「涼宮ハルヒの雪国」諸々(後)

hana to yume刊「涼宮ハルヒの雪国」解説その他、後編。
ちなみにhana to yumeキャップ・華子さんのオリジナルマンガ「フワフワアチチケーキ大爆発」のほうも、ついにイラストを公開していますよ(俺も初めてみた。これはヤクい!)。
http://d.hatena.ne.jp/b_t_b/
■「涼宮ハルヒの衝天」イラスト:hina
タイトルは誤変換、まああの、日曜夕方の長寿番組のアレです。「ハルヒ」に登場する人物は脇役まで含め皆魅力的な個性を持っているので、どんなところから舞台設定を引っぱって来ても、ある程度動いてくれる。パロディに最も適した「素材」だと言えます。パロディ癖(?)のある人なら、単行本を読めば絶対やりたくなるんじゃないかなー。ついマネしたくなる谷川文体というのもまた大量のSSを生む要因で。とはいえ所詮は贋作、本編の続刊(もはや無期延期状態)が発売されるまで、贋作の波はおさまりません。新刊出たら出たでさらに盛り上がるんでしょうけど。

話を戻します。大喜利やらせりゃいいんじゃない、と考えたわけです。「はてなスター大喜利」に書き込んで風呂入ってる時に思いついた、という実に安直な。でまあ、上の通り、舞台設定を考えた時点である程度勝手に動き出してくれはするんだけど、動いてくれるだけで、勝手に面白いこと喋り出してくれるわけじゃないですから(笑)。どうにかこうにかオチまで持ってったっつうか全然オチてないんだけど。大丈夫かコレっていう。
イラストは今回の参加者のなかで最年少、気鋭の新人絵師、と呼びたい、hinaさん。どこに発表するでもなく大量に絵を描きためている彼女には「とりあえずブログか何かを立ち上げて世間に放たれい」と推してるんですけどねー。だもんで今回はとにかく世間に、と無理くり描いてもらいました。数パターンのタッチを操れる人なので、時間があれば更に別のものもお願いしたかったんですけども。今後の活躍に期待っつうかとりあえずブログとかを!

■「町田コウの憂鬱」イラスト:おういし
ここまでの3本が(出来不出来はともかく)「ながるん文体で書く異世界」だったのに対し、これだけ逆の、「別の作家の文体で書く『ハルヒ』」になっており。和田誠「雪国」マナーに則って、小説の冒頭部分を別の作家、町田康文体で、というのをやってみた、という。ホントならこの両パターンを3つずつぐらい、という感じにしたかったんですけど、それだと予算を上回るページ数になりそうだったので。
ただ、町田作品はここ数年の新作にまったく手をつけておらず、過去の作品を読み返すということをしていないので、そんなに町田パロディになってないかも知れん。また、この話は「ページの最終調整」用に、だいたいの編集作業を終えたあと「字数合わせ」みたいな感覚で書いたのですが、それってどうなの。この本の作者は私ですが、同時に編集者でもあり、作業を進めるうち自分の中の楽しさの度合いが完全に「編集>執筆」になってしまい、挙げ句「ページをめくった時に、文頭がこの行になったほうが良いな」と思ったら文章そのものを書き換える(笑)という鬼畜編集者ぶり。編集の人(俺)に「3ページにまとめろ」と言われたので「町田コウ」はイラスト含めて4Pぽっちです。これはもっかい、ちゃんとガッツリ書きたいなー。

なのでイラストも……他の絵師さんには一応原稿を読んでもらったうえで「挿絵」として描いてもらったんですけど、これだけ「町田をやるので」と伝えるのみで描いてもらいました。イラストはhana to yume首謀者のひとり、「よくわかりません」のおういしさん。そんな状況であったにも関わらず、結果的に一番、挿絵としてのマッチングを果してくれているかも、という具合の、鬼気迫る羽生生ハルヒ(笑)を描いてもらいました。あじゅじゅしたー。


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という4篇+マンガ1本になっております。価格は500円になりました。が、コミケ会場では「わざわざこんな年の瀬に、しかもめがっさ寒いのに(9℃/3℃ですって!)ご苦労」価格として300円で販売します。絶対に売り切ることのない冊数あるので、今後のことは後々考えます。
そして発売前に誤字・誤植情報(笑)。入稿後にサイトアドレスを変更する、という考えなしの行動をとってしまったせいで、以前のサイトアドレスが記載されています。そしてもうひとつ、いっちゃん最初の扉ページに「dedicated to」、捧げ文が書いてあるんですけど、小原愼司さんのスペルが「obara」になってます。正確には「ohara」ですね。捧げといてすみません。最初は「wohara」にしてたんだけど、oのほうがよいのかなーと書き直した際につい余計なとこまで修正したっぽい。あとは枠線消し忘れとかそういう盆ミスも発見しました。他にもあるかも……。