新小児科医のつぶやき

2009-04-09 日医発表「医師確保策 ‐15カ国における産科医調査-」

日医自ら医師「確保」策とするあたりにいきなり違和感を感じますが、定例記者会見には15カ国における産科医確保に関する調査結果についてとして掲載されています。まず背景と目的として、

  • わが国の周産期医療を取り巻く環境は極めて厳しく、産科医不足や偏在に対する解決策が急務となっている。さまざまな対応が始められつつあるが、長期的な視点からの検討が必要とされている。
  • 産科医の確保の問題が諸外国でも生じているのか、安定的な確保のためにどのような対応を行っているかは必ずしも知られていない。医療保険制度や提供体制、分娩に関わる文化や歴史的背景などの違いはあるものの、産科医の需給の現況や確保のための方策を調べ、日本の実情にふさわしい確保策を検討するための資料とする。

諸外国の事情は私も知りたいところですから、参考にしたいと思います。なお諸外国の事情は私も殆んど知りませんので、あくまでも日医の資料に基づいてのもであることをお断りしておきます。それで「調査の概要」ですが、

調査の概要

【対象】

世界医師会加盟国17カ国に日本医師会(国際課)より配布した。うち14カ国(フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ、カナダ、韓国、台湾、シンガポール、タイ、フィンランド、デンマーク、ニュージーランド、イスラエル、アイスランド)から回答を得た。日本を含めた15カ国で集計を実施した。

【調査時期】

2008年1〜8月

この15ヶ国が選ばれた理由はわかりませんが、こういう国々での調査が行われ、データとしては昨年のものである事がわかります。それにしても日医も大がかりな調査をしたもんだと感心していたら、

本調査は平成20年度厚生労働省・子ども家庭総合研究事業「分娩拠点病院の創設と産科2次医療圏の設定による産科医師の集中化モデル事業」の一環として実施した。

厚労省の研究事業の分析のようです。「調査結果」のまとめとして、

  1. 15ヵ国中11ヵ国が「産科医の不足や偏在がある」と回答し、産科医の不足や偏在は諸外国でも課題となっていた。女性医師の増加、訴訟の増加、若い医師の勤務意識の変化などは共通の現象であった。
  2. 確保策として、研修医数の管理、地方勤務のための財政支援、産科医の総数管理、外国人医師の採用が用いられていた。外国人医師の活用ができない日本においては、医師確保はより切迫した問題である。
  3. フランスでは、関連機関の代表者による委員会で地域別の研修医数を検討していた。ただし、研修終了後の地方における医師定着の問題を抱えていた。
  4. 調査の対象国のなかで、日本は平均勤務時間が74時間(週)と最長であった。

この4点について資料とともにまとめられているのですが、順番に解説資料を見てみます。


■1. 15ヵ国中11ヵ国が「産科医の不足や偏在がある」と回答し、産科医の不足や偏在は諸外国でも課題となっていた。女性医師の増加、訴訟の増加、若い医師の勤務意識の変化などは共通の現象であった。

ここは

  • 諸外国でも産科医不足が起こっている
  • 産科医が不足する現象の理由は共通である

これの裏付け資料が掲載されています。「産科医の需給」として、

15カ国中11カ国が「現在の産科医数に不足あるいは偏在がある」と回答した。将来に不足や偏在が起きると予測している国も13カ国中10カ国にのぼった。

こうされ、図表として、

てな感じです。アメリカと韓国が将来の見通しについての回答が無かったようですが、現在「足りている」としている4カ国のうちドイツも将来は足りなくだろうとの報告となっています。また「産科医の需給」も、

諸外国においても、女性医師の割合の増加や、訴訟の増加、勤務意識の変化など、産科医の不足・偏在の事情は、日本と似通っている。

主な理由をまとめたものとして、

「自由記述の抜粋」と言うところが気にはなりますが次に進みます。


■2. 確保策として、研修医数の管理、地方勤務のための財政支援、産科医の総数管理、外国人医師の採用が用いられていた。外国人医師の活用ができない日本においては、医師確保はより切迫した問題である。

この諸外国の「確保」策をまとめたものとして、

ここも検討課題としてまとめられた時から妙に目に付くのですが、

  • 研修医数の管理
  • 産科医の総数管理

足りないところを補充するために「数の管理」を強調しているように見えますが、足りないところに回すには医師の進路として産科以外の道を狭くして、産科医にさせる対策になります。つまり産科への志向が無くとも、産科「しか」できない状況を作るという事になります。この項目の注釈として「各国の産科医確保のための政策・手段」としてまとめられている書き方は、

最も多い対応策は、「研修医の定員数の管理」(7カ国)。「地方部や過疎地での勤務のための補助金などの財政援助」は6カ国、「国内の総産科医数の管理・制限」は5カ国で行われている。

気にはなりますが次に進みます。


■3. フランスでは、関連機関の代表者による委員会で地域別の研修医数を検討していた。ただし、研修終了後の地方における医師定着の問題を抱えていた。

理由はよく分かりませんが、フランスモデルを日医は注目したようです。資料ではアメリカモデルも注目したようですが、検討課題にしているのはフランスモデルと考えて良さそうです。両方のモデルの聞き取り調査の結果が掲載されています。

【フランス】

  • 地域に設置されている委員会(保健省と文部省の出先機関、大学医学部長、医師会などがメンバー)からの報告と全国席次試験に基づいて研修医数を地域別診療科別に振り分ける枠を定めている。
  • 産科は2007年に150ポストから5ポスト増員。
  • 研修後、国は強制的な地理的・専門科の配分や配置を行うことはできない。現在、研修後の定着のための方策を検討している。

【アメリカ】

  • 民間ベースで全国組織の研修医評価委員会(RRC:Residency Review Committee)が卒後研修プログラムに参加する研修医数を決定。産婦人科医領域の研修プログラム数は全国に245あり、定員は総数1,150名。
  • RRCと各病院の受け入れ可能度によって研修医数が決定されるが、最終的な勤務地の選択は個人の自由であるため、訴訟の多い州や過疎地での産科医の不足が課題となっている。

フランスモデルは研修医の振り分け地域、診療科別研修医数を決定して、研修医の入口で「数の管理」を行なう政策のようです。


■4. 調査の対象国のなかで、日本は平均勤務時間が74時間(週)と最長であった

まとめた表ですが、

日本の74時間の次がアメリカの65時間、ドイツとシンガポールの60時間になります。日本での週の法定労働時間は40時間ですから、1週間で34時間の時間外労働が必要になり、月にすると140〜150時間の時間外労働を行なっている事になります。またこの74時間ですが、帳簿の上では「寝ている」になっている労基法41条3項の当直時間が含まれているかどうかは不明です。


こういう検討を行なった末に「検討課題」として、

  • フランスと同様、日本においても、地域の医師数を検討する委員会の強化によって研修医の地方部への誘導を促進できるであろう。そのうえで、研修後の勤務地定着を図るため、人数枠、地方部の勤務環境の整備、医師のキャリア上の優遇措置など多面的な対応が今後の検討課題のひとつである。
  • 調査からは産科医の勤務環境がよいと回答した国では、学生間で産科の人気が高い傾向がみられた。日本の医師の体制や医療スタッフの体制の再検討による勤務環境の改善が問題解決のポイントと思われる。

研修病院の定員数を減らして強制的に地方に前期研修医を勤務させる政策が行われるのは、今年からでしたっけ。日医は以前からこれに大乗り気でしたが、絶賛に近い評価をしているように思います。とくに医学生や研修医にはあまり評判が良くなかったとは思うのですが、昨日触れた「医師の団結云々」では、学生や研修医にも日医への理解を深める施策が書いてありましたから、なかなかのものです。

フランスで問題になっているとされる研修終了後の、地域定着については、お題目のように産科医の勤務環境の改善をあげていますが、これも恒例の通り「どうするか」は一切触れていません。穿って考えれば総合医育成の前期研修で地域割りを強制した後、後期研修も制度化してフランス式の診療科の強制の導入を唱えているようにも見えます。

それと地域医療の充実手法として、地域医療を整備充実することによって魅力を高め医師を呼び集める方法と、たとえ研修医であってもとにかく頭数をそろえる事を最優先させる手法がありますが、どうも日医は強制的でも頭数をそろえる事を主張しているように私は読めます。どう読んでも強制配置策は具体的ですし、整備充実策は空想的にしか読めないからです。


それと補足資料で興味深いものを2つばかり、まず「産科医の現状」として、

産科医のうち女性医師が占める割合が3割未満の国は日本、韓国、台湾の3ヵ国で、欧米諸国では女性医師の割合が高い傾向がみられた。フィンランドでは女性産科医数が男性産科医数を上回っていた。

これをまとめたグラフが、

これは女性医師の問題を指摘したものと思われますが、これについて何を語ろうとしていたのでしょうか。もう一つ、「産科医の現状」として、

男性産科医の平均年齢が50代前半、女性産科医の平均年齢が40代半ばの国が多い。対象国のなかでは日本の産科医の年齢は特に高齢であるという結果ではなかった。

これについてのグラフが、

こちらはより意味深長な指摘です。


最後にこの報告の末尾にあったものです。

本調査は平成20年度厚生労働省・子ども家庭総合研究事業「分娩拠点病院の創設と産科2次医療圏の設定による産科医師の集中化モデル事業」(主任研究者岡村州博東北大学教授)の分担研究「産科医を恒常的に確保するための各国の施策についての調査」(日本医師会(木下勝之常任理事)・日医総研)に基づき、日医総研ワーキングペーパーNo.185「医師確保策−15ヵ国における産科医調査」にまとめたものである。

この分担研究「産科医を恒常的に確保するための各国の施策についての調査」の担当は、木下勝之常任理事であった事が確認できます。

テキサンテキサン 2009/04/09 08:55 他国の事情を参考にするのは常套手段でしょう。
問題はそれを解決する主体がどこか、ということだと思います。
フランスは歴代の厚生大臣が医師です(医師の90%以上が公務員)。ドイツの医師会はほぼ医師全員が加入し、世間は行政よりも信頼するプロ集団と認めています。
現在の産科医の「絶対数不足」と「地域偏在」問題を今まで放置してきた責任は我々医療界にもおおいにあるわけで、その解決は医療界自体が行うべきだと思います。(日本の医師はすぐにお上や行政の責任にしますね)。
残念ながら、過去の医療界(医学部、医師会、学会など)がプロ集団としてまともな自己補正機能をもっていたとは思えません。それによって今のような行政が介入するという事態になった面もあると思います。
そういう観点からは、遅ればせながらも日本医師会が提言を始めていることは評価できるでしょう。
これに呼応して他の医療界も「痛みを伴うであろう」自浄作用機能を発揮すべきです。

卵の名無し卵の名無し 2009/04/09 09:04 >これに呼応して他の医療界も「痛みを伴うであろう」自浄作用機能を発揮すべきです。

小泉改革のガセ「三方一両損」キャッチ政治をもろに思い出した。官僚だけが無傷の嘘っぱちだったヤツね。

なっくなっく 2009/04/09 09:35 痛みですか。もうすでに瀕死の状態なのですがw

まあ、医療界が一枚板になって行動してこなかったツケといえばそうですが。
テキサンさまは具体的にどういう痛みを味わえと?

なっくなっく 2009/04/09 09:37 あ、偉いさんが権力を失うという痛みなら問題なしですが

テキサンテキサン 2009/04/09 09:49 卵の名無し樣、
おっしゃっている意味がよく理解できず、申し訳ありません。小泉がかつて「痛みを伴う・・」という発言をした事でしょうか?昔からよくある言い回しだ、と小生も思いました。 それはともかく、
小生の言いたい事は、例えば「僻地へ医師を配置するのも、我々医療界が自ら制度を作って実践すべきだ」ということです。 官僚は関係ありません。
そのためのインセンティブおよび逆インセンティブも医療界で設定する、
そうすると、既得権などを失う医師もいるだろうが、それも医療界内部で解決補填すべきだ、
決して厚労省の役人に指図されないという気概を持つべき、
ということです。
決して書生気質で言ってるのではありません。他国のプロフェッショナル集団を見習うべきだ、と思います。

タカ派の麻酔科医タカ派の麻酔科医 2009/04/09 10:28  テキサン様のおっしゃることは、医師の自律という意味なのでしょうし、配置まで官僚に指図されるのはいかんということなのですね。
 しかし、医療費の抑制によって僻地医療が成立しえない状況では、地域的偏在を医師の自律のみで解決することは困難でしょう。科の偏在についても、成績による振り分けなどは、けっしてするべきではないと思いますが、学生実習の際などや、在学中の試験の成績などから、本人の適性を勘案して、キミは何科に向いていると思うが、やってみてはどうかという提案はするべきでしょう。そして、最終的には、希望に合わせるべきです。つらくても、自分の選んだことであれば、責任は自分にあるのです。それを、他人様の思惑や都合で、つらい状況に追い込まれたら、最後まで責任感を維持することを期待されても困ると思います。
痛みを背負うというのなら、誰がこれまで楽をしてきたのか、甘い汁を吸ってきたのかを、まずはっきりさせてからでないと、すべて、若い世代にしわ寄せするだけになります。

京都の小児科医京都の小児科医 2009/04/09 10:36 恐縮ですが、木下勝之常任理事ということで色々と妄想してしまいました。

さて基本的な疑問なのですが、この日医の定例記者会見とはどんなものなのでしょうか

たとえば、石原都知事の記者会見のように
http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/kako21.htm
録画映像とテキストが公開されているのならわかるのですが
日医では何か一方的にものをしゃべっているだけのように感じるのですが
日医HP上では資料公開だけですし。。。(見落としがあったらすいません)

日医記者クラブ?でもいいですから記者会見ですから記者の質問を含んだ
録画映像とテキストが公開されるべきでは。。。

正直いって、日医の定例記者会見って何かよくわかりません。

卵の名無し卵の名無し 2009/04/09 10:42 テキサン様
>他国のプロフェッショナル集団を見習うべきだ
との意図でおっしゃっておられたことは最初から理解しております。ただ今の厚労省はとても政策のプロフェッショナルとは呼べずまた日本医師会も武見時代と違って医師のプロフェッショナリズムを自ら貶めてばかりいる現状で
>日本医師会が提言を始めていることは評価できる
とおっしゃれば私が書いたような反発が生じることは当然予想されてしかるべきと思いご注意喚起のため書き込みました。
プロフェッショナルに徹するべきであるというご主旨にはまったく異存ありません。三方(ここでは厚労省、日本医師会、医療現場医師)ともにプロとして万機公論に決すべし、と。

YosyanYosyan 2009/04/09 10:42 京都の小児科医様

 >木下勝之常任理事ということで色々と妄想してしまいました

私も同じで、いろんな意図が含まれているのではないかと妄想しています。もちろん木下理事個人もそうですし、日医執行部の考え方と言うか思惑も含まれてのもののように感じています。高名な方ですからね。

元ライダー元ライダー 2009/04/09 10:46 我県医師会幹部のお話から見えてくる日医の基本戦略は以下

1.何か新しい制度ができそうになったら日医が制度設計当初から積極的に参画しなければ官僚の良いように制度設計されてしまう
2.最後まで制度に反対したら制度設計にも加われないし、新制度運用でも蚊帳の外の置かれる。
3.医師がコントロールできない医療にかかわる制度が作られたら最悪。そうなるよりは最善の制度でないものでも全面反対しないで可能な限り関与するほうがbetter
4.新制度誕生の流れになったら、積極的に協力し、運用時にできるだけ主導権を握る。

日医は既にテキサンさまのおっしゃる路線です。研修医に関して言えば「強制は位置が避けられないなら官僚に配置させるよりも自らが関与したほうが医師のとっても良いだろう」という路線。過去にも介護保険の制度設計、健康保険査定委員の審査姿勢、事故調、研修医制度etc.を思い浮かべれば、上記の姿勢で一貫してるんじゃないでしょうか。こーゆー戦略を採用する限り、政府との全面対決は無いでしょうなあ。常に条件闘争ですね。
で、ズルズルと・・・

自律って言葉の響きは美しいですが、その前に特定の問題解決が真に自分の為すべきことなのかを十二分に吟味しないと、負わなくてもよい義務や責任を背負い込まされます。自律はプロ集団に無理難題を押し付け、できなかった結果として権利を剥奪する為政者にとって都合のよいツールでもあります。特に外部が自律を言い始めたら細心の注意を。

京都の小児科医京都の小児科医 2009/04/09 11:13 元ライダー様

他の事例も思い浮かびましたが非常に色々と考えさせられるご発言で、まさにいわれるとうりと思い状況納得しました。

私は、さらに中曽根元総理が風見鶏と呼ばれた事例が浮かびました。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1213559687

日医が日本の医遼風土で、権威(力)・影響力をもつのは確かにこの方法しかないかも知れませんね。

ただ、日医の最終目標がよくわかりません。中曽根元総理は総理大臣になって権力をもつということでわかりやすいのですが。。。

日医に最終目標がなく、組織としてただ生き延びるためのみの戦略なら日医は長い目でみてジリ貧のように感じるのですが。。。

京都の小児科医京都の小児科医 2009/04/09 11:25 >日医に最終目標がなく、組織としてただ生き延びるためのみの戦略なら日医は長い目でみてジリ貧のように感じるのですが。。。

上記、自分の発言ですが、武見太郎の時代ならともかくこの時代にただ生き延びるということだけでもたいへんなことであるとも思いました。

nyamajunyamaju 2009/04/09 13:26 >テキサン氏
>プロ
全く同感ですね。
できる事、出来ない事、責任の範囲やら報酬やら
全てを曖昧にしてきたから今の救いようのない状況があるわけで、
日本の医師に絶対に必要でなりながら欠落した重要な要素ですね。


滋賀は微妙な状況で小休止のようです。
ttp://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20090409/CK2009040902000011.html?ref=rank

BugsyBugsy 2009/04/09 14:37 諸外国といってもオイラが見聞したのはアメリカ、カナダのみです。

ただ産科医の数の比較も必要ではありますが、大切なポイントが抜け落ちています。
診療科を通じて共通するのは、コメディカルスタッフの数がひと桁違うということです。
医師が診察せずにプラクティショナルナースが対応したり、分娩室にはクラークが搬送、もちろん夜間の採血もしかり、果てはカルテの記入はボイスレコーダーに録音して、秘書がタイプを打って医師はサインするだけ。

一見医師が少人数なのに よくやっていけるなあと思いきや、相対的コメディカルスタッフが多いからそう見えたのでしょう。

日本の場合は、皆様ご存じのように、若手医師が血糖の日内変化を見るために夜中に採血したり、オペ室に患者を搬送、時間内に処方箋やらオーダー書きに奔走しています。朝一番にレントゲンに患者を連れて行かされたことも少なくありません。

結局これはナースが悪いんじゃなくて医療を支えるスタッフが日本じゃ極端に少ないせいだと思います。

結局 同じ数の産婦人科医が配置できたとしても医師の負担は格段に重く、専門医を取得しても医業収入が上がりもしないのです。本来の医師のなすべき仕事に専念できない構造的な欠陥だと思います。

元外科医元外科医 2009/04/09 16:04 「医療を支えるスタッフが日本じゃ極端に少ない」
これは医療費が極端に少ないせいだからです。国の特別会計から闇社会に流れているカネをゼロにして、今の倍の国庫負担を医療費に入れれば医療問題の6−7割はたちどころに解決しますw

暇人28号暇人28号 2009/04/09 17:24 >「医療を支えるスタッフが日本じゃ極端に少ない」


色々な医療訴訟の判決を見ても、「コストとマンパワーを増やせば大体解決する問題じゃないの?」というものが数多くあります。

医療被害を訴えるプロ市民の皆さまはなぜこのことを声高に言わないのでしょうか?
「日本の医師のレベルが低い」ばっかり言わないで、正確な道筋をつけましょうよ。

おはつおはつ 2009/04/09 18:51 管理管理って管理を擁護する為に作られたみたいだし、結論として「産科医師の集中化モデル事業」の為の管理擁護でしょうかねえ。日医様も拠点病院が引き取ってくれなければお産も出来ないわけですし。
少なくとも私の見たアメリカじゃ、全国で羊追いの様に僻地に追い込むたぐいの管理は無いですよ。そんな事したら羊になる人も居なくなります。厚労省の言うインセンティブを働かせる形でした長続きしません。
とある巨大病院で産婦人科急募のホームページを見ました。条件悪くて笑いました。
それが前任辞めた所の条件なの?普通前任辞めたら改善策を立てて募集する。まあ、改善無いから辞めるわけで。地域の開業医さんの悲鳴が見えます。

おはつおはつ 2009/04/09 19:00 Table 1. Total compensation of Physicians by Specialty; 2002
Anesthesiology   $306,964
Surgery, general $255,438
Obstetrics/Gynecology $233,061
Internal medicine    $155,530
Pediatrics/Adolescent medicine $152,690
Psychiatry       $163,144
Family Practice     $150,267
アメリカは数と言い給料と言い、コメディカルと言い、違法勤務もほぼ無いし、それでも訴訟額の高騰で人気なしです。
管理を同じレベルで口にするのが恥ずかしい。
また日本みたいに卒後延々非常勤(見えないチープサラリー)っておかしなシステムも有りません。3時で帰る事を想定しているのでしょうかねえ。
やはり一日8時間(常勤雇用)は働いてもらわないと。

tadano-rytadano-ry 2009/04/09 20:11  どんな質問をしたのかも分からない、誰が回答したのかも分からない、
どんなデータ処理をしたのかも分からない。自由記述も全部載せない。
こんなものを公表しても意味がありません。

 とりあえず一次資料を探しますとありました。
http://www.jmari.med.or.jp/research/dl.php?no=397

取りあえず産科医不足の原因を列挙しますと

フランス
 ・医師が民間部門でなく、公的病院での勤務を好む
 ・産科医を希望する医師が少ない
 ・産科医の高齢化:若い医師による交代がない

ドイツ
 ・将来(予想される不足・偏在)については東西ドイツ分離の歴史的・地理的事情が影響している

イギリス
 ・中央政府の予算制限で、産科医を専門医とする認定を柔軟に行うことができない状態である。

アメリカ
 ・訴訟の増加によって、小規模病院では分娩を中止するところがある。また、VBACのような医療行為に制限を設けるところもある。
 ・早期退職をしたり、リスクが低い手術や出産のみ診療を行う医師が多いことも、医師不足の要因の1つである。
 ・政府による制限はないが、産婦人科学会の承認機関がガイドラインを設けて、研修医を容易に増やすことや、将来的な不足の防止につなげている。
 ・産婦人科の研修医の75%は女性であるが、女性医師は男性と比べて労働時間が短い・産科をやらない・退職が早いなどの傾向がある。また男性医師同様、ライフスタイルへの関心が高く、長時間労働を好まない。
 ・政府による勤務時間制限は行われていないが議論は行われている。

カナダ
 ・広大な国土に3,800万人の人口が点在し、産婦人科医は約1,300人しかいないこと(需要と供給のミスマッチ)。
 ・より多くの女性医師が卒業して いる。
 ・若い世代の医師の労働時間が上の世代の医師より減少している。また オンコールを行う医師が減少している。

ニュージーランド
 ・原因のひとつは医学部の定員規制による。毎年2つのメディカルスクールの卒業生数は約315人である。

韓国
 ・産婦人科医は総数では過剰であるが、分娩を扱う産科医は、低報酬、高い訴訟リスク、スタッフ確保が困難であるため減少している。
 ・分娩を扱う産婦人科医は4分の1に過ぎず、将来的には出産に関わる産科医数は不足するであろう。

台湾
 ・年間の分娩数が減少している。
 ・国民健康保険からの出産に関わる支払いが低く、産科医の労力と釣り合っていない。

タイ
 ・医師の配置が偏在しており、それに対する法的処置がなされていないこと。そのため地方部などでは産科医の不足が生じているところもある。

イスラエル
 ・予算不足による産科医ポストの不足

フィンランド
 ・フィンランドには純粋な意味での産科医はいない。現在産婦人科医不足は起きていないが、いくつかの地域では確保が困難になっている。これは、小規模病院で医師の雇用が困難であることに起因している。これらの病院ではオンコールの負荷が増大し問題を深刻化させている。
 ・多くの若手産婦人科医は開業志向が強く、出産の取扱いや病院勤務を行わなくなった。

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 以上でも明確だと思いますが、医学部の定員、予算不足、保険報酬の少なさといった政策の不作為に関わる理由はことごとくカットされています。あと病院の方針といった理由もカットされ、全体として医師個人の志向を強調するような抜粋になっています。とにかくこんな要約は意味がありません。

元外科医元外科医 2009/04/09 20:15 やはり金で片が付くことは多いですねw

マスコミはスルーですが

規制規制 2009/04/10 01:20 日本に於ける管理って強制的なイメージがあります。
ルールも法もなし崩し。
このままじゃ「産科やりますかそれとも医者辞めますか」状態になりかねない。
一種の兵役ですね。
看護師に薬剤師・理学療法士もどんどん勤務地を規制すると良い。

医者自身でこんな状況を自立で改善なんて言う意見もあるようですが、所詮医者は意志のない金です。
中央銀行(厚労省)が政策金利を決め、地銀(大学)が地域の企業に貸し付けていた。
地銀の隆盛をねたみ、造幣禁止。事実上貸し付け困難。
地域の企業が貸しはがしで困っているさなか。
さあ、「お金さんよ苦しむ地域企業に循環して」なんて無理です。
金は信頼の無い所・無利子では動きません。低金利でも信頼の有る場所なら動きます。
無理矢理信頼の無い所に無担保で貸し付けたらどうなるか、東京都は既に経験があるはずです。
金を増発したって、金が循環なんて甘い。経済基盤の方が問題。
社会主義の破綻ってこんな感じじゃないでしょうか。
これを突き進めば何処かの国の様に闇市が形成されるだけです。
銀行で言えば消費者金融みたいな需要が出来ます。
存在には理由が有ります。

暇人28号暇人28号 2009/04/10 06:41 先日三宅久之氏が
「首相は国の安全保障をしっかりしてもらいたい。あとの国内問題はほとんどがお金で解決するこのだが、安全保障はそうはいかないから」

とおっしゃっていました。

内政問題は結局はお金なんですね。

元もと保健所長元もと保健所長 2009/04/10 07:28 敵サンさん
>・・それも医療界内部で解決補填すべきだ、

大学医局などの「医療界内部」でやってきたことが崩壊したのが今の現実です。
奴隷上がりに奴隷商人をやらせるアンシャンレジームを復活させてはなりません。

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