新小児科医のつぶやき

2011-04-09 厚労省のパンフレット

厚労省の東日本大震災関連情報(水道・食品関係)の中に、

    妊娠中の女性や育児中の母親向けに放射線への心配に答えるパンフレットを作成しました

これが少し話題になっているようですが、パンフレット作成に対する報道発表から紹介しておきます。

 厚生労働省では、今回の福島第一原子力発電所事故を受け、放射線の影響に関して妊娠中の女性や育児中の母親が持つような不安に答えるためのパンフレットを作成しました。

 水、空気、食べものの安全について、現時点でお伝えしたいことをまとめており、誰にでも理解しやすいことを前提に、イラストも交え平易な言葉遣いとシンプルな表現を心がけています。

 本パンフレットは、関東地方を主たるエリアとして、妊婦健診を行う医療機関、母子手帳の交付窓口、お子さんの通う幼稚園、保育所、協力をいただける子ども用品販売店などを通じて、4月中旬から順次配布します。また、厚生労働省のホームページからもダウンロードして閲覧、印刷が可能です。

福島原発問題は、言ったら悪いですが日替わりメニューの様に様々な情報が国から発信され、発信された情報に関する分析情報や関連情報が雲霞の如く湧き出ている現状があると感じています。原発問題で前に情報整理をやろうとして見事に挫折した事があります。あまりにも多様な情報が、様々な思惑も込められて乱舞している状態では手の付けようがなかったからです。

そういう状況で国が「信頼できる」「正しい情報」を提供するのは良い事です。ただし、不安心理が強い状況ですから内容は吟味する必要があります。最低限、パンフレットで不安を増幅させてはならないと言うことです。パンフレットは全部で8ページもあるのですが、文字量は大した事無いので逐次紹介してみます。

まず表紙部分ですが、

妊娠中の方、小さなお子さんをもったお母さんの放射線へのご心配にお答えします。~水と空気と食べものの安心のために~

水に関しては国からの情報の影響で、関西からもミネラル・ウォーターの類が瞬時に枯渇したのを覚えています。続いて「はじめに」です。

 福島第一原子力発電所の事故をきっかけとした、様々なニュースを見聞して、みなさん放射能について、心配されているでしょう。

 なかでも、妊娠中の方や、小さなお子さんをもつお母さんは、とても不安な思いをお持ちでしょう。

 国は、国民のみなさんの健康を考えた安全な基準をもうけて対応しています。

 このパンフレットでは、みなさんが気にかけている「水」や「空気」や「食べもの」の安全について、現時点でみなさんにお伝えしたいことをわかりやすくまとめたものです。

 日々の暮らしの安心のため、どうかお役立てください。

ここは原発事故による「放射能」が「水」「空気」「食べもの」に与える影響、とくに妊婦や子どもに対する厚労省の見解を述べると宣言してると解釈しても悪くなさそうです。次から本文になるのですが、基本的にはQ&A方式になっています。ですからそれに沿って編集し直してみます。


Q A
第1章:「胎児」や「赤ちゃん」への影響について
現在、妊娠していて、毎日がとても不安です。 避難指示や屋内待選指示が出ているエリア外で放射線がおなかの中の赤ちゃんに影響をおよぼすことは、まず、考えられません。また、国や自治体から指示がない限りは、妊娠中だからという理由で特別な対処が必要、ということはありません。生まれてくる赤ちゃんのためにも、ご自身のためにも、過度なご心配はなさらず、いつもどおりの健康管理につとめてください。
赤ちゃんの、食べものや飲みものが心配です。 水道水や、お店にならぶ食べものは「影響を受けやすい乳児がロにしても安全であること」考えた基準によって管理されています。赤ちゃんはもちろん、小さなお子さんに対しても特別なご心配はいりません。母乳への影響も同様です。母乳育児には、赤ちゃんの栄養面などで多くの利点がありますので、母乳を飲ませていた方は、今までどおり、飲ませてあげてください。
第2章:「水道水」について
水道水は、本当に安全なの? 日本の水道水は、影響を受けやすい乳児でも安心して飲めるよう、安全を考えて管理されています。国や自治体から指示がない限り、水道水は、妊娠中の方や授乳中の方、小さなお子さんにとって安全です。飲み水としてはもちろん、お風呂や洗濯、食器洗いなどにも安心してお使いください。
第3章:「空気」について
子どもを、外で遊ばせても大丈夫なの? 避難指示や屋内待避指示が出ている地域以外でこれまでに認められた放射線量は、わずかな値です。お子さんを外で遊ばせることについて、心配しすぎる必要はありません。お子さんにとっては、外で遊べないことは、ストレスにもつながります。
雨については、心配ないですか? 雨についても、心配しすぎる必要はありません。自然界にもともと存在する放射線量より高い数値が雨水の中から検出されるとともありますが、傘をさす、雨ガッパを羽織るなどいつもどおりに対応してください。
第4章:「食べもの」について
野菜や牛乳などの食べものは、安全なの? 食べものに含まれる放射性物質については安全のための規制が行われています。この規制に基いた検査が行われ、結果が公表されています。規制値を上回った食べものは、お店にならぶことのないよう、国や自治体が対応しています。お店にならんでいる商品は、いつも通り買っていただいて大丈夫です。万が一、規制値を上回った食べものをロにしてしまったからといって、健康への影響が出ることはありません。

なるほどなんですが、これに補足説明が続きます。

  • 放射性物質とは

      「放射性物質」とは、放射線を出す物質です。もともと身のまわりのどこにでもあり、少ない量ならば、放射線を受けても体への影響はありません。もちろん、たくさんの量の放射線を受けてしまうと、病気になる可能性も出てきます。

  • 「ベクレル」、「シーベルト」とは

      「ベクレル(Bq)」は、食べものに付いていたり、水などに入っている放射性物質が『放射線」を出す能力を表す単位です。「シーベルト(SV)」は、『放射線』を受けたときの人体への影響を表す単位です。

ここは報道で頻繁に使われるベクレル、シーベルトの用語説明です。最後は「おわりに」に当たる部分と考えますが、

原子力発電所の状況については、政府から、今後もきめ細かく情報をお伝えしていきます。状況によっては、健康に関する必要な情報も、改めてお伝えいたします。

ここは「健康に関する必要な情報」も「状況によって」「改めて」ではなく「きめ細かく」伝えて頂きたいところです。なぜなら最後の補足部分に、

このパンフレットは、平成23年4月1日時点の情報や考え方をもとに作成しています。状況に変化があった場合は、適切にお知らせいたしますので、報道などの情報にもご注意ください。

国やお住まいの自治体から指示があった場合には、その指示にしたがってください。

事態はまだまだ流動的な部分がある事を認められていますから、「健康に関する必要な情報」も「きめ細かく」とした方が、表現として適切なような気がします。



このパンフレットののポイントをあえて挙げると、

  1. 国が指示している避難地域や屋内退避指示が出ているところ以外は心配御無用
  2. 水も、食品も。空気も国が規制値を作り管理しているから心配御無用

これは安全と安心の話になるような気がします。パンフの目的は原発問題(放射能問題)に対する不安心理への対策です。ごく簡単に言えば、「そんなに心配しなくて良いよ♪」とPRしているものです。そしてパンフの論法は非常に単純には「安全だから安心である」の組み立てになっています。

この安全と安心ですが、似た言葉ですがちょっとニュアンスが違う言葉になります。安全は理屈(理)による説明として良いでしょう。理の理解はそれぞれであっても、理屈の上では安全と頭で理解する作業と考えています。安心は感情(情)による受容としても良いと考えています。これは感覚的でも構いませんが、「とにかく大丈夫」と納得する作業の様に考えます。

一概には言えませんが、私ならまず理で納得し、納得した上で情で受容する行程を取ります。ではその逆があるかと言えば、無いとは言えませんが案外少ない様に思います。情から入るという人も、まず理での納得作業が先に行われると思っています。情からの人は理での納得の比重が少ないだけで、順番としてはまず理の様な気がします。

情が主体の人であっても、わからないなりにもっともらしい理に納得し、それから情の受容に移行するのが殆んどで、理を完全に素っ飛ばして情のみで受容してから理を考える、もしくは理を無視する人はそんなに多くないと考えています。これは私の勝手な思い込みかもしれませんが、それでもまず理から入る人が多いのだけは間違いないと思っています。

厚労省パンフの理は、「国が基準を定め、管理している」です。一般的に悪い理とは必ずしも言えませんが、今回の問題に対しては十分かと言われると、少々物足りない様に感じます。放射能問題は先入観として非常に怖ろしいと感じている人が少なくなく、さらにベクレルやシーベルトの話に代表される様に、怖がってる割には知識が乏しい分野です。

国の基準値が本当に正しいかどうかの議論はあえて避けますが、知見が乏しい分野の話を信用するには、基準設定者の信頼が大きく左右すると考えています。信頼と言う意味では基準設定者が国と言うのは申し分が無いと言えば、そう言えますが、現在の状況では国であってさえ十分とは言い難いところがありそうに感じています。

国自体の信頼の話もあえて置いておきますが、とりあえず現時点では基準値(規制値)の実感が乏しいというのがあります。放射能問題への恐怖感は強いですから、基準値があったとしても、基準値内であれば安全かどうかの実感とか、基準値を超えるとどういう影響がでるのかの実感が乏しいとしても良いかと覆います。

放射能の場合、すこしでも被曝したらとか、被曝が積み重なったらどうなるかの恐怖感情が拭いがたくあります。また厚労省パンフの対象は、妊婦や子どもの安心ですが、妊婦や子どもは成人に較べて「弱そうだ」の直感的感情も大きくあると考えています。そういうモロモロの不安感情を安全と言う理で納得させるには、少々説明不足のような気がしてなりません。難しいのはわかりますが、もうちょっとその辺に対して安全を納得させる説明を加えるべきだと感じます。


パンフの構成は安全の理を当然の前提として、安心の情にひたすら訴えかける組み立てになっていると思います。ただ個人的には安全の理に不安が残るために、残りの情に訴える部分が虚しく聞こえる様に思えてなりません。安全の理に不安を覚えたものは、本当に安全かの追加情報を求めにかかると思われます。ところが厚労省パンフの安全の理を否定する情報はテンコモリ転がっています。

前にも書きましたが、不安心理の強い状態では、往々にしてその時の不安心理にマッチした情報に同調しやすい傾向が現れます。ごく簡単には厚労省パンフの安全の理は、やはり怪しそうだに傾きやすいと言う事です。傾きだすと、「国が決めてるから安全」以上の説明が無いことに不安心理を増幅させる事になりかねません。


もっともなんですが、放射能問題の難しさは、これだけ怖いことが喧伝されているにも関らず、一方で「よくわからない」と言うのが現実の部分としてあります。とくに長期被曝の将来的な影響については、おそらく確定的な事を断言できる人間は少ないとも考えています。ちょっとだけ調べた事もあるのですが、線形モデル(これもよく理解していませんが・・・)の解釈一つで、推測値は大きく変わってしまうほどの代物であると言う事です。

つまり国の基準値といえども、放射能被害モデルの推測計算の前提が少し違えば、必ずしも安全とは言い切れないは容易に成立し、そこから「ましてや妊婦や小児は・・・」の主張が、容易には否定しきれない根拠で出てくる状態にあります。容易に否定しきれないは、ある理論・根拠で否定しても、本当はどうなるかの確証を誰も手にしていないところがあるからです。

そういう面から見ると、厚労省パンフで安全の理について極力説明を端折ったのは、下手に説明を詳しくすれば、説明に対する反論が渦巻く危険性を配慮したものだと理解できない事はありません。ただ端折りすぎたがために、当然のように「これでは安全が納得できない」の異論は当然の様に噴き出します。安全が納得できないのに、どうして安心できるのかの主張です。


半分は水掛け論的な部分があります。よくわからないものであっても、現在の状況では基準を作らざるを得ませんし、よくわからないが故に基準値の設定、また基準値からの実際の運用に異論は出続けます。こういう時に安心部門の担当者にはなりたくないですねぇ。不安心理が落ち着くためには、とにもかくにも原発問題が終息させ、人の噂も75日を待つぐらいが本音では有効とは考えてはいます。

原発からの放射能流出が止まり鎮静状態になれば、自然にベクトルが国の基準を重視する方向に向うとは思っています。逆に断続的に放射能流出が続く間は、「本当に大丈夫か?」の不安心理のために、どんなに工夫をしても袋叩きにされそうに思ってしまいます。

京都の小児科医京都の小児科医 2011/04/09 10:30 まず、情報管理として
表紙に4月1日作成と明記し、下記の言葉を書く必要があると思います。 

>原子力発電所の状況については、政府から、今後もきめ細かく情報をお伝えしていきます。状況によっては、健康に関する必要な情報も、改めてお伝えいたします。
このパンフレットは、平成23年4月1日時点の情報や考え方をもとに作成しています。状況に変化があった場合は、適切にお知らせいたしますので、報道などの情報にもご注意ください。
>国やお住まいの自治体から指示があった場合には、その指示にしたがってください。

最後に書く意図は何でしょうか

最後の最後により詳しい情報は厚生労働省HPをご覧下さいとなっていて
http://www.mhlw.go.jp/
となっています。厚生労働省のHPのどこをみるかさっぱりわかりません。
パンフレット独自のHP:URLを提示するべきです。 

関連学会 日本産婦人科学会・日本小児科学会とはリンクされてにように思えるのですが
この意味・意図は何でしょうか

YosyanYosyan 2011/04/09 12:21 京都の小児科医様

よく見られましたね。厚労省パンフは安全の根拠を端折っているので、それを確かめようと思う人は少なからずおられるはずです。「きっとパンフには専門的過ぎて書いてないのだろう」と考えるからです。そうなると厚労省のHPを見に行くのですが、これが増え続ける情報を満載しているために、どこに何があるのかすぐにはわからない状態になっています。

時々思うのですが、お役所はマスコミを通じての情報発信に親しみすぎて、自分のところで情報発信をするのに慣れていないんじゃないかと思っています。つまり情報発信とは、それを必要とする人間が探すものであり、より多くの人に周知させ様の気は必ずしも高く無い気がしています。つまり探せない奴が悪いです。

それでも今回に関しては、単純に手が回らないだけとは思っていますが・・・

10年ドロッポ10年ドロッポ 2011/04/09 12:55 >つまり情報発信とは、それを必要とする人間が探すものであり、より多くの人に周知させ様の気は必ずしも高く無い気がしています。つまり探せない奴が悪いです。

官報に載せただけで、「周知は充分(きりっ」ですからねえw

uchitamauchitama 2011/04/09 13:11 稀な疾患や医学的文献の少ない分野でのエビデンスがないのが現状だと思います。そういう意味では、妊婦さん(妊娠初期などは特に)、発達段階の子供の免疫能や学習能力に関して、症例数や評価方法がなく、統計的有意差が現れないと思います。(ある意味医学の限界)(ヨウ素はたまたま甲状腺に集積するので、癌との関係が調べやすいだけで、セシウムなどの体内動態はほとんど未知の領域です。ただ放射線がDNA damageを起こすことは明らか)だから日常診療では、妊婦さんへの放射線被爆やあるいは薬の投薬などに関しても、極力控えるのが現状です。(小生は20年以上の間で、妊婦さんの胸部レントゲンを撮ったのは一度くらい、妊娠後期の心不全だったか?と記憶しています。)おそらく、多くの臨床医が妊婦さんの被爆を極力控えるように苦慮しながら診療しているのが現状だと思います。

政府や厚労省の発表を見て思うのは、例え、流産したり、先天奇形の子供が生まれても因果関係が証明できない(エビデンスがない)から訴えられても負けないよ、というだけで、国民や患者さんを慮っての言葉ではないのです。
その裏に見え隠れするのは、東電や政府の補償に対する支出を抑えたい、業界団体からの圧力に左右されての言動と思えます。
実際、うちに通院している○○省の奥さん(妊婦)など田舎へ避難しています。パート先の大学病院の女医さんも出産後田舎へ帰ったままです。本音は違うのです。

luckdragon2009luckdragon2009 2011/04/09 13:29 この分野、結局断定できない、としか、医学事実は書けないのでは...。

低放射線の内部被曝については、昨日例示した岩田先生の記事でも出てきますが、二説あって、比例値なのかどうかも「分からない」という事のようのに思います。
広島長崎だと、60年ですが、チェルノブイリでも、経緯観察中で、母集団群としても、多くありません。

国民は、「安全」ではなく「安心」を求めていますし、マスコミは不安に無頓着な部分ありますし、非常に難解で、回答が難しいように思います。

で、厚労省は、直接の情報発信に不慣れ...。
対策、難しいですね...。

none_2271none_2271 2011/04/09 14:57 短期被ばくのデーターはありますが、長期被ばくのデーターはないようですね
http://www.jaog.or.jp/japanese/jigyo/SENTEN/kouhou/hibaku.htm
放射線被爆と先天異常

ただ、ただマウスで実験をしたデーターがあり、少しずつ浴びた場合だと癌や奇形になる確率は増えないようです
http://www.google.co.jp/url?sa=t&source=web&cd=1&ved=0CCUQFjAA&url=http%3A%2F%2Fcriepi.denken.or.jp%2Fjp%2Fkenkikaku%2Freport%2Fleaflet%2FG03005.pdf&ei=pvGfTfaBEYPevQPX08yTBQ&usg=AFQjCNGNEoVDdAJR6RLUM0pfmlAA5Iia0w
http://www.iips.co.jp/rah/kangae/lowdose/taiji_s.htm
そもそも、放射性物質に被爆しなくても一定確率でなるようなので、微量であれば心配してもしゃあないと思うのですが…
医者すらも逃げ出すということは医学部では放射線に関する講義はやってないのでしょうか?

uchitamauchitama 2011/04/09 18:21 >医者すらも逃げ出すということは医学部では放射線に関する講義はやってないのでしょうか?

放射線被爆には関係ないのですが、10〜20年くらい経つと医学の知識や治療法が正反対になることはよくよく経験することです。かつて禁忌であったものが第一選択の治療になったりその反対も。不整脈や心不全、高血圧の治療などの良く研究されている分野でさえそうなのです。それに比べ、放射線、妊婦などに関して言えば、まだまだ研究途上といえます。
妊婦さんへの薬の投薬なども極力控えているのが現状です。例えば妊婦さんにタミフルを投与して良いのかなど、答えられないでしょう。(もちろん大規模臨床試験などありません。添付文書には有益性が危険性を上回るときなどと曖昧にされています。)

テレビで話しているような放射線の専門の先生も、大人への被爆に関してであって、妊婦さんなどに関しては何も答えられないはずです。

ところで韓国では雨の日は小学校などが休校になっているようです。
果たして、どちらを信じたら良いでしょうか?
国民の健康を優先する韓国政府と、業界団体や東電や国の支出の抑制を優先する日本政府という構図が対比されていて可笑しいです。

moto-tclinicmoto-tclinic 2011/04/09 18:47 放射線がなぜ良くないとされているかというと、DNAを損傷するからです。
通常DNAが損傷すると、修復酵素による修復が働きますが、これが追いつかないくらいに損傷受けると、癌や奇形の原因となりうる。
しかし、修復機能の範囲以内であれば、ある程度の放射線は、修復酵素に正のフィードバック来たすとかして、発癌しにくくなるとかってデータ無いのかな?「日本人は放射線に免疫がある」じゃないけど(^^;。
いや、調べたわけではなく、てきとーな思いつきで恐縮ではありますが。
世界で自然放射線量の高い地域のひとは長寿で健康だって、一昨日のなんとか博士も言ってたし。

none_2271none_2271 2011/04/09 18:48 >国民の健康を優先する韓国政府と、業界団体や東電や国の支出の抑制を優先する日本政府という構図が対比されていて可笑しいです。
リンク先の論文では100ミリシーベルト未満の被ばくだと胸腺腫瘍になる確率は増えないと書いてあったので東京あたりに住んでいる人ならがんになりやすくなることはないと思います
参考までに放射線量の値を張っておきます

http://atmc.jp/
全国の放射能濃度一覧
福島県(双葉郡) 2.300μSv/h
茨城県(水戸市) 0.154μSv/h
千葉県(市原市) 0.059μSv/h
東京都(新宿区) 0.085μSv/h

>テレビで話しているような放射線の専門の先生も、大人への被爆に関してであって、妊婦さんなどに関しては何も答えられないはずです
妊娠したマウスが2Sv/27=0.07sv/hの放射線を1時間ごとに27回浴びた場合の奇形発生率は10%。浴びていないマウスでは9%程度だそうです

ソース
http://www.iips.co.jp/rah/kangae/lowdose/taiji_s.htm
少しの放射線なら胎児に危険はない(元の論文はKato et al. Int J Radiat Biol. 77, 13-19, 2001)

moto-tclinicmoto-tclinic 2011/04/09 18:50 いや、本気で、そーゆーメカニズム、生物にあったとしてもおかしくないと思うんだけどね(^^;

none_2271none_2271 2011/04/09 18:55 >しかし、修復機能の範囲以内であれば、ある程度の放射線は、修復酵素に正のフィードバック来たすとかして、発癌しにくくなるとかってデータ無いのかな?「日本人は放射線に免疫がある」じゃないけど(^^;。
微量の放射線なら免疫力が上がるなどの効果があるらしいです

http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-02-01-03
放射線ホルミシス

moto-tclinicmoto-tclinic 2011/04/09 19:03 免疫力は、なんとなく解らないでもないですけどね。体内で放射線が異物的なものつくるわけだから。
・・放射線治療のときって、癌に放射線作用させて、がん細胞を微妙に異物的にして、腫瘍免疫が増強する、なんてデータはないのかな?

moto-tclinicmoto-tclinic 2011/04/09 19:07 20年後くらいに、「福島原発事故のよる低放射線暴露が日本人に与えた健康影響」って論文が出て、「その後、福島を中心として、発癌率が低下し、花粉症は治り、はからずも放射線ホルミシス効果が疫学的に検証される結果となった」ってなると、めでたくていいんだけど(^^;。

moto-tclinicmoto-tclinic 2011/04/09 19:09 まあ、日本人は当分、みんなでラジウム温泉につかりましょう、ってことだ。

uchitamauchitama 2011/04/09 20:12 none 2271様

マウスの実験はあくまでマウスであり、人間様とは全く違うものだと思ってください。
あくまで医学研究の基礎でしかない。基礎研究の論文の場合、調べれる項目は少ないが、人間の場合は多彩。まれな臓器奇形や精神発達異常などはマウスでは調べようがない。大人にしても放射線被爆によるがん以外の病気の発生がないのではなく、調べようがないだけなのです。transgenic mouseの基礎実験(n=10 - 100)くらいと何万人の人間を相手にする検討とは全く状況が違います。

それから敢えて反論を覚悟で書くと、インパクトファクター 2-3点の医学雑誌などそれほど読む価値はありません。逆に言えば、著名雑誌のreviewerにrejectされ尽くした末に掲載されたマイナー雑誌です。(加藤先生ごめんなさい。小生も昔眉に唾をつけながら書いた覚えがあります。)

絶えず高濃度の放射線に曝されている地域の人とそれ以外の地域の人では放射線によるDNA damageの修復酵素の活性に違いがあるような気がします。年齢、人種差などもあるでしょう。
放射線の多い地域と少ない地域の人1000人くらいずつ血液サンプルを取って(ジーンチップで)比較すれば、インパクトファクター 10点くらいの雑誌に載るかもしれません。

none_2271none_2271 2011/04/09 20:34 >uchitama様
マウスだけでなく、人間が食らった時のデータもなぜかありました
おそらく原爆がらみでしょうが、リンク先によると精神遅滞が発生する閾値は0.2gyだそうです
また、同じサイトで0.9~28mGyの地域と2mGyの地域で胎児死亡率・先天異常の発生率を調べた時のデーターがあるようですが、対象地域と差がないことから考えるとおそらく間違いないものと思われます
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-02-03-07
ATOMICA 胎児期被ばくによる影響 (09-02-03-07)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-02-07-02
ブラジルの高自然放射線地域における住民の健康調査
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-02-07-01
中国の高自然放射線地域における住民の健康調査

uchitamauchitama 2011/04/09 21:53 none 2271様

最初のデータに関しては、良くまとまっていますが、結論ははっきりせず、また、引用文献もしっかりしたものはないようです。結局これが、現在の精一杯の医学知識ということか?
ブラジル、インド、中国のデータに関しては申し訳ないですが、日本と比べ、医療レベル、胎児死亡率などに大きな違いがあり、日本に当てはめるのはちょっと困難と思いますが。

総じて、N Eng J MedやJAMA、Lancetなど欧米の権威ある雑誌からの引用は全くありません。信じるに足るデータなのか、かなり危ぶまれます。
公正中立な査読を経ていないデータしかないのが現状なのでしょう。

この「高度情報科学技術研究機構」って東京電力や原子力保安院の天下り先?だったりして

none_2271none_2271 2011/04/09 22:07 >uchitama
>この「高度情報科学技術研究機構」って東京電力や原子力保安院の天下り先?だったりして
くぐってみましたw
http://www.weblio.jp/content/%E9%AB%98%E5%BA%A6%E6%83%85%E5%A0%B1%E7%A7%91%E5%AD%A6%E6%8A%80%E8%A1%93%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%A9%9F%E6%A7%8B
法人の名称 高度情報科学技術研究機構
法人区分 特例財団法人
主務官庁 文部科学省
代表者の氏名 関 昌弘

サイトを見ればわかりますが、原発・海洋技術などの研究を手広く行っており、元原子力開発機構の人間が代表を務めているようです

>ブラジル、インド、中国のデータに関しては申し訳ないですが、日本と比べ、医療レベル、胎児死亡率などに大きな違いがあり、日本に当てはめるのはちょっと困難と思いますが。
元の論文を当たればわかりますが、日本ではなく、同じ国の中で比較したようです

luckdragon2009luckdragon2009 2011/04/09 22:37 いや、だから内部被曝の人間の疫学データで、いわゆる信頼できる論文自体が、まだ存在していないのですよ。

ていうか、福島の今件が日本では、多分、医学論文としては、疫学データになるという状況でしょう。
医療は個人に関しては、診断に関しても、事例研究に過ぎず、統計処理しないとエビデンスの形成に寄与しない、という、まさに、その例である訳で。
> 低レベル内部被曝の議論

高レベルと言う意味では、広島長崎がありますが、記録的に不備ですし、福島の件も、診療時に、しっかり記載しないと、今後の疫学データに寄与しないという事になります。

私、何気に重要な問題にコメントしている気がしてきた...。

luckdragon2009luckdragon2009 2011/04/09 23:04 まとまった数の内部被曝の母集団は、今まで、チェルノブイリしかないはず。
スリーマイル島での案件では、内部被曝等の事例は、公式記録ではなかったはず。

日本人という人種で言えば、原子炉の作業者等での事故記録、例えば、傷に放射性物質が入った、という事例がなければ、JCO 事故も外部被曝(反応を止めに行った作業員)だけのはずだし。

私も詳しくは無いので、「はず」ばっかりですが。
医学論文を検索しているわけではないので...。

参考リンク
> これまでに起きた主な核汚染
> http://www.chugoku-np.co.jp/abom/00abom/ningen/toku_2.html

none_2271none_2271 2011/04/10 00:53 >luckdragon2009
年間被ばく量の計算をする際は内部被ばく量も考慮していたように思います

 一般の人々が日常の生活の中で受けている内部被ばくは、大部分が自然放射線源によるものであり、そのうち、土の中に含まれる放射性物質に起因するものの寄与がそのほとんどを占めている。
高線量地域での疫学について述べられている論文でも、うろ覚えですが、そう書かれていたように思います

http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-01-05-02

luckdragon2009luckdragon2009 2011/04/10 07:39 いえ、自然放射能についてはそうなんですが、そもそも、自然放射能の高線量も、こういう原発事故との比較となると低いと思います。ウラニウム鉱床とかの近くなら、まだ違うように思いますが。

ちょっと補足情報ですが、核実験時と、核利用施設での内部被曝事例、あと劣化ウラン弾とかの話での疫学情報はあるようですが、なんか機密事項多そうです。こういうところが、一般の医療事例の公開論文とかと違うところなのかも。

軍事ですと、推論バイアスも、それなりに政治的にかかっていそうですし。(よく言われる例が、暗号技術の情報。)

...段々、日曜日になにやってんだろ。って気分になってきたので、続きは月曜日にするかもです。

uchitamauchitama 2011/04/10 11:59 官房長官の枝野さんの家族はすでにシンガポールに避難済みという噂がネットにあります。
こちらの方が、厚労省のパンフレットより衝撃的で現在の危機的状況を表しているように思えます。
この前のカナリア政策と似ていますが、
政治家、東電、官僚が休日に家族連れで福島、栃木、茨城へ旅行し、海産物や農作物を食べている光景があれば、国民も安心するのでは。。。でもきっとあり得なさそう。

小生も女房だけでも非難させる計画をそろそろたてようかと思っています。

luckdragon2009luckdragon2009 2011/04/10 14:21 ひとまず、流言のデマで、本当に事実だと判明して、非難されているのは、某うのサンの賭けですね。
>「神田うのが阪神大震災のとき死者の数を賭けていた」というデマ 本人は全否定するが実は本当だった?
>http://news.livedoor.com/article/detail/5474910/

いやー、これにはびっくりしましたが。

ま、休日ですので、ひとまずこんなところで。

元もと保健所長元もと保健所長 2011/04/10 15:50 このパンフこそ、根拠のない安心感を国民に与える流言飛語ですね。

匿名希・望匿名希・望 2011/04/10 20:15 しかし、100%絶対の安全なんて、そもそも放射性物質に限らず有り得ないなんて事を、骨身に沁みて知っていながら、それを日常として暮らしているのが医師という人種ではなかったかと理解していたんですけど。

行き過ぎたインフォームドコンセントに警鐘を鳴らしていた人は「生データ全て公開しろ」と言う資格が無い事は釘を刺して置いても許されるかなw

none_2271none_2271 2011/04/10 21:01 http://www.taishitsu.or.jp/genshiryoku/gen-1/1-ko-shizen-3.html
世界の高放射線地域
ラムサール(イラン) 1μSv/h-5μSv/h(平均値は3μSv/h)
http://atmc.jp/
福島県(双葉郡)2.2μSv/h
別の資料では1μSv/h-5μSv/hの放射線量を浴びている地域のデーターがありました
その地域の死亡率と対象地域での死亡率は10万人当たり0.4人違う程度らしいです
ただ、その婦たちの地域ではがんの発生の仕方が違うらしく、もしかすると、福島県でも発生パターンが変わってくるかもしれません

temple93temple93 2011/04/10 21:25 関係ないコメントすみません、

奈良県知事選、現職が、県医師会長塩見氏を圧倒的な差で破って再選ですね。
大体予想はしてましたが。
個人的にはこれでいいと思ってます、

奈良県はこのまま病院の労働基準法違反状態を追認する姿勢でがんばってもらって。
最高裁で負けてもらう必要がありますから。

下手に医師が知事になって和解などされてはたまりません。
露悪的な話ですが、奈良の医療崩壊追認は、長期的には全国的な利益があると考えています。

ひどい崩壊の不利益を県民が自覚して、そこでやっと医療が政治争点の訴状に上るわけです。
県民が自覚する前にトップダウンで改善など不健全ですからね。

moto-tclinicmoto-tclinic 2011/04/10 22:56 【バナナ等価線量】
食品は自然放射能を帯びており、特にカリウム40を多く含むバナナはそれが顕著である。バナナ等価線量とは、一本のバナナを食べたときに受ける線量を意味する。
バナナの平均的な放射線量は1kgあたり130.24ベクレルであり、150gのバナナでは19.24ベクレルである。1日1本バナナを1年間食べ続けた場合の等価線量は36マイクロシーベルトである。
バナナの放射能は、放射性物質の密輸を検知するためにアメリカの空港に設置されている放射線センサーをよく誤反応させる程度に強力である
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%8A%E7%AD%89%E4%BE%A1%E7%B7%9A%E9%87%8F

moto-tclinicmoto-tclinic 2011/04/10 23:59 ベクレルとかシーベルト使わずに、「○バナナ」って単位に換算して発表すればいいんだよな。
もっとも、そうすると、バナナ輸入会社とかから苦情がくるか(^^;。

moto-tclinicmoto-tclinic 2011/04/11 00:22 結局、中国・インド・ブラジルなどの高自然放射線地域の疫学調査でも、シロかクロか判らないってことは、低レベルの放射線長期暴露、現代科学の対象となりえないってことだ。
こういうのは、社会的には不安をあおる材料として打ってつけなんで、これをこれから誰がどう料理するかですね。
ホメオパシーなんかも、放射能のレメディとかって言って、ヨードやセシウムの超希釈液出してるみたいだし。
電磁波で白血病や脳腫瘍になる話に似てます。医者や科学者は、肯定するだけの根拠はもちろん無いけど、否定するだけの根拠もメリット(←ここ大切)もない。
要は、こういう憶測・流言のたぐい自体が、低レベルの放射線暴露と同じで、有害とも無害とも言い切れないから、放っとくしかないのさ。
そこに乗じて、詐欺まがいの違法な金儲けたくらむ輩は、こまめに退治してかないといかんけど。

luckdragon2009luckdragon2009 2011/04/11 06:50 確かに、掲示資料見ましたら、高線量の放射能、特に健康被害の報告ないですね。
現在の福島の現状見るに、これでは影響出るとも思えませんね。
まあ、数十年の疫学報告待つ必要ありますが。

とすると、チェルノブイリの甲状腺癌以外も、有意な上昇ないかもしれませんね。現在、経過観察してますが。

none_2271none_2271 2011/04/11 22:03 ・自己免疫疾患のマウスの寿命向上
・糖尿病の発症の抑制
・糖尿病モデルマウスの寿命の延長
・総線量が10Gyを超えてもリンパ腫の発生は認められず

電中研ニュース401「解明すすむ微量放射線の影響」2004.9
低線量率放射線研究センター 上級研究員 酒井一夫
http://criepi.denken.or.jp/research/news/pdf/den401.pdf

こんな結果を見つけました
微量線量の放射性物質を常に携帯させておくことで糖尿病や自己免疫性疾患がコントロールしやすくなるような気もするんですが、どこかでそういうことをやっている研究者はいないんですかね