クリーンエネルギー研究所(シリコンバレー)

2019-01-09 LBNLの報告

ローレンスバークレー国立研究所(LBNL: Lawrence Berkeley National Laboratory)が、分散型及び発電所レベルの太陽光発電市場に関する2つの年次報告書を公表。

LBNLは、分散型および発電所レベルの太陽光発電の市場トレンドに関する2つの年次報告書、Tracking the SunとUtility-Scale Solarを公表。

「Tracking the Sun」の主な内容は以下の通り。

2017年の太陽光発電設置コストの全米中間値は下記であった。

  • 家庭向けシステムでは$3.7/W(前年から$0.2/W、6%ダウン)
  • 家庭向け以外の小規模システムでは$3.1/W(前年から$0.4/W、11%ダウン)
  • 家庭向け以外の大規模システムでは$2.2/W(前年から$0.1/W、5%ダウン)

システムコストは個々のプロジェクト及び州ごとに大きく異なっていた。

州レベルでの2017年の設置コスト中間値のレンジは、

  • 家庭向けシステムが$2.6/W-$4.5/W、
  • 家庭向け以外の小規模システムが$2.2/W-$4.0/W、
  • 家庭向け以外の大規模システムが$2.1/W-$2.4/W

であった。

三大市場であるカリフォルニア州、マサチューセッツ州、ニューヨーク州については比較的コストが高く、全米中間値を押し上げていた。

長期的な傾向で見ると、家庭向けのシステムの設置コストが下がった要因の46%がモジュール価格、12%がインバーター価格、残りの42%がその他のBOS(balance of systems)及びソフト(営業コスト、接続認可コスト等)コストの下落に関連していた。

設置コストの低下分は、州のインセンティブおよび補助金の段階的廃止により部分的に相殺されている。

「Utility-Scale Solar」の主な内容は以下の通り。

  • 太陽光追跡技術は幅広く採用されており、2017年に設置された電力会社向けのプロジェクトのうち80%近くに採用された。
  • PVプロジェクトの価格中間値は2007-2009年の期間から2/3下落しており、2017年に完成したプロジェクトについては$2.0/Wac (又は $1.6/Wdc)であった。
  • 設置コストの低下及び設備利用率の改善によって電力会社向けソーラーの太陽光発電の「均等化電力購入契約価格(levelized Power Purchase Agreement price)」は急速に低下しており、2006-2012年は平均で年間$20-$30/MWhの低下、2013-2016年は平均で年間約$10/MWhの低下であった。
  • 直近のPPA価格は$40/MWh以下であり、最も低いもので$20/MWh程となっている。
  • 太陽光発電が多く普及しているカリフォルニア州等のエネルギー市場では、PPA価格の下落が、太陽光発電の卸売エネルギー市場価格の低下によって一部相殺された。
  • カリフォルニア州では、2017年 のCAISOのリアルタイム市場における太陽光発電の卸売り価格は、平均の卸売り価格の79%であった。
  • 太陽光発電の普及が少ない地域では、太陽光発電は引き続き平均卸売価格よりも高い価格で取引されている(ERCOTでは127%、PJMでは112%)。
  • エネルギー貯蔵システム導入は太陽光発電の価値を改善する方法の一つであり、最近の蓄電池付太陽光発電システムプロジェクトによると、エネルギー貯蔵装置を追加した場合のPPA価格の上昇分は、一年前の$15/MWhから約$5/MWhまで下落している。

2019-01-08 HECO太陽光発電と蓄電

HECOは、7つの太陽光発電と蓄電の併設プロジェクトについてデベロッパーと交渉中とのことです。

ハワイ電力会社(HECO: Hawaiian Electric Companies)は、7つの太陽光発電と蓄電の併設プロジェクト(solar plus storage)についてデベロッパーと交渉中であることを公表した。当該プロジェクトでは、オアフ島、マウイ島、ハワイ島に260MW相当の太陽光発電を設置する予定で、同州の再生可能エネルギーとしては最大容量となる見込みだそう。

当該7プロジェクトの概要は以下の通り。

オアフ島:3つのプロジェクトで約120MWの太陽光発電と515MWhの蓄電池

マウイ島:2つのプロジェクトで約75MWの太陽光発電と300MWhの蓄電池

ハワイ島:2つのプロジェクトで約60MWの太陽光発電と240MWhの蓄電池

当該プロジェクトが公共事業委員会(Public Utilities Commission)にて承認されれば、米国内において再生可能エネルギーを最大規模の割合で導入するハワイ州のポートフォリオに加えられる。Hawaiian Electric社、Maui Electric社、Hawaii Electric Light社 は、既に稼動している8万件近くのルーフトップ太陽光発電システムに加えて、500MW以上の再生可能エネルギーと契約している。

2019-01-06 需要家サイドでの電力マネジメント

昨日に引き続き、需要家サイドでの電力マネジメントのお話

サクラメント電力公社とD.R. Horton社が、2つの地域に104軒のオール電化住宅を建設とのこと。

サクラメント電力公社(SMUD: Sacramento Municipal Utility District)は、住宅建設を手掛けるD.R. Horton社と提携し、2つの新たな地域に104軒のオール電化住宅を建設することを発表しまた。当該住宅はガスラインに接続されておらず、その代わりにヒートポンプの冷暖房と給湯装置、電磁調理器が備え付けられている。

SMUD社は同社のスマートホームプログラムの一環として新築住宅の電化に取り組んでおり、同プログラムでは、オール電化の住宅を建設する業者及びデベロッパーに対して、戸建住宅の場合には最大$5,000、複合住宅の場合には最大$1,750のインセンティブを付与している。さらに、すでに住居を有するSMUD社の顧客の場合も、ガスから電気に変更した場合には最大$13,750のリベートを得ることができる。電力会社が2050年までに温暖化ガス排出を90%削減し、州が2050年までに温暖化ガスを80%削減するという目標をクリアする手段として、オール電化住宅が奨励されている。

2019-01-05 需要家サイドでの電力マネジメント

需要家サイドでの電力マネジメントのお話。

Portland General Electric社が、「スマートグリッドのテストベッド」を3都市で実施したとのこと。

Portland General Electric社は、3つの異なる都市のプロジェクトで構成される「スマートグリッドのテストベッド」を実施すると発表しました。

プレスリリースによると、当該テストベッドで「2万人以上の消費者が特別なデマンドレスポンスシグナル及びスマートホーム技術の使用によるインセンティブを得ることができ、更なる電力効率化と、電力消費量及び温暖化ガス排出量の制御が可能となる。」とのこと。

当該デマンドレスポンスプログラムは、サーモスタット、給湯装置、電気自動車充電器、蓄電池の価格シグナルを自動化することによってプログラムへの参加を簡素化することを目指しているそうです。プロジェクト期間は2年半となっており、要件を満たす消費者のうち66%の参加を目指しているとのこと。同様のプログラムへの参加率は、全国的には7%以下であることが多く、非常に高い目標を掲げている。

2018-12-19 ゼロミッション車の普及

最近では当たり前に目にするようになった電気自動車ですが、

先日カリフォルニア州が「Zero-Emission Vehicle Action Plan」の更新版を公表しました。

カリフォルニア州は、ブラウン州知事が1月末に新たに掲げた「2030年までに500万台のゼロエミッション車(ZEV)を普及させる」という目標を受け、「Zero-Emission Vehicle Action Plan」の更新版を公表した。当該計画書には、知事のビジョンを遂行するため州政府が実施する39のアクションが記載されている。当該アクションがカバーする6つの分野は以下の通り。

多くの消費者に、ZEVの選択肢及び利点に対する認識を持たせる。

ドライバーや乗客にとって、ZEVが現実的で魅力的な選択肢となるようにする。

ZEVの普及拡大に向け、便利な充電・燃料供給インフラを充実させる。

ZEV技術による経済的及び雇用の機会を最大化する。

カリフォルニア州以外でのZEV市場の拡大を鼓舞する。

州政府自身がZEVを取り入れ、模範を示す。

2018-12-14 エネルギー貯蔵システム

エネルギー貯蔵システムに関してのお話です。

GTM Research とEnergy Storage Associationがエネルギー貯蔵システムに関する四半期報告書を公表しました。

GTM ResearchとEnergy Storage Association (ESA)は、四半期報告書「U.S. Energy Storage Monitor」の2018年第2四半期分を公表しました。同期間におけるエネルギー貯蔵システム設置容量は、家庭部門が初めて送配電部門と商業部門での設置容量を上回る結果となったそうです。

当該報告書の主な事項は以下の通り。

米国における2018年第2四半期のエネルギー貯蔵システム設置容量は61.8MWで、前期の43.6MWより42%増加した。

MWhベースでは、2018年第2四半期の設置容量は156.5MWhと前期の126.3MWhを上回り、市場は24%拡大した。

需要家側(Behind-the-meter)の設置容量は、MWベースで全体の75%を占め、MWhベースでは全体の約66%を占めた。

カリフォルニア州とハワイ州の設置容量がMWhベースで約72%と、この2州に集中していた。

バッテリーパックの生産能力の限界があるため、いずれ市場の成長は強くなくなる見込み。

米国市場の成長予測としては、2018年に393MW、2019年に1GW、2023年に3.9GW程度に達すると試算されている。

2018-11-29 家発電インセンティブプログラム5年延長

カリフォルニア州のブラウン知事が、自家発電インセンティブプログラム(SGIP)を5年延長する法案に署名したとのことです。

ブラウン カリフォルニア州知事は、自家発電インセンティブプログラム(SGIP : Self-Generation Incentive Program)の期間を5年間延長し、2025年末までとする法案SB700に署名したとのこと。

当該プログラムは 、納税者から年間$166M徴収し、分散電源およびエネルギー貯蔵システムの設置に対して補助金を支給するプログラムである。SB700では、プログラム期間の延長に加えて、同州公共事業委員会(CPUC: California Public Utilities Commission)に対し、SGIPの助成を受けたエネルギー貯蔵システムによる温暖化ガス削減が確実に進むよう、各種規定を採用することを求めている。

SB700はまた、再生可能な燃料を使用しない燃料電池のような発電源が当該補助金を受給することを禁じています。

2018-11-22 グリット計画

ネバダ州公共事業委員会(NPUC)が、電力会社に対し、分散資源計画(Distribution Resource Plan)の提出を義務付けしました。

ネバダ州公共事業委員会(NPUC: Nevada Public Utilities Commission)は、系統内で増加する分散電源(DER: distributed energy resources)に対応するため、電力会社に対して3年毎に分散資源計画(DRP: Distribution Resource Plan)を提出するよう義務付ける規制を採択しました。

計画には、立地上の利益及びコストの分析、配電系統における負荷とDERの予測、DERを解決策として考慮した場合の系統ニーズ分析、そしてDERに最適な立地を確認するための配電網分析を含むことが求められている。

カリフォルニア州、ハワイ州、ニューヨーク州に次いで、ネバダ州がDER計画要求する4番目の州となります。

2018-11-20 Global Climate Action Summit開催

カリフォルニア州ブラウン知事が、世界のリーダーを集めたGlobal Climate Action Summit(GCAS)を開催しました!

カリフォルニア州のブラウン州知事は、世界のリーダーを集め、サンフランシスコでGlobal Climate Action Summit(GCAS)を主催し、気候変動への対応に関する誓約を明確にした。今回のイベントに合わせて、下記を含む重要な複数の発表がなされた。

America’s Pledge - マイケル・ブルームバーグ氏*とカリフォルニア州のブラウン州知事が率いる「America's Pledge Initiative」は、日本の「気候変動イニシアティブ (Japan Climate Initiative)」とパートナーシップを結ぶことを発表した。「気候変動イニシアティブ」は、200の日本企業、地方自治体、市民社会団体が連携する新たなイニシアティブであり、日本で、気候変動対策を加速させるために活動している。また、America’s Pledgeが公表した報告書では、トランプ大統領がパリ協定を離脱したにも関わらず、米国の温暖化ガス削減は順調に進んでおり、2025年までに2005年比17%削減と、パリ協定において米国が示した目標(26-28%削減)の3分の2に達すると見込まれていることが示された。(*注:2002年から2013年にわたり第108代ニューヨーク市長を務める。現在、国連気候変動対策特使。)( https://www.bbhub.io/dotorg/sites/28/2018/09/Fulfilling-Americas-Pledge-2018.pdf)

We Are Still In - 「We Are Still In」 は、パリ協定に残ることを宣言した米国内の3,500以上の機関によって2017年7月に発足した連合である。今回のGCASでは、2018年4月以降、当該メンバーによって、気候変動に対応するための300件の新たな行動計画が作成されたことが公表された。( https://www.wearestillin.com/news/we-are-still-coalition-delivers-300-new-commitments-global-climate-action-summit)

Step Up Declaration - SalesForce社によって設立された21社の企業による連合は、「新興技術と第4次産業革命の力を活用し、あらゆる経済部門の温暖化ガス排出を削減し、2020年までに気候変動のターニングポイントを確実に実現させる」と発表。( https://stepupdeclaration.org/press/)

GCASの詳細について: https://www.globalclimateactionsummit.org/

2018-10-22 風力発電

DOEが、LBNL及びNRELが分析した風力発電の技術・市場動向の報告書を公表しました。

米エネルギー省は、国立研究所による風力発電の技術及び市場動向の分析結果をまとめた2つの報告書を公表をした。

ローレンスバークレー国立研究所(LBNL)がまとめた報告書2017年風力技術市場報告書( 2017 Wind Technologies Market Report)」の主な内容は以下の通り。

米国では、2017年の資本投入額が$11B、追加された新設備の容量が7,017MWであり、風力発電の累計容量は88,973MWとなった。風力発電の新設容量は太陽光発電、天然ガス発電に次いで3番目に多く、新設容量全体の約25%を占めた。

風車の3大プレイヤーVestas社、GE社、Siemens-Gamesa Renewable Energy(SGRE)社の市場占有率はそれぞれ35%、29%、23%であった。

風車の平均の定格容量は2.32MWに増加(2016年より8%増加)と継続して大型化しており、ローターの直径は平均113mで(同4%増加)、高さは平均86m(同4%増加)となっている。

近年の風車の取引価格は2008年の$1,600/kWをピークに著しく下がってきており、現在の価格の幅は$750-950/kWである。

設置費用は2009〜2010年以降、約$800/kW下がり、現在の平均は$1,610/kWである。

電力購買契約(PPA)は地域差があるが、2017年の風力発電購買契約額の全米平均は約$20/MWhと2009年の$70/MWhより大幅に下がっている。

国立再生可能エネルギー研究所(NREL)が発行した報告書2017年洋上風力発電技術市場の近況報告書( 2017 Offshore Wind Technologies Market Update)」の主な内容は以下の通り。

米国には現在30MWの洋上風車が設置されており、25,464MWのプロジェクトが計画されている。2023年までに約2,000MWの設備の稼働が見込まれている。

現在建設が進む洋上風車の多くは、同技術を奨励する政策が多く進められている東海岸に位置している。ニュージャージー州は2030年の風車設置容量の目標を1,100MWから3,500MWに引き上げており、マサチューセッツ州のEnergy Diversity Actは、2027年までに1,600MW分を調達することを要求している。

開発業者はカリフォルニア州の洋上風車の設置に関する懸念事項について国防省と協議している。海軍は、洋上風車が海洋に面するレーダーアレイ及び海上訓練を行う地域に影響を及ぼすおそれがあると指摘している。

2018-10-20 ゼロカーボン

カリフォルニア州ブラウン知事が、2045年までに「ゼロカーボン」発電を目指すことを含めた新たなRPS法案SB100に署名

カリフォルニア州議会は「100 % Clean Energy Act of 2018」として知られるSB100法案を採択し、9月10日にはブラウン知事が署名して発効された。

同法案の主な項目は以下の通り。

再生可能エネルギー利用割合基準(RPS: renewable portfolio standard)の目標値を、2024年までに40%から44%に、2027年までに45%から52%に、2030年までに50%から60%にそれぞれ引き上げる。

残り40%の電力は、2045年までに「ゼロカーボン」リソースで発電する。

同法案では、州政府当局に対して、同州でのゼロカーボン電力システムへの移行が、米国西部の系統区域における温暖化ガス排出量の増加につながらないよう配慮するよう要求している。

2018-10-17 トランプ政権とカリフォルニア

トランプ政権は、連邦の小型車の温室効果ガス排出基準及び燃費基準を緩和し、カリフォルニア州が独自に基準を設定できる権利の無効化を提案

トランプ政権下の環境保護庁(EPA)及び運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、オバマ政権下で決定された乗用車と小型トラックの温室効果ガス(GHG)排出基準、企業平均燃費(CAFE:Corporate Average Fuel Economy Standard)基準について、基準値を緩和するための新たな規制案「2021-2026年型乗用車及び小型トラック向けの安全かつ適切な費用負担の自動車燃費基準 (Safer Affordable Fuel-Efficient Vehicles Rule for Model Years 2021-2026)」を発表した。

主なポイントは、以下の2点。

2021年型から2026年型までの乗用車及び小型トラックの平均燃費を2020年水準で凍結する。

カリフォルニア州が独自に基準を設定できる権限を撤廃する。

今後、パブリックコメントを経て、早ければ今冬に確定の見通し。

カリフォルニア州は本案撤回を求めて徹底抗戦する構えであり、同州が率いる18州も、現在の排ガス規制を維持するべきと訴えている。

2018-10-10 水素ステーション200箇所の設置を目指す

CARBが燃料電池自動車及び水素ステーションネットワークに関する2018年版の報告書を公表

 

カリフォルニア州大気資源委員会(CARB: California Air Resources Board)は「燃料電池自動車及び水素ステーションネットワーク開発に関する年次評価報告書2018年版( 2018 Annual Evaluation of Fuel Cell Electric Vehicle Deployment & Hydrogen Fuel Station Network Development)」を公表した。

主な内容は以下の通り。

産業界の試算によると、カリフォルニア州では2018年5月までに合計4,819台の水素燃料電気自動車が出荷された。

同州では、現在36箇所の水素ステーションが稼働しており、また、28箇所の新設予定ステーションに対してファンドが当てられている。2020年末までには合計64箇所のステーションが稼働すると見込まれる。

自動車メーカー燃料電池自動車の市場拡大に対する自信を高めていることから、予想販売台数が増加している。CARBは、2021年までに23,600台、2024年までに47,200台の燃料電池自動車が走行していると予想している。

カリフォルニア州ブラウン知事が掲げる「2025年までに水素ステーション200箇所を設置する」という目標、また、California Fuel Cell Partnership が掲げる「2030年までに燃料電池自動車100万台の普及、水素ステーション1,000箇所を設置する」という目標を達成するためには、燃料電池自動車の採用と水素ステーションの開発を加速させる必要がある。

2018-10-09 California Customer Choice

CPUCが発展し続ける電力市場を評価したレポート「California Customer Choice」を公表しました!

カリフォルニア州公共事業委員会(CPUC: California Public Utilities Commission)は、発展する電力市場を評価したレポート「California Customer Choice」を公表しました。市場では、分散電源、CCA(community choice aggregation)、その他のオプションが台頭し、急速にこれらの採用が進んでいることに伴い、消費者は電力サービスに関して様々な選択を行うことができるようになっています。

当該レポートでは、この変化が同州の「手頃な価格での脱炭素化、信頼性確保という政策目標を達成する手腕」にどのような影響を及ぼすかについて調査しています。

具体的な提案をするのではなく、「同州の電力政策決定者と利害関係者が、現在の電力市場の変化に対応するための計画を作成する必要性と、この移行を管理するための次のステップについて協議するための基礎情報を提供しています。

2018-09-30 電気自動車

SCEがCPUCに対し、電気自動車インフラ整備プログラム「Charge Ready」の拡張を申請したとのことです。

SCE(Southern California Edison)社は、「Charge Ready」という電気自動車のインフラ整備プログラムを拡張するための申請書を、カリフォルニア州公共事業委員会(CPUC: California Public Utilities Commission)に提出した。

当該プログラム第一段階で、SCE社は既に最大1,500箇所の充電ステーション配置について承認を受けており、今回の第二段階では最大48,000台の充電ポートの建設を支援することが提案されている。当該プログラムの期間は4年間で、費用は$760.1M$と計画されている。下表に、Charge Ready 2を構成する各プログラムの詳細が示される。

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当該プログラムに関する詳細については以下のリンク参照:

http://www3.sce.com/sscc/law/dis/dbattach5e.nsf/0/AA563CC19C1B4586882582C200659158/$FILE/A1806015-%20SCE%20Charge%20Ready%202%20Application.pdf

2018-09-25 需要家サイドの電力マネジメント

LBNLがエネルギー効率化プログラムによる節電の費用対効果に関するレポートを公開しました!

ローレンス・バークレー国立研究所(LBNL: Lawrence Berkeley National Laboratory)は、電力会社のエネルギー効率化プログラムを通じて、どれぐらいコストを節約できたかを分析したレポートを公開しました。

節電するためのコストは地域により大きく異なっていますが、2009年から2015年の間にプログラム管理者が負担したコストの全米平均は、約$0.025/kWhであったと算出しています。家庭部門での電力効率化については、照明の節電に対するインセンティブプログラムの費用対効果に大きく影響し、節電量全体の45%を占める一方で節電コストが約$0.011/kWhであったとのこと。

下図は家庭部門向けの各プログラムについて算出された節電コストが示されている。

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2018-09-20 グリッド計画

アリゾナ州の事業委員会がブロックチェーン技術の利活用に係る調査手続きを開始

アリゾナ事業委員会(Arizona Corporation Commission)は、エネルギー部門におけるブロックチェーン技術の活用可能性を調査するための手続きを開始した。州の公共事業委員会がブロックチェーン技術の調査を行う手続きを開始する初のケースと考えられる。Andy Tobin委員は、アリゾナ州電力近代化計画(Arizona Energy Modernization Plan)に従事して新技術を調査した後、今回の手続き要請を行った。同委員は今回の調査で、「IoT、エネルギー取引、サイバーセキュリティ、電力会社の会計・簿記、再生可能エネルギー関連クレジットのトークン化および追跡機能、系統内での分散台帳技術の活用」といった幅広いトピックを網羅することができるとしている。

本件の詳細については以下のリンク参照: https://www.azcc.gov/divisions/administration/news/2018releases/7-16-18-tobin-blockchain.asp

HPUCがマイクログリッドサービス料金の創設に係る調査手続きを開始  

ハワイ州公共事業委員会(HPUC: Hawaii Public Utilities Commission)は、HECO(Hawaiian Electric Company)社に対して、マイクログリッドサービス料金(microgrid services tariff)創設に関する調査を行うための手続きを開始した。今回の動きは、下院法案House Bill 2110が先月署名され法制化されたことを受けたものであり、マイクログリッドの開発の促進を目的としている。同法案で議会は、マイクログリッドは自然災害時における回復力を提供することができ、また再生可能エネルギーの統合を可能にするとしている。

本件の詳細については以下のリンク参照: https://dms.puc.hawaii.gov/dms/DocumentViewer?pid=A1001001A18G11B02350A00305

2018-09-19

ハワイでサイミン

ハワイで、来週末まで、エネルギー事業者巡り中。

今日は訪問の合間に、The Old Saimin Houseでランチ。

お腹にとてもやさしいスープと麺。

日本のラーメンが軒並み15ドル(+tax/tip)するなかで、Large Sizeが5.25ドル。f:id:YukioSakaguchi:20180919121529j:image:w640

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2018-09-18

2016年のカリフォルニア州の温室効果ガス排出量が、1990年の排出量を下回ったそうです。

カリフォルニア州大気資源局(CARB: California Air Resources Board)は、同州の2016年の温室効果ガス排出量が1990年の排出量を下回ったことを発表した。AB32では、1990年の温室効果ガス排出量(431Mトン)を2020年までに下回るという目標が設定されていたが、当該目標を数年前倒しで達成する結果となった。年間の温室効果ガス排出量(annual GHG inventory)については、同州の温室効果ガス排出権取引プログラム(cap and trade program)の対象となっている企業が作成した報告書のデータを集めて算出されており、検証に2年間を要する。CARBの報告書ハイライトは以下の通り。

2016年の温室効果ガス排出量は429Mトンで、ピークとなった2004年より13%削減されたこととなる。2004年から2016年の同期間でカリフォルニア州の経済は26%成長している。

一人当たりの排出量は、ピークとなった2001年の14トンから2016年の10.8トンまで23%削減されており、全米平均のおおよそ半分であった。

下図には、同州における2016年の部門別温室効果ガス排出割合が示されている。

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部門別の2016年の温室効果ガス排出量は、発電部門において再生可能エネルギー利用割合基準(renewable portfolio standard)が効果を発揮し、マイナス18%と削減に最も大きく貢献した。産業部門の排出量はマイナス2%、輸送部門の排出量はプラス2%であった。同州における次の温室効果ガス削減目標は、2030年までに1990年比マイナス40%以上である。

カリフォルニア州も2045年までにクリーンエネルギー発電を100%に

すでにいろいろなところで取り上げられてはいるが。

カリフォルニア州議会は「100 Percent Clean Energy Act of 2018」として知られる法案SB100を採択した。

同法案の主要2項目は以下の通り。

  • 再生可能エネルギー利用割合基準(RPS:renewable portfolio standard)の2024年の目標値を40%から44%に、2027年の目標値を45%から52%に、2030年の目標値を50%から60%にそれぞれ引き上げる。
  • 残り40%の電力を、2045年12月31日までにゼロカーボンであるリソースで発電する。

同法案はまた、州政府当局に対して、「同州でのゼロカーボン電力システムへの移行が、他の西部系統での温暖化ガス排出量増加につながらない」よう配慮することを要求している。

SB100はブラウン州知事の署名し、法制化された。

のこり40%の取り扱いがなかなか微妙ですが。。。(再エネ発電とは言っていない)

2018-09-15

直流電力を用いた配電

距離送電での高圧直流電流送電はメリットがあり、カリフォルニア州でも3箇所で使われているが、地域への配電はエジソンテスラの直流・交流の争いでテスラが勝って、交流がほぼ全地域で使われている。

しかし、サンフランシスコ市内では、何十年も前に直流電源が配電されていた折に設置された、直流モーターで巻き上げる方式のエレベーターが未だに稼働を続けているため、PG&Eはいまだに直流配電を続けている。

この直流配電(250 Vdc)は、すでに133年の歴史を持っており、PG&Eは交流配電と並行してメンテナンスしている。

顧客数は約900社とのこと。

う〜〜ん、知らなかった!!

↓電信柱に設置されている交流→直流変換器

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↓エレベーター巻き上げ用の直流モーター(年代ものだけど稼働しているうちは停められない)

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↓地下に設置されている交流と、直流変換器と需要家に直流を届ける電線

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2018-09-13

水素発電の電気自動車

テスラや他の電気自動車が注目を集める中、水素発電(Fuel Cell)の電気自動車もカリフォルニア州では頑張っている。

以下は、カリフォルニア州大気資源委員会(CARB)が発表した「2018年水素燃料電気自動車および水素燃料ステーションネットワーク開発に関する年次評価報告書から

  • カリフォルニア州では2018年5月までに合計4,819台の水素発電の電気自動車が出荷された。
  • 同州では、現在36箇所の水素ステーションが稼働しており、また、28箇所の新設予定ステーションに対してファンドが当てられている。
  • 2020年末までには合計64箇所のステーションが稼働すると見込まれる。
  • 自動車メーカーが水素発電の電気自動車市場拡大への自信を高めていることから、予想販売台数が増加している。
  • CARBは、2021年までに23,600台、2024年までに47,200台の水素発電の電気自動車が走行していると予想している。
  • 2025年までに水素ステーション200箇所を掲げるブラウンカリフォルニア州知事の目標、また、2030年までに水素発電の電気自動車100万台および水素ステーション1,000箇所を掲げるCalifornia Fuel Cell Partnershipの目標を達成するためには、水素燃料電気自動車の採用および水素ステーションの開発を加速させる必要がある。

North 1stと、101の角のガソリンスタンドに、水素ステーションが併設されているが、MIRAIがよく停まって、水素を充填している。

なお、日本では「Fuel Cell」を「燃料電池」というが、これはとんでもない誤訳です。

Fuel Cellは、電池ではない。発電装置です。

2018-09-12

新社会システム総合研究所で「ブロックチェーン」に関して講演

まだだいぶ先ですが、10月17日18日(木)に「米国のエネルギー×ブロックチェーン最前線」というタイトルで4時間しゃべります。

最近色々考えている「分散電源」の今後のあり方を私なりに突き詰めてみました。

「Utility 4.0」はおそらくこの方向に行くと思います。

http://www.ssk21.co.jp/seminar/S_18372.html

添付は前回の新社会システム総合研究所での講演の模様。

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2018-09-03

Southern California Edison(SCE)社の電気自動車への取り組み

ロスアンジェルスを中心とする電力会社のSCE(*)社は、「Charge Ready」として知られる電気自動車関連のインフラ整備にかかるプログラムを拡張するための申請書を、カリフォルニア州公共事業委員会(**)に提出。

当該プログラム第一段階において、SCE社は最大1,500箇所の充電ステーション配置について承認を受けている。

今回の第二段階では最大48,000台の充電ポートの建設をサポートすることが提案されている。

このプログラムの期間は4年間、費用は$760.1M計画されている。

下表には、Charge Ready 2を構成する各プログラムの詳細が示されているが、$760Mですか〜〜〜〜

半端じゃない額ですね。

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(*)SCE(Southern California Edison)

(**)CPUC: California Public Utilities Commission

2018-09-02

アリゾナにおけるブロックチェーン活用の試み

米国では、エネルギーマネージメントの幾つかの手法にブロックチェーンを活用しようとする試み始まっている。

アリゾナ事業委員会(Arizona Corporation Commission)は、電力部門におけるブロックチェーン技術の活用可能性を調査するための提案手続き(docket)を開始した(docket:法案等を提案・審議するための一連の手続き)とのこと。

全米の州の事業委員会がブロックチェーン技術の調査を行うための手続きを開始するのは今回が初めてとみられるらしい。

Andy Tobin委員は、アリゾナ州電力近代化計画(Arizona Energy Modernization Plan)に従事した際に新興技術を調査し、今回の手続き要請に至ったとのこと。

委員は今回の調査について、下記の幅広いトピックを網羅することができるとしている。

  • IoT
  • トランザクティブエネルギー(transactive energy)
  • サイバーセキュリティ
  • 電力関連の会計・簿記
  • 再生可能エネルギー関連クレジットのトークン化および追跡機能
  • 系統内での分散台帳技術活用

筆者は、個人的にはまずは「電力関連の会計・簿記」から始まって、徐々に広げていくべきかと思うが。。

2018-09-01

シリコンバレーに帰還

2週間ぶりにシリコンバレーに。

シリコンバレーに帰ってきたら、すっかり秋でした。今日の気温は17度。とても涼しい。

今日の帰りのANAの機内食です。

相変わらず、お肉系のみ。

 カツ丼    :1,295 kcal

 ハッシュドビーフ:1,148kcal

う〜〜ん、美味しいかどうかは別にして、600 kcalぐらいにして欲しいと思うのは僕だけだろうか....

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2018-08-30 ブロックチェーン

ブロックチェーン

今回、2箇所で講演させてもらったが、僕としては初めてブロックチェーンを話題に取り上げた。

感想としては、やはり、「話題にはなっているが何がどうエネルギーに役立つのかわからない」というのが正直なフィードバックだった。

反面、ガートナーのハイプカーブでは、ブロックチェーンはすでに「過度な期待のピーク時」から「幻滅期」に移行しているという。

「さもありなん」という気持ちと、LEAP社のアプローチとかを見ると「これから期待」という気持ちもある。

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2018-08-29

TIC(技術情報センター)での講演

8月29日に、TIC(技術情報センター)で講演。

今回は、定置型エネルギー貯蔵と分散電源のアグリゲーションビジネスがテーマ。

カリフォルニアやハワイの進んだ取り組みを実例を挙げながら説明しました。

30名の方にご参加いただき、極めて活発な議論をさせていただきました。

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2018-08-26 早稲田大学 スマート社会技術融合研究機構

スマート社会技術融合研究機構での講演

今回の日本出張のメインイベントの早稲田大学・スマート社会技術融合研究機構での8月23日の講演会の写真。

台風の中、関西、北海道、北陸等からお越しいただいた方を含め、80名程度の方にご参加頂けました。

エネルギーのデジタル化、ホームコネクッテッドデバイス、デマンドレスポンス、ブロックチェーンのエネルギーへの適用等について3時間、熱く語らせてもらいました。

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日本に来るたびに台風が追いかけてくるように感じるが気のせいかな?

2018-08-12

TIC(技術情報センター)で講演

8月29日に、TIC(技術情報センター)で講演します。

定置型エネルギー貯蔵と分散電源のアグリゲーションビジネスがテーマ。カリフォルニアやハワイの進んだ取り組みを実例を挙げながら説明します。

有料ですが、誰でも参加可能です。

一人で4時間喋るといういつもの過酷な設定です😊。

詳細は、こちらから。

2018-08-11

ハワイにおけるバッテリー設置

今回のハワイ滞在中に、商業施設に設置された大型のエネルギー貯蔵装置(バッテリー)のサイトを何箇所か調査。

ハワイは、電気代(kWh)も、デマンドチャージ(kW)も高いので、バッテリーを導入するコストは5年程度で元が取れるとのこと。

バッテリー価格の低下に伴って、これから数年間は倍々で設置が進むと見込まれる。

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う〜〜ん、日本とはそもそものバックグラウンドが違うが、こういう風にエネルギー貯蔵が本格化するのは何年後のことだろうか。。。