新小児科医のつぶやき

2008-04-10 2000件から考える

4/4の参議院厚生労働委員会で行なわれています。これを僻地の産科医様が文字起こしされましたので昨日は警察の「謙抑的」に対する公式見解を紹介しました。今日も質問者は民主党の岡本充功氏ですが、答弁に立ったのは厚生労働省の外口崇医政局長です。

岡本委員

     報道によると調査対象となる対象は年間約2000件くらいではないかといわれておりますが、実際の医療安全調査委員会委員の構成の人数、それからそのバランス、こういったものはどのように考えられているのでしょうか。また調査チームとして何チームくらい予定されているのかお答えいただきたい。

三次試案の事故調の構成は

委員会は、中央に設置する委員会(医療の安全を確保するために講ずべき再発防止策の提言を主目的とする委員会。)、地方ブロック単位に設置する委員会(調査を主目的とする委員会。以下「地方委員会」という。)及び地方委員会の下に事例毎に置かれる調査チームより構成することを中心に検討する。

まとめると

  • 中央に設置する委員会
  • 地方ブロック単位に設置する委員会
  • 地方委員会の下に事例毎に置かれる調査チーム

この3つの人員構成は、中央委員会と地方ブロック委員会は、

中央に設置する委員会、地方委員会及び調査チームは、いずれも、医療の専門家(解剖担当医(病理医や法医)や臨床医、医師以外の医療関係者(例えば、歯科医師・薬剤師・看護師))を中心に、法律関係者及びその他の有識者(医療を受ける立場を代表する者等)の参画を得て構成することとする。

これもまとめると、

  • 医療の専門家(解剖担当医(病理医や法医)
  • 臨床医、医師以外の医療関係者(例えば、歯科医師・薬剤師・看護師)
  • 法律関係者
  • その他の有識者(医療を受ける立場を代表する者等)

調査チームも同様としていますが、調査チームはさらに補足があり、

調査チームは、関係者からの意見や解剖の結果に基づいて、臨床経過の評価等についてチームとして議論を行い、調査報告書案を作成する。調査チームのメンバーは、臨床医を中心として構成し、具体的には、日本内科学会が関連学会と協力して実施中の「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」(以下「モデル事業」という。)の解剖担当医2名、臨床医等5〜6名、法律家やその他の有識者1〜2名という構成を参考とする。

これもまたまとめると、

  • 解剖担当医2名
  • 臨床医等5〜6名
  • 法律家やその他の有識者1〜2名

そうなると調査チーム一つにつき必要な医師数は、

    解剖担当医2名、臨床医等5〜6名の計7〜8名の医師が必要

解説が長くなりましたが、この三次試案のメンバー構成を踏まえた上での岡本委員の質問は、想定される2000件の調査に何チーム用意して調査に当るかの質問です。

外口崇医政局長

     委員会の構成でございますけれど、中央の委員会、地方の委員会、そしてその下の調査チームとそれぞれ同じようなバランスになるかと思うのですが、これは今やっているモデル事業のメンバーの構成と大体似通ったものとして、たとえば医療の専門医である解剖の担当医(病理・法医)それから臨床評価を行う医師、さらに法律関係者やそのほかの有識者としてたとえば医療を受ける立場を代表する人と、こういった組み合わせのバランスになっております。人数についてですが、中央の委員会、地方の委員会、審議会のシステムに関する指針にもありますので、一定の制限等はありますが、先ほどの2000件という推定からすると延べにすれば2000人は超えてしまいます。もちろん、全部別々ではないのですけれど、それでもやはりある程度の人数の確保が必要となります。この件については現在つめているところです。

この答弁ですが三次試案と相違した内容が行なわれています。

    先ほどの2000件という推定からすると延べにすれば2000人は超えてしまいます。

「延べ」という表現なら明らかに間違っています。2000件に対し「延べ」2000人超なら、調査1件につき医師が1人ほどになります。しかし三次試案には調査チームのメンバー構成が書かれており、これからすると、

    「延べ」必要医師数は解剖医4000人、臨床医10000〜12000名の計14000〜16000人程度

日本の医師数統計は曖昧な部分が多いですが、総数で25万程度とされ、そのうち勤務医が16万人、開業医が9万人程度とされています。事故調調査に従事する医師はまず開業医では無理です。突然かつ長期の調査に従事すれば診療所経営が破綻します。そうなると勤務医からになりますが、1万6000人といえば全体の約1割が動員されることになります。

ここで2000件といえば、月平均167件です。1件の調査に2ヶ月必要として(モデル事業は3ヶ月ぐらいだったかな?)、専属チームで333チーム必要です。3ヶ月なら500チーム必要です。そうなると、

  1. 調査2ヶ月:解剖医666人、臨床医1665〜1998人
  2. 調査3ヶ月:解剖医1000人、臨床医2500〜3000人

これは専属チームにしての最低見積もりです。調査2000件で「迅速」に対応するにはこれだけの医師が最低必要です。これは余りに膨大なので、

全部別々ではないのですけれど、それでもやはりある程度の人数の確保が必要となります。

「全部別々ではない」していますので、一つの調査チームが複数の案件を抱える事を想定していると考えます。同時進行で複数の案件を調査するとし、調査1ヶ月167チームで計算すると、

    解剖医334人、臨床医835〜1002人

この想定は常に2〜3件以上の調査を抱えているものとなります。臨床医は調査がまだ可能としても、解剖医がそこまで対応できるかに疑問を感じます。解剖医2人一組で解剖件数は月1件ですが、これが可能かどうかは私にはわかりません。処理能力として月1件が専属だから可能としても、解剖医の数が問題となります。データによると、

  • 病理医数:1928人
  • 法医解剖に関わる医師数

    • 大学法医学教室に所属している医師数:253人
    • 法医認定医:119人
    • 死体検案認定医:87人

法医の実戦力数はわかりませんが、病理医数1928人に対しては、暴利医様から、

いつも言うことですが、病理専門医1900人強と言われていますけれど実働病理医数はもっと少ないです。多くの「教授」は解剖は大切だと外には言いつつ自分は執刀しませんし(大変だから)、現場を退いた病理医、検査センター専属の病理医、剖検の無い施設で働く病理医も少なからずいます。しかも病理医こそ偏在ぶりがかなりひどくて、東京都には362人いるのに、十人に満たない県もあります。まあ、かくいう私も東京へ逃げ込んだ?一人ですが。

http://jsp.umin.ac.jp/public/board-certified.html

ですので、事故調が機能するとしても大都市だけになるでしょう。東京を基準に考えるとすべてがピント外れになります。監察医制度だって東京大阪以外ではほとんど機能していないとのことですし。まあ、恐らく東京でも苦しいでしょうけれど。

それと解剖ができるからといって病理医も法医もゴッチャにしていますが、これも暴利医様から、

解剖医といっても、法医と病理じゃ解剖の手法や視点がまったく違います。我々病理医には法医解剖はできませんし、逆に法医の先生は病気のことをあまり知りません(むろん例外はありますが)。

ですのでこの両者が同じ仕事をシェアするのであれば、相互トレーニングが必要です。でもそんな時間があるのか、誰がそれを調整するのか、そして誰が指導するのか、こういう本質的な問題をまったく無視して話が進むので、けっこう驚いています。

病理医の数も非常に不足していますし、病理が動かないと癌治療に重大な支障を来たします。そこから334人も引き抜かれたら現場はどうなるかはすぐに想像がつきます。もっとも臨床医だって不足していますから、専属で1000人も引き抜かれたらどうなるか、考えただけでもゾッとします。

調査チームスタッフ確保も難しそうと思うのですが、その上部機構である地方ブロック委員会や中央委員会も大変そうです。年間2000件、月167件ですから、全国を10個のブロックに分け、どのブロックも均等の調査件数があったとして月に16.7件。地方ブロック委員会が実働20日とすれば、1日当たり0.84件の処理が求められます。おおよそで言えば1日約1件の調査報告をまとめる必要があります。

地方ブロック委員会の1日1件もきつそうに思うのですが、中央委員会はそれが全部集まりますから、1ヶ月に167件、1日あたり8.35件の報告が求められます。1日8時間働くとして、1時間当たり1件弱(0.84件)です。1日1件程度の処理にするには中央委員会も地方ブロック委員会と同規模の内容が必要になります。中央委員会、ブロック委員会および調査チームのメンバーは普通に考えて重複しません。これは解剖医も臨床医も同様と考えるのが常識的です。地方ブロック委員会や中央委員会の具体的な医師の数は記載されていませんが、調査チーム並とすれば20チームは必要ですから、

    解剖医40人、臨床医100〜120人

これだけ動員すれば地方ブロック委員会も中央委員会も1日1件弱の処理で仕事が行なえます。しかし1日1件弱も実際のところ処理できるのか正直なところ疑問です。会議がどんなに紛糾してもその日のうちに終わらないと仕事が降り積もります。

ところが私は遠慮して地方ブロック委員会の規模も中央委員会の規模もかなり小さめに設定しましたが、外口崇医政局長はこう答弁しています。

中央の委員会、地方の委員会、そしてその下の調査チームとそれぞれ同じようなバランスになるかと思う

ゲッ!、事故調には一体何人の医者が必要になるかという事になります。私の調査チーム試算を単純に3倍すると、

    解剖医1002人、臨床医2505〜3006人

それでもって外口崇医政局長の答弁は、

    この件については現在つめているところです。

もう三次試案で国側は最終試案にしたい腹積もりのようですが、この件については「考えていない」と言うことのようです。

麻酔科医麻酔科医 2008/04/10 08:49 これでは、行列が出来てしまって、「なんで待たされるんだ、ゴラアァァというご家族が警察に駆け込んで、ますます,刑事で処理される道が強まるでしょうね。
だって、制度設計がそうなっているんですから。
そこまで考えて、医師撲滅、先端医療撲滅、医療費削減を考えているなら厚労省すばらしい。
昨日のエントリーとよく連携していて、感心してしまいます。

Med_LawMed_Law 2008/04/10 08:59
この事故調に先立つ、
「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」
http://www.med-model.jp/
ご照覧ください

一例を解析するのにどれ位の人が、どれ位の時間を掛けて行われたか、具体的に分かります

「本事業は平成17年9月1日より事業を開始し、平成20年2月26日現在、モデル事業対象地域より計63の事例を受け付けました。そのうち45事例の評価を終了し、関係者の同意を得られた35の事例について、その概要を公表いたします。 」
とありますから、63の事例のうち、18事例は解明がまだ進んでいないことになります。

この事業計画が非常に廉価だったのは、これが”モデル事業”であり、研究の一環と割り切った医療関係者、法律関係者の意識だったからです。
もし、これが業として、日常業務に組み入れられるのであれば、相応の手当てをしないといけません。
大学病院は、もはや国立ではなく、司法業務の押し付けは強制できないでしょう

取捨選択する余地がなく、単なる申請式にすべてを受けるとすれば、簡単に破綻します

大風呂敷を広げた後、どうやって回収するというのでしょう????

YosyanYosyan 2008/04/10 10:23 当たり前の話ですが、本当にそうなるかは別にして2000件を想定したら2000件を処理できるシステムが必要です。2000件は毎年、毎年発生するわけですから、処理能力が2000件以下なら未処理件数が累積していきます。累積とは届出をしても報告がいつまでも行なわれない状態が果てしも無く長期化するということです。

また事故調試案はあくまでも解剖を前提にしています。解剖をするというのは医学的には正しいのですが、これは絶対に早期に行なわなければなりません。2ヶ月も3ヶ月も霊安室で保存と言うわけにはいかないと考えます。そういう事はそれこそ遺族感情が許さないと考えますし、いかに霊安室でも遺体の変質は避けられず真相究明に支障を来たします。

 >大風呂敷を広げた後、どうやって回収するというのでしょう????

机上で「漏れなく」を最優先して試案をまとめたのでしょうが、現実の医療の戦力は生きている患者の治療にも不足しています。この状態で死者の調査に大きな戦力を割けばどうなるか?この視点が無いと絵に書いた餅になるのではなかは、杞憂ではないと思います。

暇人28号暇人28号 2008/04/10 12:28 そういえば、大学のCPCの準備を思い出すなあ。資料を準備するだけで1−2週間も徹夜しなければいけなかったなあ。あの当時は無給でしていましたが、あれと同じ事をするんでしょ?どれだけの労力とお金が必要なんだろうか。

制度の運用方法はどこをとっても非現実的だよなあ。そして、実際に運用開始して何か不都合があれば全て「現場が悪い」と責任をなすりつける。今回は特に「医者のために作ってやってんだぞ、有難く思え」との政治家・お役人の皆様の有難い思し召しがありますから、もしうまくいかなかったら、「せっかく作ってやったのに何やってんだよ〜。お前らがちゃんとしないからいけないんだよ」ってされるのは目に見えています。


結局今の医療制度がどこをとっても資金不足なんだよなあ。

暴利医暴利医 2008/04/10 14:02 モデル事業での剖検報告書作成にかかる時間については三上藤花さまのところでコメントしたことがあるのですが、昨年の段階で病理学会の支部会で聞いたところでは、「目標は六ヶ月ながら会合の日程調整が障壁となっていることもあり平均八ヶ月かかっている」とのことでした。別の会合で、最短でも三ヶ月という話を聞いたこともあります。(いずれも口頭のみで、文書化はされていないはず)

監察医のような専任ならともかく、通常業務の傍らにやらざるを得ないので、ミーティングの日程調整など考えると、やはりそんなに早くはできないと思います。症例にもよるでしょうが。

Med_Law さま
> この事業計画が非常に廉価だったのは、これが”モデル事業”であり、研究の一環と割り切った医療関係者、法律関係者の意識だったからです。

モデル事業の際は、額の詳細は知りませんけれど、補助金がそれなりの額出ていたようですので、そんなに廉価ではなかったのではないかと思います。むろんモデル事業が終わったあとにそれがそのまま継続されるとは到底思えません。

Yosyan さま
> 2ヶ月も3ヶ月も霊安室で保存と言うわけにはいかないと考えます。

ご指摘の通りだと思います。一日くらいなら冷蔵機能付き霊安室に置くことができますが、それ以上置いたらautolysisが進むので、診断上支障をきたす可能性があります。血管に穴が空いているかどうかくらいの検討なら、一週間くらい経ってからでも可能だとは思いますが、それでも一ト月も保存すると厳しいかも。そもそも保管のスペースがないので無理でしょう。ただし、いったんホルマリンに固定してしまえば、その後の検討は一年後でもあまり問題にならない場合が多いと思います。

病理解剖全般に言えることですが、結局マクロ勝負なんですよねえ。肉眼で九割方結論が出る。だから、執刀者はそれなりのレベルの人間がやらないと、臓器は取り出したけれど何が何だかわからなくなった、ということになりかねません。

なお、現場から病理医が専属で引き抜かれる状況を危惧されていますが、それはないと思います。件のモデル事業でも、当該施設にそれ専門のために通常業務を離れた病理医が確保されていたわけではなく(そんなことは不可能)、ふだんの業務にプラスして剖検業務を行っていたはずです。引き抜かれはしないが、負担増は必至でしょう。特に医療ミスか否かなどというデリケートな症例になるほどベテラン病理医の動員が求められますので、負担が増えるのは間違いないはずです。

この事故調の解剖がプライベートな場で話題になったとき、顔をしかめなかった病理医は私のまわりには一人もいません。本音では、ほとんどが負担増を恐れています。

三上藤花三上藤花 2008/04/10 14:08  あ。パブコメを兼ねてブログでねちねち突っ込もうと思っていたことを先越されてしまいました。
 仕方ないのでブログ記事化はあきらめて、僭越ながらデータ面の補足をさせていただきます。不要でしたらスルーして下さいませ。
 (…と思って下書きを書いていたら暴利医先生にも先越された!)

 まずは最新の病理専門医数は平成18年度で1996人になったようです。専門医平均年齢は50歳代だと言われていますが、そのソースは知りません。日本病理学会の会員数が学会HP(会長挨拶)では約4000人とされていますが、実数はどうやら3305人のようです。かなりの数の大学院生が含まれており、実際の病理医は2905人だそうです(専門医含む)。法医のほうは付け加えるだけの情報はないです。

 それから、病理学会が学会認定施設・登録施設(ざっと数えて全479施設)に対して新制度の参加についてアンケートを行っているのですが、参加可能:61%、臨床立会医の対応可能(予想):31%、一施設あたり解剖可能な件数/年:2.5件、当番可能な日数/月:4.1日、他施設への出向可能62/205施設だそうです(ソース:http://jsp.umin.ac.jp/bulletin/pdf/KAIHO240_0208.pdf)。
 2.5×479=1197.5ですので、のこり800件あまりがだぶつく計算になります。

 それと、モデル事業での最終報告までの平均所用期間は8ヶ月(最速3ヶ月)という報告が病理学会の関東支部会であったらしいということを付け加えておきます(ソース:http://symposium.b-r.under.jp/?eid=723879 ←うちのブログのコメントです。我田引水申し訳ありません)。
 言いたいことは沢山ありますが、こちらではやめておきます。

ssd666ssd666 2008/04/10 14:51 そこでAiの出番デスよ。
http://wiredvision.jp/archives/200501/2005010706.html

YosyanYosyan 2008/04/10 15:54 ssd様

そうですね〜、、、とりあえずAiを潜り込ませて第四次試案を考えてもらいましょう。議員の推進派は次期総選挙までに何が何でも成立の意向みたいですし、それが無ければ絶対に争点になる(隠れたでも構いません)なるので「対策は万全です」が言えなくなりますからね。参議院選挙の敗因分析はプロですからしっかりやっているはずです。

成立さえすればどんな内容であっても「完璧な処方箋」でとりあえず選挙は乗り切れますから、推進派議員は内容に興味は無く「成立する事」のみに意義を見出しています。それにしても日医に引きずられて賛同している学会はなんとかならないですかね。外科学会までどうやら転んだようですし・・・。

麻酔科医麻酔科医 2008/04/10 16:23 Aiについては、昨日のNHKほっとモーニングで特集していたので、お役所がいれてくる可能性を感じました。しかし、Aiの最大の利点、すでに、ハードが日本全国に普及している、、というのが、天下り、箱もの重視的なお役所仕事に一番の欠点かと感じました(これからAi専用施設をあちこちに建設するのが不要だから)。
そもそも、生きている人の医療費を削っているのに、死因をしかり解明するために厚労省がお金を出すの???と思います。
医療を安全にするならば、まず、労働基準法に準拠して、医師を働かせるのが先でしょう。

暴利医暴利医 2008/04/10 16:41 Aiについては、最近やたらと耳にするようになったので恐らくかなり前向きに検討されているでしょう。死後は呼吸によるアーチファクトがなくて画像が美しいらしいですし。チームバチスタで有名な海堂尊先生のブログがあるようです。私は登録していないので細かいところまで読めないのですが、どなたか読める方がいたらご紹介ください。
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/blog/kaidou/

実際のところ、画像でスクリーニングして、必要な場合のみ解剖に回すという段取りにしてくれると、病理医側の過重労働の危惧はかなり軽減されます。

BugsyBugsy 2008/04/10 17:24 >調査2ヶ月:解剖医666人、臨床医1665〜1998人 と見積もりを出されています。

Aiを含めた解剖医の検討とは別に 臨床医による臨床経過、術中経過から死因の検討も当然必要でしょう。臨床医835〜1002人とありますが、一体どこから湧き出てくるんでしょうか?
委員会で2ヶ月間毎日缶詰になってるわけでもないでしょうが、何回も委員会に出席せんといかんでしょ。それにしてもねえ、手弁当かい?交通費出るの?出席中の患者の手当てなぞご配慮してくんないでしょう。経営上の問題があるから開業医の先生方を呼びにくいとなると.....誰が呼ばれるんだろ?
事故調査委員会による強制呼集ですか、永遠につづく。

>外口崇医政局長の答弁は、
>この件については現在つめているところです。

役人が各機関病院に割り振って 後はお前らが人数を出せよとなりますね。事故調査委員会の招集に十分な数の医師が応じられない都道府県に他の県から数ヶ月間ほど供出といた場合もありえますか。

ssd666ssd666 2008/04/10 17:24 >>麻酔科医様
大丈夫。順当に遅れれば、遺体を保存しておく、冷凍倉庫で箱物がクリエイト可能です。

BugsyBugsy 2008/04/10 17:37 しかし一体全体誰が委員会に呼ばれんだろ。

まあ専門領域といっても自称神の手は多い世界ですが、そんなに人数は多くはないです。
病院側から知らぬ間に登録させられて順番が回ってくれば出陣でしょうか?

それとも天下り財団をこしらえて、そこで研修させられて自動的に登録するのかな。
臨床医の人員供出に対しては それなりの飴と鞭が用意されそうな予感がします。
だって日ごろ忙しいんだもんね。好き好んで審査したいって名乗り出る奴いるのかね?

YosyanYosyan 2008/04/10 18:05 Bugsy様

2000件の根拠は知りませんし、これが過剰か過少かも現段階ではなんとも言えません。これでも過少なら試案の調査チーム人数なら「絶対」に対応できません。2000件に対応だって限りなく不可能に近いと思います。

 >一体どこから湧き出てくるんでしょうか?

これだけは委員会の考え方が分かる様な気がします。システムを作れば「どっか」からか湧いて来るです。医師が足りなければセンター化すれば「どっか」から湧いて来ると同じでしょう。会議では公式見解の建前論が幅を利かせますから「医師は足りているから大丈夫」なんて事を例の報告書を根拠に委員の皆様は納得されたんじゃないですか。

費用は「医師のために作ってやった組織」ですから医師は随喜の涙を流して協力するに違いなく、限らなく手弁当に近い「薄謝」を考えている様な気がします。だって事務員様の人件費の確保がまず第一でしょうし、次は弁護士先生のお手当、患者代表にも人件費はしっかりいりますから、「医師のために作ってやった組織」の最大の受益者である医師は「タダ」どころか費用を払ってもらって当然ぐらいと考えていても不思議ありません。医師以外は「協力してやってる」ですからね。

 >天下り財団をこしらえて、そこで研修させられて自動的に登録

それもありえそうですが、専門医の資格の条件だったり、病院機能評価とかに組み込むなんてのもありえそうな手です。試案に乗り気の学会も増えてますからね〜。

ssd666ssd666 2008/04/10 19:03 しかし、自称神鑑定医が志願して刑事に送ったはいいが裁判で、某大学の某教授とか、ゴッドハンドみたいに法廷で衆人環視のなか、恥をかかされたらどーすんだろ。
まあ、そういう事態を予想できない人が、志願するんでしょうが・・・。

元ライダー元ライダー 2008/04/10 19:09 >医師のために作ってやった組織

そうですね。そういう前提で制度設計しているのがアリアリと伺えるし、そういう前提だから役に立たないものになる。スタートからトンチンカン。
訴訟リスクによって患者が萎縮医療を受けなければならない事態を回避するため、そして最大の受益者は患者っていう視点がないから笑える制度しか設計できない。

自分のことだけ考えるのなら医者はこんな制度いらないですよ。逃散、逃散、それで十分。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/04/10 19:18 閑話休題、ちょっと良かった話ひとつ。(エントリーと関係ないです。スミマセン)

昨日、うちに、外科出身で美容で開業されてる先生が見学にいらっしゃったんですが、大学医局の、内視鏡手術のグループに所属していらっしゃったとのこと。
で、内視鏡黎明期は、よかったんですが、普及するにつれ、肝臓とか大腸とか、解剖学的に分けられたグループのほうでも内視鏡手術するようになり、そうすると、どうしても、解剖学的グループのほうには及ばないんだって。
それで、どうしようかといことになり、皆で相談して、「いっそ解散しようか?」ということになって解散し、その先生は3年前でしたが、美容外科に鞍替えして開業しました。ほかの先生たちの進路はさまざま。

この「解散しようか?」って思いきりのよさ、潔さ、好きだな〜。自分たちの役目は終わった、まあまあ、楽しかった。じゃあな、縁があったらまた会おう、って感じで乾杯して別れたんでしょうか。
わたしなんか鬱で心身ぼろぼろになって・・ってよく書き込みますが、なんだか、恥ずかしくなってしまった。
まあ、そんだけの話ですが、久しぶりにいい話聞いたな〜、って気がしたもんで。

こんたこんた 2008/04/10 21:40 >暴利医さま
海堂氏のブログの要約です。かなり生臭い内容です

今まで厚労省はAiの存在を知っていながらほっかむりで知らんぷりをしてきた。また医師、学会においても日本病理学会理事長の○○先生と東大病理学教室の××教授のお二人は「Aiなどという得体の知れない概念を死亡時医学検索のベースに置くなどもってのほか、解剖が基本であり、これを揺るがすことはできない」と主張しAiを否定してきた。
しかし、今回議員の質問を受けるなどAiが認知されてきた。これを受けて、厚労省とお二人の重鎮医師が方向転換。
厚労省が「解剖を補助する画像診断研究」を公募し、××教授が応募し、主任研究官となった。Aiに関して実績のある千葉大ではなくなぜ、実績のない東大なのか?放射線学ではなく、病理学教室が主任でよいのか?と海堂氏は疑問を投げかける。

××教授と○○理事長は国家予算をきちんとついた「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」を、失敗された過去がある。海堂氏は、その制度にAiを導入するように、あらゆる機会を通じて訴えたが、無視された。そんな方が、Aiの主任研究官に任命された。

うがった見方をすれば、これは研究として成立しない応募をさせて、採用しないという厚労省の“Aiつぶし”の深慮遠謀ではないか。

さらに、「死亡時医学検索に対する国家の費用拠出」がなされない状況で、事を進めて良いのか?
厚労省は死亡時医学検索を重要と思っていないから費用を出さないのではないか?

といった内容でした。

暴利医暴利医 2008/04/10 22:18 こんたさま
記事の要約及びご紹介ありがとうございました。それにしても、こりゃスゲー内容ですな。学会にも厚労省にもストレートど真ん中勝負でケンカ売っている。オンライン登録するかどうか迷っていたんだけれど、するだけの価値は十分にありそうなので、帰宅したら自宅のアドレスで登録してみます。

暴利医2暴利医2 2008/04/11 00:31 日経メディカルオンラインに登録して海堂尊ブログの最初の方をざっと読んでみましたが、いやーもっと早く目を通しておくべきでした。どの項も強烈ですね。こんたさま、ご紹介ありがとうございました。

>「医療事故調査委員会に病理解剖で協力せよ」なんて要請は、病理解剖費用拠出が決定されない以上断固お断りする、くらいの気概を持たなければ、病理学会構成員に対する裏切り行為でしょう。

学会上層部に対するこのコメントなどは、私が常日頃考えていたことを数倍に増幅して言い表してくれています。
(Yosyan さま、他ブログの話題で申し訳ありません)

通りがかりの病理医通りがかりの病理医 2008/04/12 03:43  Aiは、可能性はあるとは思うんですが、剖検と対応したデータがちゃんとそろっていませんからねぇ。フツーに考えれば、生きている人のCTで見つからない病変や判断のつかない病変なんてイクラでもあるわけで、そのCTのデータをもって医療関連死の判定をしようっていうのが、私には理解不能です。もちろん、剖検よりも判定しやすい得意な疾患もあると思いますけどね。
 あと、2000件という数字ですが、3月21日に東大で行われたシンポジウムでは、800件って言っている人もいたと記憶しています。
 我々病理医が対応できるかという点についてですが無理でしょうね。理由は、暴利医さんがおっしゃっているのと、ほぼ同じです。