がんばれニッポンプロ野球

野茂が所属していた頃のダジャースタジ


 私は人一倍プロ野球が好きだ。世代的に子供の頃は野球しかなかった。勉強は大嫌いだったしできるほうでもなかった。学校から帰ると毎日野球ばっかりしていた。
 父親は実に器用な人でラジオを組み立てる名人だった。会社員だったが休みになると街に出かけて行って山ほど部品を買ってくる。専用の座卓の前に座り、ハンダ付けの匂いをさせながら夢中でラジオを作っていた。出来上がると手作りの木箱に組み込んではすべて人にあげていた。

 私は父から貰ったラジオでいつも野球を聞いていた。
「解説の小西(得郎)さん、九回表、二死三塁二塁、国鉄スワローズは巨人相手に2点リードというところですが…」
「なんと申しましょうか、、ピッチャーは金田(正一)、キャッチャー根来のバッテリーですから半ば決まりましたでしょうかね」
「さぁ、最後のバッターになるか与那嶺(要)、打った〜、、打ちあげてしまった、ショートフライ、、万事休すか、、、ショート構えた、、あっ、落した落した、二人ホームイン!!、、同点、同点!あっ、ピッチャーの金田、グラブを放り投げた、、そして自らベンチに歩いているぅ、、これはどうしたことかぁ!?!」
 こんなこともあったかな、とにかく面白くてワクワクしながら聞いていた。

 長嶋さんが立教大学から巨人に入団し、それまで人気イマイチだったプロ野球は国民的スポーツに急変貌した。しかし、日本のプロ野球はあれほど人々を惹きつけてきたのに今はどこへ行ってしまったんだろう。

 今日はMLBの<オールスターゲーム>をリアルタイムでゲームセットまで見た。とにかく楽しく内容が濃くて記憶に残るゲームだった。イチローオールスターゲーム史上初のランニングホームラン、これには驚いたがあれほど足の速い彼自身、ランニングホームランはプロで初体験と聞いてますますホホーと思った。
 彼は日本人初のMVPを獲得、やはりイチローは何か特別な星の下に生まれている。
 数年前、ロスアンジェルスドジャースの試合を見たことがあった。一番印象的だったのは観客の野球を見る目がすごかったこと、本当にいいプレーとへたくそなプレーを実に見事に見分けていた。選手のレベルが上がれば観客の見る目が上がり。見る目が上がれば選手のレベルも上がるという相乗効果を肌身で感じた。

 日本のプロ野球頑張れ!もう一度、野球の魅力を存分に味あわせてくれ!
 今夜の巨人ー阪神戦は5点差で阪神が勝った。どちらが勝ってもいいが内容が全くない。脇谷のエラーに二岡もエラー連発、阪神も6点差あるのにゲッツーを焦った藤本がエラーして得点に結び付けられた。新しい人工芝球場で一試合4エラーかよ!もうかつての伝統の一戦は消滅し、限りなく草野球に近づいてきた。あの調子ではファンはますます離れていくのではないだろうか。
 もはや根本から選手のレベルを上げる以外プロ野球の人気が戻ることはないだろう。メジャーリーグの選手は、一つ一つの打撃、守備、走塁に魅力があるしレベルが高い。日本のプロ野球ファンはそれを待ってる。