姫路日赤の訴訟と関係ない後日談のさらに続き

前回のお話は姫路赤十字病院小児悪性リンパ腫死亡事件と関係ない後日談で、姫路日赤の訴訟と関係する部分は、主人公になっているのが当時の原告側弁護士の佐藤功之氏であるだけです。前回の話も煩雑で整理が悪かったのですが、少しでも努力して話をまとめなおしてみます。


DV夫技法

佐藤弁護士は離婚訴訟についても専門であるようで、その佐藤弁護士が離婚訴訟で常用されるのが「DV夫技法」だそうです。至極簡単には夫をDV夫に仕立て上げて、離婚協議とか離婚調停とか離婚訴訟を有利に進める技法だそうです。ただ前回も出てきた疑問は、夫側がなぜにこれに従ってしまうかです。

本当にDV夫ならともかく、濡れ衣を着せられて金まで払うなんて「アホウの極み」にしか部外者には見えません。ただこれには技法と呼ばれるだけのカラクリがあるようです。なんと言っても縁の無いお話ですから、知識のモトダネは弁護士と闘うからのものと御理解下さい。

離婚問題で焦点になるのは子どもの親権になる事が多いとされます。すんなり離婚出来ないので協議や調停や訴訟になるのですが、「DV夫技法」とは別にDV夫は別の意味で社会問題化しています。夫婦間のDVなんて当事者しかわかりませんから、妻側から「夫はDVである」とされた時点で、あれこれ動く事が出来るそうです。本来は本当のDV夫のためのものでありますが、いわゆるDVシェルターに子供を隠してしまう手法がポピュラーだとされています。

これもよく知らないのですが、6ヶ月以上、夫から隔離してしまえば、養育実績が乏しくなって親権争奪戦は著しく不利になるそうです。親権は涙を飲んでも、子供との面会権だけは確保したい夫側は泣く泣くですがDV夫である事を認めざるを得なくなるなんて展開になるとされています。へぇ〜、とぐらいにしか言い様がないのですが、これは前回のときにtemple93様から頂いたコメントです。

DV夫を作り出すのは結構簡単です。
でっちあげ、とまでは言えませんが、それに近い手法です。

というのも、離婚裁判に至るほど悪化している夫婦関係であること、というのを考慮してみましょう。
からして理不尽なことを言われたり何なりの理由があって、つい手が出てしまった。
という状況はかなりの頻度で起こりえます。

また、長い夫婦生活の中で、一度も暴力を振るっていない、ということは、ほとんどない。
(本気でぶん殴るとかでなく、軽くひっぱたいて「たしなめる」程度のものや、互いが暴力を振るっている「ケンカ」も含む)

だから、夫には、「過去に一度でも、妻に暴力を振るったことがありますか?」
とだけ聞けばいいのです。
そこで肯定の意だけ取れば、後は「質問以外のことに答えないでください」と静止します。
これで「DV夫」いっちょ上がりです。

ひぇ〜、てな感じですが、実はそれでも「ホンマかいな」の感じは残ります。そこでNEWS RAGTAG様の佐藤功行弁護士が代理人の「DVでっち上げ離婚訴訟」控訴審の口頭弁論 〔東京高裁〕を参考にして見ます。これは佐藤弁護士がDV夫技法を使った「らしい」離婚訴訟です。

調停から訴訟になったぐらいですから、おそらく夫側が頑としてDV夫である事を認めなかった結果だと推測しますが、判決は、

妻側は、7件の具体的な夫の暴力行為を離婚理由として提訴していた。が、それらのすべてについて、塩田直也裁判官は

    「信用することはできない」
などとして認めず、
    「被告と原告との婚姻関係は,原告の被告に対する暴力や遺棄により破綻しているものと認められる」
と判示。妻側の請求とは逆に、夫に対する「妻の暴力」と、根拠もなく子供に会わせないようにするなどの「悪意の遺棄」を認定しているのだ。

読みようによっては相当派手な判決で、代理人である佐藤弁護士の「夫はDVである」の主張を悉く退け、おそらく夫が「DVだから」と子供を夫から隠したのは「悪意の遺棄」とまで認定しています。さらに実際にDVであったのは夫ではなく妻であるとまで認定しています。

離婚訴訟なんて本当に縁が無いので良く存じませんが、ここまでコテンパンに妻側の代理人弁護士の主張が根こそぎ粉砕されるのは珍しい様な気がします。なんと言っても妻側の佐藤弁護士は離婚訴訟のプロですから、離婚訴訟のプロの主張が何ひとつ認められなかった事になります。もっともまだ一審ですから、二審で違う展開があるかもしれませんが、このまま判決がもし確定すれば、佐藤弁護士が「DV夫技法」を実際に使用していた傍証ぐらいになりそうな気がします。


前回の事件

前回の経過も複雑なんですが、佐藤弁護士がある離婚訴訟を請け負います。弁護士と闘う様はここでも「DV夫技法」が駆使されたとしていますが、この点はとりあえず保留とさせて頂きます。離婚が成立したのですが、離婚後に元夫婦がよりを戻して同居すると言う事態が起こります。離婚と結婚を繰り返す夫婦もありえますし、男女の愛情なんて理屈を越えるものですから、放っておけば良さそうなものとは思います。

しかし佐藤弁護士は、元夫婦の同居を重大視したようです。この元夫婦の関係も少々複雑で、再び同居した時に夫は「保佐人」になっています。保佐人とは成年後見制度の後見者の一種とぐらいに理解しても良いと思います。もう少し突っ込んで考えると、保佐人がいるぐらいですから、妻は重い病気を患って日常生活に大きな支障を来たしているぐらいに考えても良いと思います。

佐藤弁護士の行動が不可解なんですが、とにかく同居した元夫婦の元妻の母親に連絡を取ろうとします。ところが生憎なことに元妻の母親は転居されており連絡が取れないことが判明します。転居先の住所なんて通常の手段ではわからないのですが、弁護士であれば日弁連の照会制度を利用すれば可能だそうです。ただし日弁連の照会制度は弁護士法23条の2に

弁護士は、受任している事件について

となっています。そりゃそうで、弁護士だからといって、自由に追跡できたら困ります。これは警察だって公式の捜査に基く必要があるのと同じです。弁護士法23条の2には

申出があつた場合において、当該弁護士会は、その申出が適当でないと認めるときは、これを拒絶することができる

ここについては蛇の道は蛇なのかすんなり通り抜けて、元妻の母親の転居先から「母親の戸籍謄本や家族の戸籍の附票」計3通を取得しています。どうも今さらの感じで突然佐藤弁護士から連絡が舞い込んだ元妻の母親が不審と言うよりむしろ不安を感じ、弁護士と闘う様に相談を持ち込んだようです。

弁護士と闘う様が佐藤弁護士と相談したところ、佐藤弁護士は元依頼人である元妻の依頼で、保佐人である元夫の解任請求のために日弁連の照会制度を利用する手続きを行ったとの返事と、その上申書のコピーを送ってきたそうです。なんかもつれ合った糸がグルグル絡まるような話ですが、話がもっとややこしいのは元夫婦は佐藤弁護士に対し懲戒請求も出していると言うのです。


私もこの話を理解するのにかなり骨が折れました。未だに本当のところは十分に理解していないのですが、弁護士と闘う様の主張するDV夫技法を軸に考えると話の筋道が立てやすくなります。強引にまとめると、

  1. 佐藤弁護士はDV夫技法を駆使して離婚協議を成立させた
  2. ところが元夫婦にヨリが戻り、DV夫技法のカラクリが判り弁護士会懲戒請求を出した
  3. 懲戒請求をもみ消すために、元夫を今度はDVならぬトンドモ保佐人にしようと考えた
  4. 保佐人の解任のために親族である元妻の母親(または他の親族)を抱き込もうとした
  5. 抱き込み工作に失敗しただけでなく、弁護士と闘う様と言う仲介人が出てきた
  6. 元妻の母親の事後承諾で、日弁連の照会制度の利用を正当化するのに失敗したところに利用の適法性の証明を迫られた
  7. やむなく元妻を依頼人した上申書を作った
この理解が本当に正しいかどうかですが、前回時点ではソースが弁護士と闘う様のブログしかなく、弁護士の実名を出して「ここまで言っている」点で信憑性があるんじゃないかとした次第です。あきませんなぁ、どう頑張っても話を手際よくまとめられませんでした。


信憑性の裏づけ

前回は話だけでしたが、その後に弁護士と闘う様は懲戒請求を佐藤弁護士に行ったそうです。懲戒請求弁護士会に呼び出されて、懲戒請求申し立ての趣旨を弁護士会の綱紀委員に説明するそうです。でもって実際に7/6に兵庫県弁護士会に出向かれています。本当に呼び出された証拠として、

それとこれは出向かれる前の佐藤功行弁護士【兵庫】懲戒請求の綱紀調査は7月6日からで、私も初めて知ったのですが、

佐藤弁護士は違法ではありませんが子供に渡す養育費から
10%の弁護士報酬を取ることも分りました
聞けば弁護士は養育費から報酬を取るのは当たり前だそうです
しかし子供に渡す養育費からも報酬を取るというのは
みなさんいかがでしょうか
兵庫県弁護士会人権擁護副委員長だそうですが
子供の養育費から報酬取ることないと思いますが
弁護士界の常識ならしょうがないですが
依頼者に説明してますか?佐藤先生

これも「へぇ〜」ですが、離婚問題では弁護士が養育費の10%を毎月受け取れるそうです。毎回は小さいでしょうが、チリも積もれば山となりますし、多数を手がけたら、かなりの金額になりそうです。弁護士報酬の世界も奥が深いもんだと感心しました。さらに、

佐藤功行弁護士には現在4件の懲戒請求が出されています
私の知っている限りではあと2件の懲戒請求が出されると聞いています

この計6件の懲戒請求が弁護士において平均的なレベルなのか、それとも多いのかですが、2002年4月16日付弁護士の綱紀・懲戒制度の概要と日弁連の改革の基本方針についてに、

  1. 懲戒請求件数(年間900〜1000件)


      1人の請求人が100人以上を懲戒請求する例も


  2. 懲戒処分件数(年間50〜60件)


日本の弁護士数はwikipediaによると2011年1月1日時点で30447名となっており、平均すると1人当たり年間0.03件ぐらいです。計6件は素直に多い方として良いでしょう。日弁連のデータは2002年のものですが、wikipediaでは、

さらに、

単位弁護士会懲戒請求の申立を受けて弁護士を懲戒する割合は、申立件数の2.3パーセント(平均)であり、懲戒委員会そのものが申立人から提訴された例も複数ある。

それでもって弁護士と闘う様と兵庫県弁護士会の綱紀委員との申し立て状況ですが、

二人の綱紀委員はよく私の話を聞いて頂きました
ありがとうございました
しかし、それは証拠がしっかりしているからです
綱紀委員も弁護士ですから証拠を提示すれば何も言えないものです
みなさんも懲戒請求は証拠です。しっかりとした証拠を持っていけば
懲戒処分を出さざるを得ないのです

もちろん懲戒請求が出たから佐藤弁護士に問題があるとはまだ言えません。だって懲戒請求対して実際に懲戒が行われるのはたったの2.3%です。40件に1件足らずぐらいしか懲戒は行われないのです。ほいじゃ、懲戒請求の審議は具体的にどんな手続きになっているかですが、これも弁護士と闘う様の二弁の弁護士に懲戒請求すると14人の弁護士がついてくる にありますが、

弁護士の懲戒申立は各弁護士会で審査方法が違います
大阪、京都などは最初の申立書1発勝負であとは綱紀調査が1回あって
1年くらいで結果がでます
東京三会や愛知は裁判方式です
弁護士も出された申立書に回答書を出します
その回答書にまた準備書面を出していきます

関西と東京は流儀が違うようで、関西では今回の件のように懲戒を請求した者が綱紀委員に対して申し立て理由を説明し、それに対する質疑が1回行われるだけのようです。ところが東京流儀は、民事裁判の様に書面による釈明や求釈明がくり返されるようです。「二弁」とは第二東京弁護士会の事ですが、ここに懲戒請求が行なわれれば東京流儀の裁判方式が行われる事になります。そこでは、

さて東京にお住まいの仮名『中野しんばし』さんという方が二弁の弁護士に
懲戒申立をしました
するとその弁護士に14人の弁護士が代理人として就きました
信じられますか?
相手は元依頼者で法律には素人。弁護士や司法書士などではありません
素人が懲戒申立書をやっと書いて出したら
その弁護士の代理人に14人出てきました

うわぁ、本当に裁判方式で、懲戒請求を受けた弁護士は「弁護士を代理人」にするのもOKのようです。たぶん懲戒請求を行なった者も「代理人として弁護士」を立てても良いのでしょうが、弁護士を雇えば安くない金額が必要ですし、たとえ勝ったところで損害賠償請求ではありませんから、すべて懲戒請求者の持ち出しです。それ以前に同じ弁護士仲間と戦ってくれる弁護士を探すほうがもっと大変そうです。

東京流儀の懲戒請求のハードルは非常に高そうです。そうそう綱紀委員会、懲戒委員会の審議期間も、2002年4月16日付弁護士の綱紀・懲戒制度の概要と日弁連の改革の基本方針についてにありました。

懲戒委員会の議決まで行ったもの(平成12年)

    綱紀=平均282日
    懲戒=平均303日
    合計=平均586日
綱紀委員会の議決(平成12年)=平均249日

ここの読み方は、綱紀委員会の議決の平均期間は249日だが、綱紀委員会から懲戒委員会に挙げられたものは平均282日かかるです。さらに懲戒委員会は平均303日かかり、綱紀委員会から懲戒委員会まで回り、そこでの議決を得るまで平均で586日必要という事です。1年半はラクにかかるみたいです。そうなると佐藤弁護士に対しての懲戒請求も綱紀委員会の結論が出るまで、これから9ヶ月ぐらいは必要で、もし懲戒委員会に回っても実際に処分が下るのは1年半以上先になるようです。

そこまでブログが続いていれば「続きの続き」をまた書かせて頂きます。