新小児科医のつぶやき

2011-11-21 風邪ひいてまんねん

最初のは3週間ぐらい前で、微熱が3日ほど続いて、後はひたすらの湿性咳嗽でした。湿性咳嗽がしつこくて、2週間ぐらいしてようやくマシになってきた頃に、先週の半ばぐらいから第2弾です。この第2弾が第1弾より酷くて、微熱(だるさは第1弾より上)、再び湿性咳嗽増悪、鼻汁鼻閉、咽頭痛です。

ならべて書くだけでありがちな風邪症状のなのですが、感染源はごく素直に患者からとして良いかと思います。湿性咳嗽の程度からして、確実に気管支炎以上の状態になっていると推測しています。実に猛烈な勢いで痰が上ってきます。問題は原因が何かです。どっちかがマイコと考えるのは妥当な線ですが、どっちがマイコだろうです。

外来の頻度からすると、第1弾の時の方がマイコ様患者は多かったと感じています。だから第1弾の時はたぶんマイコと考えていたのですが、ほんじゃ第2弾はなんだになります。第2弾と言うか、現在も私と類似の症状を訴える患者は少なくありません。また子供だけでなく親も罹患しているため、成人にも感染しやすい事は類推されます。

マイコ2回はありえないので、RSとも考えましたが、RSがこの歳でどうかと考えるとチト疑問です。これは類似症状の患者にRS検査をやってもハズレと言うのもあります。そうなると開業医レベルなら「その他」と言う事になります。

もう少し言えば、湿性咳嗽の感じは単に痰がからんで苦しいというより、喘息を思わせるような喘鳴感らしきものが確実にあります。そういう点はRSの細気管支炎症状を惹起させますが、そういう症状を呈するのは何もRSに限定されていると言えないので、ここもそういう症状が出るぐらいの材料に留まります。ただ同一疾患と考えられる職員の子供の咳嗽に対してサルタノールの吸入が有効だったので、喘息様の咳嗽症状はあると判断しても良さそうです。


検査はRSをやったろうかと思いましたが、どう考えても無駄と思われ、またRSとわかろうが、わかろまいが治療が変わるわけではありませんから、結局行っていません。採血検査も頭をよぎりましたが、これも院内検査ではCBCとCRPがわかるだけですから、それで何が変わるわけでもないので施行していません。胸部X-pは野次馬的に興味があったのですが、うちには大四つまでのカセッテしかないのであきらめました。

治療は第1弾の時は比較的軽症だったので、引き出しに転がっていた、何年前のものか由緒不明のムコソルバンを2回服用したのと、どうにも外来が続けられなかったのでロキソニンを1回内服しています。ま、この程度で乗り切れたと言えます。

第2弾はさすがに厳しく、ムコソルバンを既に10回程度内服しています。微熱による倦怠感も手強く、都合3回のロキソニン内服を余儀なくされています。鼻汁鼻閉もあんまり酷いので、去年に試供品でもらったシングレアを3回ばかり内服しています。咽頭痛に対してはこれも残っていたダーゼンを3回ばかり服用しています。


経過としては先週の金曜日あたりが一つのピークで、さすがに金曜の夕診頃には完全にへたばっていました。以後はユックリながら回復基調となっていますが、週末を過ぎてもスッキリしまへん。どうにもダルさが取りきれない感じですし、湿性咳嗽と鼻汁は実に盛大です。ただ咽頭痛はかなり軽快しているのは良い徴候と言うところでしょうか。

手持ちのクスリがほぼ底を突いたので、今日あたりに去痰剤をどこかから入手する算段を考えないといけないようです。


例年として良いのですが、繁忙期になるとどうしても風邪をもらいます。これは疲労でひきやすくなるのと同時に、診察中にインターバルを取れる時間が少なくなり、風邪予防のためのうがいが十分に出来なくなるためかと考えています。一種の職業病みたいなものですが、皮肉と言うか、必然の結果として外来が一段落する頃には治ります。逆にはなりませんねぇ。

つう事で明日はお休みします。先週末にエントリーを続けたのは相当無理があったのですが、明日ぐらいはお休みにさせて頂いて本業に専念する事にします。

luckdragon2009luckdragon2009 2011/11/21 08:30 最近は気管支炎にはなりませんが、昔になった時は、寝ると咳が出て大変でした。
何故か、起きているとでませんけど。呼吸苦しかった...。

ともあれ、お大事にしてください。
マイコプラズマも流行っているみたいですねえ...。

うらぶれ内科うらぶれ内科 2011/11/21 08:59 こういう患者さんを見ると、内科医としては結核が頭をよぎるのですが。
お大事に。

ミヤテツミヤテツ 2011/11/21 08:59 自家診療の絡みで、処方・請求できないので、薬がないのだろうかと考えていましたが、院外処方で院内に薬がないのですね。自家診療ならどうせ期限切れ廃棄が出てくるだろうから、これくらいは経費と割り切れるのでしょうが、院外処方だと苦しいですね。
最近は、講演会でも宣伝している薬のサンプルを配ることは、あまりなくなっているので薬を手に入れるのは大変ですね。
勤務医だと処方を、同僚にお願いすればOKですから。
何はともあれ、お大事にしてください。

oldDroldDr 2011/11/21 09:26 お大事にしてください。
マイコプラズマが流行しています。咳と発熱で結構元気そうでもレントゲンを撮影するとしっかりした陰影があったりします。
治療は、マクロライド系抗菌薬を使っていたのですが、耐性が増えているようで、以前のような切れの良さ(セフェムで全く解熱しなかった人がマクロライドに変えた途端に解熱)は感じられません。そのため、キノロン系を使用しています。キノロン系は、結核にも効いてしまうため、喀痰検査を一応行なうことにしています。
小児ではどうしているのでしょうか。

京都の小児科医京都の小児科医 2011/11/21 09:28 Yosyan様

体第1です。 無理をなさらないでください。

AnybodyAnybody 2011/11/21 09:32 ダーゼンは効能を否定されたんじゃなかったですか。ムコソルバンよりビソルボンがお勧めです。

nuttycellistnuttycellist 2011/11/21 09:54 第二弾は、副鼻腔炎がらみではないでしょうか。副鼻腔炎から軽い喘息症状にいたることはよくある・・・といったことは、先刻ご承知のことだろうと思います。エフェドリンの10倍希釈液を点鼻して鼻腔・副鼻腔を開いたうえ、生食(できれば、ベストロン他の抗生物質)の吸入を頻回に行うことがお勧めです。繁忙期にその体調、他人ごとではありません。どうぞおだいじに。

ふぃっしゅふぃっしゅ 2011/11/21 09:54 Yosyan先生、どうぞお大事になさってください。
小児科の待合室にいるだけで、感染をもらうような気になりますよね。
全国の小児科の先生方の感染予防対策の秘訣、なにかないでしょうか。

わたしは出勤日には体調を崩すことはなくて、なぜか貴重な休みの日に限って風邪をひきます。それはそれで悲しいです。

SeisanSeisan 2011/11/21 10:54 Yosyan先生、ちゃんと直してくださいね。

初回の症状発生時期にきっちり直していなかったため、混合感染を起こした、ということも考えられます。
大四でも、分割して撮影するとか、やりようはあるかと思いますので。

また、ここにきて、ニューキノロンの効きが悪い例(結局ミノマイを飲ませて改善する)というのも出てきています。少なくとも先生のご症状は混合感染などを考えてもいい例ではないかと考えますので、きっちり直しておかないと、あとが大変になるパターンではないかと推察いたします。

YosyanYosyan 2011/11/21 13:20 いや、外形的には軽症の風邪ですから、なるべく薬剤を使わずに治そうと思ったのが裏目に出ているのかもしれません。今日の熱は微妙なところで、自覚症状として出そうで出てないみたいな感じです。抜けたという感じがもう一つしません。

それより湿性咳嗽が苦しくて、こればっかりはどうしようもありません。出るだけ出ないと収まりませんから、痰が上ってきた時に質問で粘る患者が出たら、殊更恨めしく思っています。できるだけ患者の目の前では咳はしたくないですからね。

それでも今週は水曜が休みですから、今日明日をなんとか乗り切ればラクになる「はず」と思っています。

BugsyBugsy 2011/11/21 14:41 ああ ブログを読むと価値観のみならず風邪もうつっちゃうんですねえ。

やっぱしネットは恐るべしと マスコミが警戒するわけです。
湿性咳嗽と痰のつまりで夜も眠れませぬ。

子どもが気遣ってくれて部屋まで薬を持ってきてくれるのが お父さんの唯一の幸せです。

tskktskk 2011/11/21 15:47 oldDR様 Yosyan先生
ニューキノロンの抗結核作用と言うのは巷で言われているほど強くありません。大体エサンブトール単剤投与と同等くらいです。であれば、ミノマイシンの抗結核作用も気にすべきでしょう。欧州のいくつかの国ではfirst lineにいれているはずです。いろいろいわれますけど、痰培と死菌の確認も含めて鏡検を複数回出すこと、それと最低胸写はおこなっておくべき。じゃないと最悪のシナリオのひとつとしては「結核に気づかないまま開業医、診療を継続」といきなりご本名が全国区になってしまう可能性があります。

京都の小児科医京都の小児科医 2011/11/21 19:27 Yosyan様が今回,実際マスクをして診療されるかどうかがちょっと気になりました。
マスクは患者さんから病気をもらうことをふぜぐ以外に患者さんに病気をうつさないという意味合いも少しあります。
ただ、マスクをすると話が少し通じない場合もありますが・・・

moto-tclinicmoto-tclinic 2011/11/21 19:50 わたしも第一病日というか、今日、上まぶたの除皺術を受けて(眉下切開)やや上まぶたが腫れております。・・こちらのブログのご縁で知り合った僻地産科医先生のお友達の形成の先生が見学にいらっしゃって、そこそこ腕がが良さそうだと思ったんで、急遽昼休みに自分のたるみ始めたまぶた切ってもらいました。
明日はきっとポンポンに腫れるだろうなあ。
局麻打つとき痛いのいやなんで笑気吸ってましたが、いや、最高、きもち良かった(^^;。
しかしやっぱり結構疲れ来ますね。緊張するんだろうなあ。

moto-tclinicmoto-tclinic 2011/11/21 19:54 わたしの場合は、風邪と違って、お客さんに宣伝&アピールになります。
午後のお客さん10人くらいに「さっき、お昼休みに、上まぶた切ってもらったんですよ、ほら、ここ縫ってあるでしょ?」って撒き餌しました。一人くらいは自分もしたくなったことでしょう。・・当分、これで撒き餌できるな。

BugsyBugsy 2011/11/21 21:24 いや オイラはmoto-tclinic先生のホームページは存じ上げてます。
顔写真を拝見してイケメンだなと内心ため息をついていたんですが、


いじってらしたんですかい(棒)。

moto-tclinicmoto-tclinic 2011/11/21 21:47 味見しないで料理出すシェフはいないでしょ?同じことですよ。
意外と、レーシックやる眼科医は、レーシックが怖いから眼鏡が多いんだってね。>眼科医から聞いた話。(私はレーシック済だけど。)
ボトックスは定期的に鏡見て自分で注射してるし、たるみ引き上げの糸も10本くらい入ってるよ。
ただし、ナルシストとかじゃなくて、ほんとに料理の味見の気持ち。患者になってみると、自分のやってる手術の問題点もよくわかるし。
私の写真見て、どういう感想抱こうが、勝手にしてくださいだけど、リアルな私は、たぶんBugsy様よりもモテなかったですよ。
S59卒世代だけど、看護婦とエッチしたことは一度もない、ほんとに。
まあ、誘ったこともなかったけど・・。

kasugayoitokokasugayoitoko 2011/11/22 07:36 yosyan先生
いつも拝読させて頂いて勉強させて頂いている一般人です。

>風邪予防のためのうがいが十分に出来なくなるため

以前「たかじんのそこまで言って委員会」で、元・小樽市保健所長の外岡立人先生が
・日本以外で「うがい」を予防として行っている国は無い。
・日本の厚労省は「うがい」なんて書いているが、そんなことを書いている国はない。
・「うがい」とか「マスク」は、ある意味、迷信だ。
(参照)http://diary-or-notes.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-af36.html
と仰っていました。

一般人の感覚としては、マスクをすれば喉の痛みが楽なように思えますし、
嗽をすることで「予防できているのかドウか」は不明にしても、
熱っぽい時の口の中のネバネバ感は薄らいで楽になる気がします。
現実私も家族も 風邪が流行れば嗽をしますし、罹ればマスクをしています。
一体 どのように考えればよいのかご教授賜れれば有り難いです。

YosyanYosyan 2011/11/22 08:50 kasugayoitoko様

外岡立人氏の主張は主流とは言えません。医学でも異論や少数意見は多々ありますが、そういうものの一つぐらいに受け取られる事をお勧めします。これでは説明になっていないので、内科開業医のお勉強日記様から引用します。
http://intmed.exblog.jp/6505577/

−−−−−−−−−−

Physical interventions to interrupt or reduce the spread of respiratory viruses: systematic review
BMJ, doi:10.1136/bmj.39393.510347.BE (published 27 November 2007)

2300タイトルをスキャンし138のフルペーパーを取り扱い、51研究の49ペーパーを含むレビュー。研究の質は3つのRCTでは低く、クラスター化RCTがほとんど。
6つの症例対照治験を除外し、メタ解析のheterogeneity検討施行

高質のクラスター化ランダム化トライアルは呼吸器系ウィルスのコミュニティーへの広がりが若年児を対象とした衛生状態測定を介入することで予防できることを示唆するものであった。

6つの症例対照研究のメタ解析は身体測定はSARSの広がりを制御するのに有効であったことを示唆する;

1日10回以上の手洗い (オッズ比 0.45, 95% 信頼区間 0.36 〜 0.57; number needed to treat=4, 95% 信頼区間 3.65 〜5.52)
マスク着用 (0.32, 0.25 to 0.40; NNT=6, 4.54 〜8.03)
N95マスク着用 (0.09, 0.03 to 0.30; NNT=3, 2.37 〜4.06)
手袋着用 (0.43, 0.29 to 0.65; NNT=5, 4.15 〜15.41)
ガウン着用 (0.23, 0.14 to 0.37; NNT=5, 3.37 〜 7.12)
手洗い、マスク、手袋、ガウンの組み合わせ(0.09, 0.02 〜 0.35; NNT=3, 2.66 〜4.97)

−−−−−−−−−−

何が書いてあるか読み取り難いかもしれませんが、うがいもマスクも予防効果は認められるとぐらいに解釈して差し支えありません。でもって引用されている文献は日本ではない国の研究の報告です。

YosyanYosyan 2011/11/22 08:58 ところで一晩してかなりラクになりました。順調な回復基調にのったようです。明後日にはエントリーを復活できそうです。

京都の小児科医京都の小児科医 2011/11/22 09:31 Yosyan様

>明後日にはエントリーを復活できそうです。
本日はのりきって、明日はゆっくりなさってください。
あまり、エントリーの準備で根を詰めないでください。
明日は勤労感謝の日です。

kasugayoitokokasugayoitoko 2011/11/22 13:53 yosyan先生

早速に御返答いただき恐縮です。
これで確信をもってガラガラやれます、有難うございました。
先生も御自愛下さい。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20111121