新小児科医のつぶやき

2009-04-25 奈良産科医時間外訴訟をもう少し考える

重要な訴訟なので、判決要旨のところだけもう一度読み返してみます。それと予めお断りしておきますが、今日も判決要旨の情報のみからの推測ですから、後日判決文が公開されたら「違っていた」はありえる事は御了承お願いします。

◎宿日直(夜間休日)勤務

 原告らは、産婦人科という特質上、宿日直時間内に分娩への対応という本来業務も行っているが、分娩の性質上宿日直時間内に行われることは当然予想され、その回数は少なくない。中には帝王切開術なども含まれ、治療も行っている。また救急医療を行うこともまれとはいえない。これらの業務はすべて1人の宿日直医師が行わなければならない。その結果、宿日直時間中の約4分の1の時間は外来救急患者への処置全般および、入院患者にかかる手術室を利用しての緊急手術などの通常業務に従事していたと推認される。

 原告らは、奈良病院から宿日直勤務を命じられ、勤務の開始から終了までの間、場所的拘束を受けるとともに、呼び出しに速やかに応じて業務を遂行することを義務付けられている。したがって、原告らは実際に患者に対応して診療を行っている時間だけでなく、診療の合間の待機時間においても労働から離れることが保障されていない。宿日直勤務の開始から終了までの間、医師としてその役務の提供が義務づけられ、同病院の指揮命令下にある。

まず前段ですが、宿日直が時間外勤務であるか、それとも労基法41条3項に基づく当直であるかの判断です。前段は産科当直医が労基法41条3項の宿直業務だけではなく、通常勤務にあたる業務を頻繁に行っていた事の事実認定です。裁判所の判断は推認される業務内容から労基法41条3項の条件を満たしていない可能性を示唆していると考えます。

続いて後段ですが、ここは裁判所判断の通常業務が「約4分の1の時間」とした上で、残り3/4の時間の解釈が書かれていると思われます。おそらく病院側が「残り3/4はコテンと熟睡している休憩時間である」みたいな主張に対応していると考えています。ここは非常に興味深いところで、医療法16条の当直時間の勤務の態様を定義と言うか判断している部分と読み取れます。まず勤務の態様として、

    場所的拘束を受ける

病院当直ですから、当然のように場所的拘束を受けています。もう一つ条件として、

    呼び出しに速やかに応じて業務を遂行することを義務付けられている

これは労基法41条3項に基づく当直業務状態であれば、通常業務に「速やかに応じる」必要はないとの判断と考えられ、そういう状態を当直時間中に常に強いている事が労基法で言う「手待ち時間」状態であるとの事実認定ではないかと考えます。さらに、

    医師としてその役務の提供が義務づけられ、同病院の指揮命令下にある

病院当直は業務命令で行なわれており、病院の指揮命令として「役務の提供が義務づけられている」と事実認定され、この条件であるから労基法41条3項による当直状態であることは通常業務従事時間も否定され、すべて時間外労働としての割増賃金の支払い時間であるとの判断です。


もうひとつの宅直の方をこれと関連付けて考えるとますます興味深いものになります。

◎宅直勤務

 奈良病院では、救急外来患者が多く、産婦人科医師の需要も高いが、5人しか医師はいない。現実の医師不足を補うために、産婦人科医師の間で(宅直勤務制度が)構築されたものである。

 しかしながら、宅直勤務は奈良病院の内規にも定めはなく、宅直当番も産婦人科医師が決め、同病院には届け出ておらず、宿日直医師が宅直医師に連絡をとり応援要請しているものであって、同病院がこれを命じていたことを示す証拠はない。このような事実関係の下では、同病院の指揮命令下にあったとは認められない。したがって宅直勤務の時間は、割増貸金を請求できる労働時間とはいえない。

ここは読みようですし、本来は判決文を確認しないと断言できないのですが、私は宅直勤務自体はどうも勤務の態様として時間外労働と認定している気がします。先ほどの当直業務の判断を踏まえると、業務上の「手待ち時間」に該当する条件として、

  1. 場所的拘束
  2. 時間的拘束
  3. 指揮命令下

この3つを上げています。場所的拘束の定義は当直では言うまでもなく病院内ですが、宅直であっても、病院にすぐ来れるところに待機しなければならないの拘束であるとも考えられます。時間的拘束も「呼び出しに速やかに応じて業務を遂行」が条件ですから、宅直であってもこれに該当すると考えてもそれほど無理はありません。

あくまでも「どうも」なんですが、時間外勤務ないし労働時間としても良いのですが、裁判所の判断として宅直の待機時間は「場所的拘束」と「時間的拘束」の二条件はクリアしていると考えられます。そうでなければ、「場所的拘束」ないし「時間的拘束」の時点での指摘があって然るべしなのですが、とりあえず判決要旨にはありません。これを当然の前提として要旨に書かなかった可能性を考えます。

だから宅直勤務に割増賃金を認めない理由は、ひたすら「指揮命令下」の手続き論に終始しているかと考えます。手続き論として裁判所が指摘したのは3点で、

  1. 内規
  2. 届出
  3. 業務命令

この3つのいずれもなかったから、当直業務中の産科医師が必要な応援を呼び出したのは「指揮命令下」ではないとの判断です。どういう事かと言えば、就業時間以外は労働者はどう過ごそうと自由なので、あくまでも自発的意思で「場所的拘束」を受け、「時間的拘束」を行なったとの解釈です。自由時間に自らの意志で「場所的拘束」や「時間的拘束」を設けるのもこれまた個人の自由と言えばよいのでしょうか。「拘束」、「拘束」と書き連ねるとサドマゾみたいですが、そういう「拘束」を好んで受けていただけの判断とも受け取れます。

奈良県立奈良病院の場合は、被告である病院側に幸いな事に、具体的な指揮命令を事実認定する証拠がなかったようです。ただしあれば時間外勤務として認められた可能性は高くなると考えられます。これも学習した事柄ですが、指揮命令は口頭指示でも十分成立します。訴訟の場になれば口頭指示を立証するのも大変でしょうが、証人ぐらいは立てられますし、一般的に労働訴訟では事実認定のハードルはさして高くないとも聞いています。

口頭指示はこの程度の会話でも成立するとも聞いています。

    医師:「オンコールはしません」
    院長:「それでは困るので頼む」

宅直が時間外勤務としての条件をここまでそろえているとの裁判所の判断は、病院側にとって気色の悪い判断であると考えます。考えようによっては、奈良県立奈良病院のケースはラッキーであったとも考えられます。つまり類似の訴訟を起された場合には、今度は時間外の割増賃金が求められる可能性も十分あると言う事です。

それと地裁では指揮命令を事実認定されていませんが、一般的な病院当直の決め方、ここは「こんた様」のコメントから引用しますが、

部長が決めたオンコール予定を事務が各科分とりまとめて、一覧表にして、各部署に配布する

もちろん奈良県立奈良病院がどういう形式であったかは不明ですが、一般的な形式ならば事実認定は極めて微妙です。オンコールに参加している医師がすべて自発的意思で自らの自由時間を病院の拘束時間として差し出している理屈となり、「そうである」としてしまうのは容易ではない様な気がします。部長からの命令はどういう根源で成立しているかも問われるでしょうし、部長命令に病院が一切タッチしていない証拠も必要になる可能性があります。

また自発的意思でないと訴訟を起しているのに、部長命令で作られたオンコール表に実態として拘束されている状態をどう評価するかです。医師本人が自発的意思でないことはある程度明らかであり、そうなると部長が個人の自由な意志を奪っているとの解釈も出てきそうな気がします。部長は直接の上司であり、上司の命令でオンコール業務に従事している実態の事実認定はさして困難ではないと考えられ、その部長が病院からの業務命令に基づかずに指令を発している状態をどう考えるかです。

えらい杓子定規な解釈ですが、これは訴訟の場ですから、日常の場とは少々状況が異なります。部長が病院の業務命令を受けず、個人の独断でオンコール業務に従事させている状態も、考えようによっては労基法の重大な違反につながる懸念もあるような気もします。この辺の解釈も労基法的にはどうかの判例、通達に疎いのであくまでも感想と思ってください。



医療に限らずなんですが、労基法に違反している業界慣行は数え切れないぐらいあります。労基法の番人ともいえる労基署も労使が紛争を起さない限り、これを黙認するとされています。また監査に入っても、労基法遵守により事業所を倒産させてしまうような法運用は下策と認識されているようです。つまり労働者の勤務環境の不満に対して、

    第一段階:職場に必要な慣行だから納得してもらう
    第二段階:労基署による弾力運用で納得してもらう
    第三段階:民事訴訟で争う

こういう三段階の対応があると考えます。これも労基法を学習して分かった事柄ですが、経営者は民事訴訟に至るのを極力避けるというのがあるそうです。訴訟が面倒と言うのも当然ありますが、訴訟の場に於ては労基法の解釈はかなり愚直に適用されるからだと考えます。これまでの職場慣行であるとの言い訳がまず通用しない世界になるからだとされています。そりゃそうで、法の番人である裁判所が法律違反の弾力運用を認めるわけには行かないからです。

そのために訴訟に至りそうになれば、かなりの妥協案を提示して阻止しようとするとされています。また訴訟になっても和解にもって行くように極力努力するとされます。さらに判決に至っても、控訴は極力控えるとされています。和解にするのは和解条件が公表されないためであり、控訴しないのは判例として上級審、ましてや最高裁判例として残さないためとされています。


そう考えると、奈良県及び奈良県立奈良病院の判断は大きなミスであったと考えられます。数えてみると、

  1. 民事訴訟になってしまった事
  2. 和解に持ち込めなかった事
  3. 当直時間が勤務時間であるとの認定を受けた事
  4. 宅直時間が、指揮命令を除いて勤務時間の判定を受けた事

とくにこれまで曖昧な位置付けであった宅直時間が、勤務形態として基本的に通常勤務であるとの判決を出させてしまったのは、大きな失策であると言えます。医師ですら宅直は勤務なのか、どんな種類の労働に当たるのか判別に苦しんでいたのに、地裁とは言え実質的に「勤務時間」に非常に近いものであるとの判決が出たのは大失策と言えます。触れずにおけばグレーゾーンであったのが、訴訟と言う白日の下に曝されたためにシロクロを付けられたとも言えます。

さらにまずい状態の展開も予想されます。原告医師は宅直時間が勤務時間と認められなかったことを不満として、二審、三審に進む可能性は多分にあります。たとえ判決が一審通りであったとしても、宅直時間の火種は確実に残り、最高裁まで進めばいわゆる判例になります。これは法の素人ですから自信がありませんが、法の新たな解釈の前例になることですから、最高裁でも審理されて強固な判例になる可能性も否定できません。

それとこれも「どうやら」なんですが、宅直勤務が「指揮命令下にない」の判断もかなり微妙であるとの見方もあるようです。二審、三審と進めばこの部分が覆される可能性は否定できないとの観測です。原告医師が控訴、上告と進むかどうかの情報に乏しいですが、進んでも当直時間の勤務としての事実認定を覆すのは被告病院に取って困難であるだけでなく、一審での辛うじての勝利である「宅直は指揮命令下でなかったから割増賃金は不要」の維持は微妙との考え方です。


これもまたパンドラの箱であったかもしれません。どうにも病院経営者としては開けてはならない箱を開けてしまったような気のする判決です。

元もと保健所長元もと保健所長 2009/04/25 09:08 被告側「代表」が、医系官僚であったことは笑えます。

たとえ今後控訴して和解や逆転判決を得たとしても、一審「判決」で開いてしまったパンドラの箱はもう閉まりません。もし、一審判決前に和解に持ち込んでいれば他県への影響を最小限に押さえ込めたことを考えると、今回の敗訴は「本家」に顔向けできない大チョンボということになります。
彼の官途が思いやられます。

京都の小児科医京都の小児科医 2009/04/25 09:48 元もと保健所長様

官僚文化というのが外からわかりづらいのですが、一般的には下記のように考えれていることに納得しました。ただ、ネット情報ではうたれづよい印象はありますし、別に官僚をやめてどこかの教授などになってもいいのではとも思いました。

>たとえ今後控訴して和解や逆転判決を得たとしても、一審「判決」で開いてしまったパンドラの箱はもう閉まりません。もし、一審判決前に和解に持ち込んでいれば他県への影響を最小限に押さえ込めたことを考えると、今回の敗訴は「本家」に顔向けできない大チョンボということになります。
彼の官途が思いやられます

元もと保健所長元もと保健所長 2009/04/25 09:52 京都の小児科医様

思いやられるのは「官途」であって、けして「前途」ではありません。

元外科医元外科医 2009/04/25 09:56  最高裁までの3審で勝訴すると今までのカネに利子が年に5%付いて(法定利息って高利ですよねw)膨大な金額になります。現在の7−800万でもかなりのボーナスですが。  
 今後は全国で、ちょっと金に困った医者が起こす当直料訴訟にも管理者は脅えて暮らすようになるでしょう。提訴後あちこちで言われていたように、医師の時間外不払いは、サラ金過払い同様確実に勝てる訴訟と言われるようになり、弁護士に相談に行けば、殖えて困ってる弁護士が確実に成功報酬の得られる、時間外賃金訴訟を勧めることに精出すでしょうね。勤務医の雇用コスト減らそうとして、本給切り下げれば辞める医師続出ですしw
 なんと言っても経済的締め付けはどんな業種でもきついです。議会からも圧力を受ける公立病院の管理者は、なり手が居なくなる可能性さえあります。われわれとしてはwktkです。

京都の小児科医京都の小児科医 2009/04/25 10:04 こういった判決文はネット上でみれる形になるのでしょうかという基本的な疑問はありますが。。。

法律の専門家ではありませんので、よくわかりませんが、本件は訴訟相手が奈良県ではと思います。病院経営者(奈良県)はわかるのですが、病院長はまったく関係ないのでしょうか
下記の件に関して、マスコミなどが、病院長に直接たしかめてみればと簡単にすむ問題と思います。
もしかしたら、奈良県立病院長サイドに緘口令がしかれているかも知れませんが、本事件に関して直接の奈良県立病院以外にも他の県立病院長や市立病院長などに、本件や宅直勤務などについてアンケートなどされるとありがたいと思います。

私の知るかぎり、ネット上、マスコミ上、奈良県立病院長のコメントがないのは異様な風景のように感じています。

>しかしながら、宅直勤務は奈良病院の内規にも定めはなく、宅直当番も産婦人科医師が決め、同病院には届け出ておらず、宿日直医師が宅直医師に連絡をとり応援要請しているものであって、同病院がこれを命じていたことを示す証拠はない。このような事実関係の下では、同病院の指揮命令下にあったとは認められない。したがって宅直勤務の時間は、割増貸金を請求できる労働時間とはいえない。

ひんべえひんべえ 2009/04/25 10:05  宅直の慣行が行われていることを、病院の内規上明文化されていないからと言って病院上層部が知らないわけがありませんし、現に宅直でやっと現場が回っていることを知らないわけがありません。黙認状態があったと考えられますよね。でも、法廷で立証できなかった。メモなどの物的証拠がなかったことが問題だったのでしょうか。私はやはりパンドラの箱をあけたこの先生方に対する守旧派の職員の証言などの壁が意外に固かったのではないかと思います。陰で応援はできても表だって応援できなかった人も多いのではないでしょうか。

 とりあえずは、指示がはっきりしていれば宅直に対しても労働と認めるとのことですから、指示がないことを理由に勤務拒否して崩壊させないと県も市民も変わらないように思います。

元ライダー元ライダー 2009/04/25 10:06 今回、宅直を勝手にやったと判断されたのは、産科内だけで宅直担当者を周知していれば事足りるという産科の特殊性が理由かもしれません。これが他科ならそうはいきません。例えば内科当直として循環器科医が当直している時に吐血患者が来たら、宅直当番のの消化器内科医を呼ばなければなりませんが、そのためには誰が消化器内科の当番かを救急外来の看護師や事務に周知する必要があります。仲間内だけでは収まらない。ところが産科の場合は誰が当番かを産科医だけが知っていても事足りる。だから業務として行なった根拠に乏しい。想像ですけど。

>官途
昨日京都の小児科医が示してくださった被告側「代表」の経歴を見ますと、臨床経験が8年あり、厚生官僚としては珍種の部類ではないでしょうか。彼のクーデターという希望的観測?
「本判決は、全国で問題となっている勤務医の長時間労働や、従来から医師が職業倫理的に取り組んでいた診療への応召や主治医制などを、日本の医療制度として今後どのように位置づけるか、日本の医療のあり方に一石を投じた判決」と官僚らしからぬ?発言をしているようですし。

京都の小児科医京都の小児科医 2009/04/25 10:08 元もと保健所長様
>思いやられるのは「官途」であって、けして「前途」ではありません。
了解しました。

元ライダー元ライダー 2009/04/25 10:17 京都の小児科医さま
前コメ敬称略となってしまいました。
他意はありません。失礼しました。

tadano-rytadano-ry 2009/04/25 10:32  判決要旨は裁判所の方から直接マスコミ等関係者に配布されたもので、同じものが
読売新聞に掲載されました。肝心の争点についてですが、関係者の方から簡単な情報を
いただきました。

当直について
 原告側…休日夜間も出産や救急患者に対応しており、通常勤務と変わらない労働実態で
     ある。待機時間も病院の中に拘束されており、呼び出しがあればすぐ現場に
     行かなければならず、当直勤務の時間帯すべてが労働時間と考えるべき。
 被告側…当直時間中に実際に勤務している時間は全体の約1/4程度にしかすぎず、
     当直は労働基準法で労働時間にあたらない断続的労働にあたる。診療の合間の
     待機時間は勤務をしていないのだから、すべてが労働時間に含まれない。

宅直について
 原告側…当直医は一人で異常分娩などに対応することは不可能である。つまり当直と
     宅直はシステムとして一体のものであり、呼び出しがあれば病院に急行しな
     ければならず、たとえ自宅待機といっても労働から解放されているとは
     いえない。
 被告側…宅直は医師側が自主的に行っているものであり、病院が命じたわけではない。
     よって自宅待機中は給与の支給対象となる労働時間にはあたらない。

元もと保健所長元もと保健所長 2009/04/25 10:33 元ライダー様
>彼のクーデターという希望的観測?

そうですね。もし、よりによって「奈良の産科医療」を舞台にした自爆テロであったなら、できすぎた話です。
官途は絶たれても、前途は明るいと思います。

卵の名無し卵の名無し 2009/04/25 10:35 >あくまで「どうも」
全面勝訴・全面敗訴は避けるとの結論先にありきで(行動経済学でいうアンカー効果)まあ宅直まで責める(しめる)のはかんべんしといたいたろ、と。
(1)場所的拘束 (2)時間的拘束 (3)指揮命令下のうち、(1),(2)には特に触れず(3)に終始したのはそこが一番のeasyでconcreteな routeだったからという可能性もあります。
もしそれっぽい指揮命令があれば、(1)、(2)がなりたたないから、という(部外者からは半ばアクロバティックに見える)理由が水面下から浮かび上がってきていた可能性もあるかも。
まあ推論に推論を重ねるお遊びではありますが。失礼しました。

YosyanYosyan 2009/04/25 10:38 tadano-ry様

やはり当直時間の残り3/4について争っていたのですね。争った上で勤務時間と判断されてしまったのは手痛いところのように感じます。宅直時間も「場所的拘束」「時間的拘束」が実態としてある事を認められた上で、辛うじて「指揮命令」の手続き論で花を持たせてくれたと見ることもできます。こりゃ、厳しい判決です。

こうなる事を奈良県は予想できずに断固戦ったのか、訴訟で負けることにより予算確保の戦術を狙ったかは不明ですが、戦術で行なったのなら戦略的には大敗北になるかと思います。

卵の名無し卵の名無し 2009/04/25 10:47 >奈良県立病院長のコメントがないのは異様な風景のように感じています。
予想される発表「(まだ係争中であり)コメントは差し控えたい」「今後の対応については検討中」

○○メディカルニュースさんと××がアップを始めたようです。w

既存メディアの報じる内容は大本営発表以上でも以下でもないね、というのは冗談として、やはり県からは緘口令が出されてるんでしょうね…

元外科医元外科医 2009/04/25 10:55 被告の戦略から考えると、裁判途中でも金銭訴訟ですからお金払って和解した方が良かったのでしょうね。判決もらって確定などしたら、他への影響が甚大ですから。

原告側としては勤務医代表としてよく戦ってくれたと言えます。最高裁まで戦って判例にしたらもっとGJです。宅直の多い勤務医からしたら、地裁判決では敗訴に等しいかも知れないので、この部分も上級審では頑張って欲しいですね。

テキサンテキサン 2009/04/25 11:32 原告の先生方は控訴されないかも知れませんね。判決の
「宅直は指揮命令下でなかったから割増賃金は不要」という文言、裏返せば「指揮命令下の宅直には割増賃金が必要」を引き出したのですから。
病院が院外待機を指示せざるをえない(Yosyan先生曰く「院長:それでは困るので頼む」)環境であることを考えると、宅直勤務に関しても勝訴判決に近いのではないでしょうか。

tadano-rytadano-ry 2009/04/25 11:40  判決要旨のより詳細なものが手に入りました。トラバを打ちましたのでそこから
ご覧下さい。

京都の小児科医京都の小児科医 2009/04/25 11:53 元ライダー様
まったく気づきませんでした。わざわざ申し訳ありません。こちらこそ、不適切な表現があり私自身が気づかない場合もあると思いますが、その際ご容赦ください。 

>京都の小児科医さま
前コメ敬称略となってしまいました。
他意はありません。失礼しました。

京都の小児科医京都の小児科医 2009/04/25 12:10 状況が少しわかりづらいのですが、この訴訟の時期は
>しかしながら、宅直勤務は奈良病院の内規にも定めはなく、宅直当番も産婦人科医師が決め、同病院には届け出ておらず、宿日直医師が宅直医師に連絡をとり応援要請しているものであって、同病院がこれを命じていたことを示す証拠はない。

だったとしても、現在の奈良県立病院はどうなんでしょうか
すくなくとも現在は、宅直は正式なものとして認められ、宅直料は給料に振り込まれているのでしょうか 医療事故や、過労死の問題など色々とあると思いますが、気になるのは宅直が正式なものでないのなら、宅直で呼ばれたときに急いで病院に向かう途中の交通事故です。この場合は自己責任なのでしょうか

現在の奈良県立病院は、宅直を正式に認めているのかどうかをぜひ知りたいです。

YosyanYosyan 2009/04/25 12:25 tadano-ry様のTBから見つけた奈良県知事のコメントです。ソースがタブロイドなのは目を瞑ってください。
http://mainichi.jp/area/nara/archive/news/2009/04/24/20090424ddlk29040513000c.html

 >「条例で給与や地域手当と計算基礎が決められている。算定基礎は国も同じで、条例で決められたことをいかんと司法が判断できるのか」と疑問を呈した。

こういうトップの認識で訴訟に打って出たのなら、笑うしかないでしょう。国の算定基礎と同じだから「負けるはずがない」との御認識であられたようです。これを訴訟の場で主張したのなら、国の算定基礎も同時に巻き添えにした事になります。こりゃ、是非判決分本文を公開して欲しいところです。原告医師はそこまでやってくれると期待しています。

nomnomnomnom 2009/04/25 12:41 トピずれ失礼いたします。
今日の新聞を見ていたら、こんなのが載っていました。
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0001856456.shtml

ご注意を。

TOMTOM 2009/04/25 13:17  今日も経営者モードです。もともとね、働いてる人を“人”と思ってたら、或いはせめて“戦力”と認識してたら、本件原告みたいな主張はできないですよ。その上で敢えてね...
 仕事量の点でもともと評判の悪い労働条件で、なのに給与以上の働きをしているベテランスタッフから、「忙しいのはともかく、せめてちゃんと給料出してよ」という要求があった。辞められると同質・同量の人材を手に入れることは難しい。どうするか?
A.要求満額かはともかく、今までよりは待遇良くして残ってもらう。 → 労働者個人との妥協点まで支出はわずかに増えるが、企業の収入源(労働力)は維持できてる。
B.あくまで「払わない」と突っぱね、裁判にされる → 公権力により払えと命じられ、要求満額に近い大幅な臨時支出、しかも確実に「人材」に嫌気をさされ、もしかしたら辞められて収入源が消滅する。

あはははは。どう見てもB.が損だ。労働者を“人”と見なくても。それを敢えてB。へぇ〜。
ま、最大の問題はAを取りたくてもその原資(診療報酬)がない、って事なんだけども。でもそれはそれとして、得難い貴重な労働力と全面対決しちゃうなんて、愚作の極みですね。うふふふふ。

>条例で決められたことをいかんと司法が判断できるのか
 やっぱねぇ、せめて被選挙権には年齢以外に何か条件を付けないとヤバイんじゃないのww、と。

元外科医元外科医 2009/04/25 13:39 違憲立法審査権知らないのですねw

tadano-rytadano-ry 2009/04/25 13:55 待機どころでなく、仮眠時間でも時間外手当を払うべきとした最高裁判例

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/BE239C2C7D3531DE49256DC600058A1F.pdf

 (1) 労基法32条の労働時間(以下「労基法上の労働時間」という。)とは,労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい,実作業に従事していない仮眠時間(以下「不活動仮眠時間」という。)が労基法上の労働時間に該当するか否かは,労働者が不活動仮眠時間において使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものというべきである(最高裁平成7年(オ)第2029号同12年3月9日第一小法廷判決・民集54巻3号801頁参照)。そして,不活動仮眠時間において,労働者が実作業に従事していないというだけでは,使用者の指揮命令下から離脱しているということはできず,当該時間に労働者が労働から離れることを保障されていて初めて,労働者が使用者の指揮命令下に置かれていないものと評価することができる。したがって,【要旨1】不活動仮眠時間であっても労働からの解放が保障されていない場合には労基法上の労働時間に当たるというべきである。そして,当該時間において労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価される場合には,労働からの解放が保障されているとはいえず,労働者は使用者の指揮命令下に置かれているというのが相当である。
 そこで,本件仮眠時間についてみるに,【要旨2】前記事実関係によれば,上告人らは,本件仮眠時間中,労働契約に基づく義務として,仮眠室における待機と警報や電話等に対して直ちに相当の対応をすることを義務付けられているのであり,実作業への従事がその必要が生じた場合に限られるとしても,その必要が生じることが皆無に等しいなど実質的に上記のような義務付けがされていないと認めることができるような事情も存しないから,本件仮眠時間は全体として労働からの解放が保障されているとはいえず,労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価することができる。したがって,上告人らは,本件仮眠時間中は不活動仮眠時間も含めて被上告人の指揮命令下に置かれているものであり,本件仮眠時間は労基法上の労働時間に当たるというべきである。

 (3) 上記のとおり,上告人らは,本件仮眠時間中の不活動仮眠時間について,労働契約の定めに基づいて既払の泊り勤務手当以上の賃金請求をすることはできない。しかし,労基法13条は,労基法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約はその部分について無効とし,無効となった部分は労基法で定める基準によることとし,労基法37条は,法定時間外労働及び深夜労働に対して使用者は同条所定の割増賃金を支払うべきことを定めている。したがって,労働契約において本件仮眠時間中の不活動仮眠時間について時間外勤務手当,深夜就業手当を支払うことを定めていないとしても,本件仮眠時間が労基法上の労働
時間と評価される以上,被上告人は本件仮眠時間について労基法13条,37条に基づいて時間外割増賃金,深夜割増賃金を支払うべき義務がある。

YosyanYosyan 2009/04/25 14:28 tadano-ry様

大星ビル訴訟ですね。これに則ると寝当直でも

 >労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい,実作業に従事していない仮眠時間(以下「不活動仮眠時間」という。)が労基法上の労働時間に該当するか否かは,労働者が不活動仮眠時間において使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものというべきである

例の通達でさえ吹っ飛ぶ解釈になります。この判例は労働法ではかなり重視されるものと聞きますから、奈良県が当直時間の労働を訴訟で争ったのはプロから見れば無謀と言えるかもしれません。まあ、最高裁まで争って判例変更を狙うと言うのなら話は別ですが。

法務業の末席法務業の末席 2009/04/25 14:29 Yosyan先生のエントリ本文はじめ、厚生労働省医政局を筆頭とする医療業界の皆様の、労基法41条3号の「宿日直」の解釈に大きな誤解というか、法令通達の勝手読みがはびこっているように感じます。

以下に労基法41条の解釈を、基本的なことから順次説明していきたいと思います。
(大変長い解説文となりましたが、切らずに一気に投稿します)

==== 労働基準法 ====
(労働時間等に関する規定の適用除外)
第41条  この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、
  次の各号の一に該当する労働者については適用しない。
 一  別表第一第六号(林業を除く。)又は第七号に掲げる事業に従事する者
 二  事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
 三  監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの
==== 引用終わり ====

この労基法41条3号に規定される「監視」に従事する者、ならびに「断続的労働」に従事する者で、なおかつ「宿日直」に就く者については、省令の労基則(労働基準法施行規則)で次のように規定されています。

== 労働基準法施行規則 ==
第23条  使用者は、宿直又は日直の勤務で断続的な業務について、様式第十号によつて、所轄労働基準監督署長の許可を受けた場合は、これに従事する労働者を、法第三十二条 の規定にかかわらず、使用することができる。
==== 引用終わり ====

で、この労基則23条でいう「宿日直」とは、発基17号(昭和22年9月13日)と基発150号(昭和63年3月14日)の2つの通達では、宿日直とは、当該労働者の本来の業務は処理せず、構内巡視、文書、電話の収受または非常事態に備えて待機するなど、常態としてほとんど労働する必要のない勤務態様をいう。このように両通達では示されています。

ここで注目して欲しいのは「本来の業務は処理せず」という部分と、「常態としてほとんど労働する必要のない勤務態様」の2ヶ所の説示部分です。

すなわち労基則23条での「宿日直」の許可の要件は、次の2点となります。
?:本来の業務は処理しないこと
?:常態としてほとんど労働する必要のないこと
この解釈に沿って労働行政は執行されており、裁判所での司法判断もこの解釈が基準になります。

しかるに、医療界においての「宿日直」の許可の解釈は、一般的に次のような印象があります。
a:日中の正規勤務時間より労働の頻度は低いが
b:本来の業務を処理するために当直室で待機すること

以上の労働側の「宿日直」の要件基準である?&?と、医療側において一般に唱えられている「宿日直」の要件概念であるa&bと見比べると、大きな違いがあります。それは労働側の要件基準では、そもそも本来業務が見込まれるならばそれは宿日直に該当しないとされているのに対し、医療側の概念では低い頻度ながら本来業務をする見込みを前提に入れて、宿日直が定義されていることです。

そして断続的労働と通常の労働(本来業務に応ずる労働)が混在・反復する場合に、労基法41条3号の許可の要件基準をどのように判断するかについては、前掲の基発150号(昭和63年3月14日)において、断続労働と通常の労働とが1日の中において混在し、又は日によって反覆するような場合には、常態として断続的労働に従事する者には該当しないから、許可すべき限りでないと示されています。

このように「本来業務を最初から織り込んだ宿日直」という医療側では一般的な宿日直の概念が、労基法41条3号の該当要件である前掲通達の「断続労働と通常の労働とが1日の中において混在し」にモロに引っかかりますので、医療側で一般に言う「本来業務を最初から織り込んだ宿日直」は労基法41条3号の「監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの」には該当しないとするのが正しい労基法解釈論です。

ここにYosyan先生はじめ、厚生労働省医政局など医療業界の方々の労基法解釈には、基本的に誤りというか、労基法の「宿日直の許可」に対する誤解があるように感じます。

そして裁判では、労基法の原則的な解釈である上記?&?の要件基準をもって、労基法32条に謳われる労働時間の適用が場外されるか否かを判断しています。今回の奈良地裁の判決要旨でも、この本来業務に応じるために原告医師らに宿日直と称する勤務が行われていたのであって、本来業務に従事するために呼出に速やかに応じることが義務付けられている事実こそ、労基法41条3号に該当しない明白な事実として認定されたのです。

すなわちYosyan先生のエントリ本文では、1場所的拘束、2時間的拘束、3指揮命令下の3つの要件が挙げられていますが、この3つとも労基法41条3号に該当するかどうかを判断する基準としては決定的な要素ではありません。どちらかというとスジが違う部分を突っついておられます。本スジは、何度も繰り返しますが、本来業務に就くことが見込まれているか否か、そして本来業務に就くとしてもその頻度が滅多に無い事故発生や非常事態などに応じる場合などを見込んでいるかどうか、これになります。

この滅多にない非常時への対応とはいえ宿任直に就く者は、当然ながら一定の待機場所に拘束され、宿日直に就くのは何時から何時までと時間が拘束され、宿日直に就くように指揮命令(業務上の指示や命令)が与えられているのは当然のことです。Yosyan先生の挙げられた3つの要件は、労基法41条3号の宿日直の該当要件を判断する上では、いずれも本質的な事項ではありません。

なお、業務に従事する時間が宿日直時間の1/4を超えるか否かという争点が、裁判の中で検討されたような情報もあります。 この「1/4」という基準は、宿日直勤務ではない断続的労働の勤務を定義する要件基準であって、基発535号(昭和23年4月5日) や前掲の基発150号(昭和63年3月14日)にて示されている基準です。

ただし注意すべきは、この1/4要件は、断続的労働に専ら従事する者、すなわち守衛、踏切番、小中学校の用務員など、最初から「断続的勤務にのみ従事する者」として雇用されている場合が対象であることです。その為に、実際に作業にあたる時間が勤務時間中の1/4以内であっても、その実作業時間の合計が8時間を超える場合は許可されるべきでないと、前掲の通達で示されています。つまり日中の本来の業務で既に法定の8時間労働をこなした後に、夜間当直として断続的勤務にあたる場合は、その実作業時間が合計で8時間を既に超えていますので、夜間当直の勤務が断続的労働として許可されるべきではないということになります。

元々が、労基法41条3号の監視に従事する者、ならびに断続的労働に従事する者という規定は、宿日直の勤務を指し示す規定ではなく、守衛や踏切番などの職業を想定した法規定です。そして労基則23条において、平常は連続する勤務に就いている者がごく稀な頻度(週1回以内など)で宿日直に就く場合で、しかも監視又は断続的労働に従事する場合は、週40時間1日8時間という法定労働時間の制限(労基法32条)の適用除外にしますよ、という法規定構造になっています。そこを無視して断続的勤務に専従する者に適用される1/4要件と、労基則23条での宿日直での本来業務にあたることがないという断続的業務の要件とを、都合良く繋ぎ合わせて勝手解釈した結果が、「勤務医の宿日直では業務に就く時間が1/4未満であれば労基法41条が適用になる」という医療界に蔓延する誤解釈だと思います。

なお日中も診療業務に従事する「正規章句員である常勤の勤務医」ではなく、夜間当直のみを行う雇用条件で雇われている「非常勤の夜勤当直専門の勤務医」の場合は、1/4要件のみを満たした上で1回の夜勤中に実際の診療業務従事時間数が8時間以内であれば、労基法41条3号の断続的勤務に該当することになります。

それ故に原告と被告ならびに裁判所は、争点の奈良病院の当直勤務が、まず労基法41条3号の断続的労働にあたるかどうか、1/4要件などについて検討し、その上で労基則23条の宿日直に該当するかどうか見るために「通常業務に従事していた推認される」か否かを検討した。結果として判決要旨では、当直勤務の産科医が「通常業務に従事していた推認される」が故に、労基則23条の宿日直での労働時間の適用除外を否定し、当直勤務の全ての時間において労働時間であり、労基法32条の法定労働時間を超えた労働時間であるので、労基法37条での時間外労働での割増賃金支払を判決で命じたものと思われます。

なお、奈良病院が原告医師らに支払っていた、平均賃金日額の1/3以上の宿日直手当は、時間外労働割増賃金の内払い分として差引控除した結果、2人で約1,500万円の賃金支払命令(時効による請求権消滅分を除く)となったと思われます。

法務業の末席法務業の末席 2009/04/25 14:36 前投稿中、?となった下記部分は、マル数字の1と2を使ってしまった為に、表示できなかった結果です。

> ?:本来の業務は処理しないこと
> ?:常態としてほとんど労働する必要のないこと

> ?&?

これらの?マークには1と2の数字を当て嵌めて下さい。

1:本来の業務は処理しないこと
2:常態としてほとんど労働する必要のないこと

1&2

tadano-rytadano-ry 2009/04/25 15:00  上の判例は「たとえ仮眠時間であろうと労働者が使用者の指揮命令下に置かれており、労働から離れることを保障されてい無い限りは労基法上の労働時間であり、たとえ労働契約に書いて無くても、労基法上の労働時間と評価される以上,使用者には時間外割増賃金,深夜割増賃金を支払うべき義務がある」と言うことだと解釈しています。

 宿日直はその例外規定であるわけですが、今回の判決は労基法上の宿日直の構成要件である断続的労働時間の基準は、県の主張する「時間の長さ」だけでなく「労働の質」の問題も考慮すべきであることを改めて確認したことに価値があると思います。そうなれば後は上の判例が自動適用されるわけです。

 まあ労基法に全部書いてあることなのに何を今更とも思うのですが、労基法の性質上誰かが声を上げなければ確認されないことでもあったので、その点ホントにお疲れ様、と思います>原告の医師の方々

…とここまで書いて法務業の末席さまに先を越されたわけですがorz

YosyanYosyan 2009/04/25 15:26 法務業の末席様

理解するのにやや時間が必要な御説明ですが、非常に単純に言えば

 「医師法16条の当直は、そもそも労基法41条3項の当直に該当しない」

こうでよろしいでしょうか。医師は医療法によって当直の規定があり、これの具体的内容に関する通達等は見た事がありませんが、医師は当然の事として入院患者の急変に対応したり、必要な救急患者の診察に応じるものだと考えています。医師法19条の応召義務と関連付けてもそんなに的外れではないと考えています。

そういう日常業務を含む医療法による当直業務は、訴訟の場に立てば労基法の当直業務と該当しないことになり、大星ビル訴訟の最高裁判例に行き着くことになると理解してよろしいでしょうか。そうなると例の通達は労基法当直の医師の適用の弾力運用であり、通達と言えども訴訟になれば最高裁判例に反する事になります。

現実のレベルは通達レベルでさえ夢の彼方ですが、労基法解釈上はそこまで判例で確認できる状態であり、これを実際の裁判例として確認したのが今回の訴訟という事になります。素人にはシンドイ理解です。

元ライダー元ライダー 2009/04/25 15:29 医療法16条で言う宿直の目的は時間外の突発的な本来業務の遂行であるのは分かりきっているはずだが、そのような目的で労基法上の宿直許可を申請しても受理されないってことかな?
実際には病院の(労基法上の)宿直申請は受理されている場合が多いけど、それらはすべて虚偽の理由(「本来業務はしませんよ〜」との申告)を記した虚偽申請ってことになるなあ。こりゃ大変だ。

326326 2009/04/25 15:40 ↑えーとあれですか。
虚偽公文書作成及び同行使罪
あるいは公正証書原本不実記載ですかw

法務業の末席法務業の末席 2009/04/25 16:15 Yosyan 先生、説明が分かりにくくて申し訳ありません。今回はかなり法律解釈論として原理原則に則った「正しい説明」を心掛けましたので、余計読みにくくなったようです。

>「医師法16条の当直は、そもそも労基法41条3項の当直に該当しない」
 ※スミマセン:労基法41条3項ではなく、正しくは41条3「号」です。
  また宿日直を規定するのは労基法41条3号ではなく、労基則23条です。
  この2つの規定を区別して頂かないと、理解が混乱する原因になります。
 
これは条件次第です。

まず第一に、突発的な本来業務(急患診療など)の発生頻度が、年に数回とか、せいぜい月に1回程度であれば、労基則23条の宿日直に該当すると考えて良いと思います。先の解説投稿にも何度か書きましたが、そもそも労基法での断続労働や宿日直の規定や通達での労基法解釈は、昭和22年の労基法制定時点を基礎においています。ですので昭和20年代や30年代前半の、「急患です、急患です、先生、お願いします」と深夜に病院玄関を叩く急患発生が、月に1度か2度あるようなマレな時代は、「医師法16条の当直は労基則23条の当直に該当する」と言える余地が大きくなります。

そして現在でも、有床診療所であるために医療法16条の当直義務があるが、直ぐ隣が2次3次の大きな規模の救急病院であって、急患の飛び込みも年に数回しかないのが現実。そして自院の入院患者といっても数も少なくて、深夜の容態急変が月に1度か2度しか起こり得ないという条件が揃っていれば、昔と同じように「医師法16条の当直は労基則23条の当直に該当する」と言えるでしょう。

又、週40時間1日8時間の法定労働時間の日勤もこなしている正規の勤務医ではなく、夜間宿直や休日の日直に限って雇用されている医師(いわゆる夜勤宿直や休日日直専門の非常勤バイト医)については、労基則23条での「宿日直の許可」ではなく、労基法41条3号の「断続的勤務に従事する者としての許可」によって、労基法上の労働時間や休日休憩などの規定について、適用の除外を受けることが可能です。

ただしこのときに本来業務が夜勤や日直時間の1/4以下であり、かつ1回の夜勤や日直での合計業務時間が8時間以内、という2条件を満たす必要はあります。この2条件を満たす夜勤宿直や診療休日の日直勤務だけを行う勤務医(正規の就業時間=診療時間の勤務シフトには就かない者)は、労基法41条3号の「断続的勤務に従事する者」に該当しますので、労基則23条での「宿日直の許可」とは別個の扱いとなります。

医療界の皆さんは、この労基法41条3号での「専ら断続的労働に就く者の要件基準」と、労基則23条での「宿日直での断続的労働の要件基準」をゴッチャになさるので、混乱が起きるのだと思います。

tadano-rytadano-ry 2009/04/25 16:17 Yosyanさま

>医師法16条の当直は、そもそも労基法41条3項の当直に該当しない

 というより、労基法41条3項では「断続的労働に従事する者」とあるだけで当直とは一言も書いてありません。また労基則23条では「宿直又は日直の勤務で断続的な業務について」とありますので、私は「断続的労働」と「宿日直」はそもそも分けて考えるべきものだと思っていました。 宿日直はあくまで勤務形態を示す概念であって、労基法41条3項とは直接関係のないものではないでしょうか。労基則23条も「法第三十二条の規定にかかわらず」とあり、労基法41条3項についての言及はありませんし、「断続的労働」でなく断続的な「業務」となっている点を考えてもそう思うのですが、法務業の末席さま宜しくお願いしますorz

tadano-rytadano-ry 2009/04/25 16:18 …とかいたらまた先をorz

YosyanYosyan 2009/04/25 16:51 法務業の末席様

丁寧な追加解説ありがとうございます。かなり知理解と言うか知識が整理されました。もう少し勉強してそのうちエントリーにしたいと思います。

今日の時点での粗い理解では、奈良の当直問題は言うまでもなく常勤医の当直ですから、労基則23条の宿日直に該当し、訴訟で1/4の業務であるとか、残り3/4は寝ている云々の奈良県の主張は労基法の趣旨からすると戯言に類するかと思います。これを大真面目に主張したと言うのが謎ですが、やはり論拠は「国もそうやっている」だったのでしょうか。知事コメントからすれば、そうでも理解しないと謎です。それとも奈良県の弁護士がよほど労働法に昏かったとか。

そうなると判決要旨の説明としては、奈良の当直医は労基則23条の宿日直に該当しないことを先に事実認定し、さらに当直でないとすれば「どんな労働時間」になるかを説明したと解釈したほうが良いように感じます。つまり「場所的拘束」「時間的拘束」「指令指揮下」の条件を満たすから、当直時間でなければ当然労働時間になるとの論旨です。

宅直の方はここまで知識をつけて読むと微妙な解釈になります。要旨しか無いので他の説明が不明なのですが、三条件のうち「指令指揮下」だけ取り上げて、残りの判断を放棄した可能性が出て来ます。後の判断は保留みたいな体裁です。可能性として二審で「指令指揮下」をクリアできたら、残りの「場所的拘束」「時間的拘束」の判断が行なわれるみたいな展開です。

ただそうなればの話ですが、指令指揮下であって「時間的拘束」「場所的拘束」の片方ないし両方がない労働状態とは何かになります。もちろん労基法の当直では頭からありませんから、素人には「???」になります。あえて考えれば、オンコールでもなんでもない医師を、必要が生じて連絡したらたまたまつかまって、仕事をしてもらったような感じでしょうか。現実では珍しい事ではありませんが、訴訟の場ですから「だいたいそんなもの」では済まないですからね。

元ライダー元ライダー 2009/04/25 16:52 またまた虚偽申請の話ですが、Med_Lawさまが発掘された都立府中病院の宿日直勤務許可申請書
(http://pediatrics.news.coocan.jp/fuchu01.PDF)を虚偽を念頭に見ると面白いですよ。
宿日直の「勤務の態様」の項目。
最初は「入院患者および救急患者の診療」と書いて提出したが受理されず、(労基書の指導を受け?)括弧書きで「但し簡易な診療受付をなし他診療行為は宿直医以外の医師が診療する」と追記したような書き方。最初から宿日直として適切な勤務の態様を理解していれば、こうは書かないでしょう。「入院患者および救急患者の簡易な診療受付」と書くんじゃないでしょうかね(簡易な受付って意味不明ですが)。とっても不自然な記入に見えますねえ。

元ライダー元ライダー 2009/04/25 17:05 あー、それと細かいことですが最近法改正されてなければ有床診療所に医師の宿直義務はないはずです。
         無床診療所     病院
 
  入院ベッド数   0      20床以上
  必要医師数   1人以上     3人以上
  専属薬剤師   基準なし     必ず必要
  医師宿直義務   なし       あり
  医療設備    基準なし    各科専門の診察室、手術室、
                  X線装置、調剤室など

元もと保健所長元もと保健所長 2009/04/25 17:18 元ライダー様

>あー、それと細かいことですが・・有床診療所に医師の宿直義務はないはずです。

もっと細かいことを言えば、医業を行わない(つまり純粋に歯科医業だけの)病院には、医師・歯科医師の宿直義務はありません。
また、入所施設のある助産所にも、医師・助産師の宿直義務はありません。

医療法第16条 医業を行う病院の管理者は、病院に医師を宿直させなければならない。・・

法務業の末席法務業の末席 2009/04/25 17:40 元ライダー様
>それと細かいことですが最近法改正されてなければ有床診療所に医師の宿直義務はないはずです。

あ〜、やっちゃった、ご指摘ありがとうございます。
先の追加投稿での私の事例は、有床診療所ではなく小規模の病院で、すぐ近所に夜間救急外来をバンバン引き受けている大規模病院がある場合、とお考え下さい。

労働法令は私の専門分野ですが、医療関係の法令については医師の皆さんの方が私よりはるかに詳しいでしょう。他にも私の解説中に医療について誤解した記述やヘンテコリンな部分がありましたら、ご指摘頂ければと思います。

勤務医勤務医 2009/04/25 19:37 >>何度も繰り返しますが、本来業務に就くことが見込まれているか否か、そして本来業務に就くとしてもその頻度が滅多に無い事故発生や非常事態などに応じる場合などを見込んでいるかどうか、これになります。
ということはオンコールもそれなりの呼び出しの実績を持てば労基法41条3号に引っかかってくると言うことでしょうか。
頻回にあることは間違いなく。無ければオンコールも不要であり。
で、今後はオンコール専属バイトで1/4を満たせば若干は安くなるのでしょうか。
私は、こういう事を通して、医者の給料を上げろとか出はなくて、ちゃんと人数を雇え!と思っています。

卵の名無し卵の名無し 2009/04/25 19:56 ここまで読んだが今日は結局わからんかった。裁判官て判決の根拠となった法律を明示しないでも許されるのかいな?

BugsyBugsy 2009/04/25 20:16 病院ごとのローカルルールかもしれません。そうじゃない病院もありました。

自宅でのオンコールもあるのですが、自宅に帰った「主治医」というのはどうなるんでしょう?

勤務時間外に点滴の内容の確認から、治療方針、ムンテラのアポイントまで自宅まで深夜に頻々と問い合わせがありました。まずは準夜と深夜勤務の交代時間の申し合わせ時間が大半です。
あとは世間でいう日曜日祝日に 患者家族からの来院に応じろというのもあります。
これが病院によってでしょうが(?)、看護婦では対応できないから主治医を呼び出せという家族からのが多いです。

オイラなりに工夫をし、話し合って当直医が対応するようにしたのですが 4月になり新人が入ってくれば元の黙阿弥です。また同じことを説明します。本当に4月って嫌な時期です。

これも誰が業務命令者なんですかねえ。しかしやってることは数分でも電話を介した立派な>業務でしょう。しかし誰にも記録を残しようがない。なくはないが多分困難。オンとオフときちんと分けられてないのです。いつ携帯がなるかって。

滅多にないことと、今回だけって電話をかけてくるナースの皆さんは思いがちですが、実際は多かった。
医師は3交代じゃないもんで、そのつど申し送りも出来ないのですよ。

>医者の給料を上げろとか出はなくて、ちゃんと人数を雇え!と思っています。
3交代が出来るほどの医師の人数を集めてくださいよ。

元外科医元外科医 2009/04/25 21:03 3交代の医師を雇える状態になるにはあと5万人くらい医者が増えないとw

勤務医勤務医 2009/04/25 21:25 >>3交代が出来るほどの医師の人数を集めてくださいよ。
3交代とは言いませんが、少なくとも募集をしなければ病院に医者は増えません。
募集しないと労働時間は減りません。
私は公的病院を多くみてきましたが、1人医長などを含めて、医者不足の原因はポスト不足、人員削減が根本的な問題と認識しています。
奈良にも知人がいますが、いい年をして非常勤です。ポストなんてありませんよ。
あるのは激務で逃げた医者の後釜。元々定員われている様な所の補充。

BugsyBugsy 2009/04/26 00:47 >勤務医様

わかります。夜遅くごめんなさい。
>1人医長などを含めて、医者不足の原因はポスト不足、人員削減が根本的な問題と認識しています。

ヒラの医員の数こそ増やせばよいものを それを出来るだけ少人数で、増やさないようにしてやらせようとしていました。
一方ナンバー内科やナンバー外科という他の診療科を睥睨するような多人数の診療科があった時代を記憶していますが、いつのまにか臓器別に細切れとなって、今では少人数で外来や当直を回しています。
見た目の部長職は増えましたが、部長といっても実質は医長レベルかな。

ナースで「医療とは24時間患者と対峙して行うものだ。」とおっしゃる方がいて オイラは飲み会で詰め寄りましたね。
じゃ あんたも3交代で自宅に帰らずに 24時間病院からのコールを気にしながら勤務してみたら? 毎年ずっと自宅に帰っても 深夜電話がかかってきて点滴のオーダーの再確認をさせられたら どんな気分?って聞いたら あなた方の先輩、ここの診療科を立ち上げた初代の部長がそういってナースに言ったそうで、自分たちがそういったわけじゃありません、それが医師の天職というものでしょって言い返しましたね。

越えられない壁ってあるなと思いました。ナースに個人的には悪い人はいないと思うけど、その一線は越えられませんね。
人間やったことがないことを理解せよといっても 無理でしょう。

勤務医勤務医 2009/04/26 04:57 私の方は基幹公的病院(500床程度)で1人医長をやった経験があります。
そこで見たのは地方行政・市議会・市長(経営者)とそこから送られた事務長と、それに立ち向かう?従う?院長でした。
基幹病院に取って必要なのは指定看板維持の為の最低数の専門医の確保と、その他は非常勤あさりです。
私で歴代4-5人目の内科某科医長戦没でした。
地域の病院から降るように患者が送られてきて、しかし、増員なんて赤字の上塗りですから行政・院長は認めません。それでも院長は「大学に増員を打診」なんて言っていましたが、私が大学により通じている事(そんなの嘘)を知ってからは黙っていました。今でも非常勤ならウェルカムです。
医局の繁栄を願わない院長はいません。しかし、常勤増員で赤字を推し進める事は議会の承諾も得られませんし、基幹病院の院長って行政が大学に預けた天下りポストですから弱みもあって強く言えません。で、現在大学から医者配給が停止し、面目丸いつぶれで、内部から院長が出る所まであって、退官後の天下りを模索する大学運営陣と関係病院長と、何のためのポスト提供かと配給の細りに不満の自治体(つまり市長)の間で非常にギクシャクです。
それは滋賀県・東京・奈良すべてに通じる事では無いでしょうか。
ある意味堂々と医者を募集できる環境を院長は喜んでいると思いますし、おいしい大学人事からはずれると院長ポストが大学から離れるのではないでしょうか。

京都の小児科医京都の小児科医 2009/04/26 05:06 疑問点を愚直に少しづつあげさせてください。

奈良県知事のご発言の
>「条例で給与や地域手当と計算基礎が決められている。算定基礎は国も同じで、条例で決められたことをいかんと司法が判断できるのか」と疑問を呈した。
算定基準というのは具体的に何でしょうか(勉強不足ですいません)

国も同じということは県立病院以外に国立病院でも同じという意味でしょうか
(あと公立病院 他があります)

京都の小児科医京都の小児科医 2009/04/26 06:48 Yosyan 先生すいません

重要なことではないと思いますし、全員が単純な間違いとわかっていることとは思いますが、法は厳密にとも思いますので

理解するのにやや時間が必要な御説明ですが、非常に単純に言えば
「医師法16条の当直は、そもそも労基法41条3項の当直に該当しない」
→これは医療法16条ですよね。

元外科医元外科医 2009/04/26 09:20 >常勤増員で赤字を推し進める事は議会の承諾も得られませんし
全く逆だと思いますけどねw
小生も自治体病院にも勤務したことはありますが、常勤になれないと言う話は知りませんでした。ああ、山形県だからですかw

勤務医勤務医 2009/04/26 11:15 >>常勤になれないと言う話は知りませんでした
例えば、その病院に医者が適当数居て、かつ募集なんてあるのでしょうか。
そんな恵まれた労働環境の病院があるのなら教えてください。
勤務医の労働環境改善に市財政から赤字をさらに補填する様な所があるのでしょうか。
私の知る限り最低限を維持するので精一杯な病院ばかりです。
その最低に欠員が出て募集をする事は沢山あります。死活問題ですから。

Med_LawMed_Law 2009/04/26 12:35 今年の社会保険労務士資格試験の受付が始まっています。

去年は受ける気が満々だったのですが、グウタラな性分で勉強が進んでいないのと、昼間の仕事が忙しくなったので、今年も見送りになりそうです。

憧れの法務業の末席師匠に近づくには、まだまだ先が長いです。
師匠の叱咤・激励を頂けますと、来年に向けて頑張れると思います。(ほぼ言い訳モード・・・汗)

BugsyBugsy 2009/04/26 14:10 病院側もパンドラの箱が空いたとおっしゃっていますが、
大学病院はどうなんでしょう?
たしかに病棟に配置されていますが、そのほか教育や研究も行っています。やってない奴はトコトンやってはいない。

教育はさておき、研究はそういった日常業務が終わってから始めることが多いのですが、あれは自分が勝手にやってることだからと就業時間にはカウントされてはいけないものでしょうか。

手すきの時間をみはからって就業時間内にやらかしているツワモノもいて、ネズミのお医者さんをしたり細胞の遺伝子をナデナデ チョキチョキしています。或いは当直中にPHSを持って研究室に隠れてやったこともありました。呼び出しには無論応じますがね。帰って来たら電気泳動のバンドが流れ出ちゃったという事も多かった。

だけど医師個人が自前の財布から支払うお金でやる事は事実上不可能で、文部科学省の科研費や厚生労働省から助成金をもらってやることが大半です。あれだけ研究費を取って来いっていっていながら、こういった研究は公務じゃないのかしら。自分の試薬もそこから出てるけど、指導している大学院生の使う研究費は大学からの援助はスズメの涙で 結局オイラの公的助成金で賄っています。大学院生は学費払ってるんだからという顔をしますが、たかがあんなはした金のテメエの研究ができるわけないだろって。
挙句の果てに 博士論文を最初から自分で書けはしませんよって あんたが最後は何とかしてくれるだろって内心思ってやがる。
染色に使う抗体ならまだしも、microarrayは高いよん。またしょっちゅう失敗しやがんだ。初心者だから仕方がないけど。

論文指導や、研究をするのは自宅では不可能な部分も多いわけで、仕事をせずにさぼってるぞと言われてもねえ。まあ土日にやってはいますけどね。
臨床医が研究をするなんて奴は許せん、そういう口吻で興奮(おやじギャグ)する医師は少なくありません。オイラはいつもケンカです。じゃあお前らが大学院の教育やってみろよって言い返しています。本音はあんな奴らにオイラの貴重な研究費を割きたくないよ〜だ。

結局なあなあの部分があればこそお互いさまで仕事を回してこれるわけで、勤務時間の算定とやらを厳密にしたら大学病院は間違いなく息の根を止めれれるでしょうね。

法務業の末席法務業の末席 2009/04/26 14:19 Med_Law 様

まず「憧れの師匠」はカンベンして下さい。そんな上座に据えられたら、アタシャ人間じゃ無くなってしまう。

>今年も見送りになりそうです。

え〜、勿体ない。
8月23日の日曜日1日の時間と、受験料9,000円の費用負担でしょ。
勉強が進んでいなくても、合格する可能性が限りなくゼロに近くても、受けなきゃ損ですよ。
日曜日を1日と9,000円の費用で、研修会に出たと思えばどうですか?
暇を見付けて参考書を読んだり問題集を紐解くのも勉強ですが、実際に受験してみる「経験」も大きな勉強です。落ちたって良いじゃないですか、私も1回落ちましたし、特に午後の択一試験の3時間30分間休憩無しの1本勝負は、体験するだけでも貴重です。受験料は「体験料」と思えば安いものです。

取り敢えず受験料を払って願書を出しておいて、8月のお盆からの1週間の泥縄でも、もしかしたら受かるかもしれない。
でも、願書すら出さなければ受かる可能性は絶対に無い。
ダメモトで出願してみたら?

法務業の末席法務業の末席 2009/04/26 14:39 Bugsy 様

>病院側もパンドラの箱が空いたとおっしゃっていますが、
>大学病院はどうなんでしょう?

公立でも民間でも病院勤務医の労働問題は、同じ厚生労働省の中での医政系官僚と労働系官僚の縄張り争いですから、1人の大臣(今は舛添)が行司役となって仕切ることが可能です。

でも大学病院になると、厚生労働省内部の縄張り争いに加えて、文部科学省という戦前からのスジガネ入りの伝統を誇る官僚組織との三つ巴です。加えて大学というエリアとそこの住人は、昭和40年代の大学紛争で形成した「大学自治」という特別なプライド感情を持っていますから、四つ巴、五つ巴の勢力争いが常態の「魑魅魍魎はびこる魔界」です。

魔界のパンドラの箱を開く気概を持つ勇者(政治的リーダーシップの取れる強力な行司役)が現れない限り、手を出しようがないでしょう。イヤ手を出したら収拾がつかなくなるでしょう。

大学病院は、核爆弾クラスの「眠れる脅威」です。触らぬ神に祟り無し。クワバラ、クワバラ・・・