クリーンエネルギー研究所(シリコンバレー)

2017-02-18

ダックカーブの比較

昨日(2月17日)のカリフォルニアは、風も雨も強かった。

「再エネ発電量」「電力のネット需要」の推移を、快晴だった月曜日(2月13日)と比較してみた。

昨日は、風力発電が頑張ったがそれでも2GW程度。太陽光は2.8GWしか発電しなかった(それでも2.8GW発電した)。

ネット需要のカーブも大きく異なる。

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2017-02-14

2月のカリフォルニア州の発電状況

昨日(2月13日)は、雨も止んで雲もない良いお天気だった。風もあまり吹かなかった。

こういう時は、太陽光発電はガンガン発電し、反対に風力は発電しない。

実際の発電量をCAISOのホームページで見ると下記の通り。

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太陽光発電が10時から14時ぐらいまで8GWで発電を続けている。反対に風力は極めて少ない。

これを、需要曲線に重ね合わせたグラフが下記。

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もともと、需要そのものが「象さんカーブ」であったが、系統に接続している再生可能エネルギー発電がマイナスされて、かなり激しい「ダックカーブ(フタコブラクダ)」となっている。

参考に、昨年12月のカリフォルニア州の電源構成は下図の通り。

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2017-02-07

US: Section 177 States

自分のための覚書です。

Due to its vehicle regulations that preceded the federal Clean Air Act (CAA) of 1970 and its particularly severe motor vehicle-related air quality air issues, the state of California retains the unique authority as a U.S. state to set emission standards. As a result, under federal law, any California vehicle emissions standards must meet or exceed federal emission regulations. Under the Federal Air Quality Act and Section 209 of the CAA, the State of California is required to request, and be granted a waiver from the US Environmental Protection Agency (EPA) Administrator in order to implement any proposed standards. Under this provision, the California Air Resources Board (CARB) has requested and received over 50 waivers.

Although States besides California are not permitted to develop their own emissions standards, Section 177 of the Clean Air Act authorizes other States to choose to adopt California's standards in lieu of federal requirements. States are not required to seek EPA approval before adopting California's standards. Currently, 15 States have done so. These States are known as "Section 177 States."

The 15 Section 177 States are as follows:

Connecticut

Maine

Maryland

Massachusetts

New Jersey

New Mexico

New York

Oregon

Pennsylvania

Rhode Island

Vermont

Washington

Delaware

Georgia

North Carolina

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2017-01-13

2017年、コミュニティーソーラーの見通し

コミュニティーソーラーに対する需要は開発スピードをしのぐ勢いて増加している。

いくつかの州ではコミュニティーソーラーに関する政策やプログラムが実行されており、太陽光発電の大容量設置に向け準備が整っているところである。

そのうちミネソタ州とニューヨーク州は、それぞれ1GWを超えるコミュニティソーラープロジェクトを有している。他の州では、今後数百MWの設置に向けて取り組みが進んでいる。

このようにコミュニティーソーラーへの関心が引き続き高まっている一方で、2016年は太陽光発電の設置が進むというよりもむしろルールづくりがメインとなった一年となった。2017年は今年と比較すると、全米でコミュニティーソーラープロジェクト関連の太陽光発電設置がもっとも進むことが期待されている。

ミネソタ州のコミュニティーソーラープロジェクトはこれまで2年間にわたって参加可能となっており、ルールには数回の変更が加えられているが、運用する太陽光発電の設置はまだ限られているのが現状である。

ミネソタ州のような段階にある州では、2017年はこれまで長く待ち望まれていた開発が成果として示されるとともに、コミュニティーソーラープログラムの長期的な見通しが示されると期待される。

同様に、ニューヨーク州やメリーランド州といった比較的新しいプログラムを持つ州にとっても2017年は重要な年になるとみられる。

一方で、長年にわたり太陽光発電を主導してきた州においてはコミュニティーソーラーの採用はそれぞれに違いがみられる。マサチューセッツ州は仮想ネットメータリングを主導した後、コミュニティーソーラープログラムでも主導権を発揮している。

カリフォルニア州は、太陽光発電の設置が進んでいるにもかかわらず、コミュニティーソーラープログラムでは遅れをとっている。

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2017-01-12

PG&Eも、NEMからNEM2に

カリフォルニア北部の大手電力会社のPG&E(Pacific Gas and Electric Co.)社は、同社電力網においてNEM対象の需要家内ソーラーの容量が2,409MWのマイルストーンに達成する見込みであることを発表。

カリフォルニア州北部・中部において275,000件以上の太陽光発電所有者を獲得したこととなる。

当該マイルストーンはカリフォルニア州によって義務付けられたNEM(net energy metering;ネットメータリング)プログラムの上限だが、PG&E社は12月にも当該上限に達成すると予想しており、その後同社はNEMプログラムの後継プログラムであるNEM2.0へ移行する予定である。

今回の発表は、SDG&E(San Diego Gas & Electric)社の6月の発表に続くものである。同月にSDG&E社は、NEMで割り振られた容量が上限に達成したこと、そして同州のIOU(investor-owned utility:私営電力公社)としては初めてNEM2.0へ移行することを発表した。

規制当局は今年初めに新しいNEMの採用を承認し、太陽光発電産業界は、カリフォルニア州の三大IOUからの反発に打ち勝つ結果となった。IOUは、ルーフトップ所有者の超過電力に対する対価が小売レートである現行のNEMはルーフトップを所有しない消費者に不公平な負担を強いているとして抗議していた。

州規制当局は、9月にIOUの抗議を却下したが、PG&E社はその結果に失望しているにも関わらず、なおもルーフトップソーラーの継続的な増加に向けてサポートを行っていくことを強調している。

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ちなみに、NEMの対象は1MW以下なので、ルーフトップに限らない。需要家内(BTM:Behind-The-Meter)にあれば良い。

2017-01-04

カリフォルニア州で過去に設置された新規の発電所

下図にカリフォルニア州で過去に設置された新規の発電所を示す。

こうやってみると、1950年代(55年前〜)から、ガス火力発電所が増え始めた。

1990年代は、電力自由化の影響で新規設置が一気に減り、2000・2001年の「カリフォルニア電力危機」へ突入。

この危機の反省で2000年代は一気に設置が増え、設置された20GWはほとんど全てがガス火力発電所となった(15年前〜)。

2010年代(5年前〜)から、風力発電と太陽光発電が急に増えたが、まだまだマイナーである。

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2017-01-01

FERCが全米を対象とするエネルギー貯蔵システム向け市場の創設に

FERC(Federal Energy Regulatory Commission:連邦電力規制委員会)は、全米を対象とするエネルギー貯蔵システム向け市場の創設に乗り出した。

FERCは、州間の電力送電や卸売市場を管理しているが、2016年11月17日、各地域の送電機関および独立系統運用機関に対して、エネルギー貯蔵システムが卸売市場に参加するための仕組み作りを行うように要請するルールを提案した。この新しい規制では、エネルギー貯蔵リソースの物理的、運用的な性質を理解することが求められ、従来のグリッドインフラとは異なり、当該リソースが複数の機能を活用して電力の需要側、供給側のどちらにもなることができるような仕組みが必要となる。

この提案が通った場合には、卸売市場においてエネルギー貯蔵システムの役割が飛躍的に拡大することが見込まれ、エネルギー貯蔵システム市場の拡大が期待される。現在のところ、エネルギー貯蔵システムの活用は限定された範囲内に限られている。

PJMのグリッドオペレーターは、周波数調整市場を創設したが、同市場はエネルギー貯蔵システムにとって全米でもっとも大きな市場となった。GTM Researchによると、2013年以降の累計設置量は220.5MWにのぼっている。CAISO(California Independent System Organization:カリフォルニア州の独立系統運用機関)は、「非発電型(non-generator)」という新しいカテゴリを創設し、エネルギー貯蔵システムの市場参加を可能にしている。カリフォルニア州ではエネルギー貯蔵システムの設置が容量にして73.2MWにのぼっており、全米第2位につけている。

ISOとRTO(Regional Transmission Organization:地域送電機関)は全米のおよそ70%にあたる電力網を管轄しており、もしFERCがすべてのISOと RTOに対して同様の政策を採用するよう求めた場合には、エネルギー貯蔵システム市場は全米各地で飛躍的に拡大するものと期待される。

GTM Researchのアナリストは、現在の市場においてエネルギー貯蔵システムは本来持つべき市場参加の権利をまだ付与されていないだけであり、今回の提案はその現実に対してルールを再定義するためのものである、との考えを示している。

今回の提案によって、グリッドオペレーターは既存ルールを調節し、卸売市場においてDER(distributed energy resource:分散電源)が競合できるような仕組みを構築することが求められる。これにより、デマンドレスポンスや電力効率化、エネルギー貯蔵システム、再生可能エネルギーといったDERのポテンシャル拡大につながり、アグリゲーションに注視した事業戦略を掲げる多くの企業にとっては地理的な拡大が期待できるチャンスにつながる。

今回の発表に先立ち、4月には情報提供依頼書が発行されている。官報に本提案書が示されたのち60日間にわたり、利害関係者からのコメントが受け付けられており、委員は集められた情報をもとに再評価を行うこととなる。

これら不確定要素に加えて、来期大統領のDonald Trump氏は1月の就任後に新しく2名の委員指名することができ、同氏の考えが影響を及ぼす可能性もある。そのため、エネルギー貯蔵システム分野に関心のある者にとっては、今後数カ月は目が離せない状況である。

今回のFERCの提案は、エネルギー貯蔵システムの電力網への組み込みを加速させることにつながる可能性があるが、エネルギー貯蔵システムが具体的にどのように市場に参加していくことになるかは各地域の決定に大きく左右されることになるとみられる。

2016-12-31

石油+天然ガス生産

米国での再エネ推進は、州によって熱心度が全く異なる。

そもそも連邦政府と州政府も、それぞれ勝手にやりたいことをやっている感が強いし。

カリフォルニア州のように、2030年に再エネ発電比率を50%にする(州法)とか、2030年までにガソリン使用量を半分位する(州法ではなく目標)とかは連邦政府とは関係なしに進めている。

とは言っても、石油と天然ガス等の炭化水素(Hydro-Carbon)の消費は無くならないので、日々の生活を送るためには国内で生産するか国外からの輸入に頼らなければいけない。

米国にとって、エネルギー政策は極めて大事で、国家の安全保障と極めて深く結びついている。

下のグラフは、今年(2016年)の5月にEIAが発表したものであるが、石油+天然ガスの生産量を、米国、ロシア、サウジアラビアの3国で比較したものである。

2008年時点では米国の生産量はロシアに比べてまだ少なかったが、2012年にトップになり、それ以降は差を広げている。

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両方で60 QUAD(Quadrillion BTU)近い。

米国の一次エネルギー消費量は下図に示すように約100 QUADで、そのうちの石油+天然ガスは63.7 QUADで約60%であるが、そのほとんどを自国生産の石油+天然ガスで賄っていることになる。もちろん、環境汚染等の対価を払った上であるが。

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下図は、米国における石油の「OPECからの輸入量」と「自国内生産量」の推移を示す。2010年頃に逆転し、差は広がっている(ちなみに、米国では、OPEC外のカナダやメキシコからの石油の輸入も多い。わざわざOPECと比較しているのは安全保障上のリスクが高いOPEC依存を少しでも減らしたいという事である)。

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2016-12-22

アリゾナ出張

今日は、アリゾナへ弾丸出張。

朝5時に起きて、6:50のフライトでフェニックスへ。

フェニックスは雨でした。

アリゾナは、電力料金体系の変更の真っ最中。

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2016-12-21

東京電力で講演

今回の日本出張でのメインイベント。

東京電力本社で講演。

東京電力ホールディングス副社長・取締役・配電会社の社長他の幹部の前で、米国のエネルギーの最新状況や今後の電力ビジネスのあり方に関して持論を展開。

沢山の質疑をいただきましたが、分散型の再生可能エネルギー発電の増加に伴う問題点や、その解決方向に関しては多くの一致を見ました。

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2016-12-16

愛知工業大学での特別講義

愛知工業大学に呼んでいただき、大学院生と教員向けの特別講義。

広い階段教室でスクリーンも大きく、講義していてとても気持ちよかったです。

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2016-12-02

東京大学教養学部で特別講義

ご縁があって、東京大学教養学部でエネルギー問題に関しての特別講義の講師をつとめさせていただいた。

いつもはプロ相手の専門性の高い講義が多いが、この特別講義では、基本に立ち返って「そもそもエネルギーって何?」から一緒に考えてみた。

風に舞う銀杏がとても幻想的だった。

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2016-11-27

日本での公開セミナー

明日から日本に出張です(今年7回目)。

今回もいろいろなところで講演させていただきますが、下記は公開セミナーです。

http://www.tic-co.com/seminar/20161206.html

まだ席に余裕があるようですので、米国のエネルギー問題に興味のある方は是非ご参加ください。

10:30〜16:30の6時間の長丁場で講師は私一人ですが、(おそらく)退屈はしないと思います。

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2016-11-21

アリゾナ電力

先週木曜日は、経産省(エネ庁)、早稲田大学(ACROSS)からの訪問者と、フェニックスにあるアリゾナ電力(APS)本社を訪問し、ワークショップを開催した。

それぞれの電力系統運用の問題点と今後の進め方と通信インターフェースにかんしてフランクに意見交換。

非常に有意義ワークショップであった。

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2016-11-19

CAISO

昨日(11月18日金曜日)は片道3時間運転して、FolsomにあるCAISOへ。

ランチを含めて、3時間近くの打ち合わせ。

CEOのStephen Berberich氏があいさつに現れた(極めて珍しい)。

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訪問者は、経産省(エネ庁)、東京電力早稲田大学、クリーンエネルギー研究所(阪口)の6人。

1週間、同じメンバーで分散電源メーカーや電力会社を訪問したが、非常に有意義な1週間であった。

2016-11-14

風力発電

米国の風力発電は、一時のブームが過ぎて、ここ数年は元気がない。

昨年は、わずか2GWの新規設置。ピークの2012年には年間10GWの新規設置があったが。

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相変わらず、累計設置量のダントツはテキサス州で17GW。

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州の総電力需要のうち風力発電が占める割合が高いのは下記の州。

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2016-11-13

Walmart社

Walmart社は、アメリカ合衆国アーカンソー州に本部を置く世界最大のスーパーマーケットチェーンであり、全米に5,000店舗以上を有し、売上額で世界最大の企業である。

全米で最大の銃販売業者でもあり、なにかといろいろな所で叩かれる。以下は、Wikipediaより抜粋。

アメリカ合衆国においては、個人商店(小規模商店)や地元資本の小規模スーパーマーケットしか存在しないような小都市に進出し、安売り攻勢で地元の競合商店を次々倒産に追い込んだ挙句、不採算を理由に撤退するという形(いわゆる焼畑商業)で地元の経済を破壊する事例、いわゆる買い物難民の発生が相次いだため、進出計画を反対される案件が相次いでいる。

また、安価輸入品(特に中華人民共和国製)を多く販売するため、アメリカ合衆国の製造者団体等から「自国の雇用をないがしろにして自社の利益の向上のことしか考えていない」という批判を受け、積極的に自国製品(外国においてはその国の製品)を取り入れるという姿勢を取り始めている。

従業員の労働条件の悪さも有名であり、低賃金非正規雇用従業員を多用して、正社員としての本採用に消極的な上に、労働組合がないうえ、組合結成の動きがあれば社員を即刻解雇するなどの不当労働行為が後を絶たない。

マウンテンビューの我が家のそばのWalmartも、その周りはかなり異様な雰囲気だったりする。

その故かもしれないが再生可能エネルギー発電(特に太陽光発電)には力を入れている。

Walmart社は2015年の時点で142MW分(!?)の太陽光発電を導入しており、再生エネルギーで消費電力を100%カバーするという目標の達成に向けて動いている。 これは、9月のSPIでもWalmartの担当者が力説していた(下の写真)。

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そして今度は、エネルギー貯蔵システムによる戦略についても実行に乗り出すらしい。

すでに17件のエネルギー貯蔵システム関連プロジェクトを展開しており、そのすべてがカリフォルニア州で実施されている。使用されているバッテリーは、太陽光発電システムにつながれた合計6システムの「200kW/400kWh」のバッテリーである。

Walmart社の副社長であるMark Vanderhelm氏によると、これらのシステムは現在、同社電力消費に関して使用時間の調整やピークデマンドの削減に役立てられているとのことである。

現在のところ明確なタイムラインはないが、将来的には周波数調整やデマンドレスポンス、容量市場への入札、緊急時用バックアップ電源、また、マイクログリッドシステムとの連結も目指しているとVanderhelm氏は述べている。さらに、バックアップ電源としての機能を持つことにより、自然災害などの緊急時には同社がコミュニティーハブとして地域に貢献することを目指したいとの意向を同氏は示している。同社は過去に、悪天候に見舞われた地域の住民を実際にサポートしたという実績があり、そこでの経験がこのビジョンにつながっているとみられる。

Walmart社はすでに、建物の屋根や駐車場に大容量の太陽光発電システムを設置しており、いくつかの店舗ではマイクログリッドも導入している。

今回エネルギー貯蔵システムを導入することにより、完全自立型の電力供給システムを確保することができると言っている。(本当かな!?)

ディーゼル発電は安価バックアップ電源を可能にするが、一旦燃料が切れると機能することができない。一方で、エネルギー貯蔵システムは、太陽光発電をグリッドが復旧するまでの間系統から切り離され、クリーンなバックアップ電源を継続的に供給することができる。

同氏は、具体的な金銭面でのメリットを試算することはまだ難しいが(そりゃそうだ!!)、顧客にサービスを提供する新たな機会が得られることが期待されると述べている。他のグリッドサービスによって得られる収益とともに、Walmart社のエネルギー貯蔵システムへの投資もまた将来の収益につながることが期待されるとか。

全米の商業施設向けのバッテリーは、2013年以降で50.7MW程度が設置されている。

Walmart社は全米に5,000店舗以上を有している。仮に250店舗程度で200kWのバッテリーが導入されたとすると(250 x 200 kW=50MW)、それだけで現在の商業バッテリー市場全体の設置容量に達すると見込まれる。

2016-11-09

フライホイールの慣性力を用いた周波数調整

フライホイールのうち、すでにニューヨークで稼働中の施設を下図に示す。

この施設は、200台のフライホイールからなり、20MWを15分間貯められる

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http://beaconpower.com/stephentown-new-york/

下図はペンシルベニア州で稼働中の施設。こちらも200台で20MW。

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バッテリーの充放電を用いるのではなく、物理的な「慣性力」を用いた「ガナバフリー」的な周波数調整が可能である。

仮に、カリフォルニア州のピーク電力量を40GWとし、「ガバナフリーの火力発電所が無くなる」ことにより必要な「周波数調整しろ」をその2%とすると800MWの慣性を用いた調整能力が必要になる。

すなわち、この写真のような20MWの施設が40箇所(20MW x 40箇所=800MW)あれば良いことになる。

フライホイールの特徴を復習。

  • 極めて短時間だが、エネルギーを回転運動(慣性)に貯めることが出来る
  • 円盤を高速回転させ電気エネルギーを回転の運動エネルギーとして貯蔵
  • 瞬間停電時に回転の運動エネルギーを電気エネルギーに変換して、電源を供給する
  • 内蔵バッテリーを持たないので、バッテリー交換などのメンテナンスが不要

2016-11-07

ガバナフリー

昨日のフライホイールの記事の続き。

再生可能エネルギー発電が増えると相対的に「火力+水力+原子力発電」が減る。

これらの従来型の発電は「同期型の発電機」であり、これが減ることは大きな問題となる。

因みに、同期型の発電機をWikiPediaで調べると、

同期発電機は、界磁の作る磁界が電機子巻線を横切る回転速度に同期した電力を発電する交流発電機である。

回転子が界磁の、回転界磁形が一般的に用いられる。

誘導発電機と比べると次のような特徴がある。

  • 系統投入時の突入電流が小さい。
  • 力率の調整が可能である。
  • 周波数が一定であれば定速度で運転が可能であり回転系の振動設計に有利。

何が嬉しいかというと、「ガバナフリー」である点である。

「ガバナフリー」とは、電源というものは負荷(需要)が変わると周波数がそれに伴って変わるが、それを自動調整できるありがた〜〜い能力である。

そもそもは、発電機の回転速度を負荷の変動のいかんにかかわらず、一定の回転速度を保つように、動力である蒸気および水量を自動的に調整する装置である調速機 (ガバナ)と呼ばれる装置が一般的であったが、近年の大型の同期型の発電機(1基500MWとか)は、この「ガバナ」が不要で、自分で勝手に調整してくれる「ガバナフリー」と呼ばれる機能を備えるようになった。

で、今後非同期型の太陽光発電が劇的に増えて、反対に「ガバナフリー」であった火力発電が(相対的に)減ると、行わなければいけない周波数調整がより大規模になる。

例えば、「ガバナフリー」の発電機(火力+水力+原子力)が80%を占めているカリフォルニア州で、再生可能エネルギー発電が半分とかになると、今まで周波数調整にピーク電力の2%程度のリソースを用意しておけばよかったものが、4%とか5%とか用意しなければ周波数がグリングリン変動し、色々な装置に悪影響を及ぼし、最悪停電につながる。

中部電力のこの資料がわかりやすい。

https://www.occto.or.jp/oshirase/kakusfuiinkai/files/chousei_02_03_01.pdf

2016-11-06

フライホイールシステムでの短期間でのエネルギー保存

エネルギーとは、熱、運動、位置、化学反応のやりとりの一形態であり、また人間の体内でのありとあらゆる動き(細胞・腱・脳・臓器)の重要な機動力である。

位置と運動と熱と化学ポテンシャル等を相互にやり取りする事で我々の生活なり、さらに大きく言うと宇宙は成り立っている。その一過性になりがちなエネルギーをどうやって保存するかが今後の人類の生産活動や生活に大きなインパクトを与える。

数億年前の太陽エネルギーを元に蓄えられた化石燃料(石炭・石油・天然ガス)を、人類がふんだんに消費できる時代は今後100年以内に終わる。異論はあるものの、今後は再生可能エネルギーを使わなければいけない。しかし、再生可能エネルギー発電は、自然に依存するために、常に「どうやってエネルギーを保存するか」という議論と背中合わせになる。

「エネルギーの貯蔵」にはいろいろな方法があるが、電力貯蔵という事では、揚水発電が今時点では圧倒的な容量を誇る。リチウムイオンバッテリーは、ここ5年間で極めてドラスティックな価格低下と信頼性向上を成し遂げた。しかし、筆者はもっといろいろな「エネルギーの貯蔵方式」があってしかるべきだと思うし、その一つは「フライホイールシステム」である。

ということで本題。

ハワイ電力(HECO)とAmber Kinetics社は、フライホイールシステムの能力を評価するためのエネルギー貯蔵システムパイロットプロジェクトを共同で実施することを決定した。

Amber Kinetics社は、商業用では初となる4時間分の容量を備えたフライホイールを、オアフ島にあるHECO社のCampbell Industrial Park発電所に設置する予定であり、HECO社は運用時の性能の評価を行う。

HECO社は、2045年までにハワイ州の供給電力を100%再生可能エネルギーで賄うという目標を達成するために、再生可能エネルギーによる供給の安定化、ピーク電力のシフト、フレキシブルな容量、アンシラリーサービス等の用途について検証を行う。

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因みに、筆者は物理学徒ということもあり、化学反応によるエネルギーの貯蔵よりも、こういう物理原理(運動や位置)を利用したエネルギー保存に対して思い入れと安心感がある。

2016-11-05

ネバダ州のNEMルールの改正

散々もめていたネバダ州のNEMルールの改正の一部がとりあえず落着。

NPUCは2015年12月にNEM(ネットエナジーメータリング制度)を廃止したが、その結果新規の太陽光発電所有者の数が著しく減少している。

しかも、ただ単に新規の受付を停止するだけではなくて、32,000件のすでにNEMで契約している既存の太陽光発電所有者に対しても、NEM制度を用いた小売価格での売電を廃止すると宣告した。

で、当然のことだが大問題+訴訟になった。SolarCity社が訴訟の急先鋒

散々もめた挙句、SolarCity社、消費者保護局(Bureau of Consumer Protection)、NV Energy社、およびNPUCは、2015年12月31日以前にルーフトップソーラーを導入した消費者への新しいNEMルールの適用を20年間除外し、小売価格での補償(売電)を行うという契約時のプログラムを保証することで合意に至った。

う〜〜ん、当たり前と言えば当たり前だが、こういう「とんでもルール」を州政府が決めてしまうところがいかにもアメリカである。

しかし、新規契約顧客に関しては、大幅に改定されたNEMルールが適用され、売電価格は大幅に下がる。

NPUC:Nevada Public Utilities Commission: ネバダ州公共事業委員会

2016-11-02

IEEE 2030.5

IEEE ワークショップ2日目。

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今日の方が具体的で面白い。

サイバーセキュリティーがホットトピックス。

完全な解は無いが、どうやって被害を最小限で収めるかが大事だと感じる。

IEEE ワークショップに2日間参加して、今後分散電源が増えた場合に起こりうる問題点の解決を志向する多くの人と知り合いになれた。

ところで、いつものことだが、話を実態以上にややこしくするために(!?)、アメリカでは似たような4文字略語を頻発する。

今回は、下記の2つの略語(シーゼップ & シージップ)が議論の中で錯綜。とても聞き分けられないし、聞いた瞬間にはそのイメージが頭にわかない😭。

CSEP(シーゼップ) : Consortium of SEP2 Interoperability

CSIP(シージップ) : Common (又はCalifornia) Smart Inverter Profile

最初のCSEPは、IEEE2030.5(SEP2)の相互通信性を考えるコンソーシウムの名称。

2番目のCSIPは、その相互通信性を含め、スマートインバーターがどうあるべきかをカリフォルニア州(なり、それぞれの電力会社)が規定するプロファイルの内容。

どういう風に使われるかというと、「CSIP(シージップ)がどうあるべきかの議論をCSEP(シーゼップ)で行っている」

う〜〜ん、はっきり言って無理である。

2016-11-01

IEEE2030.5(SEP2)のワークショップ

IEEE2030.5(SEP2)のワークショップの1日目が無事終了。

分散電源間の通信プロトコルに関して、非常に多くの情報を得た。

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下の写真は、今回のワークショップの責任者のDr. James Mater との記念撮影。

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2016-10-28

PG&Eのスマートインバーター実証試験サイト

今日は、PG&Eのスマートインバーター実証試験サイトを訪問。

今後、再生可能エネルギー発電が大幅に増え、かつその多くが分散電源になった場合、電力網の安定化はインバーターの性能にかかってくる。

カリフォルニア州とハワイ州では、2017年9月以降、Rule 21に規定された高機能で通信機能を持ったインバーター以外は、一切電力系統に連係できなくなる。

今日伺った実証試験サイトでは色々なメーカーのインバーターがテストされていたが、日本メーカー製はゼロでした。

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地域別デマンドレスポンス

昨日の記事の続きだが、米国のいろいろな地域におけるデマンドレスポンス可能量には大きな違いが有る。

下図は、GTMによる、地域ごとの比較。

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カリフォルニア州がいかに少ないかが分かる。

2016-10-26

デマンドレスポンスに関する変更

カリフォルニア州では「デマンドレスポンス」は今ひとつ盛り上がっていない。

理由はいろいろあるが、筆者が感じる理由は

(1)そもそも発電リソースが余っている(「今時点では」という注釈付きで)

(2)そのため、面倒くさいてコストがかかるデマンドレスポンスを真面目にやりたくない

である。

そうは言うものの、今後

(3)ガス火力発電所が順番に止まっていく(OTCの発電所はさようなら)

(4)再生可能エネルギー発電が増えて行く(2030年で50%です!!)

(5)上記より、ガバナーフリーの同期型の発電施設が減り、インバーターを介する非同期型の発電が劇的に増える

という背景のもと、CPUC(California Public Utilities Commission: カリフォルニア州公共事業委員会)は8月30日、同州のデマンドレスポンスに対して大幅な変更を加える計画を発表した。

計画では、2018年までに化石燃料をリソースとする発電をデマンドレスポンスの対象外とすること、また2010年代中に現在の電力会社主導モデルから、第三者事業者に開かれた市場モデルに変更すること、が提起されている。

カリフォルニア州では、電力会社が個々のプログラムにおいてデマンドレスポンスを完全にコントロールしており、パフォーマンスが悪いことから長年にわたってその改善策が検討されてきた。CPUCは昨年より対策を講じており、現在のところ、電力会社に対しては第三者からのデマンドレスポンス調達義務やDRAM(Demand Response Auction Mechanism)の開始を義務付けている。そして今回新たな計画の提起を行ったのである。

今回の提案においては、何百MWもの従来型のデマンドレスポンスを新しいデマンドレスポンスに置き換えるという点や、様々な新しいリソースを受け入れる点では、今後の同様案件に対するモデルとして示すことができる可能性がある。新しいリソースとしては、スマートサーモスタットや、建物管理の自動化、需要家側設置のバッテリー、PEV(プラグイン電気自動車)等がある。

GTM Research社のアナリストElta Kolo氏は、今後デマンドレスポンスプログラムにおいては電力会社の役割が小さくなり、第三者が台頭していくであろうと見込んでいる。また、今回のCPUCの提案について以下3つの特徴を挙げている。

⑴ 化石燃料をリソースとするバックアップ発電の撤廃

CPUCは、2017年末までに、ディーゼルや天然ガス、石油、プロパン等の化石燃料をリソースとするバックアップ発電を禁止したい考えである。カリフォルニア州のSGIP(Self-Generation Incentive Program: 自家発電インセンティブプログラム)が改訂され、天然ガス火力や化石燃料をリソースとする発電、熱電併給システムは同プログラムより除外されることとなった。今回の提案はこのSGIPと足並みを揃える内容となっている。

⑵ 第三者間の競争

今回の提案では、より応答の早いデマンドレスポンスを確立すること、容量およびアンシラリーサービスにおいて将来的に必要とされる要件をクリアすること、を実現するために、新しいモデルを構築することが求められており、市場主導型、競争的で技術面でのバリアがないデマンドレスポンスが期待されている。電力会社は2016年末までに2018年のデマンドレスポンスポートフォリオを提出することが要求されるとみられ、CPUCは同ポートフォリオの改善策を2017年秋頃に発行する予定である。

⑶ 電力会社の役割の変化

デマンドレスポンスが開始された当初は、市場での経験が豊富な電力会社が中心的役割を果たす事が自然であった。CAISOや第三者ベンダーの中には電力会社の関与を排除することを求める意見もあるが、CPUCは、電力会社のコントロールを全て排除してしまうのはまだ段階として早すぎる、との見解を示している。CPUCは、市場主導型のデマンドレスポンスに変換するにあたっては、電力会社と第三者プロバイダーとの間で公正な競争が行われるように取り組んでいくことが大事であり、その結果として、電力会社の役割等は自然とある方向に向かっていくであろう、との考えを示している。

2016-10-25

カリフォルニア州独立系統運用機関はさらに広域化するのか?

カリフォルニア州では、いくつもある電力会社の上に乗っかるようにCAISO(California Independent System Operator: カリフォルニア州独立系統運用機関)という組織があり、電力自由化・発送電分離に合わせてカリフォルニア州での電力網の安定化や同時同量を担ってきた。

しかし、さらに広域にした電力網の創設については、20年にもわたって検討が行われてきたが、現在CAISOの参加電力会社拡大に向けた積極的な取り組みにより新しい局面を迎えようとしている。

9月初めに、CAISOはサクラメントに 800人の関係者を集め、この電力網広域化に向けたディスカッションの場を提供した。技術的な内容や費用面でのメリットはクリアになっていることが確認されており、より広域な電力網で再生可能エネルギーを統合することによりコストを抑えることができる一方で、政治的なプロセスが厄介な障害として懸念されている模様。

広域電力網の賛成派の意見f:id:YukioSakaguchi:20161026122330j:image:w360:right

  • 2014年に開始して以来$88Mもの削減に成功しているEIM(Energy Imbalance Market: エネルギーインバランス市場)に影響を受けている。EIMでは、参加している電力会社(現在はカリフォルニア州の3大私営電力会社、PacifiCorp社、NV Energy社)に対して電力均衡のためにリソースを共有することが認められている。この先、Idaho Power社やArizona Public Service社など、他の電力会社の参加も見込まれている。
  • しかしながら、SB350(2030年までに再生可能エネルギー発電を50%にするという州法)の下、CAISOはより包括的な地域連携確立に向けて動いており、前日市場取引にまで拡大させようと意気込んでおり、東海岸の広域市場と同様に、卸売電力市場の競争を促進することも予想される。
  • CAISOがこのように積極的な働きかけを行っているのには、風力発電と太陽光発電市場の成長が背景にある。風力発電と太陽光発電はカリフォルニア州の昨年の電力供給量の14.2%を占め、新規発電のリソースの中でも最も低コストであった。ワイオミング州とアイダホ州を除くすべての州が再生可能エネルギーに関する目標(RPS)を設定しており、カリフォルニア州とオレゴン州については再生可能エネルギー利用割合基準を自ら50%に設定している。

今回のシンポジウムで発言したJerry Brownカリフォルニア州知事は、同州が再生可能エネルギー利用割合基準の目標を達成するためには、非常に優れた電力網が必要であり、各州によって状況は異なるが、広域電力網によって効率化が進むことは間違いない、と述べている。

問題となるのは、

  • CAISOの取締役会のメンバーがカリフォルニア州知事によって任命されている。
  • 広域電力網では各地域の電力会社が参加しており、各地域の規制当局も広域電力網の運用にあたり介入することを期待しているが、カリフォルニア州によって全体がコントロールされてしまうのではないか、との懸念を示している州もある。
  • 政治的な問題に加えて、当該広域電力網の運用により、既存の石炭火力発電所が新たな機会を得ることになってしまわないかとSierra Clubの担当者は心配している。
  • 一方で、Natural Resouces Defense Councilの担当者は、風力発電・太陽光発電の価格競争力に石炭火力発電撤廃の動きが早まるであろうとの見方を示している。

CAISOの広報担当であるSteven Greenlee氏は、課題として次の2点に言及している。

  • 1点目:新しいメンバーが電力網に対してどのように対価を支払うかという点である。Utah Accociated Municipal Power Systems社のHunter氏は、オーバーヘッド等の支払いにより送電にかかる費用が4倍にも膨れ上がらないかと心配している、と述べている。
  • 2点目:供給力確保。カリフォルニア州は将来の投資につながる容量市場を有しておらず、規制対象の各電力会社に15%の予備力を備えておくように要請している。CAISOが将来の容量獲得に関するメカニズムを有していないため、広域電力網についても同様にメカニズムがない。

と、いろいろな問題点が出てきているが、まあ、これらは前進のための良い議論であると筆者は思う。

東海岸のPJMは、10州以上が参加しており、「呉越同舟」状態であり、年がら年中裁判沙汰になっているが、まあそれでも前に進んでいる。

2016-10-23

Nest 社、SCE 社向けに 5 万台のサーモスタット配置へ

Nest Lab社(Googleの子会社)のスマートサーモスタットは、節電意識の高い家庭むけのデバイスである一方で、電力網安定化のためのリソースとしても注目されているが、SCE(Southern California Edison)社が本格的に採用するらしい。

筆者がよく行くホームセンターでは、箱が山積みされているが、かなり高くて、あまり売れているようには見えないが😅。

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南カリフォルニアでは、Aliso Canyonでの天然ガス漏洩問題により、来夏に停電リスクが高まることが懸念されているが、Nest社は5万台のサーモスタットを配置することによりこの問題を解決することができると考えている。

8月末、SCE(Southern California Edison)社は、Alison Canyonの天然ガス貯蔵施設閉鎖に伴う対応策の一環として、Nest社との新たな取引を発表した。本取引においては、SCE社はNest社に対して、南カリフォルニアでの負荷削減により総量にして50MW、一家庭あたり1kW分の電力を削減することにより、同地域での電力不足解消に寄与することを求めている。

取引はNest社にとっては最大となるデマンドレスポンス契約であるが、ゼロからのスタートではなく、既存のデバイスを活用することによりただちにサービスを提供することができる、と同社の電力事業責任者であるBen Bixby氏は述べている。同氏は既存顧客の数を明らかにはしていないが、対象地域における5万世帯分の設置は意欲的な目標であると述べている。

Nest社とSCE社は、新しい顧客を獲得するために、魅力のあるオファーを提示すべく資金を投入する予定である。オファーの一つには、Nest社のRush Hour Rewardsプログラム入会時のインセンティブがある。同プログラムは、2013年より実施されているSCE社のPeak Time Rebate(PTR)デマンドレスポンスプログラムの一部である。来夏のプログラムでは、はじめに$125が提供され、その後1年間にわたって最大$60が電気料金より戻される。これに通常の節電分 $130-145/年をプラスすると、サーモスタットにかかるコスト$249は1年で回収することができると見込まれる。

SCE社はCPUC(California Public Utilities Commission: カリフォルニア州公共事業委員会)の決定にもとづくAliso Canyon関連の調達に置いて非常に早い動きを見せている。CPUCの決定により、デマンドレスポンスについては、ピーク時リベートプログラムにおいて$2.25Mを追加することが認められており、そのうちスマートサーモスタット向けでは$1.65Mが認められている。

SCE社はこのほか、Aliso Canyon対策として50MW分のエネルギー貯蔵リソースを確保している。Aliso CanyonについてはJerry Brown州知事が非常事態宣言を1月に行っているが、同施設はLos Angeles Basin地域において約10GW分の電力を夏の暑い日や停電時に供給しており、完全に閉鎖されることによって電力不足が非常に懸念されている。

Nest社のサーモスタットは、運用開始後1ヶ月ほどの間に各家庭の冷暖房の使用パターンを分析し、その後自動的に暖房にかかる費用を10-12%、冷房にかかる費用を15%ほど削減してくれるという。

う〜〜ん、たしかに家の中の電力需要のかなりの部分はエアコン需要であるし、ロスアンジェルス近辺はサンフランシスコとちがって暑いので、うまくコントロールするとピーク時消費を削減してくれるとは思うが。

ここまで効果があるかどうかは少し疑問である。

2016-10-21

技術情報センターで講演

日本から帰ってきて、あれこれやっていたらあっという間に1週間が過ぎてしまった。

次回の日本出張は11月30日から12月15日です。

日本滞在中に、技術情報センターで講演します。

「アグリゲーションビジネス」がテーマで、ランチ休みを挟んで6時間の独演会です。

http://www.tic-co.com/seminar/20161206.html

2016-10-11

日本での講演

先週金曜日の株式会社開門主催の講演会

米国のエネルギーアグリゲーションビジネスに関して熱く語らせていただきました。

4時間の長丁場なので、少し多目の180枚のスライドを用意しましたが、質疑が非常に活発で、2時間後の休憩時にまだ40ページしか話せていない😅。

で、最後はマシンガントークになって、息つぎが下手なので酸欠になる、といういつものパターンでした...

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2016-10-04

エネルギーアグリゲーションビジネス

今週の金曜日に神田で講演します。

日米のエネルギーアグリゲーションビジネスについて。

まだ席は数席あるようなので、ご興味のある方はどうぞ。

http://cleanenergy.main.jp/2016/08/20/2016082001/