新小児科医のつぶやき

2010-10-25 例の朝日記事検証

えらく乗り遅れてしまいしたが、比較検証するのは基本的に、

ここからのもので考えてみます。朝日記事自体も少々長めで、MRICによる反論となると猛烈に長いので、これを手際よくまとめるのは至難の業です。ある程度の分量になるのは御容赦下さい。


朝日記事検証

 東京大学医科学研究所(東京都港区)が開発したがんペプチドワクチンの臨床試験をめぐり、医科研付属病院で2008年、被験者に起きた消化管出血が「重篤な有害事象」と院内で報告されたのに、医科研が同種のペプチドを提供する他の病院に知らせていなかったことがわかった。医科研病院は消化管出血の恐れのある患者を被験者から外したが、他施設の被験者は知らされていなかった。

 このペプチドは医薬品としては未承認で、医科研病院での臨床試験は主に安全性を確かめるためのものだった。こうした臨床試験では、被験者の安全や人権保護のため、予想されるリスクの十分な説明が必要だ。他施設の研究者は「患者に知らせるべき情報だ」と指摘している。

ここは記事の冒頭部なのですが、記事の趣旨はがんペプチドワクチンの治験中に消化管出血があった事を東大医科学研が報告しなかった事を問題視しています。あからさまに言えば「隠蔽」の疑いがあると印象付けさせる内容としても過言ではありません。駄目押しのように

    他施設の研究者は「患者に知らせるべき情報だ」と指摘している

これだけでも東大医科研が「何か悪い事をしているんじゃないか」と思わせるのに十分な内容です。記事は続きます。

 医科研ヒトゲノム解析センター長の中村祐輔教授(4月から国立がん研究センター研究所長を兼任)がペプチドを開発し、臨床試験は08年4月に医科研病院の治験審査委員会の承認を受け始まった。

 朝日新聞の情報公開請求に対し開示された医科研病院の審査委の議事要旨などによると、開始から約半年後、膵臓(すいぞう)がんの被験者が消化管から出血、輸血治療を受けた。医科研病院はペプチドと出血との因果関係を否定できないとして、08年12月に同種のペプチドを使う9件の臨床試験で被験者を選ぶ基準を変更、消化管の大量出血の恐れがある患者を除くことにした。被験者の同意を得るための説明文書にも消化管出血が起きたことを追加したが、しばらくして臨床試験をすべて中止した。

がんペプチドワクチン投与により膵臓がん患者から消化管出血の報告があり、それにより消化管出血の可能性の高い患者への投与が中止され、さらに臨床試験そのものが中止されたとなっています。ここも素直に読めばワクチンにより予期せぬ消化管出血が起こり、臨床試験が中止に追い込まれた印象を十分に持たせます。冒頭部の「報告しなかった」とあわせて疑惑は深まる感じです。

 開示資料などによると、同種のペプチドを使う臨床試験が少なくとも11の大学病院で行われ、そのすべてに医科研病院での消化管出血は伝えられていなかった。うち六つの国公立大学病院の試験計画書で、中村教授は研究協力者や共同研究者とされていたが、医科研病院の被験者選択基準変更後に始まった複数の試験でも計画書などに消化管出血に関する記載はなかった。

さらに資料による補足が行われています。ワクチンの治験は11の大学で行なわれていたのに、東大医科研の消化管出血は他の大学に伝えられていなかった上に、治験の計画書に消化管出血に関する記載がなかったとしています。う〜ん、ますます隠蔽疑惑が濃くなっていきます。

 厚生労働省の「臨床研究に関する倫理指針」は「共同で臨床研究をする場合の他施設への重篤な有害事象の報告義務」を定めている。朝日新聞が今年5月下旬から中村教授と臨床試験実施時の山下直秀医科研病院長に取材を申し込んだところ、清木元治医科研所長名の文書(6月30日付と9月14日付)で「当該臨床試験は付属病院のみの単一施設で実施した臨床試験なので、指針で規定する『他の臨床研究機関と共同で臨床研究を実施する場合』には該当せず、他の臨床試験機関への報告義務を負いません」と答えた。

ここは東大医科研の主張を取り上げています。東大側の主張は、臨床試験は東大のみで単独で行なわれたものであり、他の施設との共同研究でなかったと回答しています。つまり厚労省の倫理指針に反しないと反論している事になります。

ここはこの前々段及び前段の記事の指摘がボディーブローの様に効いています。

  • ペプチドワクチンは医科研の中村祐輔教授が開発した
  • ワクチンの治験は11の大学で行なわれていた
  • 六つの国公立大学病院の試験計画書で、中村教授は研究協力者や共同研究者とされていた

つまり実質として共同研究に近く、それを単独治験であるから報告しないと言うのは詭弁であるとのイメージを助長します。その点を次の段落で強調しています。

 しかし、医科研は他施設にペプチドを提供し、中村教授が他施設の臨床試験の研究協力者などを務め、他施設から有害事象の情報を集めていた。国の先端医療開発特区では医科研はペプチドワクチン臨床試験の全体統括を担う。

こりゃ東大医科研が何かを隠しているの感触は決定的になります。最後は記事のまとめ的なところです。

 厚労省は朝日新聞の取材に対し「早急に伝えるべきだ」と調査を始め、9月17日に中村教授らに事情を聴いた。医科研は翌日、消化管出血に言及した日本消化器病学会機関誌(電子版)に掲載前の論文のゲラ刷りを他施設に送った。論文は7月2日に投稿、9月25日付で掲載された。厚労省調査は今も続いている。

 清木所長は論文での情報提供について「朝日新聞の取材を受けた施設から説明を求められているため、情報提供した」と東大広報室を通じて答えた。(編集委員・出河雅彦、論説委員・野呂雅之)

要は朝日記事の指摘に基いて厚労省が調査に着手し、書いてはいませんが「近日中に真相が暴露されるであろう」の感触を読者に十分に持たせるものになっています。素直に読めばそうなります。あえて朝日記事のポイントをまとめておけば、

  1. ペプチドワクチンは東大医科研の中村教授が開発した
  2. ペプチドワクチンの臨床治験は11の大学で行なわれ、そのうち6つは中村教授が研究協力者や共同研究者となっている
  3. 医科研はペプチドワクチン臨床試験の全体統括を担う立場にある
  4. その医科研で消化管出血が起こり、これが他の施設に報告されていない

付け加えればタダの消化管出血ではなく、ペプチドワクチンによって引き起こされた重大な副反応を報告していない、つまり隠蔽しているイメージを濃厚に植えつける内容です。


東大医科研の反論

MRICの反論は長いので、私がまとめたポイントに副ってまとめてみます。


反論1 ペプチドワクチンは東大医科研の中村教授が開発した

これについてですが、

 2010年10月15日の朝日新聞社会面は、「患者出血「なぜ知らせぬ」ワクチン臨床試験協力の病院、困惑」「薬の開発優先批判免れない」となっています。本文中では、中村祐輔教授が、未承認のペプチドの開発者であること、中村教授を代表者とする研究グループが中心となり、上記ペプチドの製造販売承認を得ようとしていること、中村教授が、上記研究成果の事業化を目的としたオンコセラピー・サイエンス社(大学発ベンチャー)の筆頭株主であること、消化管出血の事実が他の施設に伝えられなかったことを摘示し、「被験者の確保が難しくなって製品化が遅れる事態を避けようとしたのではないかという疑念すら抱かせるもので、被験者の安全よりも薬の開発を優先させたとの批判は免れない」との内容が述べられています。

 しかしながらこの記事の内容も誤っています。中村祐輔教授は、がんペプチドワクチンの開発者ではなく、特許も保有しておらず、医科研病院の臨床試験の責任者ではありません。責任を有する立場でない中村祐輔教授を批判するのは、お門違いであり、重大な人権侵害です。

今日紹介した朝日記事ではないのですが、別の記事で中村教授とベンチャー企業の関係も含めての批判記事もあったようです。ところがなんですが、肝心の中村教授は、

    中村祐輔教授は、がんペプチドワクチンの開発者ではなく、特許も保有しておらず、医科研病院の臨床試験の責任者ではありません。

あれれれ、てなところです。他のMRIC記事ですが、

 本記事を朝刊のトップに持ってくるためのキーワードとして、人体実験的な医療(臨床試験)、東京大学、医科学研究所、ペプチドワクチン、消化管出血、重篤な有害事象、情報提供をしない医科研、中村祐輔教授名などはインパクトがあります。特に中村教授については当該ワクチンの開発者であり、それを製品化するオンコセラピー社との間で金銭的な私利私欲でつながっているとの想像を誘導しようとする意図が事実誤認に基づいた記事のいたるところに感じられます。

 中村教授はペプチドワクチン開発の全国的な中心人物の一人であり、一面に記事を出すにも十分なネームバリューであります。しかし、本件のペプチド開発者は実は別人であり、特許にも中村教授は関与していません。

中村教授はペプチドワクチン開発の中心的な人物ではあるようですが、今回使われたペプチドワクチンは別の開発者であるとしています。こんなところでMRICが虚偽の主張をしても始まらないので信用はできるかと考えます。

考えられる事は、朝日の認識として、

    ペプチドワクチンと言えば中村教授

この思い込みから今回のペプチドワクチンも当然の様に中村教授が開発したに違いないと考えたと思われます。医科研発のワクチンですから、確認するまでもなく開発者は中村教授であり、中村教授の関連からベンチャー企業の関連性を連想し、利権癒着の話に花が咲いたと考えられます。しかし残念ながら開発者は中村教授でなかったようです。


反論2 ペプチドワクチンの臨床治験は11の大学で行なわれ、そのうち6つは中村教授が研究協力者や共同研究者となっている

ここに関してはとくに反論はありません。もっともこの部分が重要になるのは、中村教授が今回のワクチンの開発者であってこそですから、開発者でないとなった時点で反論するほどの重要性は低下します。それとペプチドワクチンの開発は中村教授でなくとも医科研によるものですから、11の大学は医科研からワクチンの供給を受ける必要があり、治験段階で供給者の責任者であり、ペプチドワクチンの権威である中村教授が名を連ねてもさほど不思議とは言えないとは思います。


反論3 医科研はペプチドワクチン臨床試験の全体統括を担う立場にある

臨床試験に必要な品質でペプチドを作成することは非常に高価であるために、特区としてペプチド供給元となる責任者の立場です。これらの情報も、取材過程で明らかにしてきたにもかかわらず、敢えて事実誤認するのには、何か事情があるのでしょうか。

朝日記事と微妙にニュアンスが違うのはお判り頂けるでしょうか。ペプチドワクチンに対する医療特区における医科研の立場です。

朝日記事 MRIC
国の先端医療開発特区では医科研はペプチドワクチン臨床試験の全体統括を担う 特区としてペプチド供給元となる責任者の立場

医科研はペプチドワクチンの安定供給の責任を負うとはしていますが、総括責任を負うとは一言も朝日に説明していないようです。もちろん供給元ですから、治験に協力はするでしょうが、べつに前提として総括責任を負う立場を義務づけられているわけではないようです。求められれば治験のためにペプチドワクチンを供給し、さらにアドバイスを求められれば積極的に協力するとぐらいに理解すれば良いでしょうか。

もちろん治験症例を増やすために他の大学に協力を求めても差し支えはなく、協力姿勢の度合いが11の大学のうち6つに中村教授が名を連ねる結果になったとも考えられます。良く知りませんが、研究費との兼ね合いもあるようには思います。


反論4 その医科研で消化管出血が起こり、これが他の施設に報告されていない

ここが少々複雑なんですが、朝日が非情に重視したワクチン投与による消化管出血が医学的にどの程度の位置付けになるかです。朝日記事の印象では、ワクチンによって引き起こされた重大な副反応にしか読めません。専門的に表現するとワクチンによる「有害な重篤事象」です。これに対してMRICは、

 医科学研究所は朝日新聞社からの取材に対して、「今回のような出血は末期のすい臓がんの場合にはその経過の中で自然に起こりうることであること」を繰り返し説明してきました。それと関連して、和歌山医大で以前に類似の出血について報告があったことも取材への対応のなかで述べています。

 これらは、今回の出血がワクチン投与とは関係なく原疾患の経過の中で起こりうる事象であることを読者が理解するためには必須の情報です。しかし、今回の記事ではまったく無視されています。この情報を提供しない限り、出血がワクチン投与による重大な副作用であると読者は誤解しますし、そのように読者に思わせることにより、「それほど重要なことを医科学研究所は他施設に伝えていない」と批判させる根拠を意図的に作っていという印象を与えざるを得ません。

これは医師として「そうである」以外の説明をもたないのですが、膵臓がんの末期で消化管出血が起こることはありふれた事象です。誤解を怖れずに言えば、「熱がでる」とか、「体が痛む」とさして変わらない事象であると言う事です。消化管出血が膵臓がん末期に「ありふれた」症状であると言うのは重要な前提です。

言ったら悪いですが、去年もモメにモメた新型インフルエンザワクチンで消化管出血が起これば飛び切りの「有害な重篤事象」になりえますが、膵臓がん末期患者の症状としてはワクチン接種の有無に関らず日常的に起こりうる症状と言う事になります。

ここも実はストレートに理解が難しい部分があります。膵臓がん末期に消化管出血が日常的な症状である事は大前提なんですが、ワクチン投与と言う前提から見ると、ワクチン投与によって消化管出血が増悪するのか、減少するのかは当然問題になります。ここもあくまでも消化管出血は膵臓がんによるものであって、それがワクチン投与によってどうなるかは検証しないといけない部分とは言えます。

ただ現時点では膵臓がんに純粋によるもなのか、それともワクチンの影響が加味されたものかの判断は困難です。そのあたりについては、

 日常的に原疾患の進行に伴って起こりうるような事象であり、臨床医であれば誰でもそのリスクを認知しているような情報については、その取り扱いの優先順位をよく考慮してしかるべきだと考えます。煩雑で重要度の低い情報が飛び交っていると、本来、監視すべき重要な兆候を見逃す恐れがあります。この点も出河編集委員・野呂論説委員には何度も説明しましたが、具体的な反論もないまま、報告する責務を怠ったかのような論調の記事にされてしまいました。「重篤な有害事象」とは、「薬剤が投与された方に生じたあらゆる好ましくない医療上のできごとであり、当該薬剤との因果関係については問わない」と国際的に定められています。

 また、「重篤な有害事象」には、「治療のため入院または入院期間の延長が必要となるもの」が含まれており、具体的には、風邪をひいて入院期間が延長された場合でも「重篤な有害事象」に該当します。このことも繰り返し説明しましたが、記事には敢えて書かないことにより「重篤な有害事象」という医学用語を一人歩きさせ、一般読者には「重篤な副作用」が発生したかのように思わせる意図があったと判じざるを得ません。実際に、この目論見が当たっていることは多くの人々のネットでの反応を見れば明らかです。

ここもまた説明としては難解に感じる方が多いと存じます。理解の一助になるように話を至極単純化しますが、まず「ワクチン」と言うから話がややこしくなります。今回のペプチドワクチンは一般的な予防ワクチンではなく、治療薬すなわち抗がん剤であると考えてもらえれば良いと思います。新開発された抗がん剤の治験を行ったと言う事です。

抗がん剤の目的はがんを治療する事ですが、治験としては治療効果の判定を行います。判定基準はがんにより様々ですが、今回は末期がんに投与されていますから、延命効果、末期がんに伴う諸症状の緩和効果なんかが調べられるとしても、そんなに間違っていないと思います。消化管出血は膵臓がん末期に当たり前の様に起こる症状である事は上述しましたが、情報として欲しいのはその頻度と程度です。

ペプチドワクチン投与により消化管出血の頻度と程度が減少すれば効果ありですし、変わらなければ無効です。また頻度が増えればむしろ増悪させたになります。さらに言えば、抗がん剤の効果はもっと広く見ます。消化管出血の程度が増悪したとしても、その他の抗がん効果が評価できるもので、延命効果や、ましてや治癒効果があり、増悪した消化管出血もコントロール可能なら「効果あり」と判定する事もあります。

予防のためのワクチンは基本的に健康人に接種しますから、何か起こればすべて有害事象と言う見方ができますが、膵臓がん末期患者の治療に使うワクチンは膵臓がん末期患者の日常の症状を超えるものが出たときに有害事象として報告されるものであると説明していると理解していただければと思います。

消化管出血もまったく無視するものではなく、抗がん剤としてのペプチドワクチンの効果判定には当然のように評価されます。この評価は抗がん剤の効果としての指標であり、一般的な意味でのワクチン投与による有害事象と区別されて扱われると言えばよいでしょうか。膵臓がん末期患者と言う特殊な状態での判定ですから、一般的な予防ワクチンの有害事象と考え方、取扱いが少々異なると言う事です。

有害事象と言う定義をあんまり振り回すと、膵臓がん末期患者では極め付けの有害事象である「死亡」も頻発します。膵臓がん末期患者の治験で死亡が発生するたびに「重篤な有害事象」としてすべてストップしていたら何も進歩しません。患者が向き合っているものの大きさで使われる薬剤は異なり、その副作用の許容度も根本的に違うと言えば良いのでしょうか。

MRICではさらに反論を重ねています。

 事実、今回の記事では「消化管出血例を他施設に伝えていなかった」ということが最も重要な争点として描かれており、厚生労働省「臨床研究に関する倫理指針」では報告義務がないかもしれないが、報告するのが研究者の良心だろうというのが朝日新聞社の主張です(16日3頁社説)。その為には、今回の出血が「通常ではありえない重大な副作用があった」という読者の誤解が不可欠であったと思われます。このことは「他施設の研究者」なる人物による「患者に知らせるべき情報だ」とのコメントによってもサポートされています。進行性すい臓がん患者の消化管出血のリスクは、本来はワクチン投与にかかわらず主治医から説明されるべきことです。取材過程で得た様々な情報から、出河編集委員にとって都合のよいコメントを選んで載せた言わざるを得ません。

朝日記事は有害事象を「他の施設に伝えなかった」に非常に力点を置いた構成になっているのは読めばわかります。今回の有害事象の判断は医療関係者以外には最後の理解が難しい点があるのはわかります。そのため医科研もその点は丁寧に説明されているのはわかります。それでも取材した記者が「これは怪しい」との先入観を持つことまで否定しません。

「怪しい」と思ったからこそ取材を行い、医科研まで直接「編集委員」「論説委員」が出向いたのも理解できます。言ったら悪いですが、そこで何を聞いてきたんだの感想を持たざるを得ません。朝日新聞の取材に答えたと考えられる清木元治東京大学医科学研究所・教授が憤慨しているのがよくわかります。結局最初に思い描いたストーリーに合う様に事象を拾い上げ、見事な切り貼りによって医科研悪人説を展開している事になります。


最後に

もう一度、念を押しておきますが、医療関係者以外の方は最後のところが本当に理解しくいとは思います。ですからこう考えて頂けたら幸いです。医科研は朝日の取材を受けて、出来上がった記事に逐一反論しています。その内容は医師でなければ難しい面があるのは認めますが、医科研の反論を読んだ医師は医科研を支持しています。

もし医科研の主張にエエ加減なところがあれば、私だけではなく多くの医師が再反論を行なっています。東大の医科研だから言いたい事も言えない部分があるんじゃないかと白い巨塔的な発想をされる方もいるかもしれませんが、そんな事はありません。たとえば私が実名で「医科研なんてトンデモ組織だ!」とネット中に書いて回っても、なんの実害もありません。医科研なり、東大関係者以外には利害関係はまったく存在していないからです。

いや医科研関係者や東大関係者であっても、今回の医科研の反論がトンデモであれば厳しい批判の声が上ります。医療は科学であり、科学の実証にはデータの運用に厳しいルールがあります。医療界も過去に権威によりこのルールが捻じ曲げられた歴史はあり、その結果に厳しい反省を行っています。積み重ねられた反省に上に今があり、いかに東大であろうとも容赦はないと言う事です。


朝日は今回の件で直感的に金鉱をつかんだと考えたのは想像するにやぶさかではありません。金鉱が本当にそうであるかどうかを確認するために治験の情報を入手し、当事者である医科研の責任者にも取材を行っています。しかしいつもの通り、最初の思い込みから一歩も動く事がなかった取材例としてもよいと考えます。ここについて、

 今回の報道では、新しい医療開発に取り組む多くのまじめな研究者・医師が傷つき、多くのがん患者が動揺を感じ、大きな不安を抱えたままとなっている現状を忘れるべきではないでしょう。朝日新聞は10月16日に、「医科学研究所は今回の出血を他施設に伝えるべきであった」という社説をもう一度掲げて、「研究者の良心が問われる」という表題を付けています。良心は自らを振り返りつつ問うべき問題であり、自説を主張するためには手段を選ばない記事を書いた記者の良心はどこに行ったのでしょうか。また、朝日新聞という大組織が今回のような常軌を逸した記事を1面に掲載したことが正しいと判断するのであれば別ですが、そうでなければ社内におけるチェックシステムが機能していないということではないでしょうか。権力を持つ者が自ら作ったストーリーに執着するあまり、大きな過ち犯したケースは大阪地検特捜部であったばかりです。高い専門性の職業にかかわるものとして常に意識すべき問題が改めて提起されたと考えます。

私もそう思います。

luckdragon2009luckdragon2009 2010/10/25 09:02 ここにも分析。多分、一番検証がまとまっているように思います。
ご参考まで。

> http://blog.hashimoto-clinic.jp/201010/article_4.html

BugsyBugsy 2010/10/25 09:15 多くの医師が一方的に報道され 泣き寝入りです。所属学会や医師会で報告してもいいのではないでしょうか。医学的な見地にたった発表も結構ですが 我々も社会とかかわりあう以上 こんな事もあったよと話をすべきだし、きちんと反論の場を設けるべきです。医師側にマスコミとのかかわりを話すのを躊躇う雰囲気はありませんかね。

この先生は研究の統括者ですから 共同研究者にも出血があった旨を伝えてないわけがありません。公的な会合でなくても酒食の場で症例の話はいくらでも出します。オイラもよく経験しています。

マスコミが医療に悪意があるとは思えなくなっています。単に何も知らないからだと感じて来ました。こちら側が専門領域に閉じこもってばかりではなく きちんと啓蒙すべきなんでしょう。だから相も変わらず 薄っぺらな知識で報道されてしまうんでしょうね。まあ 耳を傾けるかどうかは別の問題ですが。やれやれまたかと思っています。

10年ドロッポ10年ドロッポ 2010/10/25 09:57 マスゴミの取材に応じちゃう時点で情弱ぷげらかと。
言いたい事はブログで。今時芸能人でもやってる事です。

Med_LawMed_Law 2010/10/25 10:24 ただ臨床仮説にすぎない「ワクチン効果」のために、「有害事象」を「自然経過」と分離して説明する東大側の論理も稚拙なんですよ

因果関係があるかどうかは、もっと母数が増えた時に初めて判明することも多いので、今のような海のものとも山のものとも知れないPhaseI/IIの段階で有害事象を報告しないというのは臨床研究の倫理規定に反する怖れなしとはしません

あとベンチャーの株式保有を中村先生がしてないかどうかとか、どうせ将来は天下りするだろうという利害関係で結ばれていることも検証して欲しいものです。

この利害関係が悪い訳ではありません。自ら開発すればその果実を得ると言うのは正しい研究インセンティブのあり方です。

問題は、そのインセンティブが強力すぎるため、第三者から後ろ指刺されない慎重さと、拙速を尊ぶ姿勢が欲しかったということです

>自説を主張するためには手段を選ばない記事を書いた記者の良心

この記事を論文、記者を研究者に置き換えた時に、ブーメランにならないことを願うばかりです

元ライダー元ライダー 2010/10/25 10:35 これ、分かりにくいですよね。私の描いたストーリーですが、

>同種のペプチドを使う臨床試験

「同じペプチド」ではなく「同種のペプチド」なんですよね。

医科研:他でもやっているのは「同じペプチド」ではないから他の施設へ報告しなくてもよい
朝日:同種なんだから報告すべき

こういうことでしょうかね。
インフル治療薬に置き換えると

医科研:リレンザの治験をやってるのはうちだけだから、他施設へ知らせる必要はない。
朝日:同種の治療薬であるタミフルの治験を行っている他施設へ知らせるべきだ。

こんな感じでしょうか。大マスコミ様ではありませんからストーリーに執着はしませんが。

あぽあぽ 2010/10/25 11:04 なんでマスゴミの取材なんかうけちゃうのか私には理解できません

BugsyBugsy 2010/10/25 11:04 現時点で記事にする意味があるのでしょうか。まだまだ有効性や副作用は検証されていません。

単に記事にしたかったからとしか思えません。現時点で社会に有益性もなければ 夢や希望を与える内容もなく 警告と言っても不十分です。

おバカな記者だなという気持ちしか持ちえませんね。マスコミはあくまで国民への好意から取材するのでしょうが、不用意な警戒心を煽っても何の意味もありません。

BugsyBugsy 2010/10/25 11:27 >なんでマスゴミの取材なんかうけちゃうのか私には理解できません

これも分からないのですが 自分の周囲にも取材を受けなくても勝手に記事にされた奴が何人もいます。

今回の件もきちんと取材したのでしょうか。もうちょっと専門家に聞けばまともな内容になったような気がします。取り立ててスクープというほどでもないでしょうに。

SeisanSeisan 2010/10/25 11:39 マスコミの取材というやつは、一度目をつけられたら、受けたら内容を切り貼り改竄され、受けなかったら何か都合の悪いことを隠しているに「違いない」と言われるようになってるんですよ。

つまり、特高警察と同じようなものです。
容疑を持たれた時点で不幸な結末しか訪れないようになってる。
なにせ、他人の不幸は飯の種、というお仕事ですから

BugsyBugsy 2010/10/25 11:53 新聞記者も外来にやってくることは結構あります。

共通していることは世の中の事は取材を通じて自分たちの方が知っているのだという口ぶりの方が多いですね。自分よりも専門家の方が知っているのが気に食わないのかもしれません。こちらが親切に教えてあげても素直に聞く事はすくなく 必ず自分の珍解釈をまぶす事が多いように思います。だから悪意からじゃないようで 自分が知らないという事を受け入れられないようです。電話の取材でも ほんの数秒聞いた内容を自分なりに膨らませているのでしょう。

こういったマスコミの思い込みは医療についてだけじゃないように思えてしかたがありません。少なくとも医師同士で外交や政治経済を話し合っても 所詮井戸端会議のたわごとだとわかっているから罪はありませんけど。

Med_Law様へMed_Law様へ 2010/10/25 11:59 慎重さと拙速を尊ぶ姿勢とは逆になると思います。
私は、こういうことがあるから慎重のうえにも慎重、というスタンスです。
医科研HPに20日付の反論がのりましたが、時すでに遅し、かもしれません。

BugsyBugsy 2010/10/25 12:11 たびたび失礼します。

我々だって他人の不幸は飯の種になっています。
ただし学生時代教科書秀才であっても 数日病院で働けば教科書や偉い先生が言う事が全て正しいとは限らないことを骨身に沁みて叩きこまれています。だから日々疑ってかかる習慣が身についています。

マスコミも学校秀才が多いはずが ずっとそのままで通るようです。同じ記者同士の言う事を疑わずに信じ込んでいるようです。中国に向けてデモをすれば従来の右翼のデモとしか解釈せず取材もする必要を感じないし、似たような事例を思い出しては同じように片っ端から誤診と決めつけて同じ業界で通用するのでしょう。

国民に好意を持ってると感じるからこそ 何を書いても許されると思っている節があります。世情を悲憤慷慨して大きなことをほざいても 当事者ではないので論理が薄っぺらで信用できないのです。同時にたいして勉強はしていません。オイラはマスコミが嫌いと言うよりも はた迷惑な隣人だと思い、近づくのがためらわれるのです。

うらぶれ内科うらぶれ内科 2010/10/25 12:29 想像ですが、大阪地検特捜部についての大スクープを見た他の記者や論説委員が功をあせって書いたんじゃないでしょうかね。連中も面白いことを書かなければ飯が食えませんから。

bamboobamboo 2010/10/25 13:08 朝日新聞の第一面の下には、癌治療などの怪しげな療法を賛美する本の広告がよく載っています。
ホメオパシー批判の記事でそれらの広告主の怒りを買い、癌治療の研究を批判することで顧客の機嫌をとった、というのはいかが。

Med_LawMed_Law 2010/10/25 13:39 >慎重さと拙速を尊ぶ姿勢とは逆になると思います。

”拙速”の意味を取り違えてました

ご指摘ありがとうございます

蓬莱蓬莱 2010/10/25 13:42 単純に、この決定(がんワクチンには金出さない。企業がやれ)の地ならしを朝日が買って出ただけのような気もします。

http://twitter.com/#!/KamiMasahiro/status/28399181062
@KamiMasahiro 上 昌広
昨日の総合科学技術会議では、がんワクチンはC評価。進行膵癌など、期待の持てる唯一の治療。朝日報道が影響した可能性は大。どうやって、政府・民主党は修正するのだろう。がんワクチンは、基礎研究・臨床研究とも資本投下が必要なのは当たり前だと思うけど。
10月22日


http://www8.cao.go.jp/cstp/budget/yusendo_h23/kekka/02-02li1.pdf
平成23 年度概算要求における科学・技術関係施策の優先度判定(ライフ・イノベーション【一部AP施策】)

5ページ
【原案】
○ペプチドワクチンのみでなく低分子化合物の開発も進むと良
い。ペプチドワクチンの有効性は十分に検証されているのか明
確にしていくべき。
○がんペプチドワクチンの第?相に国費を使うのではなく、企
業との協同で行うべきである。がん幹細胞、早期診断について
はしっかりと実施すべき。
○縮小し、更に第?相の前半を小規模に試みるのが良い。
【最終決定】
原案のとおり


インサイダー取引も疑われているとかです・・・・
Yahoo!掲示板 - 4564(オンコセラピー・サイエンス) [yahoo.co.jp]
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=FN&action=m&board=1004564&tid=4564&sid=1004564&mid=109623&thr=109617&cur=109617&dir=d

10年ドロッポ10年ドロッポ 2010/10/25 13:52 >これも分からないのですが 自分の周囲にも取材を受けなくても勝手に記事にされた奴が何人もいます。

…認識が甘かったようです。
それにしてもさすがマスゴミ、クズ過ぎる…。

>つまり、特高警察と同じようなものです。

謝以下ry
ところで特高警察だの憲兵だのの「悪行」って戦後赤の手先のオフェラ豚どもに誇張されちょらせんですかね?いや根拠はありませんが。

BugsyBugsy 2010/10/25 14:53 昔から100年たっても新聞記者が取材を続ける以上 医師側から見た正確な医療記事は書けません。新聞社もよくこんな記事を書く記者に給料を払いますなあ。

本ブログは医療関係者以外にも有名です。新聞記者も眺めていることでしょう。医療記事を書いても 本ブログみていないんじゃ怠慢ですよ。だからあえて言いましょう。自分たちが医師から軽蔑され、見下されるのはうすうす気づいていることでしょう。まずやり方が馬鹿なんです。

俺たちと仲間になったらどうよ。媚びへつらった記事なんぞ不要です。医師に記事を書かせたらどうだい。俺たちは言葉一つで社会から簡単に抹殺されるから 文章には細心の注意を払っています。論文やカルテを毎日書いてるんだ。文章を書くのはお手の物です。

今回だってぐだぐだ書くな。「かくかくしかじかのガンワクチンを投与した患者が出血した。しかし統計検討をするほどの投与例がまだないので 副作用かどうかは不明。」たったこれだけで済むじゃないかよ。
医学雑誌を見て見やがれ。実際に載った論文の数倍から数百倍もの応募のなかから潜り抜けたんですぞ。俺達くらい自分の心情や意見を文章にして発表したい人種はいないというね。
しかも署名入りが嬉しくてしょうがない人種ときたもんだ。
新聞に載るとなれば山のように押しかけますぞ。よほど読者は面白がり、購読者は倍増だぞ。

百年たっても気づかない新聞社の将来はないですな。心配しなくったって俺たちは医者や患者が嘘をつくことも知り抜いている。だから100%も誰かさんと違って 人の意見を鵜呑みにはしませんぜ。人の言うことを馬鹿の一つ覚えで上っ面だけ理解したつもりになって 結果的に間違った文章にするやつらを お馬鹿さんとしか呼べませんよ。

わかったら返事をよこせ。返事も書けないような記者が書いた新聞をまだ読めとでも言うかねえ。厚かましいにもほどがある。

luckdragon2009luckdragon2009 2010/10/25 15:06 それこそ、この件について、記者クラブ(患者41団体の発表は却下だそうな)で、釈明の記者会見でも開いて、当事者も呼んで、生中継はどうだ。

あ、スポンサーがつかないかな。
うーん、自社で支払って、法務対策費で、落とす、というのは?
> 抗議文への対応(抗議文に、訴訟の構えって、書いてあったよ。もちろん、まだ起訴してないけど...。)

BugsyBugsy 2010/10/25 16:38 ったく 診察抜け出して来て見りゃまだ返事がねー。

頭の悪さもここまでくると芸術品だ 死んだほうがいいな。
見てるに決まってるって ネタを探すのだけは長けた連中ですから、息を潜めてるにちげーねー。いつも聞くほうばかりだから 新しいことを聞かれてまともに答えられないんだな これが。

まあ医者に意見を書かせるのは面白いはずです。百家争鳴というか俺たちの業界くらいまとまりのない業界もありませんな(笑)。一年間毎日僻地医療のことを書かせても言う奴言う奴で内容が全く違って 延々とネタは尽きませんよ。

そもそも 東京だって心の僻地みたいな場所はいくらでもあるし、青竜刀で背中をばっさり切られた患者が後を絶たない病院もあれば 日教組も土下座するくらいの小理屈のかたまり親父が多い街もいくらでもあります。僻地が天国に思えた時もあったなあ。

オイラに論陣をはらせれば 医者の5人10人をだまくらかして僻地に放り込むくらいわけはないって。坊主を説得してお布施を増やして病院に患者が来なくなりゃ 医療費なんかいくらでも安くなるんだから。どうせ人間はいつか死ぬよ マスコミも医者も患者も忘れてやんの。だからマスコミこそキャンペーンを張れば医療訴訟なんて胡散無償しますよ。

俺たち医者どもも何で気づかないんだろ。記者のことは絶対笑えませんよ この1点については。

BugsyBugsy 2010/10/25 17:01 ついでにもう一言言っちゃおう。

ここもそうだし 他所の医療ブログでもそうだけど医者同士で話はするけど、患者側からかかってこいやって言う医者こそが本当の医者だと思いますが、本当に少ないですね。

新聞に意見を開陳して患者側からどっかんどっかん反論が来たほうが 医者もどうすれば良いのかわかってくるし反省もするでしょう。学会や医学雑誌だけだと患者の姿が見えなくなっています。医者同士で泣き言を言ってるようじゃ医療崩壊は直りません。

結局医療の主役はあくまで患者であって その姿が見えねば医療側は打つ手がありませんぜ。見ようとしないから患者側が苛立って声を出すのでしょう。居酒屋で聞く患者の愚痴とは人間として見ていないと言う医師側の態度に尽きました。新聞記者も結局はそういいますね。そして新聞への医師の記事参加は手間が省けていいやって 喜んでいました。
俺たちは別段奴らと喧嘩する理由はどこにもありません。奴らだって何で医者が国民に喧嘩を売ってるんだろって感じてるらしいです。これも直接聞きましたよ。

sasimininjasasimininja 2010/10/25 17:14 医師のコラムは新聞等色々な所で目にしますが、個人的に共感できるようなモノは少ないですね。

マスコミ御用医師というバイアスがかかっているのか。文筆業に色気を出す医師はそもそも変人の類なのか。それとも医師のオピニオンというやつがバラバラ過ぎて共感できないのか。はたまた私の感性の方が特殊で問題があるのか。

Bugsy様に書かせたら、きっと脳外科医気質満載の大俺様独善独演会になるんでしょうなあ。これも共感できそうにない悪寒。

BugsyBugsy 2010/10/25 17:59 >Bugsy様に書かせたら、きっと脳外科医気質満載の大俺様独善独演会になるんでしょうなあ。これも共感できそうにない悪寒。

sasimininjaさま

え へ へ。
わざと独善独演会をやってます。反論がでない議論なんてつまらないし あなた方の御意見も十分理解しています。たとえばへき地医療反対と言うなら さっさと行けって言った方が皆さんの真意が引き出せるからです。こちらの方が余程理解が深まります。
全部医者が悪いってどなったほうが どういった部分が良くて別の分が悪いのかというお話が引き出せるじゃないですか。新聞記事は自分たちが正しい持論を吐いてるって前提で書いてあるので 反論してもろくな議論が出来ません。

そういう意味で新聞記者ってつまらない。本当は医療報道の内容についてお話して誤解はときたいです。オイラの知ってる記者連中は素顔は良い連中ですよ。話せば素直に聞いてくれるんですがね。不思議と医療報道を手掛けた記者がいないのです。奴らをわざと独断と偏見で煽れば いろんな事を考えてくれるはずです。

新聞が公的な存在と言うなら 俺たちだって乗り込んで色んな意見をぶちまけて議論をかわしたいと思ってます。今のままでは一方的ですよ。マスコミを毛嫌いするのではなく やり方がまずいと ただひたすら感じませんか?

risyurisyu 2010/10/25 19:23 Bugsy様、今日もお元気そうで何より。

私はBugsy様の手法嫌いじゃないですよ。
怒鳴り散らせば半端もんは近づきませんし、それがただの見せかけで無く真実をついていれば骨のある人間が徐々に周りにいる様になります。

患者教育にしたってそうですが(べつにそうそう怒鳴りませんけども)、嫌われて結構ってスタンスをとってりゃ言うべき事はしっかり言えます。精神衛生上非常によろしい。へこへこ太鼓持ち医療をやってる人間を見ると心の底から軽蔑します。

スタッフに対しても、話せば分かるというけども、分かってないヤツ、行動が伴わないヤツには叱るのが一番早い。これだってちゃんとした教育だと思いますが、指導的立場にあっても叱る時に叱らないヘタレもいて、これなんぞ自分がスタッフに嫌われたくない、いつも笑っていい先生と思われたい、というエゴ丸出しで楽な手法を選んでるだけでしょう。
人を叱るってのは、おまえはどうなんだよって厳しい目にさらされるし、エネルギーがいるんですよ。最初っから対立して入っていく手法は根性ないと出来ないし、自分がけんか強い自信が無いと精神的にはしんどいですよ。

ところでマスコミに対してもアンチテーゼとしてやろう、ってのは理解できますが、そこまでの価値がある対象でしょうかねぇ。

昔ペーペーだった頃、カンファで非常に有用だろうと思う考えを披露すると「分かってないなら、黙っとけ。」ってのを良くやられました。その時は不愉快に感じるのですが、後でちゃんと勉強するとやっぱり自分の方が間違ってる。ただ単に勉強不足なだけ、周りが見えてないだけなんですよ。親切に教えてくれてたんですよ。
マスコミなんてその当時の私以下でしょう。私は少なくとも後から病識を持つ事は出来ましたが、マスコミは只々自分達がバカであるという病識すら持てないでしょ、もう何年も。
教育しようとしても曲解されるだけじゃないですかね。ま、Bugsy様レベルならそれも織り込み済みでの行動でしょうけど。

しかし可能でしょうかねぇ、私にはサルの調教以下に思えますよ。→マスコミの教育。
サルには先に謝っときますけど。

moto-tclinicmoto-tclinic 2010/10/25 19:43 すみません。盛り上がりかけてるところに水を差すようで悪いんですけど、23日のコメの続きというか、予防薬の小分けについて、趣意書というか、共同購入者募集の下書き作ってみたんで、ひまなかた、ぜひご覧ください(^^;。

http://www.xtosis.com/PEP.pdf

どうでしょうか?需要ありそうでしょうか?
また、何か法的な問題あるいは、なんといっても専門外のことゆえ内容でおかしな記述ありましたらご教示ください。
仕入れから逆算すると、一口(2万円)あたり5千円弱の利益が当方に発生しますが、そこから小分け発送の手間+送料+在庫廃棄リスクを引くこと考えると、妥当かなあと思います。
将来的には、こういう小口のセットがメーカーから発売されれば最良なのですが。

YosyanYosyan 2010/10/25 19:50 moto様

法的な問題となると薬事法になるのですが、私も詳しく無いのでなんとも言えません。

moto-tclinicmoto-tclinic 2010/10/25 20:01 Yosyan様
コメ欄お借りしてすみません。もとは23日のYosyan様のエントリー無ければ、思いつかなかったことですし、ご容赦ください(^^;。それに、結構社会的意義あることだと思うんですよねー。
薬事法関係については、問屋(アルフレッサ)にも、趣旨目的説明して調べてもらうようにしてあります(たぶん大丈夫だろうとのこと)。また、m3の診療掲示板にも、ご意見募集出してみました。よかったら覗いてみてください。
需要ありそうなら、またボールペン作戦とくっつけて、5000円弱の利益から「HIV感染予防薬ご存知ですか?」ボールペン作って配ろうかと。

いいおみついいおみつ 2010/10/25 20:41 Bugsy様
世の中に広く医師の意見を堂々と問うようなガッツのある医師は少ないですがいます。
しかし、如何せん医師の理路整然とした正論など一般には聞きたくないのです。
そんなものは商業的にも新聞、雑誌で成り立ちにくい。
ブログ内で医師同士も愚痴の言い合い(すいません)をしたくてしているわけではなく、
医師の意見を開陳できる場は今もってほとんどありません。情けないですが。
医師は常に無能で、傲慢で、強欲で、患者・国民・患者の敵で、常に女性にもてて、
市民の金を収奪して外車を乗り回している、ぼろい商売等に焦点を当てた
記事、番組ぐらいしか掲載されません。


sasimininja様
共感できるような医師が正論を堂々と言ったものは決してマスコミは
取り上げようとしません。せいぜい毒にも薬にもならない
聖〇加のご老人とか御用学者の意見ですね。
上記のように商業的に成り立たないし、個人的体験からも、
新聞の投書や総合雑誌、単行本でも相当に公にするのは難しいようです。

小松秀樹先生の例はきわめて稀な例です。
私の推測では、小松先生が東大の先生だったからということと、
先生が履修された東大の社会人医療政策講座でマスコミに知り合いができたということでしょうか。

うらぶれ内科様
実は、検事のフロッピー改ざん事件も、
今は朝日が大スクープしたように言っていますが、
検察内部のリークに朝日が食いついたというのが真相のようです。

そもそも村木厚子さんの事件を最初にスクープしたと
フロッピー改ざん事件発覚まで、自画自賛していたのは朝日でした。

検察とマスコミは自分たちのストーリーを仕立て上げ、
それを肉付けする事実のみに焦点をあて
都合の悪い事実は決して取り上げません。
検察とマスコミ、性格と志向が似ており、似たもの同士で、
意図的かどうかはともかく、二人三脚でもある。

法務業の末席法務業の末席 2010/10/25 22:45 >moto-tclinic さま

針刺し事故直後の抗HIV薬の予防的投与は、先般9月9日付けで労災給付の対象(療養給付)とする通達が出ました。
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T100910K0770.pdf
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T100909K0280.pdf

ただし、クリニックの所長という「事業主」であるmoto-tclinicさまご自身は、労災保険の適用除外になりますので、前記の通達の恩恵にはあずかれません。
やっぱり、ご自身の抗HIV薬の予防的投与は自費ですねぇ…

トピズレ失礼しました。

しがないサラリーマンしがないサラリーマン 2010/10/25 23:16 仕事で技術系の記事を書く記者と会話をしたことがありますが、こういった決められたストーリーで書く感じではなかったですね。
言葉の一字一句について読者のとらえ方とこちら側の説明部分をうまくかみ合わせるようにしてくれてました。
できあがりは普段の報告書なんかとは違う感じで。

スクープ系の記者と違うのは、素人であるから専門家の意見を尊重してって立場での対応でした。やっぱり部署によって変わるんですかね。

Bugsyさんの論文掲載方式での新聞記事はいいですね。医師に限定せず。
IFも導入して質の向上が期待できます。

moto-tclinicmoto-tclinic 2010/10/26 00:19 トピズレすみません。自己レスというか補足というか・・。
年間の日本での新規HIV感染者数=1021人(2009年)
http://api-net.jfap.or.jp/status/2009/09nenpo/gaiyou.pdf
感染経路別内訳で、針刺し事故によるものが、もしあったとしたら、「その他」となるでしょう。「その他」は3.3%(3人)。
強姦は年間どのくらいあるかというと、年間1582件(2008年)=人口10万に対して1.2件。
http://d.hatena.ne.jp/NORMAN/20080903/1220450423
もっとも表に出ない実数はもう少し多いでしょうが。加害者がHIV感染者であった数は不明。

ところで、2007年に、一般市民によって心肺停止が目撃された心原性心肺停止=19707件。だいたい強姦の10倍くらいです。
http://lohasmedical.jp/news/2009/09/12171016.php
ちなみに19707件のうち、AEDが使用された例は287件だそうで、AEDが使用されなかった場合の生存率は9.7%に対して、AEDが使用された場合は42.5%。

うーん、AEDに比べると、HIVの暴露後感染予防というのは、針刺しにしろ、強姦にしろ、そもそもの被害者数が圧倒的に少なそうです(^^;。宝くじに当たるようなものではある。
それに投資というか備えっていうのは、限りなく意味が小さいといえばいえるなあ・・。
かといって、抗ウイルス薬手元に無くても安心ってわけでもないしなあ・・。

BugsyBugsy 2010/10/26 00:23 そろそろ明日も早いのでねますが 

マスコミの仕事とは情報を流すので社会に必須の仕事であることは間違いがありません。
我々も積極的に関わり合うべきだし 結果的に患者のためにはなりますよ。

>ところでマスコミに対してもアンチテーゼとしてやろう、ってのは理解できますが、そこまでの価値がある対象でしょうかねぇ。

自分は色々思うものの利用する価値があれば マスコミも利用したほうが良いと思っています。少なくとも避けて通っていれば 一方的にやらかされるだけだと思います。
そろそろ医師同士で医療を語っても 次に進まないなと思っていますので。

サルガッソーサルガッソー 2010/10/26 09:42 分野は違うのですが、岡崎市立図書館で最近冤罪事件がありました。
その取材を行っていた神田記者はtwitterも使って情報交換しており、評価も高いですね。
同じ朝日新聞なのですが、久しぶりにプロの記事を見た思いです。

nomnomnomnom 2010/10/26 23:08 moto-さま
よそではどうなっているのかは知りませんが、兵庫県ではHIV拠点病院に予防内服の薬が配られています。もしHIVの針刺しがあれば地域の病院、診療所から問い合わせがあれば、すぐに出せるようになっています。たぶん愛知でも同じようになっていると思いますので、ご確認を。
(そういった意味では、HIV感染の有無のあらかじめの確認はしておいた方がいいような。)

nomnomnomnom 2010/10/26 23:32 moto-さま 愛知でも拠点病院には、抗HIV薬おいてあるようですよ。
http://www.pref.aichi.jp/cmsfiles/contents/0000032/32979/1-2-4.pdf
16ページ参考
http://www.pref.aichi.jp/0000005503.html
最後の方にある特定感染症対策のところに
(イ)医療体制の充実
  ・針刺し後感染予防薬配備
  ・拠点病院診療連絡会議
  ・中核拠点病院職員の研修派遣

とあります。

moto-tclinicmoto-tclinic 2010/10/26 23:55 >nomnom様
ありがとうございます。昨日来、わたしもネット上などで調べたこと、追加ご報告を。
まず、上の年間新規HIV患者数1021人で、針刺し事故は「その他」3.3%=3人、ではなく、3.3%=34人のうちの何人かです。計算ミスすみません。
一方、
http://www.acc.go.jp/clinic/clinic_frame.htm
にも、感染ルート集計表みつけたんですが、ここでは117人中3人が「医療事故・その他」なんで、やっぱり3%くらい。だから、たぶんですが、年間30人くらい針刺し含めた医療事故で感染してると思います。

強姦については、日本での強姦によるHIV感染例、ネットじゃ出てきませんが、海外じゃ多そうで、
【HIVウイルスばら撒くため強姦をしてきた男性が逮捕】
http://thai.news-agency.jp/articles/article/3548
【「妻も陽性ならセックスしてくれるはず」、睡眠中に妻に針刺しHIV感染
させる】
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2671737/5003963
感染者の心理として、ほかのやつにもうつしてやりたいって気持ちになるひと、どーしても現れるだろうから、いずれは日本でも、こういう悲しいニュース流れるのじゃないかなあ。

医療事故だろうが強姦だろうが、感染した人が自分から声あげないだろうし、よほど何かセンセーショナルな事件が起きるまでは、暴露後感染予防の意識、広まらないのだろうな。

moto-tclinicmoto-tclinic 2010/10/27 00:18 愛知県のエイズ拠点病院っていったら、わたしが昔、16年間勤めてた国立名古屋病院(現名古屋医療センター)で、そりゃあたしかに抗HIV薬常備されてるでしょうが・・うーん、昔のお役所病院のイメージが強いんだけど、相手がHIV感染者でなく、ただの針刺しの場合でも、ほんとに開業医からの電話一本で、出してくれるんだろうか?
やっぱり、手元にあるに越したこと無いんだけど・・。

ところで、薬事法との絡みですが、わたしが一瓶買って、これを小分けするというのは、たとえ相手が医者であろうとも、わたしに薬剤の販売免許が無いので、不可らしい。・・厳密には駄目であって、内緒ならいいみたいな話でしたが、ネットで呼びかけるとか出来ないなら、10人もそろわないし。
で、調剤薬局ならいいらしくて、協力してくれる薬局があれば、そこが一瓶仕入れて小分けするのはありだそうです。一般人への処方も、医師が処方箋(自費診療)発行すれば、問題なさそう。
ただし、この場合、残薬の期限切れコストリスクは調剤薬局が負担することになる。

moto-tclinicmoto-tclinic 2010/10/27 00:26 だから、どっかの調剤薬局さん、やらない?
とりあえず、私と、もう一人メールで連絡くれた婦人科の先生の二人は、1/10瓶づつを2万円で買うけど。
2剤あわせて15万弱の見積もり来てるから、あと6人集めれば、とりあえず最初の一瓶の仕入れ値はクリア。
何より社会的貢献大きいと思うのだけどなあ。
とくにそれをきっかけとして、強姦後の早期PEP(暴露後感染予防)の重要性広めることは。
広報には協力します。

moto-tclinicmoto-tclinic 2010/10/27 00:37 つか、マスコミは、こういう(強姦後の早期PEPの重要性とか、それを迅速に処方してもらえるべく、救急センターへの配備とか)こと書いて訴えろよ。
まちがっても、「A子さんは、強姦被害後、救急センターを受診したが、そこではHIVのPEPの話は無かった。あのとき担当医がPEP薬を勧めてくれていれば、HIVにかからずに済んだかもしれないのに。」なんて論調では書かないでください。「B医師は、強姦被害にあったA子さんにHIVのPEPの必要性を話したが、気が動転していたA子さんは、何のことか理解もままならなかった。『もっとPEPのことが、広く認知されていればよいのに』とB医師はぼやく」と書いてください。お願いします。

YosyanYosyan 2010/10/27 08:13 やっぱり販売免許が引っかかりますか。前に小児の喘息の吸入補助具の販売の時にもうるさかったと記憶しています。そのため調剤薬局に頼んでいます。いずれにしろ慎重にやってください。気持ちは善意であっても揚げ足を取ろうとする勢力は少なくありませんから、くれぐれも御注意下さい。