新小児科医のつぶやき

2008-05-22 事故調法案化情報

5/22付けCBニュースより、

カルテ提出拒否に罰金30万円以下−死因究明制度の原案


 医療死亡事故の原因を調査する「医療安全調査委員会」(医療安全調、仮称)の設置法案の原案が、5月21日までに明らかになった。医療安全調の構成のほか、事故のあった医療機関に対する立ち入りなどの処分権限を明記。医療安全調は医療機関に対し、事故に関する報告を求め、カルテや医薬品など事故に関係する物件を提出させることができるが、虚偽の報告をしたり、物件の提出を拒んだりするなどした場合には、30万円以下の罰金を科すとした。また、厚生労働省の第三次試案にある、捜査機関への通知の判断基準の中の「標準的な医療」などの表現や、届け出範囲の規定は不明確なまま残るなど、試案から基本的な内容が変わっておらず、医療界に波紋を広げそうだ。

 原案の名称は「医療安全調査委員会設置法」。法の目的を、「医療事故死等の原因を究明するための調査を適確に行わせるため医療安全調査地方委員会を、医療の安全の確保のために講ずべき措置について勧告等を行わせるため医療安全調査中央委員会を設置し、医療事故の再発の防止による医療の安全の確保を図り、医療を受ける者の利益の保護及び良質かつ適切な医療の提供に資すること」とした。中央の医療安全調の設置場所については厚労省、地方の医療安全調は各地方厚生局と明記している。中央の医療安全調と関係行政機関との関係については、「医療の安全の確保のため講ずべき措置について厚生労働大臣または関係行政機関の長に対し意見を述べる」との表現だ。

 医療安全調の委員は中央、地方とも20人以内で、任期は2年。再任もありうる。特別の事項について調査・審議する必要があるときは「臨時委員」を置き、専門的な事項を調査・審議するときには「専門委員」を設置できるとした。委員は、医療安全調の事務について、「公正な判断ができ、かつ、医療、法律、その他その属すべき中央委員会または地方委員会が行う事務に関し優れた識見を有する者及び医療を受ける立場にある者」とし、医療や法律の専門家のほか、患者などからも選ばれることを示している。中央の医療安全調の委員は全員が非常勤だが、地方については常勤を4人以内で置くことができるとした。

 医療安全調の事故調査の趣旨は、「医療事故死等における医療を提供した者の責任を個別に追及するためのものでなく、医療事故死等に関する事実を認定し、これについて必要な分析を行い、当該医療事故死等の原因を究明し、もって医療事故の再発の防止を図ることを旨として行われるものとする」とした。

 「医療事故死亡者等」については、「医療事故死等に係る者または死産児」と定義した。事故があった医療機関に対して、地方の医療安全調が行える処分としては、▽医師や歯科医師、薬剤師、助産師、看護師など医療事故死の関係者に報告を求める▽病院や診療所、助産所など必要と認める場所に立ち入って、構造設備、医薬品、診療録、助産録、帳簿書類などの物件を検査し、質問▽関係者の出頭を求めて質問▽関係物件の提出を求めることと、物件の留置▽物件の保全▽事故死現場への、公務で入る人と医療安全調が支障がないと認める人以外の立ち入り禁止―などを明記。虚偽の報告をしたり、関係物件の提出を拒んだりするなどした場合には、30万円以下の罰金を科すとしている。

 また、医師や歯科医師、助産師が報告を怠ったり、虚偽の報告をしたりした場合は、医療安全調が医療機関や助産所の管理者に届け出を命令できるとし、そのために医療機関に立ち入って関係者からの報告を聞いたり、物件の検査や提出も求めることができるとした。

■調査報告書の公表義務付け

 地方の医療安全調が作成した調査報告書については、厚労相と中央の医療安全調に提出するとともに、医療事故のあった医療機関や助産所の管理者と遺族にも交付して、公表することを義務付けた。報告書には、▽医療事故調査の経過▽臨床の経過▽死体または死胎の解剖の結果▽死亡または死産の原因▽臨床の経過の医学的な分析および評価▽その他必要な事項―を記載。調査結果について管理者や遺族の意見が異なる場合は、その内容を添付する。

■「標準的な医療」など残る

 医療系の団体などから問題が指摘されている、捜査機関へ通知する事例の基準として第三次試案が示していた「重大な過失」(重過失)の文言は消えたものの、重過失の定義の中にあった「標準的な医療」などの表現は残ったままだ。通知するケースとして、▽故意による死亡または死産の疑いがある▽標準的な医療から著しく逸脱した医療に起因する死亡または死産の疑いがある▽事故事実を隠ぺいするために関係物件を隠滅・偽造・変造した疑いがあるか、同一または類似の医療事故を相当の注意を著しく怠り繰り返し発生させた疑いがあることや、それに準ずべき重大な非行の疑いがある−を挙げ、これに当てはまると地方の医療安全調が判断した場合は、医療機関や助産所の管轄の警察に通知することを義務付けている。

■届け出は管理者から中央の医療安全調へ

 医療死亡事故の発生から調査開始までは、医師から報告を受けた医療機関や助産所の管理者が厚労相に届け出て、厚労相から地方の医療安全調に通知され、調査が始まるという流れになる。医療法の一部を改正し、医療死亡事故の際、医師や歯科医師が死亡について診断するか、医師が死体か妊娠4か月以上の死産児(助産師は妊娠4か月以上の死産児)を検案し、「行った医療に起因し、または起因すると疑われる死亡または死産であって、行った医療に誤りがあるものか、予期できないもの」と判断した場合は、24時間以内に医療機関や助産所の管理者に報告しなければならないとした。報告を受けた管理者も、医師や歯科医師、助産師やそのほかの関係者と協議の上、同様に判断した場合は、厚労相に届けることを義務付けている。判断の基準については、厚労相が定めて公表するとした。

■医師法21条改正を明記

 医師法21条の改正も明記。医療安全調に事故の「報告や届け出をした場合はこの限りではない」との表現で、警察への届け出を不要とするよう改める。同様に死産児の届け出について義務付けている保健師助産師看護師法41条も改正する。

CBニュースの記事内容は概ね的確と判断できます。法案原文自体が長いので記事該当部分をすべて完全にはチェックしきれませんが、私が読む限り主要な項目についての誤記、誤解釈は無いと思われます。今朝は記事内容の確認に追われてあまり書けないのですが、あえて一つだけ取り上げておきます。CB記事には、

    中央の医療安全調の設置場所については厚労省、地方の医療安全調は各地方厚生局と明記している。中央の医療安全調と関係行政機関との関係については、「医療の安全の確保のため講ずべき措置について厚生労働大臣または関係行政機関の長に対し意見を述べる」との表現だ。

内容自体はもちろん的確です。事故調設置場所についての三次試案該当部分は、

委員会の設置場所については、医療行政について責任のある行政機関である厚生労働省とする考えがある一方で、医師や看護師等に対する行政処分を行う権限が厚生労働大臣にあり、医療事故に関する調査権限と医師等に対する処分権限を分離すべきとの意見も踏まえ、今後更に検討する。

「更に検討」となっています。事故調試案は「三次」すなわち3回も出されているのですが、この部分についての試案段階での結論は得られず「更に検討」とし、「更に検討」のままパブコメが募集されています。「形式に過ぎない」と評価の低いパブコメの正式の位置づけについては、行政手続法の一部を改正する法律(平成17年法律第73号)により、行政手続法(平成5年法律第88号)において、次のような意見公募手続が法制化されています(平成18年4月1日施行)。主要部分を引用すると、

 (意見公募手続)

第三十九条 命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合には、当該命令等の案(命令等で定めようとする内容を示すものをいう。以下同じ。)及びこれに関連する資料をあらかじめ公示し、意見(情報を含む。以下同じ。)の提出先及び意見の提出のための期間(以下「意見提出期間」という。)を定めて広く一般の意見を求めなければならない。

2 前項の規定により公示する命令等の案は、具体的かつ明確な内容のものであって、かつ、当該命令等の題名及び当該命令等を定める根拠となる法令の条項が明示されたものでなければならない。

3 第一項の規定により定める意見提出期間は、同項の公示の日から起算して三十日以上でなければならない。

つまり命令(法案)を作るときには、

  1. 案を省庁が作る
  2. パブコメで一般意見を募集する
  3. パブコメも参考にして法案作成し国会に提出する

建前上はこういう手順になっています。あくまでも建前上ですが、案段階で「更に検討」とされているところは、手順に従えばパブコメ意見も参考にして「更に検討」されるのが筋かと考えます。事故調のパブコメ募集については5/7に厚労省内部での締め切り説もありますが「医療の安全の確保に向けた医療事故による死亡の原因究明・再発防止等の在り方に関する試案−第三次試案−」に対する意見募集について を確認してもらえれば分かるとおり、現時点では締め切り期日を明記しておりません。つまり未だにパブコメは募集中です。

パブコメに関する法令では「公示の日から起算して三十日以上でなければならない」としているだけで、締め切り期日の明記を義務づけてはいないようですが、私の知る限り締め切り期日の無いパブコメ募集は非常に珍しいかと考えます。一般常識からすると締め切りが明記されていないという事は法案作成に関して意見を引き続き募集している状態であり、募集している限り今からでもどんな秀逸な意見が寄せられるか分からない状態と考えられます。つまり「更に検討」と三次も重ねた案段階でも結論が得られない事項については、パブコメ募集終了後にすべての意見を参考にして「更に検討」し結論するのが筋かと思われます。

強弁として「公示してから30日以上たったから」は不可能ではないと言えるかも知れませんが、そういう手法は通常感覚から非常に違和感を覚えるものです。三次試案に至っても事故調設置場所について案としての結論が得られなかったのは、厚労省に設置することについて異論が強かったためです。「結論ありき」とされる厚労省主導の委員会でさえ意見を集約できず「更に検討」とした事柄に対し、パブコメ募集中に決定してしまうのは行政手続法の精神に反するように感じてなりません。

パブコメは「形式に過ぎない」「通過儀礼みたいなものである」との醒めた意見が多く、また現実としてもそういう事例は多々見られますが、少なくともこれまでの他省庁の運用では形式だけは守っていたかと考えられます。今回の厚労省の運用は完全にパブコメ制度を無視し、形式すら守っていない行動と批判される余地が生じるものです。パブコメは広く国民に意見を求めるものであり、これの形式さえ守ろうとしない行動はまさに国民を愚弄するものとなります。

もちろん現段階では厚労省から公式発表はなく、CBニュースが入手した情報も、私が手許に入手している情報もある種のリーク情報に過ぎないと言えますが、もしこれが正確なものであれば、厚労省内部でパブコメ制度を公然と無視する動きがある証明となり、行政府の信頼を失わせる行為と考えます。

ボールペン作戦について 12:06

BBS代わりに使っていた5/13コメント欄がパンクしました。hatenaの特性上、今日の時点では対処のしようが無いので本日分を御利用ください。対策として明日のエントリーをBBS代わりにする予定ですので、そこまでお待ちください。それとミヤテツ様のコメントは、

moto先生、Yosyan先生、三上藤花先生ご苦労様です。

すごい申し込みの数とうねりですね。

判決日の8月20日の直前の学会として禁煙学会が8月9日、10日と広島であります。

評議員の先生に話してみます。Okもらえられなければ、ゲリラ的に配ります。禁煙デーが終わってからですが、また1万円振り込みますので100本くらい残していてください。

やっぱりBBSを別に設置しようかな?

追伸

ボールペン作戦へのコメントはボールペン作戦会議室の方に宜しくお願いします。

ssd666ssd666 2008/05/22 09:08 >行政府の信頼を失わせる行為

いやあ、相変わらず辛辣な皮肉ですねえ。

一産科医一産科医 2008/05/22 09:26 いや、きっと
「失うものは何もない」
という気持ちなんですよ、きっと。

ろくろくびろくろくび 2008/05/22 09:42 「法案」は行政手続法の「命令等」ではないと思われます。
厚労省も「任意の意見募集」としていてパブコメは法律上の義務だと考えていないようです。
ただ、パブコメを実施した以上は、「パブコメ無視か!」というエントリの論旨に影響はないでしょうけど。

まだ「法案の原案」段階なので遅くはない・・・かも・・・

DrPoohDrPooh 2008/05/22 09:51 厚労省がそういうつもりなら,記者クラブ経由の大手メディアはスルーかも知れませんね。法案が提出されたあたりで簡単に報道するだけ,というパターンでしょうか。

かめかめ 2008/05/22 10:09 仮にこの原案で法律化された場合、問題点として
いろいろ上がってますが、箇条書きで整理すると
何項目くらいありますか、どなたか教えてください。

一般人一般人 2008/05/22 10:13 「意見が聞きたい」って言うから教えてあげたのに、無視かよ
てゆーかまー無視するのもあんたの自由だけど、無視しつつ「意見が聞きたい」ってお願いし続けるのはどうかと思うよ。

東京都民東京都民 2008/05/22 10:14 すでにご承知かもしれませんが、
昨日パブリックコメントの中間まとめが掲載されました

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/i-anzen/kentou/iken-matome080516.html

「なお、意見募集については、引き続き行っております。」とされています。

産科医産科医 2008/05/22 10:53 「妊娠4ヶ月以上の死産児」
っていうのは間違いじゃないですか?
妊娠4ヶ月って12週0日〜ですが、そうしたら、いま“合法的に”行われている妊娠中期の人工妊娠中絶すべて届け出るってことになるんでしょうか(明らかに、「故意」で「医療が起因しての死産」ですので)。
それとも、人工妊娠中絶は「誤った医療」でも「予期しない死亡」でもないから届けでなくていい、っていう意味なのでしょうか。
現実的には妊娠4ヶ月で「医療に起因する予期しない死亡」なんてありえないからいいんでしょうか。
でも、妊婦が何かしら薬を飲んでいて、その間に胎内死亡があったあった場合、「ほぼあり得ないけどその薬が原因じゃないと絶対は言えない」から届け出るべきなんでしょうか?
届けてみたら面白そうですけどね(不謹慎ですが)。

きくりきくり 2008/05/22 11:19 >第三次試案が示していた「重大な過失」(重過失)の文言は消えたものの、重過失の定義の中にあった「標準的な医療」などの表現は残ったままだ。

「標準的な医療から著しく逸脱」≒「重過失」で単なる表現の違いであろうが、「重過失」は法律用語として定着しており、この方が明解であったろう。「重過失」という文言がある方が医師には有利であろうに愚かなことだ。

パブコメには何ら法的拘束力はなく、参考程度のものである。パブコメ中に決定するのはエチケット上いかがなものかと思うが、行政府の信頼を失わせる行為というほど大袈裟なものではない。こんなことは常識だと思うが。

YosyanYosyan 2008/05/22 11:31  >「妊娠4ヶ月以上の死産児」
 >っていうのは間違いじゃないですか?

事故調法案と同時に医療法の一部改正が行なわれます。いろいろ細かいのですが、医療法第6条の11に

『死体もしくは妊娠四月以上に死産児を検案して・・・』

こうするとしていますから、記事は間違いではありません。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/05/22 11:49 >Yosyan様

すみません、アナウンスさせてください。
5/13日のコメント欄ですが、一杯になって書き込めなくなりました。
「ミヤテツ」さんのコメント読みたいのですが読めません・・

元外科医元外科医 2008/05/22 13:04 法律用語の重過失とは重大な結果を招いた過失という意味ではないですか。死亡は全て
重大な結果だと思いますけど。

t_ft_f 2008/05/22 13:20 「重過失」とは、法律用語上は、“注意義務違反の程度が著しい”との意味であって、“結果の重大性”とは必ずしも関係してません。
むろん、“注意義務違反の程度が著しい”とゆー定義は抽象的で、一見して何を意味しているのかが分からないとゆーのが常識でしょうが、明解だと仰られる聡明かつ該博な方も約一名いらっしゃるよーです。

暇人28号暇人28号 2008/05/22 13:31 t_f様の仰るとおり、法律上は、
>“注意義務違反の程度が著しい”との意味であって、“結果の重大性”とは必ずしも関係してません。
なのでしょうが、現実には外科医様の仰るとおりの
>死亡は全て重大な結果だと思いますけど。

という使われて方をしてきたのです。

今まで、「重過失」に関しては、医療従事者側が重過失ではない、と思っていた事に対して、司法と国民は「重過失」と認定してきた経緯があります。しかも年々その適応範囲が広くなってきたわけです。ここで、はっきり「重過失」の定義をきちんとしてもらわないと、また遺族感情だけで暴走することになります。結局、その暴走の懸念が払拭されないために医師側が疑心暗鬼になり逃散しているのが実情です。そして、この法案が現実のものになれば、さらに逃散が助長されます。

ちなみに、私はこの法案が現実のものになれば、さらに逃散するつもりでいます。その時にはこの地域の医療崩壊がさらに深刻になりますが、もう知りません。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/05/22 14:12 ひき続きアナウンスです。おじゃましてすみません。
「ボールペン会議室」作りました。
皆様のご意見・アイデアをお待ちしております。
http://d.hatena.ne.jp/moto-ballpen/

元外科医元外科医 2008/05/22 14:58 暇人28号様
死んだら重過失っていうのは国民的常識だと理解していましたが(笑)

現代医療は人間一人の注意によって支えられるほど簡素なシステムではありません。
たとえば静脈のコネクタと経管栄養のコネクタが同じ形で接続可能であれば
いつかは誰かが間違えるのです。それなのにごく最近まで現場のナースをスケープゴート
にするだけで事態を放置して大勢の犠牲者を作ってきているのです。近年やっと医療システムエラーの解明がされるようになって来ましたが、まだまだです。
当事者を刑事免責にしてでも真相を究明して
システムを改善する方が絶対によいことだと思いますしこれがグローバルスタンダードなのですが日本のお役人は英語が読めないからかWHOのガイドラインは完全スルーですね。小生は既に外科を辞めてしまったので敵前逃亡兵の気分ですが、前線の士気も低下するでしょうね。

元ライダー元ライダー 2008/05/22 15:29 命令等の中に法案は含まれないという、ろくろくびさまの解釈に同意。

>元外科医さま
パブコメにネット医師の間では超有名団体の意見もありました。その最後の文章が決定打でしょうね。
「医療事故は、システムエラーに起因することが多いとの記述を目にすることがあるが、分娩事故の相談を長年受けてきたものとして感ずるのは、個人の資質に起因することの方が多いということである」

こういう見解ですからね。システムなんて脇役だと・・。

他にも患者団体と思われるパブコメがあって面白いんですが、これらに批判を加えるのは無問題ですね。団体の意見への批判であって、個人に対する批判や中傷ではありませんからね。

浪速の勤務医浪速の勤務医 2008/05/22 16:04 >>個人の資質に起因することの方が多いということである
これの「個人」って診療した医師じゃなくて、「患者」をさすんじゃないの?

元外科医元外科医 2008/05/22 16:08 最前線で手を下した医療者個人を下手人として罰する野蛮な国ですね。過ちを
個人の資質として刑法で罰するしか能がないから再発を防げないのは当たり前ですよね。

暇人28号暇人28号 2008/05/22 16:34 私は病院のリスクマネージメントのトップをしています(名前だけですが)。この超有名患者団体の皆様は、リスクマネージメントの何たるかが全く分っていない証拠ですね。現在こんなことを現場で言うのは恥ずかしすぎます。

リスクマネージメントの基本は「責任を個人に押し付けないこと」。「ミスを犯した個人というのはシステムの被害者である」、というのがコンセンサスです。私はこの理論は既に10年前に聞いています。この団体は時代遅れも甚だしいですね。これでよく医療の質を改善させたいなどと言いますね。医療の質を改善させるなら、このくらいは知っておいて頂きたいです。

ちなみに、リスクマネージメントは医療の世界だけではなく、多くの製造業などでも採用されており、多くの成果を上げている理論です。

その中核となるのは何とかチーズの理論(すみません、名前を忘れました)といって、防護壁を何十に建てておいても、一つ一つの防護壁には必ずいくつかの穴がある。重大な事故というのはその沢山の防護壁の穴を素通りしたものである。だから、その穴を出来るだけふさぎ、可能な限り沢山の防護壁を建てるべきである。

ちょうどskyteam様のホームページでも先日やっていましたね。

http://skyteam.iza.ne.jp/blog/entry/579306/

7つ目の写真です。

暇人28号暇人28号 2008/05/22 17:01 何とかチーズの理論 → スイスチーズモデルでした。

今、ネットで確認しました。

暇人28号暇人28号 2008/05/22 17:10 連投すみません。

ちなみに、「個人の資質が原因」とのことですが、個人が独断専行できてしまうシステムが問題である、という考え方も出来ます。

良い医療機関であればあるほど、医師が変な指示を出した場合(多くの場合無知やうっかりが多い)、必ず他の医師や看護師・検査科・薬剤師などありとあらゆるスタッフから「本当にこれでいいんですか?」という連絡が来ます。そこで間違いに気づき指示を変更することになるわけです。だから、大学病院などで抗がん剤を10倍投与した、などという話を見るたびに、「他のコメディカルたち(看護師・薬剤師)のダブルチェックはなかったのか?ああればミスに気づいて途中で訂正が入って大事には至らなかったのに」と思ってしまいます。

そういう医療従事者のコミュニケーションが取れていない、取りにくい職場環境が悪い、という考え方も出来ます。(そういう職場って公的病院に多いんですけどね(^^;))

BugsyBugsy 2008/05/22 17:22 オイラは医師が個人で専行せざるをえないほど数が少ない病院が存続していることに大きな問題があると思います。なんちゃって二次救急の夜間の状況なぞ最たるもんじゃないですか。
まあそれが独断専行になるのかもしれませんが、実際に点滴の中身のチェックすら人手が足りないときには医師が一人でやってる病院がありますからね。
自分でも時折寝ぼけ頭で処方を出した後に薬局から「これは数字が一桁多いでしょう?」と問い合わせが来ます。

ダブルチェックがきちんと行われないシステムが一番の原因なんですがね。
あとカルテの提出義務というのもごもっともではありますが、受け持ち患者が多すぎてカルテの記載がスッカスカで何の証拠にもならないし、病歴サマリーも溜め込んでる医師も普通に見かけます。要は忙しすぎるんですよ。

ドロッポ小児科ドロッポ小児科 2008/05/22 17:35  要するに、例の団体は北一輝とか大川周明とかと同じでしょ。
 かつてのQCを理解できない陸式馬鹿と同じ、今の時代ではリスクマネジメントを理解できないだけのこと。
 医師を、陣痛促進剤を悪者にすれば、全てが解決すると考えている、声の大きな馬鹿者。
 そういう思考しかできないし、そういう方針でしか会の求心力が維持できない、愚かな働き者の団体ですよ。
 ……ああ、そうだ。医療崩壊したら老後の楽しみとして、この団体の愚行を本に書いて、出版しましょうか。歴史に消えない名前を刻んで差し上げたいですね。
 もっとも自らの正義に不安があるから、ネットの声を封じようとやっきになってるんでしょうけど。

reservoirreservoir 2008/05/22 17:57 パブコメ面白いですね。個人のほうでも著名な医療事故被害者の方のコメントがありました。

BugsyBugsy 2008/05/22 18:03 パブコメって街角アンケートみたいなもんでしょう。
応募者の背景やサンプルの偏り、信頼度がもっとも低い方法ですけどね。
じつに都合の良い手法です。

国民の声って奴で強行突破した後に 捜査権が欲しいのでしょう。

我々も大いに協力しようではありませんか、老衰も癌の末期も医療関連の死亡かもしれない。だけど全部お上の手に判断を委ねましょう。じゃんじゃん届けて多分審査があっというまにパンクするけど。

捜査が入ったら、ついでに勤務実態も正確に伝えましょう。
医師の判断力は個人の資質とぬかしやがるようですが、「当直の徹夜明け勤務で手術に入りました。だから出血箇所がよーわからんかった。患者は失血死しちまいました。」
過労で人間の思考力が低下するのは今さらながら実験をしなくても明らかなんですが、医師だけに当てはまらんのんかい?

tadano-rytadano-ry 2008/05/22 21:37 >「医療事故は、システムエラーに起因することが多いとの記述を目にすることがあるが、分娩事故の相談を長年受けてきたものとして感ずるのは、個人の資質に起因することの方が多いということである」

 まあ感じるのは自由なんですけどね。

 医療事故には(というかあらゆるアクシデントには)、システムに負う部分と医師の資質を含めた個別の事情に負う部分が混在している(と習いましたけどねえ)はずで、どちらかに起因するというものではないはずです。

 医療関係者がシステムの問題を盛んに指摘しているのは、医療システムの問題を一番感じている当事者であるからであり、また個別の問題を解決するよりシステムの問題を解決した方が医療事故そのものが大幅に減少する可能性が高いという現実的な判断(というよりリスクマネジメントの基本ですが)によるものだと思っています。

 コンサルティングでは、問題の個別性と普遍性は同時に並行して解決していかなければならないとされています。素人くさい例えをしてみれば、一人の医師が持てる力を出し尽くして一人の癌患者を救うことも大切だろうし、癌の特効薬を開発して何千何万人もの命を救うことも大切なはずです。ただどうしても時間や予算に制限がある場合はシステムの問題をまず解決するのが常道です。

…とここまで書いてアホらしくなってしまいました。要するにシステムが改善されて医療事故が激減したら彼らの存在意義が薄れてきますからね。だから敢えてシステムの問題には触れないんでしょ。日本中のすべての医師が陣痛促進剤使わなくなったらあの会も終わりですからね。…と言って切れたらあちらの思うツボなのかしらん。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/05/22 21:59 「きくり」ってHN名、何だろう?って調べてみたら、「地獄幼女」なんですね・・
ということは、この方、女性なんだろうか?
きくり様、怒らないでね。ちょっとあなたの存在に興味を覚えたものだから。
Yosyan先生の方針はスルーなんでしょうが、これっきりにしますから、お目こぼしを。
きくり様のお書きになってることは、概して正しい。わたしはそう思います。
すくなくとも「荒し」の類ではない。・・ほかのサイトではどうなのか、知りません。めったに他を見に行かないもので、きくり様のご活躍拝見したことが無い(^^;。
正しいのだが、どこか挑発的な文体です。それで無視されたり、反論書かれたりする。
ひょっとして、それが、目的?
「正しいけれど、認められない自分」っていう存在確認っていうか・・間違ってたり、気に障ったりしたらごめんなさい(^^;。あくまで少ない情報からの、勝手なプロファイリングですから。
「地獄少女」てのは、そんなイメージです。小さくて不気味がられ、しかし(ストーリー知らないけど)正しい、そして見ようによってはかわいい、っていうか、弱くて正しくて不気味なゆえに、同情すべき存在である。
妄想すみません(^^;。おっしゃってることは正しいには正しいんですが、どこか、それを、絶対に認められたくない、っていうような、奇妙な文体だなー、って感じます。普通、相手を説得したいなら、もっと丁寧でフレンドリーなアプローチから入るし、ただ罵倒して憂さ晴らししたいってのとも違う。
いや、たわごとです。繰り返しますが、全然的外れで気に障ったらごめんなさい。あやまっときます。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/05/22 22:11 続)
あるいは、なんて言うんだったか・・交流分析で「ゲーム」とかって概念なかったでしたかね?あれを思い出させます。
むかし、たとえば幼少時に、正しいことを親に訴えても、否定されたとする。その記憶が強いと、対人関係において、「正しいことを訴えても否定される」というシナリオを好む?というか、そういう関係に惹かれるようになる、ってのです。
親じゃなくてもいいですね。絶対に信頼していたお医者さんがいたとする。その人に裏切られる。そのあと「お医者さんを信用する(正しい意見をぶつける)が、裏切られる(無視される、あるいは、激高した感情的な反論にあう)」っていうシナリオを反芻する嗜癖が生じる。
これは、たぶん、反芻(再体験)することによって、大きなショック・心の傷をいやそうとする、自己修復作用なんだろうと思う。お化けを怖がる子が、お化け屋敷を見にいきたがるような心理です。
まあ、当たってる当たって無いは置いといて、話としては面白いでしょ(^^;。

tadano-rytadano-ry 2008/05/22 22:49 motoさま

この恨み、地獄に流します…

じゃなくって、

>幼少時に、正しいことを親に訴えても、否定されたとする。その記憶が強いと、対人関係において、「正しいことを訴えても否定される」というシナリオを好む

これはゲームとは少し違うような気がします。

幼少時に、正しいことを親に訴えても、否定されたとする。(NOストローク。魔女の呪いとも言いますね)
       ↓
その記憶が強いと対人関係において「正しいことを訴えても否定される」という「隠れた動機」をもつようになる
       ↓
その「隠れた動機」を達成するために破滅的な行動を起こし、それがパターン化する(これがゲーム)

 関係に惹かれる、というより、自分から相手の顰蹙を買うようなことを言ったり、わざと挑発的な態度を取って、自分の隠れた目的を達成するための相手が引っかかってくるのを待つんですよ。そして引っかかった相手の反応があって関係が壊れると「自分は正しいことをしてるのに何故非難されるのか、何故自分はこんな目にばかり遭うのか」と嘆くんですよ。しかも困ったことに自分がその原因を作っていることに気づかない。”Kick me game”といいます。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/05/22 23:01 お、詳しいんですね。
それで、Kick me gameの結末、っていうか、行く末は通常どうなるんでしょうか?・・わたしは、楽観的に「治癒過程」って書きましたが。
う〜ん、幼小児期に形成されてると、症状固定しちゃってそうですね。ある程度成長してから、あるいは大人になってからだと、呪縛が解けることもありそう、かなあ?
本人が、それが原因で社会的不適合に苦しむ場合には、内省意識が芽生えるでしょうが、そのまま社会適合してると、修正されにくいでしょうね。・・まあ、社会適合してるなら、「修正」なんて言葉自体が不適か。。「変容」?
しかし、本人の内面・無意識では重荷になってそうっぽいけど、どうなんだろなあ?

uchitamauchitama 2008/05/23 00:43 >医療事故は、システムエラーに起因することが多いとの記述を目にすることがあるが、分娩事故の相談を長年受けてきたものとして感ずるのは、個人の資質に起因することの方が多いということである

原告側が民事訴訟で勝訴するためには、システムエラーを争点にするより、個人の特定の医療行為を争点にしたほうが勝ちやすいということだけでしょう。

下記は最近見かけた記事です。
「産婦人科医不足は弁護士数が増えたためだった!」
http://legal-economic.blog.ocn.ne.jp/umemura/2008/03/post_5103.html
「法曹人口は毎年3000人ずつ増えるため、医療訴訟は3000億円の市場になる」
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/15985.html;jsessionid=29E9063FA8A01403539E34E9E2BB52F3

tadano-rytadano-ry 2008/05/23 03:46 uchitamaさま

>原告側が民事訴訟で勝訴するためには、システムエラーを争点にするより、個人の特定の医療行為を争点にしたほうが勝ちやすい

 さすがにそこまで書くのはなー、と思っていたのですが。確かにそのような考え方もありますね。システムエラーを変に認めるとたとえ勝っても賠償金減額されそうですからね。

 かの一連の団体は「被害者が医療事故の責任を裁判で問うのは損害賠償訴訟しかない」と常々言っておきながら、今回のハブコメで

>事故が起きても、医師や看護師個人の責任に帰するケースが殆どであり、運営管理者の責任が問われたことは殆どありません。

とも言っています。民事なんだから自分たちが争点にしていないだけでしょう。しらこいのー、と思ってしまいます。

tadano-rytadano-ry 2008/05/23 04:00 motoさま

 Kick me game の結末は基本的に miserableです。対人関係がうまく結べなくなりますから。しかも自覚症状がないので余計にそうです。呪縛は基本的に解けません。

 交流分析は対人関係のトラブルをうまく説明できる理論なので、クライアントとの交渉が業務の中で大きな割合を占めるコンサルタントの間では結構認知度は高いですし、本格的に勉強している人もいます(私もそうだったんです)。ただ治療となるとなかなか難しくて、基本的には認知療法的なアプローチが多いようです。私が習っていたところはゲシュタルト的なアプローチで、子どものときの感情を再現させることで気づきを促していくんですが、「感情の再現」なのでカウンセリングとしては結構激しいものになりますね。ほとんどイタコの世界です。

ssd666ssd666 2008/05/23 06:45 tadano-ryさんの解説ですとんと行きました。なるほどなー。

沼地沼地 2008/05/23 10:54 心理学はまったくのしろうとですが、これはKick me gameというものとは違う気がします。
むしろ上から目線になることで、自分を偉く感じたいというか。
だから医師に狙いを定めて噛み付かながらも、医師には偉大な存在であることを期待していると言う感じ。
医師が偉ければそれを下に見る自分はもっと偉い!!!どうだ!!みたいな。
だから医師が夜勤明けに引き続き勤務だとへろへろするとか、時給にするとコンビニのバイト以下だとか人間にはミスがつきものだというのが許せない。
寝なくても、お金貰えなくても、高い志で常に完璧な仕事をしろと、しかも俺様のしもべであれと言ってる気がします。(笑

地獄幼女なんですか〜。
その可能性って考えてませんでした。(笑
文章の感じから男性、若くはないけど言葉使いから考えられるよりは若い。
そして現実の生活に不満を抱いているってのがしろうとの私によるプロファイルでした。

ネットって面白いですね。
私も始めてネットに足を踏み入れた時は20歳の女子大生ということにしようかと思いましたが、顔文字などがつかえないのでこれは無理かななどと。(笑

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