新小児科医のつぶやき

2008-09-17 今日はあくまでも与太話

たまにはお茶漬けみたいなサラサラ話で勘弁してください。お題は「汚染米」です。散々あっちこっちで論評されていますから、今さら感の強すぎる話ですが、与太話ですからそのつもりでよろしく。

汚染米の医学的な影響はNATROM氏が冷静にまとめられております。

評価方法についてはコメ欄で活発に議論されているのでよければ御参考にされればと思いますし、私はNATROM氏の主張に賛同します。こういう冷静な意見は広範囲に流通してしまった汚染米によるパニックを防ぐ上で貴重な意見です。ひたすら漠然とした危険性のみを煽るには好ましくなく、汚染米によるリスクを正しく評価するのも必要なことだからです。

しかし汚染米の影響を正しく評価する事と事件の重要性、悪質性は別問題です。この点はもちろんNATROM氏も理解して書かれています。汚染米の影響を冷静に科学的に評価する意味はあくまでも、

    食べるべきでない汚染米を食べてしまった。これは起こってはならない事だが、汚染米の影響は幸いな事にこの程度に止まる事が予想される。

あくまでも食べてしまった汚染米の医学的評価であり、これを流通させた業者や、流通を許した管理体制の責任は完全に別問題として扱わなければなりません。間違っても汚染米の影響が低いから、業者や管理体制の問題が軽くなるとかに結びつく事では無いという事です。ましてや影響が低いので、今後はこの程度の汚染米は問題無しにしようなんて方向には議論は進むはずもありません。これぐらいの事は誰でもキチンと区別して理解しているかと考えています。

ところが混同しているというか区別が曖昧になっている方もおられます。代表的なのは太田農相です。9/12付共同通信より、

太田農相「じたばた騒いでいない」 汚染米問題で

 太田誠一農相は12日、日本BS放送(BS11)の番組収録で、農薬などに汚染された事故米の不正転売問題で「人体に影響がないことは自信を持って申し上げられる。だからあんまりじたばた騒いでいない」と発言した。

 米粉加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市)の汚染米が病院給食として消費されたほか、汚染米を原料にした焼酎やあられの自主回収が相次ぐなど国民生活に動揺を与えている問題に対し、当事者意識が欠如しているとも受け取れる農相の「じたばた」発言に野党から辞任を求める声が相次いだ。

 自民党の総裁選挙後の衆院解散が視野に入る中、消費者の「安心・安全」があらためて総選挙の争点になりそうだ。

 番組の中で農相は「そもそも焼酎は蒸留する過程で有害なものが分かれていくから(有毒性は)ほとんどない。中国ギョーザの(混入農薬の)濃度に比べて60万分の1の低濃度」などと発言。健康に問題がないとする理由に挙げた。さらに農相は「いいかげんに問題を扱っているんだろうと言われそうだから、あまり安全だ安全だと言わない。言わないんだけど安全だ」とも述べた。

番組内の発言の一部を切り取って批判する手法は好ましくないのですが、与太話なのでお目こぼし願います。どうもこの大臣は問題の本質を取り違えている様な気がします。たしかに「じたばた」騒ぐのはどうかと思うのですが、大臣は農林水産部門の最高責任者です。汚染米問題は食べた事による健康問題だけの話ではありません。本当の問題点として誰でも分かるのは、

    汚染米流通を許した国の管理体制

これが一番厳しく問われなければならないのです。流通した結果による健康被害と全く別に存在する問題です。汚染米を食べても健康被害が小さく見積もられるのは単にラッキーなだけの事であり、ラッキーな部分の説明するのは構いませんが、デリケートな問題だけに余ほど表現に神経を使う必要がありまあす。そういう芸ができる事が政治家に求められる部分であり、そういう点では失格大臣として良いと考えています。

ここで肝心の管理体制の問題への農水省の対応も不可解な部分はあります。9/16付読売新聞ですが、

汚染米関与は370社…農水省、午後にも調査結果公表へ

 米穀加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市)などが工業用の「事故米」を食用に転用していた問題で、新たに澱粉(でんぷん)製造会社「島田化学工業」(新潟県長岡市)も事故米の不正転用を行っていたことが16日、農林水産省の調査でわかった。

 また、仲介・販売などにかかわった業者数は同日現在で約370社にのぼることも判明。同省は同日午後にも、調査結果の詳細を公表する。

 農水省では今回、事故米の転売先の名称などについて関係企業の同意を得てから公表してきたが、このため公表が遅れて批判を受けたことから、16日午後の公表時には、同意を得られなかった企業についても明らかにすることにした。

 同省では事故米の流通実態を調査、検証するため、法曹関係者や消費者団体の代表などによる第三者委員会を近く設置し、その結果を踏まえて関係職員の処分を行う考え。16日午前の記者会見で太田農相は「三笠フーズは言語道断だが、農水省がこれを長期にわたって見逃し、食の安全の不安を招いたことの責任を痛感している」と述べた。

気になるのは

    農水省では今回、事故米の転売先の名称などについて関係企業の同意を得てから公表してきた

同意が得られなかったら公表しないつもりであった事がわかります。汚染米の医学的影響が小さいにしろ「食べたか」「食べてないか」は誰でも関心があります。かなり広範囲の流通であったのは各種報道から明らかですが、その中に自分が含まれているかどうかは知りたいのは人情です。また転売がかなりくり返されていた可能性もあり、食品業者によっては今でも知らずに使っている可能性もあるんじゃないかと思ったりします。

農水省に現在求められている役割は一刻も早く流通ルートを解明し、未使用の汚染米の回収と汚染米から作られた食品の回収を行なう事です。業者への配慮もするなとは言いませんが、優先度の付け方に違和感を感じます。どうにも汚染米を転売した業者の配慮が重く、これを買って食品にしてしまった業者、さらにそれを食べてしまった消費者への配慮が軽すぎる様な気がします。

この辺は焼酎までどうこう言うのは過剰反応の見方もありますが、事件がこれだけの社会的影響を及ぼせば、まず事態の収拾のために早期回収を行う事が必要です。こういう基準と言うのはギリギリの安全性ではなくマージンを取っての基準ですから、今回のように流通しても実害が少なく見積もられる事はあります。ただこれは広い意味でのセーフティ・ネットであり、流通が即時に致命的にならないようになっているとも考えられます。今後の議論として焼酎ならこの程度はOKの基準を作るなら、それはそれで別の話ですが、現時点では騒ぎの沈静化のために必要な処置と考えます。

ここからが与太話の本題なんですが、農水省の及び腰の態度を見て思い当たる事があります。天漢日乗様のところで見かけた2ch情報です。あくまでも2ch情報ですから、そのつもりで読んで欲しいですし、今日のお題を与太話にしているのもそのせいです。

国は売りさばく為に「今後この業界で商売するなら・・・」とか圧力とも取れる言い方で入札に参加させてたんだよ

それも工業用に有効利用できる業者だけでなく、食品用としてしか販売してない業者にも見境無く声掛けてたんだよ

うちの会社も打診があったけど社長が「うちでは利用方法が無い」といって断ったら省庁関係の嫌がらせがワンサカ。

この話にどれほど信憑性を置くかは皆様のご判断です。汚染米流通ルートの解明に及び腰の農水省、汚染米を食べても大丈夫との大臣発言。二つをあわせると、汚染米は流通してしまったが、食べても心配ないから三笠フードに全責任を負わせて事件の幕引きとしたい意図があるように勘ぐられます。そうする事により何かを隠したいんじゃないかの邪推の余地です。

考えれば時期も農水省としては幸いで、国会は閉幕中の上に政権は完全に死に体で、さらにその上に総裁選騒ぎです。総裁選後に新内閣は発足するでしょうが現農相は間違い無く入れ替えられます。さらにさらに臨時国会の冒頭解散説も有力視され総選挙のお祭り騒ぎが起こります。この政治の季節のうちに事件を矮小化して尻すぼみにさせたい狙いが見える様な気がします。

てなところで与太話は終わらせて頂きます。

暇人28号暇人28号 2008/09/17 08:33 お役人は相変わらずですね。自分たちの都合を押しつけて、あとで責任問題に発展したら、我関せず、責任は末端の業者にある、と。

私の知っている医療機関・介護施設でもこれと同じようなことで8000万円の損失を出しました。

社会保険庁の収納率アップのために行った諸行為に関する問題にしても、一切責任を取らず末端職員の尻尾切りで誤魔化す。本当にうんざりです。お役人が無責任体質だから日本の社会システムがぐちゃぐちゃになってしまうのです(最近でも、耐震偽装関連で多くの建設業者が破たんに追い込まれました)。役人にも責任を取ってもらうシステムがぜひとも必要です。

YosyanYosyan 2008/09/17 09:06 暇人28号様

本来そんなに難しい話ではないように思っています。農水省を擁護するわけではありませんが、確信犯として不正流用されたらチェックは難しいと考えています。農水省は警察ではありませんからね。そうなると行う事は不正に流通した汚染米の早期回収に全力を注ぐ事が第一になります。そうする以外に選択枝は思い浮かびません。

ここで転売先ルートの発表を躊躇したのはやや不可解です。転売された業者が騙されたのであれば、商売上の損失の問題は生じますが、信用問題はそんなに傷つかないんじゃないでしょうか。幸か不幸か主犯は大々的に報道されていますから、「騙された」の説明は受け入れやすいように思います。ここで確信犯として購入しているのであれば共犯です。

もう一つの管理体制は、転売すればボロ儲けの構造があることに由来していると考えられます。農水省が汚染米は輸出元に返品するとしていますが、それが最善かどうか判断がつきませんが、物理的に不正流通をシャットアウトするのも一つの方法かと思われます。

この事件は、

 1.汚染米の早期回収
 2.管理体制の強化

この二つを粛々と進めれば自然に鎮静するはずです。食べてしまった分については、医学評価としては幸いにして影響が低く考えられるとの冷静な発表を付け加えれば十分のように感じています。話としてはそれだけのはずですが、どうもそれだけでないものがある様な気がしてなりません。個人的にはコメ流通に関るタブー部分が表面化することを避けようとする何らかの動きです。

考えすぎですかね・・・。

compyacompya 2008/09/17 09:27 なんで公表に慎重だったかなんて、今朝の新聞・TVを見れば一目で分かるかと。
名前が公開された各地の業者のコメントをずらずら並べて、
風評被害で大変になるのになぜ公開したのかと政府批判を延々続けてます。

消費者や末端業者のことを全く考えずにただただセンセーショナルに煽るマスコミが
問題をマッチポンプで大きくし事態を悪化させ続けているように思えます。
色んな問題において一般市民が言う「政府は説明が足りない」っていうのは、
政府の説明をマスコミが流してないから見てないってだけでしかないことが大半かと。

koumekoume 2008/09/17 09:35 米流通業界でのタブー?といえば、加工米転用問題です。加工米と言っても今回話題になった事故米とは違います。タブーとは言っても農家からの文句はいっぱい上がっていますが、JA自身も関与していると言う噂もあり誰も取り上げませんので今に至ってもほとんど話題にも登っていません。

米の業界には加工米というカテゴリがあります。工業用とは違い、味噌や煎餅、いわゆる第3のビールなど、最初から加工食品の原料にすることを前提にして作るものです。とにかく安価・大量であることを求められ、キロ当たり100円前後が普通で、その代わりご飯としてはもちろんマズイです。
が、この加工米を一般食用に転用することが横行しているとの話です。その量は、今回の600トンとか2000トンとかのチンケな量ではありません。
もともとご飯用として作られた米とは2倍以上の価格差がありますから、それを加えて作られた商品は小売価格を安く抑えて販売されています。そしてそのおかげで、米農家が普通に作っている一般食用米が売れない、あるいは不当に安価で買い叩かれることが多くなっています。

本来この事件は詐欺事件のはずですが、一般的にはほとんど「食の安全」的な視点のみから語られていることに軽くいらだっています。不安な気持ちは理解できますが、医療問題に例えて言うと、大野病院事件の判決後に遺族感情だけを取り上げて構成された新聞記事を読まされているような気分です。

それと関係業者の公表の件ですが、冷静なコメントを添えてもさほど意味はないかと思います。NATROM先生のエントリのコメント欄を見て、私はかなり暗澹たる気持ちになりました。いくら店主が言い訳しても取引はがた落ちするでしょう。
まあそもそも、畑で規格外の農薬を使用した→農産物自体には残留は一切無いがそれでも回収、なんて変なことをやってきたツケで

法務業の末席法務業の末席 2008/09/17 09:44 今朝の新聞紙上に、汚染米を扱った業者として延べ377業者の名称と所在地(市町村名まで)が公表されました。その377の内4割ぐらいが和菓子屋さんで、そのほとんどは家族経営や零細商店です。米流通の系統の中では末端の最終消費者と言って良い存在であり、こうした街の和菓子屋さんが不正な米流通に関与していた事業所名公表に含まれたのが理解できません。

不正流通の汚染米とは知らずに使った生の和菓子そのものは既に消費されており、納品した米の流通業者を通して和菓子屋に残っていた不正流通の汚染米を回収すれば良いこと。今の時点で、8月以前に製造販売した和菓子が汚染された米を使っていました、と農林水産省に公表された和菓子屋にとって、被害拡大の防止に貢献できる作業や実際の効果はほとんど無いと思う。消費者からの「あのお店は汚染米を使った和菓子を売っていた」という「不信のレッテル」だけ残されるでしょう。そして騙されて事故米を仕入れた個人商店規模にとって、一度貼られたこの不信レッテル状態を跳ね返すのは非常に困難ではなかろうか。

今回の全業者名の公表は、首相官邸からの強い意向で渋る農林水産省を押し切ったのだと聞く。だけど福田さん、何でもかんでも情報公開すれば国民は安心するとでも思っているのですかねぇ。また全ての業者名を公表することを迫った、マスコミと称する連中のアホさ加減も気に入らないですねぇ。

暇人28号暇人28号 2008/09/17 09:47 管理人さま:

>本来そんなに難しい話ではないように思っています。農水省を擁護するわけではありませんが、確信犯として不正流用されたらチェックは難しいと考えていますそうなると行う事は不正に流通した汚染米の早期回収に全力を注ぐ事が第一になります。


ただ、本文にあるように、

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国は売りさばく為に「今後この業界で商売するなら・・・」とか圧力とも取れる言い方で入札に参加させてたんだよ

それも工業用に有効利用できる業者だけでなく、食品用としてしか販売してない業者にも見境無く声掛けてたんだよ

うちの会社も打診があったけど社長が「うちでは利用方法が無い」といって断ったら省庁関係の嫌がらせがワンサカ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ですからね。
私も最初は「農水省は警察じゃないし、警備会社ではないからずっと見張らない限り横流しを阻止するのは無理」と思っていましたが、それ以前に、そんな事故米を不適切な業者に無理やり買わせている農水省にこそ問題の根源があるのだと思います。

おそらく
「中国が怖いから返品はできず、だけどこんな事故米を購入して自分(役人)の責任問題が浮上したらいやだな〜」
なんて思ってより立場の弱い業者に購入させたんでしょうね。

compyacompya 2008/09/17 10:06 出所の怪しいソースのないネタにのって憶測を重ねてもしょうがないかと。

今の流れは
マスコミ「業者名を全て公開しろ!公開しないのは食の安全無視だ!」
大臣「健康に実害はないという自信があるのでじたばた騒がず落ち着いて対応する」
マスコミ「じたばたしないとは何事か事態が判っていない、消費者無視で業者寄りだ!」
首相「已むを得ないから業者名も全部公開して」
マスコミ「何故公開した、公開された業者がどうなるか考えた事があるのか!!!」
でしかないような。

SeisanSeisan 2008/09/17 10:27 確かに「国の管理責任」から逃げるために「現実的には安全」という事実を「不正流用」しているのは明らかですね。
三笠フーズに関しては、本社がやり始めたというより、数年前に子会社化した九州支社(元は別の会社)がずっと農水省がらみで事故米の取引をしており、合併後もその手口を伝えられて、「ばれないから大丈夫、儲かりますし」と押し切られて続けさせていた、という面があるようです。ただし、米の複雑な流通経路自体はこの会社(社長)の専門ではあります。
だから、その時点でやめさせられなかった社長に責任がないとは言いませんが。
それゆえに、社長は最初の頃、記者会見などで変なことを言ってた。要するによく分かってなかったわけですね。
農水省にとっては、事故米を何に使うにせよ、引き取ってくれるのなら万々歳、別にそれが食品として流通しようが、知ったこっちゃない。
在庫として倉庫代がかかったり、処分代がかかる方が問題だったわけで。
だから「食品」会社だろうが、お構いなしに売っちゃったわけですね。
せめて最初の引き取り先が「非食品」会社なら言い訳もできるんでしょうが、どう考えても農水省の責任は重大だと思います。

ちなみに、この件で農水省は三笠フーズを訴えるそうですが、ホントに訴えていいんですかねぇ。訴えたが最後、自分たちの悪さも法廷で公開される可能性があるんですが。成り行きが注目です。
一番考えられるのが、三笠フーズにさっさと廃業させて、「訴えようとしたけど、会社がもうつぶれちゃったのでできません。ごめんなさい」だと思います。そうならないように、逆に三笠フーズにはつぶれずに頑張ってほしいかも。

imapiimapi 2008/09/17 10:51 訴えておいて、被疑者死亡を狙ってたり…陰謀論に過ぎますね (笑)

サルガッソーサルガッソー 2008/09/17 12:11 話はそれますがやたら仲介業者が多いですよね
安定供給のリスクヘッジとは思いますが、その分利ざやが発生してるんでしょうね

TOMTOM 2008/09/17 12:21 農水省、今回の件では業者公表以外は何だか異様に動き早いですねぇ。よく彼らの言う「全容解明」が済む前に三笠フーズ告訴したり、三笠に査察に行ってた職員をさっさと懲罰したり...いや別に早くて悪いってわけじゃないんだけどさ。何かに焦ってるみたい。何かな〜。

compyacompya 2008/09/17 13:07 何に焦ってるって、普通に考えたら選挙にでしょう。
選挙が近い今の時期にマスコミが滅茶苦茶騒ぎ立てるから、
実際のところがどうであれとにかく対応しなきゃいけないと。

だって「全容解明」を待って慎重に処分とか言ってたら、
マスコミの総叩きにあって大変な事になりますよ。
中国餃子報道を見たら「慎重」「冷静」な対応=悪と扱われるのは判るかと。
非公開の約束で貰った未確定情報を何故隠すのかと総叩きでしたから。

新潟県勤務医新潟県勤務医 2008/09/17 13:09 農家の方から、聞きかじった話です。
コシヒカリで全国に誇る米所である新潟県も、他県と同様に減反政策が行われております。
減反して水田を放置したら、土地が痛んでしまう。
畑作に転化しても手間がかかるだけで、実入りは良くない。
そこで、加工米が登場するそうです。
加工米は、生産しても、帳簿上は、減反実績になるそうです。
お菓子や酒、味噌などの加工に使用される米のことで、基本的にどの品種を作付けしても構いません
食用米と同じコシヒカリを作っても構わないそうです。
ただし農家への支払いは少ないのですが、それでも、休耕田や畑作転化よりは益し、とのことです。
加工米から流れたコシヒカリがどこへ流れ着いているのかはわかりません。

酔生夢死酔生夢死 2008/09/17 13:13 事故米流通先の業者が自殺 公表後に自宅で

9月17日12時19分配信 産経新聞

 農薬で汚染された米が食用として流通していた事件で16日、汚染米の流通先として公表された奈良県の米穀販売会社の社長が自殺したことが分かった。

 奈良県警によると、死亡したのは同県広陵町の米穀販売業「ナカガワ」の男性社長。16日夜に自宅で首をつって自殺したと見て調べている。

おこめワインおこめワイン 2008/09/17 14:30 また不適切なHNですか、そうですか。

マスコミもそうですが、国産コメは高い、輸入米は安くてもおいしい、自由貿易なんだから一定量の輸入米は受け入れろ、といい続けてきた○民も多いわけで。。。。
むしろ、輸入米には農薬残留があることを前提に「工業糊」等にしか卸さなかったのは農水省ですし、事故米のすべてを偽装していたわけでもない、ことに希望を感じるんですが。

元外科医元外科医 2008/09/17 14:41 koume様
解説ありがとうございました。構造的問題が元にあるのですね。経済的な誘惑があれば厳しく取りしまっても限界はありますね。

YosyanYosyan 2008/09/17 16:00 農政も昔から「ノー政」と言われ続けているところですから、建前論、御都合論がパッチワークのように散りばめられ、パッチワークを維持するために無理やりな規制や法制がテンコモリ存在していると思っています。中に入れば魑魅魍魎の世界が渦巻いているイメージです。この事件の本当の背景も、浅くとれば単純な詐欺事件ですが、一皮剥けばアンタッチャブルな事がたくさんあるように感じています。

元外科医元外科医 2008/09/17 16:33 農水省も厚生労働省と同様構造疲労官庁のようですね。
解体再構築がいいでしょう。

koumekoume 2008/09/17 22:01 こちらにこんな事を書ける機会などもう無いでしょうし(笑)加工米のことを少し説明します。まあ、一農家の聞きかじりですが。

そもそも5年位前までは加工米なんてものはほとんどありませんでした。それ以前、味噌やお菓子などの加工食品の材料になっていたのはいわゆる屑米や、一般食用米の中でも品質の低いものでした(もちろん、品質のいい米を使ってお菓子を作っている会社もありますが)。
当時から屑米をご飯食用に流用していたところはあったでしょうが、屑米は屑米としてそれなりに市場が確立しており、そもそも屑米の量自体がそれほど多くなかったため大した問題ではありませんでした。

ところが、コメを原料にして発泡酒を作る、いわゆる第3のビールが流行りだして状況が変わりました。大手ビール会社は原料のために屑米を買い集め、おかげで従来屑米を使っていた業種(圧倒的に中小が多い)に回らない事態が発生しました。当時、屑米の価格は1.5倍ほどに暴騰しました。

そこで農家の中に、最初から屑米を狙ってコメを作る者が現れました。もちろん価格は安いのですが、手間を一切掛けず品質を度外視し、とにかく収量を上げる方法で作れば、一部の大規模農家にとっては採算が取れないことは無かったからです。ここで、高価格は望めないが需要だけは確実に存在する、加工米というカテゴリが誕生しました。

ただ当然のごとく、それだけ安いコメが大量に出回りだすと、ビール会社以外の場所からも需要が発生しました。仕入れを1円でも安くしたい大規模量販店です。・・・という確たる証拠はありませんが、農業関係者なら誰でも、転用されているだろうなと考えていると思います。

というわけで農家にとっては加工米を作ることは自分の首を締める行為に近いのですが、困り果てたことに農水省がこの加工米にお墨付きを与えてしまいます。それは品目横断的経営安定化対策です。
この制度は参加していない者にとってはややこしいもので、説明はしませんがとにかく、麦や大豆を大量に作っている農家は補助金をもらうために、コメの生産を減らしてそのぶん何か他のものを作ること(転作)を義務付けられてしまいました。ちなみに麦や大豆は、どちらも輸入品が9割以上を占めますが、それら輸入品と国産品で価格の差が激しく、補助金の下駄を貰わないとまず生産は不可能になっています。私の知り合いは4ヘクタールもの転作を義務付けられ、ろくに収穫できない鳩麦を作っています。
一口に転作と言っても、田んぼというのは基本的に稲を作る専用の土地ですから、田んぼで稲以外のものを作れといわれてもかなり限定されます。一応、ものすごく条件に恵まれた土地なら畑にも出来ますが、一部でしかありません。
そこで何故か、加工米ならOKとなってしまったのです。需要と供給がいびつなバランスで成立してしまいました。新潟県勤務医さんがおっしゃるとおり、減反対象地でも加工米ならOKです。加工米はコメ扱いされていないらしく、本来はコメを作っちゃいけない場所(埋め立てで出来た新規開拓地みたいな・・・本来、現在は水田を新しく作るのは法律違反)でも加工米なら作れるそうです。

そして現在の農水省の方針は、加工米やそれを原料にして作る米粉をドンドン推進して農村の活性化につなげよう!となっています。全く検討はずれと思います。

農政はノー政とYosyan先生も仰っていますが、ノー政は政策が無いのではなく、ノータリンの政策ばかりという意味でしょうね(^^;下らない事ばかりやってるんだから。なので厚労省の医療政策を見ていると医師の皆さんに非常にシンパシーを感じるというか(笑

YosyanYosyan 2008/09/18 08:15 koume様

加工米は元来屑米であった。ところが加工米需要が増大し、加工米は食用の減反政策に該当しないので作付けが増えた。加工米は食用より格段に安い。今回の事件ではないが、加工米を食用に闇で混ぜ込んでしまえば分からなくなるし、おそらくそうされているだろうと現場では見られている。ただそんな事をすれば農家は自分の首を絞める結果となる。それでも農水省は、

 >加工米やそれを原料にして作る米粉をドンドン推進して農村の活性化につなげよう!

ある教育現場の人の悲鳴として、「頼むから何もしないでくれ、そうすれば教育はよくなる」の意見がありました。「ノー政」なら「何もしない」ですがノータリンが現場を引っ掻き回すのは「何もしない」よりさらに悪くなる事がよくわかります。