∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

激動の一週間のあとで

【政治力学の真髄を見せつけられて】

 安全保障関連法案が衆議院で可決。新国立競技場建設が白紙に。なんとも先週は日本が大揺れに揺れた一週間でした。

 安保法案に関しては、法案が閣議決定された時から安部首相が政治生命を掛けてなにがなんでも可決させるんだろうなと感じていたので、与野党の政治的な攻防を見せてもらおうと極めて冷めた気持ちで委員会の推移を眺めてきました。そのなかで憲法問題をギリギリのところで避けるところや、強硬採決をしてたとえ支持率が下がっても、次の選挙で自民党が与党の座を確保できると読んだ首相の思考も垣間見せていただきました。これぞ議会制民主主義。ロングスパンで数の力を読み切れば個人的な歴史感や政治哲学を国政に埋め込むことができるという怖さも教えられたように思います。
 それに比べ新国立競技場に関しては。市井からのノイズは右から左へ聞き流して一度決めたものは必ず前進させるという政治家と官僚の思考性を見せつけられていましたが、政治的に計算され尽くしたタイミングで白紙に戻すという鶴のひと声が。安保法制が一段落したから次はオリンピックだな想像していましたが、ここまで早いとは正直言って驚きました。同時に、権力のトップダウンの強大さもそうですが、あれだけ固執していたものが否定された途端、責任を回避する言動に終始する関係者からは「世の常」を見せてもらいました。また、その道を代表する人々が正論を述べた時の力強さも、執念に裏打ちされた政治力には及ばないという空しさや、ステロタイプ化した反論がいかに無力かということも改めて確認できました。

 シリアスか、コメディか。どちらもドラマのようにしか感じていない僕が無責任なうえに意識が低すぎるのでしょうか。今のところは、冷めた目で、本物の政治力学を見せつけられたとだけ言っておきましょうか。

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