育に持ち込むのは害悪そのものだからです。

新聞界の自浄作用が働くか注目したいと思います。

障害児のオヤジ障害児のオヤジ 2008/03/06 08:26 いつも勉強させていただいております。このような高尚な場所に浅学、薄学を顧みず書き込みをさせていただきますことをお許しください。貴ブログを拝見して以来、日本の医療の実態がよく見えるようになりました。また、皆様の鋭いコメントに自らの無知を恥じる毎日でございます。それで、私もつたないながらブログを開設しておりますので、その中で貴ブログを紹介させていただきました。決して活発なサイトではございませんが、医療とはあまり縁の無い方々にも少しでもこのサイトの情報に触れていただきたく、これからもことあるたびに引用させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

<a href=”http://blog.goo.ne.jp/asato_athome/”>悩める障害児のオヤジ</a>

tadano-rytadano-ry 2008/03/06 08:47 平成17年の警察白書に「警察官一人当たりの負担人口」という表があり、警察官1人あたりが担当する国民の数の国際比較があります。

http://www.npa.go.jp/hakusyo/h17/hakusho/h17/html/G7000500.html#z7000030

 これを見る限り、日本の警察官は先進国の中では警察官1人あたりの負担人数が多い、つまり日本は先進国の中でも警察官の数がかなり少ない国であるという事が言えると思います。また白書の文章を見ても
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 警察官1人当たりの負担人口は、欧米諸国と比べて非常に多い。また、16年中の刑法犯の認知件数、重要犯罪の認知件数、110番通報の受理件数は、元年より、それぞれ1.5倍、2.6倍、2.2倍に増加した。これらにより、警察の事務量は著しく増大したにもかかわらず、地方警察官の条例定員数は、国や地方の財政が厳しいなどの事情により、同期間中に10%しか増加していない。

 そこで、13年度に2,580人、14年度に4,500人、15年度に4,000人、16年度に3,150人の地方警察官の増員を図ってきたが、現下の厳しい治安情勢に的確に対応するためには、17年度以降、更に約1万人の増員が必要であることから、17年度は3,500人を増員することとした。犯罪対策閣僚会議が策定した「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」でも、「警察力の更なる強化を目指した地方警察官の増員を図る」とされており、今後も増員を図ることとしている。
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私のような素人でも5分もあれば調べられるんですけどね…。

YosyanYosyan 2008/03/06 09:01 tadano-ry様

警官数は治安状況やお国柄によって変わるので、数の多少で一概に評価できない部分はあると考えています。多いから良い状態とは必ずしも言えないと思っています。それでも日本が少ないのは明らかですけどね。

問題は警察官数と医師数が連動する法則を唐突に持ち出し、これを絶対根拠として論じている事です。世の中に不思議な連動現象は存在しますが、警官数と医師数が連動するという理論は世界初かと思います。そういう理論は立証できればある意味画期的ですが、立証もせずに使用するのは大問題です。

今どきブログでもこんなトンデモ理論で論じれば最悪「炎上」します。炎上しなくとも読んだ者はブログ主の知性を疑い軽蔑します。さらにそのブログでその後いかなる主張がなされても冷笑の対象にしかなりません。新聞はそうでないと言いたいのでしょうか。新聞様が書いたのだから「今日から法則になった」と言わんばかりと感じています。

ssd666ssd666 2008/03/06 09:04 折しも、読売新聞で「ネット社会・深まる闇」なんてやっていて、ネットのデマとか大げさに取り上げてます。
いや今や、新聞も変わらんだろ(wwwという突っ込みを全国で何万人もしているとみた。

tadano-rytadano-ry 2008/03/06 09:17 医師の意見「日本の医師数は先進国の中ではかなり少ない。それでも医師の頑張りでこれだけの良質な医療を保ってきたが、医療の高度化、高齢社会の進行などもあってさすがに持たなくなってきている。政府もようやく医師は総数が不足しているという認識を示した」

警察の意見「日本の警察官数は先進国の中ではかなり少ない。それでもこれだけ治安のよい国であることには誇りを持ってもいいが、近年治安は徐々に悪くなっており、さすがに大幅な増員が必要になってきている」

産経記者の意見「日本の医師は警察官より多いですから、配置さえ改善すればまだまだ頑張れますよね」

これではマス○ミと揶揄されても仕方ないでしょう。天下の公器を自負しているんですから、こんな幼稚な意見は述べて欲しくないものです。如何にある程度自由に書けるコラムと言えど、これは酷すぎます。

SeisanSeisan 2008/03/06 09:47 さてここで!
警察官の数との比較ですが、全く意味をなさない理由はほかにもありますね。
それは制度の問題で、たとえば、医師というものは、一部の病理学者や研究職を除いて、臨床現場の医師はたとえ管理職、院長職といえども普通に診療行為をこなしているのに比べ、警察の場合、管理職以上になると現場に出ることはほとんどなくなるしかも上級職はキャリアがおおく、彼らは全く現場を見ないのは「踊る大捜査線」あたりでも有名ですね。そういう意味で「職能分離」がされている警察組織と比較するのは全く無意味だと思います。
ま、お巡りさんを増やすのはとりあえず2年でできますが、医者は使えるようになるのに最低10年かかりますが。だから「ふやそか」といってもすぐには増えてきません。

名無しでお願い名無しでお願い 2008/03/06 09:55 NIE(Newspaper in Education)、良いじゃないですか。
今回のミスリードについてがっちりと教育の場から指摘し、世間一般の人にメディアリテラシーを鍛えて貰いたいものです。

まろまろ 2008/03/06 09:58 医療費をパチンコの売上と比較したり、医師数を警察官数と比較したり、全く関連のないもの同士を比較して多い少ないを論じるのは、ひどい印象操作ですね(理系の方々なら一瞬で読む価値のないarticleと判断して流すでしょうが)。これが本気で書いてるとしたらマスメディアのレベルがひどいと言わざるを得ません。

龍 2008/03/06 10:27 マスコミの、比較不能な事項の比較検証は、日常茶飯事です。
例えば、開業医の平均所得です。2項分布していないサンプルの平均値を取る愚かしさです。さらにこれを、一般勤務労働者の平均賃金と比較して云々と毎年言っています。
また、隣の共産主義一党独裁国家で、言論の自由の無い国家での「全国人民代表大会」を、日本の「国会」を同じと解説しています。
ミスリードもいい加減にしてほしいものです。

PCFM♂PCFM♂ 2008/03/06 10:48 マスゴミクオリティーは産経だけじゃなさそうです。
昨日の毎日記事にミクシィでつっこんでみました。下に一部引用します。

虎の門病院に1億円賠償求める(毎日新聞 - 03月05日 22:12)

> 虎の門病院(東京都港区)に入院中に死亡した大学教授(当時66歳)の
>遺族が5日、研修医の過剰投薬が死因だとして、病院を運営する国家公務員
>共済組合連合会や研修医、薬剤師などに約1億392万円の賠償を求め東京
>地裁に提訴した。

 まず、何で亡くなった方の肩書きを記載する必要があるのか?「大学教授」と書いたら目立つからか?肩書きと訴訟の経緯や行方は関係ないだろう。
 そう考えると、訴訟を起こされた病院が虎ノ門というブランド病院だから目立つので記事として取り上げた、と勘ぐりたくなるが?!

> 訴えによると、肺がんで入院していた教授は05年10月、併発した肺炎
>治療のため3日連続で正規の量の5倍の投薬をされ、著しい低血糖となり
>死亡した。

 これじゃ、意味不明。薬の種類がわからんし、記事から何が起こったのか、訴えが合理的かどうか判断できない。毎日の医療担当記者はそんな疑問を持たなかったのか?
 後、また出てくる「教授」。

> 病院側は直後に誤投薬を公表し、「研修医が別の薬と間違えた」などと
>過失を認めている。遺族は、業務上過失致死容疑で研修医らを警視庁に告訴
>している。【北村和巳】

 過失を認めたことと、死亡と薬剤過量投与に因果関係があるかどうかは別問題だろう。それを判断するための民事裁判なわけで。
 最後の告訴うんぬんも関係ないだろう。福島大野病院産婦人科医逮捕の再現を煽っているのか?!

 これが仮にも日本を代表する新聞といわれているところの記事だからね。
チェック機能が働いていないか、そうでないなら医療不信を誘導する意図があるか、そこまでして人目を引きたいか、ということでしょうな。

 あ、このニュースは結審までの経過を盛り上げるための煽りなのかな?!
「打倒、ワイドショー!!」ということかぁ!
もはやライバルは朝日・読売じゃなくてみの・オズラ・爆問ですか、毎日さん!
orz
(引用以上)

LTLT 2008/03/06 10:48 いつも思うのですが「医師数が少ない、OECD平均に達するまで10年かかる」は妥当なのでしょうか?
OECD平均の医師増加率を0%として10年かかるのであれば、日本はOECD平均に追いつくことはないのではないですか。
(医学の進歩とともに他国でも医師需要は増大するでしょうから)

YosyanYosyan 2008/03/06 11:04 LT様

 >「医師数が少ない、OECD平均に達するまで10年かかる」は妥当なのでしょうか?

公式報告である医師の需給に関する検討会報告書より引用します。

『現状の医学部入学定員で推移すれば、無職や保健医療関係以外の業務に従事している医師を除いた全ての医師数(医療施設以外の従事者を含む医師数)は、平成27年(2015年)には29.9 万人(人口10万対 237人)、平成37 年(2025年)には32.6万人(人口10万対 269 人)、平成47 年(2035年)には33.9万人(人口10万対 299人)となると推計される。また、医療施設に従事する医師は、平成27年(2015年)には28.6万人(人口10万対 227人)、平成37年(2025年)には31.1万人(人口10万対 257人)、平成47年(2035年)には32.4万人(人口10万対 285人)となると推計される。』

つまり20年後でも「現在」のOECD平均に追いつかない計算です。ちなみに現在行なわれている医学部定員増加策でも、この計算は半年早まるだけです。

tadano-rytadano-ry 2008/03/06 11:58 PCFM♂さま

 毎日がご丁寧に「教授」と書いたために、某巨大掲示板でこの教授の身元が割れていました。こういうのに対して責任は取らないんですかね。

ssd666ssd666 2008/03/06 13:04 まあ、そのころにはちゃんと医師数に見合った、OCED内での経済的地位に落ち込んでいる予定なので、なにも問題ないのです。
官僚はちゃんと考えていますよ。

僻地外科医僻地外科医 2008/03/06 15:19 >ssd666さん

>まあ、そのころにはちゃんと医師数に見合った、OCED内での経済的地位に落ち込んでいる予定なので、

 禿同w。ただし、その時には要求する医療水準も経済的地位に見合ったものにして欲しいですね。

ばっけみそばっけみそ 2008/03/06 15:24 日本の統計で医師数と言っても実働数ではなく医師免許を持っている人の数でありアメリカの場合は週20時間?以上働いていないひとは含まれないと講演で聞いたことがあります。家庭に入って主婦に専念していたり、ほかの仕事をしていたり、高齢で引退している医師を含めての人数です。せめてそういう医師を抜いて比較するか、そうでなければ引退した警官も含めて比較しないとおかしいのでは?

ssd666ssd666 2008/03/06 15:49 とりあえず、75歳以上の一般人には医療へのアクセスを制限します。
また効率の悪い地方の病院も、どんどん取りつぶす。
救急医療政策も頑張ってるふりの、エア救急で、問題は現場の人間の頑張りが足りないからとします。
こうやってgdgdでやってるうちに、団塊世代が絶滅して、人口が減り、人口あたりの医師数はぴったり勘定が合うようになります。
医療費の問題も、人口あたりGDP17位の国力が医師数27位の医療に見合ったものになるのは、そう難しい目標ではありません。

元ライダー元ライダー 2008/03/06 15:50 『つまり、医師の配置のバランスが悪いのだ。』
まあつまり、産経さんの大好きな「見えざる神の手=市場原理」に従って忠実に医師労働市場が形成されていることの証でもあります。
産経さんは規制緩和も大好きですから、強制配置などの規制強化を間違っても主張しないと信じています。

暇人28号暇人28号 2008/03/06 16:39 今回の診療報酬改訂では外来管理加算、開業医の再診料、後期高齢者医療制度にライトが当たっていましたが、かなり深刻なのは実は「障害者施設基準」の見直しなど、脳梗塞後遺症患者(寝たきり患者)に関してのものだと思います。

今後、長期入院は本当に出来なくなります。その理由は2つ
1 長期入院中の脳梗塞後遺症患者を在院日数に組み込まなければいけなくなった。(今までは組み込まなくても良かった)
2 入院日数90日超の後期高齢者の入院医療費が包括になった(入院基本料:9000円のみ)。

これで多くの医療機関で厚労省のいう「社会的入院」が減ることになります。かなりの病院が潰れることになるでしょう。家族も患者さんを家につれて帰らざるを得なくなるでしょう。本当に大変な状況になりました。

BugsyBugsy 2008/03/06 17:16 警察官として入職したばかりの人数から定年をむかえるまでの実働人数と 70歳を超えた御高齢でも現役で頑張っている医師や、医籍に登録してあっても実は死亡されても家族が登録の抹消をしてなかった人数をも医師数としてカウントしている人数を比較することはナンセンスの極みです。草稿を練っているうちに ふとした思いつきで書いたんでしょうな。やっぱり酒でも飲んでいたんでしょうか。

こんな文章を書く記者を入社試験で小論文でも書かせて落とせないのかと言いたいし、記事をデスクやら編集長やらの上の人間がチェックしないのかなあ?新聞の品位というのもあるでしょう。仕事にプライドを持てよと背中をどやしつけてやりたい。

この記事って注目を集めたいがためのツリということですか?久々に声を出して嘲笑いました。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/06 17:50
皆さん、ボロクソ書いておられますが、そんなに悪い論旨では、この産経のエッセイ、ないように思うのですが・・
シリーズのほかのを読んでも、どちらかというと医者に同情的で、医者からのメールを多く紹介して下さってもいるし。
医者と警察官の比較は、根拠はないですが、悪くはない。医者と警察官を並べることで、身を挺して市民の安全を守ってくれてるんだぞ、という暗示にもなっているし、警官に従うごとく、医者の言うことはよく聞きなさい、それがあなたの健康を守る最善手です、って暗喩してるようにも思えなくは無い。
理系頭だと、なんで警察官???ってなっちゃいますが、この辺が、マスコミならではの、文学的・情緒的構文なのだろうと、わたしは善意に解釈したいです。

PCFM♂PCFM♂ 2008/03/06 20:36 moto-tclinic 様

診療報酬改定 開業医も痛み分かち合え(産経新聞)平成20年1月20日
(Yosyan様がブログに反論記事を書かれています 
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080121 )
産経新聞2008.2.14 【主張】診療報酬改定 十分といえぬ勤務医対策
http://sankei.jp.msn.com/life/welfare/080214/wlf0802140321001-n1.htm

最近の社説で思いっきりミスリード記事を書いてる新聞屋がたかがエッセイでちょっとフォローを装った記事を書いても、誰も「ああ、この新聞社は本心から医療崩壊を心配してるんだなぁ」なんて思わないでしょう。
ツンデレもいいところです。

(もし、シニシズムとしてご投稿されたのだとしたらすいません、空気読めなくて)

立木 志摩夫立木 志摩夫 2008/03/06 20:38 tadano-ryさんが調べてくれた数字とOECDの医師数データから、各国の医師/警察官比がわかります。
数字の小さい方(医師が少ない方)から順に、イギリス0.78 アメリカ0.85 フランス0.94 日本1.0 ドイツ1.1 イタリア1.2ですね。
医者も少ないが警察官も少ないということで6か国中では中位ですか。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/06 20:53 いや、シニニズムってわけじゃないんですが・・
何でもかんでも医者叩き、マスコミ憎し、で盛り上がりすぎると、皆さんのストレス発散にはなるかもしれないですが、ここ読んでる一般のひとが「医者は了見が狭い」とか思いはしないかと気になって、フォローがてら一言書いてみた、ってことです。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/06 20:59 あと、相手の反感を買わずに、上手にこちら側に誘導する、あるいは、クレームをつける場合に、まず、相手の良いところを褒め称え、そのあとで、「こんなに良いこと書けるのに、この点の詰めがちょっとだけ足りない、残念!」ってもってき方のほうが、相手を育てることになると思うし。
ひょっとして、筆者がなんかの弾みで、ここ読みに来ないとも限りませんから。

卵の名無し卵の名無し 2008/03/06 22:36 >相手を育てる
人をみて法を説けとか、聞く耳のあるものは聞くがよいとかいう。縁なき衆生という言葉もあるわけで、医者が自分の限りある労力をマスゴミ教育などの無駄なことに浪費すべきではない。マスゴミがマスゴミや賎業といわれたくなければ他人に甘えず自分で努力すればよいだけ。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/06 22:56 いや、だから、これも一応書いといただけですから(^^;。
こーゆーコメント一つ二つ混ざってたほうがブログやコメント欄がオトナっぽく見える向きもあるじゃないですかー。とくに素人衆相手には。
そこらあたりは空気読んで、軽くスルーして突っ込まないで欲しいな(笑。

暇人28号暇人28号 2008/03/06 23:01 実は、私もどちらかというとmoto-tclinic先生の意見に賛成なんです。全体としてはまあ、まともな印象です。余計な一文をつけたから話がややこしくなっていますけれどもね。

今までのマスコミ報道がひどすぎたし、それを水に流して評価するのもしゃくに障るのですが、まあ、まともな報道に関しては素直に評価してもいいと思うのですが。

名無しさん名無しさん 2008/03/06 23:25  全体的な論調は、医師に対して同情的だと思いますが。。
 医師の偏在は現実問題として存在してるのは事実でしょうから、個人的には、国公立系の勤務医について、プロ野球のドラフト的に勤務地や専門科について、バランスがとれるように割り振るとか、人が嫌がる勤務地や専門科の給料を他より高くするなどの措置を取ってもらいたいと思います。

スクープ(笑)スクープ(笑) 2008/03/07 00:49 思い切って取材(笑)
頑張った記者への御褒美(笑)
ツンデレ記事で医師の気を引いちゃえ!(笑)

暇人28号暇人28号 2008/03/07 06:47 煽り的な発言は放っておいて....

最近思うのですが、記事にもあるとおり、偏在があるのは事実であり何とかしなければいけないのですが、国・マスコミ・国民が提示する解決方法がむちゃくちゃなんですよね。

水が高いほうから低いほうに流れるのと一緒で、医師が流出元の待遇が劣悪であるからまともな待遇の流出先に流れています。じゃあ、流出元の待遇を改善したら良いのですが、実際には流出先の待遇をより劣悪にすることで流出を抑制しようとしています。

もうやる気なくなりますね。私もいっそのこと臨床医から足を洗おうかなあ。

Med_LawMed_Law 2008/03/07 07:56
ずっとグーで殴られてたのに、今回はパーで叩かれた。
これは相手に対する配慮の表れであるとして評価してよいってか?!

弩M?

暇人28号暇人28号 2008/03/07 08:21 Med_Law 様:

彼ら(新聞記者)は「同情的に書いた」と思っているのではないでしょうか。しかし、受け手がそう捉えるかは別ですが....
「書き物のプロ」を自認するのならもうちょっとまともな記事を書いてほしいものですけどね。もちろん、医師数と警察官を比較して数の多閑を判断するのは愚の骨頂なんですけどね。

koma koma  2008/03/08 20:10 記者が勤務医に対して同情を持っているかどうかは、記事や新聞社の価値を測る上で全く関係のない話だと思うのです。
大淀病院の事件においてあれだけ毎日新聞が非難されるのは、
明らかに医師・病院に対し剥き出しの悪意を表しているから、である以上に
記事の伝える事実に誤謬があること、
さらに記者が認識した「事実」を読者に「ストーリー」として伝える手法が
あまりに論理と客観性を欠いたものだったことが理由ではないでしょうか。

仮にマスコミに、今後も今のような形で存続する価値があるとしても、
必要なのは
「弱きを助け強きをくじく、理屈より情、時には思い込みでも果敢に自分の思う道を表現する」正義の記者などではありません。
医師を憎み忌み嫌おうとも病院非難の記事を書こうとも、十分な論拠を持って仕事をする記者の方がはるかにましです。
(私としては、この記者がそれほど医師に同情的とは思わないし読者は「ああ、楽な分野から医師を移動させれば解決するんだな」と結論づけて終わる気がしますが)
ネット上でこそ新聞記事なんてmoto-tclinic 様のように「大人の態度で」見守ってあげてもいい、程度のものですが、社会での影響力と責任はそれなりにあるはずです。
非難すれば記者の質が上がるというわけでもないでしょうが、少なくともこの類の記事が当たり前に流通する状況で子供の教育に関わるべきではないし、紙面上で「報道」部分と「垂れ流し感想文」の区別がきっちりつくようにして欲しいと思います。

2008-03-05 GBMの時代

3/1付読売新聞より、

事故負傷男性死亡、病院に1100万円賠償命令

 交通事故で負傷した京都市の男性(当時57歳)が搬送先の京都医療センター(京都市伏見区)で死亡したのはセンターが適切な処置を怠ったためとして、妻ら遺族3人が、センターを運営する国立病院機構(東京都)に約7600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、京都地裁であった。井戸謙一裁判長は「手術が遅れていなければ、生存できる可能性があった」として同機構に1100万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性は2005年2月21日、上り坂でトラックと別の車に挟まれ、同センターに搬送された。翌日朝、外傷による心臓の異常が見つかり、手術を受けたが、10日後に死亡した。

 井戸裁判長は判決で、異常が判明した約1時間後に男性がショック状態になったのに、人工呼吸などに手間取って手術開始まで約30分かかったと指摘し、「ショック状態になった際、何よりも優先して手術するべきだった」と述べた。

 同センターの村田庄司事務部長は「判決内容を確認し、今後の対応を決めたい」としている。

記事情報だけで云々するのは問題があるのですが、判決文が公開されるかどうかは運次第ですから、この記事から情報を拾います。事件の発端は交通事故です。

上り坂でトラックと別の車に挟まれ

どうやら多重衝突で間に挟まれたようです。被害者の京都市の男性(当時57歳)はお気の毒としか言い様がありません。当然のように病院に搬送されていますが、

翌日朝、外傷による心臓の異常が見つかり

どうも搬送直後には致命的な傷害が見つからず経過観察になっていたようです。それが事故翌日になって「心臓に異常」が見つかったとなっています。見つかったのは翌日検査らしく

異常が判明した約1時間後に男性がショック状態

少なくともなんらかの画像検査で心臓に異常が見つかってからショック状態に陥るまで「約1時間」あった事がわかります。ここからの判決文が果たして原文をどれだけ正確に反映したのか疑問を持たれている個所ですが、記事では、

ショック状態になった際、何よりも優先して手術するべきだった

ショック状態になってから手術までの時間も記事に書かれており、

人工呼吸などに手間取って手術開始まで約30分かかったと指摘

仮に記事を信用するなら症状の経過は、

  1. 検査で心臓に異常を発見
  2. 発見1時間後にショック状態となる
  3. ショック治療に30分
  4. 手術

あくまでも記事内容からですが、心臓に異常を発見してからショック状態になる約1時間については問題は書かれていません。あくまでもショックが起こってから手術までの時間が30分必要であった事を問題にしているようです。本当に事実認定がそうであったかどうかですが、2/29付京都新聞も引用して見ます。

搬送後死亡、1100万支払い命令 京都地裁

 交通事故で救急搬送され、国立病院機構京都医療センター(京都市伏見区)で治療を受けた男性=当時(57)=が死亡したのは、医師が適切な治療を怠ったためとして、同市の遺族が同機構に約7600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、京都地裁であった。井戸謙一裁判長は医師の処置が遅れた過失を認定し、「死亡との因果関係はないが、死亡時になお生存していた可能性を奪った」として約1100万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性は2005年2月に交通事故で京都医療センターに搬送され、外傷による心臓の循環異常のため、10日後に死亡した。

 遺族は、搬送後の早い段階で心臓にたまった血液を取り除く義務があったと主張したが、判決は「ショック状態になった時点」で義務が生じたとし、約30分措置が遅れた過失を認めた。井戸裁判長は「過失がなくても救命の可能性が高いとは言えないが、延命で日常生活に復帰できた可能性もある」とした。

 京都医療センターの村田庄司事務部長は「判決内容を確認し、対応を決めたい」としている。

ここでは読売記事よりもう少し具体的に注意責任義務が書かれており、

判決は「ショック状態になった時点」で義務が生じたとし

さらに

遺族は、搬送後の早い段階で心臓にたまった血液を取り除く義務があったと主張したが

やはり遺族側は早期発見の遅れやショックの1時間前からの手術を主張したと推測されますが、それを退けてショック発生時からの手術の遅れを注意責任義務として認定したと考えて良さそうです。

ここで遅れと言っても「30分」です。記事にある「心臓に血がたまる」は心タンポナーゼかと考えますが、救命救急センターと言えども「30分」で手術できたら遅くないと思いますし、これ以上の短縮となると20分とか15分と言う単位で手術が必要となります。まさか5分でせよと命じているのでしょうか、しかもショック状態の患者をです。

ここまで来るとJBMはもう時代遅れと感じざるを得ません。JBMレベルなら患者に不利益があろうと手出しをしない、あるいは逆に過剰な検査で訴訟から身を守ろうという基準でしたが、今回のようなケースになるとそんな生温い対応では対処できません。時代は超JBMに突入したと考えて良さそうです。すなわち、

    GBM(God hand Based Medicine)

JBM時代でも司法の要求は「神の領域」だの批判がありましたが、GBM時代になると神そのものである事が要求されます。その神も人間臭い八百万の神々がいる世界ではなく、一神教の絶対神のような完全無欠、無謬の存在です。神の御手の業ならば人間からは奇跡と見える事も日常茶飯事であり、そもそもミスなるものが前提として存在しなくなります。

問題はそんな医師がどれだけいるのか、いやそもそも世界に存在するかの問題になります。もし一人でも存在していても、すべての傷害や病に対して対応できるのかは疑問です。私の知る限り神そのものの医師は一人も知り合いにいません。

通行人通行人 2008/03/05 08:19 日本には神様八百万いますからねぇ。
医師不足も一気に解消ですね!

峰村健司峰村健司 2008/03/05 08:39 GBMというか、GBJ (God hand Based Judgement)ですねこりゃ。誰かが「このままではヤバイ」と考えても、司法は検察と違って上意下達が浸透しないので、まだまだこういうトンデモ判決が出続けるでしょうね。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/05 09:48 急変時にはABCの順に対処が常識なので、気道・呼吸から診るのは妥当だと思うのですが、「人工呼吸などに手間取って」ということは、挿管とか試みられたのでしょうか?それにしても、この場合の、ショックの原因として、心タンポナーデのほかに、緊張性気胸・血胸・腹腔内出血・心破裂くらいは、わたしですら、すぐに考えます。鑑別には、最低FASTは必要で、一般病棟だとしたら、30分で対応→心のう穿刺または開窓術は、素早いと感じます。挿管もやっちゃいけないというわけじゃなく、FAST準備までに並行して進められたということなら拍手ものです。

昨日気がついたことなんですが、外傷初期診断シムのJATEC
http://www.jtcr-jatec.org/jatec_stu_sche.html
東京開催分だけ見ると、1月→2月→3月→4月と、微妙に応募者が減ってるんですね。定員開催が頻回になって溜まっていた応募者がへりつつあるという喜ばしいことなのか、若手が救急をシムといえど敬遠しはじめているのかどちらなのだろうか?・・

前になんちゃって救急医先生のところで、肺梗塞が話題になったときに判例調べてみたんですが、肺梗塞と確定診断ついて治療もなされたケースでは医療側敗訴で、なんだかわからないけど突然死で、患者遺族側が肺梗塞だった、と推定して訴えた場合は患者側敗訴のことが多いんですね。
この場合も、心タンポ確診つけたことが、かえってあだになってたりしたら嫌な話です。

nyamajunyamaju 2008/03/05 09:54 井戸裁判官の意図は、救急は止めろなんですよ。
どうにか実現可能なレベルのハードルを提示すると
ほとんどの医師が誤解してバカな努力を行うので
誤解しないよう、あえて非現実的なハードルを提示なさったのでしょう。
井戸裁判長に感謝しつつ、Let’s逃散。

uncologistuncologist 2008/03/05 10:02 一億総グリブラ時代ですか・・・。日本オワタ。

rijinrijin 2008/03/05 10:42  独法化されたとは言え、国立病院機構の病院での話です。

 今後は行政処分が強化され、処分対象が民事敗訴等も含まれるようになり、また医療専門職個人だけでなく医療機関も行政処分の対象になります。

 国立病院機構には本省からキャリアや医系技官が定期的に出向しています。(…記事中の村田事務部長の名前は存じ上げません。機構の生え抜きかも知れません。)自分たちで自分たちに行政処分を下すというナンセンスに、どこまで付き合ってくれるのでしょうか。

 控訴・上告は当然でしょうが、判決確定後の行政処分が見物です。

YosyanYosyan 2008/03/05 10:45 moto様

「心臓の異常」ないしは「心臓に血がたまった」がどういう病態であったかは記事には明記されていません。術後10日は生存されていたようなのと、30分で手術に取りかかれたので心タンポナーゼではないかと推測しています。

それと患者の入院後の容態の情報が無いので、ICUにいたのか一般病棟にいたのかも分かりません。可能性としては遺族が訴えるぐらいなので、比較的安定していて一般病棟にいたかもしれません。それこそ「朝は話もできたのに」パターンのように思います。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/05 11:06 Yosyan様
記事からは心タンポっぽいとわたしも思います。わたしが書きましたのは、交通外傷翌日に、急変・ショックとして、その時点で何を原因として考えるか?という意味ですね。

BugsyBugsy 2008/03/05 11:54 God hand Based Medicine
というより
Hospital in heaven based medicineでしょう。
どこか山の彼方の虹のむこうに そんな病院があるんだと信じてるんでしょう。
たぶんそこには神様のような医師が治療をしてるんでしょうよ。

天国でないところは、どこでも地獄。
Hell is wherever heaven is not. 
つまり現世の病院はどこでも地獄。

レノンレノン 2008/03/05 11:58 Yosyan先生、こんにちは。
またトンでも判決が出ましたね。病院は当然控訴すべきでしょう。
小生、JATECで心嚢穿刺のブースを担当しています(ひょっとしてmoto先生にお会いしてるかも)。受講者に「今までに心嚢穿刺を経験した事がありますか?」と質問するのですが、自分で実施した人は10%、見た人が30%程度です(受講される先生方は救急医療に興味を持たれている方がほとんどなのでこの数値は医師全体のデータより高いと考えます)。
僕が申し上げたいのは、まだ心タンポの診断、処置は医師に求められる標準レベルの医療ではない、ということです。だからこそ我々は心タンポの診断と応急処置を学んでいただいているのであり、標準医療となった時点で我々の使命は終わります。
後出しジャンケン的な厳しい見方をすれば、今回の事例はベストでなかったかも知れません(でもかなり高度なレベルだと思います)。だからといって医療過誤である、というのは論理に飛躍があります。
イチローが3割しか打たなかったからといってクビにはなりません。
それと疑問に思うのは、この裁判ではどのような医療専門員のアドバイス(知識提供)があったのでしょう?

暇人28号暇人28号 2008/03/05 12:30 レノン様:

私は循環器専門医なのですが、それでも、自分で心嚢穿刺をしたことがないです。実は私の周りでも循環器専門医で穿刺したこと無い人間が結構居ます。心外や放射線科の先生にお願いしていました。


話が変わりますが、本日官報が出たようですが、外来管理加算、なにやらきな臭いですね。
某巨大掲示板より

イに規定する診察に要する時間として、医師が実際に概ね5分を超えて直接診察を行
っている場合に算定できる。この場合において、診察を行っている時間とは、患者が診
察室に入室した時点を診察開始時間、退室した時点を診察終了時間とし、その間一貫し
て医師が患者に対して問診、身体診察、療養上の指導を行っている場合の時間に限る。
また、患者からの聴取事項や診察所見の要点を診療録に記載する。併せて、外来管理加
算の時間要件に該当する旨の記載をする。

本当にやる気なくした。

ssd666ssd666 2008/03/05 13:22 えー、放射線科に振られてもなぁ・・・。
自慢じゃありませんが、ボスミン心注(オイ)はやったことありますが心嚢穿刺は一件もありません。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/05 13:28 レノン様

もしお会いしているのだとすれば、たいへんお世話になりました。有難うございました。お忙しいところインストとして参加されている先生方には心から頭が下がります。わたしのころ(S59卒)は、あのような(JATEC)素晴らしい教育システム無かったです。いまの先生方は、その点だけは本当に恵まれていると思います。

こんど、奈良のときに、テスト生として参加します。ほんとうは、受講生として再度参加したいのですが、2回の受講はできないみたいですね・・ACLSは複数回受講可能で(もう2回受講しました)今後も半年に一度のペースで各地のサイト巡りしようと思っています。
PALSも、わたしは小児集中治療研究会のほうで受講しましたが、ACLS協会のほうでも始まったようで、
http://acls.jp/course/acls_course.php?inf=pals2005
こちらも、サイトを変えてもう1〜2回受講したいと思っています。
ISLSも面白かったなあ。若い先生方が、医者・看護師・PTといった垣根を越えて、チーム医療のシムに取り組んでいる姿を見るのは、暗い話の多い中、希望を感じさせて嬉しいです。その中に混ぜていただけるというのは、わたしにとっては万金の価値があります。

産科救急なども、欧米のALSOが導入されて、医師以外でも受講できるようになれば、脳性マヒのリスクなども正しく認識されて、もう少し世間の理解も得やすくなると思うんですがね。
もっとも、今回の心タンポのように、変に厳しく解釈される材料にもなりかねませんが・・
紆余曲折はあっても、人間の世の中は、正しい方向へと少しずつでも是正されていくものだとわたしは信じたいです。。

僻地外科医僻地外科医 2008/03/05 13:50  胸部外科教室出身でずっと1.5〜3次救急(名称だけは2〜3次ですが)に携わってる私でも心嚢穿刺はエコー下、非エコー下で各1例だけです(ま、田舎救急だけどさ)。しかも、どっちも救命出来なかったし。そもそも心嚢穿刺は事例がそんなに多くないですもん。
 今後いくら年数を重ねても標準的医療にはなり得ないんじゃないでしょうか。

BugsyBugsy 2008/03/05 14:25 裁判では真実を究明するというより 原告になった患者家族を救済することに主眼がおかれて国立病院機構に税金で弔慰金を肩代わりさせたのかなとも考えます。
1100万円の支払いとなると 57才男性の将来の逸失利益をカバーするというのは含んではいないでしょうね。
三次救急にもいましたが 心嚢穿刺なんて滅多にあることじゃありません。開胸心マッサージもありますが あれはダメもとでもここまで頑張りましたという儀式のようなものだった印象があります。
しかしながら術後10日後に死亡したのが 手術の取りかかりが遅いせいだということですが「延命で日常生活に復帰できた可能性もある」と言われれば、どんな外傷でも万分の一の可能性はありますわいな。それを言っちゃ終シメーよ。議論になりませぬ。

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/05 14:31 井戸判事が医療紛争以外にも物議をかもす判決をいくつか行った、「名物判事」であることは業界ではよく知られているが、(いつもの通り)鑑定医がどのような判断をしたのかが分からないと、闇雲に判事だけを批判できない状況にあると伝え聞く。
 また通常、交通事故の場合は損保会社に請求が行くため、病院が紛争に巻き込まれることはあまり無いのであるが(診断をめぐって病院と損保会社、交通事故被害者と損保会社がもめることは多い)、任意保険の状況は報道されず。

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/05 14:41 暇人28号 様
診察待ち時間が大幅に長くなっても、責任転嫁できるようになるのです。そして受付時間と最低診察時間から総外来患者数が求められますから、先着×名様まで診察とすればよいのです。枠から外れたがどうしても当日中の診察を希望する場合は自費診療で。某巨大掲示板より。

うっしーうっしー 2008/03/05 14:46 開胸・直視下でのドレナージ試行をされようとしたのでしょうか? 
エコー下での心嚢穿刺をせず開胸を選んだ時点で、なにかあった際、今の世の中は負け戦です。しかし、ショックから挿管・診断・準備・開胸と30分は十分早いと思いますが、外科の先生方はどう思われるのでしょうか?
ところで、心タンポによる心嚢穿刺ですが、一般内科の自分でも毎年1-2例あります(穿刺は循環器Drに依頼しています)
そんな入院患者・救急患者の来るうちの病院がおかしいのかなぁ。

ああ播磨だなああ播磨だな 2008/03/05 15:15 井戸判事を擁護しているわけではなく、鑑定医が「俺ならこれぐらいできる、できないやつは医師失格」と証書を提出する事があとを絶たないため、念のため。
医療だけでなく全業種にわたり、特に専門知識が要求される分野ほど鑑定人の自尊心が強く出る傾向にあると言われている。

YosyanYosyan 2008/03/05 15:34 ああ播磨だな様

鑑定書は運がよければ判決文に引用されていますが、そうでなければ裁判所に閲覧するより手段がありません。光明神鑑定が有名になったのは、裁判所以外のルートである被告・原告側のうち、原告側が正義の証としてweb公開してくれたためです。

おそらくと言うか確実にですが光明神クラスの鑑定医は相当いると考えて良いかと思います。とくにこれだけ医療訴訟が医師に注目されるようになっても堂々と行なっているならまさに確信犯です。あぶり出したいですが、手段がないのが厳しいところです。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/05 15:49 >うっしー様

「受傷翌朝に異常が判明して1時間後にショック」ですから、前日には無かった心のう液貯留が朝には認められて、徐々に増大してショック、でしょうか?
持続あるいは再出血だとすると、鈍的心損傷によるタンポナーデで、開胸して止血しかない、ってことは考えられないですか?

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/03/05 16:13</