クリーンエネルギー研究所(シリコンバレー)

2016-12-02

東京大学教養学部で特別講義

ご縁があって、東京大学教養学部でエネルギー問題に関しての特別講義の講師をつとめさせていただいた。

いつもはプロ相手の専門性の高い講義が多いが、この特別講義では、基本に立ち返って「そもそもエネルギーって何?」から一緒に考えてみた。

風に舞う銀杏がとても幻想的だった。

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2016-11-27

日本での公開セミナー

明日から日本に出張です(今年7回目)。

今回もいろいろなところで講演させていただきますが、下記は公開セミナーです。

http://www.tic-co.com/seminar/20161206.html

まだ席に余裕があるようですので、米国のエネルギー問題に興味のある方は是非ご参加ください。

10:30〜16:30の6時間の長丁場で講師は私一人ですが、(おそらく)退屈はしないと思います。

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2016-11-21

アリゾナ電力

先週木曜日は、経産省(エネ庁)、早稲田大学(ACROSS)からの訪問者と、フェニックスにあるアリゾナ電力(APS)本社を訪問し、ワークショップを開催した。

それぞれの電力系統運用の問題点と今後の進め方と通信インターフェースにかんしてフランクに意見交換。

非常に有意義ワークショップであった。

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2016-11-19

CAISO

昨日(11月18日金曜日)は片道3時間運転して、FolsomにあるCAISOへ。

ランチを含めて、3時間近くの打ち合わせ。

CEOのStephen Berberich氏があいさつに現れた(極めて珍しい)。

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訪問者は、経産省(エネ庁)、東京電力早稲田大学、クリーンエネルギー研究所(阪口)の6人。

1週間、同じメンバーで分散電源メーカーや電力会社を訪問したが、非常に有意義な1週間であった。

2016-11-14

風力発電

米国の風力発電は、一時のブームが過ぎて、ここ数年は元気がない。

昨年は、わずか2GWの新規設置。ピークの2012年には年間10GWの新規設置があったが。

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相変わらず、累計設置量のダントツはテキサス州で17GW。

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州の総電力需要のうち風力発電が占める割合が高いのは下記の州。

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2016-11-13

Walmart社

Walmart社は、アメリカ合衆国アーカンソー州に本部を置く世界最大のスーパーマーケットチェーンであり、全米に5,000店舗以上を有し、売上額で世界最大の企業である。

全米で最大の銃販売業者でもあり、なにかといろいろな所で叩かれる。以下は、Wikipediaより抜粋。

アメリカ合衆国においては、個人商店(小規模商店)や地元資本の小規模スーパーマーケットしか存在しないような小都市に進出し、安売り攻勢で地元の競合商店を次々倒産に追い込んだ挙句、不採算を理由に撤退するという形(いわゆる焼畑商業)で地元の経済を破壊する事例、いわゆる買い物難民の発生が相次いだため、進出計画を反対される案件が相次いでいる。

また、安価な輸入品(特に中華人民共和国製)を多く販売するため、アメリカ合衆国の製造者団体等から「自国の雇用をないがしろにして自社の利益の向上のことしか考えていない」という批判を受け、積極的に自国製品(外国においてはその国の製品)を取り入れるという姿勢を取り始めている。

従業員の労働条件の悪さも有名であり、低賃金非正規雇用従業員を多用して、正社員としての本採用に消極的な上に、労働組合がないうえ、組合結成の動きがあれば社員を即刻解雇するなどの不当労働行為が後を絶たない。

マウンテンビューの我が家のそばのWalmartも、その周りはかなり異様な雰囲気だったりする。

その故かもしれないが再生可能エネルギー発電(特に太陽光発電)には力を入れている。

Walmart社は2015年の時点で142MW分(!?)の太陽光発電を導入しており、再生エネルギーで消費電力を100%カバーするという目標の達成に向けて動いている。 これは、9月のSPIでもWalmartの担当者が力説していた(下の写真)。

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そして今度は、エネルギー貯蔵システムによる戦略についても実行に乗り出すらしい。

すでに17件のエネルギー貯蔵システム関連プロジェクトを展開しており、そのすべてがカリフォルニア州で実施されている。使用されているバッテリーは、太陽光発電システムにつながれた合計6システムの「200kW/400kWh」のバッテリーである。

Walmart社の副社長であるMark Vanderhelm氏によると、これらのシステムは現在、同社電力消費に関して使用時間の調整やピークデマンドの削減に役立てられているとのことである。

現在のところ明確なタイムラインはないが、将来的には周波数調整やデマンドレスポンス、容量市場への入札、緊急時用バックアップ電源、また、マイクログリッドシステムとの連結も目指しているとVanderhelm氏は述べている。さらに、バックアップ電源としての機能を持つことにより、自然災害などの緊急時には同社がコミュニティーハブとして地域に貢献することを目指したいとの意向を同氏は示している。同社は過去に、悪天候に見舞われた地域の住民を実際にサポートしたという実績があり、そこでの経験がこのビジョンにつながっているとみられる。

Walmart社はすでに、建物の屋根や駐車場に大容量の太陽光発電システムを設置しており、いくつかの店舗ではマイクログリッドも導入している。

今回エネルギー貯蔵システムを導入することにより、完全自立型の電力供給システムを確保することができると言っている。(本当かな!?)

ディーゼル発電は安価バックアップ電源を可能にするが、一旦燃料が切れると機能することができない。一方で、エネルギー貯蔵システムは、太陽光発電をグリッドが復旧するまでの間系統から切り離され、クリーンなバックアップ電源を継続的に供給することができる。

同氏は、具体的な金銭面でのメリットを試算することはまだ難しいが(そりゃそうだ!!)、顧客にサービスを提供する新たな機会が得られることが期待されると述べている。他のグリッドサービスによって得られる収益とともに、Walmart社のエネルギー貯蔵システムへの投資もまた将来の収益につながることが期待されるとか。

全米の商業施設向けのバッテリーは、2013年以降で50.7MW程度が設置されている。

Walmart社は全米に5,000店舗以上を有している。仮に250店舗程度で200kWのバッテリーが導入されたとすると(250 x 200 kW=50MW)、それだけで現在の商業バッテリー市場全体の設置容量に達すると見込まれる。

2016-11-09

フライホイールの慣性力を用いた周波数調整

フライホイールのうち、すでにニューヨークで稼働中の施設を下図に示す。

この施設は、200台のフライホイールからなり、20MWを15分間貯められる

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http://beaconpower.com/stephentown-new-york/

下図はペンシルベニア州で稼働中の施設。こちらも200台で20MW。

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バッテリーの充放電を用いるのではなく、物理的な「慣性力」を用いた「ガナバフリー」的な周波数調整が可能である。

仮に、カリフォルニア州のピーク電力量を40GWとし、「ガバナフリーの火力発電所が無くなる」ことにより必要な「周波数調整しろ」をその2%とすると800MWの慣性を用いた調整能力が必要になる。

すなわち、この写真のような20MWの施設が40箇所(20MW x 40箇所=800MW)あれば良いことになる。

フライホイールの特徴を復習。

  • 極めて短時間だが、エネルギーを回転運動(慣性)に貯めることが出来る
  • 円盤を高速回転させ電気エネルギーを回転の運動エネルギーとして貯蔵
  • 瞬間停電時に回転の運動エネルギーを電気エネルギーに変換して、電源を供給する
  • 内蔵バッテリーを持たないので、バッテリー交換などのメンテナンスが不要

2016-11-07

ガバナフリー

昨日のフライホイールの記事の続き。

再生可能エネルギー発電が増えると相対的に「火力+水力+原子力発電」が減る。

これらの従来型の発電は「同期型の発電機」であり、これが減ることは大きな問題となる。

因みに、同期型の発電機をWikiPediaで調べると、

同期発電機は、界磁の作る磁界が電機子巻線を横切る回転速度に同期した電力を発電する交流発電機である。

回転子が界磁の、回転界磁形が一般的に用いられる。

誘導発電機と比べると次のような特徴がある。

  • 系統投入時の突入電流が小さい。
  • 力率の調整が可能である。
  • 周波数が一定であれば定速度で運転が可能であり回転系の振動設計に有利。

何が嬉しいかというと、「ガバナフリー」である点である。

「ガバナフリー」とは、電源というものは負荷(需要)が変わると周波数がそれに伴って変わるが、それを自動調整できるありがた〜〜い能力である。

そもそもは、発電機の回転速度を負荷の変動のいかんにかかわらず、一定の回転速度を保つように、動力である蒸気および水量を自動的に調整する装置である調速機 (ガバナ)と呼ばれる装置が一般的であったが、近年の大型の同期型の発電機(1基500MWとか)は、この「ガバナ」が不要で、自分で勝手に調整してくれる「ガバナフリー」と呼ばれる機能を備えるようになった。

で、今後非同期型の太陽光発電が劇的に増えて、反対に「ガバナフリー」であった火力発電が(相対的に)減ると、行わなければいけない周波数調整がより大規模になる。

例えば、「ガバナフリー」の発電機(火力+水力+原子力)が80%を占めているカリフォルニア州で、再生可能エネルギー発電が半分とかになると、今まで周波数調整にピーク電力の2%程度のリソースを用意しておけばよかったものが、4%とか5%とか用意しなければ周波数がグリングリン変動し、色々な装置に悪影響を及ぼし、最悪停電につながる。

中部電力のこの資料がわかりやすい。

https://www.occto.or.jp/oshirase/kakusfuiinkai/files/chousei_02_03_01.pdf

2016-11-06

フライホイールシステムでの短期間でのエネルギー保存

エネルギーとは、熱、運動、位置、化学反応のやりとりの一形態であり、また人間の体内でのありとあらゆる動き(細胞・腱・脳・臓器)の重要な機動力である。

位置と運動と熱と化学ポテンシャル等を相互にやり取りする事で我々の生活なり、さらに大きく言うと宇宙は成り立っている。その一過性になりがちなエネルギーをどうやって保存するかが今後の人類の生産活動や生活に大きなインパクトを与える。

数億年前の太陽エネルギーを元に蓄えられた化石燃料(石炭・石油・天然ガス)を、人類がふんだんに消費できる時代は今後100年以内に終わる。異論はあるものの、今後は再生可能エネルギーを使わなければいけない。しかし、再生可能エネルギー発電は、自然に依存するために、常に「どうやってエネルギーを保存するか」という議論と背中合わせになる。

「エネルギーの貯蔵」にはいろいろな方法があるが、電力貯蔵という事では、揚水発電が今時点では圧倒的な容量を誇る。リチウムイオンバッテリーは、ここ5年間で極めてドラスティックな価格低下と信頼性向上を成し遂げた。しかし、筆者はもっといろいろな「エネルギーの貯蔵方式」があってしかるべきだと思うし、その一つは「フライホイールシステム」である。

ということで本題。

ハワイ電力(HECO)とAmber Kinetics社は、フライホイールシステムの能力を評価するためのエネルギー貯蔵システムパイロットプロジェクトを共同で実施することを決定した。

Amber Kinetics社は、商業用では初となる4時間分の容量を備えたフライホイールを、オアフ島にあるHECO社のCampbell Industrial Park発電所に設置する予定であり、HECO社は運用時の性能の評価を行う。

HECO社は、2045年までにハワイ州の供給電力を100%再生可能エネルギーで賄うという目標を達成するために、再生可能エネルギーによる供給の安定化、ピーク電力のシフト、フレキシブルな容量、アンシラリーサービス等の用途について検証を行う。

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因みに、筆者は物理学徒ということもあり、化学反応によるエネルギーの貯蔵よりも、こういう物理原理(運動や位置)を利用したエネルギー保存に対して思い入れと安心感がある。

2016-11-05

ネバダ州のNEMルールの改正

散々もめていたネバダ州のNEMルールの改正の一部がとりあえず落着。

NPUCは2015年12月にNEM(ネットエナジーメータリング制度)を廃止したが、その結果新規の太陽光発電所有者の数が著しく減少している。

しかも、ただ単に新規の受付を停止するだけではなくて、32,000件のすでにNEMで契約している既存の太陽光発電所有者に対しても、NEM制度を用いた小売価格での売電を廃止すると宣告した。

で、当然のことだが大問題+訴訟になった。SolarCity社が訴訟の急先鋒

散々もめた挙句、SolarCity社、消費者保護局(Bureau of Consumer Protection)、NV Energy社、およびNPUCは、2015年12月31日以前にルーフトップソーラーを導入した消費者への新しいNEMルールの適用を20年間除外し、小売価格での補償(売電)を行うという契約時のプログラムを保証することで合意に至った。

う〜〜ん、当たり前と言えば当たり前だが、こういう「とんでもルール」を州政府が決めてしまうところがいかにもアメリカである。

しかし、新規契約顧客に関しては、大幅に改定されたNEMルールが適用され、売電価格は大幅に下がる。

NPUC:Nevada Public Utilities Commission: ネバダ州公共事業委員会

2016-11-02

IEEE 2030.5

IEEE ワークショップ2日目。

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今日の方が具体的で面白い。

サイバーセキュリティーがホットトピックス。

完全な解は無いが、どうやって被害を最小限で収めるかが大事だと感じる。

IEEE ワークショップに2日間参加して、今後分散電源が増えた場合に起こりうる問題点の解決を志向する多くの人と知り合いになれた。

ところで、いつものことだが、話を実態以上にややこしくするために(!?)、アメリカでは似たような4文字略語を頻発する。

今回は、下記の2つの略語(シーゼップ & シージップ)が議論の中で錯綜。とても聞き分けられないし、聞いた瞬間にはそのイメージが頭にわかない😭。

CSEP(シーゼップ) : Consortium of SEP2 Interoperability

CSIP(シージップ) : Common (又はCalifornia) Smart Inverter Profile

最初のCSEPは、IEEE2030.5(SEP2)の相互通信性を考えるコンソーシウムの名称。

2番目のCSIPは、その相互通信性を含め、スマートインバーターがどうあるべきかをカリフォルニア州(なり、それぞれの電力会社)が規定するプロファイルの内容。

どういう風に使われるかというと、「CSIP(シージップ)がどうあるべきかの議論をCSEP(シーゼップ)で行っている」

う〜〜ん、はっきり言って無理である。

2016-11-01

IEEE2030.5(SEP2)のワークショップ

IEEE2030.5(SEP2)のワークショップの1日目が無事終了。

分散電源間の通信プロトコルに関して、非常に多くの情報を得た。

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下の写真は、今回のワークショップの責任者のDr. James Mater との記念撮影。

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2016-10-28

PG&Eのスマートインバーター実証試験サイト

今日は、PG&Eのスマートインバーター実証試験サイトを訪問。

今後、再生可能エネルギー発電が大幅に増え、かつその多くが分散電源になった場合、電力網の安定化はインバーターの性能にかかってくる。

カリフォルニア州とハワイ州では、2017年9月以降、Rule 21に規定された高機能で通信機能を持ったインバーター以外は、一切電力系統に連係できなくなる。

今日伺った実証試験サイトでは色々なメーカーのインバーターがテストされていたが、日本メーカー製はゼロでした。

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地域別デマンドレスポンス

昨日の記事の続きだが、米国のいろいろな地域におけるデマンドレスポンス可能量には大きな違いが有る。

下図は、GTMによる、地域ごとの比較。

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カリフォルニア州がいかに少ないかが分かる。

2016-10-26

デマンドレスポンスに関する変更

カリフォルニア州では「デマンドレスポンス」は今ひとつ盛り上がっていない。

理由はいろいろあるが、筆者が感じる理由は

(1)そもそも発電リソースが余っている(「今時点では」という注釈付きで)

(2)そのため、面倒くさいてコストがかかるデマンドレスポンスを真面目にやりたくない

である。

そうは言うものの、今後

(3)ガス火力発電所が順番に止まっていく(OTCの発電所はさようなら)

(4)再生可能エネルギー発電が増えて行く(2030年で50%です!!)

(5)上記より、ガバナーフリーの同期型の発電施設が減り、インバーターを介する非同期型の発電が劇的に増える

という背景のもと、CPUC(California Public Utilities Commission: カリフォルニア州公共事業委員会)は8月30日、同州のデマンドレスポンスに対して大幅な変更を加える計画を発表した。

計画では、2018年までに化石燃料をリソースとする発電をデマンドレスポンスの対象外とすること、また2010年代中に現在の電力会社主導モデルから、第三者事業者に開かれた市場モデルに変更すること、が提起されている。

カリフォルニア州では、電力会社が個々のプログラムにおいてデマンドレスポンスを完全にコントロールしており、パフォーマンスが悪いことから長年にわたってその改善策が検討されてきた。CPUCは昨年より対策を講じており、現在のところ、電力会社に対しては第三者からのデマンドレスポンス調達義務やDRAM(Demand Response Auction Mechanism)の開始を義務付けている。そして今回新たな計画の提起を行ったのである。

今回の提案においては、何百MWもの従来型のデマンドレスポンスを新しいデマンドレスポンスに置き換えるという点や、様々な新しいリソースを受け入れる点では、今後の同様案件に対するモデルとして示すことができる可能性がある。新しいリソースとしては、スマートサーモスタットや、建物管理の自動化、需要家側設置のバッテリー、PEV(プラグイン電気自動車)等がある。

GTM Research社のアナリストElta Kolo氏は、今後デマンドレスポンスプログラムにおいては電力会社の役割が小さくなり、第三者が台頭していくであろうと見込んでいる。また、今回のCPUCの提案について以下3つの特徴を挙げている。

⑴ 化石燃料をリソースとするバックアップ発電の撤廃

CPUCは、2017年末までに、ディーゼルや天然ガス、石油、プロパン等の化石燃料をリソースとするバックアップ発電を禁止したい考えである。カリフォルニア州のSGIP(Self-Generation Incentive Program: 自家発電インセンティブプログラム)が改訂され、天然ガス火力や化石燃料をリソースとする発電、熱電併給システムは同プログラムより除外されることとなった。今回の提案はこのSGIPと足並みを揃える内容となっている。

⑵ 第三者間の競争

今回の提案では、より応答の早いデマンドレスポンスを確立すること、容量およびアンシラリーサービスにおいて将来的に必要とされる要件をクリアすること、を実現するために、新しいモデルを構築することが求められており、市場主導型、競争的で技術面でのバリアがないデマンドレスポンスが期待されている。電力会社は2016年末までに2018年のデマンドレスポンスポートフォリオを提出することが要求されるとみられ、CPUCは同ポートフォリオの改善策を2017年秋頃に発行する予定である。

⑶ 電力会社の役割の変化

デマンドレスポンスが開始された当初は、市場での経験が豊富な電力会社が中心的役割を果たす事が自然であった。CAISOや第三者ベンダーの中には電力会社の関与を排除することを求める意見もあるが、CPUCは、電力会社のコントロールを全て排除してしまうのはまだ段階として早すぎる、との見解を示している。CPUCは、市場主導型のデマンドレスポンスに変換するにあたっては、電力会社と第三者プロバイダーとの間で公正な競争が行われるように取り組んでいくことが大事であり、その結果として、電力会社の役割等は自然とある方向に向かっていくであろう、との考えを示している。

2016-10-25

カリフォルニア州独立系統運用機関はさらに広域化するのか?

カリフォルニア州では、いくつもある電力会社の上に乗っかるようにCAISO(California Independent System Operator: カリフォルニア州独立系統運用機関)という組織があり、電力自由化・発送電分離に合わせてカリフォルニア州での電力網の安定化や同時同量を担ってきた。

しかし、さらに広域にした電力網の創設については、20年にもわたって検討が行われてきたが、現在CAISOの参加電力会社拡大に向けた積極的な取り組みにより新しい局面を迎えようとしている。

9月初めに、CAISOはサクラメントに 800人の関係者を集め、この電力網広域化に向けたディスカッションの場を提供した。技術的な内容や費用面でのメリットはクリアになっていることが確認されており、より広域な電力網で再生可能エネルギーを統合することによりコストを抑えることができる一方で、政治的なプロセスが厄介な障害として懸念されている模様。

広域電力網の賛成派の意見f:id:YukioSakaguchi:20161026122330j:image:w360:right

  • 2014年に開始して以来$88Mもの削減に成功しているEIM(Energy Imbalance Market: エネルギーインバランス市場)に影響を受けている。EIMでは、参加している電力会社(現在はカリフォルニア州の3大私営電力会社、PacifiCorp社、NV Energy社)に対して電力均衡のためにリソースを共有することが認められている。この先、Idaho Power社やArizona Public Service社など、他の電力会社の参加も見込まれている。
  • しかしながら、SB350(2030年までに再生可能エネルギー発電を50%にするという州法)の下、CAISOはより包括的な地域連携確立に向けて動いており、前日市場取引にまで拡大させようと意気込んでおり、東海岸の広域市場と同様に、卸売電力市場の競争を促進することも予想される。
  • CAISOがこのように積極的な働きかけを行っているのには、風力発電と太陽光発電市場の成長が背景にある。風力発電と太陽光発電はカリフォルニア州の昨年の電力供給量の14.2%を占め、新規発電のリソースの中でも最も低コストであった。ワイオミング州とアイダホ州を除くすべての州が再生可能エネルギーに関する目標(RPS)を設定しており、カリフォルニア州とオレゴン州については再生可能エネルギー利用割合基準を自ら50%に設定している。

今回のシンポジウムで発言したJerry Brownカリフォルニア州知事は、同州が再生可能エネルギー利用割合基準の目標を達成するためには、非常に優れた電力網が必要であり、各州によって状況は異なるが、広域電力網によって効率化が進むことは間違いない、と述べている。

問題となるのは、

  • CAISOの取締役会のメンバーがカリフォルニア州知事によって任命されている。
  • 広域電力網では各地域の電力会社が参加しており、各地域の規制当局も広域電力網の運用にあたり介入することを期待しているが、カリフォルニア州によって全体がコントロールされてしまうのではないか、との懸念を示している州もある。
  • 政治的な問題に加えて、当該広域電力網の運用により、既存の石炭火力発電所が新たな機会を得ることになってしまわないかとSierra Clubの担当者は心配している。
  • 一方で、Natural Resouces Defense Councilの担当者は、風力発電・太陽光発電の価格競争力に石炭火力発電撤廃の動きが早まるであろうとの見方を示している。

CAISOの広報担当であるSteven Greenlee氏は、課題として次の2点に言及している。

  • 1点目:新しいメンバーが電力網に対してどのように対価を支払うかという点である。Utah Accociated Municipal Power Systems社のHunter氏は、オーバーヘッド等の支払いにより送電にかかる費用が4倍にも膨れ上がらないかと心配している、と述べている。
  • 2点目:供給力確保。カリフォルニア州は将来の投資につながる容量市場を有しておらず、規制対象の各電力会社に15%の予備力を備えておくように要請している。CAISOが将来の容量獲得に関するメカニズムを有していないため、広域電力網についても同様にメカニズムがない。

と、いろいろな問題点が出てきているが、まあ、これらは前進のための良い議論であると筆者は思う。

東海岸のPJMは、10州以上が参加しており、「呉越同舟」状態であり、年がら年中裁判沙汰になっているが、まあそれでも前に進んでいる。

2016-10-23

Nest 社、SCE 社向けに 5 万台のサーモスタット配置へ

Nest Lab社(Googleの子会社)のスマートサーモスタットは、節電意識の高い家庭むけのデバイスである一方で、電力網安定化のためのリソースとしても注目されているが、SCE(Southern California Edison)社が本格的に採用するらしい。

筆者がよく行くホームセンターでは、箱が山積みされているが、かなり高くて、あまり売れているようには見えないが😅。

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南カリフォルニアでは、Aliso Canyonでの天然ガス漏洩問題により、来夏に停電リスクが高まることが懸念されているが、Nest社は5万台のサーモスタットを配置することによりこの問題を解決することができると考えている。

8月末、SCE(Southern California Edison)社は、Alison Canyonの天然ガス貯蔵施設閉鎖に伴う対応策の一環として、Nest社との新たな取引を発表した。本取引においては、SCE社はNest社に対して、南カリフォルニアでの負荷削減により総量にして50MW、一家庭あたり1kW分の電力を削減することにより、同地域での電力不足解消に寄与することを求めている。

取引はNest社にとっては最大となるデマンドレスポンス契約であるが、ゼロからのスタートではなく、既存のデバイスを活用することによりただちにサービスを提供することができる、と同社の電力事業責任者であるBen Bixby氏は述べている。同氏は既存顧客の数を明らかにはしていないが、対象地域における5万世帯分の設置は意欲的な目標であると述べている。

Nest社とSCE社は、新しい顧客を獲得するために、魅力のあるオファーを提示すべく資金を投入する予定である。オファーの一つには、Nest社のRush Hour Rewardsプログラム入会時のインセンティブがある。同プログラムは、2013年より実施されているSCE社のPeak Time Rebate(PTR)デマンドレスポンスプログラムの一部である。来夏のプログラムでは、はじめに$125が提供され、その後1年間にわたって最大$60が電気料金より戻される。これに通常の節電分 $130-145/年をプラスすると、サーモスタットにかかるコスト$249は1年で回収することができると見込まれる。

SCE社はCPUC(California Public Utilities Commission: カリフォルニア州公共事業委員会)の決定にもとづくAliso Canyon関連の調達に置いて非常に早い動きを見せている。CPUCの決定により、デマンドレスポンスについては、ピーク時リベートプログラムにおいて$2.25Mを追加することが認められており、そのうちスマートサーモスタット向けでは$1.65Mが認められている。

SCE社はこのほか、Aliso Canyon対策として50MW分のエネルギー貯蔵リソースを確保している。Aliso CanyonについてはJerry Brown州知事が非常事態宣言を1月に行っているが、同施設はLos Angeles Basin地域において約10GW分の電力を夏の暑い日や停電時に供給しており、完全に閉鎖されることによって電力不足が非常に懸念されている。

Nest社のサーモスタットは、運用開始後1ヶ月ほどの間に各家庭の冷暖房の使用パターンを分析し、その後自動的に暖房にかかる費用を10-12%、冷房にかかる費用を15%ほど削減してくれるという。

う〜〜ん、たしかに家の中の電力需要のかなりの部分はエアコン需要であるし、ロスアンジェルス近辺はサンフランシスコとちがって暑いので、うまくコントロールするとピーク時消費を削減してくれるとは思うが。

ここまで効果があるかどうかは少し疑問である。

2016-10-21

技術情報センターで講演

日本から帰ってきて、あれこれやっていたらあっという間に1週間が過ぎてしまった。

次回の日本出張は11月30日から12月15日です。

日本滞在中に、技術情報センターで講演します。

「アグリゲーションビジネス」がテーマで、ランチ休みを挟んで6時間の独演会です。

http://www.tic-co.com/seminar/20161206.html

2016-10-11

日本での講演

先週金曜日の株式会社開門主催の講演会

米国のエネルギーアグリゲーションビジネスに関して熱く語らせていただきました。

4時間の長丁場なので、少し多目の180枚のスライドを用意しましたが、質疑が非常に活発で、2時間後の休憩時にまだ40ページしか話せていない😅。

で、最後はマシンガントークになって、息つぎが下手なので酸欠になる、といういつものパターンでした...

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2016-10-04

エネルギーアグリゲーションビジネス

今週の金曜日に神田で講演します。

日米のエネルギーアグリゲーションビジネスについて。

まだ席は数席あるようなので、ご興味のある方はどうぞ。

http://cleanenergy.main.jp/2016/08/20/2016082001/

2016-09-15

Ivanpah

昨日ラスベガスからサンノゼに戻る飛行機の窓から撮った動画であるが、砂漠の向こうに見える3つのキラキラと輝くとても怪しい施設。

これは、 Mojave砂漠で2年前から稼働している「Ivanpah太陽熱発電施設」である。

17万枚の反射鏡で3基の集光塔に光を集め、高温の蒸気を発生してタービンを回し発電(392MW gross)する。

大量の鳥が焼け死んだり、反射鏡が誤動作して集光部じゃない所に光を集めて火事を起こしたり、予定の発電量に達せず発電単価が極めて高くなったり、上空を飛ぶ飛行機のパイロットから眩しくて目が見えなくなったという苦情が相次いだりと御難続きである。

それでも、昨年(2015年)は、650GWh発電して、カリフォルニア州南部の電力に多大の貢献をしている。

太陽が落ちた後もしばらく発電を続けるのが大きなメリット。

https://en.wikipedia.org/wiki/Ivanpah_Solar_Power_Facility

2016-09-14

太陽光発電パネルの進化

Solar Power Internationalの2日目。

太陽光発電産業を何年も継続的にモニター(定点観測)しているが、近年の「パワコン」「太陽追尾装置」の進歩は目覚ましいものがある。

今回はそれ以上に「パネルそのもの」の進化を実感した。

一昔前(5年前?)は、パネル1枚の発電量は200W-250Wであったが、今年は575Wとかが出展されている。

表も裏もガラスで完全に封止され25年の保証期間。

常に問題を引き起こす「バックシート」とか「封止材」とかも一切なし。

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2016-09-13

Solar Power International

ラスベガスで開催中の、Solar Power Internationalに参加中。

日中の温度は36度。カンファレンス会場は20度以下。寒い〜〜

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2016-09-10

カリフォルニア州を中心に米国西部の電力網が広域化するか!?

今回、California ISOシンポジウムに参加していろいろ考えることがあった。

ところで、ISOはIndependent System Operatorの略で、日本語では「独立系統運用機関」と呼ばれる。

送電網の所有権は電力会社に残したままで、複数の電力会社の上に乗っかった形になる。

電力を需要家に運ぶ際に必須となる「同時同量」を含むバランシングを行い、かつ送電網・配電網の運用・管理を電力会社から独立した組織であるISOが担う。

米国におけるISOは、米国連邦エネルギー規制委員会(FERC)が1996年に規定したOrder888によって、その設立が奨励されているおり、米国ではRTOを含め7機関存在する。

ISO

  • 送電網の運用・管理を担う、電力会社から独立した組織である。
  • 送電網の所有権は電力会社に残したままの場合が多い。
  • 米国におけるISOは、米国連邦エネルギー規制委員会(FERC)が1996年に規定したOrder888によって、その設立が奨励(注:義務ではない)されている。
  • 管轄する域内の発電会社の電力供給計画を事前に集計し、電力需給のバランスを維持し、リアルタイムで周波数を維持する責務などを持つ。

RTO

  • Regional Transmission Organizationの略。
  • ISOを州をまたがって広域化したもの。
  • ISOの機能に市場参加者からの独立性や送電網拡張計画の策定責任などの要件が付け加えられる。

2016-09-08

シンポジウム

ところで、今回のCAISOのシンポジウムに参加して感じたこと。

(1)結論のない、堂々巡りの話が多い。(通常の民間主催のカンファレンスと違って、CAISOという公の機関の主催だからかもしれない。これはこれで、民主主義・法治主義の大事なステップだなと感じた。)

(2)シンポジウム参加者に占める女性の比率が高い。

(3)パネルディスカションで壇上に上がるパネラーの30%は女性。女性のパネラーの論点は男性よりもはるかにしっかりしている。男性はうじゃうじゃ訳のわからないことを言う人が多い。

(4)男性のスーツ・ネクタイ比率が高い。カリフォルニアでは珍しい。州都サクラメントだからかも。

(5)電力会社およびその周辺産業の人たちが集まるシンポジウムだからかもしれないが、ロングレンジの話が多い。電力行政や電力料金体系がこういうプロセスを経て決まっているのだなと感じた。

次回日本出張

次回の日本出張は、9月26日から10月7日です。

最新の米国のエネルギー事情とその日本への影響にご興味のある方は、左記ホームページの連絡欄か、下記メールアドレスからご連絡ください。

 yukio@technology4terra.org

CAISO Stakeholder Symposium

3時間車を運転して、サクラメントからマウンテンビューに帰ってきた。

いろいろ勉強になったシンポジウムでした。

米国のエネルギー分野、学ぶべきことが非常に多い。

カリフォルニアでは、2000年のエネルギー危機が痛い教訓になっており、今回のシンポジウムでも「進むべきか引くべきか」という議論では、かならず2000年の反省の話が出てくる。

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今日のセッションで面白かったのはApple社のクリーンエネルギーへの取り組みであった。

2016-09-07

Western EIM

Western EIMの目標はこんな感じ。

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CAISO Stakeholder Symposium

今日と明日(9月7日、8日)は、サクラメント(カリフォルニアの州都)で開かれているCAISO Stakeholder Symposiumに参加。

電力系統運用者(ISO)がこういうシンポジウムを定期的に開くというところが、如何にもアメリカらしい。

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CAISOは今はISOだが、西部地域を統合してRTOになろうとしている。

その第1弾が、ウオーレンバフェットを巻き込んだWestern EIMだという理解である。

2016-09-03

Tesla社がSolarCity社を買収

2ヶ月前の古いニュースではあるが、Tesla社がSolarCity社を買収すると発表。

6月21日の市場クローズ後、Tesla社はSolarCity社の株を$26.50-$28.50/株、総額約$2.5Bで購入することを提案

以下、GTMの記事を元に、いろいろ考えてみる。

  • Tesla社は買収により、クリーンエネルギー関連製品を垂直に統合する世界唯一の企業となることを目指しているが、同じようなビジョンを持ってVivint Solar社を$2.2Bで買収したSunEdison社は破産に追い立てられた。
    • まあ、SunEdison社によるVivint Solar社の買収は、最初から「無謀!!」という声が多かったから参考にはならないし、Tesla社+SolarCity社とは事情がだいぶ違う。それはそうと、SunEdison社の破産はかなりショッキングなニュースではあった。
  • Tesla社のCEOであるElon Musk氏は、Tesla社がエネルギー貯蔵システム関連サービスの仕上げ段階に入っており、SolarCity社が魅力ある新製品を市場に送り出そうとしている今が好機であると語っている。これに対して投資家の反応は分かれており、Tesla社の株はクローズ後12%下がる一方でSolarCity社の株は15%以上アップ。
  • SolarCity社の株が下がっているためより安価な価格で買収することができる。
  • 2016年に入り、太陽光発電関連の株は下落しており、SolarCity社の株も今年初めより60%近く下落している。そのため、1株あたり21-30%のプレミアムを支払ったとしてもTesla社にとってはリーズナブルな価格であり、Tesla社の株が引き続き好調であることから、同社は堅実なキャッシュフローを維持することができる。
    • まあ、それはそうかもしれない。SolarCity社は、赤字ではあるがキャッシュフローはあるから。
  • Tesla社の小売店販売モデルを活用することによりSolarCity社のソーラーパネル販売状況が好転する可能性が期待される。Tesla社は、自動車メーカーとしては初めて小売店にて自動車を直接顧客に販売するビジネスを行っているが、同様の販売モデルをSolarCity社の太陽光発電事業でも構築したいと考えている。SolarCity社は顧客獲得の難しさに直面しており、太陽光発電装置の価格が下がっている一方で、新規顧客化獲得にかかる費用が増加しているが、Tesla社の小売店販売ビジネスモデルを導入することにより、改善が期待される。
    • う〜〜ん、これはほとんど無理。
  • Tesla社の自動車やエネルギー貯蔵システム購入者がSolarCity社のソーラーパネルにも関心を持つ可能性やその逆の可能性も期待されている。Tesla社のノウハウを活用することによりSolarCity社の製品をより魅力のある製品にすることが期待される。
    • う〜〜ん、これはほとんど無理。そもそも、アメリカにおいて、自宅のルーフトップに太陽光発電パネルを設置しようと考えるお客はほとんど設置を終えており、これから設置しようと思うお客が、自分で小売店に行って、設置を依頼するとはほとんど思えない。
  • Tesla社の新車Model3やエネルギー貯蔵システムのPowerwallは、販売開始前から多くの予約を獲得しており、同社には顧客を魅了することができるデザイン力が備わっている。このノウハウをSolarCity社の製品にも活用することにより、より消費者を惹きつけることができる製品の開発に成功することも期待される。
    • Tesla社のModel3も、エネルギー貯蔵システムのPowerwallもはっきり言ってうまくいっていない。
  • Tesla社のグローバルネットワークを活用し、SolarCity社は太陽光発電・蓄電サービスをオーストラリアやドイツに展開することができる。
    • え、「Tesla社のグローバルネットワーク」? それって、太陽光発電装置にはほとんど関係ないと思うけど...
  • Tesla社は、電力関連ビジネスを包括的に提供することを目指しているが、果たして実現可能かどうかは未知である。
    • 同感。

SolarCity社の現在の赤字の問題点はかなり本質的で、根が深いと筆者は感じている。

Tesla社がSolarCity社を買収したとしても、SolarCity社の業績をすぐに黒字化させることは容易なことではない。

2016-09-02

日本で10月7日に講演します。

日本(神田)で10月7日(金)に講演しますが、講演主催者の「株式会社開門」よりの案内を転記します。

詳細はこちら

【講演内容】

ここ数年で米国における再生可能エネルギーは大きく伸びるとともに弊害も指摘されています。分散電源の急激な上昇に伴う電力網の不安定化を補うための施策等も各州で矢継ぎ早に打ち出されています。この現状を踏まえ、今回のセミナーでは、下記をテーマに解説していただきます。

(1) 米国で開催されたカンファレンスの最新情報

「Intersolar/Electrical Energy Storage」(7月開催@サンフランシスコ)

「Solor Power International」(9月開催@ラスベガス)

  • ITC延長のインパクトと再エネ増加に伴うグリッドの安定化への取り組みについて
  • 最新のエネルギー貯蔵ビジネスの事例と価格動向
  • 今後のエネルギーの管理方法の方向性
  • アグリゲーションビジネスの動向
  • アドバンスドインバーターが目指す分散電源の安定化
  • 分散エネルギーはどうやって管理すべきか?
  • ハワイでの家庭向けPV接続の新ルール(CGSとCSS)

(2) 米国におけるデマンドレスポンスビジネスの動向

  • 米国におけるデマンドレスポンスビジネスの特徴
  • デマンドレスポンスはアンシラリーサービスに寄与できるのか
  • デマンドレスポンスアグリゲーターの動向
  • プラグイン車両を用いた需給調整
  • DRAM(Demand Response Auction Mechanism)の最新動向

(3) 分散電源アグリゲーションについて

  • 米国におけるアグリゲーションビジネスの動向
  • PV、エネルギー貯蔵、プラグイン車両、デマンドレスポンスをどのように統合するか
  • カリフォルニアのDERP(Distributed Energy Resource Provider)の目指すもの
  • そもそも、誰が何をどのように管理するのか?
  • アグリゲーターとスケジューリングコーディネーター
  • 電力会社の役割はどう変わるのか?

(4) エネルギー省が主導する配電網の安定化を図るプロジェクト

  • SHINE(Sustainable and Holistic Integration of Energy Storage and Solar PV)
  • SEAMS(System to Edge-of-Network Architecture and Management for SHINES)
  • 実証実験の動向

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日時:2016年10月7日(金)

会場:エッサム神田ホール1号館 602号室

主催:クリーンエネルギー研究所/株式会社開門

米政府、2020年までに低所得者層向け住宅へ合計1GWのソーラー設置を目指す

米連邦政府は今週、電力効率化と太陽光発電へのアクセス拡大を加速させるイニシアティブを発表した。

比較的金持ち層への屋根上の太陽光発電設置はそれなりに進んだが、これらを推進するためのNEMもITCもその他の補助金も、「金持ち層への優遇(税金をさらに金持ち層へ分配する)」という批判がかなりある。

これらの批判に対応するために、NEMの修正や補助金の削減等は行われているが、同時に低所得者層に対し、電力効率化や太陽光発電への投資のハードルを下げることにより、2020年までに低所得者層向け住宅全体で1GWの太陽光発電の設置を目指すとのこと。

今回のイニシアティブ(Clean Energy Savings for All Initiatives:全国で太陽光発電と電力効率化を推進するイニシアティブ)の中でも重要なのは、戸建住宅向けのPACE(property-assessed clean energy financing:不動産評価クリーンエネルギー)プログラムに関する追加の指針である。PACEプログラムは、水道水や電力使用の効率化や分散型の再生可能エネルギー発電システムに投資した場合に、その費用が固定資産税への優遇によりキャッシュバックされる仕組みであり、融資者と所有者の双方にとって低リスクである他、電力効率化市場をさらに拡大させる可能性が期待される。

現在のところ、住宅向けのPACEプログラムはカリフォルニア州とフロリダ州で積極的に展開されている。カリフォルニア州では最大となる$20億の市場を構築しており、二番手のフロリダ州も順調に伸びている。

米連邦政府は昨年、住宅向けのPACEプログラムを他の州でも普及させるべく、PACEの先取特権をFHA(Federal Housing Administration:連邦住宅局)の戸建住宅の第一担保付き融資に従属させることとした。FHAはまた、PACEローン付き物件についてFHA保証つきローンで購入しまた借り換えすることが可能となることを発表した。FHAのポートフォリオは昨年、住宅ローンの新規貸出しにおいて、購入では全体の20%、借り換えでは13%を占めている。

今回のイニシアティブにより、低所得者層に対する電力効率化、大陽光発電導入にかかる初期費用へのハードルを下げることができる。また、Renovate America社によると、FHAは公的支援を受けているローンの中でもその融資幅が最も広いため、電力効率化、太陽光発電のアップグレードに対するハードルも低くなるという。

Renovate America社は家庭向けPACEプログラムにおいて75%のシェアを有している。 Renovate America社は今回の好機を活かすべくVivint Solar社と提携することを決定し、Vivint Solar社の顧客向けにRenovate America社のPACEローンプログラムを提供する。Vivint Solar社の担当者は、今回の提携により、太陽光発電がより多くの顧客にとって利用可能なアイテムとなり、従来のローンや電力購入契約、リース契約に関しては初期費用を支出することができない人々にとってもチャンスが生まれる、と述べている。

HUD(U.S. Department of Housing and Urban Development:米住宅都市開発省)によって太陽光発電の利用可能性向上に向けた取り組みはすでに実施されている。HUDはコミュニティーソーラー等も含め、2020年までに300MWの再生可能エネルギーを連邦政府補助住宅に導入することを目標としている。今週の発表を受けて、120以上の住宅局と地域の協同組合による電力会社が36州 でコミュニティーソーラー向けに$287Mを投資する見込みである。

GTM Research社によると、現在27州でコミュニティーソーラープロジェクトが展開されており、新たに9州でプロジェクトが計画されている。コミュニティーソーラーは、家を所有しない人や太陽光発電の設置に不向きな住宅にとっては重要なプログラムである。カリフォルニア州やニューヨーク州では、低所得者層がコミュニティーソーラーにより参加しやすいよう取り組みをおこなっており、さらに米エネルギー省はイノベーティブなコミュニティーソーラープロジェクトに対して上限$100,000の補助金を提供している。

とはいうものの、これはなかなか難しいテーマであると、筆者は感じる。

2016-08-18

InterSolor 2016

その後、Inter Solar 2016 North Americaの内容についてあちこちで講演しているが、今回参加して一番感じたことは、ファイナンシングの大変さであった。

Utility向け、Business(C&I)向け、Residential向け、それぞれについて、施工者・顧客ともが納得出来るFinancial Modelを上手く作らないと、息の長い投資ができないと感じる。

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2016-08-09

早稲田大学で講演

昨日は、早稲田大学で講演。

夏休み期間中なので40名程度しかお集り頂けないかなと思ったが、70名以上にご参加いただき盛況でした。

分散電源とアグリゲーションビジネスに関しての私なりの分析と今後の方向性を、3時間かけてあれこれ喋らせていただきました。

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2016-08-01

エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス検討会

経産省のエネ庁が推進している「エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス検討会」。

「さすが日本」と思われる緻密な検討結果が出てきている。

取り組み(会議資料)に関しては↓こちらをご覧ください。

http://www.waseda.jp/across/erabf/

http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy_environment/energy_resource/003_haifu.html

http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy_environment/energy_resource/002_haifu.html

http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy_environment/energy_resource/001_haifu.html