新小児科医のつぶやき

2008-08-23 重箱の隅が気になる

8/21付け読売新聞福島版より、

医師無罪、県内に波紋

知事「安全確保努める」

 医療界に衝撃を与えた事件の裁定は、無罪だった。福島地裁で20日言い渡された県立大野病院の加藤克彦医師(40)=休職中=への判決。医師不足が深刻になるなか、今後の医療問題や医療行政などに大きな影響を与える可能性があるだけに、県内でも大きな注目が集まり、その結果に、関係者は様々な反応を見せた。

 判決を受け、県立病院を管理する茂田士郎県病院事業管理者は20日午後、記者会見を開いた。茂田管理者は冒頭、遺族への哀悼の意を示した後、「引き続き医療事故の再発防止に全力を尽くしたい」とのコメントを読み上げた。

 無罪判決については、「医療ミスではないと証明され、良かったというのが本音」と語り、現在、休職中の加藤医師については、「判決が確定すれば復職ということになる。(既に出されている処分についても)重大な事実誤認があった場合には取り消しもできる」と述べた。

 また、県が2005年3月にまとめた事故調査委員会の報告書で、加藤医師の処置をミスと判断したことについては、「(委員会は)医療事故の再発を防ぐために作ったもので、その時の結果は法的な意味はない。今回の判決の方がより正しい」とした。

 一方、遺族が病院側の説明に不満を持っていることについては、「病院としては誠意を尽くして説明したつもりだが、十分にそれが届かなかった点もあったのではないかと思う。今後チャンスがあれば続けていきたい」と話した。

 松本友作副知事も同日、取材に応じ、「今回の残念な事件を心に刻んで、地域医療体制の充実により一層取り組んでいきたい」と述べた。

 また、佐藤知事も同日、「今後も医療体制の整備と医療の安全確保に努めたい」との同趣旨のコメントを出した。

これは読売福島版であり、医療側のバイアスがかかっていないと言う意味で信用性の高い記事です。記事自体はこういう事件の時に現れる定型記事の一種で、知事や副知事のコメントも大変無難なものです。ここで主に取材を受けたのは茂田士郎県病院事業管理者のようです。茂田氏のコメントも基本的に無難なものなんですが、ちょこっと気になる点が幾つかあります。

    「(委員会は)医療事故の再発を防ぐために作ったもので、その時の結果は法的な意味はない。今回の判決の方がより正しい」

この言葉におおよそ問題はありません。事故調査委員会報告書には、

1 目的

平成16年12月17日に帝王切開術を受けた妊婦が、同日19時1分に手術室にて死亡するといった医療事故が発生した。この事例を検証し、今後の前置胎盤・癒着胎盤症例の帝王切開手術における事故防止対策を検討することを目的として設置した。

きちんと

    事故防止対策を検討することを目的として設置

こう書かれていますから

    医療事故の再発を防ぐために作ったもので

この言葉を裏付けます。また

    今回の判決の方がより正しい

これもまさか「判決より報告書の方が正しい」と公式発言するわけには行きませんから、こうしか言い様がないと思います。ただ、

    その時の結果は法的な意味はない

これはどうでしょうか。「法的な意味」の解釈がどうも引っかかり、なぜこういう表現を用いたのかよくわからないのですが、手を出すと隘路にはまり込みそうな言葉ですから、私は軽く流す事にします。

ここで報告書が果たした役割を思い出してみたいと思います。この報告書は茂田氏がコメントした「再発防止」以外に「検証」の目的も明記されており、おそらくこの「検証」に基づいて次の事柄が行なわれています。

  1. 産科医師は処分を受けた
  2. 遺族に賠償金が支払われた

処分については県の条例に従って行なわれたと考えます。賠償金が条例にあるかどうか分からないのですが、県議会の承認を受けて支払われたと考えます。これも別に不思議な手続きではなく、手順としては順当なものと考えられます。もちろん報告書に「法的な意味」は無いので、あくまでも参考資料として用いる位置付けであったと考えますが、実質的にこれしか根拠は無いので、処分も賠償金も報告書に基づいて行なわれたと解釈しても良いかと思われます。

ここで一審無罪の判決が出ました。茂田氏は判決の影響として、

    「判決が確定すれば復職ということになる。(既に出されている処分についても)重大な事実誤認があった場合には取り消しもできる」

「判決が確定すれば」の意味はまだ控訴審、上告審が起こる可能性があることを踏まえての発言と考えられます。とりあえず控訴審があるかどうかは現段階では予断を許さない状況ですが、仮に控訴審がなく判決が確定すれば、処分を取り消す可能性を示唆しています。ここもある意味当然の処置で、処分は報告書が大きな根拠になっており、これが裁判により覆されたら報告書の「ミス」は否定されると考えるのが妥当ですし、茂田氏自身が「今回の判決の方がより正しい」と公式発言しているので処分は取り消される方向で考えるものかと思われます。

ここで気になるのは判決が無罪で確定した時の報告書の取扱いです。産科医の処分を取り消す時の判断として、

  1. 報告書より判断価値が重い判決が出現したので処分を取り消す
  2. 判決により報告書の内容を訂正して処分を取りけす

この二つの手順が考えられます。

1.の場合では報告書に「医師のミス」の記録が残される事になります。この報告書は県の公式記録になると思われるので、刑事裁判を耐え抜いても福島県として「あくまでもあれはミスである」との記録が残されるのは気持の良いものではありません。産科医師がそこまでされるかは分かりませんが、訂正を求めての訴えを起こす可能性も残ります。もっともあくまでも「あの時の時点の判断」として訂正を拒否するのはありえますが、どうなるのでしょうか。

2.は茂田氏が「今回の判決の方がより正しい」まで発言しているので、報告書を訂正して処分を取り消す可能性です。「法的な意味はない」のですから、決定力も「法的な意味」は無く、新たな事実が確定すれば速やかに訂正した上で処分もまた取り消すという考え方です。外野からすれば一番スッキリした手続きですが、お役所の手続きとしてそうなるかどうかはわかりません。


ここでもう一つの問題が重箱の隅として気になります。遺族への賠償金です。賠償金も報告書で「医師のミス」が認定されていたことが大きな根拠になっています。その根拠が失われた時に扱いがどうなるかです。もちろん刑事と民事は扱い方も判断も違いますから、刑事無罪、民事有責のもしくはその逆になっても基本的には構いません。ただ賠償金は県の公金ですから、賠償の根拠が失われた時にどう扱われるかが気になります。

調べた範囲ではよく分からなかったのですが、ある時点で責任を認めて賠償行為を行い、後日その責任がない事が証明されたケースの取扱いです。もちろん保険金詐欺に類するようなケースでは賠償金の返還は当然ですが、そうでないときです。賠償金の支払いを受けた方としては、「一度責任を認めたのだから返還の必要はない」とするかと思います。私も感覚的にはそうです。本当の事実関係がどうであれ、その時点の両者の合意による和解ですから、和解を決裂させる結果になるような行為は行なわれないんじゃないかと考えます。

県と遺族の関係は賠償金返還なしで終わるとしても、県民と県の関係はどうかが気になります。賠償金がいくらだったかは存じませんが、少なくない金額であると思われます。あくまでも後日にわかった事実ですが、本当は賠償金が不要なケースであった時の責任問題はどうなるかです。間違った判断により賠償金を支払った責任問題はどうなるかです。

こんな重箱の隅問題が福島で持ち上がるかどうかは定かではありませんが、持ち上がれば責任問題はどこに帰結するのでしょうか。議決したのは議会ですから県全体の問題として終わるのが一つです。次に議会に間違った判断の提案をした県当局の責任を問題視する考え方です。さらに言えば、県当局に間違った判断をさせた事故検討委員会の責任問題です。ただ事故調査委員会は「法的な意味」はないそうですから、責任を問うのはどうなるかよく分かりません。

個人的には気になりましたが、しょせん重箱の隅みたいな問題です。あくまでも賠償金はその時点での民事の和解みたいなものでしょうから、後日になって「文句は言わない」は双方の重要な合意事項なると考えられます。やはり問題にはならないと考えるのが妥当の様な気がします。

おわび 07:36

本日のコメント欄はキャパシティオーバーのためこれ以上書き込めません。悪しからず御了承ください。

HirnHirn 2008/08/23 09:22 補償についてはH18.3.10の時点ではこうなっています。
http://www.jsog.or.jp/about_us/minutes/pdf/GIJIROKU/h17_09joumu.pdf

松岡副議長「ご遺族への補償支払をスムーズにするために調査委員会の報告書はそのようなニュアン
スで作成されたとのことだが、県立病院なので補償は県議会の承認を得る必要があると思うが、金額等
補償の状況はどうなっているのか」

佐藤監事「それが一番問題である。本人も院長も家族に会いに行ったが、亡くなられた患者のご主人
が本人を殴らんばかりのひどい剣幕であったので亡くなられた患者の実父が拙いといって止めた経緯が
ある。病院側としては本人を出さないこととし、病院側が家族と接触しようとしたが、行っても行って
も会ってくれない。何回も行ったのかというと、2〜3回しか行っていない。報告書が出来たにも拘ら
ず、保険会社に要請もしていない。県の病院局は全然何もしていないといっても過言ではない。我々が
申し入れても未だ途中だからということで終わってしまう。これがまたご遺族の大きな不満をかってい
る。家族に会えず、保険会社とも話し合いをしていないので、ひどいやり方であると言われても仕方が
ないと思う。補償の支払どころか交渉すらされていない」

武谷理事長「民事の裁判にもなっていないということか」

BugsyBugsy 2008/08/23 09:23 おはようございます。

>2005年3月にまとめた事故調査委員会の報告書で、加藤医師の処置をミスと判断したことについては

公立病院ではどこでもやってることですが、患者さんとトラブルがあったらば、「第3者的な立場の事故調査委員会を作りました。病院側も過誤を認めました。示談金も支払います。議会にも速やかに認めました。」
という流れを 世間の耳目を集める前にさっさとやることが多いです。大概は「医者個人が悪いのです。」
文句が出れば 「もう医師が認めました。責任を取らせて ほらこのとおり、管理者責任として医師を処分しました。」
大学病院も似たようなもんです。

県当局にしてみれば 警察が逮捕して刑事事件になったのは全くの想定外だったのではないですか。

「早いところ 世間の皆様、忘れてください。今回の判決のとおりです、もうこれ以上追求しないで下さい。。決して示談金をはらってかたをつけたかったために 委員会という形式を踏んだのではないのです。」

「医療事故の再発を防ぐために作ったもので....」

検察が控訴を決定したら、

「..........」

コメントを固唾を飲んでお待ち申し上げます。医療事故の再発を防ぐために具体的にはどういう提言をこの委員会から上申されたのでしょうか?本当に上申されたのでしょうか?
そこまで踏み込んで取材されたんでしょうかねえ?

無能な土木役人無能な土木役人 2008/08/23 10:20  「法的な意味はない」というのは、報告書は県の内部文書なのでそれ自体は法的な効果はないという意味と思います。つまり訂正するつもりはないでしょう。法的な効果があるのは、減給・懲戒免職という処分であって但し、減給等の処分が取り消されれば、実質上その範囲において訂正されたと推論されると思います。また、懲戒免職が取り消された場合には過去にさかのぼっての給与も支払う必要があります。休職も同様と思いますが、本人の意思がからむ場合については私もよくわかりません。

>県当局にしてみれば 警察が逮捕して刑事事件になったのは全くの想定外だったのではないですか。

多分、刑事事件になるまでは想定してなかったと思います。が結果的に、事故報告書とこの処分が検察が起訴する非常に有力な根拠となったと思料します。

遺族への賠償金について県が取り戻せるかどうかは、法律の専門家でないのでよくわかりません。両者合意のもと和解が行われたものの、その前提となる事実に重大な誤認があった場合どうなるのでしょうね。ただ、刑事裁判での事実認定がそのまま民事でそのまま適用になるとはかぎりませんので、両者が合意したままそのままでOKという考え方もあります。

ただ、県民サイドとしては、支払った賠償金はもともと県民の税金でしたので、原因のない不当な賠償金を支払ったことに対して、県の責任者にその分を個人の責任で県に賠償しろという住民訴訟の提起は可能です。その場合、原因がなかったかどうか(過失がなかったどうかの判断は民事事件としての事実認定をされることになると思います。)これをやられると役人にはつらいだな。

もし、県の担当者が医師の過失がないことを知りながら、過失があるとでっち上げて賠償金を支払った場合、背任罪が成立するのではないかなあ。

京都の小児科医京都の小児科医 2008/08/23 10:36 渡辺好男氏の「医療事故防止のための要望書」の全文がどこかで読めないでしょうか

YosyanYosyan 2008/08/23 11:07 京都の小児科医様

私の調べた範囲ではCBニュースが一番詳しそうですが、
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/17763.html;jsessionid=A5ACE3DEA71CCB323062DC6DB9EDBEAC

原文そのものは無い様に思われます。

岐阜の小児科医岐阜の小児科医 2008/08/23 11:13 この記事を読んで、福島県は「法的意味がない」報告書に基づいて処分を行ったのか?という疑問がわきました。

この報告書作成に当たって、加藤医師がその内容に抗議し、福島医大の佐藤章教授も疑問を呈していたのに、補償を優先させるために県が通した。示談が進まず遺族が民事訴訟を起こされるのを恐れていたなと思っても不思議ではないですね。

岐阜の裏金問題の時もそうですけど、謝罪の姿勢をみせるために現場の医師の意見もきかず報告書や処分を通す県当局のやり方には納得できないものがあります。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/08/23 11:15 Hirn様の情報によると、少なくともH18.3.10の時点では、未補償だったわけですね。私はなんとなく、遺族が会ってくれないので交渉は暗礁に乗り上げたままだと思い込んでましたが実際のところはどうなんでしょうかねえ?
賠償金はきっちりもらったがそれはそれとして加藤医師には然るべき報いを!とかだったりしたら私の中では遺族は(以下自粛)。

YosyanYosyan 2008/08/23 11:29 無能な土木役人様

 >背任罪が成立

佐藤教授の有名な発言に

『患者の死亡後、県の医療事故調査委員会が設置され、当大学出身者以外も含め、3人の医師による報告書が2005年3月にまとめられた。今回の逮捕・起訴の発端が、この報告書だ。県の意向が反映されたと推測されるが、「○○すればよかった」など、「ミスがあった」と受け取られかねない記載があった。私はこれを見たとき、訂正を求めたが、県からは「こう書かないと賠償金は出ない」との答えだった。裁判に発展するのを嫌ったのか、示談で済ませたいという意向がうかがえた。私は、争うなら争い、法廷の場で真実を明らかにすべきだと訴えたが、受け入れられなかった。さすがにこの時、「逮捕」という言葉は頭になかったが、強く主張していれば、今のような事態にならなかったかもしれないと悔やんでいる。加藤医師は、報告書がまとまった後に、県による行政処分(減給処分)を受けた。』

報告書作成についてドロドロした裏舞台があることを窺わせる発言ではありますが、結局のところ事故調査委員として「同意」しているわけですから、背任罪は難しいように感じます。事故調査委員会で県が「医師にミスあり」と主張する事自体は問題でなく、事実認定経過に強引な事実操作の明らかな証拠でもないと難しいんじゃないでしょうか。その辺は役人ですから明らかにわかるような証拠を残すとは思えません。


10年ドロッポ様

賠償金が実際に支払われたかどうかのソース記事が確認できないのですが、どうやら支払われたようです。これにまつわる剣呑な噂も一部にあるのですが、これはあくまでも噂ですからここでは取り上げません。まあそれでも、剣呑な噂があるぐらいですから支払いがあったことは事実として考えて良さそうな気がします。

元外科医元外科医 2008/08/23 12:32 佐藤教授も県の役人の一人な訳でトップ、またはその周囲から出てきた指示には逆らえなかったのでしょう。福島県から医師が逃げる理由が理解できる気がします。

TOMTOM 2008/08/23 12:44  私も裁判にこそなりませんでしたが、ある一件に巻き込まれたことがあります。詳細は省きますがどこからどう見ても医療側に非はなく、その事は「被害者」側も実は解っていたのかいかなる理屈でもこちらを責めることができず、「気の毒だとは思わないのか!」と、ただカネを目当てに感情論だけで恫喝を繰り返してきました。「被害者」は随分と【慣れている】感じで、「保険金が出るように、ミスがあったという報告書を書け!」とこの通りの言葉で言ってきました。私は当然本当のことしか書きません。その上、「裁判にするならすればいい。真実は曲げない。」と突き放し、あとは弁護士さんに任せました。結果、相手は裁判を嫌がり退散していきました(多分)。

 私の経験から、いつ何に巻き込まれるかわからぬ、私含む全ての同業の皆様に申し上げます。

【絶対に、『気の毒だから』と譲歩してはいけません。自分で正しいと思う主張を曲げてはいけません。評判を恐れた隠蔽などもってのほか、全てを白日下に公開し、公的な審判を待つべきです。それで認められない社会なら、こっちから捨ててやれ。】

あと、病院の事務方の人とか、面倒を避けるために仲間を背後から撃つようなマネはしないで下さい。お願いします。

 このコメントは本件に触発されて書いたものではありますが、私の体験を述べたものであり、福島事件の関係者を指すものではありません。念のため申し添えます。

京都の小児科医京都の小児科医 2008/08/23 12:52 Yosyan先生

ありがとうございます。

>私の調べた範囲ではCBニュースが一番詳しそうですが、
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/17763.html;jsessionid=A5ACE3DEA71CCB323062DC6DB9EDBEAC

>原文そのものは無い様に思われます。
やはり、そうですか。私も探したのですが今のところなかったです。

渡辺好男氏の「医療事故防止のための要望書」の全文が読めないと
メディアのフィルターを通じての理解では誤解が生じる可能性が
あると思いました。

この「医療事故防止のための要望書」の宛て先は県病院局ですから
この全文の公開と県病院局の回答の公開があればと思います。

渡辺好男氏には、医師として「医療事故防止のための要望書」の全文
の公開を望みたいです。(メディアにはくばったかも知れませんが。。。)

taroumaru_ootaroumaru_oo 2008/08/23 12:55 たびたびロムさせてもらっています。
この報告書によって、周産期医療の崩壊に拍車が掛かり、地域医療体制に混乱をまねいたと見える。
調査委員の面々はそれぞれ権威であり、県の幹部の関わっての事だが、結果は余りにもお粗末。軽率な判断だったのではないだろうか。
不思議なのは医師が報告書を作っているのに、検察と同じような結論にいたっている点。
池の上教授等の証言や色々なブログなどで発言されている多くの産科医の意見とちがうのはなぜなのだろう。

このあたりが素人目に非常にわかりづらいところです。

元外科医元外科医 2008/08/23 13:01 >不思議なのは医師が報告書を作っているのに、検察と同じような結論にいたっている点。
順序が逆で医師のその報告書を元に検察が画を描いたということでしょう

BugsyBugsy 2008/08/23 13:02 この賠償金とやらは どこから支払われてのでしょうか?
病院、県、保険会社のいずれでしょうか。

友人は医師個人の団体損保の加入費用は病院側が補填するという条件で就職しました。
医師の団体損保に加入していない医師というのも、とりわけ無給の大学院生に多く見受けられます。やはり心配です。
公立病院では病院として損保には加入してないのでしょうか?勤務していた頃 そんな話題も出ませんでした。今まで大野病院ではどうされていたんでしょうか?そもそもオイラには病院が損保に入ること辞退が可能なのか存じ上げませんが、県も今まで例でどうされていたんでしょうかと訝る気持ちがします。

今回の賠償金のコメントを拝見して不思議に思うのは 産婦人科領域でも病院で死亡される患者さんは決して少なくないはずです。そして全員に賠償金、或いは弔慰金が支払われるわけでもないでしょう。刑事事件になるとは予想しなくとも 明らかに民事になりそうなので早々と示談金くらいのつもりで先に支払ったんですかね。一体いかなる基準で早々と手を打とうとしたんでしょう?民事になるとしても、「係争中の事案なのでコメントできない。」として裁判の前に補償金を渡すことはないんじゃないですか。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2008/08/23 13:10 Yosyan様、
>賠償金が実際に支払われたかどうかのソース記事が確認できないのですが、どうやら支払われたようです。

そうですか…、何だか色々な意味で残念です。
元外科医様、
佐藤教授を庇う義理はありませんが、教授も事を荒立てない方が加藤医師のためかも…、と考えられたのかもしれません。あと、加藤医師自身の意思も尊重されたのでは?(未だに贖罪の意識は強いみたいですからねえ。完全に間違っているんですけど、そう割り切れるもんじゃない程度の事はさすがのヒトデナシな私でも容易に想像できます)。
TOM様、
御意!
何回か書いてますが当方は実家が電話リース詐欺にあって、リース料金の支払いを止めてリース会社から訴えられた事があります。最終的に勝訴はしましたが…。「裁判にしてまではちょっと…」とか、「せめて残りのリース料金だけはケチりたい」等と考えず、最初から販売店を訴え、リース会社には支払いを保留してもらうべきだったと今でも悔やんでいます。裁判を無闇に怖れない事こそが、結局は裁判を避けるコツなのです。

BugsyBugsy 2008/08/23 13:18 再掲

確かに手術室の中での死亡、術中死は滅多にあるわけではないので調査委員会により調査するというのは当然ともいえます。

大野病院に直接当てはまるとは申しませんが、
ただ医師の側にしてみれば 相談できる病院顧問弁護士も雇用されていなければ、不本意なかたちで裁判が始まる前にさっさと処分されれば 退路を絶たれたようでなんともやりきれません。ましてや 医師が仮に損保保険に加入していれば即それで示談すればいいじゃないかと突き放す公立病院は相変わらず多いのです。

こういった経緯から心が砕けてしまう勤務医は後を絶ちません。

YosyanYosyan 2008/08/23 13:26  >この賠償金とやらは どこから支払われてのでしょうか?

Him様のコメントに、

 >保険会社とも話し合いをしていないので

こうあるところを見ると大元は損保からでしょう。ただここから先はよくわからなくて、遺族は病院に対し賠償を求めているわけですから、遺族に支払う当事者としては病院ないし県とも考えられます。ルートとして考えられるのは、

 1.損保 → 遺族
 2.損保 → 病院(県) → 遺族

実質としては損保から遺族でしょうが、病院(県)が支払った賠償金を損保が保険として穴埋めする形式のように考えています。ただ詳細はよく知りません。それといわゆるバイトとか大学院生に対する補償は契約次第と考えられます。保険料は適用範囲が狭いほど一般に安くなりますから、契約する病院の意向次第と思われます。ただし最近の風潮は微妙ですが、基本的に訴えられるのは病院ですから、契約範囲をケチると被害を蒙るのは病院ですから、入っていそうな気はします。

もっとも病院だけではなく医師個人も一緒に訴えるというのも最近ではよく見られますが、そのときに病院の損保の適用がどうなるかは分かりません。これも契約内容次第と思うのですが、これ以上は知識はありません。

元外科医元外科医 2008/08/23 14:24 医師個人のはいる賠償責任保険はカバー範囲も広く保険料も比較的安いのです。病院のはいる保険は保険料が馬鹿高く、保険事故、つまり支払い事案があると翌年はもっと高くなるそうです。ですから大きな自治体などでは、金がありますから、保険会社に余計な保険料を払うより事故があったときに臨時予算組んで議会を通してお金を出すところも多いのです。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/08/23 15:24 初期の頃の報道こんなだったんですね。
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【帝王切開ミスで妊婦が死亡 福島県立大野病院】
 福島県は30日、昨年12月に県立大野病院(大熊町)で20代の妊婦が帝王切開の手術の際に死亡したのは執刀医が胎盤を無理にはがしたことなどが原因の医療ミスだったと発表した。  会見した秋山時夫病院局長は「病院側に過失があった。家族には説明し謝罪した。今後賠償について話し合う」と説明した。  昨年12月17日、30代の男性医師が入院中の妊婦を帝王切開したが、妊婦は胎盤の一部が筋肉に癒着してはがれにくい「癒着胎盤」で、医師ははさみで胎盤をはがした。子どもは無事だったが、女性は同日、胎盤をはがしたことで大量出血し死亡した。
2005/03/30 08:54 【共同通信】
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これじゃどう読んでも医療ミスだわ。ひどいですね。

京都の小児科医京都の小児科医 2008/08/23 15:40 渡辺好男氏の「医療事故防止のための要望書」の全文
ですが。
杉原先生のブログにありました。
http://blog.goo.ne.jp/kitaguchi-tamuraclinic

これは公開された情報なので、そのまま提示しておきます。
問題があれば削除してください


福島県病院局長殿                平成20年8月20日


医療事故再発防止のための要望書

謹啓
残暑の候、時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。平素は格別のご高
配を賜り、厚くお礼申し上げます。

ところで、私は2004年12月17日、県立大野病院での帝王切開の事故で、最愛の
娘を亡くしました。
執刀医の逮捕後、様々な医師団体が、逮捕を不当と抗議し、医療崩壊を訴える
声明文を出しました。しかし、被害者側から見ると、こうした声明文は医療者側
に偏りすぎているように感じ、事故の原因究明や再発防止の検討がなにもなされ
ないままに終わってしまうのではないかと不安を覚えます。

私は娘が亡くなるまで、医療に絶対的な信頼を持っていた一人でしたが、死亡
後は日を重ねるごとに医療に対し、不信感を深めるばかりです。また、事故後3
年7ヵ月が経過しましたが、県立病院を管理・監督する立場にある県病院局も具
体的な動きが見えず、このままでは「再び事故が発生するのでは」と懸念してお
ります。

つきましては、「大野病院で命を落とさずに済んだであろう亡き娘」の父親と
して、再発防止の観点から、下記の点について要望させていただきます。ぜひ、
県の管理・監督のもと、トップダウンにて具体的かつ実効性のある事故防止に努
めてくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
なお、この要望書に対して、県としてどのように対応なさるか、ご返答をいた
だきたく存じます。ご連絡をいただきましたら県庁にまいりますので、できるだ
け早いご返事をお待ちしております 
謹白

要望

1.周産期医療システムの運営状況の検証と見直し
? 各センター病院がその役割を果たしているか運営状況を検証する。
? 事故再発防止のために、周産期医療システムの内容を見直す。

2.各医療機関の役割を明確化するルールをつくる(各診療科ごと、横断的に)
? 県病院局、県立医大、拠点病院、地域の医療機関の役割を明確化する。
? 医師の経験や医療設備に見合わない、難しい手術などを行わせない。
? 県立医大、拠点病院、地域病院の連携を強化する。

3.医師の教育・ルール遵守の徹底
? 2.で明確化したルールを遵守するよう医師教育を徹底する。
? ルール違反者には再教育をおこなうなどペナルティを設ける。

4.医師の計画的な配置
? 一人医長はつくらない
? 経験不足の医師ばかりにさせず、かならず指導的立場の医師と仕事をさせ
る。
? 産科施設には必ず小児科医も派遣するなど、医療連携を考えた医師配置に
する。

5.患者情報の管理の徹底(電子カルテの導入など)
? ハイリスク患者や、連携して治療が必要な患者の情報を病院間で共有する。
? 県立医大、拠点病院が、難しい患者の診療をアドバイスする仕組みをつく


6.手術におけるビデオ記録の保存
? 遺体解剖の有無を問わず、事故を検証する有力な証拠となる。
? ビデオ撮影記録のない手術は、改ざん・隠蔽と同等の扱いとする。

7.風土改革
? 医師以外の医療スタッフの声を聞く、話せる環境づくりを進める。
? 改善要望をボトムアップで吸い上げられる環境づくりを進める。
? 不正があれば内部告発ができ、告発者をフォローする体制づくりを進める。

8.その他
? 手術のリスクなどを含め、インフォームド・コンセントを徹底させる。
? 患者にセカンド・オピニオンの制度があることを周知徹底させる。

2008年8月20日
福島県楢葉町・渡辺好男

YosyanYosyan 2008/08/23 15:52 京都の小児科医様

ありがとうございます。貴重な記録ですのでもちろん保存させて頂きます。この要望書については噂だけが独り歩きしていましたが、内容はかなり真っ当じゃないかと思います。一部違和感があるところはありますが、渡辺氏は医療関係者でありませんから、そこさえ割り引けば至極まともな提案であるように思えます。もっとも、実はもっと凄い内容を想像してましたから、ちょっと拍子抜けした部分はありますけどね。

そうそう皆様もこの要望書にご意見いただけるなら、時期を考えての冷静な評価をお願いします。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/08/23 16:48 賠償についてですが、
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/17754.html
を読みますと、
「民事訴訟については『現在は考えていない』という。」
と遺族が語ったとされています。本当に賠償はなされたのでしょうか?
賠償=民事上の和解、だと思うので、訴外で和解がなされていれば、こんな質問や回答がなされる余地が無いと思うのですが?・・
見舞金とかでしょうか?

BugsyBugsy 2008/08/23 17:08 部分的な評価です。

1.一人医長はつくらない
  同意します。医師も強く望んでいます。大学病院の医師剥がしと揶揄された時期もありましたが、むしろこれ以上一人医長でいることに耐えられないという悲鳴が上がったというのが真相に近いと考えます。大学からの応援が得られなければ診療続行が不可能ということで 実に多くの医師が一人医長を辞めました。一方で入局者ゼロという診療科が多く、大学病院全体でも一桁、教授が当直しなければ追いつかないという大学病院では一人医長すらも送り出せなくなっています。皮肉なことですが集約化となれば見た目の一人医長は減るものの、地域の病院から医師は居なくなり、随分うらまれています。大規模な病院でも 付き添ってあげたい指導医すらも減っているのです。

2.術中のビデオ撮影
  まあ DVDに手術毎に焼き付けておくという趣旨は賛成します。ただし記録用の機材、スタッフが必要です。手術用の顕微鏡にはDVDが付いてはいますが、開腹などのマクロな撮影だと どの程度病院で普及してますかね。一方判定は結局専門医師じゃないとわからない部分がありますが そういった人材も必要です。裁判を見据えると医師がカンファレンス用に数分程度に編集したものではなくて フルタイム必要でしょう。
さらに放射線検査、ムンテラの撮影となると どこかで線引きが必要になるでしょう。
まさかとは思いますが、「うちには手術用の撮影機器がないので 困難な症例は引き受けません。」なんて病院も出てくるかもしれません。まあ コストと人材がかかります。個々の病院がこういったコストをも被れますか 自信がありません。行政にお願いするしかありません。

3.県立医大、拠点病院、地域病院の連携を強化する。
 一県一医大とはいうものの 歴史的経緯があって各都道府県のなかでも派遣病院はモザイク上に系列が違います。系列が違う隣り合った病院同士は 今も仲が悪いです。福島県はいかがでしょうか。一筋縄ではいかないです。

YosyanYosyan 2008/08/23 17:15 moto様

どうにも真相がよくわからないのですが、とりあえず確認できる事は、まず通信用語の基礎知識様から、
http://www.wdic.org/w/SCI/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%9C%8C%E7%AB%8B%E5%A4%A7%E9%87%8E%E7%97%85%E9%99%A2%E7%94%A3%E5%A9%A6%E4%BA%BA%E7%A7%91%E5%8C%BB%E9%80%AE%E6%8D%95%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 >「過誤があったことにして病院から賠償金を支払う決定」にした。

決定はあったようです。しかし野村麻実先生によれば、

 >それが。突然の(ご遺族も頼んでいない)
 >警察の介入によって保険金支払いは
 >裁判の最終結果が出るまで延期になってしまいました。

これならば受け取っていないという事になります。野村先生を疑うわけではありませんが、流れている剣呑な噂で慰謝料を巡って遺族が「もめた」話も出ています。もちろん噂の信頼度は低いので、野村先生情報を優先して信用すべきなんですが、最後の点がどうにも確認できてなくて申し訳ありません。噂の方も取りようによっては、これから受け取るはずの賠償金の分配を巡ってなら話は通るのですが、これもよく分からない話です。

ただなんですが、賠償金は民事であり、刑事事件に発展してもこれが中止になるとはちょっと分かり難いところです。野村先生情報が確かなら、刑事で無罪になれば賠償金は支払わないになります。形式上との批判もありますが、事故調査委員会を作り、ミスを認定し、決定までしたものを逮捕により保留にし、刑事の結果で反故にするのもまた如何なものかと思わないでもありません。

話の筋が通っているような、いないような感じがしないでもないのですが、Bugsy様の御指摘どおり、

 >警察が逮捕して刑事事件になったのは全くの想定外

これによる混乱があるように思います。

tadano-rytadano-ry 2008/08/23 17:23 昨日せっかく感心したのにこんな芳しい記事がorz>産経
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/172379/

【野菊】医療事故をめぐる非常識

配信元:SANKEI EXPRESS 04:37更新

 5年前の11月11日のことである。場所は都内のある医大病院の講堂。そこに新聞とテレビの記者やカメラマン計30人ほどが集まっていた。私もそのうちの1人だった。

 予定の午後3時になると、院長と2人の副院長が、白衣姿で現れた。まず院長が「ご迷惑をおかけしたことをおわびします」と頭を下げ、続いて副院長が、医療事故の経緯を簡単に説明した。医療事故は点滴用のカテーテル(細管)の挿入を誤り、患者を脳死状態にしたというものだった。

 事故の説明までは良かった。問題はこの後だった。もう1人の副院長が「司直の手に委ねられているので質問には一切、お答えできません」と話したと思ったら突然、3人は同時に立ち上がり、いっしょに回れ右して縦一列に並んで歩き出し、そのまま講堂の外に消えてしまった。この間、たったの5分だった。その後で記者団が会見を再び開くよう求めたが、病院側はなかなか応じようとはしなかった。

 こんな常識外れの記者会見は初めてで、開いた口が塞(ふさ)がらなかった。厚生労働省内でも「日本中が度重なる医療ミスで医療不信に陥っているなか、あの5分の会見が火を広げてしまった」と語り継がれている。

 話は変わって今週の20日の福島地裁。福島県立大野病院で2004年12月、胎盤がはがれない癒着胎盤の手術中に妊婦が出血多量で死亡し、産科医が逮捕された事件で、この産科医に無罪判決が言い渡された。判決の妥当性はともかく、無罪判決を喜んで捜査当局を批判する一部医学界の反応には納得できないものがある。

 たとえば、日本産科婦人科学会は記者会見を開いて「昨今の萎縮(いしゅく)医療の進行に歯止めがかかることが期待される」「検察が控訴しないよう強く要請する」「患者が亡くなられたのは本当に悲惨なことだが、医師に刑罰を科すことは全く違う次元の話。医療をよく知らない警察が捜査を行ったことが問題」と指摘したという。

 医療事故は医師だけでなく、患者にとっても理不尽である。それを忘れ、医療事故の原因を究明し、再発防止を目指すシステムが構築できないとしたらそれも非常識である。(木村良一)

うらぶれ内科うらぶれ内科 2008/08/23 17:24 京都の小児科医 さま
これだけの要望を実現するのにどれくらいの費用が要るもんでしょうかね。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/08/23 18:01 わたしは、
「民事訴訟については『現在は考えていない』という。」
というのは、これまで、和解の交渉のテーブルにさえつかなかったので、まずは訴外で、話し合いの場を持ってから、ということなんじゃないかと思います。
だから、今すぐにではないけれど、いずれは民事訴訟になりうるのではないかなあ。
「医療事故再発防止のための要望書」を出してきたというのも、ひょっとしたら、それを含めた県との交渉の始まりなのかもしれません。
戦略としてはともかく、刑事でまず白黒はっきりさせて、然る後に、慰謝料など保証金を、というのは、筋の通った考え方ではあります。

京都の小児科医京都の小児科医 2008/08/23 18:11 Yosyan先生

>ありがとうございます。貴重な記録ですのでもちろん保存させて頂きます。この要望書については噂だけが独り歩きしていましたが、内容はかなり真っ当じゃないかと思います。一部違和感があるところはありますが、渡辺氏は医療関係者でありませんから、そこさえ割り引けば至極まともな提案であるように思えます。もっとも、実はもっと凄い内容を想像してましたから、ちょっと拍子抜けした部分はありますけどね。

とりあえず、事実の確認が重要と思いました。
この内容から判断して相当前から文章を練っておられたように
思います。

ただ、あたりまえかも知れませんが福島県に対する要望であって
医療界全体に対する要望ではありません。

したがって、逆に地元のマスコミ、たとえば地元福島テレビの
『天国にいる娘への手紙』
http://www.fujitv.co.jp/b_hp/fnsaward/16th/07-317.html
の続編として
続『天国にいる娘への手紙』として福島県医政と渡辺好男氏
の動きを追っていただければと思いました。

>Bugsy様
福島では
「一人医長」改善の動き
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukushima/news/20080821-OYT8T00144.htm
があるようです。

>うらぶれ内科 2008/08/23 17:24
京都の小児科医 さま
これだけの要望を実現するのにどれくらいの費用が要るもんでしょうかね。

はい、福島県が実現できない理由として予算がないことをあげられるかも知れません。

いづれにせよ。本件に関する福島県病院局長のご回答も公開していただければと
思います。

繰り返しになりますが、マスコミが遺族対医師との対立をあおるのではなく
遺族と福島県医政の動きを冷静に追っていただければと思います。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/08/23 18:14 続)
ですから、県としては、刑事判決前から、賠償金を工面して、民事和解に持ち込み、刑事での判決の裁判官の心証を良くしようと努めていたが、遺族側が応じなかったという推定がいちばんつじつま合うのではないかなあ。
このあと(無罪判決が出たあと)県が賠償金を支払うかというと、保険もおりないだろうし、かなり難しくなるんじゃないでしょうか。そうなると、そこでまた、遺族が「話が違う」と怒るかもしれません。
しかし、そうだとすると、県は、会計のどこから「賠償金を工面」したのだろうか?・・損保会社と相談したのかもしれませんね。損保会社としては、刑事判決が有罪と出た後だと、民事賠償金は高くならざるを得ないから、判決前に和解なら、これくらいの額、と提示したかもしれません。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/08/23 18:34 続々)
そうすると、遺族の次の交渉相手は、県病院局ということになりますが、これをどう有利に持っていくかは、マスコミの風向き次第でもあります。
加藤先生無罪になって、発端となった事故調査報告書の不当さが、クローズアップされるでしょうし、「要望書」ももっともな話ばかりですから、対応する病院局は、頭が痛いんじゃないでしょうか。
そのへんのマスコミの風向きを呼ぶことができれば、あるいは、県議会で何らかの名目での保証金が和解のために支払われるかもしれません。
ひょっとしたら、ご遺族のかたは、「和解金などいらん、そんな金があったら、地域の周産期医療のために遣ってくれ」とおっしゃるかもしれません。それはそれでまた、ひとつの筋の通ったスタンスであろうかと思います。

法務業の末席法務業の末席 2008/08/23 18:53 Yosyan先生の 2008/08/23 17:15 投稿での以下の内容に関連して、私見をコメントします。
--------------------------------------------------------------------------------
 >「過誤があったことにして病院から賠償金を支払う決定」にした。
 決定はあったようです。しかし野村麻実先生によれば、
 >それが。突然の(ご遺族も頼んでいない)
 >警察の介入によって保険金支払いは
 >裁判の最終結果が出るまで延期になってしまいました。
---------------------------------------------------------------------------------

損害保険の実務の上で「刑事裁判の判決確定まで保険金支払い留保」という事例は、特段珍しいことではありません。野村麻美様が仰るような内幕は十分有り得ると個人的には思います。私自身は大野事件で保険会社がどのような対応をしたのか、確たる情報を持っておりませんが、損害保険の原則論としての推論を以下に披瀝します。(少々長文で申し訳ありません)


普通の賠償責任保険は被保険者に損害賠償責任、すなわち民法上の不法行為で発生した損害を賠償する責務が発生した場合でないと、保険会社は保険金を支払わない約款になっています。民法での不法行為には加害者の故意による場合と、過失により被害者に損害が発生した場合の両方を含みます。一般的な損害保険約款では、故意による保険事故発生は保険金支払の対象外(免責)としていますので、加害者の過失により被害者に損害が発生(保険事故の発生)した場合のみ保険金が支払われます。

逆に言えば医療現場で死者が出たとしても、その死因が医療者に過失が無い自然死であれば、不法行為(過失)による損害賠償責任が発生しませんので、保険会社は一切の保険金支払を行ないません。保険金支払の要件となる過失の有無は民法上の過失であって、刑法の業務上過失致死傷罪で処罰の対象となる過失とは全く同一ではないので、刑法上は過失無しとされても民法上は過失有りとされる事例は数多く存在します。

ただ保険会社からすれば、被保険者の医療者が刑事裁判とはいえ前面的に無罪、すなわち自ら一切の過失が無いと主張して裁判で争っている場合、その刑事裁判の結果(判決)がどのようになるのかは非常に気になるところです。刑事裁判が無罪判決であっても、僅かな過失はあったが処罰するほどではないので無罪なのか、一切の過失は無いので無罪の判決なのかは、保険会社の保険金支払の判断には大きな違いが生じます。

前者の無罪判決の場合は保険会社は保険金支払を拒否できませんが、後者の無罪判決の場合は過失が一切無い、すなわち無過失ですので保険約款上は保険金支払の義務は無いと言えます。そこで保険会社は過失の有無について法廷での争いが決着が付かない間は、保険金支払を留保することがあるのです。野村麻美様が仰っているような刑事裁判の判決確定まで保険金支払留保する話は、損害場保険の実務上は特段珍しいことではありません。

なお、保険約款と保険金支払の義務については民事上の問題ですので、刑事裁判の結果が直接影響するわけではありません。けれど証拠が乏しい医療現場での保険事故においては、民事訴訟の法廷に刑事裁判で審理された証拠を超える重要証拠を提出することは困難です。先日の福島地裁判決のようにほぼ完全に医療者の過失の存在を否定し、患者妊婦の死亡には事故性が無く自然死である(自然死だから医師法21条の届出義務無し)という判決が出ると、民事訴訟で可罰性は無くとも過失はあったから損害賠償義務あり、という判決を得るのはかなり難しいと推量されます。

無能な土木役人無能な土木役人 2008/08/23 19:30 >yosyan先生

 私も背任罪までは難しいと思いますが、ただ佐藤教授が「担当医のミスでないと主張したが受け入れられなかった」と述べているので、担当医のミスでないことを知りえたということは十分ありえるわけでして、そこを突かれると結構キツイかも。ただ、民事の医療過誤の判例では、過失が刑事よりも幅広く捉えられているので(説明不足とか)死人が出ているし、損害賠償の対象となると考えたとしてもまあ不思議ではないですけど。
 あと、支出を決めた人=調査委員ではありませんので、調査委員というだけで県の支出に対する責任を負うわけではありません。


それから賠償金ですが、次のように推測します。
・担当医が損害賠償保険で払う分と県が使用者責任で支払う分があった。(割合は知りません)
・「県議会の承認を取った」云々の話からすると、県の分については保険によらず、県の一般会計か病院管理の会計から損害賠償を既に支払い済み(示談も終わっている)
・担当医の支払う分については、保険会社が代位して払うことなるが、刑事裁判になり、担当医が無罪(無過失)を主張しているので、保険会社はとりあえず刑事の結果待ち→刑事が、無罪確定なら支払いはしない。(遺族が保険会社(又は担当医)から損害賠償を取るためには別途民事訴訟が必要)

BugsyBugsy 2008/08/23 19:40 tadano-ry様

> こんな常識外れの記者会見は初めてで、開いた口が塞(ふさ)がらなかった。厚生労働省内でも「日本中が度重なる医療ミスで医療不信に陥っているなか、あの5分の会見が火を広げてしまった」と語り継がれている。

これはいかんでしょ。

係争中であれば病院はこういう記者会見で終わります。この記者は大学病院での記者会見を経験してなかったのでしょうか?このようなことはそれ以前から沢山あります。信用できない相手に本音をぽろぽろ漏らして適当に編集され、捻じ曲げられたらたまったもんじゃありません。
患者さんについてどう思うかと質問され、哀悼の意を表すといわせて、間違いを病院側が認めたと報道するのは散々検分しました。だから沈黙するのです。

>あの5分の会見が火を広げてしまった」
この記者の思い込みですな、昔から信用されてないんですよ、マスコミは。
昔からこんなもんです。訴訟中にもかかわらず、患者側の言い分を一方的に言い募る人間を何で信用できますかって。

カテから始まった事件と今回の大野病院事件を同列に扱うこと自体がおかしいのです。

>医療事故の原因を究明し、再発防止を目指すシステムが構築できないとしたらそれも非常識である。

じゃあどうしたらいいのって 聞きたい。

HajimaruHajimaru 2008/08/23 20:28 渡辺好男氏が記者会見で云われた言葉と配布した文章
__________________________

この会見にあたり、報道関係者の皆様には、下記の点についてご理解とご協力を
お願いいたします。
 1.なにぶん不慣れなことをお許しください。
 2.家族のプライバシーに関するご質問はご遠慮ください。
 3.失言があるかもしれませんが、報道する際には配慮をお願いいたします。
 4.被告側を刺激しない報道をお願いいたします。
 5.遺族側コメントは、私、渡辺好男以外は匿名でお願いいたします。

 本日の判決は、被害者の父としては、残念な結果と受け止めるとともに、今後
の医療界に不安を感じざるをえません。

 2007年1月26日の初公判から、「真実の言葉を聞きたい」との一心で、裁
判の傍聴を続けてきました。警察・検察が捜査して、裁判になったおかげで、初
めて知ったことがたくさんありました。
 私の娘は手術を受けるまで1ヵ月入院していました。助産師さんが加藤医師に、
「大野病院より大きな病院に転送した方がいいのではないか」と助言したり、先
輩医師が加藤医師に、娘とおなじ帝王切開既往・前置胎盤の妊婦を帝王切開して、
「大量出血を起こし、処置に困難を来たした」と教えるなど、娘が入院している
間、加藤医師には様々なアドバイスがありました。
 みんな慎重だったのに、なぜ加藤医師だけ慎重さがなかったのか、とても疑問
に思いました。
 
 しかし、裁判は手術中の数分間、数時間のことを主要な争点として、進んでし
まいました。弁護側の鑑定人として証言した医師の方々も、加藤医師の医療行為
を正当化する意見を述べました。その点をとても残念に思っています。
 加藤医師の逮捕後、私たち被害者が「警察に相談した」とか、「政治家に相談
した」という噂が医療界に広がっていると聞いて、とても驚きました。病院から
娘を引き取り、姿が残っている間、警察に相談するべきか幾度も自問自答しまし
た。しかし、いろいろと考えて、私たちからは警察に相談しませんでした。娘の
ために動いてくださり、捜査に尽力された警察・検察の方々には深く感謝してい
ます。この場を借りまして、御礼申し上げます。
 
 一方、医療界からは警察・検察の介入に抗議する声があがっています。しかし、
娘の事故について、他の機関で警察・検察と同等の調査ができたのでしょうか。
助産師さんや先輩医師がアドバイスをしていたことについても、県の事故調査委
員会は把握していたのでしょうか。現在も疑問をもっています。
 医療界からは「1万分の1という極めて稀なケース」とか、「現在の医療では
救命に限界があった」という声もあがっています。しかし、娘と同様の帝王切開
既往・前置胎盤のケースにともなう癒着胎盤の危険性については、厚生労働省の
研究班をはじめ、以前からいくつもの報告があります。また、ネットには「医師
から2人目は産めないと言われていた」といった事実無根の書き込みがありまし
た。こうした娘の死を蔑ろにする意見や表現は、亡くなってしまったとはいえ、
娘に対する人権無視の誹謗中傷と受け止めています。
 
 この事件を「医療崩壊」や「産科崩壊」と結びつける議論がありますが、間違
っているのではないでしょうか。そういうことを言う前に、事故の原因を追究し
て、反省すべき点は反省し、再発防止に生かすべきでしょう。医療界に、そのよ
うな前向きな姿勢が見えないのがとても残念です。「判決によっては、産科医療
から手を引く」といった声も聞こえますが、自分の身内や大切な人が患者だった
ら、そんなことが言えるでしょうか。
医療崩壊と結び付ける議論を耳にするたび、「娘は何か悪いことをしただろうか」
と怒りを覚えます。娘が亡くなる時点まで、医療には絶対的な信頼を持っている
一人でしたが、死亡後は日を重ねるごとに医療に対して不信感を深めています。

患者も医師も不幸にさせないためには、リスクの高い患者はしかるべき施設に送
るなど、しっかりとルールをつくり、守ることが大切です。再発防止を願う一人
として、県病院局長宛に要望書を提出するつもりです。

2008年8月20日
福島県立大野病院で最愛の娘を亡くした父・渡辺好男

clonidineclonidine 2008/08/23 22:04 それにしても、結局この患者さんの直接死因はなんだったのでしょうね。出血量が3000ml程度で適切に輸血されていれば、20代女性の健康な心臓がそんなに簡単に止まるものではないでしょうに。「手術終了間際に突然心停止」というのも前置胎盤+癒着胎盤の臨床経過としては非定型的です。

個人的には、「長時間の低Hbにさらされてヘタっていた心臓に、急速MAP注入によるK上昇+Ca低下、CVPラインから冷蔵庫から出したての冷たい輸血を急速注入、これらの併せワザでVfをきたし蘇生できなかった」あたりを考えていますが、手術中の血ガスデータなどは公表されていませんので、あくまで推測の域を出ません。

「羊水塞栓?」説も出ていましたが、その他にも肺塞栓や周産期心筋症についても検討が必要でしょう。コプロポルフィリンは測定したのでしょうか?麻酔科医としては、大変興味ありますが、これだけ多くの医師が関わっておりながら、純粋に医学的な症例検討があまりされていないのは残念なところです。

clonidineclonidine 2008/08/23 22:18 手術のDVD全例記録は比較的簡単だと思います。カメラ付無影燈を手術中ずっと録画ONにすればよいのです。しょっちゅう術者の頭でさえぎられたり、手術手技の細かいところは終えませんが、とりあえず手術室内でなにをしているのかは伝わります。手術室の照明スイッチと連動させて、フライトレコーダー式に手術室に明かりがともれば自動的に記録され、なにもなければ一週間程度で次の記録に塗替え、というのも可能でしょう。

問題は、「若手医師の指導」の場合にどうするかですね。世界中の教育病院で、「上級医の名前を出しているが、実質はレジデントが執刀」というのは行われています。というか、これなくして外科医は育ちません。DVDを見て「○×教授の執刀だと信じていたが、実際に手を出していたのは△●レジデントだった」と怒る患者側を、我々は納得させることができるでしょうか。

法務業の末席法務業の末席 2008/08/23 22:33 >無能な土木役人(2008/08/23 19:30 )様
>・担当医の支払う分については、保険会社が代位して払うことなるが(略

普通の医療賠償責任保険では、被保険者(医療者)が先に被害者に賠償金を支払い、その支払済賠償金の領収書を添えて被保険者(医療者)が保険会社に保険金請求するパターンになります。医療者と被害者との示談交渉が妥結し、その示談書(示談書=民法上の和解契約書です)を保険会社が確認できない段階で、被保険者(医療者)に代わって被害者が直接保険金請求することは、原則として保険会社は認めないのが損害保険の一般的な約款です。

特別法に基づいた特殊な賠償責任保険である自動車賠償責任保険(自賠責)は、一般の損保会社が扱う賠償責任保険とは違って、例外的に示談締結前の被害者請求の制度があります。しかし医療者向けの普通の賠償責任保険にも、被害者請求の制度が用意されている保険商品があるという話は、私は残念ながら聞いたことがありません。また民法715条の使用者責任は、被用者の医師が支払う賠償金債務も全額が使用者の賠償責務になりますので、県と医師とが別々に賠償金(保険金)を支払うこともちょっとレアなこと思えます。

私の乏しい損害保険の実務経験から推測出来る推論としては、次のようなシナリオが考えられます。ただし全く私の脳内での推定シナリオとして組立てた推論であって、一切の裏付けとなる情報を持ち合わせていません。その点は予めお断りしておきます。

(1)県病院局は賠償金支払をする意向を早々に固め、しかもその賠償金は賠償責任保険で賄う算段であった。
(2)無過失の「病死」では賠償責任保険が支払われないので、医療過誤があったとする平成18年3月の報告書を根拠に保険請求するつもりだった。
(3)被害者との金額交渉が妥結したら、その賠償金を被害者に支払う予定の日に合わせ、賠償保険金が保険会社から県に支払われるよう、保険会社と交渉しておいた。
(4)被害者への保険金支払日に同額の保険金が県の口座に入金されるので、賠償金支払に充当する原資となるキャッシュの準備が不要である。
(5)以上の賠償金支払の段取りを予め非公式に県議会に知らせておき、賠償金支払日=保険金入金日が確定したら、形式だけの補正予算を議会に提出するつもりだった。
(6)ところが福島県警の捜査と刑事訴追が具体化した為、予め摺り合わせを済ませていたはずの保険会社が上記段取りに難色を示した。
(7)起訴された医師が全面的に無罪(一切の過失無し)を公判で主張したため、無過失での保険金支払の疑念を感じた保険会社が、判決確定までの支払留保を通知してきた。

これが「警察の介入によって保険金支払いは、裁判の最終結果が出るまで延期になった」という野村先生の話から、私が想像力のみで組立てた推定シナリオです。

rijinrijin 2008/08/23 23:20  clonidine 先生、こんにちは。

> それにしても、結局この患者さんの直接死因はなんだったのでしょうね。

 やはりそこが問題です。

 最低限、この事例では原因究明のためには解剖が必要でした。より正確に言えば、多くの可能性の中から根拠を持ってより狭い範囲に絞り込むためには、解剖によって臓器の状況を確認する必要がありました。

 当然、生前・死後の採血、薬物血中濃度の分析も必要です。

 裁判の中では子宮の解剖については議論がありましたが、死因の特定に至ることはありませんでした。心臓と血液をはじめとした他臓器の検討が為されなかったからです。

 原因が特定できないと、理屈としては起こりうるが実際には起こらない事象に対する再発予防が優先され、実際に起きた事象への対策が後回しになる可能性が非常に高くなります。ある程度の絞り込みができるだけでも、対策の有効性は高まります。

 遺族が何よりも真実の追究を求めるというのが本当であれば、医療事故に於いて解剖を強制することには何の問題もないはずです。文化的背景についての配慮を行うにしても、今なら少なくともAiは拒否すべきでありません。

 法的にではなく、医学的に確度の高い死亡診断書を自信を持って医師が書くためにはもちろんのことです。

無能な土木役人無能な土木役人 2008/08/24 00:34 >法務業の末席さま

 医療賠償責任保険の仕組みは私は存じ上げませんでしたで、てっきり自賠責と同じかと思っておりました。保険会社が支払うのであれば、県議会の支出承認はいらないと思っておりましたが、そういう仕組みなわけですか。丁寧な解説どうもありがとうございました。

卵の名無し卵の名無し 2008/08/24 07:24 みなの推理力が結集されて”三人寄れば文殊の知恵”となった今や、真実にするどく肉薄する推理エンジンにブースターがかかっており知見に達するのも早かろう。

元外科医元外科医 2008/08/24 08:13 ここでもさんざん言われていることではありますが、死因の解明には解剖が必須であり(それでも不明のことも多いが)それなくして正確な死因は判断できません。
ですから、病理解剖は拒否したが、真実が知りたいと堂々とお話しされるご遺族にはやはり違和感を禁じ得ません。

元臨床医元臨床医 2008/08/24 10:30 clonidine 様の意見に強く同意します。
「しかったなかった」と強く主張する医師ばかりがネットで目について
現在の医療レベルにいささか落胆しておりましたが、未だ希望はあるのですね。

ssd666ssd666 2008/08/24 11:34 clonidine 2008/08/23 22:18さんへのレス

そういえば、昔、両さんかなにかの漫画でさいとうたかお氏のような大御所漫画家が、目の黒だけ執筆するというネタをやっていましたが、実際の手術でも、開頭・開腹・開胸は下々にお任せで、偉い先生が、ちょこっとだけ来て執刀。
術後管理もレジデント丸投げというスタイルは実際にありますしね。
でなきゃ、年間にCABG百件もやって、TVにも出る院長なんて不可能でしょう。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/08/24 11:55 >法務業の末席さま
 そうすると、2008/08/23 15:24 に私が引用した、初期の報道は、損保会社への「このケースは医療過誤で間違いないのだから、すみやかに保険金を支払ってくれ」とのメッセージと解せられるわけですね。
 思えば、医者も、世間知らずなのを良いことに、ずいぶんとコケにされたものです。

 しかし、本件に関しては、遺族のかたは今後県を相手にするだろうし、医者は医者で、8月21日のコメント欄にわたしが長々と書いたような理由で、事故調の問題に取り組まなければなりません。本件が無罪と出た以上、事故調は、存在意義無いのを超えて存在悪とさえなりえますから。
 実に大きな意味を持った裁判であったことだなあ。

麻酔科医麻酔科医 2008/08/24 12:43 >6.手術におけるビデオ記録の保存
? 遺体解剖の有無を問わず、事故を検証する有力な証拠となる。
? ビデオ撮影記録のない手術は、改ざん・隠蔽と同等の扱いとする。

まず、素人の方の発言ですから、むげに否定するのもかわいそうだと思いますが、これは、まったく現場を知らない方の発想です。おそらく、このご遺族は、腹腔鏡での死亡事故の検証で、録画されていた画像が有力な証拠となったことから、ビデオ万能だと思い込んでおられるのだと思います。そもそも腹腔鏡では、術者からして、撮影された映像を見ています。テレビモニターに写っている映像=録画された映像以上のものを術者でさえみることができません。ですから、意味があるのです。しかし、開腹等の場合、術者の見ている絵と、ビデオが撮っている絵は、全然別です。術者が見ている術野を撮影するためには、手術を中止し、術者にどいてもらわないと、術者が見ているのと同じ映像は撮影できないのです。術者のクビの後ろに、VHS出力端子がついていたら、意味のある画像が録画できるのですが。
さらに、胎盤剥離など、術者の手の感覚で行なわれている手術では、映像自体にあまり意味がないでしょう。手術室の全景のビデオをとっても、詳細はわかりません。ビデオ係をやる人間がいたら、他の仕事をしてもらった方がずっといいです。ビデオを撮るということにかかる人件費や、撮影機材の全ては、まったくの病院の持ち出しとなってしまい、この経済的負担が、安全を犠牲にしてしまい、あまり効果があるとは思えません。
手術室のモニターには、フライトレコーダー的な機能が組み込まれているものがあり、1分刻みのバイタル(血圧、脈拍数、SPO2,その他測定値)を24時間分記憶しているもの、さらには、心電図の波形を記憶しているものがあります。まずそういうものを整備するほうが、ずっと有用だと思います。ただ、この「フライトレコーダー」すら、病院の事務からは無駄だと大学等教育的な病院クラスでないと整備されていないのが現状です。どうして無駄だといわれるかというと、保険点数が取れないからです。

>遺体解剖の有無を問わず、事故を検証する有力な証拠となる
これはまったく,賛同できません。産科の急変における重要疾患に「羊水塞栓」がありますが、これは、なくなった患者さんを解剖して、検査することに勝るものはありません。
「解剖しないで、真実を知る」のは、限界があります。一部の病気では、Aiが威力を発揮するかもしれません。

>ビデオ撮影記録のない手術は、改ざん・隠蔽と同等の扱いとする。
ビデオ撮影は、人力が必要です。
救命の必死の現場で、最後の一人まで、救命活動を行なってすら助けられるかどうかという瀬戸際の現場になることがあります。患者の救命をするより、ビデオ撮影をしろとおっしゃるのでしょうか?
この一言に私は、深く失望しました。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/08/24 13:46 >麻酔科医様
 タクシーはじめ、ちょっと用心深いドライバーは、前方をコマ送りで動画記録しておく装置、車につけておく時代ですからね(信号の色など水掛け論さけるため)、義務ではなくて、医師が自己防衛のため、動画記録しておくとよい時代なのかもしれないとは思います。
 ちょっと探してみたけど、こんなのどうかな?これをもう少し小型化して、めがねみたいな感じにすればいいんだと思います。もうちょっとですね。
http://www.cony-net.co.jp/contents/camera/svr_41versatile.html

 ちなみに私は、前から書いてますが、診察室での全会話を、iPod使って音声記録続けてます。開業してずっとだから、もう5年間になる。もっとも、役にたったことはまだ無い。いや、この5年間、患者とのトラブルが無かったわけでは無いんですが、こじれかけたときに問題解決に役立つのは、こういう記録とは、まったく違う、駆け引きみたいなノウハウだと自分の経験からは思います。
 もともと医療行為って、信号の赤青みたいにはっきりしたものじゃないのだから、記録してあったって、結局は解釈次第。グレイのものを白と思わせるか黒と思わせるかは、医者の持ってる人間としての交渉能力だと思います。
 一般のかた、誤解してほしくないのですが、誤魔化してるわけではないですよ。グレイのものを白と思わせることが出来るのは、良いお医者さんです。私だって、病気になったら、そういうお医者さんにかかりたい。
 医療って、そういうものなんですよ。「真実」なんてそもそも存在しない。事実はあるけど、その解釈は、患者にとっては相対的でしかありえません。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/08/24 13:52 続)
 うーん、書いてはみたけど、なんか誤魔化してるみたいに読める文章だな(^^;。
 要は、腹を切って、患部を取り除いたとするでしょう?患部は取り除かれたけど、傷は残ります。この時点で、患者にしてみれば、事実はあるけど、解釈は相対的。傷がうずくかもしれないし、傷跡が醜くて悲しいかもしれない。
 それを、良かったんだ、と納得させるテクニックは、単なる手術のビデオ記録からは得られない。「事実」は絶対ですけど、「解釈」は相対的ですから。それを、患部が取り除かれたんだから良かったんだ、という解釈に導いて、安心させてあげられるのが、良いお医者さん。

YosyanYosyan 2008/08/24 14:18 麻酔科医様

あくまでも医療現場をご存じない方の提案です。それとあくまでも「要望」書ですから、要望された事を、必ずしも一から十まで医療サイドが実現する必要はないと思います。決定された「要求」書ではないからです。要望項目の中には、他の方も御指摘のように予算の問題、麻酔科医様が御指摘の術式による技術上の問題もあって容易には出来ないことも含まれます。それと麻酔科医様が御指摘の

 >ビデオ撮影記録のない手術は、改ざん・隠蔽と同等の扱いとする。

これも強い表現ですが、あくまでも原則としてビデオ記録を行う事の必要性を訴えられただけで、ビデオ撮影のために治療が疎かになり、人命が失われるケースまで「そうせよ」とは要求していないと解釈したいところです。いや今はそういう風に解釈します。

要望に関しては出来る事は前向きに取り組み、予算上、技術上難しい事は現実的な妥協点を探すのが「話し合い」だと考えています。たとえば渡辺氏の提案の、

 >手術のリスクなどを含め、インフォームド・コンセントを徹底させる。

ICに関しては「言った、言わない、書いていない」で幾多のトラブルがあります。もちろん記載するのが原則ですが、これもビデオ録画ないし録音を行う事でトラブルを減らすという風に考える事も可能です。手術の録画に較べると、予算の負担も、技術上の問題点もハードルがかなり低いかと思います。同意書取得の時だけではなく、重要なムンテラもビデオないし録音として保存するのは、「徹底した」ICを行なうのを助ける行為かと考えます。

法務業の末席法務業の末席 2008/08/24 14:57 >moto-tclinic 様
>損保会社への「このケースは医療過誤で間違いないのだから、すみやかに保険金を支払ってくれ」とのメッセージ

メッセージの本体は、平成18年3月の報告書です。

先に書きましたように、賠償責任保険は「過失により生じた被害の賠償金支払を補填」する目的の保険で、無過失の場合は保険金支払の対象になりません。医療向けの賠償責任保険では、たとえ医療機関で患者が不幸にも死亡されたとしても、その死亡された患者が「過失のある医療過誤による死亡」でないと保険金支払の対象になりません。医療行為の上で一切の過失や過誤の無い「自然死」であった場合は、保険金支払が行なわれません。その為に保険請求を受けた損保会社は、過失による「事故死」である証拠を確認しないと保険金請求を受付けません。

自賠責保険ではこの「事故死」であることの証明は、警察が発行する「事故証明書」を添えて保険請求することで確認されます。医療向けの賠償責任保険ではこの事故証明書に相当するものが、医療過誤を認めて被害者に謝罪した「示談書」なり、調査委員会の「報告書」になります。手っ取り早く言えば、患者さんが死亡したのは医療者の過誤・過失の結果であることを認めますという紙切れを自然死でない証拠として見せてくれ、というのが保険会社の言い分です。その紙切れに相当するものが平成18年3月の報告書です。

ところが刑事裁判が始まったら医療者(医師)側は、自分には一切の医療過誤や過失は無く無罪だという主張をしましたので、先の紙切れ(報告書)との矛盾が生じました。過誤・過失を認めるニュアンスの先の報告書が正しいのか、刑事裁判での医師の一切の過失は無く完全無罪の主張が正しいのか、判決が確定するまで保険会社は支払留保する判断をしたよう推測します。もし仮に刑事裁判での医師の主張が、軽微な過失はあったかも知れないが刑事罰を受けるほどの過失ではないとの消極的無罪の主張であれば、保険会社は支払留保せずに保険金支払を実行したと思います。

以上の刑事裁判での被告側の無罪の主張(判決)と、保険金支払の関係を整理すると下記の通りです。
(1)刑事裁判で過失無しの無罪を主張
  →判決も一切の過失責任を否定する完全無罪
    →医療過誤も過失も無い全くの自然死だから保険金支払は無し
(2)刑事裁判で過失無しの無罪を主張
  →判決は過失責任を認めて有罪
    →過失による事故死だから保険金支払が行なわれる
この2例は理解しやすいと思いますが、もう一つ刑事裁判では無罪だが保険金の面では過誤・過失を認定して保険金が支払われる(3)の事例が存在します。
(3)刑事裁判で過失無しの無罪を主張
  →判決は微細な過失を認定したが処罰の必要性は無いとして無罪
    →刑事裁判では無罪とはいえ医療過誤による事故死だから保険金支払が行なわれる

今回の福島地裁の判決は(1)で、先の平成18年3月の報告書での医療機関の不手際を認める報告内容を完全否定する形ですので、このまま判決が確定した場合は保険金は支払われないでしょう。また、別途保険会社や県病院局を相手に保険金(賠償金)支払請求の民事訴訟を起こしても、今回の1審判決を覆して僅かでも過失があった事故死という判決を得るのは、非常に困難ではなかろうかと思料します。とにかく亡くなられた患者の遺族にしてみれば、一切の過失の存在を真っ向から否定した今回の1審判決は、余計憤りが募る無念の判決と言えるのではないでしょうか。

なお「無過失賠償責任保険」は、一般の過失がある場合に保険金を支払う「賠償責任保険」とは違い、過失が一切無い完全な医療行為でも避けられなかった死亡事故や障害事故についても保険金が支払われます。こうした過失を保険金支払の要件としない賠償責任保険は、保険証券などに添えられた保険約款に必ず「無過失」でも保険金を支払う旨が明記されています。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/08/24 15:23 >もし仮に刑事裁判での医師の主張が、軽微な過失はあったかも知れないが刑事罰を受けるほどの過失ではないとの消極的無罪の主張であれば、保険会社は支払留保せずに保険金支払を実行したと思います。

なるほど、これは面白い。ここで、加藤先生、病院や県とも、ある意味対立する形で、漢(おとこ)を通したとも言えますね。
弁護士さんとも相談の上でしょうが、判断は悩まれたことでしょう。なぜかというと、消極的無罪の主張のほうが、認められやすいでしょうから。真に身にやましいことがないなら、妥協するべきではありません。天晴れなことです。

ドロッポ君ドロッポ君 2008/08/24 15:39 いやーびっくりしました。
テレビで見てる限りでは「真実が知りたい」といってる場面ばっかりが取り上げられてるんで、かなり感情的な人なんだろうなと思っていましたが、至極まともな要望書を書かれていたんですね。
皆さんが指摘されているように、一部はいかにも部外者だなーと思わせる部分もありますが、実に建設的な要望書ですよね。(本気で言ってるんですよ。)

皆さん。マスコミから得られる印象は事実からは、かなりかけ離れているということをもう一度思い起こしませんか。

YosyanYosyan 2008/08/24 16:28 ドロッポ君様

そうなんですよ、マスコミイメージとは全く別の感じです。なにより素晴らしいのは漠然と「改善せよ!」の要望ではなく、具体策を列挙してくれている事です。それも一部を除いては、医師だって「ふむふむ」と耳を傾けるものがあります。一部の事を非難するのではなく、全体で評価すべきかと思います。

福島事件は医師にとっても遺族にとっても不毛の裁判ですが、せめてこうやって出てきた遺族からの提案で、行かせるものは活かし、すぐには実現困難なものについては「なぜ無理か」の説明を納得出るようにするのが建設的な態度かと思っています。そういう説明を医師サイドが真摯に行なうことが遺族にとってもっとも大事な事ではないかと考えています。

「お前がしろ」と言われそうですが、遠くない将来に考えておきたいと思います。

医者はどこだ!医者はどこだ! 2008/08/24 17:40 報道と事実との差について、ドロッポ君先生のおっしゃったことと同様、小生なりに良くわかったことがありました。
医療維新(m3.com)の以下の記述
http://www.m3.com/tools/IryoIshin/080128_2.html
では、渡辺好男氏(当時は「患者の父親」として)の発言として、
「癒着胎盤は、産婦人科医にとっては一生に一度遭遇するか否かの極めて稀な症例、1万人の妊婦に1人という稀なものであり、大量出血はまれなどと言われ、娘はダメだったと言われても、それは人格侵害、誹謗中傷であり、遺族はますます逆境に追い込まれます」
と書かれておりました。これをはじめて目にしたとき、この父親は、癒着胎盤がまれであるという事実を伝えたのに、なぜそれが「人格侵害、誹謗中傷」であり、「遺族」を「ますます逆境に追い込」むことになるのかまったくわからず、やはりこの「遺族の真実を知りたい」は、都合の悪い真実は真実と認めないモンスターならではの発言とあきれていました。裁判での発言をm3の編集者がまとめたものでありますし、また、裁判での発言時は父親として、感情が高ぶって原稿とは違う言い方になってしまったのかもしれません。しかし、Hajimaru先生がupしてくださった「渡辺好男氏が記者会見で云われた言葉と配布した文章」を読んで、はじめて遺族の言わんとすることがわかりました。これなら十分理解可能です。もし渡辺氏が裁判のときにも、この配布原稿と同様の文書を準備して、その内容通りに発言したにもかかわらず、m3が内容を(ある意図をもって)省略して紹介したのだとすれば、小生はm3により「患者遺族=モンスター」であると印象操作されてしまった可能性もあり、性急な判断はつつしみ、事実を確認しなければならないと痛感した次第です。Hajimaru先生には感謝申し上げます。ありがとうございました。
長文失礼しました。

HajimaruHajimaru 2008/08/24 20:14 私もあの文章を読んで涙しました。
裁判は裁判として受け止めますが、
・死亡と胎盤剥離の因果関係
・大量出血の予見可能性および結果回避可能性
を認めながら無罪とされた事は新しい判断であると共に、
「そういった事態に遭遇した場合は、
当該科目の臨床に携わる多くの医師が判断する=死因究明する事」
が第一であると、裁判官から諭されているように思いました。

福島県の事故報告書を拝見しましたが、具体的な資料提示がなく、
このままでは「再発防止の検討がなされないままに終わってしまう」
という気持ちになります。
たとえば、MLの参加者自身やその勤務先で大量出血でも救命できた事例
経験を共有(院内体制など)するなど、医療側で検討できる事があるように
思いました。

ドロッポ君ドロッポ君 2008/08/24 21:35 Hajimaru様
文章の提供ありがとうございました。でもいい大人が泣いたりするもんじゃないですよ。

わたしは会見での文章のはじめの部分
 「1.なにぶん不慣れなことをお許しください。」 から
 「5.遺族側コメントは、私、渡辺好男以外は匿名でお願いいたします。」までの
ところの淡々と文章が並らんだところを見て、別のある文章を思い出しました。
一緒にするのは全く失礼なことなんですが、時節も手伝ってのことです。
思い出したのは「父上様、母上様、三日とろろ美味しゆうございました。・・・」で始まる文章です。(ご存知の方も多いと思いますが、同じように淡々と文章が続いてゆきます。)

それからここの部分も一つ一つの言葉にこめられた感情がどれくらい強いものだったのだろうかと想像すると非常に重い気分になります。
「病院から娘を引き取り、姿が残っている間、警察に相談するべきか幾度も自問自答しまし
た。」

どうもモニターの調子が悪いようで文字が滲んでしょうがありません。もう買い替え時のようです。

都内病院勤務医都内病院勤務医 2008/08/24 22:31 clonidine さま:
> それにしても、結局この患者さんの直接死因はなんだったのでしょうね。出血
> 量が3000ml程度で適切に輸血されていれば、20代女性の健康な心臓がそんなに
> 簡単に止まるものではないでしょうに。「手術終了間際に突然心停止」という
> のも前置胎盤+癒着胎盤の臨床経過としては非定型的です。

> 個人的には、「長時間の低Hbにさらされてヘタっていた心臓に、急速MAP注入に
> よるK上昇+Ca低下、CVPラインから冷蔵庫から出したての冷たい輸血を急速注入、
> これらの併せワザでVfをきたし蘇生できなかった」あたりを考えていますが、手
> 術中の血ガスデータなどは公表されていませんので、あくまで推測の域を出ませ
> ん。

麻酔科医 (clonidine 先生とはぜんぜんレベルが違う若輩者ですが) としては、こ
のあたり非常に気になるところです。

この手の事件では遺族の方が「真相が知りたい」という発言を繰り返されるのが通
例です。本当に「真相が知りたい」のであれば、遺族の側で積極的にカルテ(手術
記録や麻酔記録、検査データ等を含む)を開示していただけるといいのになぁ、と
思います。世間で言う「カルテ」や「看護記録」には患者さんのプライバシーに関
わる記述も多く、世間への開示を躊躇するであろうことは容易に想像できます。で
も、手術記録や麻酔記録、それに検査データにはそうした部分がほとんどありませ
ん。そうした文書だけでも遺族の側で公開(遺族側で公開することには法的な問題
はないはず)していただければ、事件に興味を持つ医療関係者で検討して問題点を
探したり、今後同じ事件を起こさないよう検討することができます。

現実には、奈良の事件で明らかになったように遺族側がカルテ等の公開に待ったを
かけることがほとんどのようです。「真相を知る」「同じことが二度と起きないよ
うにする」ための重要な手段が他ならぬ遺族の手で封じられているわけです。

遺族側の(情報公開の)決断を望みたいものです。

moto-tclinicmoto-tclinic 2008/08/24 23:33 すみません、エントリーの事故調査委員会報告書によると、総出血量は20,000ml(羊水含む)だったとありますが、3000mlってのは、どこから出てきた数字ですか?
5時間のあいだに、20,000mlの出血で、補液が15,000ml(赤濃25単位、FFP15単位含む)ですから、PH、K、低体温、hypovolemia、いずれが原因でVf起こしてきても不思議ではないと思うのですが・・
麻酔は麻酔科専門医がかけているので、モニタリングはしっかりなされていたように思われますし。
専門外で、初歩的な質問恐縮ですが、はじめ硬膜外+脊麻の合わせ麻酔で、途中から全麻に移行してます。こういう場合って、硬膜外に、麻酔追加投与なんてしないですよね?たとえば、そういうことすると、下肢血管開いてhypovolemiaでいっきにVfなんて起こりそうな気もします。