思い切って「思い出サルベージ」に参加してきたのでした


Webでたまたま目にしたこの記事。あの東日本大震災で、市民の皆さんの思い出深いの写真アルバムも津波で流されてしまいました。自衛隊が被災地で発見後収集してくれて、ボランティアスタッフが洗浄して返却をしていることはニュースで聞いて元々知っていました。
が、具体的になにをどうしているのかは知らなかったので(リンク先は「思い出サルベージ」主催団体の「日本社会情報学会(JSIS-BJK)災害情報支援チーム」が、活動地域である宮城県山元町で開いた説明会の記録)。


で、その「思い出サルベージ」で必要なインデックス(アルバムの中で持ち主の発見につながりそうな重要な写真をピックアップし、まとめたもの)をMac+PhotoShopで作成する活動を渋谷でやるということなので、お手伝いさせていただきました。


まず、受付で名前を確認。スタッフパスをお借りして、写真データをもって帰ったり流出させたりしないという誓約書にサイン。これは大事。


最初、そもそも山元町がどういう所なのかとか、あの災害でどうなってしまったのかなどを説明するプレゼンがありました。宮城県南部で福島県にもほど近い場所で。割と海側に居住地域が集中しており、津波で南北に広く冠水してしまったみたいです。住宅があった場所も、本当に基礎だけ残して何にもなくなっていて……ショックでした。自分もわりと田舎出身なので、あの町がもしもあんなことになったら? 自分の子供のころの写真を両親がすごく大切にしてくれているのですが、ああいうことになったら? 我が身の出来事のようで。


「思い出サルベージ」では、写真見つかった地域ごとに分類し、写真をある程度洗浄したあと、さらにバラではなく一冊のアルバム(表紙が取れてしまったものも多いが、まとまっていればアルバムとしてカウント)として整理番号を養生テープに書いて表紙に張り付け、その表紙からアルバム末尾までを写真の写真を撮影(これを複写という)して、データを集約してあります。
今回参加した作業内容では、その写真のまとまりを、まず番号ごとにフォルダわけし、それからアルバムの表紙と、代表的な写真(全体を通して見て何度も被写体になっている人物がいるとか、たくさんの人物の集合写真があるとか)3点をピックアップ。写真が見やすいようにトリミングや多少明るめにするなどの加工をして、インデックス用の番号別フォルダに保存。ひたすらこの作業をやっていました。
なお、バラで見つかった写真は別に整理しているということで、この日の作業対象ではないとのこと。


で、下手の横好きで覚えたMacPhotoShopの技術が、お役に立てるのがうれしかったのです。
具体的な操作説明を聞いて、何点かやってみて要領をつかんだら、あとは黙々。黙々と作業...。


詳しい写真の内容は省きますが、海外旅行あり、卒業記念あり、子供が産まれた記念や、結婚式のアルバム、白黒写真のアルバム、写真右下の日付が20年も30年も前の写真あり......。風景写真を集めたものもあったので、この場合は地名の看板を撮影したものも代表写真として入れておきました。


み〜んな思い出。思い出。ヒトはどんなときに写真を撮るのかな。
プリクラが意外と頑丈で、しっかり貼り付いていましたしバクテリア被害も受けていないのが意外でした。まあ、あれはかなりつるつるの素材ですから、そのせいかな……。
そうなんです。海水に浸かってしまった写真はバクテリアが繁殖したりして、かなり欠損が激しいものが何点もありました。特に残念だったのは、体の部分は無事に写っていても、お顔の部分が流れたりして欠損している場合で。あと1cm横なら問題ないのになあ!


アルバムを通してみると、このお方もどうか無事でいなさるといいな、198X年に生まれたお子さんなら今青春時代じゃないかな、と、いろいろなことを考えました。みんな、楽しそうに写っていて、ドキドキしながら作業させていただきました。


主催者さんの報告エントリが挙がっていたのでリンクとトラックバックさせていただきます。
ひたすら黙々作業していましたが、心の中は本当にドキドキしていました。なお、私は最後の方までやっていて、帰りがけに「ウナギイヌ」のハンカチを落っことして拾っていただいた者です(^_^;)。こういう形でお役に立ててうれしかったです。ありがとうございました。